JP3884866B2 - 乗用車用空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用車用空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、荷重耐久性を従来と同等レベル以上確保しながら操縦安定性の改善を図るようにした乗用車用空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、2層のカーカス層を配置した乗用車用空気入りタイヤにおいて、ビードコアの周りに折り返されたカーカス層両端部に隣接して補強層を配設することにより、高荷重負荷走行時や高速走行時の耐久性、操縦安定性を向上するようにしている。
【0003】
上記のような補強層として、例えば、スチールコードを配列した補強層を用いる提案がある。しかし、このようにスチールコードを使用した補強層では、操縦安定性を更に改善するため、その外周端をタイヤ断面高さの45%を越えてタイヤ外径側に延在させると、高荷重負荷走行時にその外周端が剥離故障を起こし易くなり、荷重耐久性が悪化するという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、荷重耐久性を従来レベル以上に維持しながら操縦安定性を一層高めることが可能な乗用車用空気入りタイヤを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の乗用車用空気入りタイヤは、ビードコアを埋設した左右のビード部間に2層のカーカス層を配置した乗用車用空気入りタイヤにおいて、内周側のカーカス層両端部を前記ビードコアの周りにタイヤ内側から外側に巻き上げる一方、外周側のカーカス層両端部を前記内周側のカーカス層両端部の外側にして前記ビードコアの周りにタイヤ外側から内側に巻き下げ、前記内周側及び外周側のカーカス層両端部の間に芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードをタイヤ周方向に対し傾斜して配列した2層の補強層を、その補強コードが交差するように設けると共に、それら補強層の外周端及び内周端をそれぞれずらして配置し、かつその外周端をタイヤ断面高さHの45〜65%となる位置まで延在させ、内側の補強層の外周端を外側の補強層のそれよりもタイヤ外径側に位置させる一方、外側の補強層の内周端を内側の補強層のそれよりもタイヤ内径側に位置させたことを特徴とする。
【0006】
また、本発明の他の乗用車用空気入りタイヤは、ビードコアを埋設した左右のビード部間に2層のカーカス層を配置した乗用車用空気入りタイヤにおいて、内周側のカーカス層両端部を前記ビードコアの周りにタイヤ内側から外側に巻き上げる一方、外周側のカーカス層両端部を前記内周側のカーカス層両端部の外側にして前記ビードコアの周りにタイヤ外側から内側に巻き下げ、前記内周側及び外周側のカーカス層両端部の間にスチールコードからなる補強コードをタイヤ周方向に対し傾斜して配列した1層の補強層とその外側の芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードをタイヤ周方向に対し傾斜して配列した1層の補強層とを、その補強コードが交差するように設け、それら補強層の外周端及び内周端をそれぞれずらして配置すると共に、芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードを有する補強層の外周端をスチールコードからなる補強コードを有する補強層のそれよりもタイヤ外径側となるように配置し、その両補強層の外周端をタイヤ断面高さHの45〜65%となる位置まで延在させたことを特徴とする。
【0007】
上記のように本発明は、芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードを配列した補強層をカーカス層の両端部側間に配置することにより、該補強層をタイヤ断面高さHの45%を越えてタイヤ外径側に延在させても、スチールコードを配列したような硬い補強層ではないため、高荷重負荷走行時にその外周端が容易にゴムと剥離する剥離故障を招くことがない。そのため、荷重耐久性を悪化させないばかりか、その改善を行うことができる。
【0008】
また、芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードをタイヤ周方向に対し傾斜して配列した2層の補強層を、その補強コードが交差するように設け、その外周端をタイヤ断面高さHの45〜65%となる位置まで延在させることにより、サイドウォール部の曲げ剛性を高い範囲にわたって高めることができ、それによって、操縦安定性を一層改善することが可能になる。
