JP3885221B2 - 弾性舗装材及び当該弾性舗装材を用いた施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機ポリイソシアネート、シランカップリング剤とオレフィン系ポリオールを除くポリオールとを混合して得られる末端水酸基含有プレポリマー、三級アミン触媒、硬質骨材、弾性骨材からなる弾性舗装体材及びその施工方法に関する。更には、陸上競技場、運動場、テニスコート、バレーボールコート、ゴルフ場の道路、ジョギングや散策用の遊歩道等の路盤上や近年、車道用として騒音対策、ミラーバーン対策(冬期の凍結防止対策)の目的として舗装体として用いられる弾性舗装材及びその施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記用途に関して、運動時の足腰、膝に対する衝撃を軽減緩和する目的や滑り抵抗性、耐摩耗性を付与する目的、そして車道に上記のような特性を持たせるために舗装体に適度の弾性を付与することが一般的に行われている。例えば、特開昭63−7404号公報では、硬質粒状骨材、軟弾性骨材及びこれら骨材どうしが相互に結合するに足る量の合成樹脂結合材が開示されている。舗装の弾性を保持させる目的で充填材(骨材)としては柔軟な材質であるゴムチップを用いることが効果的であるが、耐久性(はがれや穴あき等がなく弾性を保持して舗装体として形状を保つ)のためには砕石のような剛直な骨材を併用して舗装体の硬度を上げて、総合的に柔軟な材質の骨材と剛直な材質の骨材の比率を調整することにより弾性と耐久性の両立を図ってきた。
【0003】
しかし、弾性体であるが故に多大な荷重が長期間、繰り返しかかった場合には、路盤のたわみの繰り返しにより、剛直な骨材である砕石がはがれやすくなり舗装体から抜け出て、舗装体としての耐久性が低下する現象が発生していた。硬質骨材のはがれを防止する方法として、大小2種の硬質骨材を用いる方法が特開平8−165606号公報に開示されている。更に具体的には、大径硬質骨材として粒径が10〜5mmの砂利、小径硬質骨材として粒径5〜2.5mmの砂利、軟質骨材として粒径が1.5〜2.5mmのゴムチップからなる舗装材が記載されており、樹脂の骨材に対するグリップ力(接着力)が強くなったので、駐車場等の舗装に利用できるとしている。しかし、骨材を大小2種にするだけでは、自動車が走行する道路用には、耐久性が不足していた。
【0004】
一方、その接着性向上のためには、骨材の表面処理目的でシランカップリング剤を用いることが知れている。例えば、特開平8−27707号公報は、骨材等と一液水分硬化型ポリウレタンを未硬化状態で密封容器内に収納することを開示したものであり、詳細な説明欄に、硬質骨材とゴムと一液水分硬化型ポリウレタンを混合する前に、ポリウレタンに対する濡れ性を高めるために、骨材、ゴムにシラン処理すること、すなわち、シラン、例えばアミンを有する有機シランを噴霧器で噴霧して骨材表面に塗布しておくことが望ましい旨記載されている。また、特開平8−311349号公報には、オレフィン系ポリオールにイソシアネート化合物を反応して得られる末端イソシアネート基型ポリウレタンプレポリマーとシランカップリング剤及びアスファルトとを必須成分として含有するアスファルトバインダー組成物が開示されていて、好ましいシランカップリング剤として、硫黄含有シランカップリング剤とイソシアネート基含有シランカップリング剤が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようにシランカップリング剤を実際の現場施工の際に用いる場合、シランカップリング剤の本来の機能を活用するには、骨材の表面をシランカップリング剤で濡らすことが必要であり、このように表面改質された骨材に接着剤を塗布又は混合するのが接着性を向上させるための最適な方法である。シランカップリング剤自身、加水分解し、その加水分解生成物がその無機物の表面を充分に濡らすことが必要である。本発明の目的とする砕石等の剛直な骨材との接着性を向上させるためには、砕石等の骨材の表面には適度な水分が存在しているので、砕石等とシランカップリング剤をあらかじめ混合すれば接着性の向上が図れる。ただ、無機物の表面を充分に濡らすためには、シランカップリング剤自身の分子量が小さいため不充分であり、より充分に濡らすためには多量に用いる必要があり、通常シランカップリング剤は高価のため自ずとその使用量に限界があった。