JP3881162B2 - 水素化処理成形触媒およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化水素油の水素化処理成形触媒およびその製造方法に関し、更に詳しくは、工業触媒として優れた性状を有し、炭化水素油、特に留出炭化水素油の水素化処理に使用して高い脱硫、分解活性を示す、リン酸化物−シリカ−アルミナ担体に活性金属成分を担持した水素化処理成形触媒およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、炭化水素油の水素化処理触媒としてはアルミナ担体に周期律表第VIA族および第VIII族から選ばれた活性金属成分を担持した触媒が広く使用されており、また、前記の触媒成分の外に第3成分としてシリカやリン酸化物などを含む水素化処理触媒についても種々提案されている。
【0003】
例えば、特開平7−204512号公報には、炭化水素転化プロセスにおいて使用される触媒として、5〜50重量%のAl2O3、10〜90重量%のSiO2、および5〜40重量%のP2O5を含む燐、珪素、およびアルミニウム酸化物のアモルファス固溶体で構成される触媒複合体が記載されており、また、アルミナ・ヒドロゾル、シリカ・ヒドロゾルおよび燐化合物の混合物を作成し、粒子を作成するためにその混合物をゲル化し、燐、珪素およびアルミニウム酸化物をつくるためにそれらの粒子をカ焼するステップで構成される前記触媒複合体の調製方法が開示されているが、いずれもゾルの形で使用した後、ゲル化している。
【0004】
また、特開平7−286184号公報には、第VIII族非貴金属の酸化物2.5〜6重量%、第VIB族金属の酸化物13〜24重量%、シリカ0〜2重量%およびリン酸化物0〜2重量%を担持する、170〜220m2/gの全表面積、0.6〜0.8cm3/gの全細孔容積、および全細孔容積の約33%未満が直径約100Å未満の一次ミクロポアとして存在し、全細孔容積の少なくとも約41%が直径約100〜200Åの二次ミクロポアとして存在し、全細孔容積の約16〜26%が直径≧200Åのメソポアとして存在するような細孔径分布を有する多孔質アルミナ担体の触媒の存在下に炭化水素供給原料を水素化処理する方法が記載されている。
【0005】
しかし、従来の水素化処理触媒は実装置で工業的に使用する場合、工業触媒としての触媒性状、活性などの点で必ずしも満足のいくものではなく、改善が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、炭化水素油、特に減圧軽油、軽油、灯油等の留出炭化水素油の水素化処理に実装置で工業的に使用した場合に優れた脱硫、分解活性を示し、工業触媒としての優れた性状を有する、リン酸化物−シリカ−アルミナ担体を使用した水素化処理成形触媒およびその製造方法を提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来の水素化処理触媒でリン酸化物−シリカ−アルミナ系触媒について鋭意研究した結果、リン酸化物−シリカ−アルミナ担体に水素化活性金属成分を担持した特定の表面積、嵩比重、細孔構造、機械的強度などの性状を有する成形触媒が工業触媒として優れており、高い脱硫、分解活性を示すことを見出して本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明の第一に係わる水素化処理成形触媒は、リン酸化物−シリカ−アルミナ担体に周期律表第VIA族および第VIII族から選ばれた少なくとも一種の金属成分を担持してなる成形触媒であって、下記(1)〜(7)の性状を有することを特徴とするものである。
(1)表面積(SA)の値が300m2/g 以上、
(2)細孔容積(PV)の値が0.45〜0.80ml/g、
(3)嵩比重(ABD)の値が0.45〜0.80g/ml、
(4)平均細孔直径(PDA)の値が60〜90Å、
