JP3885468B2 - 嵩高性ポリエステル系複合糸およびその製造方法ならびに布帛 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた捲縮発現能力により布帛にした際にソフトなストレッチ性を与えるとともに、ノントルクであるためシボが発現しにくく、ソフトで反発感のある風合いを与えることのできる嵩高性ポリエステル系複合糸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルは機械的特性をはじめ、様々な優れた特性を有しているため衣料用途のみならず幅広く展開されている。また、近年のストレッチブームによりポリエステル系布帛にもストレッチ性を与えるため、種々の方法が採用されている。
【0003】
例えば、織物中にポリウレタン系の弾性繊維を混用し、ストレッチ性を付与する方法がある。しかしながら、ポリウレタン系繊維を混用した場合、ポリウレタン固有の性質として風合いが硬く、織物の風合いやドレープ性が低下すると共に、ポリエステル用の分散染料には染まり難く、汚染の問題がつきまとう。そのため、還元洗浄の強化など染色工程が複雑になるばかりか、所望の色彩に染色することが困難であった。
【0004】
また、ポリエステル繊維に仮撚加工を施し、加撚/解撚トルクを発現させた繊維を用いることにより、織物にストレッチ性を付与する方法がある。しかしながら、仮撚加工糸はぼてつき感があるとともに、トルクが織物表面のシボに転移し易い傾向があり、織物欠点となり易い問題がある。このため、熱処理やS/Z撚りとすることでトルクバランスを取り、ストレッチ性とシボ立ちによる欠点をバランスさせることも行われているが、概ねストレッチ性が低下しすぎることが問題となっていた。
【0005】
一方、ポリウレタン系繊維や仮撚加工糸を用いない方法として、サイドバイサイド複合を利用した潜在捲縮発現性ポリエステル繊維が種々提案されている。潜在捲縮発現性ポリエステル繊維は、熱処理により捲縮が発現するか、あるいは熱処理前より微細な捲縮が発現する能力を有するものであり、通常の仮撚加工糸とは区別されるものである。
【0006】
例えば、特公昭44−2504号公報や特開平4−308271号公報には、固有粘度差あるいは極限粘度差を有するポリエチレンテレフタレート(以下PETと略す)のサイドバイサイド複合糸、特開平5−295634号公報にはホモPETとそれより高収縮性の共重合PETのサイドバイサイド複合糸が記載されている。このような潜在捲縮発現性ポリエステル繊維を用いれば、確かにある程度のストレッチ性を得ることはできるが、織物にした際のストレッチ性が不充分となり、満足なストレッチ性織物が得られにくいという問題があった。これは、上記したようなサイドバイサイド複合糸は織物拘束中での捲縮発現能力が低い、あるいは捲縮が外力によりヘタリ易いためである。サイドバイサイド複合糸はポリウレタン系繊維のように繊維自身の伸縮によるストレッチ性を利用しているのではなく、複合ポリマ間の収縮率差によって生じる3次元コイルの伸縮をストレッチ性に利用している。このため、例えば、ポリマーの収縮が制限される織物拘束下で熱処理を受けるとそのまま熱固定され、それ以上の収縮能を失うためコイルが十分に発現せず、上記問題が発生すると考えられる。
【0007】
また、特公昭43−19108号公報にはポリトリメチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートを利用したサイドバイサイド複合糸が記載されている。本特公記載の方法を用いれば適度なストレッチ性を与えることができるが、単繊維間の捲縮が会合し合う傾向が強いためにコイル捲縮による収縮力に異方性をもち、そのため揚柳状のシボが発現する。また、本発明者らが追試を行ったところ、紡糸速度が低いことに起因すると思われる糸斑により染色斑が発生し、品位が悪いという問題も判明した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、紡糸、延伸等の製糸性が良好で、ポリウレタン混用で問題となる染料汚染がなく、従来のポリエステル系潜在捲縮性繊維や仮撚加工糸で問題となっている織物拘束下での捲縮発現能力を改善し、ストレッチ性に優れるとともに、シボの発現が少なく、しかも染め斑発生の少ない高品位の布帛を得ることができる嵩高性ポリエステル系複合糸を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するため本発明は、次の構成を採用する。すなわち、(1)2種類以上のポリエステル系重合体からなるサイドバイサイド型、偏心芯鞘型、または多層構造型に貼合わせたものであって、少なくとも一成分がポリトリメチレンテレフタレートを主体としたポリエステルであり、収縮応力の極大を示す温度が110℃以上で、かつ収縮応力の極大値が0.15cN/dtex以上であるコイル捲縮を有する複合繊維から構成された複合糸であり、嵩高度が30cc/g以上、ウースター斑U%が2.0以下であることを特徴とする嵩高性ポリエステル系複合糸。
【0010】
(2)熱処理後の伸縮伸長率が30%以上であり、かつ伸縮弾性率が85%以上であることを特徴とする前記(1)記載の嵩高性ポリエステル系複合糸。
【0012】
(3)伸度3〜10%での微分ヤング率の最小値が15cN/dtex以下を示すことを特徴とする前記(1)〜(2)のいずれか1項記載の嵩高性ポリエステル系複合糸。
【0013】
(4)90℃熱水処理後の破断伸度が100%以上であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項記載の嵩高性ポリエステル系複合糸。
【0014】
(5)一方にポリトリメチレンテレフタレートを主体としたポリエステルAを配し、他方に繊維形成能を有するポリエステルBを配して複合紡糸するに際し、各々の固有粘度(IV)が次式(1)〜(3)を満たす組み合わせで複合糸とし、紡糸速度1000m/分以上で引き取った後、最大延伸倍率の65%以上の倍率で延伸し、連続してリラックス率3〜15%でリラックス処理を施すとともに、延伸ゾーンおよび/またはリラックス処理後に温度110℃以上で熱処理することを特徴とする嵩高性ポリエステル系複合糸の製造方法。
