JP3882373B2 - 車載レーダ装置用アンテナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーダ波の送受信により車両周囲の状況を認識するためのデータを収集する車載レーダ装置にて用いられる車載レーダ装置用アンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、先行車両との車間距離を一定に保持して自動走行する車間距離制御や、必要以上に先行車両に接近すると衝突防止のために警報を発生させる衝突警報制御等、各種車両制御に利用するため、車両周囲の状況(先行車両との車間距離や相対速度等)を認識するためのデータを収集する車載レーダ装置が知られている。
【0003】
この車載レーダ装置には、レーザ光を利用するレーザ式レーダ装置や、ミリ波やマイクロ波等の電波を利用する電波式レーダ装置等があり、このうち、電波式レーダ装置が、雨,雪,霧などの悪環境への耐性に優れ、しかも、レーダ波として短波長のミリ波を用いれば、アンテナの小型化、ひいては装置全体の小型化も可能であることから注目されている。
【0004】
ところで、車載レーダ装置(特にアンテナ)は、車両の前方を監視でき且つ車両のデザインを損なわない位置に取り付けることが要求され、具体的な取付位置として、車両前面のバンパー内が考えられている。
しかし、バンパーは車両の低い位置にあり、バンパー内に取り付けられた車載レーダ装置は、路面に接近した場所に配置されることになるため、路面からの反射波の影響を大きく受けるようになり、この反射波を障害物等に基づくものであるとして誤検出してしまう可能性が高くなる。
【0005】
これに対して特開平6−168400号公報には、レーダ波の送受信を反射鏡アンテナを用いて行う車載レーダ装置において、反射鏡アンテナの反射面の形状を非対称化することによって、図7に示すように、下方への利得が上方への利得に比べて小さい非対称なビームパターンBを形成し、下方(即ち路面R)からの不要な反射波の影響を低減させたものが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、非対称な形状を有する反射面の加工は手間を要し、その結果、装置が高価なものとなってしまうという問題があった。また、電波式レーダ装置は、反射鏡アンテナを用いたものに限らず、レンズアンテナやホーンアンテナを用いたもの等様々なものがあるが、上記対策は、反射鏡アンテナを用いた場合以外には適用できないという問題もあった。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するために、簡易な構成にて、路面からの反射波の影響を低減可能な車載レーダ装置用アンテナを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた発明である請求項1に記載の車載レーダ装置用アンテナでは、誘電体基板上に形成された方形の平面回路型共振素子であるパッチアンテナをレーダ波の放射源としており、このパッチアンテナの周囲には誘電体露出部が形成されている。また、パッチアンテナへの給電を行う給電線路は、誘電体基板のパッチアンテナ形成面とは反対側の面に形成され、先端部分がパッチアンテナと対向するように配線されたコプレナー線路、及び該コプレナー線路の先端部分に設けられたスロット線路からなり、このスロット線路からの放射によりパッチアンテナへの給電を行う。
そして、給電線路から誘電体露出部を介してパッチアンテナ形成面側に漏れ出す漏洩電磁波と、パッチアンテナが放射する放射電磁波との干渉により、パッチアンテナから放射されるレーダ波が放射軸に対して低い側と高い側を持つ非対称なビームパターンを有し、且つ該ビームパターンの低い側が路面に向けて放射されるように、給電線路の配置及び誘電体露出部の幅が設定されている。
【0009】
