JP3866614B2 - xDSL中継方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は既設の電話回線を利用して高速データ伝送を実現するxDSL(x Digital Subscriber Line)システムに関し、特に上記電話回線をはさんだ収容局と加入者宅との距離が長すぎるために、従来の方法、及びその方法を利用した装置では、所要の伝送速度が得られない場合の中継器(リピータ)に関する。
【0002】
xDSLのxは局→加入者間(下り)と加入者→局(上り)の伝送レートの非対象伝送及び対象伝送を表し、非対象な伝送システムをADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line )と呼ぶ。以下、ADSLを例にとって説明を行なうが、この発明の内容はADSLに限定されるものではない。
【0003】
【従来の技術】
(a)ADSLの概要
現在、ADSLは比較的安価に高速データ伝送を実現する技術として、注目を集めはじめている。従来のアナログモデムやISDNと比べて、ADSLでは桁違いの高速伝送が可能であるにも拘らず、アナログモデム等の場合と比べてもそれほど見劣りしない価格で、インターネット等を利用できるということがその理由である。
【0004】
ADSLが比較的安価に高速高速データ伝送を実現可能とする一因には、ADSLが既設の電話回線を利用した技術であるいうことが挙げられる。光ファイバを利用すれば、ADSLよりも高速なデータ伝送が可能であるが、光ファイバを収容局(以下、局側と呼ぶ)から加入者宅(以下、加入者側と呼ぶ)まで新たに敷設するためには、莫大な時間とコストが必要である。
【0005】
このため、光ファイバを利用した超高速データ伝送は、まだ実現可能な時期にきていない。このために、現在、既設の電話回線を利用して短期間に、そして安価に高速データ伝送を実現するADSLが注目を集めはじめている。
【0006】
図8は従来のADSLシステムの概念図である。図において、1は局側ADSL装置(ATU−C)、2は加入者側ADSL装置(ATU−R)である。ATU−CとATU−Rは、信号線3、4を介して接続されており、ATU−CとATU−Rはこれら信号線3、4を介してデータのやりとり(データ伝送)を行なう。
【0007】
ここで、ATU−CとATU−R間の距離が長い場合、信号線の途中に中継器(リピータ)を設けて信号の減衰を防止することとが考えられる。図9はリピータを有する従来のADSL伝送システムの概念図である。図において、5はATU−C1とATU−R間に接続された信号を増幅するリピータである。6、7、8、9はATU−C1、リピータ5、ATU−R2間に接続された信号線である。このように、ATU−CとATU−R2間にリピータ5を設けることにより、信号の減衰を防止することができる。
(b)Annex Cの概要
ADSLの国際標準規格であるITU−T勧告G.992.1、G.992.2では、事実上日本向けと見られるADSL規格がAnnex Cに記載されている。なお、ITU−T勧告G.992.1、G992.2は、それぞれフルレートADSL、簡易版ADSLの規格である。Annex Cでは、ADSLの隣接回線にTCM(Time Compressed Multiplex)−ISDNを使用している場合(通常はこのような配線が多い)に、TCM−ISDNとの間に発生する周期的な漏話雑音を回避するような規格となっている。以下に、図10を用いてその概要を説明する。
【0008】
図10はAnnex Cの概要を示す図である。ISDNでは、TTR(TCM−ISDN Timing Reference:周期2.5ms)110に同期して、局側がTTR110の前半のサイクルで下り信号を送信し、加入者側は下り信号受信後、上り信号を送信する。
【0009】
このため、局側のADSLでは、TTR110の前半のサイクルでISDN下り信号からの近端漏話(以下NEXTと呼ぶ)120の影響を受け、後半のサイクルで加入者側ISDN上り信号からの遠端漏話(以下FEXTと呼ぶ)130の影響を受ける。
【0010】
加入者側ADSLでは、局側とは逆にTTR110の前半のサイクルでFEXT140の影響を受け、後半のサイクルでNEXT150の影響を受ける。このようなNEXT、FEXTの影響を受ける時間領域をそれぞれNEXT区間、FEXT区間と呼ぶ。なお、図10では加入者側におけるNEXT区間、FEXT区間を示している。
【0011】
そして、Annex Cでは、上述したNEXT区間、FEXT区間に対応させてADSLシンボルを送信することを定めたスライディング・ウィンドウが規定されている。即ち、図10に示すように、送信されるADSLシンボル160が加入者側におけるFEXT区間内に完全に含まれる場合、スライディング・ウィンドウ170により、局側ADSL装置(以下、ATU−Cと呼ぶ)は、そのシンボルをFEXTシンボルとして送信する。
【0012】
また、送信シンボルが一部でも加入者側におけるNEXT区間に含まれる場合、ATU−CはそのシンボルをNEXTシンボルとして送信する。上りにおいても、加入者側ADSL装置(以下ATU−Rと呼ぶ)は下りと同様な方法でADSLシンボルを送信する。なお、このような通信方式をデュアル・ビットマップ(Dual Bitmap)方式と呼ぶ。
【0013】
