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JP3869526B2 - アルミニウム電解コンデンサおよびアルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液 - Google Patents

アルミニウム電解コンデンサおよびアルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液 Download PDF

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Elna Co Ltd
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は電解コンデンサ駆動用電解液を使用したアルミニウム電解コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム電解コンデンサは、エッチングされたアルミニウム箔の表面に電解酸化などによって酸化被膜を形成したアルミニウム陽極箔とアルミニウム陰極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に電解コンデンサ駆動用電解液を含浸し、これを有底の金属ケ−ス内に入れ開口部を絶縁性の封口体で密封し、陽極箔および陰極箔にそれぞれ固着された引出しリードを、それぞれ封口体の貫通孔から外に引き出してなる構造を有する。
【0003】
アルミニウム電解コンデンサ(以下、「電解コンデンサ」という)の駆動用電解液(以下、「電解液」という)は、このような構造を有する電解コンデンサの実質的に誘電体である電極箔(陽極箔)の酸化被膜に接し、真の陰極として機能するとともに酸化被膜の修復能力を有しており、通電中は常に酸化被膜の再生という化学反応を起こして、コンデンサ特性を安定させている。しかし長期間使用していたり、長期間保管した後に使用すると酸化被膜の再生が不十分となり、コンデンサとしての機能が低下してしまう。
【0004】
そのために電解液の酸化被膜修復能力が、電解コンデンサ自体の特性に直接影響を及ぼすことになる。したがって、高性能の電解コンデンサを得るには、優れた酸化被膜修復能力を有した電解液を用いることが不可欠の条件とされている。
【0005】
そこでその好適な電解液として、非プロトン溶媒を主溶媒とし、カルボン酸またはその塩を溶解したものがよく使用されている。特に、低圧用の電解コンデンサにはγ−ブチロラクトンを主体とした溶媒に芳香族カルボン酸の第4級アンモニウム塩や、第3級アミン塩を溶質として溶解した電解液が多く使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第3級アミン塩や第4級アンモニウム塩を含有する電解液を使用した電解コンデンサは火花電圧が低いという欠点がある。また第3級アミン塩を含む電解液は電気伝導度が低く、第4級アンモニウム塩を含有する電解液より電気伝導度において劣る。
【0007】
さらに、第4級アンモニウム塩を含有する電解液は電気伝導度は良いが、漏液が多いという欠点がある。すなわち第4級アンモニウム塩を含有する電解液はブチルゴムなどの封口体を膨潤させたり、特に陰極箔に固着されたリード線のタブ端子の近傍において電解液のpHが強アルカリとなり、タブ端子を腐食させてゴム封口体に穿設された透孔との嵌合が弱まり、ゴム封口体とタブ端子の間から外部へ漏液しやすくなるという問題点がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述した従来の課題に鑑みなされたもので、電気伝導度および火花電圧に優れ漏液のない信頼性の高いアルミニウム電解コンデンサおよびアルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液を提供するものである。すなわち、本発明は芳香族または脂肪族カルボン酸のトリルトリアゾ−ル塩を溶質とした電解液を特徴とするものである。
【0009】
トリルトリアゾ−ルとして5メチル−1H−ベンゾトリアゾ−ル、4メチル−1H−ベンゾトリアゾ−ル、または5メチル−1H−ベンゾトリアゾ−ルと4メチル−1H−ベンゾトリアゾ−ルとの混合物を例示できる。当該混合物において、混合割合は任意に選択できる。
【0010】
本発明に用いられる芳香族カルボン酸はフタル酸、安息香酸、サリチル酸またはレゾルシル酸が好ましいが、これに限定するものではない。
【0011】
また、本発明に用いられる脂肪族カルボン酸はマレイン酸、シトラコン酸、フマル酸またはマロン酸が好ましいが、これに限定するものではない。
【0012】
本発明の電解液は溶媒として非プロトン溶媒を用いるのが好ましく、非プロトン溶媒としてはβ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−ヘプタラクトン、γ−ヒドロキシ−n−カプリル酸ラクトン、γ−ノナラクトン、δ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトンなどのラクトン類が挙げられるが、ラクトン類にのみに限定するものではない。
【0013】
また、本発明においては非プロトン溶媒に他の溶媒を混合してもよい。この場合、混合する溶媒はグリコール類が好ましく、エチレングリコール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールジアルキルエ−テル、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、グリセリンなどが挙げられるが、本発明で混合される溶媒はグリコール類のみに限定するものではない。
【0014】
本発明に係る電解液において、ラクトン類やグリコール類などの溶媒中におけるカルボン酸のトリルトリアゾ−ル塩の含有量は、種々に選択し得るが、飽和溶液の状態が最も電気伝導度が高く好適である。カルボン酸のトリルトリアゾ−ル塩の含有量は電解液中1〜60重量%、好ましくは10〜40重量%程度であり、60重量%を超えると溶解しなくなる。