即ち、従来好ましくないとされてきた給電線路からの漏洩電磁波を積極的に利用して、パッチアンテナからの放射電磁波と干渉させている。そして、この場合、当該アンテナのメインビームは、パッチアンテナの開口面の法線方向から給電線路側にずれ、給電線路の配線側ではアンテナ利得が高くなり、その反対側ではアンテナ利得が低くなって、非対称なビームパターンが形成されるのである。
【0010】
従って、本発明の車載レーダ装置用アンテナによれば、給電線路の配置を適宜設定するという簡易な構成により、複雑な形状の反射鏡等を用いることなく、非対称なビームパターンを形成することができ、ひいては路面からの反射波の影響を低減できる。その結果、当該アンテナを用いて構成された車載レーダ装置での誤検出,誤動作を確実に低減させることができる。
【0012】
また、本発明の車載レーダ装置用アンテナによれば、誘電体基板のパッチアンテナ形成面(表面という)に対する裏面から、パッチアンテナへの給電が可能となると共に、受信回路等もこの誘電体基板の裏面に簡単に形成することができ、車載レーダ装置の小型化を図ることができる。
【0013】
また、誘電体基板の裏面は表面に比べてパッチアンテナから放射される電磁波の影響が小さいため、誘電体基板の裏面に受信回路等を設けた場合、これを表面に設けた場合と比較して、検出感度を向上させることができる。
なお、給電線路は、請求項2記載のように、誘電体基板のパッチアンテナ形成面に形成され、パッチアンテナに直接接続されたストリップ線路であってもよい。
【0014】
この場合、パッチアンテナと給電線路とを誘電体基板の同一面に形成できるため、安価に構成することができる。また、給電線路がパッチアンテナと同一面にあることにより、給電線路からの漏洩電磁波による干渉が強くなり、非対称なビームパターンを容易に形成することができる。
【0015】
次に、車載レーダ装置用アンテナは、請求項3記載のように、前記パッチアンテナを放射源とするホーンアンテナとして構成してもよいし、請求項4記載のように、レーダ波を屈折により収束させるレンズと、前記パッチアンテナを用いた一次放射器とからなるレンズアンテナとして構成してもよいし、また、請求項6記載のように、レーダ波を反射により収束させる反射鏡と、前記パッチアンテナを用いた一次放射器とからなる反射鏡アンテナとして構成してもよい。
【0016】
但し、本発明のアンテナをレンズアンテナや反射鏡アンテナとして構成した場合、当該アンテナのビームパターンは、レンズや反射鏡を介することでパッチアンテナのビームパターンとはほぼ上下反対のパターンとなるため、路面方向のアンテナ利得を低くするには、路面に対して立設されたパッチアンテナの路面側に給電線路を配線する必要があり、一方、本発明のアンテナをホーンアンテナとして構成した場合は、当該アンテナのビームパターンは、パッチアンテナのビームパターンを反転させることがないため、路面方向のアンテナ利得を低くするには、路面に対して立設されたパッチアンテナの路面側とは反対側に給電線路を配線する必要がある。
【0017】
これらいずれの場合も、パッチアンテナ単体の場合より、形成されるビームが絞られたものとなるため、アンテナの放射効率、ひいては車載レーダ装置の検出性能を向上させることができる。なお、当該アンテナをレンズアンテナとして構成した場合、請求項5記載のように、レンズアンテナを構成するレンズは、当該アンテナが搭載される車両のバンパーと同じ誘電体素材により形成された誘電体レンズであることが望ましい。
【0018】
この場合、レンズ部分をバンパーと一体化して製造することができ、製造コストとアンテナ取付作業の手間を削減することができる。また、当該アンテナをレンズアンテナ或いは反射鏡アンテナとして構成した場合、請求項7記載のように、一次放射器を、パッチアンテナを放射源とするホーンアンテナにより構成してもよく、この場合、アンテナの放射効率をより向上させることができる。
【0019】
更に、当該アンテナをホーンアンテナとして構成した場合、及び当該アンテナをレンズアンテナ或いは反射鏡アンテナとして構成し一次放射器としてホーンアンテナを用いた場合には、ホーンアンテナは、パッチアンテナの配置端側の開口内に、レーダ波の使用周波数に対する線路内波長の1/2以上の長さの前記給電線路が位置するよう形成する必要がある。