ところで、接着剤としてウレタン系接着剤を用いる場合、耐久性向上のため、空気中の水分との反応を利用する一液湿気硬化型ウレタンプレポリマーを用いる方法よりも活性水素化合物と有機ポリイソシアネートとの組み合わせの二液型ウレタン処方の方が好ましいが、配合する原料の数が増える短所がある。上記のようにシランカップリング剤の使用の場合には更に配合する原料の数多くなることと骨材と接着剤を混合する工程の前段階としてあらたな工程が必要となり、現場施工の際に作業の手間が増えて煩雑になるという問題点があった。即ち、接着性向上のためシランカップリング剤を用いる場合、より強い接着性を得るためには多量のシランカップリング剤を用いる必要があり、このような骨材の前処理工程が作業性の低下につながっていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、上記の二液型ウレタン処方でシランカップリング剤を使用する場合の接着性向上のためと配合液の種類の低減の目的のため検討を行い、その結果、シランカップリング剤とオレフィン系ポリオールを除くポリオールとを混合して得られる末端水酸基含有プレポリマーと有機ポリイソシアネートと三級アミン、そして砕石、砂等の硬質骨材、ゴムチップ等の軟質骨材を混合してなる舗装材がその目的を達成することを見い出すとともに、それを用いた施工方法を見い出し、本発明に至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の(1)、(2)である。
(1) (A)有機ポリイソシアネート、(B)シランカップリング剤とオレフィン系ポリオールを除くポリオールとを混合して得られる末端水酸基含有プレポリマー、(C)三級アミン触媒、(D)硬質骨材、(E)弾性骨材からなることを特徴とする舗装材。
【0008】
(2) 前記(1)の弾性舗装材を混合機により混合攪拌し、得られた混合物を路盤上に広げ、表面をならして、空気中に曝して舗装する施工方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
更に、本発明を詳細に説明する。本発明に用いられる(A)有機ポリイソシアネートとしては、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物、例えばトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIという)、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(以下、ポリメリックMDIという)等の芳香族ポリイソシアネート、そしてテトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、更には、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートも使用できる。これらのイソシアネート基(以下、NCO基という)の一部を変性したビウレット、アロファネート、イソシアヌレート(3量体)、ウレトジオン(2量体)、カルボジイミド、ウレトンイミン等の変性体やオキサゾリドン、アミド、イミド等で変性したものも使用することができる。これらは、単独又は2種以上の混合物として使用することができる。本発明において好ましい有機ポリイソシアネートは、これら有機ポリイソシアネートと活性水素化合物とから得られるNCO基末端ウレタンプレポリマーである。
【0010】
そして、NCO基末端ウレタンプレポリマーを得るのに用いられる活性水素化合物としては、分子量32〜数平均分子量50,000の平均官能基数1〜6のものが用いられる。分子量32から数平均分子量500未満の低分子量の活性水素化合物としては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、エチルアミン、アニリン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、イソホロンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の単独又は2種以上の混合物が挙げられる。また、数平均分子量500〜50,000の高分子量の活性水素化合物としては、ポリエーテルモノ又はポリオール、ポリエステルモノ又はポリオール、ポリカーボネートモノ又はポリオール等の単独又は2種以上の混合物が挙げられる。
