JP3880714B2 - モータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータのような回転体における重量バランスの偏り(アンバランス)を補正する装置及び振動・騒音がない高速・高精度に回転することが要求されるモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
モータのような回転体として、例えば記録ディスクに用いられる小型精密モータから洗濯機の洗濯・脱水槽等各種のものが存在する。当然、そうした回転体は、使用機器により許容範囲の違いはあるが正確な回転軌道をとること、静粛性及び用途が限定されないこと等が求められる。しかしながら、モータ等が回転すると、通常のモータでは振動や騒音が発生し、使用者が不快に感じてしまったり、場合によっては使用できないことがある。その振動や騒音が発生する主な原因として、回転側のアンバランスがあり、アンバランスの原因としては、モータの構成部品の寸法及び組立の誤差、モータへの負荷(上記例では記録ディスクや洗濯物等)のアンバランス作用等が考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
寸法及び組立の誤差は、物作りを行う上で回避できないものであり、それによって生じるアンバランスは更に精度を上げることで低減できるが、極端にその精度を上げることは難しく現実問題としてアンバランスを皆無とすることは技術的に困難であった。
【0004】
従って、モータには、アンバランスがあるものとして振動や騒音を低減して回転の安定を図ることがなされている。その一例として、モータ等の回転体におけるアンバランスの補正手段として、回転体に環状空間を有し、その環状空間にボールを移動自在に収容した構成のものがあり、例えば、特公昭52−37309 号に洗濯機に適応される技術が開示されている。
【0005】
しかしながら、この補正手段はモータの起動及び停止時のように低速回転時でアンバランスの補正が作用するまでにボール同士が衝突し、それによる接触音が使用者にとって不快であり、特に静粛性の求められる環境や適用機器によっては、アンバランスの補正機能の向上と共に低騒音化が課題となっていた。
【0006】
そこで、本発明は、低速回転時において振動・騒音が発生しないアンバランスを補正する装置及びモータにおける振動・騒音がなく高精度に回転できるモータを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係るモータは、静止部材に軸受を介して回転自在に支持された回転軸と、前記静止部材に前記回転軸と同心状に配置されたステータと、前記回転軸に固定され前記ステータに対向するロータマグネットを有するロータと、前記回転軸に固定され前記ステータに対向するロータマグネットを有するロータと、前記回転軸に取り付けられ回転負荷が装着されるターンテーブルとを備えたモータであって、
前記ロータ及び前記ターンテーブルによりこれと同心に形成された環状空間と、この環状空間に移動自在に収容された複数のバランス体と、前記環状空間にて前記バランス体に径方向内方力を作用させる機構とにより、バランス補正装置が構成され、
前記環状空間は、前記ロータマグネットより軸方向前記ターンテーブル側に形成され、且つ前記環状空間の少なくとも一部は、前記軸受と径方向に重なる部分を有し、
前記環状空間に、所定回転数までは前記バランス体を互いに接触させず前記環状空間の径方向内方側において固定させる移動規制手段を設けたものである。
【0009】
また、上記径方向内方力は、バランス体に磁性を有するものを使用して環状空間の径方向内方に磁気力発生手段を設ける機構、或いは、バランス体の材質に関係なく環状空間の底面が径方向内方下側に傾斜している機構により得るとよい。前者の場合、上記磁気力発生手段は、周方向にN極とS極とが交互に配列された永久磁石であるようにするとよい。
【0010】
また、上記移動規制手段は、環状空間の径方向内方側に周方向に沿って形成され、所定回転数までは各バランス体が嵌合する嵌合部を有する構成、或いは、環状空間の周方向に沿って1個のみのバランス体が通過可能な間隔であって、かつ、所定回転数まではそのバランス体を互いに接触させずその回転体に固定させて周方向の移動が規制されるとともに所定回転数を越えるとそのバランス体の周方向の移動を可能にする位置に、複数の軸方向突起が設けられた構成にするとよい。前者の場合、嵌合部等のようにバランス体が環状空間の径方向内方側に固定される当接部に磁性材が備えられるようにするとよい。
【0011】
また、上記所定回転数とは、その回転体、或いは回転体が装着される装置と共振する共振回転数から定格回転数までの間に設定するとよい。