【0015】
本発明において、ラクトン類やグリコール類をそれぞれ単独で用いることもできるが、混合して用いる方が高い電気伝導度が得られやすい。ラクトン類とグリコール類の混合割合は重量比20対80から95対5程度が採用される。
【0016】
本発明においては、本発明に係る電解液の火花電圧を向上させるために硼酸、リン酸、タングステン酸、ヘテロポリ酸などの無機酸またはその塩やマンニット、ソルビットなどの多糖類を0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%添加してもよい。
【0017】
さらに、電解コンデンサの初期の損失角の正接(tanδ)を改善するために、本発明に係る電解液にケトン類、ニトロ化合物またはその塩を0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%を添加してもよい。
【0018】
本発明に係る電解液のpHは必要に応じて所望のpH調整剤を添加することにより4〜12、好ましくは5〜7に調整される。また、電解液中の水分の存在はアルミニウム箔の腐食の原因などとなるので、出来るだけ存在しない方が望ましいが、5重量%程度以下であれば特に不都合は生じない。
【0019】
【実施例】
実施例として下記のような組成の実施例1、2の電解液を作製し、また比較例として下記の比較例1〜4の電解液を作製した。
【0020】
Figure 0003869526
【0021】
Figure 0003869526
【0022】
Figure 0003869526
【0023】
Figure 0003869526
【0024】
Figure 0003869526
【0025】
Figure 0003869526
【0026】
実施例1、2および比較例1〜4の電解液の電気伝導度(μS/cm;液温40℃にて)および火花電圧(V;液温85℃にて)を測定した。その結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
Figure 0003869526
【0028】
この結果から、実施例1、2の電解液は比較例1〜4の電解液に比べて、電気伝導度に優れ、火花電圧が格段に高いことがわかる。
【0029】
次に、実施例1、2の電解液と比較例1〜4の電解液を用いて定格10V820μF(製品サイズ;直径8mm、軸長9mm)の電解コンデンサを各々100個作製し、105℃の温度下で負荷試験を3000時間実施し、試験前後における静電容量の変化率を測定した。その平均値を表2に示す。
【0030】
【表2】
Figure 0003869526
【0031】
この結果から、実施例1、2の電解液は比較例1〜4の電解液に比べて、長時間の負荷試験後においても静電容量変化率が少ないことがわかる。
【0032】
また、実施例1、2の電解液と比較例1〜4の電解液を用いて定格10V120μF(製品サイズ;直径5mm、軸長5mm)の電解コンデンサを各々100個作製し、温度60℃、湿度95%の下で貯蔵試験を2000時間実施し、試験後、各電解コンデンサの漏液状態を目視検査で確認した。その結果を表3に示す(数値は100個中の漏液のあった個数を示す)。
【0033】
【表3】
Figure 0003869526
【0034】
表3から、本発明の電解コンデンサでは、漏液は比較例1、3と同じく発見されなかった。
【0035】
さらに、実施例1、2の電解液と比較例1〜4の電解液を用いて定格100V470μF(製品サイズ;直径22mm、軸長25mm)の電解コンデンサの製品化を試みた。その結果比較例1〜4では火花電圧不足で製品化できなかったが、実施例では製品化ができ、実施例1の電解コンデンサの初期特性を測定したところ静電容量471μF、損失角の正接(tanδ)0.082、漏れ電流LC(1分値)16μAであった。また実施例2の電解コンデンサの初期特性は静電容量470μF、損失角の正接(tanδ)0.070、漏れ電流LC(1分値)18μAであった。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、芳香族または脂肪族カルボン酸のトリルトリアゾ−ル塩を溶質としたことにより、電気伝導度に優れ、火花電圧が高く、静電容量の経時変化が少なく、漏液のないアルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液およびアルミニウム電解コンデンサを得ることができる。

Claims (6)

  1. 芳香族カルボン酸のトリルトリアゾ−ル塩を溶質としたことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液。
  2. 脂肪族カルボン酸のトリルトリアゾ−ル塩を溶質としたことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液。
  3. 溶媒として非プロトン溶媒を用いたことを特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液。
  4. 芳香族カルボン酸のトリルトリアゾ−ル塩を溶質としたアルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液を使用することを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。
  5. 脂肪族カルボン酸のトリルトリアゾ−ル塩を溶質としたアルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液を使用することを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。
  6. 溶媒として非プロトン溶媒を用いたアルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液を使用することを特徴とする請求項4または5に記載のアルミニウム電解コンデンサ。
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