(5)〔細孔直径(PD)100Å以上の細孔の占める細孔容積(PV)〕×100/〔細孔直径(PD)34Å以上の細孔の占める細孔容積(PV)〕の値が15%以下、
(6)〔平均細孔直径(PDA)±10Åの細孔の占める細孔容積(PV)〕×100/〔細孔直径(PD)34Å以上の細孔の占める細孔容積(PV)〕の値が50%以上、
(7)機械的強度(Cr.St.)が7N/mm以上。
【0009】
また、前記リン酸化物−シリカ−アルミナ担体は、リン酸化物含有量がP2O5として0.5〜10重量%、シリカ含有量がSiO2として10〜70重量%、アルミナ含有量がAl2O3として20〜89.5重量%の範囲にあることが好ましい。
【0010】
本発明の第二に係わる前記の水素化処理成形触媒の製造方法は、シリカヒドロゲルが懸濁した、リン酸イオンを含有するアルミニウム塩水溶液と中和剤とをpHが6.5〜8.5になるように混合して水和物を得、該水和物を洗浄した後、成形、乾燥、焼成して得たリン酸化物−シリカ−アルミナ担体に周期律表第VIA族および第VIII族から選ばれた少なくとも一種の金属成分を担持することを特徴とするものである。
【0011】
本発明においては、SiO2成分がリン酸イオンを含有するアルミニウム塩水溶液中にシリカヒドロゲルの形で懸濁していることが極めて重要であり、その結果が前記(1)〜(7)の性状に結びつくのである。前記シリカヒドロゲルは、硫酸水溶液と珪酸ソーダ水溶液を混合して得られたものであることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について、詳細に説明する。
【0013】
通常、工業触媒として使用されている炭化水素油の水素化処理触媒の表面積は200〜300m2/g程度あるが、本発明の水素化処理成形触媒は、表面積(SA)が300m2/g以上と大きく、触媒の表面積が大きいため炭化水素油、特に減圧軽油、軽油、灯油等の留出炭化水素油の水素化処理に使用した場合に高い脱硫活性を示す。本発明の水素化処理成形触媒の表面積は、好ましくは320〜500m2/g、さらに好ましくは350〜450m2/gの範囲が望ましい。なお、本発明での表面積はBET法で測定した値である。
【0014】
また、本発明の触媒の細孔容積(PV)は、0.45〜0.80ml/gの範囲であることを要する。触媒の細孔容積が0.45ml/gより小さい場合には、所望の脱硫活性や分解活性が得られないことがあるので好ましくない。触媒の細孔容積は、大きい方が単位重量当たりの触媒活性は高くなる傾向にあり好ましいが、しかし、細孔容積が0.80ml/gより大きくなると成形触媒の機械的強度は弱くなる傾向にあり、また、成形触媒の嵩比重(ABD)も大きくなるので反応器への触媒充填量が少なくなり単位容量当たりの触媒活性は低くなる。工業触媒としての細孔容積は、好ましくは0.50〜0.70ml/gの範囲が望ましい。
【0015】
実装置での反応器に充填される触媒の容量は反応器の大きさで決まるため、触媒の嵩比重が小さいと充填される触媒重量は多くなり、逆に嵩比重が大きいと充填される触媒重量は少なくなる。従って、実装置運転での反応は、触媒が有する本来の活性と触媒の充填量、即ち触媒の嵩比重に影響される。本発明の触媒の嵩比重(ABD)は0.45〜0.80g/mlの範囲にある。触媒の嵩比重が前記の範囲から外れると実装置で使用する場合に所望の反応率が得られないことがある。工業触媒としての嵩比重は、好ましくは0.50〜0.70ml/gの範囲が望ましい。
【0016】
さらに、本発明の触媒の細孔構造は、平均細孔直径(PDA)が60〜90Åと非常に狭い範囲にあり、〔細孔直径(PD)100Å以上の細孔の占める細孔容積(PV)〕×100/〔細孔直径(PD)34Å以上の細孔の占める細孔容積(PV)〕の値が15%以下、好ましくは10〜0%と細孔直径100Å以上の細孔の占める細孔容積の割合が少なく、また、〔平均細孔直径(PDA)±10Åの細孔の占める細孔容積(PV)〕×100/〔細孔直径(PD)34Å以上の細孔の占める細孔容積(PV)〕の値が50%以上、好ましくは60〜100%と非常にシャープな細孔構造であるため、炭化水素油、特に減圧軽油、軽油、灯油等の比較的分子量の小さい留出炭化水素油の水素化処理に使用した場合に高い脱硫活性や分解活性を示す。該触媒の細孔構造が前記の範囲から外れると所望の脱硫活性や分解活性が得られないことがあるので好ましくない。