一方、下り方向において、ATU−CはNEXT区間において、タイミング同期用トーンのみを送信し、その他のデータを送信しない場合がある。この時、上り方向においては、ATU−RはNEXT区間では何も送信しない。このような送信方式をフェクスト・ビットマップ(FEXT Bitmap)方式と呼ぶ。(c)イニシャリゼーションの概要
ATU−CとATU−Rとの間でデータ伝送を行なうためには、その前にハンドシェーク及びイニシャリゼーションを行なうことが必要になる。詳細なハンドシェークとイニシャリゼーション方法は、ITU−T勧告G.994.1、G992.1、G992.2に記載された通りであるが、ここではその概要について説明する。
【0014】
図11はハンドシェーク及びイニシャリゼーションのタイミングチャートである。この図によると、通信開始時の初期化は先ずハンドシェーク210から始まる。ここで、ハンドシェークとは、ITU−T勧告G994.1に記載されている通り、ATU−CとATU−Rが実現可能な機能一覧を意味するケーパビリティ(伝送能力)リストを交換したり、また通信方式を決定するために行なわれるやりとりをいう。
【0015】
データ伝送にAnnex Cを使用するのか否か、そしてAnnex Cを使用するのであれば、デュアル・ビットマップ方式とするのか、それともフェクスト・ビットマップ方式とするのかといった通信方式については、このハンドシェーク210において決定する。なお、Annex Cを使用する場合でも、ハンドシェーク210においては、NEXT区間、FEXT区間の区別なくケーパビリティリストの交換や通信方式の決定を行なう。
【0016】
次に、ITU−T勧告G.992.1、G992.2に記載されるイニシャリゼーションを行なうが、イニシャリゼーションはトレーニング220、チャネル・アナリシス230、エクスチェンジ240の3段階で行なわれる。トレーニング220、チャネル・アナリシス230では、ATU−C、ATU−Rともに回線の特性等を調査、認識して、等価器の係数設定、データの伝送速度の決定等を行なう。
【0017】
ここで、先のハンドシェーク210において、Annex Cを選択した場合には、トレーニング220に移り次第、まずADSLシンボル160(図10参照)の送信タイミングをTTR110のタイミングに同期させる。そして、TTR110のタイミングに同期させて決定されたNEXT区間、FEXT区間を考慮して、等価器の係数設定、データの伝送速度の決定等を行なう。そして、次のエクスチェンジ240では、先に決定したデータの伝送速度や、パフォーマンス・マージン等を相手側に通知する。
【0018】
ADSLでは、10-7以下のBER(Bit Error Rate)を維持することが要求されている。一方、受信ADSLシンボルが受ける様々な雑音は一定というわけではなく、常に変化している。従って、それらの雑音がどのように変化しても、10-7以下のBERを維持するように、余裕を持ってデータの伝送速度を決定する必要がある。パフォーマンス・マージンは、この時の余裕度を意味している。
【0019】
パフォーマンス・マージンとは、通信時の伝送路の変動を見込んで、イニシャリゼーション中の送信ビット割り付け時に考慮するマージンである。例えば、BERが10-7でSN=15dBの時に2ビットの割り付けが可能という場合に、パフォーマンス・マージンを6dBと設定すると、実際のビット割り付けは21dBにて2ビットを割り付けることになる。このように、イニシャリゼーション中に設定しておくと、実際の通信中に多少のSN劣化が起こっても2ビットのデータ伝送が確保できることになる。
(d)伝送速度
上述した通り、ADSLではデータ伝送の前に行なうイニシャリゼーションによって、データの伝送速度が決定する。これを言い換えると、ADSLではイニシャリゼーションが終了するまで、データの伝送速度は未定であるということになる。伝送速度を決定する要因には、受信ADSLシンボルが受ける様々な雑音の大きさ、パフォーマンス・マージン等によるデータ伝送の信頼度の設定、ADSL送受信装置の性能、そしてATU−CとATU−Rとの距離等がある。
【0020】
図12は伝送速度−距離特性を示す図である。図は、下り方向におけるデータ伝送速度の一例を示す。横軸は距離[km]、縦軸は伝送速度[Mbps]である。この例では、ATU−CとATU−Rとの距離が2km付近まで、最大伝送速度である8Mbpsを維持しているが、その後の伝送速度は次第に下がっていき、4kmでは1Mbpsとなっている。このように、ADSLの伝送速度はATU−CとATU−Rとの距離に依存しており、一般的にはその距離が長くなればなるほど、伝送速度が低下するという関係にある。
【0021】
また、図12にあるパーセントで表されている数字は、ITU−T勧告G.996.1で紹介されている、その距離におけるユーザのカバー率を意味している。これによると、約60%のユーザは、最大伝送速度である8Mbps付近でデータ伝送を行なうことができる。しかしながら、残りの40%のユーザは、ATU−Cとの距離に応じて伝送速度が大きく異なっており、約10%のユーザにいたっては、2Mbps以下の速度でしかデータ伝送を行なうことができない。
【0022】
このように、ATU−Cとの距離が長すぎる場合には満足な速度でデータ伝送を行なうことができない。そこで、このような場合にはATU−CとATU−Rとの間に置いたADSL中継器(リピータ)を介してデータ伝送を行なうことがある。但し、上述したAnnex Cに対応するADSL中継方式については今後の検討が期待されている。
【0023】