【0015】
0.30X≦Y≦0.45X+0.30 ・・・(1)
0.45≦Y ・・・(2)
0.8≦X≦2.0 ・・・(3)
(ただし、Y:繊維形成性ポリエステルBの固有粘度(IV)
X:ポリトリメチレンテレフタレートを主体としたポリエステルAの固有粘度(IV)
(6)繊維形成性ポリエステルBの固有粘度(IV)が次式(4)を満たすことを特徴とする前記(5)記載の嵩高性ポリエステル系複合糸の製造方法。
【0016】
Y≦0.7 ・・・(4)
(7)リラックス処理に用いる供給ロールの表面粗さが1S以下の鏡面ロールであり、該ロールの表面温度を70℃以下とすることを特徴とする前記(5)または(6)記載の嵩高性ポリエステル系複合糸の製造方法。
【0017】
(8)リラックス処理ゾーンでの糸条張力が0.05cN/dtex以下になるようにリラックス率を設定し、走行糸条に捲縮を発現させることを特徴とする前記(5)〜(7)のいずれか1項記載の嵩高性ポリエステル系複合糸の製造方法。
【0018】
(9)撚係数Kが0〜10000の無撚または中撚を施された前記(1)〜(5)のいずれか1項記載の嵩高性ポリエステル系複合糸を少なくとも一部に用いたことを特徴とする布帛。
(ただし、撚係数K=T×D0.5
T:糸長1m当たりの撚数、
D:糸条の繊度(dtex))
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の嵩高性ポリエステル系複合糸を構成する複合繊維は、粘度の異なる2種類以上のポリエステル系重合体が繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型、偏心芯鞘複合型または多層構造複合型に貼り合わされたものであり、良好な捲縮特性を得るためにサイドバイサイド型または偏心芯鞘複合型が好ましい。粘度が異なる重合体を前記複合形態にすることによって、紡糸、延伸時に高粘度側に応力が集中するため、各成分間で内部歪みが異なる。そのため、延伸後の弾性回復率差および布帛の熱処理工程での熱収縮率差により高粘度側が大きく収縮し、単繊維内で歪みが生じて3次元コイル捲縮の形態をとる。この3次元コイルの径および単位繊維長当たりのコイル数は、高収縮成分と低収縮成分との収縮差(弾性回復率差と熱収縮率差を足し合わせた値)によって決まるといってもよく、収縮差が大きいほどコイル径が小さく、単位繊維長当たりのコイル数が多くなる。
【0020】
ストレッチ素材として要求されるコイル捲縮は、コイル径が小さく、単位繊維長当たりのコイル数が多い(伸長特性に優れ、見映えが良い)、コイルの耐へたり性が良い(伸縮回数に応じたコイルのへたり量が小さく、ストレッチ保持性に優れる)、さらにはコイルの伸長回復時におけるヒステリシスロスが小さい(弾発性に優れ、フィット感がよい)等である。これらの要求を満足しつつ、ポリエステルとしての特性、例えば適度な張り腰、ドレープ性、高染色堅牢性を有することで、トータルバランスに優れたストレッチ素材とすることができる。
【0021】
ここで、前記のコイル特性を満足するためには高収縮成分(高粘度成分)の特性が重要となる。コイルの伸縮特性は、低収縮成分を支点とした高収縮成分の伸縮特性が支配的となるため、高収縮成分に用いる重合体には特に高い伸長性および回復性が要求される。そこで、本発明者らはポリエステルの特性を損なうことなく前記特性を満足させるために鋭意検討した結果、高収縮成分にポリトリメチレンテレフタレート(以下PTTと略記する)を主体としたポリエステルを用いることを見出した。PTT繊維は、代表的なポリエステル繊維であるポリエチレンテレフタレート(以下PETと略記する)やポリブチレンテレフタレート(以下PBTと略記する)繊維と同等の力学的特性や化学的特性を有しつつ、伸長回復性が極めて優れている。これは、PTTの結晶構造においてアルキレングリコール部のメチレン鎖がゴーシュ−ゴーシュの構造(分子鎖が90度に屈曲)であること、さらにはベンゼン環同士の相互作用(スタッキング、並列)による拘束点密度が低く、フレキシビリティーが高いことから、メチレン基の回転により分子鎖が容易に伸長・回復するためと考えている。
【0022】
また、本発明の低収縮成分(低粘度成分)には高収縮成分であるPTTとの界面接着性が良好で、製糸性が安定している繊維形成性ポリエステルであれば特に限定されるものではない。ただし、力学的特性、化学的特性および原料価格を考慮すると、繊維形成能のあるPTT、PET、PBTが好ましい。さらに高収縮成分(高粘度成分)、低収縮成分(低粘度成分)ともにPTTとし、融点、ガラス転移点を合わせることで、紡糸工程でより高粘度成分に応力集中させることができ、収縮率差を大きくできる点で、PTTがより好ましい。また、両成分をPTTとすることで繊維のヤング率を低くできるので、よりソフトで弾発性に優れた捲縮糸が得られるという利点もある。また、前記2成分よりもアルカリ減量速度の速い繊維形成性ポリエステルを第3成分として複合させることで、布帛とした後にアリカリ減量処理して特殊断面形状としてもよい。
【0023】
なお、本発明でいう粘度とは固有粘度(IV)を指し、オルソクロロフェノール中に試料を溶かして測定した値である。
【0024】
本発明の嵩高性ポリエステル系複合繊維は、前記したようにPTTの分子鎖内においてメチレン基の回転が容易に起こり、分子鎖が伸縮することでストレッチ性が付与される。この変化は可逆的なものであり、本発明者らの実験では結晶化度が高いほど捲縮回復能が高く、捲縮保持性も高くなることがわかっている。
【0025】
したがって、結晶化度は高いほどよく、好ましくは35%以上、より好ましくは40%以上である。
【0026】
ここで、結晶化度の測定はJIS L1013(化学繊維フィラメント糸試験方法)7.14.2の密度勾配管法に従い密度を測定し、結晶化度は次式によって求めた(ただし、dc、daの値はPTTのものであり、複合繊維の組成が全てPTTのときの結晶化度である)。
【0027】
Xc[%] = {dc×(d−da)}/{d×(dc−da)}×100
Xc:結晶化度(%)、
d:実測糸密度、
dc:完全結晶部の密度
da:完全非晶部の密度
ここで、dc:1.387g/cm3 、da:1.295g/cm3 を用いた。
