JP3874169B2 - 合成樹脂製注出キャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、壜体の口筒に組付けられ、内容液の注出口を開設したキャップ本体と、このキャップ本体の注出口を開閉する外キャップ体とから構成され、廃棄時に分別回収が有利であるように構成した、不正開封防止機能付き合成樹脂製注出キャップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
合成樹脂製壜容器の再利用を効率よく実施できるようにするために、廃棄される合成樹脂製品を分別回収することが求められており、その一つとして、壜容器の壜口筒に組付けられて注出口を形成する注出キャップを、壜容器の破棄時に、壜容器から簡単に分離できるようにした従来技術として、特開平11−255251号公報に開示された技術がある。
【0003】
この従来技術は、壜口筒に、外嵌して乗り越え係止する組付き筒を有し、密嵌装して注出口を形成するキャップ本体と、このキャップ本体に着脱自在に螺合して、キャップ本体の注出口を開閉する外キャップ体とから構成され、キャップ本体の組付き筒の、複数の縦割溝を下端部に設けた、壜口筒との係止機能部分の外周に第1係止部となる係止凹嵌部とを一体に形成し、この組付き筒に外嵌する外キャップ体の外装筒の下端に、複数の破断片を介して、組付き筒の係止凹嵌部に、上方に抜け出し不能に、かつ引き下げ操作により下方に乗り越え可能に係止する第2係止部を有する係止筒を連設して構成されている。
【0004】
この従来技術にあっては、外キャップ体の外装筒からの係止筒の分離により、不正開封防止作用を発揮するようにし、組付き筒の下端部に対する係止筒の外装係止により、キャップ本体の壜口筒に対する組付きを強固に維持し、組付き筒の下端部から係止筒が、下方に離脱することにより、キャップ本体の壜口筒からの離脱を容易に達成できるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術にあっては、キャップ本体の組付き筒の下端が露出した状態となっているので、ドライバー等の硬質物の先端部分を、この組付き筒を壜口筒との間に差し込んで、こじり開け状にキャップ本体を壜口筒から分離させることが簡単にできてしまう、と云う問題があった。
【0006】
また、キャップ本体の組付き筒下端部に、壜口筒に対する係止機能部分と、外キャップ体の第2係止部を嵌合させて係止筒の上昇を阻止するとともに、係止筒の自由移動を阻止して強制移動を許容する第1係止部となる係止凹部とを、一体に形成する必要があり、構造が複雑になる、と云う問題があった。
【0007】
さらに、破断片の破断後も、係止筒が組付き筒下端部に、破断片の破断前と同じ位置に組付いたままとなるので、破断片の破断前と後とで、組付き筒に対する係合筒の組付き位置に変化がなく、このため外観から破断片の破断を識別することができず、不正開封防止効果が発揮され難い、と云う問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、硬質物を使用した不正なこじり開けを不能とすると共に、構造を簡単にし、さらに不正開封防止効果を明確に発揮できるようにすることを技術的課題とし、もって商品としての安全性を高めると共に、製造コストの低減を無理なく達成することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決する本発明の内、請求項1記載の発明の手段は、壜口筒に、外嵌して乗り越え係止する組付き筒を有し、密嵌装して注出口を形成するキャップ本体を有すること、このキャップ本体に着脱自在に螺合して、キャップ本体の注出口を開閉する有頂筒形状の外キャップ体を有すること、キャップ本体の組付き筒の、壜口筒の係止機能部分に対向する部分の外周面箇所に、第1係止部を、また外周面下端部に引っ掛け突片をそれぞれ形成すること、閉状態で、キャップ本体の組付き筒に外装する外キャップ体の外装筒の下端に、壜口筒のネックリングの外径よりも大きい内径を有し、第1係止部に下方から係止し、かつキャップ本体の引っ掛け突片に上方から係止する第2係止部を設けた係止筒を、複数の破断片を介して一体に連設すること、係止筒が人手による引き下げ力により引っ掛け突片から脱係止可能に、引っ掛け突片の突出高さを低く設定すること、壜口筒に対するキャップ本体の組付き強度を、前記壜口筒に対して空回りすることがない範囲で、人手によるもぎ取り状の取り外しが可能に設定したこと、にある。
