JP3884832B2 - 消防ホース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は消防ホースに関し、さらに詳しくは、複数本が連結されて長距離送水用に使用され、特に大口径用に使用される場合に好適な消防ホースに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、汎用的に使用されている消防ホースは、補強繊維から織製した筒状織物の少なくとも内側にゴム又は樹脂をシール層として被覆するように構成されている。上記筒状織物は、ホース長手方向に配列するようにした経糸と、この経糸に対して緯糸をホース周方向に交錯するように交錯させて構成されているが、送水によってホースに内圧が負荷されると、経糸と緯糸にそれぞれ張力が発生する。その張力は、緯糸の方に発生する張力Txが、Tx=PR(但し、P:内圧、R:ホース半径)であるのに対して、経糸の方の張力Tyは、Ty=PR/2であり、緯糸に発生する張力は経糸の張力の2倍の大きさになっている。
【0003】
このため従来の汎用の消防ホースに使用されている筒状織物は、経糸が緯糸に対する交錯点で波形に交互に屈曲しているのに対して、緯糸の方は経糸との交錯点でほぼストレートになって円周方向に螺旋を描くように巻回することによって、上述した互いに異なる張力を調和させるようにしている。
また、従来の汎用の消防ホースは、1本当たりの長さが約20mに作られ、これらを複数本連結しても高々数十メートル乃至百メートル程度の長さにして使用するのが一般的であった。しかし、阪神淡路大震災を契機に、その連結長さを数キロメートルに及ぶ長距離にするようにし、しかも大量の水を送水できるようにすることが検討されるようになった。
【0004】
しかしながら、本発明者が検討した結果によると、従来構造の筒状織物からなる消防ホースを使用する限り、これを数キロメートルもの長距離に連結すると、次のような問題を生ずるため長距離連結用として実用に供することは非常に難しいことを知見した。
すなわち、従来の汎用消防ホースを長距離に連結して送水を行うと、内圧により筒状織物の経糸と緯糸とにそれぞれ発生する張力より、波形に屈曲していた経糸が直線状に変化するため消防ホースに長さ方向の伸びが発生し、その伸びが多数本に連結された消防ホースについて積算されることにより非常に長い伸びを生ずることになる。このような各消防ホースの伸びによって、長距離に連結された消防ホースは道路上を大きく蛇行することになり、それが車両の通行を妨害したり、また消防ホース自体の管路抵抗を増大して大量に送水することが困難になるという問題を発生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、多数本のホースを連結して長距離送水する場合であっても、蛇行を発生することがないようにした消防ホースを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、ホース長手方向の経糸にホース周方向に緯糸を交錯させるように製織した筒状織物の少なくとも内側にゴム又は樹脂を被覆した消防ホースにおいて、前記経糸をホース長手方向に実質的に直線状に配列すると共に、該経糸に対して緯糸を波形に屈曲させるように交錯させ、かつ該緯糸の外側に糸通しする経糸本数を前記緯糸の内側に糸通しする経糸本数よりも少なくして、緯糸と経糸を交互に糸通ししたことを特徴とするものである。
【0007】
本発明の消防ホースは、このように筒状織物の経糸をホース長手方向に実質的に直線状にする一方、この経糸に対して緯糸を波形に屈曲するように交錯させているので、通水開始時に経糸の2倍の張力を発生した緯糸が膨径時に波形の屈曲を伸長し、直線状になっている経糸を一時的に波形に屈曲させてホース長を収縮させる。しかし、上記緯糸の張力作用は波形から直線状に変化するものであるため極端に大きくはなく、上記ホースの収縮は一時的であって、僅かな時間経過後に上記経糸がそれ自身の弾性力により緯糸張力に打ち勝つことにより伸長し、ホース長さを通水前の状態に復帰させる。
【0008】
したがって、多数本が長距離に連結されていても、蛇行現象を発生することはなく、また管路抵抗を増大して大量送水を阻害することはないのである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1および図2は、本発明の実施形態からなる消防ホースを示す。
この消防ホース1は筒状織物2の内側にゴムまたは樹脂をシール層3として被覆して構成されている。このゴムまたは樹脂の被覆層は、筒状織物2の内側には必ず設けられるが、筒状織物2の外側にも設けるようにしてもよい。
【0010】
筒状織物2は、ポリエステル繊維等の補強繊維からなる経糸4と緯糸5とから織成され、経糸4は複数本が筒状平行にホース長手方向に延長し、この経糸4に1本乃至数本の緯糸5がホース周方向に螺旋状に巻回しながら交錯して織成されている。このように織成された筒状織物2において、経糸4はホース長手方向に実質的に直線状に、交錯点で屈曲がないように配列され(図2参照)、この直線状の経糸4に対して、緯糸5の方はホース周方向に経糸2本の外側と経糸1本の内側とに交互に糸通しされ、波形に屈曲するように交錯している(図1参照)。