【0011】
ポリエーテルモノ又はポリオールとしては、前述の低分子のモノ又はポリオール、モノ又はポリアミン、アミノアルコールを開始剤として用いてエチレンオキシド、プロピレンオキシド、グリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル等のモノマーの単独又は2種以上を公知の方法により付加重合することによって得られたポリエーテルモノ又はポリオールや、アミン系モノ又はポリオール、アミノアルコール系モノ又はポリオール、片末端をアルキル基で封鎖したポリオキシエチレンモノアルキルエーテル類、テトラヒドロフランのカチオン重合により得られるポリテトラメチレン系ポリオール等が挙げられる。これらは単独又は2種以上の混合物として使用することができる。
【0012】
ポリエステルポリオールとしては、アジピン酸、無水フタル酸等の二塩基酸と前述の低分子のモノ又はポリオール、モノ又はポリアミン、アミノアルコールとの脱水縮合反応により得られる各種ポリエステルポリオール、ε−カプロラクタムの開環重合により得られるラクトン系ポリオールが挙げられる。
【0013】
その他ポリカーボネート系ジ又はポリオール、アクリル系ポリオール、そしてノボラック樹脂やレゾール樹脂等のフェノール系ポリオール、更にポリオール中でアクリロニトリル、スチレン等のビニル系モノマーをラジカル重合させたタイプや、これらのポリマーをポリオール中に分散溶解させたポリマーポリオール等を挙げることができる。
【0014】
NCO基末端ウレタンプレポリマーを得る際には、数平均分子量が40〜10,000の活性水素化合物が好ましく、数平均分子量が40より小さいとウレタン基濃度が高くなり、砕石、砂、ゴムチップ等の骨材やウッドチップ、籾殻等のセルロース系骨材との接着強度は発現するが、NCO基末端ウレタンプレポリマーの粘度が高くなり、作業時の混合性が悪くなる。一方、数平均分子量が10,000より大きいと逆にウレタン基濃度が低くなり、前記骨材との接着強度及び耐久性が不足し、好ましくない。また、その平均官能基数としては1〜5が好ましい。またその際、有機ポリイソシアネートと前記活性水素化合物との配合比は、当量比でNCO基/活性水素基=1.5〜100で両者を反応させることが必要である。
【0015】
本発明におけるNCO基末端ウレタンプレポリマーに用いることのできる有機ポリイソシアネートとしては、作業性、毒性、強度等の総合的判断からMDI、ポリメリックMDIが好ましい。MDIには、2,2′−異性体、2,4′−異性体、4,4′−異性体があり、2,2′−異性体、2,4′−異性体が多くなると、プレポリマーの低温貯蔵安定性は向上するが、反面反応性が小さくなり、強度等も低下するので、作業条件等により、適宜調整するとよい。ポリメリックMDIは、1分子中にベンゼン環及びNCO基を各2個有するジイソシアネートと、1分子中にベンゼン環及びNCO基を各3個以上有するポリイソシアネートからなるものであり、25℃での粘度は50〜300mPa・sの液体であるので、更に使用しやすい。また、少量であるならば、前述の脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートも併用できる。
【0016】
(A)有機ポリイソシアネートのNCO含量は、固形分100質量%換算で(上述の触媒、界面活性剤、希釈剤、可塑剤、難燃剤等の各種添加剤を含まない形状として)、5〜32質量%が好ましく、8〜30質量%が更に好ましく、9〜20質量%が最も好ましい。
【0017】
シランカップリング剤は、一般的には下記の構造式で表される。
Y−(CH2)n−SiX3ここで、Yは有機官能基で、−NH2、−SH、−CH=CH2、オキシラン環(エポキシ環)等であり、Xは加水分解基で、−OCH3、−OC2H5、−OC2H4OCH3等であり、nは1以上の整数である。このYが有機物と、Xが無機物又はシランカップリング剤同士と、それぞれ化学結合を形成し、無機物の表面改質により接着性が向上する。無機物の表面改質のため最も重要なことは、シランカップリング剤自身、即ちXが加水分解することが必要であり、そのためには水分の存在が必要である。前述のように、骨材の表面を充分に濡らすことができれば、接着強度は向上するが、シランカップリング剤そのものだけでは、低分子量のため1モル当たりの体積が小さく、完全に濡らすには多量用いる必要がある。