【0020】
即ち、このようにすれば、給電線路からの漏洩電磁波が確実にホーンアンテナに入射され、パッチアンテナからの放射電磁波と共に非対称なビームパターンを確実に形成できるのである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を図面と共に説明する。
図1は、本実施例の車載レーダ装置用アンテナの全体構成図である。
図1に示すように、本実施例の車載レーダ装置用アンテナ2は、レーダ波を屈折させ収束させる誘電体レンズ4と、誘電体レンズ4の焦点位置(誘電体レンズからの距離F)に配置され誘電体レンズ4を介してレーダ波を送受信する一次放射器6と、誘電体レンズ4と一次放射器6を囲うように形成された筐体8とにより構成されている。なお、誘電体レンズ4は、車両のバンパーを構成する材料と同じ誘電体材料である高密度ポリエチレンにより構成され、また、筐体8は電波吸収体により構成されている。
【0022】
ここで、図2(a)は一次放射器の斜視図,(b)はその平面図、(c)はその、a−a断面図である。
図2に示すように、一次放射器6は、レーダ波の放射源が形成された誘電体基板10と、誘電体基板10が固定され、誘電体基板10の放射源から放射されるレーダ波のビームを絞るための導波路13が形成された金属製のホーン12と、ホーン12と共に誘電体基板10を覆うようにホーン12に固定された金属製のキャリア14とからなり、いわゆるホーンアンテナとして構成されている。
【0023】
そして、誘電体基板10の一方の面(以下、表面という)には、図3(a)に示すように、長方形の平面回路型共振素子であるパッチアンテナ16が形成されており、パッチアンテナ16周囲の誘電体露出部18を除く全面に接地電極20が形成されている。
【0024】
一方、誘電体基板10の他方の面(以下、裏面という)には、図3(b)に示すように、誘電体基板10の一端から誘電体基板10を挟んでパッチアンテナ16と対向する位置に至る給電線路22が配線され、その給電線路22の両側には給電線路22とは隙間を空けて一面に接地電極24が形成されており、給電線路22はいわゆるコプレナー給電線路として構成されている。また、パッチアンテナ16と対向する給電線路22の先端部22aは、誘電体が露出した部分を電極で囲んでなるスロット線路として構成されている。
【0025】
なお、誘電体基板10は石英(本実施例では厚さ0.254mm)からなり、パッチアンテナ16,給電線路22,接地電極20,24は、誘電体基板10上に金属膜を積層(本実施例では厚さ3μm)することにより構成されている。
そして、パッチアンテナ16は、給電時に生じる共振電磁界の磁界方向(図3中横方向)の幅L1が、線路内波長をλ(本実施例では、λ=2.54mm)としてλ/2よりもわずかに(20%程度)短く形成され(本実施例では、L1=1mm)、また、電界方向(図3中縦方向)の幅L2が、給電線路22との相互干渉を発生させるため、磁界方向の幅L1より更に短く形成されている(本実施例では、L2=0.72mm)。
【0026】
なお、パッチアンテナ16の共振電磁界の磁界方向及び電界方向の幅L1,L2は、理論上では、線路内波長λの1/2に設定した場合に、パッチアンテナ16の放射効率が最も良くなるのであるが、実際には、パッチアンテナ16の端部より電磁界が広がってしまうため、この広がりを考慮して線路内波長の1/2以下に設定した方がパッチアンテナ16の放射効率が向上するのである。
【0027】
更に、パッチアンテナ16の周囲に形成された誘電体露出部18の幅L3、つまり、誘電体基板10を介して表面側に電磁波が放出され、パッチアンテナ16のビームパターンに影響を及ぼす給電線路22の長さは、L3=λ/2に設定されている。
【0028】
