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JP3861932B2 - 精製過酸化水素の製造方法 - Google Patents

精製過酸化水素の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は精製過酸化水素水溶液の製造法、特に、過酸化水素水溶液中に含まれるケイ素成分の精製除去を行うことにより、高純度な過酸化水素水溶液を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
過酸化水素水溶液は、紙、パルプの漂白、化学研磨液等の多くの分野で広く利用されているが、近年、シリコンウエハの洗浄剤や半導体工程の洗浄剤などの電子工業分野に於ける利用が増大し、これに伴って、過酸化水素水溶液中の全ての不純物を極力低減した高純度な品質が要求されるようになっている。
過酸化水素は、現在ほとんどがアントラキノン法により製造されている。その工程は一般に以下の通りである。アントラキノン誘導体として、例えば、2−アルキルアントラキノンを水不溶性の溶媒中で水素化触媒の存在下水素化して対応するアントラヒドロキノンとし、触媒をろ別した後、空気により酸化することによって元の2−アルキルアントラキノンを再生するとともに、過酸化水素を得、これを水で抽出することによって過酸化水素含有水溶液を得る方法である。水抽出後の過酸化水素含有水溶液は、酸化工程において空気中のケイ酸、ケイ酸塩などの成分、アントラキノン類や溶媒およびそれらの劣化物からなる有機質不純物、各工程の構成材料からの溶出によるAl、Fe、Crなどの金属成分等が相当量含まれている。これらの過酸化水素水溶液は、品質要求に応じた精製操作が行われる。
【0003】
過酸化水素水溶液の精製法としては、蒸留法、膜濾過法、樹脂吸着法、イオン交換樹脂法などを単独もしくは組み合わせて用いる方法が知られている。
これらの方法において、有機物は、主として蒸留法、樹脂吸着法により除去が行われ、金属等のカチオン、及びアニオン成分はイオン交換樹脂法により除去される。又、不溶成分の中、一定以上の粒径を持つものについては、膜濾過法による除去が行われている。
しかし、従来の過酸化水素水溶液の精製技術において、ケイ酸塩(例えばケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウム)、ケイ酸などのケイ素成分についての除去技術に関する提案は見当たらない。
【0004】
例えば、蒸留法は、過酸化水素の精製法として、水除去により過酸化水素濃度を高める工程を含め、有機物不純物特に自動酸化製造法で使用される化合物の除去に有効であることから広く行われている。この方法は、原料過酸化水素水溶液を 蒸発させ発生蒸気を液と分離して精留塔に供給し濃縮することにより、濃縮精製液を得る方法である。しかし、装置材質からの溶出並びに蒸留原料過酸化水素に由来する無機イオン、例えば金属または不揮発性分等が濃縮精製液に残留する問題がある。
この蒸留法の原料過酸化水素水溶液に由来する問題を解決する手段として、例えば、特開平7−80227号は、気液分離器のサイクロンを直列に2ないし3基接続して構成された多段サイクロンを採用することにより、濃縮精製液の純度が低下する問題が解決された。しかし、この方法においても、充填材、濃縮塔材質に由来する不純物が混入する。特に、充填材は、ケイ素、カリウム、ナトリウムなどのケイ素成分を含む磁製インターロックスサドル、ラッシヒリングが使用されているため、これらから溶出したケイ素成分が過酸化水素水溶液中に混入するとともに、濃縮塔の構成材質であるアルミニウム、アルミニウム合金からの溶出による不純物が混入する問題がある。
【0005】
一方、水を高度に精製した超純水が、過酸化水素水溶液と同様、半導体工業分野等において使用されているが、これについても高純度な品質が要求されている。
これに関する精製技術は、RO(逆浸透膜)装置、カチオン交換樹脂塔、脱炭酸塔、アニオン交換樹脂塔、Mixベッド(混床樹脂)、UV(紫外線)照射、限外濾過膜装置等を複数組み合わせたシステムが広く採用されている。
例えば、RO装置、アニオン交換樹脂塔、Mixベッドをこの順に配置したシステムにおいて、シリカ濃度はRO装置の出口において、数μg/Lまで除去低減され、アニオン交換樹脂、Mixベッドを経ることにより、さらに0.5μg/L以下まで除去低減するとともに、他の不純物についても高度に精製された超純水が製造できることが知られている。この際、シリカ成分はイオン交換基として第4級アンモニウム基を持つ強塩基性OH塩形アニオン交換樹脂により除去可能である事が分かっている。