【0009】
その上、それら補強層の外周端と内周端を共にずらすようにしているため、2層の補強層の端末一致による大きな段差に応力集中が起こるのを回避することができるので、補強層の端末剥離を容易に招くことがない。
また、2層配置したカーカス層の内、内側のカーカス層両端部をビードコアの周りにタイヤ内側から外側に巻き上げる一方で、外側のカーカス層両端部をタイヤ外側から内側に巻き下げる構造にすることで、内側のカーカス層両端部を外側のカーカス層でカバーし、2層共にタイヤ内側から外側に巻き上げた構造のように、カーカス層のエッジがカバーさせれずにタイヤ外側に位置することがないので、高速走行時のスタンティングウェーブ現象によりカーカス層両端部とサイドウォール部のゴムとの間で生じる大きな剪断力によって、カーカス層端部がサイドウォール部のゴムから剥離しようとするのを効果的に抑えることができる。
【0010】
一方、芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードを配列した上記2層の補強層に代えて、タイヤ外側から内側に巻き下げた外側のカーカス層両端部とタイヤ内側から外側に巻き上げた内側のカーカス層両端部との間に、タイヤ内側にスチールコードからなる補強コードを配列した1層の補強層を配置し、その外側に芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードを配列した1層の補強層を配置すると共に、芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードを有する補強層の外周端をスチールコードからなる補強コードを有する補強層のそれよりもタイヤ外径側となるようにずらして配置し、内側のスチールコード補強層の外周端を外側のカーカス層と外側の補強層の2層で保護するようにしたので、スチールコード補強層を用いた場合であっても、それらの補強層をタイヤ断面高さHの45%を越えてタイヤ外径側に延在させ、高荷重負荷走行してもその外周端が容易にゴムと剥離することがなく、従来と同等レベルの荷重耐久性を得ることができる。
【0011】
また、両補強層をその補強コードが交差するように設け、その両補強層の外周端をタイヤ断面高さHの45〜65%となる位置まで延在させたので、サイドウォール部の曲げ剛性を広い範囲にわたって大きくすることができ、操縦安定性を一層向上することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の乗用車用空気入りタイヤの一例を示し、1はトレッド部、2はビード部、3はサイドウォール部である。左右のビード部2に連接してタイヤ外径側に左右のサイドウォール部3が延設され、この左右のサイドウォール部3間にタイヤ周方向に延在するトレッド部1が設けられている。
【0013】
タイヤの内側には、左右のビード部2間にわたってナイロンコードやレーヨンコード等のテキスタイルコードをタイヤ径方向に配列した2層のカーカス層4A,4Bが配置されている。左右のビード部2にはビードコア5がそれぞれ埋設され、そのビードコア5の外周にはビードフィラー6が配設されている。
カーカス層外周側のトレッド部1には複数のベルト層7が埋設され、そのベルト層7上には、ベルト層7を全面にわたって保護するベルトカバー層8が設けられている。CLはタイヤセンターラインである。
【0014】
本発明では、上記のような構成の空気入りタイヤにおいて、内周側のカーカス層4Aの両端部4aが、ビードコア5の周りにビードフィラー6を挟み込むようにしてタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられ、サイドウォール部3に沿ってその中央部までタイヤ外径側に延在している。
外周側のカーカス層4Bの両端部4bは、内周側のカーカス層両端部4aの外側でビードコア5の周りにタイヤ外側から内側に巻き下げられ、そのエッジ4b'がビードコア5の内端側でかつタイヤ内側まで延在している。
【0015】
ビードフィラー6のタイヤ外側で上記内周側及び外周側のカーカス層両端部4a,4bの間には、芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードを配列した2層の補強層9A,9Bが介設されている。この環状に形成される補強層9A,9Bは、タイヤ周方向に対し傾斜して配列された補強コードが交差するように設けられている。
【0016】