ADSLでは、音声帯域以上の高域においてデータ伝送を行なう。一方、既存の電話回線は電話用に開発されたものであるので、音声帯域の特性は優れているが、ADSLのデータ伝送に必要な高域の特性が悪い。従って、ADSLでは、上述したように、その伝送速度がATU−CとATU−Rとの距離に大きく依存してしまうことになる。
(e)スペクトラム・マネージメント
上述したように、Annex Cを用いることにより、ADSLはTCM−ISDNから受ける周期的な漏話雑音のうち、比較的大きいNEXTを回避することができる。特に、フェクスト・ビットマップ方式を用いれば、ADSLからTCM−ISDNに対するNEXTについても回避することができる。
【0024】
また、複数のADSL間においては、互いにNEXTの影響を受けることはない。このように、NEXTについては細心の注意を持って回避されてきた。このように、比較的大きいNEXTを回避することは、それぞれのデータ伝送に影響を与えないために重要なことである。
【0025】
ところで、最近になって様々な種類のDSL方式が登場してきている。TCM−ISDNと完全に同期してデータ伝送を行なう、ITU−T勧告G.992.1Annex Hによって規定されているSSDSL(Synchronized Symmetrical DSL)、短距離間を数10Mbpsの速度でデータ伝送を行なうVDSL(Very−high−speed DSL)がその例である。
【0026】
ADSLとTCM−ISDNとの間に生じるNEXTについては、上述した通り回避することができるが、ADSLとSSDSLとの間に生じるNEXT等についてはその限りではない。また、ADSLとVDSLとの間には、NEXTのみならず、他の場合と比べて比較的大きなNEXTも発生するが、これらに関しても同様である。従って、これらの漏話雑音についても、お互いのデータ伝送に影響を与えないように、回避していかなくてはならない。この回避策は、主に送信信号の対象となる帯域のパワーを制御することによるので、スペクトラム・マネージメントとよばれている。
【0027】
図13にスペクトラム・マネージメントの一例を示す。図は、ADSLとVDSLとの間に生じるFEXTの説明図である。一般的には、NEXTの方がFEXTよりも大きく、FEXTがデータ伝送に与える影響は少ない場合が多い。しかしながら、図13に示す例では、状況が異なる。
【0028】
図13では、VDSLとADSLの回線が同一ケーブル内で隣接して存在しており、ONU側VDSL(以下、VTU−Oと呼ぶ)410と、加入者側VDSL装置(以下、VTU−Rと呼ぶ)420との間の距離が、ATU−C430とATU−R440との距離に比べて非常に短かくなっている。
【0029】
この時、VTU−O410からVTU−R420へ送信されるVDSLシンボルがADSLの回線に漏話雑音となって重畳し、ATU−C430から送信されてATU−R440で受信されるADSLシンボルにとってはFEXT450となる。なお、この時、受信ADSLシンボルのパワーは、長い距離を送信されてきた分、大きく減衰されており、非常に小さくなっているので、受信ADSLシンボルにとってFEXT450の影響は無視できない。
【0030】
このままでは、ADSLはVDSLからのFEXTのために高速データ伝送を実現することはできない。従って、スペクトラム・マネージメントが必要になる。ここでいうスペクトラム・マネージメントとは、具体的にはADSLに影響を与える周波数帯域のみ、VDSLの送信信号をADSLに影響を与えることのないレベルまで低下させることである。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
以上、説明したように、周期的雑音の影響を受け、かつATU−CとATU−Rとの距離が長すぎる環境において、ADSLによる高速データ転送を実現するためには、TTR110のタイミングに同期してデータ伝送を行なうADSL中継方式が必要となる。しかしながら、この周期的雑音環境下におけるADSL中継方式について最適な方法が提案されていない。
【0032】
また、ADSLでは、ハンドシェーク中にケーパビリティ(伝送能力)リストの交換及び通信方式の決定を行なうが、リピータを介することによりATU−CとATU−R間で直接ハンドシェークを行なうことができない。このため、ATU−Cとリピータ間及びリピータとATU−R間のハンドシェーク手順を規定することが必要となる。
【0033】
また、ADSL中継方式での伝送速度及び特開2000−151742号記載の「伝送遅延最小での伝送可能容量」の設定において、ATU−Cとリピータ間の設定値を、リピータとATU−R間の可能容量以上に設定することは、リピータとATU−R間のボトルネックによりデータ通信が不可能となる。このため、ADSL中継方式での伝送速度及び「伝送遅延最小での伝送可能容量」の設定手順が必要となる。
【0034】
以下に、特開2000−151742号記載の発明について説明する。ITU−T勧告G.992.1で規定されるADSLでは、図14に示すように伝送遅延を小さくして送る経路(以下、Fast Pathと呼ぶ)と、伝送遅延を大きくしてデータ品質を向上させる経路(以下、Interleaved Passと呼ぶ)を有し、この2つの経路のデータを一緒に送信するモード(以下、デュアル・レイテンシモードと呼ぶ)及び、どちらかのみのデータを送信するモード(以下、シングル・レイテンシモードと呼ぶ)をサポートしている。デュアル・レイテンシモードでは、ユーザデータが両方のパス(即ちFast PathとInterleaved Pass)に割り当てられ、シングル・レイテンシモードでは、全ユーザデータが一つのパス(即ちFast Path又はInterleaved Pass)に割り当てられる。
