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JP3862541B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置 Download PDF

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JP3862541B2
JP3862541B2 JP2001317298A JP2001317298A JP3862541B2 JP 3862541 B2 JP3862541 B2 JP 3862541B2 JP 2001317298 A JP2001317298 A JP 2001317298A JP 2001317298 A JP2001317298 A JP 2001317298A JP 3862541 B2 JP3862541 B2 JP 3862541B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動パワーステアリング装置に関し、特に、操舵力アシストの応答性向上技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、特開昭57−201767号公報に記載された電動パワーステアリング装置においては、電動モータで駆動される可逆式ポンプの一対の吐出口に接続された油圧アクチュエータ(油圧パワーシリンダ)が、操舵軸の操舵トルクに応じて操舵力をアシストするようになっている。
【0003】
また、特開2000−142433号公報に記載のパワーステアリング装置にあっては、操舵力センサからの操舵トルク信号に位相進み補償部が設けられている。この位相進み補償部は、操舵トルク信号から操舵系の摩擦等によって生じる制御系伝達特性の遅れを補償するために設けられたものであり、この位相進み補償部には、操舵トルク信号の位相を変化させて、制御系の安定を図ったり、パワーアシスト用電動モータの慣性による遅れを打ち消したりする作用がある。この位相進み補償部は、アナログ回路またはデジタル回路によって構成されており、その周波数応答性特性は、操舵トルク信号の周波数の増加に伴って、なんら位相補償しない場合よりもゲインおよび位相進みが増大する特性を持っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の電動パワーステアリング装置においては、油路内の油圧が高い場合には操舵力アシストの反応速度が速くなるが、油路内の油圧が低い場合には油圧が高まるまでの時間がかかるため、操舵力アシストの反応速度が遅くなるという特性を有している。従って、油路内の油圧の状態によって反応速度が異なるため、操舵フィーリングを悪化させる虞があるという問題点を有していた。
【0005】
本発明は、上述の従来の問題点に着目してなされたもので、油路内の油圧の変動に基づく操舵力アシストの遅れを適切に補正することができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明請求項1記載の電動パワーステアリング装置は、操舵機構に連係された操舵軸と、前記操舵機構の操舵力を補助する油圧パワーシリンダと、該油圧パワーシリンダの両各油圧室に対し第1通路および第2通路を介して油圧を供給する一対の吐出口を備えた可逆式ポンプと、該可逆式ポンプを正・逆回転駆動させる電動機と、前記操舵軸の回転方向を検出する操舵方向検出手段と、前記操舵軸に作用する操舵力を検出する操舵力検出手段と、該操舵力検出手段で検出された操舵力信号および前記操舵方向検出手段で検出された操舵軸の回転方向信号に基づき前記電動機に対し駆動信号を出力する電動機制御手段と、前記操舵力検出手段によって検出された操舵力検出信号の位相を所定量だけ進める補償を行う位相補償手段と、備えた電動パワーステアリング装置において、前記電動パワーステアリング装置を構成する油路内の油圧を検出もしくは推定する油圧検出手段と、前記位相補償手段が伝達特性を異にする複数の位相進み補償部で構成され、前記油圧検出手段で検出もしくは推定された油路内の油圧が低いほど位相進み量の大きい伝達特性の位相進み補償部に切り換える位相進み補償部切換判断手段と、を備えている手段とした。
【0008】
請求項記載の電動パワーステアリング装置は、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、前記油圧検出手段が、前記操舵力検出手段で検出された操舵力検出信号から油圧を推定するように構成されている手段とした。
【0009】
請求項記載の電動パワーステアリング装置は、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、前記電動機に流れる電流を検出する電流検出手段を備え、前記油圧検出手段が、前記電流検出手段で検出された電動機に流れる電流から油圧を推定するように構成されている手段とした。