補強層9A,9Bの外周端9a1,9b1は、ビードフィラー6の外周端6aを越えてタイヤ外径側に延在する一方、内周側のカーカス層両端部4aのエッジ4a'よりもタイヤ内径側で、ビードヒールaからトレッド部表面頂部までのタイヤ径方向長さであるタイヤ断面高さHの45〜65%となる位置まで延在するようになっている(補強層の高さh=0.45〜0.65H)。
【0017】
また、補強層9A,9Bの外周端9a1,9b1及び内周端9a2,9b2は、共にずらして配置され、図1,2では、内側の補強層9Aの外周端9a1が外側の補強層9Bの外周端9b1よりもタイヤ外径側に位置する一方、外側の補強層9Bの内周端9b2は内側の補強層9Aの内周端9a2よりもタイヤ内径側に位置している。
【0018】
このように本発明は、スチールコードを配列した硬い補強層ではなく、芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードを配列した補強層をカーカス層4A,4Bの両端部4a,4b間に用いることにより、該補強層をタイヤ断面高さHの45%を越えてタイヤ外径側に延在させても、高荷重負荷走行時にその外周端が容易に剥離故障を起こすことがなく、荷重耐久性を低下させないばかりか、その改善も図ることができる。
【0019】
また、芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードをタイヤ周方向に対し傾斜して配列した2層の補強層9A,9Bを、その補強コードが交差するように設けると共に、その外周端9a1,9b1をタイヤ断面高さHの45〜65%となる位置まで延在させたので、サイドウォール部3の曲げ剛性を従来よりも広い範囲にわたって高めることができ、それによって操縦安定性を更に高くすることができる。
【0020】
しかも、それら補強層9A,9Bの外周端9a1,9b1及び内周端9a2,9b2をずらして配置しているので、2層の補強層9A,9Bの端末が一致したような大きな段差によって起こる応力の集中を回避し、補強層9A,9Bの端末剥離を抑制することができる。
【0021】
また、2層配置したカーカス層4A,4Bの内、内側のカーカス層4Aの両端部4aをビードコア5の周りにタイヤ内側から外側に巻き上げ、外側のカーカス層4Bの両端部4bをタイヤ外側から内側に巻き下げる、所謂1ー1PL(プライロック)構造にすることにより、内側のカーカス層4Aの両端部4aをカーカス層4Bで保護し、2層共にタイヤ内側から外側に巻き上げた所謂2ー0PL(プライロック)構造のように、カーカス層のエッジが保護されることなくタイヤ外側に位置することがないので、高速走行時のスタンティングウェーブ現象によりカーカス層端部とサイドウォール部3のゴムとの間で剪断力が作用しても、該カーカス層端部がサイドウォール部3のゴムから剥離する剥離故障が容易に発生することがない。
【0022】
上記補強層9A,9Bの外周端9a1,9b1がタイヤ断面高さHの45%よりも低いと、操縦安定性を改善することが困難になり、逆に65%を越えると、外周端9a1,9b1における歪み変形が大きくなり、剥離故障を招き易くなる。
本発明では、上記補強層9A,9Bの補強コードの傾斜角度θとしては、タイヤ周方向に対し40°<θ<65°にすることができる。傾斜角度θが40°以下であっても65°以上になっても、補強効果が小さく、操縦安定性を改善することが難しくなる。
【0023】
外側の補強層9Bの内周端9b2の位置としては、側面視においてビードコア5の外周端5a近傍に位置させるのがよく、また、内側の補強層9Aの外周端9a1の位置は、ビードフィラー6の外周端6aからタイヤ外径側に8〜15mmの範囲に位置させることができる。
【0024】
図3は、本発明の他の例を示し、上述した芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードを有する補強層9A,9Bに代えて、スチールコードからなる補強コードをタイヤ周方向に対し傾斜して配列した1層の補強層10Aと、芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードをタイヤ周方向に対し傾斜して配列した1層の補強層10Bとをその補強コードが交差するように配置したものである。
【0025】
スチールコードからなる補強コードを配列した補強層10Aがタイヤ内側となり、その外側に芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードを配列した補強層10Bを配置した構成になっている。
その外側の補強層10Bの外周端10b1は、内側のスチールコードを配した補強層10Aの外周端10a1を越えてタイヤ外径側に延在し、補強層10A,10Bの外周端10a1,10b1の位置をずれるようにしている。補強層10A,10Bの内周端10a2,10b2は、内側の補強層10Aの内周端10a2の方がタイヤ内径側に位置し、端末をずれるようにしている。
【0026】
このように補強層をスチールコードからなる補強コードを配列した補強層10Aと芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードを配列した補強層10Bとから構成しても、それらをタイヤ外側から内側に巻き下げた外側のカーカス層4Bの両端部4bとタイヤ内側から外側に巻き上げた内側のカーカス層4Aの両端部との間で、しかも、芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードを有する補強層10Bの外周端10b1をスチールコード補強層10Aの外周端10a1よりもタイヤ外径側にずらして配置することにより、スチールコード補強層10Aの外周端10a1を外側のカーカス層4Bと外側の補強層10Bの2層で二重に保護するようにしたので、スチールコードの補強コードを配列した補強層10Aを共に用い、それらの補強層10A,10Bをタイヤ断面高さHの45%を越えてタイヤ外径側に延在させ、高荷重負荷走行しても、その外周端が容易にゴムと剥離することがなく、従来と同等レベルの荷重耐久性を確保することができる。
【0027】
また、両補強層10A,10Bをその補強コードが交差するように設け、その両補強層10A,10Bの外周端10a1,10b1をタイヤ断面高さHの45〜65%となる位置まで延在させたので、サイドウォール部の曲げ剛性を従来よりも広い範囲にわたって大きくすることができ、操縦安定性を一層改善することができる。
【0028】
上記補強層10Aの補強コードの傾斜角度αとしては、タイヤ周方向に対し10°<α<30°にすることができる。傾斜角度αが10°以下であると、曲げ剛性が小さすぎるため、補強効果が低減し、操縦安定性の改善効果を得ることができない。逆に30°以上になると、曲げ剛性が高くなりすぎるため、カーカス層との剛性差を大きくなり、高荷重負荷走行時にカーカスコードの切断故障が発生する。補強層10Bの補強コードの傾斜角度θとしては、上述と同様にすることができる。
【0029】
補強層10Bの内周端10b2よりもタイヤ内径側となるスチールコード配列の補強層10Aの内周端10a2の位置としては、側面視においてビードコア5の外周端5a近傍に位置させるのがよく、また、芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードを有する補強層10Bの外周端10b1は、ビードフィラー6の外周端6aからタイヤ外径側に8〜15mmの範囲に位置させることができる。
【0030】
【実施例】
実施例1
タイヤサイズを225/45ZR17(前輪用)、245/40ZR17(後輪用)で共通にし、図1に示す構成の乗用車用空気入りタイヤにおいて、図2のように芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードを有する補強層を2層配置し、その外周端の位置(高さh)をタイヤ断面高さHに対して表1のように変えた本発明タイヤ1〜3とその比較タイヤ1,2、図3のようにスチールコードの補強コードを有する補強層と芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードを有する補強層とを配置し、その外周端の位置(高さh)をタイヤ断面高さHに対して表1のように変えた本発明タイヤ4〜6とその比較タイヤ3,4、及びスチールコードを配列した補強層を1層配置した従来タイヤとをそれぞれ作製した。なお、芳香族ポリアミド繊維として、ケブラーを使用した。
【0031】
これら各試験タイヤを以下に示す測定条件により、操縦安定性及び荷重耐久性の評価試験を行ったところ、表1に示す結果を得た。
操縦安定性
各試験タイヤをリムサイズ17×71/2-JJ(前輪)と17×81/2-JJ(後輪)のリムに装着し、280HPを越える車両に取付け、ドライ時のテストコースにおいて、パネラーによるフィーリングテストを実施し、その結果を従来タイヤを100とする指数値で評価した。この値が大きい程、操縦安定性が優れている。
荷重耐久性
【0032】
225/45ZR17を代表とし、試験タイヤをドラム径1707mmのドラム試験機に取り付け、JIS−D4230,JATMAイヤーブック(1998年度版)を準用し、内圧200kPa,荷重620kgを常用荷重とし、荷重耐久性試験終了後、荷重を20%/5hr 毎ステップアップし、タイヤが破壊するまで試験を続行した。その結果を従来タイヤを100とする指数値で評価した。この値が大きい程、荷重耐久性に優れている。
