JP3872076B2 - 動き補償装置 - Google Patents
動き補償装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3872076B2 JP3872076B2 JP2004301445A JP2004301445A JP3872076B2 JP 3872076 B2 JP3872076 B2 JP 3872076B2 JP 2004301445 A JP2004301445 A JP 2004301445A JP 2004301445 A JP2004301445 A JP 2004301445A JP 3872076 B2 JP3872076 B2 JP 3872076B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vector
- motion
- motion vector
- distortion
- unit
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
- Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)
Description
図18において、400は入力画像202と参照画像152とを入力して予測画像204と最適ベクトル449を出力する動き補償処理部、222は入力画像202と予測画像204との差分を求めて残差信号223を出力する差分器、401は入力される残差信号223を符号化して差分符号化データ450を出力する差分信号符号化処理部、402は入力される最適ベクトル449を符号化して動きベクトル符号化データ451を出力する動きベクトル符号化処理部である。
動き補償処理部400は、現フレームの画像である入力画像202と前フレームの画像である参照画像152とを入力して、入力画像202に最も似かよった画像を参照画像152の中から検索する。検索方法は、入力画像202と参照画像152との差分絶対値和をとり、参照画像の中で最も小さい歪みを与える画像を最適画像、すなわち予測画像204とする。このとき、図19に示すごとく、最適画像(予測画像)が現フレームにおける入力画像の位置からどのくらい空間的に動いているかを示したのが動きベクトルである。この動きベクトルは最適ベクトル449として動きベクトル符号化処理部402に送信され動きベクトル符号化処理部402にて符号化され出力される。
また、一般的に動き補償予測には輝度情報のみを使用してベクトルを求めているが、輝度信号が同じで色差信号が異なる画像では誤った動きベクトルを抽出してしまう。
図1は参考例1に係る動き補償装置を示すブロック構成図である。
図1に示すように、参考例1に係る動き補償装置は、現フレームの画像である入力画像202と前フレームの画像である参照画像201とを入力して、入力画像202に最も似かよった画像ブロックを参照画像201の中から検索して動きベクトルに従った予測画像を抽出する際の入力画像202と参照画像201との間の動きベクトル203と予測画像204を出力する動き補償処理部200と、入力画像202と予測画像204との歪量として差分絶対値和206を計算して出力する歪量演算部としての差分絶対値和演算部205と、動きベクトル203を入力して符号化しベクトル符号量208を出力するベクトル値符号化部207と、動きベクトル203と差分絶対値和206及びベクトル符号量208を入力して、差分絶対値和206とベクトル符号量208から算出される評価関数を評価する動きベクトル203のすべてに対し求めて評価関数が最小値を示す動きベクトルを最適ベクトル210として出力する最適ベクトル決定部209とを備えている。
動き補償処理部200は、入力画像202に対して、参照画像201から動きベクトル203に従った予測画像204を抽出する。差分絶対値和演算部205では、入力画像202と予測画像204とから差分絶対値和206を計算する。 一方、予測画像204を抽出するために使用した動きベクトル203はベクトル値符号化部207と最適ベクトル決定部209とに入力される。ベクトル値符号化部207に入力された動きベクトル203は符号化されベクトル符号量208を出力する。ここで、ベクトル値符号化部207では可変長符号化などが用いられることが多い。最適ベクトル決定部209では、差分絶対値和206とベクトル符号量208と動きベクトル203とが入力され、差分絶対値和206とベクトル符号量208とから算出される評価関数を、評価する複数の動きベクトル全てについて演算し、評価関数の値が最小値を示す動きベクトルを最適ベクトル210として出力する。ここで、使用される評価関数としては、例えば差分絶対値和206とベクトル符号量208とに重み付け加算を行ったものである。