【0006】
特開平7−109109号では、逆浸透膜装置、アニオン交換装置、カチオン交換装置のシステムにより過酸化水素水を精製する方法が提案されている。
この方法は、前述の超純水のシステムを過酸化水素水の精製に応用したものである。しかし、この精製システムは、過酸化水素水への適用においては、少し問題がある。即ち、逆浸透膜装置は、5〜30Kg/cm2 の高圧で運転される上に、膜材質のポリアミドが過酸化水素の酸化力により、徐々に酸化劣化を起こすため、長期の安定運転に不安がある。又、逆浸透膜装置は不純物が濃縮された過酸化水素水溶液を連続的に排出する運転を行う必要があるため、精製過酸化水素水溶液の歩留まりが悪くなる問題がある。
【0007】
イオン交換樹脂を用い過酸化水素水を精製する技術は、例えば、特公昭28−3816号には、過酸化水素水溶液をスルホン化芳香族系カチオン交換樹脂に、接触させ、主として金属カチオンを除去する方法が記載されている。
又、特公昭35−16677号及び米国特許第3297404号には、第4級アンモニウム基を有するアニオン交換樹脂を使用して、過酸化水素水溶液中のアニオン性不純物を除去する方法が記載され、上記第4級アンモニウム基は炭酸塩及び重炭酸塩の形で使用することが記載されている。これは、OH塩形のアニオン交換樹脂は過酸化水素の分解が非常に大きいため、塩基度の低い炭酸塩形、重炭酸塩形を提案したものである。
【0008】
さらに、米国特許第4999179号においては、スルホン酸基を有するカチオン交換樹脂層、ハロゲンを含有する吸着樹脂層、第4アンモニウム基を有するアニオン交換樹脂層に連続的に通液接触させることにより、精製過酸化水素水溶液を得る方法が記載されている。この際のアニオン交換樹脂も、炭酸塩及び/重炭酸塩の形で使用することとしている。即ち、OH塩形のアニオン交換樹脂を過酸化水素の精製に使用するに際しては、安全面からの厳重な管理、対策が必要であり商業プラントでは大きな問題となる。しかし、OH塩形のアニオン交換樹脂を使用しても、過酸化水素水溶液のケイ素成分は低減することは出来ない。
以上の従来技術においては、過酸化水素水溶液中のケイ酸塩(例えば、ケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウム)、ケイ酸などのケイ素成分を除去することにより、高純度化した精製過酸化水素水溶液を得ることは出来ない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来技術における課題を解決し、新規な精製法により過酸化水素水溶液のケイ酸塩、ケイ酸、酸化ケイ素などのケイ素成分を除去し、高純度化した精製過酸化水素水溶液を製造する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、過酸化水素水溶液中のケイ酸塩、ケイ酸、酸化ケイ素などのケイ素成分を除去し、高純度化した精製過酸化水素水溶液を製造する方法について、鋭意、研究を重ねた結果、不純物を含む過酸化水素水溶液に、水中における酸解離定数pKaが5以下の酸を0.005〜5ミリ当量/Lの濃度で添加した後、フッ素塩形のアニオン交換樹脂と接触させることにより、酸を添加しないときに除去し難いケイ素成分が、酸を添加することにより容易に除去できるという事実を見出し、さらに従来技術のスルホン酸基を有する強酸性カチオン交換樹脂及び重炭酸塩形のアニオン交換樹脂を組み合わせることにより、高純度化した精製過酸化水素水溶液が製造することができるという新規な事実を見いだし本発明に到達した。
【0011】
すなわち、本発明は、不純物を含む過酸化水素水溶液に、水中における酸解離定数pKaが5以下の酸を0.005〜5ミリ当量/Lの濃度で添加した後、フッ素塩形のアニオン交換樹脂と接触させることによりケイ素不純物を除去し、高純度な精製過酸化水素水溶液を得ることを特徴とする精製過酸化水素水溶液の製造方法に関するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明で使用するアニオン交換樹脂は、フッ素塩形に変換した樹脂を使用する。アニオン交換樹脂は、一般にはスチレン−ジビニルベンゼン架橋共重合体をクロロメチル化後アミノ化することによって得ることができ、アミノ化をトリメチルアミン、ジメチルエタノールアミンで行い4級化して得られるものである。
本発明では、イオン交換基として第4級アンモニウム基であるトリメチルアンモニウム基またはジメチルエタノールアンモニウム基を有する強塩基性アニオン交換樹脂が好ましい。これらのアニオン交換樹脂は多くの種類が市販されている。 例えば三菱化学社製ダイヤイオンのPAシリーズ(例えばPA316、PA318)、SAシリーズ(例えばSA10A)やオルガノ社製アンバーライトのIRAシリーズ(例えばIRA−900、IRA−904)が代表例として挙げられる。これらの樹脂は一般にイオン塩形がクロル塩形で上市されている。
【0013】
本発明において、フッ素塩形に変換する前のイオン塩形としては、上市のクロル塩形をそのまま用いることが出来るが、従来の過酸化水素水溶液の精製技術に使用されているOH塩形、重炭酸塩形、炭酸塩形等を用いる事も可能であり、それ以外の塩形を使用してもなんら差し支えない。
本発明において、アニオン交換樹脂のフッ素塩形への変換は、樹脂にフッ素イオンを含む水溶液と接触させることにより調整することが出来る。接触方法は、バッチ、連続通液等特に限定するものではないが、カラムに樹脂を充填しフッ素イオンを含む水溶液を通液した後、超純水を通水して充分に水洗する方法が効果的であり工業的に好ましい。連続通液の調整条件は、イオン交換樹脂の塩形調整で実施されている一般的な条件で行えば良く特に限定するものではない。
【0014】
過酸化水素水溶液の添加する酸は、水中25℃における酸解離定数pKaが5以下の酸であり、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、フッ酸、亜塩素酸、ホスフィン酸、ホスホン酸、二リン酸、トリポリリン酸等の無機酸、さらに蟻酸、酢酸、クロロ酢酸フルオロ酢酸、酒石酸、安息香酸、有機ホスホン酸類、有機スルホン酸類等が挙げられる。この中で、好ましいものは、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸等の無機酸である。
【0015】
過酸化水素水溶液の添加する酸の量は、0.005〜5ミリ当量/Lの範囲で調整するのが好ましい。0.005ミリ当量/L以下の添加量は、ケイ素の除去率が低下するため効率的でない。又、5ミリ当量/L以上の添加は、添加した酸を精製除去する負荷が増大する問題が発生するため好ましくない。
【0016】
本発明で対象となる不純物を含む過酸化水素水溶液は、アンスラキノン法、水素と酸素を直接反応させる直接合成法など、いかなる製造法によるものでも良い。しかし、前記の如く、現在ほとんどの過酸化水素がアンスラキノン法によって製造されており、この方法により得られた過酸化水素水は、各種要求に応じ精製操作を行っているが、ケイ素成分、有機物、金属などの不純物を含んでおり、さらに精製操作が必要である。
【0017】
本発明において、不純物を含む過酸化水素水溶液に酸を添加した後、フッ素塩形アニオン交換樹脂と接触させる方法は、連続通液方式又はバッチ方式のいずれでも実施することができる。例えば、連続通液方式は、カラムに充填したフッ素塩形アニオン交換樹脂層に不純物を含む過酸化水素水溶液を、連続的に供給すれば良く、バッチ方式では、フッ素塩形アニオン交換樹脂と不純物を含む過酸化水素水溶液を、所定時間撹拌混合した後、樹脂を分離し、精製過酸化水素水溶液を抜き出す方法が考えられる。ただ工業的には、フッ素塩形の調整、吸着能力の低下した樹脂の再生などを実施する必要があるため、カラムに充填した連続通液方式が実用性が高く好ましい。連続通液方式において、樹脂層を通過させる過酸化水素水溶液は、線速度(LV)においては、1〜500m/Hrが、空間速度(SV)においては、1〜300/Hrの範囲で行うことが好ましい。
【0018】
又、フッ素塩形アニオン交換樹脂と過酸化水素水溶液を接触させる温度は、従来技術のOH塩形、重曹塩形、炭酸塩形アニオン交換樹脂においては、30℃以下の出来るだけ低い温度で接触することが行われている。これは、過酸化水素による樹脂の酸化劣化を防止するためと接触時の過酸化水素分解ガスの発生と分解発熱を抑制し安全上の問題を解決するためである。本発明のフッ素塩形においても樹脂の酸化劣化を防止するため30℃以下出来れば−10〜20℃が好ましい接触温度である。
【0019】