【0028】
また、2成分としたときの複合比率は製糸性および繊維長さ方向のコイルの寸法均質性の点で、高収縮成分:低収縮成分=75:25〜35:65(重量%)の範囲が好ましく、65/35〜45/55の範囲がより好ましい。
【0029】
ここで、本発明のPTTとは、テレフタル酸を主たる酸成分とし、1,3−プロパンジオールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルである。ただし、20モル%、より好ましくは10モル%以下の割合で他のエステル結合の形成が可能な共重合成分を含むものであってもよい。共重合可能な化合物として、例えばイソフタル酸、コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボン酸類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのジオール類を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、必要に応じて、艶消し剤となる二酸化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤としてヒンダードフェノール誘導体、着色顔料などを添加してもよい。
【0030】
また、布帛拘束力に打ち勝って、安定的にコイル捲縮を発現させるためには、収縮応力および収縮応力の極大を示す温度が重要な特性となる。収縮応力は高いほど布帛拘束下での捲縮発現性がよく、収縮応力の極大を示す温度が高いほど仕上げ工程での取り扱いが容易となる。したがって、布帛の熱処理工程で捲縮発現性を高めるには、収縮応力の極大を示す温度は110℃以上、好ましくは130℃以上、より好ましくは150℃以上であり、収縮応力の極大値は0.15cN/dtex以上、好ましくは0.20cN/dtex以上、より好ましくは0.25cN/dtex以上である。
【0031】
また、本発明の嵩高性ポリエステル系複合糸は、構成する複合繊維間で捲縮位相がずれており、複合糸の嵩高度が高いものである。嵩高度を高くすることによって本発明の目的である適度なふくらみを与えるとともに、ソフトで反発感のある布帛とすることができる。さらには捲縮位相のずれがコイル捲縮によるトルクの分散効果を高め、無撚〜甘撚においても揚柳調のシボ立ちがほとんどなく、高品位な布帛とすることができる。また、無撚〜甘撚での加工を可能にすることによって、透け感がない織物とすることができる。前記の効果は嵩高度30cc/g以上で達成されるが、好ましくは40cc/g以上、より好ましくは50cc/g以上である。ちなみに、特公昭44−2504号公報記載のような固有粘度差のあるPET系複合糸、あるいは特開平5−295634号公報記載のようなホモPETと高収縮性共重合PETとの組み合わせでの複合糸の嵩高度は高々10cc/g程度であり、特公昭43−19108号公報の複合糸の嵩高度は20cc/g程度である。
【0032】
また、本発明の嵩高性ポリエステル系複合糸は、糸長手方向の太さ斑の指標であるウースター斑U%が2.0%以下であるものである。これにより、布帛の染め斑の発生を回避できるのみならず、布帛にした際の糸の収縮斑を抑制し、美しい布帛表面を得ることができる。ウースター斑U%は好ましくは1.5%以下、より好ましくは1%以下である。
【0033】
また、本発明の嵩高性ポリエステル系複合糸は、JIS L 1090(合成繊維フィラメントかさ高加工糸試験方法)5.7項C法(簡便法)に示す伸縮伸長率が30%以上であり、かつ伸縮弾性率が85%以上であることが好ましい。従来は、特開平6−322661号公報等に記載されているように、潜在捲縮発現性ポリエステル繊維を荷重フリーに近い状態で熱処理し、そこでの伸縮伸長率を規定していたが、これでは布帛拘束下での伸縮特性を必ずしも反映しているとはいえない。
【0034】
そこで本発明者らは、布帛拘束下での捲縮発現能力が重要であることに着目し、図1に示す方法にて熱処理を行い、以下に示す式にて伸縮伸長率および伸縮弾性率を定義した。
【0035】
伸縮伸長率(%)=[(L1−L0)/L0]×100%
伸縮弾性率(%)=[(L1−L2)/(L1−L0)]×100%
L0:繊維カセに1.8×10-3cN/dtex荷重を吊した状態で90℃熱水処理を20分間行い、1昼夜風乾した後のカセ長
L1:L0測定後、L0測定荷重を取り除いて90×10-3cN/dtex荷重を吊して30秒後のカセ長
L2:L1測定後、L1測定荷重を取り除いて2分間放置し、再び1.8×10-3cN/dtex荷重を吊して30秒後のカセ長
すなわち、布帛内での拘束力に相当する1.8×10-3cN/dtexと同じ荷重を繊維カセに吊して熱処理することで、布帛拘束下での捲縮発現能力を繊維カセの伸縮伸長率で表せるとした。この伸縮伸長率が高いほど捲縮発現能力が高いことを示しており、30%以上であれば適度なストレッチ特性を与えることができるので好ましい。伸縮伸長率は高いほど布帛にしたときのストレッチ性能が向上するため、好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上である。
【0036】
なお、特公昭44−2504号公報記載のような固有粘度差のあるPET系複合糸、あるいは特開平5−295634号公報記載のようなホモPETと高収縮性共重合PETとの組み合わせでの複合糸では伸縮伸長率は高々5%程度である。
【0037】
また、コイル捲縮の伸縮によってストレッチ性を付与する場合、その捲縮の耐久性も重要な要素のひとつとなり、指標として伸縮弾性率が参考となる。伸縮弾性率は高いほど着用耐久性やフィット感に優れることを示し、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上である。
【0038】
また、本発明の嵩高性ポリエステル系複合糸は、ヤング率が50cN/dtex以下、伸度3〜10%での微分ヤング率の最小値が15cN/dtex以下であることが好ましい。これら諸特性はすべて布帛におけるソフト性、反発性、弾性回復性に関わっており、いずれの特性もソフトストレッチ性を与えるためには低い値であるほうが好ましい。そのため、ヤング率は40cN/dtex以下であることがより好ましい。同様に、伸度3〜10%での微分ヤング率の最小値は10cN/dtex以下であることがより好ましい。