すなわち、動きベクトルを符号化するために符号量と予測誤差信号を符号化するための情報量を評価値として使用して最適ベクトルを選択することで、従来の動き補償予測に比べ最終的な符号化結果がより効率のよいものとなる。
図2は参考例2に係る動き補償装置を示すブロック構成図である。
図1に示す参考例1と同一部分は同一符号を示し、その説明は省略する。新たな符号として、211は図1で歪量演算部として使用した差分絶対値和演算部205の代わりに用いた差分二乗和演算部である。差分二乗和は、差分絶対値和と比べ二乗演算を行うため、より複雑な演算が必要であるが、信号に含まれるパワー(電力)を評価することができる。一般に、パワーの方がより高精度に予測誤差信号を評価することが可能で、参考例1に比べ精度の高い予測を行うことにより、より正しく最適ベクトルを求めることが可能となる。
図3は参考例3に係る動き補償装置を説明するためのもので、参考例1及び2におけるベクトル値符号化部207の内部構成図である。
図3に示すように、ベクトル値符号化部207は、入力される動きベクトル203を遅延する遅延器213と、入力された動きベクトル203と遅延器213を介した動きベクトルとの差分を取って差分ベクトルを出力する差分器214と、上記差分ベクトルを符号化して動きベクトル符号量208を出力する差分ベクトル符号化部215とを備えている。
図4は参考例4に係る動き補償装置を示すブロック構成図である。
図4において、図1に示す参考例1と同一部分は同一符号を付してその説明は省略する。新たな符号として、216aは入力画像202から平均値を分離した平均値分離入力画像217を得る第1の平均値分離部、216bは予測画像204から平均値を分離した平均値分離予測画像218を得る第2の平均値分離部、219は平均値分離入力画像217と平均値分離予測画像218とを入力して平均値分離入力画像217と平均値分離予測画像219との間の歪量を求める歪量演算部であり、この歪量演算部219は、参考例1及び2と同様に、差分絶対値和または差分二乗和の演算による評価値220を求め、最適ベクトル決定部209に入力するようになされ、最適ベクトル決定部209では、上記動きベクトル203と上記差分絶対値和または差分二乗和の演算による評価値220を入力して、評価値220を評価する複数の動きベクトル203のすべてに対し求めて、評価値が最小値を示す動きベクトルを最適ベクトル210として出力する。
すなわち、入力画像と予測画像の両方の平均値を分離した画像同士で動き予測評価を行うことにより、画像のレベルに依存しない動き補償を可能にすることができ、変化の激しい画像でもより精度の高い動きベクトル検出が可能になる。
図5は参考例5に係る動き補償装置を示すブロック構成図である。
図5において、図1に示す参考例1と同一部分は同一符号を付して示し、その説明は省略する、新たな符号として、222は入力画像202と予測画像204とを減算して予測誤差223を求める減算器、224は予測誤差223を周波数係数225に変換するDCTやFFT等の周波数解析部、226は変換された周波数係数225に基づいて重み付け等を行い評価値227を生成する評価値生成部であり、最適ベクトル決定部209は、動きベクトル203と評価値227を入力して、複数の取りうる動きベクトルのうち、上記評価値227が最小値を示す動きベクトルを最適ベクトル210として出力する。
すなわち、予測差分の周波数解析を行い周波数係数を求め、その係数から評価値を求めることにより、予測誤差の符号化まで含み、変換符号化後の符号量をかなり正確に予測することが可能で、効率のよい符号化が可能となる。
図6は参考例6に係る動き補償装置を示すブロック構成図である。
図6において、図1及び図5に示す参考例1及び5と同一符号は同一部分を示し、その説明は省略する。新たな符号として、228は減算器222からの予測誤差223を差分符号化して差分画像符号量229を出力する差分画像符号化部であり、ベクトル決定部209は、動きベクトル203と上記差分画像符号量209及びベクトル値符号化部208からのベクトル符号量208を入力して、複数の取りうる動きベクトル203のうち、上記差分画像符号量209に上記ベクトル符号量208を加えた符号量が最小となる動きベクトルを最適ベクトル210として出力する。
すなわち、予測誤差を符号化し符号化情報量を求め、さらに、ベクトル符号化の符号量とを用いることにより、そのベクトルにおけるほぼ完全な符号量を得ることが可能になり、歪みと符号量との関係において最適な符号かを行うことが可能となる。
図7は参考例7に係る動き補償装置を示すブロック構成図である。