【0018】
そこで、本発明では、シランカップリング剤とオレフィン系ポリオールを除くポリオールとを混合して得られる(B)末端水酸基含有プレポリマーを用いることで、上記の作業上の短所と骨材表面の濡れ性の不足を解決できることを見い出すとともに、シランカップリング剤とオレフィン系ポリオールを除くポリオールとを混合して得られる末端水酸基含有プレポリマーにすることで、通常の二液タイプのウレタン処方と同じ配合液の種類にすることを達成した。即ち、ある程度高分子化した上記の(B)末端水酸基含有プレポリマーが、砕石等の硬質骨材やゴムチップ等の弾性骨材の表面を濡らし、そのプレポリマーの水酸基が、有機ポリイソシアネートと反応し、ウレタン結合を形成するため砕石等の硬質骨材の接着性が向上する。
【0019】
ここで用いられるポリオールとしては、分子量32〜数平均分子量50,000の平均官能基数1〜6のものが用いられる。分子量32から数平均分子量500未満の低分子量のポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の単独又は2種以上の混合物が挙げられる。また、数平均分子量500〜50,000の高分子量のポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等の単独又は2種以上の混合物が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、前述の低分子のポリオール、ポリアミン、アミノアルコールを開始剤として用いてエチレンオキシド、プロピレンオキシド、グリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル等のモノマーの単独又は2種以上を公知の方法により付加重合することによって得られたポリエーテルポリオールや、アミン系ポリオール、アミノアルコール系ポリオール、テトラヒドロフランのカチオン重合により得られるポリテトラメチレン系ポリオール等が挙げられる。これらは単独又は2種以上の混合物として使用することができる。
ポリエステルポリオールとしては、アジピン酸、無水フタル酸等の二塩基酸と前述の低分子のポリオール、ポリアミン、アミノアルコールとの脱水縮合反応により得られる各種ポリエステルポリオール、ε−カプロラクタムの開環重合により得られるラクトン系ポリオールが挙げられる。
その他ポリカーボネート系ジ又はポリオール、アクリル系ポリオール、そしてノボラック樹脂やレゾール樹脂等のフェノール系ポリオール、更にポリオール中でアクリロニトリル、スチレン等のビニル系モノマーをラジカル重合させたタイプや、これらのポリマーをポリオール中に分散溶解させたポリマーポリオール等を挙げることができる。
シランカップリング剤と上記ポリオールの混合割合は、当量比でシランカップリング剤/ポリオール=1/1.2〜10の範囲で使用するのが好ましい。シランカップリング剤に起因するケイ素の含有量としては5〜40質量%が好ましい。更に、上記の(B)末端水酸基含有プレポリマーの水酸基価は、10〜600mgKOH/gが好ましい。
【0020】
なお、必要に応じて(B)末端水酸基含有プレポリマー以外の活性水素化合物を使用することができ、具体的には、前記の活性水素化合物を挙げることができる。この(B)以外の活性水素化合物は、配合液の種類の削減という本発明の目的から、(B)末端水酸基含有プレポリマーにあらかじめ配合しておくのが好ましい。
【0021】
そして、前述の二液型ウレタン処方として、(A)有機ポリイソシアネートと(B)末端水酸基含有プレポリマーとを配合させる場合、当量比で全NCO基/全活性水素基=0.7〜1.3の範囲で使用するのが好ましい。
【0022】
本発明において、有機ポリイソシアネートとポリオールとの二相関の反応性を調整する目的で使用される(C)三級アミン触媒としては、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルイミダゾール、ピリジン、N,N,N′,N′−テトラメチルヘキサンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、α−ピコリン等が挙げられる。