【0010】
注出キャップを壜口筒に組付けた状態では、キャップ本体の注出口を、このキャップ本体に螺合組付きした外キャップ体が密閉し、またキャップ本体の組付き筒に外嵌した外キャップ体の係止筒が、その第2係止部を、キャップ本体の組付き筒の外周面に形成された第1係止部に、下方から係止させている。
【0011】
この状態から外キャップ体を螺脱回動させると、上昇変位する外キャップ体の本体筒と外装筒の組合せ物に対して、係止筒は、第1係止部と第2係止部との係止により、上昇変位不能となっているので、破断片が破断される。
【0012】
破断片が破断されると、係止筒は、その第2係止部がキャップ本体の引っ掛かり突片に上方から係止するまで、自重により落下変位して、破断片の破断前とその位置が大きく変化するので、この係止筒の大きな位置変化により、破断片の破断が明確に認識でき、不正開封防止機能が確実に発揮されることになる。
【0013】
この際、係止筒の内径がネックリングの外径よりも大きいので、係止筒の落下変位動作にネックリングが邪魔となることがなく、係止筒は円滑にかつ確実に落下変位する。
【0014】
破断片の破断前においては、キャップ本体の組付き筒の下端部に、外キャップ体の係止筒が外嵌しているので、キャップ本体の組付き筒は、妄りには拡径変形することができず、これによりキャップ本体の壜口筒に対する密嵌装組付きが、安定的に維持される。
【0015】
注出キャップを、壜口筒から分別して回収するに際しては、係止筒に引き下げ力を作用させて、引っ掛け突片に対する第2係止部の弱い係止を解除させ、この係止筒をキャップ本体の組付き筒から下降分離させてから、キャップ本体を掴んで、壜口筒から強引にもぎ取り状に分離させる。
【0016】
この際、壜口筒に組付いているキャップ本体に、外キャップ体の本体筒と外装筒との組合せ物を螺合組付けしておくと、手による注出キャップの掴みが、良好な状態で達成される。
【0017】
キャップ本体を壜口筒からもぎ取ったならば、係止筒を壜口筒から引き上げ離脱させて、注出キャップの壜口筒からの分別を完了する。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に、壜口筒に対するキャップ本体の組付き強度の設定手段を、組付き筒の肉厚とした、ことを加えたものである。
【0019】
この請求項2記載の発明にあっては、キャップ本体の組付き筒の肉厚を薄くすると、外力による拡径方向への撓み変形しやすくなり、逆に厚くすると変形しにくくなるので、この肉厚を適正に設定することにより、壜体筒に対するキャップ本体の組付き強度を適正な範囲に設定することが、特別な構造を付加することなく達成される。
【0020】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に、壜口筒に対するキャップ本体の組付き強度の設定手段を、組付き筒の少なくとも下端部に割溝を設けることとした、ことを加えたものである。
【0021】
請求項3記載の発明にあっては、割溝の個数や、溝長さ等の形状により、外力による組付き筒の拡径方向への撓み変形程度を設定し、壜口筒に対するキャップ本体の組付き強度を適正な範囲に精度高く設定することができる。
【0022】
請求項4記載の発明は、請求項1、2または3記載の発明の構成に、外キャップ体の係止筒を、キャップ本体の組付き筒の第1係止部から壜口筒のネックリングまでの高さ幅とした、ことを加えたものである。
【0023】
係止筒が、組付き筒の第1係止部から壜口筒のネックリングまでの高さ幅を有しているので、組付き筒の下端縁とネックリングとの間に形成される隙間が、係止筒により覆い隠されることになり、これにより組付き筒の下端縁とネックリングとの間に形成される隙間に硬質物を差し込んで、注出キャップを壜口筒から不正にこじ開け分離させるのは不可能となる。
【0024】
請求項5記載の発明は、請求項1、2、3または4記載の発明の構成に、キャップ本体の組付き筒下端縁とネックリングとの間に、硬貨の周端部が侵入可能な間隙を形成した、ことを加えたものである。