これは、パッチアンテナ16がバンパーに取り付けられた場合、仰角−15°付近からそれより大きな角度にて、アンテナ利得が低下するようなビームパターンを形成する必要があるためである。即ち、ビームパターンは、電磁波が漏洩する給電線路の長さにより変化し、このようなアンテナ利得を有するビームパターンを得るには、干渉に影響を与える給電線路の線路長、即ち誘電体露出部18の幅L3を線路内波長の1/2程度に設定する必要があることが実験的に求められたのである。
【0029】
次に、ホーン12に形成された導波路13は、図2に示すように、一方の開口部(以下、放射源側開口部という)13aが、誘電体露出部18の外形と同一の長方形に形成され、他方の開口部(以下、放射界側開口部という)13bが、放射源側開口部13aより大きな長方形に形成された角錐型をしている。そして、そしてホーン12には、誘電体露出部18と放射源側開口部13aとの位置を一致させるようにして誘電体基板10が取り付けられている。即ち、放射源側開口部13aを介して、パッチアンテナ16からの放射電磁波と、誘電体露出部18を介して漏れ出る給電線路22からの漏洩電磁波とが導波路13内に導かれるようにされている。
【0030】
そして、放射界側開口部13bは、パッチアンテナ16の共振電磁界の磁界方向(図2(b)における横方向)の長さL4が電界方向(図2(b)における縦方向)の長さL5よりも長い長方形に形成されており、一次放射器6のメインビーム形状が磁界方向に狭く、電界方向に広くなるようにされている。
【0031】
なお、導波路13各部の寸法は、電磁界シミュレータを用いることにより、目標周波数(本実施例では76.5GHz)のレーダ波を送受信する際に、良好なアンテナの放射効率が得られ、サイドローブが小さくなるように設定(本実施例では、L4=8mm,L5=5mm,L6=4mm)されている。
【0032】
このように構成された一次放射器6では、給電線路22への電力供給を行うと、給電線路22のスロット線路に変換された先端部22aから電磁波が放射され、この電磁波によりパッチアンテナ16は給電され、電磁波の放射を開始する。この時、給電線路22自体からも電磁波が漏洩し、この電磁波が誘電体露出部18を介して誘電体基板10の表面側に漏れだし、パッチアンテナ16が放射する電磁波と干渉することによって、一次放射器6から放射されるレーダ波のビームパターンは、電界方向の形状(E面ビームパターン)が非対称なものとなる。
このように、給電線路22の配置、及び干渉に影響を与える給電線路22の線路長(即ち、誘電体露出部18の幅L3)を適宜設定することにより、路面からの反射波の影響を低減する非対称なビームパターンを形成することができる。但し、給電線路22の線路長は、実験的に求められるものである。
【0033】
ここで、図4は、一次放射器6の電界方向に沿った角度ψ方向に対するアンテナ利得G1の特性を測定した結果を表すグラフであり、角度ψのマイナス側が給電線路22の配線側に対応する。即ち、給電線路22の配線側とは反対側のアンテナ利得G1が低下していることがわかる。
【0034】
なお、ビームパターンの測定は電波暗室内にて行い、送信信号としてミリ波レーダとしては代表的な周波数である76.5GHzのものを用いて行った。
そして、このようなビームパターンを有する一次放射器6は、車両への搭載時に、磁界方向が水平方向,電界方向が垂直方向となり、しかも給電線路22が路面側(下側)に配線されるような向き、即ち、図5に示すように路面側のアンテナ利得G1が大きくなるように配置される。但し、一次放射器6から放射されたレーダ波(電磁波)は、誘電体レンズ4を通過することにより、ビーム幅が絞られると共に、上下が反転したビームパターンとなる。即ち、本実施例のアンテナ2のビームパターンとしては、給電線路22が配線されている路面側のアンテナ利得Gが小さくなる。
【0035】