【0017】
なお、本発明での細孔容積(PV)、平均細孔直径(PDA)は水銀圧入法(水銀の接触角:135度、表面張力:480dyn/cm)により測定した値で、細孔容積(PV)は細孔直径34Å以上の細孔の容積を表し、平均細孔直径(PDA)は細孔容積(PV)の50%に相当する細孔直径を表す。
【0018】
また、本発明の触媒の機械的強度(Cr.St.)は、7N/mm以上であることを要する。触媒の機械的強度が7N/mmより小さい場合には、触媒を実装置の反応器に充填する際あるいは反応中に触媒が粉化して反応器内に圧力損失を生じる原因となる。該触媒の機械的強度は、好ましくは10〜30N/mmの範囲にあることが望ましい。
【0019】
本発明でのリン酸化物−シリカ−アルミナ担体は、リン酸化物をP2O5として0.5〜10重量%(担体基準)含有することが好ましい。リン酸化物含有量が0.5重量%より少ない場合には、得られる触媒の細孔分布がブロードになり所望の脱硫活性が得られないことがある。また、リン酸化物含有量が10重量%より多い場合には、得られる触媒の細孔容積(PV)および平均細孔直径(PDA)が小さくなり所望の脱硫活性が得られないことがある。リン酸化物−シリカ−アルミナ担体での、より好ましいリン酸化物含有量はP2O5として1〜8重量%、さらに好ましくは1〜5重量%の範囲が望ましい。
【0020】
また、本発明でのリン酸化物−シリカ−アルミナ担体は、シリカをSiO2として10〜70重量%(担体基準)含有することが好ましい。シリカ含有量が10重量%より少ない場合には、得られる触媒の表面積が小さくなり所望の脱硫、分解活性が得られないことがある。また、シリカ含有量が70重量%より多い場合には、得られる触媒の細孔容積(PV)および平均細孔直径(PDA)が小さくなり所望の脱硫活性が得られないことがある。リン酸化物−シリカ−アルミナ担体での、より好ましいシリカ含有量はSiO2として15〜40重量%の範囲が望ましい。
【0021】
さらに、本発明でのリン酸化物−シリカ−アルミナ担体は、アルミナをAl2O3として20〜89.5重量%(担体基準)含有することが好ましい。アルミナ含有量が20重量%より少ない場合には、成形性が悪く機械的強度が弱くなることがあり、また89.5重量%より多い場合には、得られる触媒の表面積が小さくなり、所望の脱硫、分解活性が得られないことがある。リン酸化物−シリカ−アルミナ担体での、より好ましいアルミナ含有量はAl2O3として55〜84重量%の範囲が望ましい。
【0022】
本発明の水素化処理成形触媒は、前記のリン酸化物−シリカ−アルミナ担体に周期律表第VIA族および第VIII族から選ばれた少なくとも1種の金属成分を担持してなる。周期律表第VIA族および第VIII族から選ばれた好ましい金属成分としてはMo、W、Co、Niなどが代表的なものであり、これらは通常酸化物の形で触媒中に存在している。その例としてはMoO3、WO3、CoO、NiOなどが挙げられ、これら金属成分の担持量は、1〜35wt%の範囲である。好ましい具体的金属成分としてはMoO3および/またはWO3が10〜30wt%とCoOおよび/またはNiOが1〜10wt%の範囲にある金属酸化物の混合物であることが望ましい。
【0023】
次に、本発明の第二に関する水素化処理成形触媒の製造方法について詳述する。
