JP3867743B2 - ロックボル卜の補強方法 - Google Patents
ロックボル卜の補強方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3867743B2 JP3867743B2 JP19551697A JP19551697A JP3867743B2 JP 3867743 B2 JP3867743 B2 JP 3867743B2 JP 19551697 A JP19551697 A JP 19551697A JP 19551697 A JP19551697 A JP 19551697A JP 3867743 B2 JP3867743 B2 JP 3867743B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- reinforcing
- lock bolt
- bolt
- lock
- reinforcing pipe
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Piles And Underground Anchors (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば法面安定工法等に用いられるロックボル卜の補強方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば法面安定工法等のロックボルト工において、強度を増すためには、▲1▼ロックボルトの本数を増やす、▲2▼太径のロックボルトを使用する、▲3▼高強度のロックボルトを使用するなどの方法がある。
【0003】
【発明が解決使用とする課題】
ところで、 これらの方法ではコスト、施工性に問題がある。特に、ロックネットに使用するアンカーボルトは、地山を削孔してロックボルトを挿入しグラウト材を充填した後、ロックネットを固定するワイヤーを取り付けるものであるが、ワイヤーに荷重がかかったときに、引き抜き強度は十分であるが、曲げ引張若しくは剪断力が加わるような、応力が生じた場合には、強度が不足し、ロックボルトが曲げや剪断力により変形や破断する場合があり、地盤の崩壊につながることがある。また、太径のロックボルトを使用した場合は変形や破断を抑えることはできるが、重量が重いため施工性に問題がある。
【0004】
この発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、前記問題点を克服し、かつ経済的で簡易的にロックボルトを補強することができるロックボル卜の補強方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、請求項1記載の発明は、『地山に削孔した孔に挿入されたロックボル卜と前記孔との間にグラウト材が充填され、
前記ロックボル卜に補強パイプを外挿して前記孔内の所定位置まで設け、
前記グラウト材が硬化したら前記地山から突出する前記補強パイプの先端部に引っ張り部材取付具を取り付け、
前記ロックボル卜の前記地山から突出する先端部から前記補強パイプの先端部に、前記引っ張り部材取付具の抜けを規制する押え治具を挿入し、
前記ロックボル卜の先端部にナットを螺着し前記押え治具を介して前記引っ張り部材取付具を押さえ付けて固定した、
ことを特徴とするロックボル卜の補強方法。』であり、ロックボル卜に孔内の所定位置まで補強パイプを挿入したので、剪断力が向上し、ロックボルトの曲げや剪断力により変形や破断することを防止することができる。また、引っ張り部材取付具により確実に引っ張り部材を取り付けることができ、しかも押え治具により引っ張り部材取付具の浮き上がりを防止できる。さらに、従来のロックボル卜を使用して簡易的にロックボルトを補強することができるので経済的である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のロックボル卜の補強方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。まず、ロックボル卜の補強方法の第1の実施の形態を図1乃至図3に示し、図1はロックボル卜の補強方法を示す図、図2は補強パイプを示す図、図3は押え治具を示す図である。
【0007】
地山1に削孔した孔2にグラウト材3を注入して充填し、ロックボル卜4を挿入する。グラウト材3の注入時期は、ロックボル卜4の挿入後でもよい。
【0008】
グラウト材3が硬化する前に角座金5を介して補強部材である補強パイプ6をロックボル卜4に孔2内の所定位置まで挿入する。補強パイプ6には、図1及び図2に示すようにストッパー部6aが設けられており、補強パイプ6を押し込みストッパー部6aが角座金5に当接することで挿入位置が決定される。ストッパー部6aは補強パイプ6を押し込んだとき、角座金5にひっかかるようになっていれば形状等特に限定されない。
【0009】
これにより、補強パイプ6とロックボル卜4の隙間にグラウト材3が充填される。グラウト材3が十分に硬化したら地山1から突出する補強パイプ6の先端部に引っ張り部材取付具7を取り付ける。そして、補強パイプ6の先端部に押え治具8を挿入し引っ張り部材取付具7の抜け止めを行い、ロックボル卜4の先端部にナット9を螺着し固定する。
【0010】
このようにして、引っ張り部材取付具7は、ロックボル卜4に挿入された補強パイプ6の先端部に取り付けられる。押え治具8は、一方に引っ張り部材取付具7が抜け出さないようにするストッパー部8aを有し、他方にナット9の締付荷重を受ける座金部8bを有し、引っ張り部材取付具7の移動と抜け出しを防ぐものである。押え治具8の高さHは、図1に示すようにナット9を螺着した時に、座金部8bが補強パイプ6の先端に当接しない高さである。これにより、押え治具8は、確実に引っ張り部材取付具7を押さえつけることができる。
【0011】
なお、押え治具8は、図3に示すものに限定されず、引っ張り部材取付具7を押圧できれば所定厚さの平板等でもよい。また、使用するロックボル卜4は、全ねじタイプまたはボルト端部がネジになってナット9が螺着可能なものならばよい。さらに、自穿孔タイプのロックボル卜でもよい。また、この実施の形態では、補強パイプ6にストッパー部6aを一体に設けているが、平板等を溶接してもよい。
【0012】
また、補強パイプ6を角座金5より先に挿入してもよく、この場合ストッパー部6aが地山1に当接して位置決めされ、その後に角座金5を挿入して引っ張り部材取付具7を取り付ける。
【0013】