よって、本発明に係るバランス補正装置及びモータは、バランス体にかかる径方向内方力と遠心力とが作用して、所定回転数以下の時はバランス体が互いに接触しないように移動規制手段により径方向内方に固定され、それ以上の時は径方向外方に移動し周方向の適正位置に移動して回転体の重量バランスの偏りが補正される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳説する。
【0013】
図1は本発明に係るモータを示し、このモータに本発明に係るバランス補正装置を備えている。このモータは、例えば、CD−ROM駆動用モータであり、静止部材としての円筒体2に軸受(滑り軸受け)3を介して回転自在に挿入される回転軸4と、該回転軸4に取り付けられるモータ回転体5と、該円筒体2の外周側に配設されるステータ6と、を備える。
【0014】
モータ回転体5は、ターンテーブル7、バックヨーク、及び吸着マグネット9等を備える。即ち、ターンテーブル7は、円筒部11と、該円筒部11に軸方向中心部から突設される載置部12とを備え、該載置部12の上面に設けられた載置部材13上に、記録ディスク14(CD−ROM)が載置される。
【0015】
また、モータにおけるロータ8の周壁16の内周面に、ロータマグネット17が固着され、ステータコア18とコイル19とからなる上記ステータ6は、円筒体2に外嵌固定されている。なお、円筒体2の下方開口部は閉塞板20にて閉塞され、この閉塞板20の上面にスラスト受け21が配設され、このスラスト受け21上に回転軸4が載置されている。また、円筒体2は、シャーシ等の固定部材22に立設されている。
【0016】
ところで、このような記録ディスク駆動用モータでは、モータよりもCD−ROMのようなディスク側に寸法精度のばらつきが大きくアンバランスが発生しやすい。故に、モータが高精度に回転するとしても、不特定多数のディスクを装着するためアンバランスが発生するときがある。そのため、このモータには、回転体5の重量バランスの偏りを補正するバランス補正装置(バランス補正機構)25が設けられている。即ち、回転体5には、回転体5と同心の位置に環状空間26が設けられ、この環状空間26内の径方向内方に磁気力発生手段があり、この環状空間26内に移動自在に複数のバランス体27が収容されている。この場合、環状空間26は、ターンテーブル7とロータ8とにより形成されている。すなわち、環状空間26は、載置部12の下方に開口する環状凹部28と、この環状凹部28の下方開口部をロータ8の上壁である基部29によって施蓋し、かつ環状凹部28の内周側に後述の移動規制手段30を介して永久磁石24が設けられて構成されている。即ち、この永久磁石24は、バランス体27に径方向内方力を作用する機構を構成し、上述の磁気力発生手段を構成する。また、永久磁石24は、周方向にN極とS極が交互に配列された磁極パターンとなっており、磁気特性が周方向に変化している。
【0017】
また、この環状空間26には、図1と図2に示すように、所定回転数までは各バランス体27を互いに接触させず回転体5に固定する移動規制手段30が設けられている。移動規制手段30は、環状空間26の内周壁が波型の凹凸形状とされたリング体31を備える。このリング体31の凹部(嵌合部)37は、周方向に沿って等間隔で配設され、所定回転数までは各バランス体27が永久磁石24に磁気吸引され、この嵌合部37に嵌合する(この嵌合部37が当接部となる)。即ち、この状態で各バランス体27は相互に接触せず、回転体5に固定され、かつ、周方向及び径方向に移動しない。ところが、上記所定回転数を越えれば、バランス体27に作用する遠心力が永久磁石24の磁気吸引力に打ち勝って、図3に示すように、バランス体27が外径側に移動し、周方向の移動が可能となる。
【0018】
従って、この所定回転数とは、磁気吸引力に対してバランス体27に作用する遠心力が打ち勝つ回転数であって、そのモータ、或いはこれが装着される装置全体の共振回転数から定格回転数までの間で設定される回転数であり、モータ、或いはこれが装着される装置全体における設計上の諸条件により自ずと決定されるものである。なお、共振回転数とは、回転体における固有振動数と共振する回転数であって、この回転数付近では振動が最大となるため回転体が損傷を受ける危険性があるため、この回転数時の速度を危険速度とも称される。
【0019】
ところで、上記リング体31としては、磁性を有する部材から構成するのが好ましく、例えば、鉄材等の磁性材や、樹脂と磁性粉からなる混合材料とする。即ち、リング体31を磁性を有する部材から形成することによって、即ち、バランス体27が回転体5における環状空間26の径方向内側に固定される際の当接部に、磁性材を備えることによって、図8に示すように永久磁石24とリング体31とで、バランス体27を嵌合部37に吸引する力が作用する磁性回路aを形成し、より強力にリング体31の嵌合部37に保持させる。勿論、リング体31が非磁性材料からなり永久磁石24のみで吸引するようにしてもよく、例えば、このリング体31をゴムで形成するとバランス体27との接触時の衝突音がほとんどない。