本発明で使用されるシリカヒドロゲルは、例えば、SiO2濃度8.5wt%のケイ酸ソーダ水溶液に25wt%の硫酸水溶液を添加して調製することができる。このようにして調製したシリカヒドロゲルを水に懸濁して所定濃度に調整し、該懸濁液にリン酸イオン源とアルミニウム塩を溶解し、シリカヒドロゲルが懸濁した、リン酸イオンを含有するアルミニウム塩水溶液を調製した。
【0024】
リン酸イオンには亜リン酸イオンをも包含し、リン酸イオン源としては、水中でリン酸イオンを生じるリン酸化合物が使用可能である。リン酸化合物としては、H3PO4、H3PO3、(NH4)H2PO4、(NH4)2HPO4、K3PO4、K2HPO4、KH2PO4、Na3PO4、Na2HPO4、NaH2PO4、などが例示される。
【0025】
また、アルミニウム塩水溶液としては、アルミン酸ソーダ、アルミン酸カリなどの塩基性アルミニウム塩水溶液または硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウムなどの酸性アルミニウム塩水溶液が好適に使用される。前記のアルミニウム塩水溶液が、塩基性アルミニウム塩水溶液の場合にはアルカリ性または中性のリン酸化合物が使用され、酸性アルミニウム塩水溶液の場合には酸性または中性のリン酸化合物が使用される。
【0026】
本発明での中和剤は、アルミニウム塩水溶液が塩基性アルミニウム塩水溶液の場合には、硫酸、硝酸、塩酸などの鉱酸、酢酸などの有機酸や酸性アルミニウム塩水溶液などの酸性水溶液が使用され、特に酸性アルミニウム塩水溶液が好適である。また、アルミニウム塩水溶液が酸性アルミニウム塩水溶液の場合には、苛性ソーダ、苛性カリ、アンモニアや塩基性アルミニウム塩水溶液などのアルカリ性水溶液が使用され、特に塩基性アルミニウム塩水溶液が好適である。
【0027】
本発明の方法では、例えば、前記のリン酸イオンを所定量含有する塩基性アルミニウム塩水溶液を攪拌機付きタンクに張り込み、この水溶液に前記のシリカヒドロゲルを所定量添加した後、該水溶液を40〜90℃に加温して保持し、この溶液に40〜90℃に加温した酸性アルミニウム塩水溶液をpHが6.5〜8.5になるように5〜20分間で連続添加してリンとケイ素を含有するアルミナ水和物の沈殿を生成させ、所望により熟成した後、洗浄して副生塩を除いたリン−ケイ素含有アルミナ水和物スラリーを得る。前記酸性アルミニウム塩水溶液の添加時間は、長くなると擬ベーマイトの外にバイヤライトなどの好ましくない結晶物が生成することがあるので、好ましくは15分間以下が望ましい。
【0028】
次いで、得られたリン−ケイ素含有アルミナ水和物スラリーは、所望により熟成した後、加熱捏和して成型可能な捏和物とし押出成型などにより所望の形状、粒径に成型し、乾燥した後、400〜800℃で0.5〜10時間焼成してリン酸化物−シリカ−アルミナ担体を得る。成形触媒の嵩比重は、触媒の細孔容積の外に、形状や粒径などによっても影響される。触媒の形状としては、円柱状、三つ葉状、四つ葉状などが例示され、また、粒径としては、1/32〜1/8インチの範囲が好適に選定される。
【0029】
前記のリン酸化物−シリカ−アルミナ担体を使用して、慣用の手段で周期律表第VIA族および第VIII族から選ばれた少なくとも1種の金属成分を担持して触媒を製造することができる。例えば、金属成分の原料としては硝酸ニッケル、炭酸ニッケル、硝酸コバルト、炭酸コバルト、三酸化モリブデン、モリブデン酸アンモン、パラタングステン酸アンモンなどが使用され、金属成分は含浸法、浸漬法などの周知の方法により担持される。触媒は、通常400〜800℃で0.5〜10時間焼成される。
【0030】
本発明の水素化処理成形触媒は、減圧軽油、軽油、灯油などの留出炭化水素油の水素化処理に使用して好適であるばかりでなく、原油、常圧残渣油、減圧残渣油などの重質油炭化水素油に使用しても好適である。該触媒を使用した水素化処理は、通常の水素化処理条件が採用でき、好ましい反応条件としては、反応温度330〜450℃、水素圧力10〜250kg/cm2、液空間速度0.05〜10hr―1の条件が採用される。
【0031】
【実施例】
以下に実施例を示し本発明を更に具体的に説明するが、本実施例は本発明を限定するものではない。
【0032】
実施例1
シリカヒドロゲルの調製
タンクに25wt%硫酸水溶液10kgを張り込み、40℃に加温した。この硫酸水溶液に8.5wt%水硝子(珪酸ソーダ)を90分で添加してpH4.0にし、シリカヒドロゲルスラリーを調製した。次いで、該スラリーを150分間熟成した後、純水3Lを添加し、さらに15wt%アンモニア水を添加してpH7.0に調製した後、120分間熟成を行った。この熟成したシリカヒドロゲルスラリーに純水を加えてSiO2濃度を5wt%に調製した後ホモジナイザーを通してヒドロゲルを粉砕して均一化したシリカヒドロゲルスラリーを得た。
【0033】
一方、100Lのチタン製容器にAl2O3濃度として5wt%のアルミン酸ソーダ水溶液を28kgを張り込み、さらにP2O5濃度5wt%の燐酸ソーダ水溶液1800gを添加して、リン酸イオン含有アルミン酸ソーダ水溶液を調製した。該溶液に前記のシリカヒドロゲルスラリー(SiO2濃度5wt%)16.2kgを攪拌しながら添加して懸濁させ、60℃に加温した。該シリカヒドロゲルが懸濁した、リン酸イオン含有アルミン酸ソーダ水溶液に、60℃に加温した2.5wt%Al2O3濃度の硫酸アルミニウム水溶液を8〜10分で添加混合してpH7.1とし、水和物スラリーを調製した。該スラリーは、十分に反応させるため60℃で攪拌しながら60分間熟成した後、ナトリウムや硫酸根などの副生塩を除去するため60℃の0.5wt%重炭酸アンモニウム水溶液を固形分重量に対し50倍掛け水洗浄してケーキ状水和物を得た。
該ケーキ状水和物は、固形分濃度で10wt%となるように純水を加えてスラリー化した後、15wt%アンモニア水でpH10.5に調製し、95℃で10hr加熱、攪拌しながら熟成した。
次いで、該熟成スラリーをニーダーで加熱捏和した後、捏和物をスクリュウ式押出機で成形した。得られた成型物は、110℃−16hr乾燥した後550℃−3hr焼成して粒子径1.6mmφの円柱状3wt%P2O5−27wt%SiO2−70wt%Al2O3担体(A)を得た。
【0034】
次いで、1L容器に三酸化モリブデン92.6g、炭酸コバルト28.8g、炭酸ニッケル18.2gと純水400mlおよびカルボン酸を加えて攪拌し、95℃で5時間溶液量が減少しないように加熱して均一溶液を調製した。
前記の担体(A)500gに上記溶液を噴霧しながら含浸し、乾燥した後、550℃で3時間焼成を行い触媒(A)を得た。触媒(A)の活性金属成分はMoO3:15.0wt%、CoO:2.8wt%、NiO:1.2wt%であった。触媒(A)の性状を表1に示す。
【0035】
実施例2
実施例1において、5wt%のアルミン酸ソーダ水溶液32.8kg、5wt%燐酸ソーダ水溶液1800g、シリカヒドロゲルスラリー9kgを使用した以外は実施例1と全く同様にして触媒(B)を調製した。なお、得られた担体の組成は、3wt%P2O5、15wt%SiO2、82wt%Al2O3であった。触媒(B)の性状を表1に示す。
【0036】
実施例3
実施例1において、5wt%のアルミン酸ソーダ水溶液12.0kg、5wt%燐酸ソーダ水溶液1800g、シリカヒドロゲルスラリー40.2kgを使用した以外は実施例1と全く同様にして触媒(C)を調製した。なお、得られた担体の組成は、3wt%P2O5、67wt%SiO2、30wt%Al2O3であった。触媒(C)の性状を表1に示す。
【0037】
比較例1
実施例1において、シリカヒドロゲルの代わりにシリカゾル〔触媒化成工業(株)製Cataloid−SI−550〕を使用した以外は実施例1と全く同様にして触媒(D)を調製した。触媒(D)の性状を表1に示す。
【0038】
比較例2
実施例1において、シリカヒドロゲルの代わりに水硝子(ケイ酸ソーダ)を使用した以外は実施例1と全く同様にして触媒(E)を調製した。触媒(E)の性状を表1に示す。
【0039】
【表1】
注)
*1は、〔細孔直径(PD)100Å以上の細孔の占める細孔容積(PV)〕×100/〔細孔直径(PD)34Å以上の細孔の占める細孔容積(PV)〕の値を示す。
*2は、〔平均細孔直径(PDA)±10Åの細孔の占める細孔容積(PV)〕×100/〔細孔直径(PD)34Å以上の細孔の占める細孔容積(PV)〕の値を示す。
【0040】
実施例4
実施例1〜3および比較例1、2の触媒を用いて減圧留出油(Vacuum Gas Oil:VGO)の水素化処理を行い、脱硫活性、分解活性を測定した。
反応は、固定床流通式反応装置を用いて、次の反応条件で行った。
反応条件
LHSV (hr−1) 1.5
H2/Oil (Nm3/kl) 500
PpH2(水素分圧) (kg/cm2) 47
また、原料油の性状を以下に示す。
【0041】
触媒の活性評価は、反応温度380℃における比較例1の触媒Dの活性を基準(100%)として各触媒の相対活性を示した。なお、脱硫活性は硫黄の除去率から求め、また、分解活性は360℃より高沸点留分(360℃+)の含有量を測定し原料油中の360℃+量に対する減少率から求めた。
触媒No. 脱硫活性(%) 分解活性(%)
実施例1 触媒A 137 115
実施例2 触媒B 125 110
実施例3 触媒C 118 118
比較例1 触媒D 100 100
比較例2 触媒E 70 90
本発明の触媒A、B、Cは、従来の触媒に対して、脱硫、分解ともに高活性を示した。
【0042】
【発明の効果】
本発明の触媒は、実用的な性状を有するうえ、炭化水素の水素化処理に用いて、高い脱硫活性と高い分解活性を示した。
Claims (5)
- リン酸化物−シリカ−アルミナ担体に周期律表第VIA族および第VIII族から選ばれた少なくとも一種の金属成分を担持してなる成形触媒であって、下記(1)〜(7)の性状を有することを特徴とする水素化処理成形触媒。
(1)表面積(SA)の値が300m2/g 以上、
(2)細孔容積(PV)の値が0.45〜0.80ml/g、
(3)嵩比重(ABD)の値が0.45〜0.80g/ml、
(4)平均細孔直径(PDA)の値が60〜90Å、
(5)〔細孔直径(PD)100Å以上の細孔の占める細孔容積(PV)〕×100/〔細孔直径(PD)34Å以上の細孔の占める細孔容積(PV)〕の値が15%以下、
(6)〔平均細孔直径(PDA)±10Åの細孔の占める細孔容積(PV)〕×100/〔細孔直径(PD)34Å以上の細孔の占める細孔容積(PV)〕の値が50%以上、
(7)機械的強度(Cr.St.)が7N/mm以上。 - 前記リン酸化物−シリカ−アルミナ担体において、リン酸化物含有量がP2O5として0.5〜10重量%、シリカ含有量がSiO2として10〜70重量%、アルミナ含有量がAl2O3として20〜89.5重量%の範囲にある請求項1記載の水素化処理成形触媒。
- シリカヒドロゲルが懸濁した、リン酸イオンを含有するアルミニウム塩水溶液と中和剤とをpHが6.5〜8.5になるように混合して水和物を得、該水和物を洗浄した後、成形、乾燥、焼成して得たリン酸化物−シリカ−アルミナ担体に周期律表第VIA族および第VIII族から選ばれた少なくとも一種の金属成分を担持することを特徴とする請求項1または2記載の水素化処理成形触媒の製造方法。
- 前記シリカヒドロゲルが、硫酸水溶液と珪酸ソーダ水溶液を混合して得られたものである請求項3記載の水素化処理成形触媒の製造方法。
- 前記アルミニウム塩水溶液に対する前記中和剤の組合せが、前記アルミニウム塩水溶液が塩基性アルミニウム塩水溶液のときは前記中和剤が酸性アルミニウム塩水溶液であり、前記アルミニウム塩水溶液が酸性アルミニウム塩水溶液であるときは前記中和剤が塩基性アルミニウム塩水溶液である請求項3または4記載の水素化処理成形触媒の製造方法。
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