【0010】
請求項記載の電動パワーステアリング装置は、請求項1〜のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置において、車速を検出する車速検出手段を備え、前記位相進み補償手段が前記車速検出手段で検出された車速が高速になるほど位相進み量の小さい伝達特性の位相進み補償部に切り換えるように構成されている手段とした。
【0011】
【作用】
この発明請求項1記載の電動パワーステアリング装置では、上述のように、前記位相進み補償手段が、伝達特性を異にする複数の位相進み補償部で構成されていて、位相進み補償部切換判断手段において、油圧検出手段で検出もしくは推定された油路内の油圧に応じた伝達特性の位相進み補償部に切り換えが行われるもので、これにより、油路内の油圧に依存する操舵力アシストの遅れを適切に補正することができるようになる。
【0012】
具体的には、上述のように、前記位相進み補償部切換判断手段において油路内の油圧が低いほど位相進み量の大きい伝達特性の位相進み補償部に切り換えることにより、油路内の油圧の低下に応じて操舵力アシストの反応速度が低下する現象を、大きな位相進み量によって改善することができると共に、油路内の油圧が十分に高い場合の位相の進み過ぎによる操舵力アシスト時における違和感の発生を防止することができるようになる。
【0013】
請求項記載の電動パワーステアリング装置では、前記油圧検出手段として、別に油圧センサを設けることなしに、前記操舵力検出手段で検出された操舵力検出信号から油圧を推定するようにしたことで、コストアップを大幅に低減できるようになる。
【0014】
請求項記載の電動パワーステアリング装置では、前記油圧検出手段として、別に油圧センサを設けることなしに、前記電流検出手段で検出された電動機に流れる電流から油圧を推定するようにしたことで、コストアップを大幅に低減できるようになる。
【0015】
請求項記載の電動パワーステアリング装置では、前記位相進み補償手段において車速検出手段で検出された車速が高速になるほど位相進み量の小さい伝達特性の位相進み補償部に切り換えるようにしたことで、車速に応じた操舵力アシストの反応速度とすることができるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(発明の実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1の電動パワーステアリング装置の構成を図1の概略構成図に基づいて説明する。
【0017】
この発明の実施の形態1の電動パワーステアリング装置は、図1に示すように、操舵入力手段であるステアリングホイール20が連結された操舵軸21と、該操舵軸21の下端部の出力軸22に設けられたラック・ピニオン23、24と、出力軸22の下端側に設けられてステアリングホイール20の操舵トルクを検出する操舵力センサ26と、前記ラックに連繋された油圧パワーシリンダ27と、該油圧パワーシリンダ27に油圧を給排する油圧回路(油路)28と、を備えている。
【0018】
前記油圧パワーシリンダ27は、車体幅方向に延設された筒状シリンダ部29内を前記ラックに連繋したピストンロッド30が貫通していると共に、該ピストンロッド30に筒状シリンダ部29内を摺動するピストン31が固定されている。また、筒状シリンダ部29内にはピストン31によって左右の第1油圧室32と第2油圧室33が隔成されている。なお、25a、25bは、ピストンロッド30の両端部にリンクを介して連繋された左右前輪である。
【0019】
前記油圧回路28は、各一端部が前記各油圧室32、33に接続された一対の第1、第2連通路34、35と該両連通路34、35の他端部に接続されて電動モータ(電動機)36によって正逆回転可能であり、一対の吐出口35a、35bから選択的に第1、第2油圧室32、33への油圧の供給を行う1つの可逆式ポンプ37と、前記可逆式ポンプ37に接続されていて、内部に作動油を貯留したリザーバ39とから構成されている。
【0020】
前記リザーバ39は、内部に貯留された作動油を供給路38を介して前記可逆式ポンプ37に供給補充するようになっていると共に、該可逆式ポンプ37の各構成部材からリークした作動油を回収するようになっている。
【0021】
前記電動モータ36は、コントロールユニットECUから出力される制御電流によって正逆回転制御されるようになっており、このコントロールユニットECUは、前記操舵力センサ26からの操舵トルク信号等の情報信号に基づいて演算により前記制御電流を出力する。
【0022】
次に、このコントロールユニット(電動機制御手段)ECUにおける電動モータ駆動制御の内容を図2の制御ブロック図に基づいて説明する。