本発明においては、イオン交換樹脂と接触する過酸化水素水溶液の過酸化水素濃度は、限定するものではないが、半導体製造プロセスにおいては、20〜40重量%の過酸化水素水溶液が広く用いられていることから、濃度調整操作を必要とせず、そのまま使用できる20〜40重量%が好ましい。しかし、適用範囲はこの濃度に限定されるものではなく40重量%以上の濃度を使用しても何ら差し支えないが、その際は、前述の如く樹脂の酸化劣化と安全上の面から、低温で使用する方が好ましい。
【0020】
本発明は、従来技術と組み合わせて使用することにより、さらに効果的な利用を可能とする。即ち、不純過酸化水素水溶液をフッ素塩形のアニオン交換樹脂と接触させケイ素を低減した後、さらに従来技術のスルホン酸基を有する強酸性カチオン交換樹脂及び重炭酸塩形のアニオン交換樹脂と接触させることにより、ケイ素、金属類、アニオン類を除去した高純度精製過酸化水素水溶液を製造することができる。
【0021】
【発明の効果】
かくして本発明によれば、水中における酸解離定数pKaが5以下の酸を0.005〜5ミリ当量/Lの濃度で添加した過酸化水素水溶液を、前記フッ素塩形のアニオン交換樹脂と接触させた後、従来技術のスルホン酸基を有する強酸性カチオン交換樹脂/重炭酸塩形のアニオン交換樹脂と接触させることにより、ケイ酸塩、ケイ酸、酸化ケイ素などのケイ素成分を除去でき、高純度に精製された過酸化水素水溶液を得ることができる。
【0022】
【実施例】
次に実施例によって本発明を具体的に説明するが、その実施は以下の例に限定されるものではない。
本発明において、過酸化水素中の不純物の測定は、下記の方法によって実施した。すなわち、カチオン不純物、ケイ素(Si)、カリウム(K)はフレームレス原子吸光(VARIAN(株)AA400Z)を用いて測定した。ケイ素測定時には感度を向上させるため、カルシウム(Ca)修飾剤を使用した。
又、微量のカチオン不純物(ケイ素を除く)は、ICP−MS(Inductive
coupling Mass spectrometry、 横河アナリティカルシステムズ(株)PMS−2000)を用いて測定した。
【0023】
実施例1
三菱化学社製、強塩基性アニオン交換樹脂PA318−CL塩形(4級アンモニウムI型)を、テフロン製カラムに充填し、2N苛性ソーダ水溶液をSV=20Hr-1で5時間通液した後、次に超純水をSV=20Hr-1で10時間通液して水洗を行い、OH塩形アニオン交換樹脂を調整した。次いで、1Mフッ化ナトリウム水溶液を空間速度(SV)20Hr-1で5時間通液し、次に超純水をSV=20Hr-1で10時間通液して水洗を行い、フッ素塩形アニオン交換樹脂を調整した樹脂12.5mlを、直径10mmのテフロン製カラムに充填した。
次に、三菱化学社製、強酸性カチオン交換樹脂PK228(H型)5mlと強塩基性アニオン交換樹脂PA318−CL塩形(4級アンモニウムI型)を所定の条件により重曹塩形とした調製樹脂5mlを混合し、直径10mmのテフロン製カラムに充填し、上記フッ素塩形アニオン樹脂の後ろに直列に連結した。
超純水を500ml/Hで1時間通液して水洗を行った後、Siが3.9ppb、Alが70ppb、その他の金属類、Na、Feなどは、いずれも1ppb以下である31%粗過酸化水素溶液に塩酸添加濃度を0.07、0.12、0.25、1.2meq/lと変えた各種調製過酸化水溶液を温度1℃、500ml/Hで1.5時間通液した。
各過水の通液0.5時間後のカラムの出口より、サンプリングを行い、通液過酸化水素溶液中に含まれるSi、金属類を分析した。各通液過水のSiは下表−1の如くとなり、いずれの通液後の過水もその他の金属類は、0.1ppb以下、Clイオンは3ppb以下とSiが低減された過酸化水素溶液であった。
【0024】
Figure 0003861932
【0025】
実施例2
Siが3.9ppb、Alが70ppb、その他の金属類、Na、Feなどは、いずれも1ppb以下である31%粗過酸化水素溶液に硝酸添加濃度を0.04、0.07、0.14、0.71meq/lと変えた各種調製過酸化水溶液を用いた以外は、全て実施例1と同様に行った。
各過水の通液0.5時間後のカラムの出口より、サンプリングを行い、通液過酸化水素溶液中に含まれるSi、金属類を分析した。各通液過水のSiは下表−2の如くとなり、いずれの通液後の過水もその他の金属類は、0.1ppb以下、NO3イオンは3ppb以下とSiが低減された過酸化水素溶液であった。
【0026】
Figure 0003861932
【0027】
実施例3
Siが3.9ppb、Alが70ppb、その他の金属類、Na、Feなどは、いずれも1ppb以下である31%粗過酸化水素溶液にリン酸添加濃度を0.07、0.11、0.23、0.98meq/lと変えた各種調製過酸化水溶液を用いた以外は、全て実施例1と同様に行った。
各過水の通液0.5時間後のカラムの出口より、サンプリングを行い、通液過酸化水素溶液中に含まれるSi、金属類を分析した。各通液過水のSiは下表−3の如くとなり、いずれの通液後の過水もその他の金属類は、0.1ppb以下、PO4イオンは3ppb以下とSiが低減された過酸化水素溶液であった。
【0028】
Figure 0003861932
【0029】
実施例4
Siが3.9ppb、Alが70ppb、その他の金属類、Na、Feなどは、いずれも1ppb以下である31%粗過酸化水素溶液に硫酸添加濃度を0.05、0.09、0.18、0.91meq/lと変えた各種調製過酸化水溶液を用いた以外は、全て実施例1と同様に行った。
各過水の通液0.5時間後のカラムの出口より、サンプリングを行い、通液過酸化水素溶液中に含まれるSi、金属類を分析した。各通液過水のSiは下表−4の如くとなり、いずれの通液後の過水もその他の金属類は、0.1ppb以下SO4イオンは3ppb以下とSiが低減された過酸化水素溶液であった。
【0030】
Figure 0003861932
【0031】
比較例1
酸を添加していない31%粗過酸化水素溶液を用いた以外は、全て実施例1と同様に行った。
通液0.5時間後のカラムの出口より、サンプリングを行い、通液過酸化水素溶液中に含まれるSi、金属類を分析した。その他の金属類は、0.1ppb以下であったが、Siは2.6ppbで除去率は33.3%と、Siの除去性は酸を添加した場合に比べ劣っていた。
【0032】
比較例2
三菱化学社製、強酸性カチオン交換樹脂PK228(H型)5mlと強塩基性アニオン交換樹脂PA318−CL塩形(4級アンモニウムI型)を所定の条件により重曹塩形とした調製樹脂5mlを混合し、直径10mmのテフロン製カラムに充填した。
超純水を500ml/Hで1時間通液して水洗を行った後、Siが3.9ppb、Alが70ppb、その他の金属類、Na、Feなどは、いずれも1ppb以下である31%粗過酸化水素溶液に塩酸を、0.25meq/l添加した調製過酸化水溶液を温度1℃、500ml/Hで1.5時間通液した。
過水の通液0.5時間後のカラムの出口より、サンプリングを行い、通液過酸化水素溶液中に含まれるSi、金属類を分析した。通液過水のSiは3.9ppbと低減しなかった。その他の金属類は、0.1ppb以下、Clイオンは3ppb以下であった。
【0033】
比較例3
三菱化学社製、強酸性カチオン交換樹脂PK228(H型)5mlと強塩基性アニオン交換樹脂PA318−CL塩形(4級アンモニウムI型)を所定の条件によりOH塩形とした調製樹脂5mlを混合し、直径10mmのテフロン製カラムに充填して用いた以外は、全て比較例2と同様に行った。
過水の通液0.5時間後のカラムの出口より、サンプリングを行い、通液過酸化水素溶液中に含まれるSi、金属類を分析した。通液過水のSiは4.0ppbと低減しなかった。その他の金属類は、0.1ppb以下、Clイオンは3ppb以下であった。

Claims (6)

  1. 不純物を含む過酸化水素水溶液に、水中における酸解離定数pKaが5以下の酸を添加した後、フッ素塩形のアニオン交換樹脂と接触させることを特徴とする精製過酸化水素水溶液の製造方法。
  2. 不純物を含む過酸化水素水溶液に、水中における酸解離定数pKaが5以下の酸を添加した後、フッ素塩形のアニオン交換樹脂、スルホン酸基を有する強酸性カチオン交換樹脂および重炭酸塩形のアニオン交換樹脂と適宜順序で接触させることを特徴とする精製過酸化水素水溶液の製造方法。
  3. 不純物を含む過酸化水素水溶液とイオン交換樹脂との接触順序を、フッ素塩形のアニオン交換樹脂、スルホン酸基を有する強酸性カチオン交換樹脂および重炭酸塩形のアニオン交換樹脂の順序とする請求項2記載の製造方法。
  4. スルホン酸基を有する強酸性カチオン交換樹脂と重炭酸塩形のアニオン交換樹脂との混合されたイオン交換樹脂を用いる請求項2記載の製造方法。
  5. 接触させる過酸化水素水溶液における過酸化水素の濃度が、15〜40重量%である請求項1または2記載の製造方法。
  6. 酸の添加量を0.005〜5ミリ当量/Lの濃度範囲となるように調製する請求項1または2記載の製造方法。
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