【0033】
【表1】
【0034】
表1から明らかなように、本発明タイヤは、荷重耐久性を従来タイヤと同レベル以上に確保しながら、操縦安定性を改善することができるのが判る。上記指数値は105以上であることが好ましい。
実施例2
タイヤサイズを上記と同様にし、図2の補強層の芳香族ポリアミド繊維(ケブラー)からなる補強コードの傾斜角度θを表2のように変えた試験タイヤ1〜3と、図3の補強層のスチールコードの傾斜角度αを表2のように変えた試験タイヤ4〜6、及び図3の補強層の芳香族ポリアミド繊維の傾斜角度θを表2のように変えた試験タイヤ7〜9とをそれぞれ作製した。
【0035】
試験タイヤ1〜3の補強層高さhは0.52H、試験タイヤ4〜6の補強層高さhは0.45H、試験タイヤ7〜9の補強層高さhは0.48Hである。また、試験タイヤ1〜3は傾斜角度θが逆向きで共に同じ角度、試験タイヤ4〜6の傾斜角度θは50°で一定、試験タイヤ7〜9の傾斜角度αは20°で一定である。
【0036】
これら各試験タイヤを上述と同様にして操縦安定性と荷重耐久性の評価試験を行ったところ、表2に示す結果を得た。
【0037】
【表2】
【0038】
表2から、芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードを配列した2層の補強層を用いた本発明タイヤにおいて、該補強層の補強コードの傾斜角度θをタイヤ周方向に対し40°<θ<65°にするのがよいことが判る。
【0039】
また、スチールコードからなる補強コードを配列した補強層と芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードを配列した補強層を用いた本発明タイヤにおいて、スチールコード補強層の補強コードの傾斜角度αをタイヤ周方向に対し10°<α<30°、芳香族ポリアミド繊維補強層の補強コードの傾斜角度θをタイヤ周方向に対し40°<θ<65°にするのがよいことが判る。
実施例3
【0040】
タイヤサイズを上記と同様にし、図1に示す構成の乗用車用空気入りタイヤにおいて、図2のように芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードを有する補強層を2層配置した本発明タイヤ7と、カーカス層両端部を共にタイヤ内側から外側に巻き上げ、その両端部間に本発明タイヤ7と同じ補強層を配置した比較タイヤ5とをそれぞれ作製した。
【0041】
これら各試験タイヤを上記と同様にして荷重耐久性の評価試験を行ったところ、表3に示す結果を得た。なお、表3では、比較タイヤ5を100とする指数値で評価した。この値が大きい程、荷重耐久性が優れている。
【0042】
【表3】
【0043】
表3から、内周側のカーカス層両端部をビードコアの周りにタイヤ内側から外側に巻き上げる一方、外周側のカーカス層両端部を内周側のカーカス層両端部の外側でビードコアの周りにタイヤ外側から内側に巻き下げた本発明タイヤは、カーカス層両端部を共にタイヤ内側から外側に巻き上げたものよりも荷重耐久性が大幅に優れていることが判る。
【0044】
【発明の効果】
上述したように本発明は、ビードコアを埋設した左右のビード部間に2層のカーカス層を配置した乗用車用空気入りタイヤにおいて、内周側のカーカス層両端部を前記ビードコアの周りにタイヤ内側から外側に巻き上げる一方、外周側のカーカス層両端部を前記内周側のカーカス層両端部の外側にして前記ビードコアの周りにタイヤ外側から内側に巻き下げ、前記内周側及び外周側のカーカス層両端部の間に芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードをタイヤ周方向に対し傾斜して配列した2層の補強層を、その補強コードが交差するように設けると共に、それら補強層の外周端及び内周端をずらして配置し、かつその外周端をタイヤ断面高さHの45〜65%となる位置まで延在させる、或いは、上記2層の補強層に代えて、スチールコードからなる補強コードをタイヤ周方向に対し傾斜して配列した1層の補強層とその外側の芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードをタイヤ周方向に対し傾斜して配列した1層の補強層とを、その補強コードが交差するように設けると共に、芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードを有する補強層の外周端をスチールコードからなる補強コードを有する補強層のそれよりもタイヤ外径側となるようにずらして配置することにより、荷重耐久性を従来レベル以上に維持しながら操縦安定性を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の乗用車用空気入りタイヤの一例を示すタイヤ子午線断面説明図である。