【0035】
Fast Pathの場合、ユーザデータは、CRCエンコーダ→スクランブラ→FECエンコーダ→レートコンバータを経て伝送データとなる。Interleaved Passの場合、ユーザデータは、CRCエンコーダ→スクランブラ→FECエンコーダ→インタリーバ→レートコンバータを経て伝送データとなる。
【0036】
TCM−ISDNと共存する環境(ITU−T勧告G.992.1のAnnex C)におけるFast Pathではサブフレーム単位でデータの伝送を行なう。サブフレームは、TTRタイミングに従った10個連続のDMTシンボル(シンクシンボルを除く)からなる。従って、34サブフレームが1ハイパーフレームを構成する。
【0037】
このことより、図15に示すように、サブフレーム内に3個のFEXT区間を持つ場合と、4個のFEXT区間を持つ場合が存在することになる。図15はハイパーフレーム構造の説明図である。図15において、(a)はTTR、(b)はATU−Rクロストーク、(c)はATU−C トランスミット DMTシンボルを示している。ハイパーフレームは345シンボルよりなり、69シンボルを1個のスーパーフレームとすると、SPF#0〜SPF#4までの5個のスーパーフレームよりなることになる。サブフレームは、SS、ISSを除く連続10DMTシンボルよりなり、4個のFEXT区間を持つ場合と、3個のFEXT区間を持つ場合とがある。
【0038】
図14に示すレートコンバータでは、ビットレートを32kbit/secの整数倍に変換するため、ダミービットの挿入を行なうが、Fast Pathへのダミービットの挿入は、デュアルレイテンシモードでは、各サブフレームの末尾に、シングル・レイテンシモードでは4個目のFEXT区間に挿入する。本発明において引用する伝送量遅延最小論理チャネルの伝送容量とは、送信データを全てFast Pathに割り当てた場合の最大伝送容量を意味する。
【0039】
また、従来のADSL伝送システムにとって、FEXT雑音となるリピータの送信信号パワーは、スペクトラム・マネージメントの観点からも可能な限り低減することが望まれている。
【0040】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、ADSL中継方式における以上の課題を解決すべく、TTR110のタイミングに同期させるためのイニシャリゼーション手順、リピータを介してのハンドシェーク手順、リピータとATU−R間の可能容量を満たすための伝送速度及び「伝送遅延最小での伝送可能容量」の設定手順、リピータの送信信号パワーの低減方法を提供することを目的としている。即ち、ATU−CとATU−Rの間にリピータが挿入された時の手順を雑音の影響を排除して効率よく行なうことができるxDSL中継方法を提供することを目的としている。
【0041】
【課題を解決するための手段】
(1)図1は本発明方法の一実施の形態例を示すフローチャートである。本発明は、局側が決定するタイミングで周期的に漏話雑音量が変化する電話回線を伝送路とし、かつ中継器を有するxDSLシステムであって、前記中継器は局側と中継器間における初期トレーニング及びデータ通信を先に行ない、次に局側との通信から抽出した漏話雑音タイミングを使用して中継器と加入者間の初期トレーニング及びデータ通信を行なう場合において(ステップ1)、ハンドシェークを行なう場合、前記中継器は該中継器と加入者間のハンドシェークを最初に行なって加入者側装置のケーパビリティリストを保持した後に加入者側との通信を切断し、その後中継器と局側のハンドシェークを行なうことにより、加入者側装置のケーパビリティリストを局側へ伝達する(ステップ2)ことを特徴とする。
【0042】
このように構成すれば、ATU−CとATU−Rの間にリピータが挿入された時の手順を雑音の影響を軽減して効率よく行なうことができるxDSL中継方法を提供することができる。また、先ず中継器と加入者側とのハンドシェークを行ない、次に中継器と局側のハンドシェークを行なうことにより、全体として局側と加入者側とのハンドシェークを行なうことができる。
【0045】
(2)請求項2記載の発明は、前記中継器と局間の通信が確立した後、再度中継器と加入者間のハンドシェークを行ない、中継器は該中継器と局間のハンドシェークで決定された通信方法を保持し、同一の通信方法を中継器と加入者間の通信方法として選択することを特徴とする。
【0046】
このように構成すれば、中継器と局間、及び中継器と加入者間の通信方法として同一のものを設定することができる。
(3)請求項3記載の発明は、イニシャリゼーションを行なう場合、前記中継器は該中継器と局間のイニシャリゼーションで決定されたデータ伝送容量を保持し、中継器と加入者間のイニシャリゼーションで算出された伝送可能容量が中継器と局間の伝送容量よりも大きかった場合は、中継器と局間の伝送容量を中継器と加入者間に適用し、中継器と加入者間の伝送可能容量が中継器と局間の伝送容量よりも小さかった場合には、中継器と加入者間の伝送可能容量を保持した後に中継器と加入者間及び中継器と局間の通信を一旦切断し、再度行なう中継器と局間のイニシャリゼーションにおいて、中継器と局間の伝送容量を中継器と加入者間の伝送可能容量未満に制限することを特徴とする。
【0047】
このように構成すれば、局間と中継器間の伝送容量、及び中継器と加入者間の伝送容量をバランスさせることができる。