【0025】
この請求項5記載の発明にあっては、力の弱い人でも、硬貨等の身近な硬質物を使用して、キャップ本体の壜口筒からの分離を、こじ開け状に簡単に達成することが可能となる。
【0026】
請求項6記載の発明は、請求項1、2、3、4または5記載の発明の構成に、第2係止部を含めた係止筒の最小内径値を、壜口筒のネックリングの外径よりも大きい値に設定した、ことを加えたものである。
【0027】
この請求項6記載の発明にあっては、外キャップ体の係止筒を、キャップ本体の組付き筒の下端部から分離下降させる際に、この係止筒の下降変位にネックリングが邪魔となることがなく、これにより係止筒の組付き筒からの分離が確実となって、組付き筒を確実に拡径変形自在な状態とすると共に、組付き筒とネックリングとの間の間隙を確実に露出させて、硬質物を利用した分別を可能とし、注出キャップを確実にかつ円滑に分別することができる。
【0028】
請求項7記載の発明は、請求項1、2、3、4、5または6記載の発明の構成に、キャップ本体の第1係止部を、周突条状構造とした、ことを加えたものである。
【0029】
この請求項7記載の発明にあっては、第1係止部の構造がきわめて簡単なものとなり、また組付き筒の、壜口筒に対する外嵌組付きの主要部分に第1係止部が形成されているので、この主要部分の肉厚を第1係止部の分だけ大きくなり、これにより組付き筒の他の部分の肉厚を小さくすることが可能となる。
【0030】
請求項8記載の発明は、請求項1、2、3、4、5、6または7記載の発明の構成に、第2係止部を、係止筒の内面に突設した第1係止部に乗り越え可能な周突条とした、ことを加えたものである。
【0031】
請求項8記載の発明にあっては、第2係止部を、単純形状である周突条としたため、第2係止部の構造が簡単なものとなり、壜口筒、キャップ本体及び外キャップ体の相互組付を精度良くするために、精密に形成する必要がある外キャップ体の形成が容易となる。
【0032】
請求項9記載の発明は、請求項1、2、4、5、6、7または8記載の発明の構成に、キャップ本体の第1係止部又は外キャップ体の第2係止部のどちらか一方若しくは双方を、断続した周突条状構造とした、ことを加えたものである。
【0033】
請求項9記載の発明にあっては、キャップ本体に外キャップ体を組み付けた状態で、キャップ本体及び外キャップ体を壜口筒に装着する際に、第1係止部又は第2係止部のどちらか一方又は双方を断続した周突条状構造としたため、肉厚となっている第1係止部又は第2係止部が拡径しやすくなり、外キャップ体を組付けた状態のキャップ本体を壜口筒に組付け易くなる。
【0034】
なお、断続した周突条状構造とは、対向する二箇所、または等間隔の複数箇所に、周突条が除去されて、途切れた部分を有する周突条状構造をいう。
【0035】
請求項10記載の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の発明の構成に、第2係止部を、係止筒の内方、かつ、斜め上方に突出した弾性変位可能な複数の弾性片とした、ことを加えたものである。
【0036】
請求項10記載の発明にあっては、弾性片である第2係止部が、無理なくキャップ本体の第1係止部を乗り越えて、破断しやすい破断片を破断することなく、下方から確実に弾性片を第1係止部に係止させることができる。
【0037】
請求項11記載の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10記載の発明の構成に、キャップ本体と外キャップ体とを異色とした、ことを加えたものである。
【0038】
この請求項11記載の発明にあっては、破断片が破断して、外キャップ体の係止筒が、キャップ本体の引っ掛け突片に係止する位置まで下降変位すると、この下降変位した係止筒と外キャップ体の外装筒との間に、外キャップ体とは異色のキャップ本体の色が露出して目立つので、不正開封防止機能がより効果的に発揮されることになる。
【0039】