このように、ロックボル卜4に孔2内の所定位置まで補強パイプ6を挿入したので、 剪断力が向上し、引っ張り部材取付具7からの引っ張りによるロックボルト4の曲げや剪断力により変形や破断することを防止することができる。また、引っ張り部材取付具7により確実に引っ張り部材を取り付けることができ、しかも押え治具8により引っ張り部材取付具7の浮き上がりを防止できる。
【0014】
また、ロックボル卜4に補強パイプ6を取り付けるだけで簡単に補強ができるので施工性がよい。さらに、補強パイプ6を使用することで最小限の削孔径でロックボル卜4の補強ができ、従来のロックボル卜4を使用して簡易的にロックボルト4を補強することができるので経済的である。
【0015】
また、補強パイプ6の埋め込み深さを変えることにより様々な地山に対応できる。
【0016】
次に、ロックボル卜の補強方法の第2の実施の形態を図4に示す。このロックボル卜の補強方法は、図1と同様に構成されるが、補強部材の変形例を示すもので、ロックボル卜4にストッパー部16aを有するスリーブ16を圧着したものである。この場合、ロックボル卜4とスリーブ16の隙間がないので補強パイプ6に比べ細径にでき、また削孔した孔2に挿入するだけなので施工性がよい。また、この実施例では、ロックボル卜4にスリーブ16が圧着されているから、ストッパー部16aはなくてもよい。
【0017】
次に、ロックボル卜の補強方法が用いられる法面安定工法について説明する。図5はロックカバーネットを支持する状態を示す図、図6は引っ張り部材取付具を示す図、図7は図6のVII−VII線に沿う断面図、図8はUボルトの平面図である。
【0018】
法面安定工法に用いられるロックカバーネット60は、落石等を防止するものであり、このロックカバーネット60にはワイヤーロープ61,62が縦横に所定間隔で針金等で取り付けられている。それぞれのワイヤーロープ61,62は、両端部が引っ張り部材取付具7を介してロックボル卜4に固定されている。引っ張り部材取付具7は、図6乃至図8に示すように緩衝金具70とUボルト71を有し、緩衝金具70は、一対の金具72,73でワイヤーロープ61,62を挟み、ボルト74とナット75で締付固定して構成される。Uボルト71は、その両端部71aを一対の金具72,73のボス部72a,73aに挿通し、ボス部72a,73aから突出するネジ部71bにナット76を螺着して緩衝金具70に取り付けられる。このようにして、緩衝金具70に取り付けられたUボルト71の屈曲部71cをロックボルト4の補強部材に取り付け、ナット76を回動してワイヤーロープ61,62を引っ張り、ロックカバーネット60を張り落石の発生自身を防止する。
【0019】
図9はロックカバーネットを支持する他の実施の形態を示す図である。この実施の形態では、引っ張り部材取付具7は図6乃至図8に示す実施の形態と同様に構成されるが、ロックカバーネット60に1本のワイヤーロープ80を縦方向の上下に所定間隔でターンさせて針金等で取り付け、同様にロックカバーネット60に1本のワイヤーロープ81を横方向の上下に所定間隔でターンさせて針金等で取り付け、それぞれのワイヤーロープ80,81のターン部を引っ張り部材取付具7により支持してロックカバーネット60を張り落石の発生自身を防止する。
【0020】
【発明効果】
前記したように、この発明によれば、ロックボル卜に孔内の所定位置まで補強パイプを設けたので、 剪断力が向上し、ロックボルトの曲げや剪断力により変形や破断することを防止することができる。また、引っ張り部材取付具により確実に引っ張り部材を取り付けることができ、しかも押え治具により引っ張り部材取付具の浮き上がりを防止できる。また、ロックボル卜に補強部材を取り付けるだけで簡単に補強ができるので施工性がよい。さらに、補強部材を使用することで最小限の削孔径でロックボル卜の補強ができるので、従来のロックボル卜を使用して簡易的にロックボルトを補強することができるので経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロックボル卜の補強方法を示す図である。
【図2】補強パイプを示す図である。
【図3】押え治具を示す図である。
【図4】ロックボル卜の補強方法の第2の実施の形態を示す図である。
【図5】ロックカバーネットを支持する状態を示す図である。
【図6】引っ張り部材取付具を示す図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】Uボルトの平面図である。
【図9】ロックカバーネットを支持する他の実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
1 地山
2 孔
3 グラウト材
4 ロックボル卜
7 引っ張り部材取付具
8 押え治具
9 ナット
Claims (1)
- 地山に削孔した孔に挿入されたロックボル卜と前記孔との間にグラウト材が充填され、
前記ロックボル卜に補強パイプを外挿して前記孔内の所定位置まで設け、
前記グラウト材が硬化したら前記地山から突出する前記補強パイプの先端部に引っ張り部材取付具を取り付け、
前記ロックボル卜の前記地山から突出する先端部から前記補強パイプの先端部に、前記引っ張り部材取付具の抜けを規制する押え治具を挿入し、
前記ロックボル卜の先端部にナットを螺着し前記押え治具を介して前記引っ張り部材取付具を押さえ付けて固定した、
ことを特徴とするロックボル卜の補強方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19551697A JP3867743B2 (ja) | 1997-07-22 | 1997-07-22 | ロックボル卜の補強方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19551697A JP3867743B2 (ja) | 1997-07-22 | 1997-07-22 | ロックボル卜の補強方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1136298A JPH1136298A (ja) | 1999-02-09 |
JP3867743B2 true JP3867743B2 (ja) | 2007-01-10 |
Family
ID=16342391