図7において、図1に示す参考例1と同一部分は同一符号を付して示し、その説明は省略する。新たな符号として、230aは入力画像202から入力画像輝度信号231と入力画像色差信号232とを分離する第1の輝度色差分離部、230bは予測画像204から予測画像輝度信号233と予測画像色差信号234とを分離する第2の輝度色差分離部、235aは第1の輝度色差分離部230aからの入力画像輝度信号231と第2の輝度色差分離部230bからの予測画像輝度信号233との差分を求める第2の減算器、235bは第1の輝度色差分離部230aからの入力画像色差信号232と第2の輝度色差分離部230bからの予測画像色差信号234との差分を求める第1の減算器、237は第1の減算器235bからの出力に基づいて色差評価値を生成する色差評価値生成部、236は第2の減算器235aからの出力に基づいて輝度評価値を生成する輝度評価値生成部、238は色差評価値生成部237からの色差評価値と輝度評価値生成部236からの輝度評価値とに基づいて最適ベクトル決定用総評価値239を演算する評価値演算部としての加算器であり、ベクトル決定部209は、動きベクトル203と最適ベクトル決定用総評価値239とを入力して、複数の取りうる動きベクトルのうち、最適ベクトル決定用総評価値が最小となる動きベクトルを最適ベクトル210として出力する。
このように、輝度信号のみならず色差信号を動き補償予測の評価値に加えることにより、輝度信号だけではなく評価が不可能であった色の動きの再現性を向上させることができる。
図8は参考例8に係る動き補償装置を示すブロック構成図である。
図8において、図7に示す参考例7と同一部分は同一符号を付して示し、その説明は省略する。新たな符号として、230cは動きベクトル203から動きベクトル輝度信号242と動きベクトル色差信号243とを分離する第3の輝度色差分離部、244は輝度評価値生成部237からの輝度評価値と色差評価値生成部237からの色差評価値とを比較して評価値比較差を出力する評価値演算部としての輝度色差評価値比較部であり、動き補償処理部200は、入力画像202と参照画像201とを入力し、入力画像202と参照画像201との間の動きベクトルと、入力画像202の輝度成分に対して、参照画像201から動きベクトル輝度信号に従って抽出した予測画像輝度信号204及び動きベクトル色差信号に従って抽出した予測画像色差信号241とを出力し、ベクトル決定部209は、動きベクトル輝度信号242及び動きベクトル色差信号243と上記評価値比較差を入力して、複数の取りうる動きベクトルのうち、上記評価値比較差が最小となる動きベクトルを最適ベクトルとして出力するようになっている。
図9は実施の形態に係る動き補償装置を示すブロック構成図である。
図9に示す動き補償装置は、動画像符号化を行う符号化を行う際、ブロック単位に前フレームのデータから動きを予測し情報量削減を行う動き補償装置であって、前フレームのデータを格納する前フレームメモリ部104と、現フレームのブロックデータ150と前フレームの探索範囲データ151の特定領域からパターンマッチングを行い、最小の歪を与える動きベクトル155と最小歪154とを計算する最小歪計算部101と、現フレームのブロックデータ150と外部より入力される1つ以上の特定ベクトル153に対応する前フレームのブロックデータ152との歪156を計算する特定ベクトル歪計算部102と、上記最小歪計算部101から出力される歪と上記特定ベクトル歪計算部102から出力される歪とに基づいて最適動きベクトル157を出力する最適ベクトル出力部103とを備えている。
最小歪計算部101においては、現フレームのブロックデータ150に対して、前フレームの探索範囲データ151から最小となる最小歪154と最小歪を与える動きベクトル155を計算し、出力する。一方、特定ベクトル歪計算部102では、外部より与えられた特定ベクトル153に対応するデータ152を前フレームメモリ部104からとりだし、そのデータと、現フレームのブロックデータ150との歪156を計算し出力する。
最小歪計算部101からの最小歪154と特定ベクトル歪計算部102からの歪156をもとに、最適ベクトル出力部103において、最適ベクトルを計算する。
特定ベクトルの値 ≦ ((最小歪)+オフセット)
であれば、特定ベクトルが最適動きベクトルとして選択される。
これにより、可変長符号化の際の発生情報量を大幅に削減可能となる。
次に、以下の参考例では、簡単な構成での実現性と汎用性を有しつつ、トータルの符号量と歪みのバランスを考慮して、符号化歪みの低減に貢献しないと考えられる動きベクトルを、符号量最小となる予測ベクトルに補正し、全体の歪みの増大を抑えながら動きベクトルの符号量を削減する動画像符号化装置及び方法を提供する。本手法は、従来技術で述べたような各種の国際標準動画像符号化方式への適用が可能であり、符号化系全体で符号量を効果的に削減するという目的で、前述した各参考例および実施の形態と一致する。
図13は本参考例9における動画像符号化装置の内部構成図である。
図13に示す参考例9における動きベクトルを用いた動き補償予測に基づく動画像符号化装置には、主要な構成として、動き補償予測に用いられる参照画像データを格納してなるフレームメモリ34と、入力マクロブロック3と上記メモリ34からの参照画像データとに基づいて最小予測誤差を与える動きベクトル21を検出する動き検出部20と、入力マクロブロック3の動き補償予測に利用する動きベクトルを符号化する際に用いる予測ベクトル28を導出する予測ベクトル導出部27と、与えられた動きベクトルに基づいて上記メモリ34内の参照画像データの対応する位置の画像データを動きベクトルに対応する予測画像23,29として取り出す動き補償部22と、上記動き検出部20により得られる動きベクトル21に基づいて上記動き補償部22から出力される予測画像23を用いて予測誤差量を求め、該予測誤差量を第1の閾値を用いて閾値判定し、判定結果、予測誤差量が第1の閾値より大きい場合には上記予測ベクトル導出部27により得られる予測ベクトル28を上記動き補償部22に出力させると共に、予測誤差量が第1の閾値より小さい場合には上記動き検出部20により得られる動きベクトル21を上記動き補償部22に出力させる最小歪み閾値処理部24と、予測ベクトル28に対応する予測画像29による予測誤差信号を生成し、その予測誤差信号の発生符号量推定値を第2の閾値を用いて閾値判定を行い、判定結果、予測誤差信号の発生符号量推定値が第2の閾値より大きい場合には上記動き検出部20により得られる動きベクトル21を最終動きベクトル33として出力させると共に、予測誤差信号の発生符号量推定値が第2の閾値より小さい場合には上記予測ベクトル28を最終動きベクトル33として出力させ、かつ最終動きベクトル33に対応する予測画像37を最終予測画像として出力する最終予測画像判定部30とを動き補償予測部19内に備えている。
以下、図13および図14をもとに説明する。
(1)符号化装置の全体動作
まず、図13の符号化装置の全体の動作について簡単に説明する。入力映像信号1には1フレームに対応するデータが入力され、このフレームデータはマクロブロック生成部2によって、入力マクロブロック3に分割される。各入力マクロブロックについて、モード判定部5において、イントラ(フレーム内)符号化されるかインター(フレーム間)符号化されるかが決定される。判定に用いられるのは、入力マクロブロック3と、動き補償予測部19の処理によって得られる予測画像37と入力マクロブロック3との差分信号である予測誤差信号4であり、所定の判定方法により符号化効率が高いと判断された信号が符号化対象画像信号7として選択される。この時の判定方法は種々の方法を取り得るが、本発明の技術要素にあたらないため、詳細は割愛する。また、予測画像37および動きベクトル33を生成する動き補償予測部19の処理の詳細は後述する。
可変長符号化・多重化部38は、量子化DCT係数データ11、動きベクトル33、モード選択情報6などを所定のシンタックス、可変長符号化方法でビットストリーム39の形に多重化して出力する。ここで、所定のシンタックスとは前述の国際標準動画符号化規格で定められるデータ多重化ルールを意味する。
動き補償予測部19の内部構成は図13に示す通りである。図14のフローチャートを併用しながら詳細に動作を説明する。
(2−1)動き検出処理(ステップS1)
まず、ステップS1に示すように、入力マクロブロック3に対して、最小予測誤差(最小マッチング歪み)を与える動きベクトル21を求める。この処理は、動き検出部20において行う。予測誤差には、従来の技術で述べた差分絶対値和(SAD)や、画素差分の自乗をマクロブロック輝度成分の全画素について総和をとる差分自乗和などがあるが、以下ではSADを用いるものとする。動き検出部20は、入力マクロブロック3と、フレームメモリ34中の参照画像の与えられた動きベクトル探索範囲の中に含まれる画像データとの間で、SADを最小にする参照画像データ位置を求め、入力マクロブロック3のフレーム内位置からの偏移を動きベクトル21として出力する。予測誤差の計算に用いるフレームメモリ34中の参照画像データは、画像データバス35を介して動き検出部20に送り込まれる。
次に、ステップS2において、イントラ/インター判定を行う。この処理は動き補償予測部19ではなく、モード判定部5で(1)で述べたように行われる。次いで、ステップS3において、モード選択情報6が「インターモード」を示しているか否かを判定する。イントラモード、すなわち入力マクロブロック3を直接符号化対象信号とするモードであれば、ここで動き補償予測部19の処理は終了する。