【0039】
本発明の嵩高性ポリエステル系複合糸は、布帛拘束力の低い編物においては織物よりも高いストレッチ性を有する。その特性を顕著に現すのが沸騰水処理後の破断伸度である。沸騰水処理後の破断伸度が高いほどストレッチ性に優れている。したがって、沸騰水処理後の破断伸度は、好ましくは100%以上であり、より好ましくは150%以上である。
【0040】
沸騰水処理後の破断伸度の測定は、試料となる繊維を無荷重に近い状態で沸騰水処理してコイル捲縮を発現させた後、1.8×10-3cN/dtex荷重下でつかみ長を固定して引張り試験を行うことによって求めたものである。
【0041】
また、本発明の嵩高性ポリエステル系複合繊維の断面形状は、丸断面、三角断面、マルチローバル断面、偏平断面、中空断面、X型断面その他公知の異形断面であってもよく、何等限定されるものではないが、捲縮発現性と風合いのバランスから、図2に示すような半円状サイドバイサイド型(a)、(b)、偏心芯鞘型(c)、(d)や軽量、保温を狙った中空サイドバイサイド(e)、ドライ風合いを狙った扁平断面サイドバイサイド(f)、(g)や三角断面サイドバイサイド(h)等、サイドバイサイド型または偏心芯鞘型が好ましく用いられる。
【0042】
また、本発明の嵩高性ポリエステル系複合糸は無撚〜甘撚で織物にしてもシボ立ちが少なく、織物表面をフラットに仕上げることが可能である。また、撚数を小さくできるために単繊維の開繊状態が良好であり、防透け性に優れる。そのため防透けが要求される薄地用途にも展開可能である。防透け性を付与するためには糸条の集束性を下げる必要があるため、撚係数Kが0〜10000の無撚〜中撚とすることが好ましい。
ただし、撚係数K=T×D0.5
T:糸長1m当たりの撚数、D:糸条の繊度(dtex)
ここで、糸長1m当たりの撚数Tとは電動検撚機にて90×10-3cN/dtexの荷重下で解撚し、完全に解撚したときの解撚数を解撚した後の糸長で割った値である。
【0043】
また、本発明の嵩高性ポリエステル系複合糸は単独で用いることも可能であるが、レーヨンやキュプラ等のセルロース繊維との複合や、ウールと組み合わせることで吸放湿性や保温性を付与でき、着用快適性が向上するため好ましい。
【0044】
本発明の布帛形態は、織物、編物、不織布、さらにはクッション材など、目的に応じて適宜選択でき、シャツ、ブラウス、パンツ、スーツ、ブルゾン等に好適に用いることができる。
【0045】
次に、本発明の嵩高性ポリエステル系複合糸の好ましい製法を説明する。
【0046】
本発明の嵩高性ポリエステル系複合糸は、2種類以上のポリエステル系重合体の一方にPTTを主体としたポリエステルAを配し、他方に繊維形成能を有するポリエステルBを配し、例えば図3や図4に示すような口金によって吐出孔上部で合流させ、サイドバイサイド複合流や偏心芯鞘複合流を形成させた後、所望の断面形状を得るための吐出孔から吐出させる。吐出された糸条は冷却され、固化した後、一旦巻き取ってから延伸する2工程法によって製造してもよいし、紡糸引取り後、そのまま延伸する直接紡糸延伸法によって製造してもよい。
【0047】
また、本発明の嵩高性ポリエステル系複合糸を安定して製造するためには、各成分の固有粘度および、各成分間の固有粘度差が重要となってくる。複合繊維といえども、片側成分の粘度が低すぎて繊維形成能がなかったり、逆に高すぎて特殊な紡糸装置が必要になるようでは実用的ではない。また、各成分間の粘度差により、吐出孔直下での糸条のベンディング(曲がり現象)の度合いが決まり、それが製糸性に大きく影響する。そのため、各成分の固有粘度(IV)は、次式を満たす組み合わせであることが好ましい。
【0048】
0.30X≦Y≦0.45X+0.30
0.45≦Y
0.8≦X≦2.0
ただし、Y:繊維形成性ポリエステルBの固有粘度(IV)
X:ポリトリメチレンテレフタレートを主体としたポリエステルAの固有粘度(IV)
複合紡糸を行う際、繊維形成性ポリエステルBの固有粘度(IV)を0.45以上にすることで安定した製糸性が得られ好ましい。より好ましくは0.50以上である。さらに高い捲縮特性を得るためには、0.7以下であることが好ましい。一方、ポリトリメチレンテレフタレートを主体としたポリエステルAを安定して溶融押出するために、固有粘度は0.8〜2.0の範囲が好ましく、より好ましくは1.1〜1.7である。
【0049】
また、2成分の固有粘度の組み合わせとして、Y=0.30XよりもYの値を大きくすることで、紡糸糸条が高粘度成分側に過度にベンディングするのを抑え、長時間に渡って安定して製糸することができるため好ましい。一方、Y=0.45X+0.30よりもYの値を小さくすることで、得られる糸の捲縮特性を目的とするレベルにすることができ好ましい。
【0050】
また、紡糸温度は繊維形成性ポリエステルBがPTTやPBTの場合で245〜270℃、PETの場合で265〜290℃とすることが好ましく、必要に応じて口金下に2〜20cmの加熱筒やMO(モノマー、オリゴマー)吸引装置、ポリマ酸化劣化あるいは口金孔汚れ防止用の空気、スチーム、N2などの不活性ガス発生装置を設置してもよい。
【0051】
また、糸の太さ斑(ウースター斑)を小さくし、品位の高い布帛を得るために、紡糸速度は1000m/分以上にするものであり、好ましくは1200m/分以上、より好ましくは1400m/分以上である。
【0052】
次に、本発明の嵩高性ポリエステル系複合糸を得るための延伸方法を、図に基づいて説明する。図8は一旦巻き取った未延伸糸をエージングした後、延伸機に掛けて延伸する方法の一例であり、図9は紡糸した後、一旦巻き取ることなく引き続いて延伸およびリラックス処理を行う直接紡糸延伸法の一例である。嵩高性ポリエステル系複合糸を構成する複合繊維は、収縮応力の極大値が0.15cN/dtex以上であることが重要である。そのためには最大延伸倍率の65%以上の倍率で延伸することが好ましい。最大延伸倍率とは複合紡糸によって得られた未延伸糸を引張試験機にて常温で延伸し、強度が最大を示す点の伸度(%)から次式によって求めた値である。なお、測定は5回行い、平均伸度をEとした。