請求項12記載の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11記載の発明の構成に、キャップ本体に形成される注出口を、内容液の注出をガイドすべく設けた注出筒の底壁としての封止壁に、閉ループを描く破断溝により区画形成された、プルリング等を有する抜栓部の破断除去により開設される、プルオープン式の注出口とした、ことを加えたものである。
【0040】
この請求項12記載の発明にあっては、注出口の開設までの壜容器の密閉を、確実にかつ強固に達成維持することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を、図面を参照しながら説明する。
注出キャップ1は、ポリプロピレン樹脂もしくは低密度ポリエチレン樹脂製のキャップ本体2と外キャップ体15とから構成されている。
【0042】
キャップ本体2は、壜口筒24に外嵌し、ネックリング26との間に、硬貨の周端部が侵入できる間隙を形成する高さに成形された組付き筒2の上端に、内鍔状の頂壁7を介して、外周面に螺条を刻設した螺合筒8を起立設し、この螺合筒8の上端に内鍔片10を介して、上端部をラッパ状に拡径した有底筒状の注出筒11を連設し、この注出筒11の底壁である封止壁12に、閉ループ状に形成された破断溝14により区画形成された、プルリング等を有する抜栓部13を形成して構成されている。
【0043】
壜口筒24に外嵌する組付き筒3は、その内周面下端部に、壜口筒24の開口部外周に設けられた係止周条25に乗り越え係止する係止突条4を設けて、壜口筒24に対する係止機能部分を構成し、またこの係止突条4に隣接する上位の外周面箇所である、係止周条25に対向する部分の外周面箇所に、周突条状構造の第1係止部5を形成し、さらに外周面の下端部に、突出高さの低い突条状の引っ掛け突片6を設けている。
【0044】
キャップ本体2の壜口筒24への組付き強度は、組付き筒3の肉厚により、壜口筒24に対して空回りすることがない範囲で、人手によるもぎ取り状の取り外しができる範囲となるように設定している。
【0045】
なお、螺合筒8から垂下状に延長設されたシール筒9は、壜口筒24に密嵌入することにより、キャップ本体2の壜口筒24に対する組付きを、充分に密になるようにしている。
【0046】
外キャップ体15は、注出筒11の開口端に密嵌入する栓筒片18を下面に垂下設した頂板16の周端縁から、螺合筒8に螺合する本体筒17を垂下設し、この本体筒17の下端に、外鍔片19を介して、組付き筒3に外嵌する外装筒20を垂下設し、この外装筒20の下端に、破断し易い複数の破断片21を介して、内周面に第1係止部5を乗り越えて下方から強く係止すると共に、引っ掛け突片6に上方から弱く係止する第2係止部23として周突条27を設けた係止筒22を連設して構成されている。
【0047】
キャップ本体2の第1係止部5の断続した周突条状構造とすると、若しくは、外キャップ体15の第2係止部23を断続した周突条27とすると、又は、キャップ本体2の第1係止部5及び外キャップ体15の第2係止部23の周突条27の双方を断続した周突条状構造とすると、肉厚となるキャップ本体2の第1係止部5若しくは外キャップ体15の第2係止部23である周突条27が、拡径しやすくなり、外キャップ体15を組付けた状態のキャップ本体2を壜口筒24に簡単に組付けることができる。
【0048】
第2係止部23である周突条27は、その上下方向の幅が、第1係止部5と引っ掛け突片6との間の間隔よりも充分に小さくなっており、破断片21を破断した際の係止筒22の落下変位量をできるだけ大きくなるようにしている。
【0049】
係止筒22は、ネックリング26の外径よりも大きい内径を有しているので、図2の開封前の状態では、その上端部を第1係止部5に略当接させ、その下端部をネックリング26の外周面に対向させることになり、係止筒22は、組付き筒3を外側から押さえて、この組付き筒3の妄りな拡径変形の発生を阻止し、これによりキャップ本体2の壜口筒24に対する安定した嵌装組付きを達成維持する。
【0050】
また、係止筒22は、破断片21の破断時に、ネックリング26に邪魔されることなく、引っ掛け突片6に係止する位置まで落下変位し、確実な落下変位動作を得ることができる。
【0051】
係止筒22は、第1係止部5から壜口筒24のネックリング26までの高さ幅を有するため、組付き筒3とネックリング26との間に形成される間隙を覆い隠し、これによりキャップ本体2を直接こじ開け状に分離させようとする、不正処理を不能としている。