インターモード、すなわち入力マクロブロック3と最終予測画像37との差分画像(予測誤差信号)を符号化対象信号とするモードであれば、以下に説明する手順と動作に従って、符号量と符号化歪みのバランスを考慮してトータルで効率のよい動きベクトルを改めて決定する。まず、インターモードの場合は、最小マッチング歪み閾値処理部24を起動し、予測画像23によるSADについて、あらかじめ定められた閾値TH1に基づいて閾値判定を行う(ステップS4)。ここで、TH1を実験的もしくは経験的に決定して予測効率を図る値として定めておけば、TH1よりも大きなSADを生じる場合、動きベクトル21による動き補償予測は、予測効率がそれほど良くないと判断できる。つまり、このマクロブロックでは動きベクトル21を用いて予測誤差信号を得ても、その予測誤差信号を符号化するには多くの符号量を必要とすることがある程度推察できる。したがって、この時の動きベクトル21は、動きベクトル21自身の符号量を費やしてまで動き補償予測を行う価値が低いと判断し、動きベクトルの符号量の削減を図る。
(2−4)動きベクトルの置換処理(ステップS5〜S9)
上記ステップS4で、SADがTH1より大きいと判断された場合には、動きベクトル21を、実際に差分符号化する際に用いる予測ベクトルに置き換えることを検討する。一般に、既存の動画像符号化標準方式では、動きベクトルは近傍の動きベクトルで予測してその差分値を符号化することが多い。動きベクトルは近傍と似通った値をとることが多いため、予測差分がゼロに近いほど符号長の短い符号を割り当てて符号化するのが一般的である。したがって、動きベクトルを予測ベクトルに一致させることで、動きベクトルの符号量は最小になるので、この置換によって予測誤差信号の符号量が極端に大きくならないならば、トータルで符号量を削減した効率のよい符号化を行うことができる。
予測画像29は、最終予測画像判定部30に、予測画像23とともに入力される。最終予測画像判定部30は、ここでは予測画像29による予測誤差信号を生成し(入力マクロブロック3との差分をとることで得られる。ステップS6に相当)、その予測誤差信号の符号化効率をチェックする。これは、動きベクトル21を予測ベクトル28で置換した場合に、それによって予測誤差信号の符号量が大幅に増加してしまうと動きベクトルの置換が逆効果になってしまうためであり、予測誤差信号の符号量の程度をある程度測ることが目的である。
予測誤差信号は、一般にゼロ近辺にピークを持つラプラス、ガウス系の分布を有する。符号化は、この予測誤差信号をDCTによって周波数成分に変換して、その係数分布が低周波に偏ることを利用して冗長度を削減するため、高周波成分に立つ係数の発生頻度が符号化効率の測度になる。高周波成分の含有率は、予測誤差信号の信号分布の分散によってある程度代表される。分散が大きいほど信号分布のすそ野が広がり、DCT係数の高周波成分の発生頻度が高くなる。
すなわち、図14に示す動画像符号化方法は、入力マクロブロックと参照画像データとに基づいて最小予測誤差(最小マッチング歪み)を与える動きベクトルを検出する動きベクトル検出ステップS1と、入力マクロブロックと動きベクトルに対応する予測画像とに基づく予測誤差信号を第1の閾値を用いて閾値判定する第1の閾値判定ステップS4と、第1の閾値判定結果、予測誤差信号が第1の閾値より大きい場合には動きベクトルを符号化する際に用いる予測ベクトルを導出する予測ベクトル導出ステップS5と、予測ベクトルに対応する予測画像による予測誤差信号を生成する予測誤差信号生成ステップS6と、予測誤差信号の発生符号量推定値を算出する算出ステップS7と、算出された予測誤差信号の発生符号量推定値を第2の閾値を用いて閾値判定する第2の閾値判定ステップS8と、第2の閾値判定結果、予測誤差信号の発生符号量推定値が第2の閾値より小さい場合に動きベクトルを上記予測ベクトルに置換する置換ステップS9とを備え、動きベクトルを用いて動き予測符号化を実施する。
上述した参考例9において、最小SADを与える動きベクトルは、いくつかのモードから選択されたものでもよい。たとえば、MPEG−4の最終草案(ISO/IEC JTC1/SC29WG11/N2202)や、ITU−T勧告H.263のオプションの1つであるAdvanced Prediction Modeによれば、動きベクトルとして、マクロブロックあたり1つのベクトルを求める「1MVモード」と、DCTの単位となる4つの8画素×8ラインのブロックあたりに1つの動きベクトルを求める「4MVモード」が選択できる。この場合、「1MVモード」と「4MVモード」とを比較して最小のSADを与えるモードを選択するように構成できる。
また、この場合の予測ベクトル導出部27は、近傍動きベクトルのメディアン値を用いた予測ベクトルの算出を行うように構成する。
Px =Median(MV1x,MV2x,MV3x)
Py =Median(MV1y,MV2y,MV3y)
ただし、MV1=(MV1x,MV1y)
MV2=(MV2x,MV2y)
MV3=(MV3x,MV3y)
また、関数Median( )は、3つの引数の中央値を出力する。