【0053】
最大延伸倍率(倍)=(E/100)+1
ここで、延伸する方法として図8の2工程法ではホットロール10とホットロール11の間で1段延伸するかもしくはホットロール10〜ホットロール12間で2段延伸を行った後リラックス処理してもよいし、ホットロール10とホットロール11の間で延伸後、ホットロール11とホットロール12の間でリラックス処理を行い、引き続いてホットロール12とドローロール13の間で再延伸を行ってもよい。また、図9の直接紡糸延伸法ではホットロール17とホットロール18の間で延伸を行い、ホットロール18とゴデットロール19の間でリラックス処理してもよいし、ホットロール17〜ゴデットロール19間で2段延伸を行った後、ゴデットロール19と巻取機20の間でリラックス処理してもよい。いずれの場合においても、最大延伸倍率はリラックス処理工程前の延伸倍率を示し、2段延伸の場合は1段目と2段目の延伸倍率を掛け合わせた倍率が最大延伸倍率の65%以上であればよい。また、図8の延伸機で延伸後、リラックス処理を行い、引き続いて再延伸を行うと、収縮応力が向上するとともに伸縮伸長率に代表されるストレッチ特性が向上し、好ましい。このときの再延伸倍率は、糸切れなく良好な延伸性を保つために1.01〜1.10倍であることが好ましい。
【0054】
また、収縮応力をさらに高める手段として、次に示す方法が有効である。複合紡糸により一旦巻き取った未延伸糸パッケージを、環境温度25℃以上で8時間以上エージングすると、PTT繊維内部に疑似結晶による拘束点が形成される。そのため、延伸時にPPT側により高い応力が加わり、それに伴い収縮応力を高めることができる。ただし、エージング時間が2週間を越えると未延伸糸の脆化により延伸性が低下するので、エージングは8時間〜2週間の範囲が好ましい。また、延伸領域、例えば図8のホットロール10とホットロール11との間や図9のホットロール17とホットロール18の間に擦過体を設置すると摩擦抵抗により糸条の延伸張力を高めることができ、内部歪みの増大により収縮応力が高くなるため好ましい。用いる擦過体としては、擦過体表面が梨地仕上げのピン、熱板、回転ロール等が好ましい。また、収縮応力の極大を示す温度を110℃以上にするには、糸温度が110℃以上になるように熱処理装置(例えば図8のホットロール11、12や図9のホットロール18)の温度を設定すればよい。熱処理装置が図8や図9のように接触式の場合は、熱処理温度は130〜200℃の範囲が好ましく、150〜180℃の範囲がより好ましい。PTTの融点は230℃近傍にあるため、糸温度が210℃を越える条件では実質加工は不可能である。また、延伸温度(例えば図8のホットロール10や図9のホットロール17の温度)は繊維形成性ポリエステルがPTTやPBTの場合で40〜80℃、PETの場合で55〜95℃とすることが好ましい。
【0055】
また、本発明の目的である嵩高性を付与するためには、単繊維ごとにコイル捲縮の位相をずらして単繊維間空隙を高めることが必要である。そのための手段として、PTTの高い弾性回復応力を利用する方法が好ましい。本発明の複合糸は、延伸直後の弾性回復応力により比較的高い張力下でも捲縮を発現させることが可能である。そのため前記した様に各ホットロール間で延伸後に3〜15%のリラックス処理を行い糸条張力を下げることで、捲縮の発現とともに糸条の開繊が生じ、捲縮位相がずれて嵩高な形態となる。リラックス処理による嵩高性向上は、前記のとおり捲縮を安定的に発現させることが重要であり、そのためにはリラックス処理に用いる供給ロールの表面(例えば図8のホットロール11とホットロール12の間でリラックス処理する場合はホットロール11の表面、図9のホットロール18とゴデットロール19の間でリラックス処理する場合はゴデットロール19の表面)を表面粗さ1S以下の鏡面ロールとすることが好ましい。摩擦係数の高い鏡面ロールとすることで走行糸条の滑りを抑制できるので、糸離れ点まで高い弾性回復応力を保持できる。
【0056】
また、供給ロールの糸離れ点での逆巻きを抑制するために、供給ロールの温度は70℃以下にすることが好ましい。嵩高度はリラックス処理ゾーンの糸条の開繊度合いに比例することから、リラックス処理ゾーンの糸条張力は低めにすることが好ましい。そのためにリラックス処理ゾーンでの糸条張力が0.05cN/dtex以下になるようにリラックス率を設定することが好ましく、0.03cN/dtex以下になるようにリラックス率を設定することがより好ましい。なお、ここでいう糸条張力とは、糸条にかかる張力(cN)を延伸糸の繊度(dtex)で割った値である。
【0057】
また、嵩高性を付与するための他の方法として、延伸した糸を堆積筒に通し、一旦無緊張状態にして捲縮を発現させたり、単繊維間で複合比率を変え、コイル捲縮径の異なる複合繊維を混繊させることで、捲縮位相をずらすといった方法を用いてもよい。また、前記方法を組み合わせてもよい。
【0058】
【実施例】
以下、本発明を実施例で詳細に説明する。なお、実施例中の測定方法は以下の方法を用いた。
A.固有粘度
オルソクロロフェノール(以下OCPと略記する)10ml中に試料ポリマを0.8g溶かし、25℃にてオストワルド粘度計を用いて相対粘度ηrを下式により求め、IVを算出した。
【0059】
ηr=η/η0 =(t×d)/(t0 ×d0 )
IV=0.0242ηr+0.2634
ここで、η:ポリマ溶液の粘度、
η0 :OCPの粘度、
t:溶液の落下時間(秒)、
d:溶液の密度(g/cm3 )、
t0 :OCPの落下時間(秒)、
d0:OCPの密度(g/cm3 )。
B.収縮応力
カネボウエンジニアリング(株)社製熱応力測定器で、昇温速度150℃/分で測定した。サンプルは10cm×2のループとし、初期張力は繊度(dtex)×0.9×(1/30)gfとした。
C.嵩高度
図5は嵩高度Mを測定する装置の斜視図であり、図6はこの装置による測定方法を説明するための見取り図である。試料台1の上面に2本の切り込み6を設け、その外側縁部間の間隔を6mmとし、この切り込みに巾2.5cmのPETフィルム2を掛け渡し、その下に指針付き金具3及び荷重4を結合する。金具3の指針は、試料を装着しない場合に目盛5のゼロ位を示すようにセットする。