(4)請求項4記載の発明は、イニシャリゼーションを行なう場合、中継器と加入者間のイニシャリゼーションで算出された伝送遅延最小での伝送可能容量が、中継器と局間の伝送遅延最小論理チャネルの伝送容量未満である場合、中継器と加入者間の伝送遅延最小での伝送可能容量を保持した後に、中継器と加入者間及び中継器と局間の通信を一旦切断し、再度行なう中継器と局間のイニシャリゼーションにおいて、中継器と局間の伝送遅延最小論理チャネルの伝送容量を中継器と加入者間の伝送遅延最小での伝送可能容量未満に制限することを特徴とする。
【0048】
このように構成すれば、中継器と局間の伝送遅延最小論理チャネルの伝送容量を中継器と加入者間の伝送遅延最小での伝送可能容量未満に制限することができる。
【0049】
(5)請求項5記載の発明は、前記中継器を有するxDSLシステムにおいて、中継器が初期トレーニング開始時に加入者装置から受信する信号パワーを基準として、中継器から加入者へ送信する信号パワーを可変させることを特徴とする。
【0050】
このように構成すれば、中継器と加入者装置間の信号パワーを最適に可変することができる。
また、この発明において、要求されているBER(ビットエラーレート)を維持できるパフォーマンス・マージンの値を、局側と中継器間におけるイニシャリゼーション時に、局側から中継器へと通知し、保持し、その後に行なわれる中継器と加入者間におけるイニシャリゼーション時に保持していた上記値を中継器から加入者側へ通知することを特徴とする。
【0051】
このように構成すれば、局側から加入者間における所定のBERが維持できるようにパフォーマンス・マージンの値を設定することができる。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を詳細に説明する。
(a)TTR同期のためのイニシャリゼーション手順
周期的雑音環境下におけるADSL中継方式のイニシャリゼーション手順の実施の形態例について、図2を用いて説明する。図2はTTR同期のためのイニシャリゼーション手順を示す図である。図9と同一のものは、同一の符号を付して示す。図において、1はATU−C、5は該ATU−C1と接続されるリピータ(中継器)、2は該リピータ5と接続されるATU−Rである。
【0053】
本発明のADSL中継方式においては、最初にATU−C1とリピータ5を起動する。そして、ATU−C1とリピータ5間でイニシャリゼーションを行なう。イニシャリゼーションのトレーニングシーケンスにて局側の保持するTTRがリピータ5に抽出されると共に、イニシャリゼーション終了時にATU−C1とリピータ5間でTTRに同期したデータ通信が可能となる(▲1▼)。
【0054】
リピータ5にTTR情報が保持された後は、局側の保持するTTRに同期してリピータ5とATU−R2間のイニシャリゼーションが行なえるようになる。そこで、ATU−R2を起動し、リピータ5とATU−R2間のイニシャリゼーションを行なう。イニシャリゼーションのトレーニングシーケンスにて局側の保持するTTRがATU−R2に抽出されると共に、イニシャリゼーション終了時にリピータ5とATU−R2間でTTRに同期したデータ通信が可能となる(▲2▼)。
【0055】
以上の2段階のイニシャリゼーション手順により、ATU−CとATU−R間でTTRに同期したデータ通信を実現することができる。即ち、ATU−CとATU−Rの間にリピータが挿入された時の手順を雑音の影響を軽減して効率よく行なうことができる。
(b)リピータを介してのハンドシェーク手順
ハンドシェークにてケーパビリティリスト交換を行った後に決定される通信方式は、ATU−C及びATU−R双方のケーパビリティリストにて可能とされる通信方式の中から局側によって決定される。従って、通信方式の決定のために、ATU−RのケーパビリティリストをATU−Cへ中継する必要がある。
【0056】
本発明では、ハンドシェークで使用される信号パワーが小さく、スペクトラムマネージメント上TTR位相と同期しなくても問題ないことを利用して、リピータとATU−R側のハンドシェークを先ず行なう。
【0057】
図3はリピータを介してのハンドシェーク実行手順を示す図である。図2と同一のものは、同一の符号を付して示す。ハンドシェーク手順の最初に、リピータ5とATU−R2にてハンドシェークを行ない、ATU−Rのケーパビリティリストをリピータ5が抽出する(▲1▼)。ここでのハンドシェークは、ケーパビリティリストの抽出のみを目的とするので、その後のイニシャリゼーションのシーケンスには遷移せず、ATU−Rとの通信を切断する。また、ハンドシェークにはTTR同期が必要でないため、前述のTTR同期のためのイニシャリゼーション手順開始前に本処理が行なわれる。
【0058】
リピータ5にATU−R2のケーパビリティリストを抽出・保持後、ATU−C1とリピータ5のハンドシェークを行なう(▲2▼)。このハンドシェークでは、先ずリピータ5によって保持・中継されたATU−R2のケーパビリティリストがATU−C1に抽出される。
【0059】
次に、局側ではこの抽出したATU−R2のケーパビリティリストとATU−C1のケーパビリティリストから選択可能な通信方式を判断し、通信方式を決定する。この決定された通信方式がリピータ5に抽出され、局側とリピータ5間のハンドシェーク終了となる。次に、リピータ5はATU−R2との接続を行なう(▲3▼)。
【0060】