「1MVモード」の場合は、図3の(a)を用いて、MVをマクロブロック全体の動きベクトルとみなして予測ベクトルを求める。MV1〜MV3は、それぞれそれらが属するマクロブロックの動きベクトルモードが「1MVモード」の場合は、4つのブロックすべてが同じ動きベクトルであるとみなす。
本参考例10によれば、MPEG−4やH.263などの低ビットレート符号化をターゲットとする符号化装置において本発明を活用することができる。
本参考例11では、参考例9で説明した動きベクトル置換処理のON/OFFをフレーム単位に切り換える構成を持つ符号化装置について説明する。動き補償予測の効率が極めて高いフレームでは、動きベクトルの置換が逆効果になることがあり、それを防ぐこと、フレーム全体でON/OFFすることで置換処理を行わないフレームにおける演算量を削減できることなどが効果としてあげられる。
同図において、図13に示す参考例9と同一部分は同一符号を付してその説明は省略する。新たな符号として、40は動き検出部20からの動きベクトル21と最小予測誤差41の入力に基づいてフレームアクティビティの値を算出し、算出された値に基づいて最小マッチング歪み閾値処理部24及び最終予測画像判定部30による予測ベクトルを用いた動きベクトルの置き換え処理をフレーム単位で切り換え制御する制御信号42を出力するフレームアクティビティ算出部であり、43と44はその制御信号に基づいて動きベクトルの置き換え処理を行うためのスイッチである。
まず、参考例9と同様に、ステップS1に示すように、入力マクロブロック3に対して、最小予測誤差を与える動きベクトル21を求める。この動きベクトル検出の処理を、1フレームにわたってすべて実施しておき、各マクロブロックの動きベクトル21と最小SAD41をフレームアクティビティ算出部40に入力する。フレームアクティビティ算出部40は、当該フレームにて動きベクトル置換の処理を行うか否かの判定基準となるフレームアクティビティを計算する(ステップS10)。このフレームアクティビティの値から、動きベクトル置換を行うと判断した場合には、制御信号42によってスイッチ26、43、44をすべて参考例9の処理を行う方向へ動作させる。さもなくばスイッチ26、43、44を強制的に最小SADを与える動きベクトル21に基づいて動き補償予測を行うように動作させる。これらのスイッチの切り換えは、図17におけるステップS11に相当し、図17ではマクロブロック単位の切り換えを行う。これはフレーム単位で実施しても良いが、以下ではマクロブロック単位にフレームアクティビティの値に基づいて選択するものとして説明する。
(2)モード判定(ステップS2、S3)
次に、ステップS2において、イントラ/インター判定を行う。この処理は動き補償予測部19ではなく、モード判定部5で(1)で述べたように行われる。次いで、ステップS3において、モード選択情報6が「インターモード」を示しているか否かを判定する。イントラモード、すなわち入力マクロブロック3を直接符号化対象信号とするモードであれば、ここで動き補償予測部19の処理は終了する。
(1)で説明したように、ステップS11において、ステップS10で求めたフレームアクティビティをもとに、動きベクトル置換処理(ステップS4〜S9)に処理を進めるか、最小SADを与える動きベクトルをそのまま使用することにして動き補償予測の処理を終了させるかを判定する。
(3)で動きベクトル置換処理を行うと判定された場合は、インターモードにおいて、参考例1で述べた手順により、符号量と符号化歪みのバランスを考慮してトータルで効率のよい動きベクトルを改めて決定する。この時、スイッチ43と44は、参考例1の動作を行うように制御されるものとする。この場合の処理手順は参考例9で述べた方法とまったく同じであるため、ここでの説明は割愛する。
Claims (1)
- 動画像符号化を行う符号化を行う際、ブロック単位に前フレームのデータから動きを予測し情報量削減を行う動き補償装置において、
前フレームのデータを格納する前フレームメモリ部と、
現フレームのブロックデータと上記フレームメモリ部に格納された前フレームの探索範囲データの部分画像領域からパターンマッチングを行い、最小の歪を与える動きベクトルと歪値とを計算する最小歪計算部と、
現在の最適動きベクトルを得るための比較参照情報となる動きベクトルである特定ベクトルを入力し、現フレームのブロックデータと当該特定ベクトルに対応する前フレームのブロックデータとの歪を計算し、上記特定ベクトルと計算された歪とを出力する特定ベクトル歪計算部と、
上記最小歪計算部から出力される歪と上記特定ベクトル歪計算部から出力される歪とに基づいて最適動きベクトルを出力する最適ベクトル出力部と
を備え、
上記特定ベクトル歪計算部は、上記最適ベクトル出力手段から出力される最適動きベクトルを特定ベクトルとして入力し、