試料は周長1mの検尺機を用いて表示繊度50,000dtex、糸長50cmになるようにする(例えば50dtexの糸ならば50,000÷50÷2=500なので、500mの糸を検 尺機で500回巻して表示繊度50,000dtexのカセを作る)。次いで得られたカセ7を図6の正面図(a)及び断面図(b)に示すようにPETフィルム2と試料台1との間に差し入れ、縮んでいる試料を引っ張り、カセ長25cmになるようにカセ7を固定する。荷重4は指針付き金具3と合計して50gになるようにし、指針の示すL(cm)を読みとる。測定は3回行い、平均のL値から次式によって嵩高度Mを算出する。
【0060】
D.伸縮伸長率、伸縮弾性率
JIS L1090(合成繊維フィラメントかさ高加工糸試験方法)、5.7項C法 (簡便法)に従い、図1に示す方法にて熱処理を行い、以下に示す式にて伸縮 伸長率および伸縮弾性率を定義した。
【0061】
伸縮伸長率(%)=[(L1−L0)/L0]×100%
伸縮弾性率(%)=[(L1−L2)/(L1−L0)]×100%
L0:繊維カセに1.8×10-3cN/dtex荷重を吊した状態で90℃
熱水処理を20分間行い、1昼夜風乾した後のカセ長
L1:L0 測定後、L0測定荷重を取り除いて90×10-3cN/dtex荷 重を吊して30秒後のカセ長
L2:L1測定後、L1測定荷重を取り除いて2分間放置し、再び1.8×10-3cN/dtex荷重を吊して30秒後のカセ長
E.強伸度、ヤング率(初期引張抵抗度)
原糸をオリエンテック(株)社製 TENSILON UCT−100でJIS L 1013(化学繊維フィラメント糸試験方法)に示される定速伸長条件で測定した。なお、破断伸度はS−S曲線における最大強力を示した点の伸びから求めた。また、ヤング率はJIS L1013(化学繊維フィラメント糸試験方法)の7.10初期引張抵抗度に示される条件で測定した。
F.微分ヤング率
E項で得られたS−S曲線の各点の応力を図7のように伸度で微分して求めた。
G.沸騰水処理後の破断伸度
原糸を無荷重に近い状態で20分間90℃熱水処理してコイル捲縮を発現させた、オリエンテック(株)社製 TENSILON UCT−100を用い、1.8×10-3cN/dtex荷重下でつかみ長を固定して定速伸長試験を行った。つかみ間隔は50mm、引張 速度200mm/分にて引っ張り、最大強力を示した点の伸びから求めた。
H.結晶化度
JIS L1013(化学繊維フィラメント糸試験方法)7.14.2の密度勾配管法に従い密度を測定し、結晶化度は次式によって求めた。
【0062】
Xc[%] = {dc×(d−da)}/{d×(dc−da)}×100
Xc:結晶化度(%)、
d:実測糸密度、
dc:完全結晶部の密度
da:完全非晶部の密度
ここで、dc:1.387g/cm3、da:1.295g/cm3を用いた。
I.溶融粘度
東洋精機(株)社製キャピログラフ1Bを用い、チッソ雰囲気下において温度280℃、歪み速度1216sec-1での測定を3回行い平均値を溶融粘度とした。
J.ウースター斑
糸長手方向の太さ斑(ノーマルテスト)は、ツェルベガーウースター(株)社製USTER TESTER MONITORCで測定した。条件は、糸速度50m/分で1分間供給し、ノーマルモードで平均偏差率(U%)を測定した。
K.最大延伸倍率
未延伸糸をオリエンテック(株)社製 TENSILON UCT−100で伸長させ、得られたS−S曲線における最大強力を示した点の伸度Eから求めた。なお、伸長条件は、つかみ間隔50mm、引張速度400mm/分とし、測定は5回行いその平均をEとした。
【0063】
最大延伸倍率(倍)=(E/100)+1
実施例1
艶消し剤として酸化チタンを0.35重量%含有した固有粘度(IV)が1.38(溶融粘度1280poise)のホモPTTと、酸化チタンを0.35重量%含有した固有粘度(IV)が0.65(溶融粘度260poise)のホモPTTをそれぞれ別々に溶融し、紡糸温度260℃で図3に示す構造を有する36孔の複合紡糸口金から複合比(重量%)50:50で吐出し、紡糸速度1400m/分で引取り235dtex、36フィラメントのサイドバイサイド型複合構造未延伸糸(繊維断面は図2a)を得た。該未延伸糸の最大延伸倍率は4.6倍であった。さらに未延伸糸を環境温度25℃×2日間エージングした後、図8に示す延伸機を用い、第1ホットロール10温度70℃、鏡面仕上げ(表面粗度0.8S)の第2ホットロール11温度35℃、第1ホットロール10、第2ホットロール11間延伸倍率3.2倍(最大延伸倍率の70%)で延伸、さらに第3ホットロール12温度170℃で第2ホットロール11、第3ホットロール12間のリラックス率13%とし、第3ホットロール12とドローロール13の間で1.02倍に延伸し、約84dtex、36フィラメントの延伸糸を得た。なお、リラックス処理ゾーンの糸条張力は0.01cN/dtexであった。紡糸、延伸とも製糸性は良好であり、糸切れは発生しなかった。物性値を表1に示すが、優れた嵩高性および伸縮特性を示した。また、得られた糸を無撚で緯糸に、56dtex、18フィラメントのPET通常延伸糸を無撚で経糸にして2/1ツイル(経密度86本/インチ)の生機をつくり、ソフサーにてリラックス処理してストレッチ布帛を得た。布帛の表面はフラットでシボの発生がなく、ソフトでふくらみのある風合いを示した。
【0064】
実施例2、実施例3
延伸工程でのリラックス率を9%および5%とした以外は実施例1と同様の方法で評価した。結果を表1に示す。リラックス率9%のときのリラックス処理ゾーンの糸条張力は0.02cN/dtex、リラックス率5%では0.04cN/dtexであった。リラックス率9%の実施例2は実施例1と同様、優れた嵩高性および伸縮特性を示した。また、リラックス率5%の実施例3は実施例1以上に高い伸縮特性を示したが、嵩高度が低いために、ふくらみやソフト性にやや欠けるとともに、織物に若干のシボが発生した。
【0065】
実施例4、実施例5