【0020】
また、リング体31が嵌合する嵌合部37の数としては、周方向に沿って等間隔で配設されて、図2に示すように、環状空間26に磁気吸引力にてバランス体27が径方向内方に吸引された状態で1個の嵌合部37に1個のバランス体27の一部が嵌合されるものであれば、増減可能であり、2個以上であってバランス体27の数より多くバランス体27や環状空間26の寸法等を考慮して設定することができる。なお、本例の嵌合部37は、等間隔で全て同一の深さに設定されているが、間隔幅や深さを各位置毎に変更してバランス体27の転動性や嵌合部37での保持性、或いは加工性の向上を図るようにしてもよい。
【0021】
従って、上述の如く構成されたモータによれば、モータの起動及び停止時のように低速回転時(上述の共振回転数まで)においては、バランス体27がリング体31の嵌合部37に保持されているので、各バランス体27は周方向及び径方向に移動せず、各バランス体27は回転体5と同じ速度で回転する。そのため、バランス体27同士が衝突せず、静粛状態を保持することができる。また、バランス体27が共振回転数を越えるまで移動しないことで、バランス体27自体の移動によるアンバランスを増幅することがない。また、外部から振動を加えたり、装置を横置きにして使用してもバランス体27同士や内壁に接触しないのでモータの停止時にも不用意な騒音が発生しない。そして、この状態から回転数が増加して共振回転数を越えた時、各バランス体27は径方向への磁気吸引力より径方向外方へ作用する遠心力が勝ることになり、バランス体27は環状空間26の外周壁面に移動し周方向の移動が可能となる。
【0022】
そして、各バランス体27は、適正位置に移動しつつ定格回転域では、記録ディスク14を搭載したモータにおいて、回転中心に対して重量バランスが偏った位置と対称な位置に各バランス体27が集中して配置するため、この重量バランスの偏りが補正されてモータの回転部分の傾きが修正され、回転部分はその回転中心と回転軸4の軸心とが一致した状態で安定して回転する。
【0023】
また、記録ディスク14を搭載したモータとして、もともとバランスされてアンバランスが発生しないときもあるが、このような場合、共振回転数を越えた定格回転数では、例えば、バランス体27が周方向に沿って等間隔に位置するなどバランス体27自身が回転のバランスを乱さないように分布する。
【0024】
従って、上述のバランス補正装置(機構)によって、不特定多数の記録ディスク14に対する使用の可能性がある中で、常に安定した回転(高精度の回転)となって、この記録ディスク14のデータを正確に記録・再生させることができる。この場合、バランス装置をモータに備えたことによる騒音や振動の増幅といった不具合を移動規制手段30を設けることによって防止できる。また、移動規制手段30として、リング体31を使用すれば、このリング体31(波状プレス板)を磁石24に外嵌する(巻き付ける)だけでよく、この移動規制手段30を簡単に設けることができ、しかも、コストを低く押さえることができる。さらに、バランス体27が直接磁石24に接触しないので該磁石24の破損を防止できる。
【0025】
次に、図4と図5は他のバランス補正装置を示し、この場合、環状空間26に周方向に沿って等間隔に複数本の軸方向突起35が設けられ、この複数本の軸方向突起35でもって、移動規制手段30が構成される。なお、図例では、下方から突起35を立設させているが、環状空間26の上面から軸方向突起35を垂下させてもよい。また、軸方向突起35は、環状空間26を構成する壁面を型成形する際に同時に形成させているが、後加工でプレスにより突出させたり、或いは、別体として硬質性のピンを圧入により差込むようにしてもよい。
【0026】
この場合、各軸方向突起35間の間隔d1 を、バランス体27の外径より僅かに大きく設定して、1個のバランス体27の通過を可能とし、かつ、各軸方向突起35の径方向の位置は、間隔d2 はバランス体27が通過できず、間隔d3 はバランス体27が通過できるように設定されている。よって、バランス体27が径方向内方側へ磁気吸引された状態では該バランス体27の周方向の移動を規制し、かつ、バランス体27が最外周に位置する状態(つまり、環状空間26の外周面36に接触している状態)では該バランス体27の周方向の移動を許容するように、軸方向突起35の位置及び高さ寸法等を設定されていることとなる。なお、上述のように軸方向突起35は、等間隔に配置されているが、1個のみバランス体27が通過できる程度の間隔で、間隔幅や突起長さを各位置毎に変更してバランス体27の転動性や嵌合部37での保持性或いは加工性の向上を図るようにしてもよい。
【0027】
従って、上述の例と同様に所定回転数までにおいては、この環状空間26に発生する磁気吸引力にて、各バランス体27は径方向内方に吸引され、磁石24に接触する状態となって、周方向及び径方向の移動が規制され、しかも、相隣位するバランス体27,27は軸方向突起35にて相互に接触しない。そして、所定回転数を越えれば、つまり、バランス体27に作用する遠心力が磁気吸引力に打ち勝ったときに、各バランス体27が径方向外方に移動し、バランス体27が環状空間26の外周面36に接触している際には、図5に示すように、バランス体27は軸方向突起35に接触することなく周方向の移動が可能となる。この際、環状空間26の外周面36に衝突(接触)する前に、一旦軸方向突起35に接触する場合が多く、衝撃音が軽減される。
【0028】
従って、この図4と図5に示すバランス補正装置(機構)25によっても、図1と図2に示すバランス補正装置(機構)と同様の作用効果を奏することができる。なお、軸方向突起35の数としては、図例のように、16個に限らず、その増減は自由であり、また、この環状空間26に配設されるバランス体27の数としても、2個以上であって、軸方向突起35,35間の数より少ない数に設定することができる。
【0029】
また、図6と図7はさらに別のバランス補正装置(機構)25を示し、この場合、環状空間26に周方向に沿って等間隔に配設される嵌合部37を有する保持部材38が、設けられ、この保持部材38でもって移動規制手段30が構成される。保持部材38は、上下一対の円環状の保持板39,39を備え、各保持板39,39に周方向に沿って等間隔に切欠40が形成され、上下一対の保持板39,39の相対面する切欠40,40をもって嵌合部37を形成する。また、保持板39の材質としては、上述のリング体31及び軸方向突起35と同様に、バランス体27の保持性を重視するときは磁性材を使用し、騒音を重視するときは樹脂を使用するとよい。
【0030】
この場合、バランス体27が環状空間26の外周面36に接触している状態では、バランス体27の周方向の移動が可能な空間が形成される。従って、回転体5の所定回転数までは、この環状空間26の磁気吸引力にてバランス体27は径方向内方側に吸引されてバランス体27の一部が保持部材38の嵌合部37に嵌合され、各バランス体27は周方向及び径方向の移動が規制され互いに接触しない。
【0031】
そして、回転体5の回転数が所定回転数を越えれば、バランス体27が径方向外方に移動し、環状空間26の外周面36に接触する状態となって、各バランス体27の周方向の移動が可能となる。
【0032】
従って、この図6と図7に示すバランス補正装置(機構)によっても、図1と図2に示すバランス補正装置(機構)と同様の作用効果を奏することができ、嵌合部37の幅や数といった諸条件も上述例と同様である。
【0033】
また、図9はさらに別のバランス装置(機構)25を示し、上述例との相違点は、上述例の径方向内方力は、磁気力発生手段(永久磁石)24による磁気力であったが、本例は環状空間26を形成する底面(バックアイアン8の基部29)が径方向内方下側に傾斜していることで、バランス体27に径方向内方力が作用するようにしている点である。この場合、上述例のような磁気力発生手段が不要とすることができるが、径方向内方力が重力の方向に依存するため、装置を動かしたり傾けるといった用途は適さないため簡易型のバランス補正装置(機構)である。
【0034】
なお、以上のバランス補正装置(機構)が設けられるモータとしては、図1のCD−ROM駆動用モータに限らず、DVD、光磁気ディスク、FD等のように記録ディスクが着脱式でアンバランスが発生しやすい記録ディスク駆動用モータに好適であるが、ハードディスクのように着脱しない場合でもモータの温度変化によりアンバランスを発生する虞れのある場合は適用するとよい。
【0035】
また、図2等に示すバランス補正機構25において、リング体31を設ける場合、圧入、接着剤或いはゴムリング等を使用した後付けとしたり、樹脂一体成形となる先付けとしたりすることができる。さらに、移動規制手段30の取付位置は、リング体31が環状空間26の内周面であり、軸方向突起35はその底面であり、保持部材38がその内周面の上下であるが、これに限定されるものではなく、例えばリング体31であれば波形の凹凸が軸方向に突出するようなリング体を環状空間26の上面又は底面に設けたり、軸方向突起35であれば内周面から径方向に突出するように設けたり、或いはこれまでの各例を組み合わせてもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明は上述の如く構成されているので、次に記載する効果を奏する。
【0037】
請求項1によれば、アンバランスがある時はこのアンバランスを補正し、アンバランスがないときにはアンバランスが発生しないように作用して、ターンテーブルに装着される回転負荷に依存することなく、かつ停止時から定格回転状態までの全ての状態において高精度に回転負荷が回転する。特に、所定回転数を越えるまでの間においてバランス体が互いに接触せず、振動・騒音が発生せず、静粛性の求められる環境等に配置される機器に適用することができる。
【0038】
請求項2によれば、バランス体27に対する径方向内方力を容易に実現できてバランス体27の制御がしやすい。また、回転軸4を水平方向に配置した際においても、バランス体27が磁気吸引力により保持されるので、回転軸4の方向に無関係に適用できる。
【0039】
請求項3によれば、バランス体27と当接部と磁気力発生手段とで磁性回路が形成されることでバランス体27を確実に保持できる。
【0040】
請求項4によれば、バランス体27に対して径方向内方力を作用させる機能を、磁気力発生手段に比べて簡易な構成により実現できる。
【0041】
請求項5又は6によれば、簡単な構造にて、確実に移動規制手段30としての、バランス体27を互いに接触しない作用を有効に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るモータの断面図である。
【図2】バランス補正機構の所定回転数までの状態の簡略断面平面図である。
【図3】バランス補正機構の所定回転数を越えた状態の簡略断面平面図である。
【図4】他のバランス補正機構の簡略断面平面図である。
【図5】他のバランス補正機構の簡略断面正面図である。
【図6】別のバランス補正機構の簡略断面平面図である。
【図7】別のバランス補正機構の簡略断面正面図である。
【図8】作用説明図である。
【図9】他のモータの断面図である。
【符号の説明】
5 回転体
26 環状空間
27 バランス体
30 移動規制手段
35 軸方向突起
37 嵌合部
Claims (6)
- 静止部材に軸受を介して回転自在に支持された回転軸と、前記静止部材に前記回転軸と同心状に配置されたステータと、前記回転軸に固定され前記ステータに対向するロータマグネットを有するロータと、前記回転軸に取り付けられ回転負荷が装着されるターンテーブルとを備えたモータであって、
前記ロータ及び前記ターンテーブルによりこれと同心に形成された環状空間と、この環状空間に移動自在に収容された複数のバランス体と、前記環状空間にて前記バランス体に径方向内方力を作用させる機構とにより、バランス補正装置が構成され、
前記環状空間は、前記ロータマグネットより軸方向ターンテーブル側に形成され、且つ前記環状空間の少なくとも一部は、前記軸受と径方向に重なる部分を有し、
前記環状空間に、所定回転数までは前記バランス体を互いに接触させず前記環状空間の径方向内方側において固定させる移動規制手段を設けたことを特徴とするモータ。 - 上記バランス体は磁性を有する部材からなり、上記環状空間の径方向内方に磁気力が作用する磁気力発生手段を設けることで、そのバランス体に径方向内方力が作用する請求項1記載のモータ。
- 上記バランス体が上記環状空間の径方向内方側に固定される際の当接部に、磁性材が備えられている請求項2記載のモータ。
- 上記環状空間は、この底面が径方向内方下側に傾斜しており、上記バランス体に径方向内方力が作用する請求項1乃至3記載のモータ。
- 上記移動規制手段は、所定回転数までは各バランス体を嵌合する嵌合部が、上記環状空間の径方向内方側に周方向に沿って形成されたものである請求項1乃至4記載のモータ。
- 上記移動規制手段は、上記環状空間の周方向に沿って1個のみのバランス体が通過可能な間隔であって、かつ、上記所定回転数まではそのバランス体を互いに接触させず上記環状空間の径方向内方側に固定させて周方向の移動が規制されるとともに上記所定回転数を越えるとそのバランス体の周方向の移動を可能にする位置に、複数の軸方向突起が設けられている請求項1乃至5記載のモータ。
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1997
- 1997-11-10 JP JP32545197A patent/JP3880714B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11146620A (ja) | 1999-05-28 |
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