【0023】
また、有機ポリイソシアネートと反応する活性水素を有するアミン系触媒として、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N,N′−トリメチルアミノエチル−エタノールアミン等も好ましい。
【0024】
同じく反応性を調整する目的で使用される触媒のうち、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ナフテン酸カルシウム、オクチル酸スズ、オクチル酸亜鉛等の金属系触媒は土壌汚染のおそれがあるため好ましくない。
【0025】
本発明に用いられる(D)硬質骨材としては、砕石、砂、破砕コンクリート等を挙げることができる。砕石と砂を併用すると、耐久性は向上するが、弾性が減少し、自動車の走行音を低下させる効果が小さくなる。
【0026】
本発明に用いられる(E)弾性骨材としては、ゴムチップを挙げることができる。ゴムチップは、粒状やひじき状等種々のタイプを使用することができ、ポリウレタンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、天然ゴム並びに天然ゴムを粉砕したもの、あるいは、廃タイヤを粉砕したものが用いられる。
【0027】
本発明の舗装材に加えることができるその他の骨材としては、木材チップ、おがくず、籾殻等のセルロース系を挙げることができる。自動車の走行等のような過酷な条件でない歩行者用道路には、弾性が出やすいので適している。
【0028】
これらの骨材((D)硬質骨材、(E)弾性骨材、及び必要に応じて用いられるその他の骨材)の大きさは、長さが5〜80mmで、平均粒径が0.1〜10mmが好ましく、更に好ましくは平均長さが10〜50mm、平均粒径が1〜7mmが好ましい。長さが5mm未満で、平均粒径が0.1mm未満の場合は滑り抵抗性と耐摩耗性が劣り、長さが80mmを越え、平均粒径が10mmを越える場合は、舗装体からの骨材の離脱が起こりやすくなり好ましくない。
【0029】
これらの骨材とバインダー((A)有機ポリイソシアネート、及び(B)シランカップリング剤とオレフィン系ポリオールを除くポリオールとを混合して得られる末端水酸基含有プレポリマー)の混合割合は、容積比でバインダー100に対して、骨材を5〜300の範囲が好ましく、更に好ましくは10〜200の範囲が好ましい。
【0030】
本発明では、有機ポリイソシアネートの低粘度化を等を目的として、希釈剤を用いることができる。この希釈剤はイソシアネートと反応しないものであれば、全て用いることができる。具体的には、芳香族系又は脂肪族系の二塩基酸のジエステル類、モノ又は多価アルコール類の酢酸エステル類、アルキレンカーボネート類、エーテル類、環状エステル類、酸無水物、各種のアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル類等を挙げることができる。
【0031】
また、上記と同様に有機ポリイソシアネートとポリオールとの二相間の分散や反応性を調整する目的で、界面活性剤を添加することが好ましい。この界面活性剤は、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを含有するポリグリコールエーテルと、少なくとも1個の活性水素を含有する有機化合物とを縮合することによって得られる。この少なくとも1個の活性水素を含有する有機化合物としては、アルコール、フェノール、チオール、1級又は2級アミンや、1個以上のアルキル置換基を有するフェノール系化合物のポリアルキレンオキシド誘導体を挙げることができる。
【0032】
また、特にシリコーン系界面活性剤が好ましく、これには活性水素基を含有するものと含有しないものとがある。好ましいのは、活性水素基を含有しないタイプである。例えば、各種のシロキサンポリアルキレンオキシドブロック共重合体が挙げられる。具体的には、ユニオンカーバイド製のL−5340、テー・ゴールドシュミット製のB−8451、B−8407等を挙げることができる。このような界面活性剤は、液の安定性が確保される限り有機ポリイソシアネートとシランカップリング剤とオレフィン系ポリオールを除くポリオールとを混合して得られる末端水酸基含有プレポリマーのいずれかにも添加することができる。その使用量は、有機ポリイソシアネートとシランカップリング剤とオレフィン系ポリオールを除くポリオールとを混合して得られる末端水酸基含有プレポリマーの合計量に対して0.05〜5質量%が好ましい。
【0033】
本発明においては、上記の触媒、界面活性剤以外に各種カップリング剤、各種発泡剤、更には分散剤、増粘剤、酸化防止剤、耐熱性付与剤等の各種添加剤を添加することもできるが、あくまでも土壌汚染をおこさないものに限定すべきである。
【0034】
本発明の弾性舗装材は、公知の攪拌・混合装置を使用して、前述の成分を強制混合することにより得られる。砕石、砂等の硬質骨材、ゴムチップ等の弾性骨材、そしてウッドチップ、籾殻、おがくず等のセルロース系骨材、バインダーとの混合は、可搬型のコンクリートミキサーのような攪拌機に前記の骨材等入れて攪拌しながら、そこに前記バインダーを加えて更に攪拌する方法が最も簡単な混合方法である。触媒、界面活性剤はそれぞれ個別に添加してもよいが、本発明の主旨である配合液の種類の削減の点からは必要に応じて有機ポリイソシアネート又はシランカップリング剤とオレフィン系ポリオールを除くポリオールとを混合して得られる末端水酸基含有プレポリマーに添加することも好ましいことである。
【0035】
本発明の施工方法は、前述の弾性舗装材を路盤上に広げ、表面をならして、空気中に曝して舗装する。なお、弾性舗装材の表面をならしの際、転圧すると、硬化後の舗装材の強度が向上するので好ましい。表面ならしの手段としては熊手、ほうき等が挙げられ、転圧の手段としてはロードローラー等が挙げられる。また、更なる接着性向上のために、あらかじめウレタン系、エポキシ系、アクリル系等のプライマーを散布後に、路盤に敷きならしてもよい。
【0036】
本発明の施工方法は、配合後はシランカップリング剤とオレフィン系ポリオールを除くポリオールとを混合して得られる末端水酸基含有プレポリマーの水酸基と、有機ポリイソシアネートのNCO基の反応が進行するので、骨材等とこれらの液の混合後はできるだけ短時間に施工を終える必要がある。
【0037】
舗装は多層構造でも単層構造でもよい。多層構造の場合は、表面側に粒度の細かい砂やセルロース系骨材を多くすると耐久性が出やすい。更に、舗装材を敷きならした後、NCO基末端ウレタンバインダーを塗布すると表面層の強度が増大し、耐久性が向上する。
【0038】
【実施例】
以下、本発明の実施例について詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。特にことわりのない限り、実施例及び比較例中の「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
【0039】
合成例1〜4有機ポリイソシアネートA〜Dは、表1に示すポリイソシアネートと活性水素化合物と組み合わせて80℃まで昇温したのち、3時間反応させて、目標とするNCO基末端プレポリマーを得た。
【0040】
合成例5〜7シランカップリング剤とオレフィン系ポリオールを除くポリオールとを混合して得られる末端水酸基含有プレポリマーE〜Gは、表2に示すシランカップリング剤とポリオールと組み合わせて、80℃まで昇温したのち、3時間反応させて、目標とする末端水酸基含有プレポリマーを得た。
【0041】
なお、有機ポリイソシアネート及びそのイソシアネート末端プレポリマーを合成するに用いた活性水素化合物、その他の使用化合物は以下の通りである。
MR−200 :ポリメリックMDI(日本ポリウレタン工業製)
NCO含量=31.1%
MT :ジフェニメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業製)
4,4′−異性体含有量:99%以上NCO含量=33.6%
MTL :MDIのカルボジイミド変性タイプ(日本ポリウレタン工業製)
PR−5007:ポリオキシエチレンプロピレンポリオール(旭電化工業製)
水酸基価=22.4mgKOH/g
PP−2000:ポリオキシプロピレングリコール、(三洋化成工業製)
水酸基価=56mgKOH/g
DEG :ジエチレングリコールPP−1000:ポリオキシプロピレングリコール(三洋化成工業製)
水酸基価=112mgKOH/g
GP−4000:ポリオキシプロピレントリオール(三洋化成工業製)
水酸基価=42mgKOH/g
A−187 :シランカップリング剤(日本ユニカー製)