まず、第1の位相進み補償部(位相補償手段)E1-1、および、第2の位相進み補償部(位相補償手段)E1-2では、操舵力センサ26で検出された操舵トルク信号Tの位相を所定量だけ進めた第1の位相進み補償信号T1-1、および、第2の位相進み補償信号T1-2を発生させる。なお、前記第1の位相進み補償部E1-1と、第2の位相進み補償部E1-2は、そのゲインおよび位相の進み量が互いに異なるようにその伝達特性を異ならせたものとなっている。ちなみに、第1の位相進み補償部E1-1より第2の位相進み補償部E1-2の方がゲインおよび位相の進み量が小さくなるようにその伝達特性が設定されている。
【0023】
そして、位相進み補償切換判断部(位相進み補償切換判断手段)E2では、前記操舵力センサ26で検出された操舵トルク信号Tの絶対値 |T| が所定の閾値Ts以下であるか否かを判定し、YES( |T| ≦Ts)である時は、補正操舵信号T2を第1の位相進み補償部E1-1で補償されたゲインおよび位相進み量の大きい第1の位相進み補償信号T1-1に切り換え、また、NO( |T| >Ts)である時は、第2の位相進み補償部E1-2で補償されたゲインおよび位相進み量の小さい第2の位相進み補償信号T1-2に切り換える。
【0024】
電流指令演算部E3では、前記位相進み補償切換判断部E2で切り換え出力された補正操舵信号T2(第1の位相進み補償信号T1-1または第2の位相進み補償信号T1-2)を基に、電流指令値Iを演算する処理が行われる。この電流指令演算部E3には、図中にグラフで模式的に示すように、補正操舵信号T2に対応する電流指令値Iを演算するためのメモリとデジタル演算回路とを備えている。
【0025】
電動モータ駆動部E4では、前記電流指令演算部E3で演算された電流指令値Iに基づき電動モータ36の駆動が行われる。この電動モータ駆動部E4は、パワーMOS等から構成されていて、前記電流指令演算部E3の出力である電流指令値Iを図示を省略したD/A変換器を介して電圧として受け取り、電動モータ36を駆動制御する。
【0026】
次に、この発明の実施の形態1で電動パワーステアリング装置における電動モータ駆動制御の内容を、図3のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS101では、操舵力センサ26で検出された操舵トルク信号Tを読み込み、ステップS102では、第1の位相進み補償部E1-1において、操舵トルク信号Tの位相を所定量だけ進めた第1の位相進み補償信号T1-1を発生させる位相進み補償をし、ステップS103では、第2の位相進み補償部E1-2において、操舵トルク信号Tの位相を前記第1の位相進み補償信号T1-1よりは少ない所定量だけ進めた第2の位相進み補償信号T1-2を発生させる位相進み補償をする。
【0027】
続くステップS104では、位相進み補償切換判断部E2において、前記操舵力センサ26で検出された操舵トルク信号Tの絶対値 |T| が所定の閾値Ts以下であるか否かを判定し、YES( |T| ≦Ts)である時は、ステップS105に進んで補正操舵信号T2を第1の位相進み補償部E1-1で補償された第1の位相進み補償信号T1-1に切り換え、電流指令値演算部E3において、この補正操舵信号T2(第1の位相補正操舵信号T1-1)を基に電流指令値Iを演算する処理が行われる。
【0028】
即ち、前記操舵トルク信号Tは操舵軸21にかかるトルクを検出しており、この操舵軸21にかかるトルクは油圧パワーシリンダ27を軸線方向に移動させる力に相当するため、操舵トルク信号Tにより油圧回路28内の油圧を推定することができる。そして、油圧回路28内の油圧が低い場合には、油圧回路28の油圧が高まるまでの時間がかかるため、操舵力アシストの反応速度が遅くなる。そこで、油圧回路28内の油圧が低い場合(操舵トルク信号Tの絶対値 |T| が所定の閾値Ts以下である場合)には、補正操舵信号T2としてゲインおよび位相進み量の大きい第1の位相補正操舵信号T1-1を用いることにより、油圧回路28内の油圧低下時における操舵力アシストの遅れを適切に補正することができるようになる。
【0029】
また、前記ステップS104の判定がNO( |T| >Ts)である時は、ステップS106に進んで補正操舵信号T2を第2の位相進み補償部E1-2で補償された第2の位相進み補償信号T1-2に切り換え、電流指令値演算部E3において、この補正操舵信号T2(第2の位相補正操舵信号T1-2)を基に電流指令値Iを演算する処理が行われる。
【0030】
即ち、油圧回路28内の油圧が高い場合には、(操舵トルク信号Tの絶対値 |T| が所定の閾値Tsを越えている場合)には、補正操舵信号T2としてゲインおよび位相進み量の少ない第2の位相補正操舵信号T1-2を用いることにより、油圧回路28内の油圧が十分に高い場合の位相の進み過ぎによる操舵力アシスト時における違和感の発生を防止しつつ、制御系伝達特性の遅れを適切に補償することができるようになる。
【0031】
そして、電流指令演算部E3では、前記位相進み補償切換判断部E2で切り換え出力された補正操舵信号T2(第1の位相進み補償信号T1-1または第2の位相進み補償信号T1-2)を基に、電流指令値Iを演算する処理が行われると共に、この電流指令値Iに基づき、電動モータ駆動部E4において、電動モータ36の駆動制御が行われることになる。
【0032】
以上詳細に説明してきたように、この発明の実施の形態1の電動パワーステアリング装置にあっては、油圧回路28内の油圧が十分に高い場合の位相の進み過ぎによる操舵力アシスト時における違和感の発生を防止しつつ、油圧回路28内の油圧低下時における操舵力アシストの遅れを適切に補正することができるようになるという効果が得られる。
【0033】
また、油圧回路28内の油圧を検出するための手段として、別に油圧センサを設けることなしに、操舵力センサ26で検出された操舵トルク信号Tから油圧を推定するようにしたことで、コストアップを大幅に低減できるようになる。
【0034】
次に、本発明の他の実施の形態を説明する。なお、この他の発明の実施の形態の説明にあたっては、前記発明の実施の形態1と同様の構成部分は図示および説明を省略し、または同一の符号を付してその説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
【0035】
(発明の実施の形態2)
この発明の実施の形態2の電動パワーステアリング装置は、図4のブロック図に示すように、油圧検出手段が操舵力センサ26と、油圧推定部E5とで構成されている点で前記発明の実施の形態1とは相違したものである。
従って、図5のフローチャートに示すように、ステップS204が追加された内容となっている。
【0036】
即ち、ステップS204では、油圧推定部E5において前記操舵力センサ26で検出された操舵トルク信号Tから油圧を推定する処理を行った後、続くステップS205では、位相進み補償切換判断部E2において、前記油圧推定部E5で推定された油圧信号Pが所定の閾値Ps以下であるか否かを判定し、YES(P≦Ps)である時は、ステップS206に進んで補正操舵信号T2を第1の位相進み補償部E1-1で補償された第1の位相進み補償信号T1-1に切り換え、また、NO(P>Ps)である時は、ステップS207に進んで補正操舵信号T2を第2の位相進み補償部E1-2で補償された第2の位相進み補償信号T1-2に切り換える処理がなされることになる。
従って、この発明の実施の形態2によれば、前記発明の実施の形態1とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0037】
(発明の実施の形態3)
この発明の実施の形態2の電動パワーステアリング装置は、図6のブロック図に示すように、油圧検出手段がモータ電流センサ40と、油圧推定部E6とで構成されている点で前記発明の実施の形態1、2とは相違したものである。
従って、図7のフローチャートに示すように、ステップS304が追加された内容となっている。
【0038】
即ち、ステップS304では、モータ電流センサ40で検出されたモータ電流信号を読み込み、続くステップS305では、油圧推定部E6においてこのモータ電流信号から油圧を推定する処理を行った後、続くステップS306では、位相進み補償切換判断部E2において、前記油圧推定手段E6で推定された油圧信号Pが所定の閾値Ps以下であるか否かを判定し、YES(P≦Ps)である時は、ステップS307に進んで補正操舵信号T2を第1の位相進み補償部E1-1で補償された第1の位相進み補償信号T1-1に切り換え、また、NO(P>Ps)である時は、ステップS308に進んで補正操舵信号T2を第2の位相進み補償部E1-2で補償された第2の位相進み補償信号T1-2に切り換える処理がなされることになる。
従って、この発明の実施の形態3によれば、前記発明の実施の形態2とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0039】
(発明の実施の形態4)
この発明の実施の形態4の電動パワーステアリング装置は、図8のブロック図に示すように、油圧検出手段が操舵力センサ26に代え、油圧センサ41で構成されている点で前記発明の実施の形態1とは相違したものである。
従って、図9のフローチャートに示すように、ステップS404が追加されると共に、ステップS405の判定内容が、前記発明の実施の形態1における図3のステップS104とは相違している点以外は、前記発明の実施の形態1と同様である。
【0040】
即ち、ステップS404では、油圧センサ41で検出された油圧信号Pを読み込み、続くステップS405では、位相進み補償切換判断部E2において、前記油圧センサ41で検出された油圧信号Pが所定の閾値Ps以下であるか否かを判定し、YES(P≦Ps)である時は、ステップS406に進んで補正操舵信号T2を第1の位相進み補償部E1-1で補償された第1の位相進み補償信号T1-1に切り換え、また、NO(P>Ps)である時は、ステップS407に進んで補正操舵信号T2を第2の位相進み補償部E1-2で補償された第2の位相進み補償信号T1-2に切り換える処理がなされることになる。
【0041】
従って、この発明の実施の形態4によれば、前記発明の実施の形態1とほぼ同様の効果を得ることができる。
なお、この発明の実施の形態4によれば、別途に圧力センサ41を備える分コストアップとなるが、油圧回路28の油圧を直接検出できることから、正確な油圧判断による的確な補償が可能となると共に、操舵トルク信号や、モータ電流信号から油圧信号Pを推定する計算が不要となる。
【0042】
(発明の実施の形態5)
この発明の実施の形態5の電動パワーステアリング装置は、図10のブロック図に示すように、車速センサ(車速検出手段)42を備え、この車速センサ42で検出された車速信号Vと、前記操舵力センサ26で検出された操舵トルク信号Tに基づいて位相進み補償の切り換えを行うようにしたもので、追加された車速信号Vに対する選択範囲を広げるため、ゲインおよび位相進み量を異にする4種類の位相進み補償部(第1の位相進み補償部E1-1、第2の位相進み補償部E1-2、第3の位相進み補償部E1-3、第4の位相進み補償部E1-4)を備えた点で、前記発明の実施の形態1とは相違したものである。このため、位相進み補償切換判断部E2の内容が相違したものとなっている。
【0043】
以下、前記位相進み補償切換判断部E2の内容を含め、電動モータ駆動制御の内容を図11のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS501では、操舵力センサ26で検出された操舵トルク信号Tを読み込み、ステップS502では、第1の位相進み補償部E1-1において、操舵トルク信号Tの位相を所定量だけ進めた第1の位相進み補償信号T1-1を発生させる位相進み補償をし、ステップS503では、第2の位相進み補償部E1-2において、操舵トルク信号Tの位相を前記第1の位相進み補償信号T1-1よりは少ない所定量だけ進めた第2の位相進み補償信号T1-2を発生させる位相進み補償をし、ステップS504では、第3の位相進み補償部E1-3において、操舵トルク信号Tの位相を前記第2の位相進み補償信号T1-1よりは少ない所定量だけ進めた第3の位相進み補償信号T1-3を発生させる位相進み補償をし、ステップS505では、第4の位相進み補償部E1-4において、操舵トルク信号Tの位相を前記第3の位相進み補償信号T1-4よりは少ない所定量だけ進めた第4の位相進み補償信号T1-4を発生させる位相進み補償をする。
【0044】
なお、図12(イ)、(ロ)は第1の位相進み補償部E1-1におけるゲインおよび位相特性、13(イ)、(ロ)は第2の位相進み補償部E1-2におけるゲインおよび位相特性、14(イ)、(ロ)は第3の位相進み補償部E1-3におけるゲインおよび位相特性、15(イ)、(ロ)は第4の位相進み補償部E1-4におけるゲインおよび位相特性をそれぞれ示すボード線図である。
【0045】
続くステップS506では、車速センサ42で検出された車速信号Vを読み込むと共に、ステップS507では、位相進み補償切換判断部E2において該車速信号Vが所定の閾値Vs以下か否かを判定し、YES(V≦Vs)である時はステップS508に進む。
このステップS508では、位相進み補償切換判断部E2において、前記操舵力センサ26で検出された操舵トルク信号Tの絶対値 |T| が所定の閾値Ts以下であるか否かを判定し、YES( |T| ≦Ts)である時は、ステップS509に進んで補正操舵信号T2を第1の位相進み補償部E1-1で補償された第1の位相進み補償信号T1-1に切り換え、電流指令値演算部E3において、この補正操舵信号T2(第1の位相補正操舵信号T1-1)を基に電流指令値Iを演算する処理が行われる。
【0046】
また、前記ステップS508の判定がNO( |T| >Ts)である時は、ステップS510に進んで補正操舵信号T2を第2の位相進み補償部E1-2で補償された第2の位相進み補償信号T1-2に切り換え、電流指令値演算部E3において、この補正操舵信号T2(第2の位相補正操舵信号T1-2)を基に電流指令値Iを演算する処理が行われる。
【0047】
また、前記ステップS507の判定がNO(V>Vs)である時はステップS511に進む。
このステップS511では、位相進み補償切換判断部E2において、前記操舵力センサ26で検出された操舵トルク信号Tの絶対値 |T| が所定の閾値Ts以下であるか否かを判定し、YES( |T| ≦Ts)である時は、ステップS512に進んで補正操舵信号T2を第3の位相進み補償部E1-3で補償された第3の位相進み補償信号T1-3に切り換え、電流指令値演算部E3において、この補正操舵信号T2(第3の位相補正操舵信号T1-3)を基に電流指令値Iを演算する処理が行われる。
【0048】
また、前記ステップS511の判定がNO( |T| >Ts)である時は、ステップS513に進んで補正操舵信号T2を第4の位相進み補償部E1-4で補償された第4の位相進み補償信号T1-4に切り換え、電流指令値演算部E3において、この補正操舵信号T2(第4の位相補正操舵信号T1-4)を基に電流指令値Iを演算する処理が行われる。
【0049】
従って、この発明の実施の形態5によれば、前記発明の実施の形態1とほぼ同様の効果を得ることができる他、位相進み補償切換部E2において車速センサ42で検出された車速信号Vに応じた伝達特性の位相進み補償部に切り換えるようにしたことで、車速に応じた操舵力アシストの反応速度とすることができるようになるという効果が得られる。
また、車速信号Vが高速になるとゲインおよび位相進み量を低減させる方向に切り換えるようにしたことで、操舵感度の低下により、高速走行時における急激な転舵を防止できるようになる。
【0050】
以上発明の実施の形態を図面により説明したが、具体的な構成はこれらの発明の実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0051】
例えば、発明の実施の形態1〜3では、位相進み補償部を2個設けたが、3個以上設けることにより、切り換え時の違和感を低減できるようになる。
また、発明の実施の形態5では、高速走行時の方が低速走行時よりもゲインおよび位相進み量を低減させる方向に切り換えるようにしたが、場合によっては逆に高める方向に切り換えるようにしてもよい。この場合は、操舵感度の向上による高速走行時における危険回避機能を高めることができるようになる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明請求項1記載の電動パワーステアリング装置では、上述のように、電動パワーステアリング装置を構成する油路内の油圧を検出もしくは推定する油圧検出手段と、前記位相補償手段が伝達特性を異にする複数の位相進み補償部で構成され、前記油圧検出手段で検出もしくは推定された油路内の油圧に応じた伝達特性の位相進み補償部に切り換える位相進み補償部切換判断手段と、を備えている手段としたことで、油路内の油圧に依存する操舵力アシストの遅れを適切に補正することができるようになるという効果が得られる。
【0053】
具体的に、前記位相進み補償部切換判断手段が、前記油路内の油圧が低いほど位相進み量の大きい伝達特性の位相進み補償部に切り換えるように構成されている手段としたことで、油路内の油圧の低下に応じて操舵力アシストの反応速度が低下する現象を、大きな位相進み量によって改善することができると共に、油路内の油圧が十分に高い場合の位相の進み過ぎによる操舵力アシスト時における違和感の発生を防止することができるようになる。
【0054】
請求項記載の電動パワーステアリング装置は、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、前記油圧検出手段が、前記操舵力検出手段で検出された操舵力検出信号から油圧を推定するように構成されている手段としたことで、油圧センサの省略によりコストアップを大幅に低減できるようになる。
【0055】
請求項記載の電動パワーステアリング装置は、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、前記電動機に流れる電流を検出する電流検出手段を備え、前記油圧検出手段が、前記電流検出手段で検出された電動機に流れる電流から油圧を推定するように構成されている手段としたことで、油圧センサの省略によりコストアップを大幅に低減できるようになる。
【0056】
請求項記載の電動パワーステアリング装置は、請求項1〜のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置において、車速を検出する車速検出手段を備え、前記位相進み補償手段が前記車速検出手段で検出された車速が高速になるほど位相進み量の小さい伝達特性の位相進み補償部に切り換えるように構成されている手段としたことで、車速に応じた操舵力アシストの反応速度とすることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態1の電動パワーステアリング装置が適用された電動パワーステアリング装置を示す概略構成図である。
【図2】発明の実施の形態1の電動パワーステアリング装置における電動モータ駆動制御の内容を示す制御ブロック図である。
【図3】発明の実施の形態1の電動パワーステアリング装置における電動モータ駆動制御の内容を示すフローチャートである。
【図4】発明の実施の形態2の電動パワーステアリング装置における電動モータ駆動制御の内容を示す制御ブロック図である。
【図5】発明の実施の形態2の電動パワーステアリング装置における電動モータ駆動制御の内容を示すフローチャートである。
【図6】発明の実施の形態3の電動パワーステアリング装置における電動モータ駆動制御の内容を示す制御ブロック図である。
【図7】発明の実施の形態3の電動パワーステアリング装置における電動モータ駆動制御の内容を示すフローチャートである。
【図8】発明の実施の形態4の電動パワーステアリング装置における電動モータ駆動制御の内容を示す制御ブロック図である。
【図9】発明の実施の形態4の電動パワーステアリング装置における電動モータ駆動制御の内容を示すフローチャートである。
【図10】発明の実施の形態5の電動パワーステアリング装置における電動モータ駆動制御の内容を示す制御ブロック図である。
【図11】発明の実施の形態5の電動パワーステアリング装置における電動モータ駆動制御の内容を示すフローチャートである。
【図12】発明の実施の形態5の電動パワーステアリング装置における第1の位相進み補償部のゲインおよび位相特性を示すボード線図である。
【図13】発明の実施の形態5の電動パワーステアリング装置における第2の位相進み補償部のゲインおよび位相特性を示すボード線図である。
【図14】発明の実施の形態5の電動パワーステアリング装置における第3の位相進み補償部のゲインおよび位相特性を示すボード線図である。
【図15】発明の実施の形態5の電動パワーステアリング装置における第4の位相進み補償部のゲインおよび位相特性を示すボード線図である。
【符号の説明】
20 ステアリングホイール
21 操舵軸
22 出力軸
23 ラック
24 ピニオン
25a 左前輪
25b 右前輪
26 操舵力センサ(油圧検出手段)
27 油パワー圧シリンダ
28 油圧回路(油路)
29 筒状シリンダ部
30 ピストンロッド
31 ピストン
32 第1油圧室
33 第2油圧室
34 第1連通路
35 第2連通路
36 電動モータ(電動機)
37 可逆式ポンプ
38 供給路
39 リザーバ
40 モータ電流センサ(油圧検出手段)
41 油圧センサ(油圧検出手段)
42 車速センサ(車速検出手段)
ECU コントロールユニット(電動機制御手段)

Claims (4)

  1. 操舵機構に連係された操舵軸と、
    前記操舵機構の操舵力を補助する油圧パワーシリンダと、
    該油圧パワーシリンダの両各油圧室に対し第1通路および第2通路を介して油圧を供給する一対の吐出口を備えた可逆式ポンプと、
    該可逆式ポンプを正・逆回転駆動させる電動機と、前記操舵軸の回転方向を検出する操舵方向検出手段と、
    前記操舵軸に作用する操舵力を検出する操舵力検出手段と、
    該操舵力検出手段で検出された操舵力信号および前記操舵方向検出手段で検出された操舵軸の回転方向信号に基づき前記電動機に対し駆動信号を出力する電動機制御手段と、
    前記操舵力検出手段によって検出された操舵力検出信号の位相を所定量だけ進める補償を行う位相補償手段と、を備えた電動パワーステアリング装置において、
    前記電動パワーステアリング装置を構成する油路内の油圧を検出もしくは推定する油圧検出手段と、
    前記位相補償手段が伝達特性を異にする複数の位相進み補償部で構成され、前記油圧検出手段で検出もしくは推定された油路内の油圧が低いほど位相進み量の大きい伝達特性の位相進み補償部に切り換える位相進み補償部切換判断手段と、を備えていること特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記油圧検出手段が、前記操舵力検出手段で検出された操舵力検出信号から油圧を推定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記電動機に流れる電流を検出する電流検出手段を備え、前記油圧検出手段が、前記電流検出手段で検出された電動機に流れる電流から油圧を推定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 車速を検出する車速検出手段を備え、前記位相進み補償手段が前記車速検出手段で検出された車速が高速になるほど位相進み量の小さい伝達特性の位相進み補償部に切り換えるように構成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
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