【図2】図1の要部断面説明図である。
【図3】本発明の乗用車用空気入りタイヤに用いられる補強層の他の例を示す断面説明図である。
【符号の説明】
2 ビード部 4A,4B カーカス層
4a,4b 端部 4a' エッジ
5 ビードコア 5a 外周端
6 ビードフィラー 6a 外周端
9A,9B,10A,10B 補強層
9a1,9b1,10a1,10b1 外周端
9a2,9b2,10a2,10b2 内周端
Claims (8)
- ビードコアを埋設した左右のビード部間に2層のカーカス層を配置した乗用車用空気入りタイヤにおいて、
内周側のカーカス層両端部を前記ビードコアの周りにタイヤ内側から外側に巻き上げる一方、外周側のカーカス層両端部を前記内周側のカーカス層両端部の外側にして前記ビードコアの周りにタイヤ外側から内側に巻き下げ、前記内周側及び外周側のカーカス層両端部の間に芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードをタイヤ周方向に対し傾斜して配列した2層の補強層を、その補強コードが交差するように設けると共に、それら補強層の外周端及び内周端をそれぞれずらして配置し、かつその外周端をタイヤ断面高さHの45〜65%となる位置まで延在させ、内側の補強層の外周端を外側の補強層のそれよりもタイヤ外径側に位置させる一方、外側の補強層の内周端を内側の補強層のそれよりもタイヤ内径側に位置させた乗用車用空気入りタイヤ。 - 前記補強層の補強コードの傾斜角度θをタイヤ周方向に対し40°<θ<65°にした請求項1記載の乗用車用空気入りタイヤ。
- 前記外側の補強層の内周端を前記ビードコアの外周端近傍に位置させる一方、前記内側の補強層の外周端を前記ビードコアの外周に設けられたビードフィラーの外周端からタイヤ外径側に8〜15 mm の範囲に位置させた請求項1または2記載の乗用車用空気入りタイヤ。
- 前記2層の補強層の外周端を共に前記内周側のカーカス層両端部のエッジよりもタイヤ内径側に配置した請求項1乃至3のいずれかに記載の乗用車用空気入りタイヤ。
- ビードコアを埋設した左右のビード部間に2層のカーカス層を配置した乗用車用空気入りタイヤにおいて、
内周側のカーカス層両端部を前記ビードコアの周りにタイヤ内側から外側に巻き上げる一方、外周側のカーカス層両端部を前記内周側のカーカス層両端部の外側にして前記ビードコアの周りにタイヤ外側から内側に巻き下げ、前記内周側及び外周側のカーカス層両端部の間にスチールコードからなる補強コードをタイヤ周方向に対し傾斜して配列した1層の補強層とその外側の芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードをタイヤ周方向に対し傾斜して配列した1層の補強層とを、その補強コードが交差するように設け、それら補強層の外周端及び内周端をそれぞれずらして配置すると共に、芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードを有する補強層の外周端をスチールコードからなる補強コードを有する補強層のそれよりもタイヤ外径側となるように配置し、その両補強層の外周端をタイヤ断面高さHの45〜65%となる位置まで延在させた乗用車用空気入りタイヤ。 - 前記芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードを有する補強層の補強コードの傾斜角度θをタイヤ周方向に対し40°<θ<65°、スチールコードからなる補強コードを有する補強層の補強コードの傾斜角度αをタイヤ周方向に対し10°<α<30°にした請求項5記載の乗用車用空気入りタイヤ。
- 前記スチールコードからなる補強コードを有する補強層の内周端を前記ビードコアの外周端近傍に位置させる一方、前記芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードを有する補強層の外周端を前記ビードコアの外周に設けられたビードフィラーの外周端からタイヤ外径側に8〜15 mm の範囲に位置させた請求項5または6記載の乗用車用空気入りタイヤ。
- 前記2層の補強層の外周端を共に前記内周側のカーカス層両端部のエッジよりもタイヤ内径側に配置した請求項5乃至7のいずれかに記載の乗用車用空気入りタイヤ。
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