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19551697A Expired - Lifetime JP3867743B2 (ja) | 1997-07-22 | 1997-07-22 | ロックボル卜の補強方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3867743B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105180787A (zh) * | 2015-05-05 | 2015-12-23 | 中国电建集团中南勘测设计研究院有限公司 | 一种高压灌浆抬动变形监测装置及其安装方法 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5628506B2 (ja) * | 2009-10-14 | 2014-11-19 | 坂本 雄三 | 落石防護工におけるワイヤロープの張力保持方法 |
JP5542405B2 (ja) * | 2009-10-14 | 2014-07-09 | 雄三 坂本 | 落石防護工におけるワイヤロープの張力保持装置 |
JP5781413B2 (ja) * | 2011-09-30 | 2015-09-24 | 神鋼建材工業株式会社 | アンカーボルト設置構造、およびそのメンテナンス方法ならびに施工方法 |
JP5981742B2 (ja) * | 2012-03-19 | 2016-08-31 | 岡部株式会社 | 斜面安定化工法用保護シース及び斜面安定化工法の施工方法 |
-
1997
- 1997-07-22 JP JP19551697A patent/JP3867743B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105180787A (zh) * | 2015-05-05 | 2015-12-23 | 中国电建集团中南勘测设计研究院有限公司 | 一种高压灌浆抬动变形监测装置及其安装方法 |
CN105180787B (zh) * | 2015-05-05 | 2018-07-13 | 中国电建集团中南勘测设计研究院有限公司 | 一种高压灌浆抬动变形监测装置及其安装方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1136298A (ja) | 1999-02-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102019396B1 (ko) | 낙석방지책 구조물 | |
JP3867743B2 (ja) | ロックボル卜の補強方法 | |
US5678374A (en) | Method of reinforcing concrete made construction and fixture used therefor | |
KR20220120426A (ko) | 콘크리트 내진용 인서트 앵커 | |
JP2004324265A6 (ja) | 橋梁の落橋防止装置及び移動制限装置並びに落橋防止工法 | |
JP3699022B2 (ja) | アンカーの補強装置と法面用アンカーおよび法面へのアンカー設置方法 | |
JP4081602B2 (ja) | 鋼コンクリート合成構造と鉄筋コンクリート構造の接合部構造 | |
JPH0525832A (ja) | 鉄骨柱脚 | |
JP3330107B2 (ja) | Pc鋼材の定着部構造およびpc鋼材の定着部における緩衝材の注入方法 | |
KR101017183B1 (ko) | 피에스 강연선을 이용한 앵커 조립체 및 그를 이용한 지반보강방법 | |
CA2466283C (en) | Rock bolt | |
JP6674843B2 (ja) | アンカー | |
CN113404037B (zh) | 一种预制桩用连接装置 | |
US7162843B2 (en) | Bolts with connected anchor | |
KR200387409Y1 (ko) | 낙석방지망용 와이어로프의 교차부분 고정구 | |
KR100568041B1 (ko) | 영구앙카 | |
KR102110806B1 (ko) | 강봉에 의한 보강 헬리컬 파일 시공 방법 | |
KR101423292B1 (ko) | 판 스프링을 이용한 록 볼트 고정장치 | |
JP3943411B2 (ja) | 土中用アンカー | |
JP4229253B2 (ja) | ロックボルトの補強方法 | |
AU2002351425A1 (en) | Rock bolt | |
JP5756659B2 (ja) | アンカーボルト先行降伏型引き寄せ金物及び該引き寄せ金物を使用した大規模木造建物の耐震補強方法 | |
KR20070001706A (ko) | 나선판을 갖는 강재 구조 | |
KR102685118B1 (ko) | 콘크리트 부재용 고성능 후설치 앵커 및 이의 시공 방법 | |
US10138613B2 (en) | Ground anchor and method of using a ground anchor |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040520 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060502 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060512 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060619 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20061003 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061003 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101020 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111020 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121020 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131020 Year of fee payment: 7 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |