JP3864596B2 - 限流システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化物超電導体を用いた限流システムに関し、特に酸化物超電導体からなる限流素子の劣化を低減し得る限流システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
電力回路において短絡故障により発生した過大電流を制限するための機器が限流器である。近年、超電導体を用いた限流器が開発されてきた。この超電導限流器は、短絡事故時に超電導体を超電導状態から常電導状態へ転移させる機構を利用している。
【0003】
超電導限流器には、大きくわけて、金属系超電導体を用いるものと、高温超電導体を用いるものの2種類がある。高温超電導体を用いる方式は、より高い温度で運転できるので、その開発が期待されている。
【0004】
高温超電導限流器には、主に遮蔽型と抵抗型の2種類がある。遮蔽型限流器は、たとえばIEEE TRANSACTIONS ON APPLIED SUPERCONDUCTIVITY,VOL.5,NO.2,JUNE 1995 に記載されている。トランス構造を有するこの遮蔽型限流器は、同心円状に配置された銅コイル、高温超電導チューブおよび鉄心からなっている。銅コイルは系統とつながれる。その内側に配置される超電導チューブは、銅コイルによる磁束が鉄心に入らないよう磁束を遮蔽する。コイルに過大電流が流れると、遮蔽が破れ、磁束が鉄心に入り、その結果コイルのインダクダンスが急激に増加して限流がなされる。抵抗型限流器において超電導体は系統に直列に接続される。事故時に、過大電流が流れると、超電導体はクエンチし、高い抵抗を発生させる。この発生した抵抗により、限流がなされる。抵抗型限流器には磁場印加式のものもある(エレクトロニクス 1991年3月号,pp49−53)。
【0005】
図1は磁場印加式抵抗型限流器を模式的に示している。限流器10において、コイル11の内部空間に超電導体12が配置される。過大な電流が検出されると、コイル11は、通電され、超電導体12に臨界磁界を超える磁界を印加する。その結果、超電導体12はクエンチさせられ、発生した抵抗により短絡電流は制限される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の超電導限流器は、いずれも欠点を有している。遮蔽型限流器では、高い抵抗を得るため大型のコイルが必要であり、コイルのために使用される線材の量は莫大なものになる。抵抗型限流器の場合、超電導体からなる限流素子が劣化しやすい。事故電流の大部分は限流素子のジュール発熱により消費される。このとき、素子の急激な温度上昇がおこり、その結果、素子が焼損したり、超電導体とそれを支持する基材との間の熱膨張差に起因して素子が劣化する可能性がある。高温超電導体は、金属系超電導体に比べて常電導伝搬速度が2桁低く、局所的な温度上昇を生じさせやすい。このため、限流動作中に超電導体の一部の温度が過度に上昇し、その部分が溶断する事故が起こり得る。高温超電導限流素子が液体窒素等の冷媒中に浸漬されて使用されるとき、発熱により発生する気泡が素子を覆い、熱伝導が悪くなる。また、素子に流れる大電流は、素子の温度を上昇させ、そのため復帰の時定数は変わり、事故後の復帰が遅れる可能性がある。
【0007】
本発明の目的は、抵抗型超電導限流素子の温度上昇および劣化が少ない限流システムを提供することにある。
【0008】
本発明のさらなる目的は、抵抗型超電導限流素子を用いて、事故後の復帰が比較的早い限流システムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による限流システムは、負荷に直列に接続される、酸化物超電導体からなる限流素子と、限流素子に磁場を印加するためのコイルと、発生した異常電流を検出するための手段と、負荷に並列に接続されるスイッチング素子と、負荷に並列に接続されかつスイッチング素子に直列に接続される抵抗素子とを備える。このシステムにおいて、異常電流の発生時に、コイルは通電されて限流素子に磁界を印加し、かつ検出手段による異常電流の検出に応答して、スイッチング素子はオン状態となり異常電流を部分的に流すためのバイパスを形成する。
【0010】
本発明において、複数のスイッチング素子を負荷に並列に接続してもよい。各スイッチング素子は検出手段による異常電流の検出に応答することができる。本発明において、複数の限流素子を負荷に直列に接続し、各限流素子に磁界を印加するためのコイルを設けてもよい。各コイルは検出手段による異常電流の検出に応答して通電され得る。本発明において、スイッチング素子は負荷に並列に接続されるサイリスタであることが好ましい。
【0011】
本発明においてコイルはビスマス系2223相酸化物超電導体等の酸化物超電導体からなることが好ましい。
【0012】
本発明において、コイルの励磁のため、発生した異常電流をコイルに流してもよい。
【0013】
本発明において、限流素子は、強制的に流動されている冷媒によって冷却してもよい。この強制的な流動により、冷媒は、その凝固点以下の温度で流動状態に維持され得る。
【0014】
また、本発明において、負荷を冷却するため強制的に循環される冷媒により、限流素子およびコイルを冷却してもよい。そのような冷却系は、たとえば、冷媒を強制的に循環するためのポンプ、強制的に循環される冷媒を冷却するための第1の冷却手段、冷媒を貯留するための容器、限流素子およびコイルに接触する冷媒を冷却するための第2の冷却手段、ならびに循環される冷媒を保持するための配管系を備えることができる。第1および第2の冷却手段はそれぞれ、ブレイトン・サイクル冷凍機に接続される熱交換器とすることができる。また第1および第2の冷却手段をスターリング・サイクル冷凍機またはGM冷凍機としてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明をより詳細に説明する。図2は、本発明による限流システムの一具体例を模式的に示す。交流電源28が接続される電力回路においてケーブル等の負荷23に直列に限流素子22が接続される。限流素子22はコイル21の内部空間に配置される。また電力回路には、事故時に流れる異常電流を検出するためのサーチコイル26が設けられる。サーチコイル26は制御回路27に接続される。さらに電力回路において負荷23に並列に抵抗素子24およびスイッチング素子としてのサイリスタ25が接続される。図中Lは回路インダクタンスを表す。サイリスタ25のゲートは制御回路27に接続される。またコイル21も制御回路27に接続される。限流素子22はたとえば図3に示すような構造を有する。限流素子22において基板22b上にはミアンダ構造の酸化物超電導体薄膜22aが形成される。薄膜22aの厚みはたとえば1〜5μmである。酸化物超電導体にはYBa2 Cu3 O7-X のイットリウム系高温超電導体が好ましく用いられる。基板には、イットリア安定化ジルコニア、酸化マグネシウム、ハステロイ等が用いられる。サイリスタには高速応答性で高耐圧性のものが好ましく用いられる。
【0016】
図2に示す限流システムの動作原理は以下のとおりである。負荷23に短絡電流が流れようとした時点で、サーチコイル26を介して短絡電流の発生が検出される。検出した電圧をトリガーとして制御回路によりコイル21は通電され、限流素子22に磁界が印加される。それまで超電導状態であった素子22は磁界により常電導状態に転移し、抵抗を発生させる。同時に、制御回路27によりサイリスタ25のゲートに電圧が印加され、サイリスタ25はターンオンの状態となり、抵抗素子24の比抵抗に応じて短絡電流の一部が流れるバイパスが形成される。かくして、限流素子に発生した抵抗により短絡電流が制限され、かつバイパスによって限流素子に流れる電流が減じられる。磁界の印加によって限流素子の超電導体全体がクエンチさせられるため、限流動作中に超電導体の一部の温度が過度に上昇することが抑制され、部分的な溶断が防がれる。加えて、サイリスタによるバイパスの形成によって、限流素子が限流のため負担するエネルギは減じられ、限流素子へのダメージは低減される。このことは、限流素子での温度上昇の抑制および限流素子の超電導状態への早い復帰につながる。
【0017】
本発明による限流システムのさらなる具体例を図4に示す。この具体例は複数の限流素子およびスイッチング素子を有している。交流電源48が接続される電力回路においてケーブル等の負荷43に直列に3つの限流素子42a、42bおよび42cが接続される。限流素子42a、42bおよび42cはそれぞれコイル41a、41bおよび41cの内部空間に配置される。また電力回路には、事故時に流れる異常電流を検出するためのサーチコイル46が設けられる。サーチコイル46は制御回路47に接続される。さらに電力回路において負荷43に並列に3つの抵抗素子44a、44bおよび44cならびにスイッチング素子としてのサイリスタ45a、45bおよび45cが接続される。図中Lは回路インダクタンスを表す。サイリスタ45a〜45cの各ゲートは制御回路47に接続される。またコイル41a〜41cも制御回路47に接続される。限流素子42a〜42cにはたとえば上述と同様のものが用いられる。サイリスタには高速応答性で高耐圧性のものが好ましく用いられる。
【0018】