【0011】
上述のように構成された消防ホース1は、これに通水すると、筒状織物2の経糸4と緯糸5にそれぞれ張力を発生し、これら張力は、前述したように緯糸5の張力Txは、Tx=PR(但し、P:内圧、R:ホース半径)であるのに対して、経糸4の張力Tyは、Ty=PR/2となるため、緯糸5の張力Txの方が経糸4の張力Tyの2倍の大きさになる。
【0012】
したがって、消防ホース1には、図3に示すように、通水開始時に経糸4よりも大きな張力Txが発生した緯糸5は、波形の屈曲を伸長させながら半径方向外側に膨径し、それによって直線状の経糸4を波形に屈曲させるから消防ホース1の長さを収縮させる。しかし、この変化は極く一時的なもので、僅かな時間経過後に、経糸4がそれ自身の弾性力により緯糸張力に打ち勝って伸長する。
【0013】
即ち、緯糸5の張力作用は屈曲状態から直線方向に変化するものであるため極端に大きなものではない。したがって、経糸4自身がもつ弾性力は緯糸5の張力作用に打ち勝って伸長することができるのである。そのため、消防ホース1の長さは通水開始前の元の長さ復帰し、全体としてほぼ伸び縮みのない状態に維持されるのである。
【0014】
このように本発明の消防ホースによれば、送水時にホース長手方向に実質的に伸びを発生することがなく、通水開始前の長さを実質的に維持することができる。したがって、多数本の消防ホースを数kmもの長距離に連結して送水する場合であっても、ホースが路上で蛇行現象を起こすことがなく、それに伴う道路の通行妨害や管路抵抗の増大を招くことはない。
【0015】
本発明において、筒状織物の織組織としては、平織、綾織などいずれであってもよく、特に限定されるものではない。しかし、より好ましくは、経糸と緯糸との交錯点が多い平織を使用することが望ましい。
【0016】
図1の実施形態に示すように、本発明の消防ホース1における筒状織物2は、緯糸5の経糸4に対する糸通しを、経糸2本の外側と1本の内側とに交互に通過させるようにしている。このように緯糸5が経糸4の内側を通る本数を外側を通る本数よりも少なくしたもので、即ち、換言すると、緯糸5の外側に糸通しする経糸5の本数を緯糸5の内側に糸通しする経糸5の本数よりも少なくしたもので、このようにすることにより、消防ホース1に通水したときのホース長さの変化を一層少なくすることができる。
【0017】
即ち、緯糸5の張力作用は、緯糸5が膨径しながら経糸4に対して行われるため、緯糸5が経糸4の内側を通る本数を少なくすれば、経糸4を直接屈曲させる本数を少なくするため、その結果として消防ホースの長さ変化を低減するようになるのである。
図4は、本発明の他の実施形態を示すものである。
【0018】
この実施形態は、図4の消防ホースにおいて、筒状織物2の外側にもゴム又は樹脂を被覆したシール層3’を設けたものである。筒状織物2の外側に設けたゴム層或いは樹脂層は経糸4の動きを拘束するように作用するため、上述した通水時の消防ホースの長さ変化を一層低減させることができる。
上述した本発明の消防ホースの口径は特に限定されるものではなく、従来汎用的に使用されている口径50mmや60mmの消防ホースに使用できることは勿論であるが、特に遠距離大量送水用に使用される口径75mm以上の大口径の消防ホースに適用する場合に顕著な効果を発揮する。
【0019】
【発明の効果】
上述したように本発明の消防ホースによれば、筒状織物を構成する経糸をホース長手方向に実質的に直線状にし、この経糸に対して緯糸を波形に屈曲させたことにより、通水開始時に緯糸が経糸の2倍の張力を発生するとき波形屈曲を伸長させる変化することにより経糸を一時的に波形に屈曲させて収縮するが、僅かな時間後に経糸が自身の弾性力により上記屈曲を伸長し、ホース長を通水開始前の長さに復帰させることができる。したがって、多数本のホースを長距離に連結しても、蛇行現象を発生して交通障害や管路抵抗の増大を招くことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の消防ホースの実施形態を一部省略して示す横断面図である。
【図2】 図1の消防ホースの縦断面図である。
【図3】 同消防ホースに通水開始直後に生ずる状態を説明する縦断面図である。
【図4】 本発明の他の実施形態を示す図1に対応する横断面図である。
【符号の説明】
1 消防ホース
2 筒状織物
3,3’(ゴム又は樹脂の)シール層
4 経糸
5 緯糸
Claims (3)
- ホース長手方向の経糸にホース周方向に緯糸を交錯させるように製織した筒状織物の少なくとも内側にゴム又は樹脂を被覆した消防ホースにおいて、前記経糸をホース長手方向に実質的に直線状に配列すると共に、該経糸に対して緯糸を波形に屈曲させるように交錯させ、かつ該緯糸の外側に糸通しする経糸本数を前記緯糸の内側に糸通しする経糸本数よりも少なくして、緯糸と経糸を交互に糸通しした消防ホース。
- 前記筒状織物の外側にゴム又は樹脂を被覆した請求項1に記載の消防ホース。
- 前記緯糸を経糸2本の外側と経糸1本の内側とに交互に糸通しした請求項1又は2に記載の消防ホース。
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