このように、構成すれば、先ずリピータ5と加入者側とのハンドシェークを行ない、次にリピータ5と局側のハンドシェークを行なうことにより、全体として局側と加入者側とのハンドシェークを行なうことができる。
【0061】
前述したTTR同期のためのイニシャリゼーション手順と本ハンドシェーク手順を考慮し、イニシャリゼーションを実施した場合の状態遷移図を図4に示す。図4はイニシャリゼーション状態遷移図である。先ず、局側にて通信方式を決定した後、ATU−Cとリピータ間はそのままイニシャリゼーションに遷移し、イニシャリゼーションが終了するとATU−Cとリピータ間は通信状態となる。
【0062】
ATU−Cとリピータ間の通信が確立した後、再度リピータとATU−R間のハンドシェークが行なわれ、リピータとATU−R間のイニシャリゼーションに遷移する。ここでのリピータとATU−R間のハンドシェークにおいては、リピータの保持している局側とリピータ間のハンドシェークで決定された通信方式をリピータとATU−R間の通信方式として決定する。
【0063】
このように構成すれば、リピータと局間、及びリピータと加入者間の通信方法として同一のものを設定することができる。
(c)伝送速度の設定手順
リピータとATU−C間、及びリピータとATU−R間の伝送容量を決定するための設定手順の実施形態例を図5を用いて説明する。図5は伝送レート決定フローチャートを示す図である。上述したTTR同期のためのイニシャリゼーション手順において、リピータはATU−Cとリピータ間のイニシャリゼーションで決定されたデータ伝送容量を保持する(S1)。次に、リピータとATU−R間のイニシャリゼーションで伝送可能容量を算出する(S2)。
【0064】
次に、レート判定を行なう(S3)。レート判定では、算出した伝送可能容量がATU−Cとリピータ間の伝送容量よりも大きかった場合には、ATU−Cとリピータ間の伝送容量をリピータとATU−R間に適用する。
【0065】
一方、リピータとATU−R間の伝送可能容量がATU−Cとリピータ間の伝送容量よりも小さかった場合、リピータとATU−R間の伝送可能容量をリピータに保持した後に、リピータとATU−R間、及びATU−Cとリピータ間の通信を一旦切断する。
【0066】
その後、ATU−Cとリピータ間の再イニシャリゼーションを行なう。この時、リピータに保持されているリピータとATU−R間の伝送可能容量をハンドシェーク時にATU−Cへ通知すると共に、再イニシャリゼーションでATU−Cとリピータ間の伝送容量をリピータとATU−R間の伝送可能容量未満に制限して決定する(S4)。ATU−Cとリピータ間の通信が確立した後、リピータとATU−R間の再イニシャリゼーションを行ない(S5)、データ通信へ遷移する(S6)。
【0067】
上述のリピータとATU−R間の伝送可能容量には、特開2000−151742号記載の「伝送遅延最小での伝送可能容量」も含み、上記レート判定時にリピータとATU−R間の「伝送遅延最小での伝送可能容量」が、ATU−Cとリピータ間で決定された伝送遅延最小での伝送容量を下回る場合は、同様に再トレーニングを行なう。
【0068】
この実施の形態例によれば、局間ととリピータ(中継器)間の伝送容量、及びリピータと加入者間の伝送容量をバランスさせることができる。
また、リピータと加入者間のイニシャリゼーションで算出された伝送遅延最小での伝送可能容量が、リピータと局間の伝送遅延最小論理チャネルの伝送容量未満である場合、リピータと加入者間の伝送遅延最小での伝送可能容量を保持した後に、リピータと加入者間及びリピータと局間の通信を一旦切断し、再度行なうリピータと局間のイニシャリゼーションにおいて、リピータと局間の伝送遅延最小論理チャネルの伝送容量をリピータと加入者間の伝送遅延最小での伝送可能容量未満に制限するようにすることができる。
【0069】
このように構成すれば、リピータと局間の伝送遅延最小論理チャネルの伝送容量をリピータと加入者間の伝送遅延最小での伝送可能容量未満に制限することができる。
(d)リピータの送信信号パワーの低減方法
リピータ送信信号パワー低減方法の実施の形態例を図6を用いて説明する。図6はリピータの下り送信パワー決定の説明図である。図2と同一のものは、同一の符号を付して示す。図において、1がATU−C、2がATU−R、5がリピータである。
【0070】
リピータの下り送信信号は、従来のADSL伝送システム又はその他の伝送方式を使用する隣接回線(ATU−C1’とATU−R2’を結ぶ回線)のATU−R側へのFEXT雑音源となる。このため、本発明では、リピータ5は、下り送信パワー決定手順により、隣接回線のATU−R側へのFEXT雑音がスペクトラムマネージメントで規定される雑音量未満となるように決定する。
【0071】
リピータ5は、ATU−R2とのイニシャリゼーション開始時に、ATU−R2からの受信信号パワーのレベルを測定し、そのレベルを基準として下り送信パワーを決定する。ATU−R2からの受信信号パワーのレベルが大きい場合には、リピータ5とATU−R間の距離が短いと判断して、リピータ5からの下り送信パワーレベルを落とすようにする。
【0072】
このようにすれば、リピータと加入者装置間(ATU−R)の信号パワーを最適に可変することができる。そして、ADSL中継方式におけるスペクトラムマネージメントを達成し、隣接する回線へのノイズの影響を低減することができる。
(e)パフォーマンス・マージンの決定、通知方法