艶消し剤として酸化チタンを0.35重量%含有した固有粘度(IV)が1.38のホモPTTと、酸化チタンを0.35重量%含有した固有粘度(IV)が0.85(溶融粘度620poise)のホモPTTの組み合わせとした以外は実施例2、実施例3と同様の方法で評価した。結果を表1に示す。延伸工程でのリラックス率が9%の実施例4は口金直下のベンディングも小さく、製糸性は良好であった。また優れた嵩高性を示し、織物にしてもシボ立ちがなく、品位も良好であった。リラックス率が5%の実施例5は伸縮特性、嵩高性ともにやや劣るものであり、織物表面に若干のシボ立ちが発現したが、従来のPET/PETサイドバイサイド複合糸よりは優れたものであった。
【0066】
実施例6
固有粘度(IV)が1.02(溶融粘度900poise)のホモPTTと、固有粘度(IV)が0.65のホモPTTの組み合わせとした以外は実施例2と同様の方法で評価した。結果を表1に示す。実施例6は紡糸、延伸とも製糸性は良好であり、糸切れは発生しなかった。また、実施例2と比較して伸縮特性はやや劣っていたが、ストレッチ素材として十分使用できるポテンシャルを有していた。
【0067】
実施例7
固有粘度(IV)が1.82(溶融粘度1450poise)のホモPTTと固有粘度(IV)が0.7(溶融粘度350poise)のホモPTTの組み合わせとし、延伸倍率を3.0倍(最大延伸倍率の70%)とした以外は実施例1と同様の方法で評価した。結果を表1に示す。実施例7は紡糸、延伸とも製糸性は良好であり、糸切れは発生しなかった。また、実施例1と同様、優れた嵩高性および伸縮特性を示した。
【0068】
比較例1
延伸工程での第3ホットロール(HR)12の温度を35℃とした以外は実施例2と同様の方法で評価した。比較例1は収縮応力の最大値を示すピーク温度が100℃と低く、布帛のリラックス工程で急激な収縮が入ってしまったためにシワが寄り、表面品位の悪いものとなった。また、得られた布帛の伸縮特性も低く、ストレッチ素材としてのポテンシャルに欠けるものであった。
【0069】
比較例2
延伸工程での第1ホットロール10、第2ホットロール11間延伸倍率を2.8倍(最大延伸倍率の61%)とした以外は実施例2と同様の方法で評価した。結果を表1に示す。比較例2は収縮応力が低いために織物拘束下での捲縮発現能力が低く、伸縮性が劣るためにストレッチ素材としてのポテンシャルに欠けるものであった。
【0070】
比較例3
第2ホットロール11、第3ホットロール12間のリラックス率を0%とした以外は実施例1と同様の方法で評価した。比較例3は極めて高い伸縮特性を示したが、無撚で織物にし、リラックス熱処理したところ、織物全面に揚柳状のシボが発現したために品位が悪く、商品としてのポテンシャルに欠けるものであった。
【0071】
比較例4
固有粘度(IV)が1.38のホモPTTと固有粘度(IV)が0.44のホモPTT(溶融粘度100poise)の組み合わせとした以外は実施例1と同様の方法で評価した結果を表1に示す。比較例4のポリマ組み合わせでは口金直下でのベンディングがひどく、安定して紡糸することができなかった。
【0072】
【表1】
【0073】
実施例8
艶消し剤として酸化チタンを0.35重量%含有した固有粘度(IV)が1.38のホモPTTと、固有粘度(IV)が0.82(溶融粘度600poise)のホモPBTの組み合わせとした以外は実施例4と同様の方法で評価した。結果を表2に示す。実施例8の製糸性は良好であった。また、嵩高特性、伸縮特性は実施例4と同様、良好であった。
【0074】
実施例9
艶消し剤として酸化チタンを0.35重量%含有した固有粘度(IV)が1.38のホモPTTと、固有粘度(IV)が0.60(溶融粘度950poise)のホモPETの組み合わせとし、紡糸温度280℃で紡糸、第1ホットロール10の温度80℃、延伸倍率を3.4倍(最大延伸倍率の70%)とした以外は実施例2と同様の方法で評価した。結果を表2に示す。実施例9の製糸性は良好であった。また、嵩高特性、伸縮特性ともに良好であった。
【0075】
実施例10、実施例11
酸化チタンを0.35重量%含有した固有粘度(IV)が1.50(溶融粘度1340poise)のホモPTTと、固有粘度(IV)が0.60(溶融粘度950poise)および0.51(溶融粘度540poise)のホモPETの組み合わせとした以外は実施例9と同様の方法で評価した。結果を表2に示す。ホモPETの固有粘度(IV)が0.60の実施例10および固有粘度(IV)が0.51の実施例11の製糸性はいずれも良好であった。また、嵩高特性、伸縮特性ともに良好であり、特に実施例11の試料は伸縮特性が優れていた。
【0076】
実施例12
艶消し剤として酸化チタンを0.35重量%含有した固有粘度(IV)が1.38のホモPTTと固有粘度(IV)が0.95(溶融粘度790poise)のホモPTTの組み合わせとした以外は実施例2と同様の方法で評価した結果を表2に示す。実施例12は実施例2と比較して伸縮特性が低いものであったが、従来のPET/PETサイドバイサイド複合糸よりは優れたものであった。
【0077】
比較例5
固有粘度(IV)が0.85(溶融粘度3000poise)のホモPETと固有粘度(IV)が0.60(溶融粘度950poise)のホモPETの組み合わせとし、紡糸温度290℃で紡糸、第1ホットロール10温度80℃で延伸した以外は実施例2と同様の方法で評価した。結果を表2に示す。比較例5は紡糸性は良好であるものの、延伸工程でのリラックスゾーンで糸揺れが大きく、走行が不安定であった。また、嵩高特性、伸縮特性ともに低く、織物にした際に揚柳調のシボが発生するとともに、ストレッチ素材としてのポテンシャルに欠けるものであった。
【0078】
比較例6
紡糸速度を920m/分として285dtex、36フィラメントのサイドバイサイド型複合構造未延伸糸を得、延伸倍率3.7倍(最大延伸倍率の70%)で延伸した以外は実施例2と同様の方法で評価した。物性値を表2に示す。比較例6は実施例2と同様、優れた嵩高性、および伸縮特性を示したが、糸斑の指標であるU%が2.3%と高いために染色布帛としたときに染め斑が発生し、品位が悪いものであった。
【0079】
実施例13