【0052】
最初に内容液を注出する際には、外キャップ体15を螺脱方向に回して取り外し、プルリングを引っ張り、抜栓部13を破断除去するが、この際、係止筒22が引っ掛け突片6に係止して、組付き筒3に外嵌した状態となっているので、組付き筒3が拡径方向に大きく変形することはなく、係止突条4が係止周条24を乗り越えて外れることはない。
【0053】
また、第2係止部23を含めた係止筒22の最小内径値は、ネックリング26の外径よりも大きい値に設定されており、このため係止筒22が組付き筒3から下方に離脱した際に、図3に二点鎖線で示すように、係止筒22は、ネックリング26に邪魔されることなく、下降限まで下降変位して、組付き筒3から確実に分離することができる。
【0054】
これにより組付き筒3の係止突条4を形成した下端部は、係止筒22に邪魔されることなく、人手によるもぎ取り状の取り外しができる程度に設定した肉厚の組付き筒3が、人手によるもぎ取り力の作用により、拡径方向に充分に撓み変形し、力の弱い人でも、注出キャップ1の壜口筒24からのもぎ取り状分別が、円滑に達成される。
【0055】
また、係止筒22がネックリング26に邪魔されることなく下降限まで変位した際に、組付き筒3の下端とネックリング26との間に形成された間隙が露出する状態となるため、図3に二点鎖線で示すように、この間隙に、硬貨の周端部等の身近な硬質物の先端部を差し込み、これで組付き筒3を拡径方向にこじ開けるようにして、注出キャップ1を簡単に分別できる。
【0056】
図4及び図5に示す、第2実施例は、壜口筒24に対するキャップ本体2の組付き強度を、キャップ本体2の組付き筒3の下端部に設けた割溝4aにより設定した構成である。割溝4aの形成にあたっては、壜口筒24に対するキャップ本体2の組付き強度が適正な範囲となり、かつ、弱いもぎ取り作用によってキャップ本体2のもぎ取りが可能となる範囲となるように、個数のみならず、長さ、幅等を、壜体容器全体の構造、使用状態を考慮しながら設計する必要がある。
【0057】
注出キャップ1をもぎ取り状に分別すると、弱いもぎ取り力であっても、組付き筒3が割溝4aにより拡径方向に充分に撓み変形するため、注出キャップ1の壜口筒24からのもぎ取り状分別が簡単に達成される。
【0058】
図6及び図7に示す、第3実施例は、外キャップ体15の係止筒22に設けた第2係止部を、係止筒22の内方、かつ、斜め上方に突設した弾性片28とした構成である。
【0059】
弾性片28は、係止筒22の下端部に、下方から上方に切り込みを形成して、複数のフラップ片状としたものを、ネックリング26の高さ位置で、係止筒22の内方の斜め上方に突出するように折り曲げて形成している。なお、弾性片28は、係止筒22の内周面の下部から斜め上方に向けた複数の突片を突設したものでもよい。
【0060】
キャップ本体2を外キャップ体15に組付ける際は、図6に示すように、弾性片28が弾性変位し、係止筒22に連設されている破断し易い複数の破断片21を破断することなく、無理なく、第1係止部5を乗り越えて、キャップ本体2に外キャップ体15を螺合組付けする。
【0061】
破断片21の破断時には、図7に示すように、第1係止部5の下方から確実に係止し、係止筒22の上昇を阻止しているので、破断片21が確実に破断され、ネックリング26に邪魔されることなく、引っ掛け突片6に係止する位置まで、係止筒22が落下変位し、組付き筒3を外側から押さえて、キャップ本体2の壜口筒24に対する安定した嵌装組付きを達成維持するとともに、組付き筒3とネックリング26との間に形成される間隙を覆いかくして、キャップ本体2を直接こじ開け状に分離させようとする不正処理を、不能とする。
【0062】
さらに、注出キャップ1を壜口筒24から分別して回収する際には、図7に二点鎖線で示すように、係止筒22に引き下げ力を作用させ、弾性片27と引っ掛け突片6との弱い係止力を解除させて、係止筒22を下降限まで下降させ、キャップ本体2を掴んで壜口筒24から、注出キャップをもぎ取り状に分離できる。
【0063】
【発明の効果】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