図4に示す限流システムの以下のように動作させることができる。負荷43に短絡電流が流れようとした時点で、サーチコイル46を介して短絡電流の発生が検出される。検出した電圧をトリガーとして制御回路47によりコイル41cが通電され、限流素子42cに磁界が印加される。それまで超電導状態であった素子42cは磁界により常電導状態に転移し、抵抗を発生させる。同時に、制御回路47によりサイリスタ45cのゲートに電圧が印加され、サイリスタ45cはターンオンの状態となり、抵抗素子44cの比抵抗に応じて短絡電流の一部が流れるバイパスが形成される。このとき、検出器(図示省略)により測定された限流素子42c両端の電圧が所定の値以上であるとき、制御回路47によりコイル41bが通電され、限流素子42bに磁界が印加される。素子42bは磁界により常電導状態に転移し、限流作用のための抵抗を発生させる。同時に、制御回路47によりサイリスタ45bのゲートに電圧が印加され、抵抗素子44bの比抵抗に応じて短絡電流の一部が流れる追加のバイパスが形成される。一方、測定された電圧が所定の値に満たないとき、素子42a、抵抗素子42aおよびサイリスタ45aのみが限流動作に関与する。さらに、検出器(図示省略)により測定された限流素子42b両端の電圧が所定の値以上であるとき、同様にしてコイル41aが励磁され、サイリスタ45aがターンオンの状態となる。このようにして3つの限流素子と3つのサイリスタが限流動作に関与する。一方、素子42bの両端の電圧が所定の値に満たないとき、コイル42aおよびサイリスタ45aは限流動作に関与しない。このようにして、必要に応じ、適当な数および/または位置の限流素子ならびにサイリスタを作動させることができる。
【0019】
図4に示す限流システムは以下のように作動させてもよい。負荷43に短絡電流が流れようとした時点で、サーチコイル46を介して短絡電流の発生が検出される。検出した電圧をトリガーとして制御回路47により3つのコイル41a〜42cが通電され、3つの限流素子42a〜42cにそれぞれ磁界が印加される。それまで超電導状態であった3つの素子は磁界により常電導状態に転移し、抵抗を発生させる。同時に、制御回路47により3つのサイリスタ45a〜45cのゲートに電圧が印加され、サイリスタ45a〜45cはターンオンの状態となり、抵抗素子44a〜44cの比抵抗に応じて短絡電流の一部が流れる3つのバイパスが形成される。この場合のシミュレーション回路を図5に示す。図中、Eは電源電圧、Lは回路インダクタンス、RG1、RG2、RG3はそれぞれ限流素子の抵抗、RLOADは負荷の抵抗、R1 、R2 、R3 はそれぞれ抵抗素子の抵抗を表す。Eが100V、Lが0.01H、RG1、RG2、RG3がそれぞれ0.05Ω(ノーマル時)、RLOADが0.20Ω、R1 、R2 、R3 がそれぞれ20Ωの場合のシミュレーションの結果を図6に示す。図6中、実線は本発明の場合の結果、点線は抵抗素子およびサイリスタがない場合の結果を示している。この結果は、本発明による限流システムが、穏やかな限流をもたらし、かつ限流動作後、電流をほぼゼロに減衰させることができることを示している。一方、限流素子のみの場合、限流が一時的に急に起こり、限流動作後、一定の電流がある時間残り得ることがわかった。
【0020】
本発明において複数の限流素子を用いれば、短絡電流のエネルギをそれらに適当な態様で分配することができ、各素子のダメージを最小限に抑えることができる。必要に応じて限流素子に磁界を印加するコイルの数を決めることができる。複数の限流素子に1つのコイルで磁界を印加してもよいし、各限流素子にそれぞれコイルを設けてもよい。限流素子、コイル、抵抗素子およびスイッチング素子の数は、限流システムが使用される系統において想定される事故電流に応じて最適なものに設定すればよい。また、限流素子に磁場を印加するためコイルに直接事故電流を流すシステムを設けてもよい。
【0021】
上述した限流システムに、表1に示すようなコイルを用いることができる。
【0022】
【表1】
【0023】
たとえばこのコイル両端に130Vの電圧を印加し、0.1秒の高速で0.5Tの磁場をコイルの中心部に発生させる。この磁場を印加された限流素子は常電導状態に転移する。限流素子にイットリウム系酸化物超電導体(YBCO)薄膜を用いる場合、その臨界電流密度(Jc)の磁場依存性はたとえば図7のようになる。この超電導体の磁場ゼロ77Kにおける臨界電流密度は10万A/cm2 である。図中、(Ni)はNi基板上に形成されたYBCO薄膜を表し、(SrTiO3 )はSrTiO3 基板上形成されたYBCO薄膜を表す。図からわかるように、たとえば77Kで0.5Tの磁場をYBCO薄膜に印加すると、Jcは約1/4に低下する。したがって、77Kで臨界電流付近の電流を流す場合、0.5Tの磁場によって容易にYBCO限流素子を超電導から常電導に転移させ、高速で限流動作に入らせることができる。一方、磁場をゼロにすれば、高速で超電導状態を復帰させることができる。
【0024】
本発明による限流システムは図8に示すような冷却システムに組み込むことができる。なお、図をわかりやすくするため、限流システムのスイッチング素子、抵抗素子、短絡電流検出器およびそれらの制御機構を省略している。この冷却システムにより、負荷と限流システムは、循環する共通の冷媒によって冷却される。限流素子82a、82b、82cおよびコイル81は断熱式のFRP製容器91に収容される。素子82a〜82cに磁場を印加するためのコイル81はたとえばビスマス系2223相酸化物超電導コイルである。このシステムでは、1つのコイルが3つの限流素子に磁場を印加する。3つの限流素子は、ケーブル負荷83および電源88に、直列でブッシング84を介して接続される。容器91内にはさらに熱交換器96aが収容される。コイル81は別の電源98に接続される。ケーブル83、限流素子82a〜82cおよびコイル81を冷却する冷媒は、ケーブル83および容器91を通過する配管系92において、ポンプ93により強制的に循環される。ポンプ93により冷媒は二重管94aを通ってタンク95に送られる。タンク95内には冷却のための熱交換器96bが設けられる。また、タンク95内には冷媒を攪拌するためのスクリュー97が設けられている。タンク95を出た冷媒は、ケーブル負荷83に送られる。冷媒は、ケーブル負荷83からFRP容器91に送られ、限流素子82a〜82cおよびコイル81を冷却する。容器91を出た冷媒は二重管94bを介してポンプ93に送られる。このシステムにおいて冷媒はブレイトン・サイクル冷凍機101によって冷却される。ブレイトン・サイクル冷凍機101は、ヘリウムガスを断熱膨張するための膨張タービン102および断熱圧縮するためのコンプレッサー103を有する。ヘリウムガスは配管系104を介し冷凍サイクルにおいて循環させられている。配管系104には冷却のための熱交換器96aおよび96bが配置される。このような冷却システムにおいて強制的な循環によって冷媒を流動させる場合、静止状態にある冷媒の本来の凝固点または三重点以下の温度で、冷媒を流動状態に保つことができる。過冷却状態にある冷媒で冷却を行なえば、超電導体においてより高いJcを得ることができる。超電導ケーブルを負荷に用いる場合、このような過冷却状態はより有利である。冷却システムにおいて冷媒の温度を本来の凝固点または三重点以下にする場合、冷媒の粘度をモニターする手段および冷媒の流量を測定する手段を配管系に設けることが好ましい。負荷および限流システムのための冷媒には、液体窒素、液体空気、液体窒素と液体酸素との混合物等を使用することができる。また、タンク95に気体の空気を供給して、熱交換器96bの冷却により液化してもよい。液化された空気は、ポンプ93によって循環される。
【0025】
また、本発明による限流システムは図9に示すような冷却システムに組み込んでもよい。なお、図をわかりやすくするため、限流システムのスイッチング素子、抵抗素子、短絡電流検出器およびそれらの制御機構を省略している。この冷却システムでも、負荷と限流システムは、循環する共通の冷媒によって冷却される。限流素子82a、82b、82cおよび対応するコイル81a、81b、81cは断熱式のFRP製容器91に収容される。隣り合う素子同士の間には鋼鉄製の遮蔽板110a、110bが設けられ、各素子が独立して作動するようになっている。素子82a〜82cにそれぞれ磁場を印加するためのコイル81a〜81cはたとえばビスマス系2223相酸化物超電導コイルである。3つの限流素子は、超電導機器113および電源88に、直列でブッシング84を介して接続される。容器91内にはさらに、圧縮機120aおよびピストン120bを有するGM冷凍機120の熱交換器121が収容される。コイル81a〜81cは別の電源98に接続される。冷媒は、配管系92において、ポンプ93により強制的に循環される。ポンプ93により冷媒は二重管94aを通ってタンク95に送られる。タンク95内には、圧縮機130aおよび130bを有するGM冷凍機130の熱交換器131が収容される。また、タンク95内には冷媒を攪拌するためのスクリュー97が設けられている。タンク95を出た冷媒は、超電導機器113に送られる。冷媒は、超電導機器113からFRP容器91に送られ、限流素子82a〜82cおよびコイル81a〜81cを冷却する。容器91を出た冷媒は二重管94bを介してポンプ93に送られる。このシステムにおいて容器91内の冷媒およびタンク95内の冷媒は独立にGM冷凍機によって冷却される。この冷却システムは、図8に示すものより簡便であり、負荷のサイズが比較的小さい場合に適している。このような冷却システムにおいても強制的な循環によって冷媒を流動させる場合、静止状態にある冷媒の本来の凝固点または三重点以下の温度で、冷媒を流動状態に保つことができる。過冷却状態にある冷媒で冷却を行なえば、超電導体においてより高いJcを得ることができる。冷却システムにおいて冷媒の温度を本来の凝固点または三重点以下にする場合、冷媒の粘度をモニターする手段および冷媒の流量を測定する手段を配管系に設けることが好ましい。負荷および限流システムのための冷媒には、液体窒素、液体空気、液体窒素と液体酸素との混合物等を使用することができる。また、タンク95に気体の空気を供給して、熱交換器131の冷却により液化してもよい。液化された空気は、ポンプ93によって循環される。
【0026】