上述したように、通常の局側(ATU−C)と加入者側(ATU−R)のADSLでは、ATU−Rは10-7以下のBERを維持することが要求されており、それに見合ったパフォーマンス・マージンが設定されている。ATU−CとATU−R間で10-7以下のBERを維持することは、リピータを介してデータ伝送を行なう場合にも要求されるものである。この時、ATU−CとATU−Rとの間のBERを10-7以下にするために、ATU−Cとリピータ、及びリピータとATU−Rとの間のBERを予め10-7未満の適切な値に設定することが必要となる。
【0073】
ところが、リピータを使用する場合としない場合において、共通のATU−Rを使用することを考えると、ATU−Rは10-7以下のBERを維持するという従来通りの仕様であることが望ましい。即ち、ATU−CとATU−R間では、リピータの存在を意識させないことが望ましい。
【0074】
そこで、ATU−Rは、10-7以下のBERを維持するという従来通りの仕様とする一方で、ATU−CとATU−R間のBERを10-7以下にするために、ATU−Rに要求されるパフォーマンス・マージンを増やすことにする。なお、この時、リピータでのBERの仕様は、従来通り10-7以下としてもよいし、10-7未満の適切な値に設定してもよいが、その値は予め局側で認識されている必要がある。
【0075】
そして、リピータの挿入を検知した場合のATU−Rに要求されるパフォーマンス・マージンの増加分は、局側で保持しているリピータでのBERの仕様を考慮に入れて、ATU−CとATU−Rとの間のBERが10-7以下となるように局側で決定する。そして、図7に示すように、その値を局側とリピータ間におけるイニシャリゼーション時に局側からリピータ5へ通知し、保持し、その後に行なわれるリピータ5と加入者間におけるイニシャリゼーション時に保持していた上記値をリピータから加入者側へ通知する。
【0076】
このようにすれば、リピータを有するADSLにおいて局側から加入者間における所定のBERが維持できるようにパフォーマンス・マージンの値を設定することができる。
【0077】
上述の実施の形態例では、DSL方式としてADSLの場合について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、xDSL一般に適用することができる。
(付記1)局側が決定するタイミングで周期的に漏話雑音量が変化する電話回線を伝送路とし、かつ中継器を有するxDSLシステムの中継方法であって、前記中継器は局側と中継器区間における初期トレーニング及びデータ通信を先に行ない、局側との通信から抽出した漏話雑音タイミングを使用して中継器と加入者間の初期トレーニング及びデータ通信を行なうことを特徴とするxDSL中継方法。
【0078】
(付記2)局側が決定するタイミングで周期的に漏話雑音量が変化する電話回線を伝送路とし、かつ中継器を有するxDSLシステムにおいて、ITU−TG.994.1勧告に規定されるハンドシェークを行なう場合、中継器は該中継器と加入者間のハンドシェークを最初に行なって加入者側装置のケーパビリティリストを保持した後に加入者側との通信を切断し、その後中継器と局側のハンドシェークを行なうことにより、加入者側装置のケーパビリティリストを局側へ伝達することを特徴とする付記1記載のxDSL中継方法。
【0079】
(付記3)前記中継器と局間の通信が確立した後、再度中継器と加入者間のハンドシェークを行ない、中継器は該中継器と局間のハンドシェークで決定された通信方法を保持し、同一の通信方法を中継器と加入者間の通信方法として選択することを特徴とする付記2記載のxDSL中継方法。
【0080】
(付記4)前記中継器を有するxDSLシステムにおいて、ITU−TG.992.1及びG992.2勧告に規定されるイニシャリゼーションを行なう場合、中継器は該中継器と局間のイニシャリゼーションで決定されたデータ伝送容量を保持し、中継器と加入者間のイニシャリゼーションで算出された伝送可能容量が中継器と局間の伝送容量よりも大きかった場合は、中継器と局間の伝送容量を中継器と加入者間に適用し、中継器と加入者間の伝送可能容量が中継器と局間の伝送容量よりも小さかった場合には、中継器と加入者間の伝送可能容量を保持した後に中継器と加入者間及び中継器と局間の通信を一旦切断し、再度行なう中継器と局間のイニシャリゼーションにおいて、中継器と局間の伝送容量を中継器と加入者間の伝送可能容量未満に制限することを特徴とする付記1記載のxDSL中継方法。
【0081】
(付記5)ITU−TG.992.1及びG.992.2勧告に規定されるイニシャリゼーションを行なう場合、中継器と加入者間のイニシャリゼーションで算出された伝送遅延最小での伝送可能容量が、中継器と局間の伝送遅延最小論理チャネルの伝送容量未満である場合、中継器と加入者間の伝送遅延最小での伝送可能容量を保持した後に、中継器と加入者間及び中継器と局間の通信を一旦切断し、再度行なう中継器と局間のイニシャリゼーションにおいて、中継器と局間の伝送遅延最小論理チャネルの伝送容量を中継器と加入者間の伝送遅延最小での伝送可能容量未満に制限することを特徴とする付記1記載のxDSL中継方法。
【0082】
(付記6)中継器を有するxDSLシステムにおいて、中継器が初期トレーニング開始時に加入者装置から受信する信号パワーを基準として、中継器から加入者へ送信する信号パワーを可変させることを特徴とする付記1記載のxDSL中継方法。
【0083】
