JP3880892B2

JP3880892B2 - 動画像記録再生装置

Info

Publication number: JP3880892B2
Application number: JP2002186378A
Authority: JP
Inventors: 忠伺吉川
Original assignee: Sharp Corp
Current assignee: Sharp Corp
Priority date: 2002-06-26
Filing date: 2002-06-26
Publication date: 2007-02-14
Anticipated expiration: 2022-06-26
Also published as: JP2004032407A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は動画像記録再生装置に係り、特に、動画像の記録中に記録した画像が正しく再生できないと判定した場合に、この旨を警告表示するようにした動画像記録再生装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、画像の符号化方式の国際標準化に伴い、動画像符号化技術の向上が活発化している。その国際標準化のうちの１つに、ＭＰＥＧ方式（Moving Picture Expert Group）がある。
【０００３】
このＭＰＥＧ方式は、時間軸方向の冗長度を落とすために動き補償を行い、画像の差分をとり、その後、空間軸方向の冗長度を落とすために、直交変換の一種であるＤＣＴ（離散コサイン変換）および可変長符号化方式を導入している。また、時間軸方向の冗長度削減については、連続した動画像が前後のフレーム間、または、フィールド間において、高い相関性を有する性質を利用している。
【０００４】
すなわち、符号化を行おうとしている画像（現画像）と時間的に前後にある画像との間で各ブロックごとに動きベクトルを検出し、動き予測を行い現画像を予測した後、両者の間における予測誤差を算出する。ここで、動画像を構成する各画像は、Ｉピクチャ（フレームまたはフィールド内符号化画像）、Ｐピクチャ（前方向予測画像）、Ｂピクチャ（前方向、後方向、両方向予測画像）の３つの種類に分類された後、符号化されることになる。一方、空間軸方向の冗長度については、各画像の予測誤差信号をブロック単位でＤＣＴ係数に対し、量子化を施した後、可変長符号化を行っている。
【０００５】
また、特開平１１−２９８８９０号公報では、動きの変化の大きさに応じてフレームレートを変更することによって、動きの変化の大きな画像であっても、画質の低下を伴うことのない手段が示されている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記の方法では、動きの変化の大きな画像を記録する場合、現画像と時間的に前後にある画像との間における各ブロックごとの動きベクトルが大きくなりすぎ、少ないビットレートで符号化を行って記録すると、情報の欠落が多くなり、再生した際に全体的にぼやけたモザイクのような画像となり、記録した画像が正しく再生できないことがある。
【０００７】
また、特開平１１−２９８８９０号に記載の技術においては、１フレームあたりのデータ量が多くなる動きの変化の大きい画像ほど、フレームレートを高くするように制御するため、動きの変化の大きいシーンでは一時的にビットレートが大きくなりすぎて、リアルタイムで記録媒体への読み書きができないという問題がある。
【０００８】
本発明は、以上述べたような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、動きの変化の大きな画像を記録中に、記録した動画像が正しく再生できないことをユーザに認知させ得る動画像記録再生装置を、提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するため、本発明による動画像記録再生装置は、動きの変化量を判定する動き変化量判定部を備え、動きの変化の大きな画像を記録中に、情報の欠落が多くなり、記録した画像が正しく再生できないと判定した場合、記録した動画像が正しく再生できないことを知らせる警告を、表示部に表示する。また、正しく再生できないと判定した場合、フレームレートを落として記録するかどうかを選択する記録方法選択部を具備する。