図9に示す紡糸直接延伸装置(DSD)を用い、第1ホットロール17速度1100m/分、第2ホットロール18速度3960m/分(延伸倍率3.6倍、最大延伸倍率の71%)、第1ホットロール17温度60℃、第2ホットロール18温度180℃で紡糸・延伸した後、連続して第2ホットロール18、ゴデットロール19間で5%リラックスし、巻取速度3762m/分として直接紡糸延伸した以外は実施例9と同様の方法で84dtex、36フィラメントのサイドバイサイド型複合構造延伸糸を得た。製糸性は良好であり、糸切れは発生しなかった。物性値を表2に示す。実施例13は収縮応力が低いためにリラックス処理で十分に収縮せず、得られた織物の伸縮特性は若干劣っていたが、従来品よりは優れたものであった。
【0080】
【表2】
【0081】
実施例14
実施例1で得た嵩高性ポリエステル系複合糸を用いて丸編地を作成し、これを常法により98℃でリラックス精練、染色を施し、仕上げセットした。得られた布帛は表面が高品位であるとともに、優れたストレッチ性を示した。
【0082】
実施例15、実施例16
実施例1で得た嵩高性ポリエステル系複合糸にそれぞれ300t/m(撚係数K:2750、実施例15)、1000t/m(撚係数K:9165、実施例16)のS/Z撚りを施して緯糸とし、経糸に110dtex、48フィラメントの通常PET延伸糸(沸収率6%)を用いて平織を作製した。これを常法により98℃でリラックス精練、160℃で中間セットした後、3%NaOH熱水溶液で15重量%減量し、さらに染色を施し仕上げセットを行った。得られた布帛はいずれもソフトでストレッチ性に優れたものであった。また、撚数1000t/mのものは微細凹凸表面となり清涼感のある春夏素材に適した風合いを示した。
【0083】
【発明の効果】
本発明の嵩高性ポリエステル系複合糸を用いることにより、嵩高性と優れた捲縮発現能力によりソフトタッチで優れたストレッチ性を与えるとともに、ノントルクであるため無撚〜甘撚でも揚柳調のシボが発現しにくく、ポリウレタン混用で問題となる染料汚染がなく、高品位な布帛を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】伸縮伸長率、伸縮弾性率の測定方法を説明するための図である。
【図2】本発明の繊維の繊維横断面形状を示す図である。
【図3】本発明の繊維を製造するために好ましく用いられる口金の縦断面図である。
【図4】本発明の繊維を製造するために好ましく用いられる口金の縦断面図である。
【図5】嵩高度を測定するための装置の斜視図である。
【図6】嵩高度の測定方法を示す見取り図である。
【図7】本発明(実施例9)の繊維の応力及び微分ヤング率−伸度曲線である。
【図8】本発明の実施例で用いる延伸装置の概略図である。
【図9】本発明の実施例で用いる直接紡糸延伸装置の概略図である。
【符号の説明】
1:試料台
2:PETフィルム
3:指針付き金具
4:荷重
5:目盛
6:切り込み
7:カセ
8:未延伸糸パッケージ
9:フィードロール
10〜12:ホットロール
13:ドローロール
14:巻取機(延伸糸パッケージ)
15:紡糸糸条
16:交絡ノズル
17〜18:ホットロール
19:ゴデットロール
20:巻取機(延伸糸パッケージ)
Claims (9)
- 2種類以上のポリエステル系重合体からなるサイドバイサイド型、偏心芯鞘型、または多層構造型に貼合わせたものであって、少なくとも一成分がポリトリメチレンテレフタレートを主体としたポリエステルであり、収縮応力の極大を示す温度が110℃以上で、かつ収縮応力の極大値が0.15cN/dtex以上であるコイル捲縮を有する複合繊維から構成された複合糸であり、嵩高度が30cc/g以上、ウースター斑U%が2.0以下であることを特徴とする嵩高性ポリエステル系複合糸。
- 熱処理後の伸縮伸長率が30%以上であり、かつ伸縮弾性率が85%以上であることを特徴とする請求項1記載の嵩高性ポリエステル系複合糸。
- 伸度3〜10%での微分ヤング率の最小値が15cN/dtex以下を示すことを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項記載の嵩高性ポリエステル系複合糸。
- 90℃熱水処理後の破断伸度が100%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の嵩高性ポリエステル系複合糸。
- 一方にポリトリメチレンテレフタレートを主体としたポリエステルAを配し、他方に繊維形成能を有するポリエステルBを配して複合紡糸するに際し、各々の固有粘度(IV)が次式(1)〜(3)を満たす組み合わせで複合糸とし、紡糸速度1000m/分以上で引き取った後、最大延伸倍率の65%以上の倍率で延伸し、連続してリラックス率3〜15%でリラックス処理を施すとともに、延伸ゾーンおよび/またはリラックス処理後に温度110℃以上で熱処理することを特徴とする嵩高性ポリエステル系複合糸の製造方法。
0.30X≦Y≦0.45X+0.30 ・・・(1)
0.45≦Y ・・・(2)
0.8≦X≦2.0 ・・・(3)
(ただし、Y:繊維形成性ポリエステルBの固有粘度(IV)
X:ポリトリメチレンテレフタレートを主体としたポリエステルA
固有粘度(IV)) - 繊維形成性ポリエステルBの固有粘度(IV)が次式(4)を満たすことを特徴とする請求項5記載の嵩高性ポリエステル系複合糸の製造方法。
Y≦0.7 ・・・(4) - リラックス処理に用いる供給ロールの表面粗さが1S以下の鏡面ロールであり、該ロールの表面温度を70℃以下とすることを特徴とする請求項5または6記載の嵩高性ポリエステル系複合糸の製造方法。
- リラックス処理ゾーンでの糸条張力が0.05cN/dtex以下になるようにリラックス率を設定し、走行糸条に捲縮を発現させることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項記載の嵩高性ポリエステル系複合糸の製造方法。
- 撚係数Kが0〜10000の無撚または中撚を施された請求項1〜4のいずれか1項記載の嵩高性ポリエステル系複合糸を少なくとも一部に用いたことを特徴とする布帛。
(ただし、撚係数K=T×D0.5
T:糸長1m当たりの撚数、
D:糸条の繊度(dtex))
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