請求項1記載の発明にあっては、キャップ本体の壜口筒に対する組付き強度を、人手によるもぎ取り状の取り外しができる程度としたので、注出キャップの壜口筒からの分別を、簡単に達成することができる。
【0064】
また、壜口筒に対する係止機能部分と、キャップ本体と外キャップ体との係止機能部分とを全く別個に形成し、かつ組付き筒を撓み変形を利用した分別が可能な単純円筒状に構成したので、その構造を簡単なものとするこができ、もって簡単にかつ安価に製造することができる。
【0065】
そして、外キャップ体の係止筒は、破断片の破断後に、組付き筒の引っ掛け突片に係止するまで下降変位するので、この下降変位により破断片の破断を明確に認識させることができ、もって不正開封防止機能を明確に発揮することができ、壜容器の安全性を高めることができる。
【0066】
請求項2記載の発明にあっては、キャップ本体の組付き強度の設定手段を、組付き筒の肉厚としており、特別な構造を付加することなく、組付き強度を制御することができる。
【0067】
請求項3記載の発明にあっては、割溝を設ける方法であり、壜体容器の構造、使用方法に応じて、組付き強度を適正な範囲に精度高く設定することができる。
【0068】
請求項4記載の発明にあっては、外キャップ体の係止筒が、キャップ本体の組付き筒の下端と壜口筒のネックリングとの間の間隙を覆い隠すので、硬質物を使用しての注出キャップの不正分別を困難なものとすることができ、これにより注出キャップを組付けた壜容器の安全性を、充分に高めることができる。
【0069】
請求項5記載の発明にあっては、硬貨等の身近な硬質物を使用して、キャップ本体の壜口筒からの分離を簡単に達成することができるので、注出キャップの分別回収を、大きな力を要することなく、簡単に行なうことができる。
【0070】
請求項6記載の発明にあっては、組付き筒から分離した係止筒の下降変位を、ネックリングに邪魔されることなく、確実に得ることができるので、係止筒の組付き筒からの不完全分離による、注出キャップの分別不良、または組付き筒とネックリングとの間の間隙を開放できないことにより、硬質物を利用した注出キャップ分別処理ができない、と云う不都合の発生がなく、確実にかつ円滑に注出キャップを分別処理することができる。
【0071】
請求項7記載の発明にあっては、キャップ本体と外キャップ体との間の係止構造をより簡単化させることができると共に、組付き筒の肉薄化を促進することができ、その分、経済的となる。
【0072】
請求項8記載の発明にあっては、第2係止部を単純形状である周突条としたので、構造が簡単となり、キャップ体の形成が容易となる。
【0073】
請求項9記載の発明にあっては、第1係止部又は第2係止部のどちらか一方又は双方を断続した周突条状構造としたため、肉厚部分となっている第1係止部又は第2係止部が拡径しやすくなり、外キャップ体を組付けた状態のキャップ本体の壜口筒への組付けが容易となる。
【0074】
請求項10記載の発明にあっては、第2係止部を弾性片としたので、破断し易い破断片を破壊することなく、無理なく外キャップ体をキャップ本体に螺合組付けし、確実に破断片を第1係止部に係止させることができる。
【0075】
請求項11記載の発明にあっては、破断片の破断を、注出キャップの外観の色分布変化として現出するので、きわめて高い不正開封防止効果を発揮する。
【0076】
請求項12記載の発明にあっては、注出口開設までの壜容器の密閉を強固に確実に達成維持することができ、もってより高い安全性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す、組立て前の全体斜視図。
【図2】図1に示した実施例の、外キャップ体螺脱前の半縦断面図。
【図3】図1に示した実施例の、外キャップ体螺脱後の半縦断面図。
【図4】本発明の第2実施例を示す、キャップ本体2の斜視図。
【図5】図4に示した実施例の、外キャップ体螺脱前の半縦断面図。
【図6】本発明の第3実施例を示す、外キャップ体螺脱前の半縦断面図。
【図7】図6に示した実施例の、外キャップ体螺脱後の半縦断面図。
【符号の説明】
1 ; 注出キャップ
2 ; キャップ本体
3 ; 組付き筒
4 ; 係止突条
4a; 割溝