上記冷却システムでは、限流素子とコイルを同じ冷媒で同時に冷却しているが、限流素子とコイルとをそれぞれ異なる冷却システムで冷却してもよい。また、負荷と限流システムとをそれぞれ異なる冷却システムで冷却してもよい。この場合でも、冷媒を循環させることが好ましい。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、超電導限流素子に負担させるエネルギを減らすことができ、限流時の素子へのダメージを減らすことができる。本発明による限流システムは、穏やかにかつ安定して事故電流を減衰させ得る。限流素子における温度上昇も低減することができる。このため、復帰の早い限流システムを提供することができる。また、冷媒を循環する限流システムでは、冷媒をプールするシステムに比べて約5倍の冷凍能力を見込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁場印加式超電導限流器の一具体例を示す模式図である。
【図2】本発明による限流システムの一具体例を模式的に示す図である。
【図3】限流素子の一具体例を模式的に示す図である。
【図4】本発明による限流システムのもう一つの具体例を模式的に示す図である。
【図5】図4に示す限流システムのシミュレーション回路を示す図である。
【図6】図5に示す回路におけるシミュレーションの結果を示す図である。
【図7】YBCO薄膜限流素子のJc−B−T特性を示す図である。
【図8】限流システムのための冷却システムの一具体例を示す模式図である。
【図9】限流システムのための冷却システムのもう一つの具体例を示す模式図である。
【符号の説明】
21、41a、41b、41c コイル
22、42a、42b、42c 限流素子
23 負荷
24、44a、44b、44c 抵抗素子
43 ケーブル負荷
25、45a、45b、45c サイリスタ
Claims (12)
- 負荷に直列に接続される、酸化物超電導体からなる限流素子と、
前記限流素子に磁場を印加するためのコイルと、
発生した異常電流を検出するための手段と、
前記負荷に並列に接続されるスイッチング素子と
前記負荷に並列に接続されかつ前記スイッチング素子に直列に接続される抵抗素子とを備え、
前記異常電流の発生時に、前記コイルは通電されて前記限流素子に磁界を印加し、かつ
前記検出手段による異常電流の検出に応答して、前記スイッチング素子はオン状態となり前記異常電流を部分的に流すためのバイパスを形成することを特徴をする、限流システム。 - 複数の前記スイッチング素子が前記負荷に並列に接続され、各スイッチング素子が前記検出手段による異常電流の検出に応答することを特徴とする、請求項1に記載の限流システム。
- 複数の前記限流素子が前記負荷に直列に接続され、
各限流素子に磁界を印加するためのコイルが設けられ、
各コイルは前記検出手段による異常電流の検出に応答して通電されることを特徴とする、請求項1または2に記載の限流システム。 - 前記スイッチング素子は前記負荷に並列に接続されるサイリスタであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の限流システム。
- 前記コイルがビスマス系2223相酸化物超電導体からなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の限流システム。
- 前記コイルの励磁のため前記異常電流が前記コイルに流されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の限流システム。
- 前記限流素子が、強制的に流動されている冷媒によって冷却されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の限流システム。
- 前記強制的な流動により、前記冷媒は、前記冷媒の凝固点以下の温度で流動状態に維持されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の限流システム。
- 前記負荷を冷却するため強制的に循環される冷媒により、前記限流素子および前記コイルが冷却されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の限流システム。
- 冷媒を強制的に循環するためのポンプ、前記強制的に循環される冷媒を冷却するための第1の冷却手段、前記冷媒を貯留するための容器、前記限流素子および前記コイルに接触する冷媒を冷却するための第2の冷却手段、ならびに前記循環される冷媒を保持するための配管系を備えることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の限流システム。
- 前記第1および第2の冷却手段が、ブレイトン・サイクル冷凍機に接続される熱交換器であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の限流システム。
- 前記第1および第2の冷却手段がスターリング・サイクル冷凍機またはGM冷凍機であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の限流システム。
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1998
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