図6は、本実施例の車載レーダ装置用アンテナ2の垂直方向の角度θに対するアンテナ利得の特性を測定した結果を表したグラフであり、図示されているように、図4に示した一次放射器6の特性と比較して、メインビームが非常に鋭く、また、一次放射器6の特性とは反対に、角度θのマイナス側(路面側)のアンテナ利得が低い非対称な形状になっている。なお、ビームパターンの測定は、一次放射器6の場合と同様に行った。
【0036】
以上説明したように、本実施例の車載レーダ装置用アンテナ2では、給電線路22からの漏洩電磁波を、パッチアンテナ16からの放射電磁波と干渉させることにより、非対称な形状を有するビームパターンを形成し、しかも、アンテナ利得の小さい方を路面に向けて配置している。
【0037】
従って、本実施例の車載レーダ装置用アンテナ2によれば、当該アンテナ2が、車両前方のバンパー内等、低い位置に配置されたとしても、路面からの反射波の影響を小さく抑えることができ、誤検出の防止、及び検出感度の向上を図ることができる。
【0038】
しかも、非対称なビームパターンの形成を、給電線路22からの漏洩電磁波を利用して行っているので、対称なビームパターンを有するアンテナと比較して構成が複雑化することがなく簡単且つ安価に構成することができる。また、本実施例の車載レーダ装置用アンテナ2では、パッチアンテナ16の背面、即ち誘電体基板10のパッチアンテナ形成面とは反対側の面から給電を行うようにされており、この裏面に送受信器等を形成することが可能なため、車載レーダ装置の小型化に寄与することができ、また、誘電体基板10の裏面ではパッチアンテナ16からの放射電磁波の影響が小さいため、裏面に形成された送受信器の検出感度の向上を図ることができる。
【0039】
なお、上記実施例では、誘電体レンズアンテナとして構成した例を示したが、レーダ波を収束させる手段として誘電体レンズ4の代わりに反射鏡を設けた反射鏡レンズアンテナとして構成してもよいし、誘電体レンズ4を設けることなく、ホーンアンテナとして構成してもよい。
【0040】
但し、ホーンアンテナとして構成した場合には、路面側のアンテナ利得Gを小さくするには、誘電体基板10を、給電線路22が線路とは反対側に位置するよう配置する必要がある。
また、上記実施例では、一次放射器6としてホーンアンテナを用いているが、ホーン12を省略したパッチアンテナをそのものを一次放射器6として用いてもよい。これは、反射鏡レンズアンテナとして構成した場合も同様である。
【0041】
更に、上記実施例では、給電線路22として、コプレナー給電線路を用いたが、パッチアンテナ16へ直接接続されたストリップ給電線路を用いてもよい。この場合、給電線路からの漏洩電磁波の影響が大きくなるため、より様々な非対称形状のビームパターンを得ることができる。
【0042】
但し、ストリップ給電線路を用いる場合、当該アンテナをホーンアンテナとして構成した場合、及び当該アンテナをレンズアンテナ或いは反射鏡アンテナとして構成し一次放射器としてホーンアンテナを用いた場合には、ホーンアンテナは、パッチアンテナの配置端側の開口内に、レーダ波の使用周波数に対する線路内波長の1/2以上の長さの前記給電線路が位置するよう形成することが望ましい。
【0043】
即ち、このようにすれば、給電線路からの漏洩電磁波が確実にホーンアンテナに入射され、上述したように、パッチアンテナ16がバンパーに取り付けられた場合、仰角−15°付近からそれより大きな角度にて、アンテナ利得が低下する非対象なビームパターンを確実に形成することができるためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の車載レーダ装置用アンテナの全体構成図である。
【図2】 一次放射器の構成を表す斜視図,平面図,断面図である。
【図3】 誘電体基板の表面及び裏面に形成されたパッチアンテナ及び給電線路の構成を表す説明図である。
【図4】 一次放射器の放射特性を表すグラフである。
【図5】 一次放射器の配置及びビームパターンの形状を表す説明図である。
【図6】 実施例のアンテナ全体としての放射特性を表すグラフである。
【図7】 非対称な形状のビームパターンを表す説明図である。