(付記7)前記中継器を有するxDSLシステムにおいて、要求されているBER(ビットエラーレート)を維持できるパフォーマンス・マージンの値を、局側と中継器間におけるイニシャリゼーション時に、局側から中継器へと通知し、保持し、その後に行なわれる中継器と加入者間におけるイニシャリゼーション時に保持していた上記値を中継器から加入者側へ通知することを特徴とする付記1記載のxDSL中継方法。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば以下の効果が得られる。
(1)請求項1記載の発明によれば、ATU−CとATU−Rの間にリピータが挿入された時の手順を雑音の影響を排除してて効率よく行なうことができるxDSL中継方法を提供することができる。また、先ず中継器と加入者側とのハンドシェークを行ない、次に中継器と局側のハンドシェークを行なうことにより、全体として局側と加入者側とのハンドシェークを行なうことができる。
(2)請求項2記載の発明によれば、中継器と局間、及び中継器と加入者間の通信方法として同一のものを設定することができる。
(3)請求項3記載の発明によれば、局間と中継器間の伝送容量、及び中継器と加入者間の伝送容量をバランスさせることができる。
(4)請求項4記載の発明によれば、中継器と局間の伝送遅延最小論理チャネルの伝送容量を中継器と加入者間の伝送遅延最小での伝送可能容量未満に制限することができる。
(5)請求項5記載の発明によれば、中継器と加入者装置間の信号パワーを最適に可変することができる。
【0085】
このように、本発明によれば、ATU−CとATU−Rの間にリピータが挿入された時の手順を雑音の影響を軽減して効率よく行なうことができるxDSL中継方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の原理を示すフローチャートである。
【図2】TTR同期のためのイニシャリゼーション手順を示す図である。
【図3】リピータを介してのハンドシェーク実行手順を示す図である。
【図4】イニシャリゼーション状態遷移図である。
【図5】伝送レート決定フローチャートを示す図である。
【図6】リピータの下り送信パワー決定の説明図である。
【図7】パフォーマンス・マージンの通知方法を示す図である。
【図8】従来のADSL伝送システムの概念図である。
【図9】リピータを有する従来のADSL伝送システムの概念図である。
【図10】Annex Cの概要を示す図である。
【図11】ハンドシェーク及びイニシャリゼーションのタイミングチャートである。
【図12】伝送速度−距離特性を示す図である。
【図13】ADSLとVDSLとの間に生じるFEXTの説明図である。
【図14】デュアル・レイテンシモードの説明図である。
【図15】ハイパーフレーム構造の説明図である。
【符号の説明】
1 局側ADSL装置(ATU−C)
2 加入者側ADSL装置(ATU−R)
5 リピータ(中継器)
Claims (5)
- 局側が決定するタイミングで周期的に漏話雑音量が変化する電話回線を伝送路とし、かつ中継器を有するxDSLシステムであって、
前記中継器は局側と中継器間における初期トレーニング及びデータ通信を先に行ない、次に局側との通信から抽出した漏話雑音タイミングを使用して中継器と加入者間の初期トレーニング及びデータ通信を行なう場合において(ステップ1)、
ハンドシェークを行なう場合、前記中継器は該中継器と加入者間のハンドシェークを最初に行なって加入者側装置のケーパビリティリストを保持した後に加入者側との通信を切断し、その後中継器と局側のハンドシェークを行なうことにより、加入者側装置のケーパビリティリストを局側へ伝達する(ステップ2)
ことを特徴とするxDSL中継方法。 - 前記中継器と局間の通信が確立した後、再度中継器と加入者間のハンドシェークを行ない、中継器は該中継器と局間のハンドシェークで決定された通信方法を保持し、同一の通信方法を中継器と加入者間の通信方法として選択することを特徴とする請求項1記載のxDSL中継方法。
- イニシャリゼーションを行なう場合、前記中継器は該中継器と局間のイニシャリゼーションで決定されたデータ伝送容量を保持し、中継器と加入者間のイニシャリゼーションで算出された伝送可能容量が中継器と局間の伝送容量よりも大きかった場合は、中継器と局間の伝送容量を中継器と加入者間に適用し、中継器と加入者間の伝送可能容量が中継器と局間の伝送容量よりも小さかった場合には、中継器と加入者間の伝送可能容量を保持した後に中継器と加入者間及び中継器と局間の通信を一旦切断し、再度行なう中継器と局間のイニシャリゼーションにおいて、中継器と局間の伝送容量を中継器と加入者間の伝送可能容量未満に制限することを特徴とする請求項1記載のxDSL中継方法。
- イニシャリゼーションを行なう場合、中継器と加入者間のイニシャリゼーションで算出された伝送遅延最小での伝送可能容量が、中継器と局間の伝送遅延最小論理チャネルの伝送容量未満である場合、中継器と加入者間の伝送遅延最小での伝送可能容量を保持した後に、中継器と加入者間及び中継器と局間の通信を一旦切断し、再度行なう中継器と局間のイニシャリゼーションにおいて、中継器と局間の伝送遅延最小論理チャネルの伝送容量を中継器と加入者間の伝送遅延最小での伝送可能容量未満に制限することを特徴とする請求項1記載のxDSL中継方法。
- 中継器を有するxDSLシステムにおいて、中継器が初期トレーニング開始時に加入者装置から受信する信号パワーを基準として、中継器から加入者へ送信する信号パワーを可変させることを特徴とする請求項1記載のxDSL中継方法。
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