【００１０】
さらに、正しく再生できないと判定したフレームには、ＮＧフラグを記録するようにする。
【００１１】
さらに、動き変化量判定部で用いる動き変化量の閾値としてデフォルト値（初期設定値）を設定するためのデフォルト設定記憶部と、動き変化量判定部で用いる動きの変化量の閾値をユーザーが任意に設定するための変化量設定部と、動きの変化量の閾値として、デフォルト設定記憶部のデータを用いるか、変化量設定部のデータを用いるかを切替える切替手段とを、具備する。
【００１２】
さらにまた、動画像を再生中にＮＧフラグを検知すると、記録時と同様に、動画像が正しく再生できないことを知らせる警告を表示部に表示する。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
【００１４】
図１は、本発明の一実施形態に係る動画像記録再生装置の構成を示すブロック図である。図１に示すように、本実施形態の動画像記録再生装置は、ＣＣＤ、ＡＧＣ回路などを含む画像入力部１０１、Ｙ，Ｕ，Ｖ信号を生成する信号処理部１０２、システム全体を制御する制御部１０３、ＤＭＡ（Direct Memory Access）コントローラ１０４、メモリ１０５、画像圧縮伸長部１０６、圧縮データをメディア（記録媒体）に記録し、読み出しする記録読み出し部１０７、記録媒体１０８、表示部インターフェイス１０９、ディスプレイ（表示部）１１０、動き変化量判定部１１１、変化量設定部１１２、デフォルト設定記憶部１１３、切替スイッチ１１４、記録方法選択部１１５を、備えたものとなっている。
【００１５】
まず、撮影前の動作を、図２のフローチャートをもとに説明する。あらかじめ切替スイッチ１１４を用いて、再生時に正しく再生できないことを知らせる警告表示を行う動きの変化量の閾値を、ユーザーが設定するかデフォルト値（装置自体があらかじめ用意した初期設定値）を用いるかを選択する（ステップＳ１１）。ユーザーが設定する場合は、変化量設定部１１２を介して動きの変化量の閾値を設定する。また、デフォルト値（初期設定値）を用いる場合は、デフォルト設定記憶部１１３の値が動きの変化量の閾値として使用される。さらに、記録方法選択部１１５を介して、再生時に正しく再生できないと判定した場合において、フレームレートを落として記録する（以下、画質優先モードと記す）か、フレームレートを落とさずモザイク状の画像を記録する（以下、フレームレート優先モードと記す）かを選択する（ステップＳ１１）。ステップＳ１１で画質優先モードが選択された場合には、動きの変化が大きく動きの変化量が閾値を超えた場合には、フレームレートを落として記録するモード（画質優先モード）が設定され、ステップＳ１１でフレームレート優先モードが選択された場合には、動きの変化が大きく動きの変化量が閾値を超えた場合でも、フレームレートを落とさず記録するモード（フレームレート優先モード）が選択される。なお、画質優先モードおよびフレームレート優先モードのいずれの場合も、動きの変化量が閾値を超えた場合には、再生が正しく行えない旨の警告表示を行うとともに、ＮＧフラグを記録するようにされる。
【００１６】
次に、実際の撮影動作について説明する。まず、撮影された被写体の光信号は画像入力部１０１に入力され、光電変換されてアナログ映像信号となり、ＡＧＣ等の処理を施され信号処理部１０２へ出力される。信号処理部１０２に入力された映像信号は、Ａ／Ｄ変換されデジタル信号に変換されるとともに、ガンマ補正、フィルタリング、輪郭強調処理等の処理が施され、Ｙ（輝度）、Ｕ（赤の色差）、Ｖ（青の色差）信号が生成される。そして、制御部１０３はプログラムに基づいて生成されたＹ，Ｕ，Ｖ信号をメモリ１０５に記憶する。
【００１７】
次に、記憶されたデジタル映像信号は、ＤＭＡコントローラ１０４を介して画像圧縮伸長部１０６へ読み出され、圧縮処理される。圧縮されたデータは、一旦メモリ１０５に記憶された後、制御部１０３により所定のフォーマットに従って、ヘッダー情報を付けられた後に、記録読み出し部１０７を介して記録媒体１０８に記録される。
【００１８】
長時間の動画記録の場合は、数回に分けて圧縮が行われ、記録媒体に記録する時に１つのファイルとして記録される。従って、撮影開始時刻を記録したヘッダーは、記録開始した際の１回目の圧縮のみで付けられる。
【００１９】
ここで、動きの変化量の判定について説明する。通常、動きベクトルは１６×１６画像のマクロブロック毎に求められる。ＱＶＧＡ（Quarter Video Graphics Array；横３２０×縦２４０画素）の画像は、３００マクロブロックから成る。例えば、動きの変化量の閾値が、動きベクトルの大きさ（半画素単位）が１０、２００マクロブロックで設定されている場合、動きベクトルの大きさが１０以上のマクロブロックが２００個以上ある場合に、動きの変化量が多いと判定される。つまり、上記条件を満たした場合に、ディスプレイ１１０に警告表示を行い、同時に該当フレームにＮＧフラグを記録する。
【００２０】
次に、動きの変化量が大きくなった場合の動作を、図３のフローチャートをもとに説明する。圧縮処理するまでの動作は、従来と同様である。記憶されたデジタル映像信号は、ＤＭＡコントローラ１０４を介して画像圧縮伸長部１０６へ読み出され、圧縮処理される。この際、現在処理された画像がＩピクチャかどうかを判定して（ステップＳ２１）、Ｉピクチャである場合にはステップＳ３０に進み、Ｉピクチャでない場合にはステップＳ２２に進む。
【００２１】
ステップＳ２２では、１つ前の画像と現在処理された画像の動きの変化量Ａと、動きの変化量の閾値Ｂを動き変化量判定部１１１に送り、ステップＳ２３に進む。ステップＳ２３では、動きの変化量Ａが閾値Ｂを超えたかどうかを判定して、Ａ＞Ｂである場合にはステップＳ２４に進み、Ａ＞Ｂでない場合にはステップＳ２９に進む。ステップＳ２４では、動き変化量判定部１１１から制御部１０３に、動きの変化量Ａが閾値を超えた旨の警告信号が送られ、ステップＳ２５に進む。ステップＳ２５では、警告信号を認知した制御部１０３が、表示部インターフェイス１０９を介してディスプレイ１１０に「動きが激しすぎて記録した画像は正しく再生できません」などの警告表示を行って、ステップＳ２６に進む。ステップＳ２６では、前記した画質優先モードが設定されているか、前記したフレームレート優先モードが設定されているかが判定され、フレームレート優先モードが設定されている場合にはステップＳ２７に進み、画質優先モードが設定されている場合にはステップＳ２８に進む。
【００２２】
ステップＳ２７では、現在処理された画像のビクチャレイヤのユーザーデータ部分にＮＧフラグをセットして、ステップＳ２９に進む。ステップＳ２９では、現在圧縮処理された画像（ＰまたはＢピクチャの画像）を一旦メモリ１０５に記憶した後、記録媒体１０８に記憶する。
【００２３】
ステップＳ２８では、現在処理された画像（ＰまたはＢピクチャの画像）の記録を行わず、次の画像の処理へと向かう。
【００２４】
また、Ｉピクチャである場合に進んだ前記ステップＳ３０では、警告表示中である場合には、ＮＧフラグをセットして、現在圧縮処理されたＩピクチャの画像を記録媒体１０８に記録し、警告表示中ではない場合には、現在圧縮処理されたＩピクチャの画像を、そのまま記録媒体１０８に記録する。
【００２５】
上記したように、本実施形態においては、画質優先モードに設定されている場合には、Ｉピクチャのみを記録することによって、１フレームあたりの情報量を多くし、フレームレートは低くなるが画質のキレイな画像を記録する。この際、警告表示を行い、Ｉピクチャの記録に際しＮＧフラグをセットする。一方、フレームレート優先モードに設定されている場合には、全ての圧縮されたフレームデータを記録することによって、フレームレートは一定だが、モザイク状の画像を記録する。この際にも、警告表示を行い、全てのピクチャの記録に際しＮＧフラグをセットする。なお、Ａ＞Ｂでない場合には、通常通りの記録動作を続けることになる。
【００２６】
次に、再生動作について説明する。記録媒体１０８に記録されている１つの動画ファイルは、記録読み出し部１０７により読み出され、ＤＭＡコントローラ１０４を介してメモリ１０５に記憶される。次に、メモリ１０５から制御部１０３にヘッダー情報が読み込まれ、記録されている撮影開始時刻が読まれる。また、メモリ１０５に書き込まれた画像データは、メモリ１０５からＤＭＡコントローラ１０４を介して、画像圧縮伸長部１０６に送られ伸長処理されて、再びメモリ１０５に記憶される。次に、メモリ１０５からの伸長データが、ＤＭＡコントローラ１０４、表示インターフェース１０９を介し、ディスプレイ１１０に送られ、表示される。
【００２７】
次に、ＮＧフラグを検知した場合の再生時の動作を、図４のフローチャートをもとに説明する。伸長処理するまでの動作は、従来と同様である。メモリ１０５に書き込まれた画像データは、メモリ１０５からＤＭＡコントローラ１０４を介して、画像圧縮伸長部１０６に送られ伸長処理されて、再びメモリ１０５に記憶される（ステップＳ４１）。この際、制御部１０３が、現在処理された画像のピクチャレイヤのユーザーデータ部分にＮＧフラグが記録されているかどうかを監視し（ステップＳ４２）、ＮＧフラグを検知すると、表示部インターフェイス１０９を介してディスプレイ１１０に、記録時と同様に警告表示を行う（ステップＳ４３）。この場合も、画像の再生動作は絶えず行う。
【００２８】
なお、上述した実施形態では、再生時に正しく再生できないことを知らせる警告表示を行うための動きの変化量の閾値を、必ず設定するようにして、画質優先モードまたはフレームレート優先モードのいずれか一方を択一選択するようにしたが、動きの変化量を判定するための閾値を設定せず、どんなに動きの激しい画像を記録しても警告表示を行わず、かつ、ＮＧフラグも記録しない、従来と同様の記録モードを、画質優先モードとフレームレート優先モードとに加えるようにしてもよい。
【００２９】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、記録した画像が正しく再生できないと判定した場合、正しく再生できないことを知らせる警告表示を行うことにより、ユーザーが記録した画像を再生して、初めて正しく記録できていなかったことを知る、ということのないような動画像記録再生装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態に係る動画像記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図２】本発明の一実施形態に係る動画像記録再生装置における、撮影前の処理フローを示すフローチャートである。
【図３】本発明の一実施形態に係る動画像記録再生装置における、動きの変化量が大きくなった場合の処理フローを示すフローチャートである。
【図４】本発明の一実施形態に係る動画像記録再生装置における、再生時にＮＧフラグを検知した場合の処理フローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
１０１画像入力部
１０２信号処理部
１０３制御部
１０４ＤＭＡコントローラ
１０５メモリ
１０６画像圧縮伸長部
１０７記録読み出し部
１０８記録媒体
１０９表示部インターフェイス
１１０ディスプレイ
１１１動き変化量判定部
１１２変化量設定部
１１３デフォルト設定記憶部
１１４切替スイッチ
１１５記録方法選択部

Claims

動きの変化量を判定する動き変化量判定部と、記録した画像が正しく再生できないと判定した場合にフレームレートを落として記録するかどうかを選択する記録方法選択部とを備え、
動きの変化の大きな画像を記録中に、情報の欠落が多くなり、記録した画像が正しく再生できないと判定した場合、記録した動画像が正しく再生できないことを知らせる警告を表示部に表示することを特徴とする動画像記録再生装置。
請求項１記載の動画像記録再生装置において、
動き変化量判定部で用いる動き変化量の閾値としてデフォルト値を設定するためのデフォルト設定記憶部と、動き変化量判定部で用いる動きの変化量の閾値をユーザーが任意に設定するための変化量設定部と、動きの変化量の閾値として、デフォルト設定記憶部のデータを用いるか、変化量設定部のデータを用いるかを切替える切替手段とを具備することを特徴とする動画像記録再生装置。
請求項１記載の動画像記録再生装置において、
正しく再生できないと判定したフレームにＮＧフラグを記録するとともに、動画像を再生中にＮＧフラグを検知すると、記録時と同様に、動画像が正しく再生できないことを知らせる警告を表示部に表示することを特徴とする動画像記録再生装置。