【符号の説明】
2…車載レーダ装置用アンテナ 4…誘電体レンズ 6…一次放射器
8…筐体 10…誘電体基板 12…ホーン 13…導波路
13a…放射源側開口部 13b…放射界側開口部 14…キャリア
16…パッチアンテナ 18…誘電体露出部 20,24…接地電極
22…給電線路
Claims (7)
- レーダ波の送受信により車両周囲の状況を認識するためのデータを収集する車載レーダ装置にて用いられ、誘電体基板上に形成された方形の平面回路型共振素子であるパッチアンテナを前記レーダ波の放射源とする車載用アンテナにおいて、
前記パッチアンテナの周囲に形成された誘電体露出部と、
前記誘電体基板のパッチアンテナ形成面とは反対側の面に形成され、先端部分が前記パッチアンテナと対向するように配線されたコプレナー線路、及び該コプレナー線路の先端部分に設けられたスロット線路からなり、前記スロット線路からの放射により前記パッチアンテナへの給電を行う給電線路と、
を備え、前記給電線路から前記誘電体露出部を介して前記パッチアンテナ形成面側に漏れ出す漏洩電磁波と、前記パッチアンテナが放射する放射電磁波との干渉により、前記パッチアンテナから放射されるレーダ波が、該パッチアンテナの放射軸に対して低い側と高い側を持つ非対称なビームパターンを有し、且つ該ビームパターンの低い側が路面に向けて放射されるように、前記給電線路の配置及び前記誘電体露出部の幅が設定されていることを特徴とする車載レーダ装置用アンテナ。 - レーダ波の送受信により車両周囲の状況を認識するためのデータを収集する車載レーダ装置にて用いられ、誘電体基板上に形成された方形の平面回路型共振素子であるパッチアンテナを前記レーダ波の放射源とする車載用アンテナにおいて、
前記パッチアンテナの周囲に形成された誘電体露出部と、
前記誘電体基板のパッチアンテナ形成面に形成され、前記パッチアンテナに直接接続されたストリップ線路からなり、前記パッチアンテナへの給電を行う給電線路と
を備え、前記給電線路から漏れ出す漏洩電磁波と、前記パッチアンテナが放射する放射電磁波との干渉により、前記パッチアンテナから放射されるレーダ波が、該パッチアンテナの放射軸に対して低い側と高い側を持つ非対称なビームパターンを有し、且つ該ビームパターンの低い側が路面に向けて放射されるように、前記給電線路の配置及び前記誘電体露出部の幅が設定されていることを特徴とする車載レーダ装置用アンテナ。 - 請求項1又は請求項2記載の車載レーダ装置用アンテナにおいて、
当該アンテナは、前記パッチアンテナを放射源とするホーンアンテナとして構成され、前記給電線路を、路面に対して立設された前記パッチアンテナの前記路面側とは反対側に配線したことを特徴とする車載レーダ装置用アンテナ。 - 請求項1又は請求項2記載の車載レーダ装置用アンテナにおいて、
当該アンテナは、レーダ波を屈折により収束させるレンズと、前記パッチアンテナを用いた一次放射器とからなるレンズアンテナとして構成され、前記給電線路を、路面に対して立設された前記パッチアンテナの前記路面側に配線したことを特徴とする車載レーダ装置用アンテナ。 - 前記レンズアンテナを構成するレンズは、当該アンテナが搭載される車両のバンパーと同じ誘電体素材により形成された誘電体レンズであることを特徴とする請求項4記載の車載レーダ装置用アンテナ。
- 請求項1又は請求項2記載の車載レーダ装置用アンテナにおいて、
当該アンテナは、レーダ波を反射により収束させる反射鏡と、前記パッチアンテナを用いた一次放射器とからなる反射鏡アンテナとして構成され、前記給電線路を、路面に対して立設された前記パッチアンテナの前記路面側に配線したことを特徴とする車載レーダ装置用アンテナ。 - 請求項4ないし請求項6いずれか記載の車載レーダ装置用アンテナにおいて、前記一次放射器は、前記パッチアンテナを放射源とするホーンアンテナからなることを特徴とする車載レーダ装置用アンテナ。
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