上記最適ベクトル出力部は、上記最小歪計算部からの最小歪を与える動きベクトルと上記特定ベクトル歪計算部から出力される特定ベクトルとの差分の値に応じて、差分の値が小さければ小さいオフセット値を与え、差分の値が大きければ大きいオフセット値を与えるべくオフセット値を適応的に変更して与えるオフセット値計算部と、上記最小歪計算部からの歪値に上記オフセット値計算部からのオフセット値を加算して上記最小歪計算部からの歪に重み付けを行う加算器と、重み付けされた最小歪計算部からの歪と上記特定ベクトル歪計算部からの歪とを比較する比較器と、この比較器の比較結果に基づいて最小歪を与える動きベクトルと特定ベクトルとのいずれかを選択して最適動きベクトルとして出力するセレクタとを備えたことを特徴とする動き補償装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004301445A JP3872076B2 (ja) | 1997-12-25 | 2004-10-15 | 動き補償装置 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35740297 | 1997-12-25 | ||
JP2004301445A JP3872076B2 (ja) | 1997-12-25 | 2004-10-15 | 動き補償装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20636198A Division JPH11243551A (ja) | 1997-12-25 | 1998-07-22 | 動き補償装置と動画像符号化装置及び方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005073291A JP2005073291A (ja) | 2005-03-17 |
JP3872076B2 true JP3872076B2 (ja) | 2007-01-24 |
Family
ID=34424966
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004301445A Expired - Fee Related JP3872076B2 (ja) | 1997-12-25 | 2004-10-15 | 動き補償装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3872076B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4713972B2 (ja) * | 2005-07-27 | 2011-06-29 | 株式会社東芝 | 符号化装置 |
JP4563981B2 (ja) * | 2006-10-23 | 2010-10-20 | 日本電信電話株式会社 | 映像符号化方法、映像符号化装置、映像符号化プログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 |
EP2232873B1 (en) * | 2007-12-19 | 2012-03-21 | Dolby Laboratories Licensing Corporation | Adaptive motion estimation |
JP6239838B2 (ja) * | 2013-03-15 | 2017-11-29 | キヤノン株式会社 | 動画像符号化装置、その制御方法、及び撮像装置 |
JP6145084B2 (ja) * | 2014-12-11 | 2017-06-07 | 日本電信電話株式会社 | サイズ判定方法、サイズ判定装置及びコンピュータプログラム |
-
2004
- 2004-10-15 JP JP2004301445A patent/JP3872076B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005073291A (ja) | 2005-03-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2256071C (en) | Motion compensating apparatus, moving image coding apparatus and method | |
EP0874526B1 (en) | Motion compensation encoding apparatus and motion compensation encoding method for high-efficiency encoding of video information through selective use of previously derived motion vectors in place of motion vectors derived from motion estimation | |