5 ; 第1係止部
6 ; 引っ掛け突片
7 ; 頂壁
8 ; 螺合筒
9 ; シール筒
10; 内鍔片
11; 注出筒
12; 封止壁
13; 抜栓部
14; 破断溝
15; 外キャップ体
16; 頂板
17; 本体筒
18; 栓筒片
19; 外鍔片
20; 外装筒
21; 破断片
22; 係止筒
23; 第2係止部
24; 壜口筒
25; 係止周条
26; ネックリング
27; 周突条
28; 弾性片
Claims (12)
- 壜口筒(24)に、外嵌して乗り越え係止する組付き筒(3) を有し、密嵌装して注出口を形成するキャップ本体(2) と、該キャップ本体(2) に着脱自在に螺合して、前記注出口を開閉する有頂筒形状の外キャップ体(15)とから構成され、前記組付き筒(3)
の、前記壜口筒(24)の係止機能部分に対向する部分の外周面箇所に第1係止部(5) を、また外周面下端部に引っ掛け突片(6) をそれぞれ形成し、閉状態で、前記組付き筒(3) に外装する外キャップ体(15)の外装筒(20)の下端に、前記壜口筒(24)のネックリング(26)の外径よりも大きい内径を有し、前記第1係止部(5) に下方から係止し、かつ前記引っ掛け突片(6) に上方から係止する第2係止部(23)を設けた係止筒(22)を、複数の破断片(21)を介して一体に連設し、前記係止筒 (22) が人手による引き下げ力により前記引っ掛け突片 (6) から脱係止可能に、該引っ掛け突片 (6) の突出高さを低く設定し、さらに前記壜口筒(24)に対するキャップ本体(2)の組付き強度を、前記壜口筒(24)に対して空回りすることがない範囲で、人手によるもぎ取り状の取り外しが可能に設定した合成樹脂製注出キャップ。 - 壜口筒(24)に対するキャップ本体(2)の組付き強度の設定手段を、組付き筒(3)の肉厚とした、請求項1記載の合成樹脂製注出キャップ。
- 壜口筒(24)に対するキャップ本体(2)の組付き強度の設定手段を、組付き筒(3)の少なくとも下端部に割溝(4a)を設けることとした請求項1記載の合成樹脂製注出キャップ。
- 外キャップ体(15)の係止筒(22)を、組付き筒(3)の第1係止部(5) から壜口筒(24)のネックリング(26)までの高さ幅とした請求項1、2または3記載の合成樹脂製注出キャップ。
- 組付き筒(3) の下端縁とネックリング(26)との間に、硬貨の周端部が侵入可能な間隙を形成した請求項1、2、3または4記載の合成樹脂製注出キャップ。
- 第2係止部(23)を含めた係止筒(22)の最小内径値を、ネックリング(26)の外径よりも大きい値に設定した請求項1、2、3、4または5記載の合成樹脂製注出キャップ。
- 第1係止部(5)を、周突条状構造とした請求項1、2、3、4、5または6記載の合成樹脂製注出キャップ。
- 第2係止部(23)を、係止筒(22)の内面に突設した、第1係止部(5)に乗り越え可能な周突条(27)とした請求項1、2、3、4、5、6または7記載の合成樹脂製注出キャップ。
- 第1係止部(5)又は第2係止部(23)のどちらか一方若しくは双方を、断続した周突条状構造とした請求項1、2、4、5、6、7または8記載の合成樹脂製注出キャップ。
- 第2係止部(23)を、係止筒(22)の内方、かつ、斜め上方に突出した弾性変位可能な複数の弾性片(28)とした請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の合成樹脂製注出キャップ。
- キャップ本体(2) と外キャップ体(15)とを異色とした請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10記載の合成樹脂製注出キャップ。
- キャップ本体(2) に形成される注出口を、内容液の注出をガイドすべく設けた注出筒(11)の底壁である封止壁(12)に、閉ループを描く破断溝(14)により区画形成された、プルリング等を有する抜栓部(13)の破断除去により開設される、プルオープン式の注出口とした請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11記載の合成樹脂製注出キャップ。
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