主成分:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
A−189 :シランカップリング剤(日本ユニカー製)
主成分;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
A−1100 :シランカップリング剤(日本ユニカー製)
主成分:γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
WX :TOYOCAT MR(東ソー製、三級アミン)
B−8407 :TEGOSTAB B−8407(テー・ハー・ゴールドシュミット製、シリコン整泡剤)
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
実施例1〜4上記に示す合成例A〜D及び合成例E〜Gと各種触媒、界面活性剤、骨材を用いて攪拌機を用いて混合した後、縦150mm、横300mm、厚さ20mmの舗装体を作成した。それぞれの原料の原料名、配合量は表3に示す。尚、配合量は骨材の質量を100部としたときの、薬剤の質量を表示し、骨材の割合は、容積比で表示した。表4においても同様の表示である。骨材の大きさは、砕石;粒径5〜13mm、砂;粒径2mm以下、ゴムチップ;粒径5〜10mm、ウッドチップ;長径5〜30mm、短径;1〜5mm である。その舗装体を25℃、60RH%の条件で10日間放置後、JIS K6301に従って、舗装体の破断時の引っ張り強度とその時の伸びを測定した。更に、60℃、1ヶ月放置後のその舗装体についても同様の試験を実施した。その結果を表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】
実施例5実施例3に示す組成の弾性舗装材をモルタルミキサーを用いて調整した後に、乾燥したアスコン面(アスファルトと砂利を混ぜ固めた状態の路面)の下地の上に舗装し、熊手で3度表面をならしながらローラーを用いて転圧し、更に3〜4時間後に再度転圧した。その後、24時間後と1ヶ月後のその舗装材の表面、外観を目視で判定した。その結果、いずれの状態でも舗装材の劣化やはがれがなく骨材の脱落はなく何ら異常は見つからなかった。
【0047】
比較例1〜4上記に示す合成例A〜Dを用い、表3に示すシランカップリング剤、活性水素化合物及び各種触媒、界面活性剤、骨材を攪拌機を用いて混合した後、実施例と同様に縦150mm、横300mm、厚さ20mmの舗装体を作成した。それぞれの原料の原料名、配合量は表3に示す。そして、実施例と同様に破断時の引っ張り強度、その時の伸びを測定した。更に、60℃、1ヶ月放置後についても同様の試験を実施した。その結果を表4に示す。
【0048】
【表4】
【0049】
比較例5比較例3に示す組成の弾性舗装材をモルタルミキサーを用いて調整した後に、乾燥したアスコン面(アスファルトと砂利を混ぜ固めた状態の路面)の下地の上に舗装し、熊手で3度表面をならしながらローラーを用いて転圧し、更に3〜4時間後に再度転圧した。その後、24時間後と1ヶ月後のその舗装材の表面、外観を目視で判定した。その結果、24時間後の状態では舗装材の劣化やはがれがなく骨材の脱落はなかったものの、1ヶ月後の状態では舗装材の劣化やはがれが見られ骨材の脱落が起こり耐久性に劣る結果となった。
【0050】
【発明の効果】
以上述べた通り、本発明の構成材料からなる二液ウレタン処方の弾性舗装材は、有機ポリイソシアネートと、シランカップリング剤とオレフィン系ポリオールを除くポリオールとを混合して得られる末端水酸基含有プレポリマーとの組み合わせに、三級アミン触媒、及び砕石、砂等の硬質骨材と、ゴムチップ等の軟質骨材を用いるため、弾性と耐久性に優れ、自動車の走行時の騒音を減少させるとともに、作業時における配合液の種類の低減に貢献する優れた舗装材である。
Claims (2)
- (A)有機ポリイソシアネート、(B)シランカップリング剤とオレフィン系ポリオールを除くポリオールとを混合して得られる末端水酸基含有プレポリマー、(C)三級アミン触媒、(D)硬質骨材、(E)弾性骨材からなることを特徴とする弾性舗装材。
- 請求項1に記載の弾性舗装材を混合機により混合攪拌し、得られた混合物を路盤上に広げ、表面をならして、空気中に曝して舗装する施工方法。
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