KR100719647B1 (ko) | 영상 데이터 변환 장치 및 영상 데이터 변환 방법 | |
KR100750136B1 (ko) | 영상의 부호화, 복호화 방법 및 장치 | |
JP3933718B2 (ja) | 画像を表す信号を処理するシステム | |
KR100391027B1 (ko) | 비디오정보를예측부호화하는방법및장치 | |
JP3214705B2 (ja) | 画像復号化装置 | |
KR101420957B1 (ko) | 화상 부호화 장치, 화상 복호 장치, 화상 부호화 방법 및 화상 복호 방법 | |
US20040223548A1 (en) | Moving picture encoding apparatus, moving picture decoding apparatus, moving picture encoding method, moving picture decoding method, moving picture encoding program, and moving picture decoding program | |
TWI554079B (zh) | Dynamic image decoding device, dynamic image decoding method, dynamic image decoding program | |
JPH09154137A (ja) | 動き依存予測を使用したビデオ情報の圧縮方法と装置 | |
KR20060044942A (ko) | 라인 및 컬럼 벡터를 사용한 움직임 벡터 추정 | |
CN102362499A (zh) | 图像编码装置及图像编码方法 | |
JPH10276439A (ja) | 領域統合が可能な動き補償フレーム間予測方式を用いた動画像符号化・復号化装置 | |
JPH06311502A (ja) | 動画像伝送装置 | |
JP5649296B2 (ja) | 画像符号化装置 | |
JPH10336672A (ja) | 符号化方式変換装置およびその動きベクトル検出方法 | |
JP3872076B2 (ja) | 動き補償装置 | |
KR20050098292A (ko) | 코딩된 잔류 모션 벡터 데이터의 존재를 통지하는 플래그를포함한 모션 벡터들의 예측 인코딩 | |
US6922490B2 (en) | Image compression of selected regions based on transmission bit rate, motion, and/or region information, and bit selection before compression based on transmission bit rate | |
JP2002094987A (ja) | 映像信号符号化装置 | |
JP2001016594A (ja) | 動画像の動き補償方法 | |
JPH11122619A (ja) | 動画像符号化および復号化方法 | |
KR20010073608A (ko) | 압축영상의 공간 도메인에서의 효율적인 엣지 예측 방법 | |
JP3690259B2 (ja) | 動画像高速符号化装置及び動画像高速符号化方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060627 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060825 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20061017 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061018 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091027 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101027 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111027 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121027 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131027 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |