JP3859783B2

JP3859783B2 - Starter

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Publication number: JP3859783B2
Application number: JP28624496A
Authority: JP
Inventors: 剛志荒木; 圭一松島
Original assignee: Denso Corp
Current assignee: Denso Corp
Priority date: 1996-08-19
Filing date: 1996-10-29
Publication date: 2006-12-20
Anticipated expiration: 2016-10-29
Also published as: JPH10115274A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンを始動するスタータに関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、補機類等の増加によるエンジンルーム内の過密化に伴ってスタータを小型化する要求がある。そこで、スタータの小型軽量化に関する従来技術が特開平８−９３６０７号公報等に開示されている。
このスタータは、出力軸にヘリカルスプライン係合するピニオンの回転規制を行うピニオン回転規制部材を有し、このピニオン回転規制部材によりピニオンを回転規制して出力軸に対し相対回転差を与えることによりピニオンを前進させる方式である。この方式によれば、ピニオンを一方向クラッチと連動して電磁スイッチの作動力（吸引力）で押し出す方式のスタータと比較して、電磁スイッチで移動させる質量が低減できるため、電磁スイッチの小型化が図れる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の様なピニオンを回転規制して前進させる方式のスタータは、何らかの要因でピニオンがリングギヤの端面まで到達するものの、リングギヤと噛み合うことができなかった場合、例えば、スタータ起動直後でピニオンが惰性回転している最中に再起動かける様な場合、ピニオン回転規制部材がピニオンの凹凸部に係合したままピニオンの回転方向に引きずられるため、ピニオン回転規制部材が極度に変形させられ、ついには破損する可能性があることが判った。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、ピニオンとリングギヤとの噛み合いが出来なかった際のピニオン回転規制部材の極度な変形を回避することのできるスタータを提供することにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
請求項１の手段によれば、ピニオン移動体の前進移動が規制された状態で回転規制部材の係合部が凹凸部に係合したままピニオン移動体が回転した場合に、係合部が凹凸部に係合した位置からピニオン移動体が所定角度回転した時点で係合部を凹凸部より離脱させる係合部離脱手段を備えている。係合部離脱手段は、係合部とは別に設けられ、係合部が係合した状態のピニオン移動体が所定角度回転し、係合部が撓んだ時点で、回転方向に撓んだ係合部を移動させ、係合部を凹凸部より離脱させる。これにより、スタータ起動直後でピニオン移動体が惰性回転している最中に再起動かける様な場合でも、回転規制部材の係合部がピニオン移動体の凹凸部に係合したままピニオン移動体の回転方向に引きずられて極度に変形する様な事態を回避できる。
【０００５】
請求項２の手段によれば、係合部離脱手段は、ピニオン移動体の回転に伴って係合部を凹凸部の外径より径方向外側へ案内する案内面を有している。これにより、回転規制部材の係合部は、凹凸部に係合した位置からピニオン移動体が所定角度回転すると、係合部離脱手段の案内面に沿って凹凸部の外径より径方向外側へ移動することにより凹凸部から離脱できる。
【０００６】
請求項３の手段によれば、凹凸部の係合面は、係合部の先端が凹凸部からピニオン移動体の回転方向に抜け易い形状に設けられている。具体的には、凹凸部の凸部における軸方向の反リングギヤ側の端部で、少なくともピニオン移動体の回転方向側のコーナに面取りが形成されている。これにより、係合部が凹凸部に係合した位置からピニオン移動体が所定角度回転すると、係合部の弾性変形によって凹凸部との係合長さが短くなるため、凹凸部の係合面が抜け易い形状に設けられていることによって係合部は容易に凹凸部から離脱することができる。
【０００７】
請求項４の手段によれば、係合部離脱手段がピニオン移動体とともに移動することができる。これにより、回転規制部材の係合部がピニオン移動体の凹凸部に係合したままピニオン移動体が所定角度回転した時に、回転規制部材の係合部とピニオン移動体の凹凸部との当接位置から回転規制部材と係合部離脱手段との当接位置までの軸方向長さを短くできる。また、ピニオン移動体のギヤ部とリングギヤとの静止時でのギャップにばらつきがあるため、回転規制部材の係合部とピニオン移動体の凹凸部との当接位置から回転規制部材と係合部離脱手段との当接位置までの軸方向長さにもばらつきが生じるが、本発明では、係合部離脱手段がピニオン移動体とともに移動する構造であることから、係合部離脱手段が移動できない構造の場合と比較して、前記軸方向長さのばらつきを小さく抑えることができる。これにより、回転規制部材の係合部離脱手段との当接部に加わる応力を小さくできるため、回転規制部材の設計自由度を高めることができる。
【０００８】
請求項５の手段によれば、係合離脱手段を後退規制手段と一体とすることにより、部品点数を増やすことなく請求項１〜４の効果を得ることができる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のスタータを図面に基づいて説明する。
（第１実施例）
図１はスタータの断面図である。
本実施例のスタータ１は、回転力を発生する始動モータ２、この始動モータ２の回転を減速する遊星歯車減速装置（後述する）、この減速装置の回転出力を受けて回転する出力軸３、この出力軸３に嵌合するピニオン移動体４、始動モータ２への通電を制御する電磁スイッチ５、始動モータ２が回転する前にピニオン移動体４の回転を規制する回転規制部材６（図２参照）、及びこの回転規制部材６によるピニオン移動体４の回転規制を解除させるためのプレート７（図３参照）等から構成されている。
【００１０】
始動モータ２は、磁気枠を形成する円筒形状の継鉄８、この継鉄８の内周面に固着された固定磁極９（例えば複数の永久磁石）、この固定磁極９の内周に回転自在に配されたアーマチャ１０、及びアーマチャ１０の後端面（図１の右端面）に設けられた整流子１１に摺接するブラシ１２等より構成される。
アーマチャ１０は、回転軸１３の一端が、アーマチャ１０と減速装置との間を隔てる隔壁板１４に保持された軸受１５を介して回転自在に支持され、回転軸１３の他端が、アーマチャ１０と電磁スイッチ５との間を隔てる隔壁板１６に保持された軸受１７を介して回転自在に支持されている。
【００１１】
減速装置は、回転軸１３の一端側外周に形成されたサンギヤ１８（外歯）、サンギヤ１８の径方向外周に位置するインターナルギヤ１９（内歯）、サンギヤ１８とインターナルギヤ１９との間に配されて両ギヤ１８、１９に噛み合う複数の遊星ギヤ２０、及び遊星ギヤ２０を回転自在に支持するキャリア部２１より構成される。
インターナルギヤ１９は、フロントハウジング２２の内周に回転規制されたギヤ構成部材２３の内周面に形成されている。遊星ギヤ２０は、キャリア部２１に圧入されたピン２４の外周に嵌合する軸受２５を介して回転自在に支持されている。キャリア部２１は、出力軸３の後端部外周に位置し、その出力軸３後端部との間にローラ２６が介在されて、出力軸３後端部及びローラ２６とともに一方向クラッチを構成している。その一方向クラッチは、減速装置の回転出力をローラ２６を介して出力軸３に伝達する。
【００１２】
出力軸３は、回転軸１３と同軸に配されて、一端がフロントハウジング２２に保持された軸受２７を介して回転自在に支持され、他端側がギヤ構成部材２３の内筒部２３ａに保持された軸受２８を介して回転自在に支持されている。出力軸３の両軸受２７、２８間の外周面にはヘリカルスプライン３ａが形成されて、そのヘリカルスプライン３ａにピニオン移動体４の内周に形成されたヘリカルスプライン４ａが嵌合している。
【００１３】
ピニオン移動体４は、エンジンの駆動軸に設けられたリングギヤ２９と噛み合うためのギヤ部３０と、そのギヤ部３０の後端側（図１の右端側）に、ギヤ部３０より外径が大きく外周に多数の凹凸部３１ａ（図２参照）が形成された鍔部３１を有し、この鍔部３１の後端面にコロ３２を介して回転自在に支持されたワッシャ３３（スラストベアリング）が配設されている。
このピニオン移動体４は、出力軸３のヘリカルスプライン３ａとピニオン移動体４のヘリカルスプライン４ａとが噛み合うことで出力軸３上を軸方向に移動可能に設けられ、ギヤ部３０の前方に配されたスプリング３４によって常時スタータ１の後方側（反リングギヤ２９側）へ付勢されている。
【００１４】
電磁スイッチ５は、スタータ１の後端に配されて、碗状を成すリヤケース３５の内周に固定されている。
この電磁スイッチ５は、キースイッチ３６（図５参照）が閉じて通電される吸引コイル３７と、この吸引コイル３７の内周を移動可能に配されたプランジャ３８とを具備し、そのプランジャ３８の移動に伴って始動モータ２の通電回路（図５参照）に介在されたモータ接点（下述する）を開閉する。なお、吸引コイル３７及びプランジャ３８は、プランジャ３８の移動方向がリヤケース３５の径方向（図１の上下方向）となる様に配設されている。
モータ接点は、図５に示す様に、プランジャ３８の上端部に取り付けられた可動接点３９、リヤケース３５に固定されるバッテリ端子４０と一体に設けられたバッテリ側固定接点４１、およびブラシ１２（正極側）に接続されたモータ側固定接点４２から成り、プランジャ３８が吸引されて図１の上方へ移動した時に、可動接点３９が両固定接点４１、４２に当接することで両固定接点４１、４２が導通する。
【００１５】
回転規制部材６は、図２に示す様に、例えば金属製の棒状部材をループ状に巻回して、両端部６ａ、６ｂを径方向の対向位置で略直角に同一方向へ折り曲げて形成されている。この回転規制部材６は、ループ状に巻回された部位が、ギヤ構成部材２３の前方に配されたプレート７とギヤ構成部材２３との間に形成される空間内でギヤ構成部材２３の内筒部２３ａ外周に配されて、同一方向へ折り曲げられた両端部６ａ、６ｂがプレート７より前方へ取り出され、プレート７に対して全体が図１の上下方向に移動可能に設けられている。
【００１６】
プレート７より前方へ取り出された一方の端部６ａ（以下、上部突出部６ａと言う）は、プレート７の径方向上部（ピニオン移動体４の鍔部３１の外周面より径方向外側）より取り出されて、その先端面がピニオン移動体４の鍔部３１より前方に位置している。また、他方の端部６ｂ（以下、下部突出部６ｂと言う）は、プレート７の径方向下部より取り出されて、その先端面がピニオン移動体４のワッシャ３３より後方に位置している。
この回転規制部材６は、プレート７に固定されたスプリング４３が下部突出部６ｂに係合して、そのスプリング４３の付勢力によって常時図１の上方へ付勢されている。また、ロッド４４を通じて電磁スイッチ５の作動力（プランジャ３８の移動）が伝達されることにより、スプリング４３の付勢力に抗して図１の下方へ移動することができる。従って、本発明の移動手段は、電磁スイッチ５とロッド４４から構成される。
【００１７】
ロッド４４は、プランジャ３８に係合してプランジャ３８の移動に追従する移動部４４ａと、下部突出部６ｂに係合して下部突出部６ｂを作動させる作動部４４ｂと、移動部４４ａと作動部４４ｂとを繋ぐ棒状の連結部４４ｃとから成り、この連結部４４ｃがアーマチャ１０の径方向外側及び減速装置の外側を回転軸１３と略平行に延びている。このロッド４４は、連結部４４ｃが２個の軸受（図示しない）によって回転自在に支持されており、移動部４４ａがプランジャ３８に追従して移動すると、その移動部４４ａの動きが連結部４４ｃの回転運動に変換されて、その連結部４４ｃと共に回転する作動部４４ｂが下部突出部６ｂを作動させることができる。
【００１８】
プレート７は、図３に示す様に、略円形に設けられて、外周縁に形成された２箇所の突起部７ａでフロントハウジング２２に対して回転規制されている。このプレート７には、上部突出部６ａが取り出される開口部７ｂと下部突出部６ｂが取り出される開口部（図示しない）とが設けられており、上部突出部６ａが取り出される開口部７ｂは、上部突出部６ａが鍔部３１の凹凸部３１ａに係合したままピニオン移動体４の回転に引きずられて移動できる様に、ピニオン移動体４の回転方向へ延びて形成されている。また、この開口部７ｂには、上部突出部６ａが凹凸部３１ａに係合した位置からピニオン移動体４が所定角度回転した時に、それまで鍔部３１の凹凸部３１ａに係合してピニオン移動体４の回転に追従してきた上部突出部６ａを凹凸部３１ａから離脱させるための傾斜面７ｃ（本発明の案内面）と、離脱した上部突出部６ａを保持する保持部７ｄとが形成されている。
【００１９】
次に、本実施例の作動を説明する。
キースイッチ３６を閉じると、バッテリ４５から電磁スイッチ５の吸引コイル３７に電流が流れて磁力が発生し、その磁力によりプランジャ３８が図１の上方へ吸引されて移動する。このプランジャ３８の移動がロッド４４を通じて回転規制部材６に伝達されて、回転規制部材６がスプリング４３を撓ませながら図１の下方へ移動する。これにより、回転規制部材６の上部突出部６ａがピニオン移動体４の鍔部３１の外周に設けられた凹凸部３１ａに係合してピニオン移動体４の回転を規制する。
【００２０】
一方、電磁スイッチ５では、プランジャ３８の移動により可動接点３９が両固定接点４１、４２に当接して両固定接点４１、４２間を閉じることにより、バッテリ４５からアーマチャ１０に電流が流れてアーマチャ１０が回転を開始する。アーマチャ１０の回転は、減速装置で減速された後、出力軸３に伝達されて出力軸３が回転する。この出力軸３の回転によってピニオン移動体４も回転しようとするが、前記の様にピニオン移動体４が回転規制されているため、出力軸３の回転がヘリカルスプライン３ａ、４ａの噛み合いによってピニオン移動体４に推力として作用する。これにより、ピニオン移動体４が出力軸３上を前進して、ピニオン移動体４のギヤ部３０の端面がリングギヤ２９の端面に当接する。この時、鍔部３１の凹凸部３１ａに係合している上部突出部６ａは、ピニオン移動体４の回転方向に撓むことができるため、ピニオン移動体４が少なくともギヤ部３０の１ピッチ回転する間にギヤ部３０とリングギヤ２９とが噛み合い可能となり、再びピニオン移動体４が出力軸３上を前進してギヤ部３０がリングギヤ２９と噛み合う。ギヤ部３０とリングギヤ２９とが完全に噛み合うと、それまで凹凸部３１ａに係合していた上部突出部６ａが凹凸部３１ａから外れてピニオン移動体４後端に設けられたワッシャ３３の後方に入り込むことで、ピニオン移動体４の後退を阻止する。
【００２１】
ところが、何らかの理由でギヤ部３０がリングギヤ２９と噛み合うことができなかった場合、例えばエンジンが着火不良を起こして、スタータ１停止直後のピニオン移動体４が惰性回転している状況で再度スタータ１を起動させる場合には、通常ピニオン移動体４（ギヤ部３０）とリングギヤ２９とが噛み合い不能となる。この場合、ピニオン移動体４はギヤ部３０の端面がリングギヤ２９の端面に当接した状態で前進できず、その場で回転しようとする。このため、凹凸部３１ａに係合している上部突出部６ａは、ピニオン移動体４の回転に引きずられて回転方向に撓むが、図４に示す様に、回転途中からプレート７の開口部７ｂに設けられた傾斜面７ｃに沿って次第にピニオン移動体４の径方向外側へ移動し（図４（ｃ）、（ｄ））、ピニオン移動体４が所定角度回転した時点で凹凸部３１ａから離脱して（図４（ｅ））、傾斜面７ｃに続く保持部７ｄに保持される（図４（ｆ））。
【００２２】
凹凸部３１ａから離脱した上部突出部６ａは、回転方向に引きずられて弾性変形することにより戻り力が生じるが、一旦プレート７の保持部７ｄに保持されると、スタータ１起動中においては、電磁スイッチ５の吸引力（プランジャ３８を吸引する力）がロッド４４を介して回転規制部材６を図１の下方へ付勢しているため、保持部７ｄから外れて再度凹凸部３１ａに係合することはない。但し、上部突出部６ａの弾性変形による戻り力に対して、回転規制部材６を下方へ付勢する力（電磁スイッチの吸引力）が弱いと、上部突出部６ａが保持部７ｄから外れて再度凹凸部３１ａに係合する可能性があるため、上部突出部６ａを保持部７ｄに留めるだけの付勢力を回転規制部材６に加える必要があることは言うまでもない。
【００２３】
上部突出部６ａがプレート７の保持部７ｄに保持された後、キースイッチ３６を開いて吸引コイル３７への通電を停止すると、電磁スイッチ５のプランジャ吸引力が消滅して、ロッド４４を通じて回転規制部材６を図１の下方へ付勢していた荷重がなくなる。この結果、スプリング４３の反力によって回転規制部材６が図１の上方へ押し戻されるため、上部突出部６ａはプレート７の保持部７ｄから離れて、スタータ１起動前の静止位置（図１に示す位置）へ復帰する。
【００２４】
（第１実施例の効果）
本実施例によれば、ギヤ部３０とリングギヤ２９とが噛み合い不能な状態のままピニオン移動体４が回転しても、鍔部３１の凹凸部３１ａに係合している上部突出部６ａは、回転途中からプレート７の開口部７ｂに設けられた傾斜面７ｃに沿って次第にピニオン移動体４の径方向外側へ移動し、上部突出部６ａが凹凸部３１ａに係合した位置からピニオン移動体４が所定角度回転した時点で凹凸部３１ａから離脱できる。これにより、上部突出部６ａが凹凸部３１ａに係合したままピニオン移動体４の回転に引きずられる場合に生じる上部突出部６ａと凹凸部３１ａとの係合と離脱との繰り返しを回避できるため、上部突出部６ａの極度な変形及び凹凸部３１ａの損傷を防止できる。
【００２５】
また、上部突出部６ａと凹凸部３１ａとの係合と離脱との繰り返しが回避できることにより、その係合と離脱の繰り返しによる騒音もなくなる。
さらには、上部突出部６ａと凹凸部３１ａとの係合と離脱との繰り返しによる摩擦熱の発生がなくなることから、ピニオン移動体４に設けられたスラストベアリングの油分が流出するのを回避でき、スラストベアリングの寿命低下を防止できると言った効果もある。
【００２６】
（第２実施例）
図６は凹凸部３１ａと上部突出部６ａとの係合状態を示す側面図である。
本実施例は、ピニオン移動体４が所定角度回転した時に、上部突出部６ａが凹凸部３１ａから抜け易くした一例を示す。
上部突出部６ａの先端が凹凸部３１ａからピニオン移動体４の回転方向に抜け易くするために、図６及び図７に示す様に、凹凸部３１ａの係合面角部にＲ面取りが形成されている。また、ワッシャ３３の後端面には、図８及び図９に示す様に、凹凸部３１ａから離脱した上部突出部６ａの先端を保持する筒状の突起部４６が設けられている。
【００２７】
本実施例によれば、ギヤ部３０とリングギヤ２９とが噛み合い不能な状態のままピニオン移動体４が回転すると、凹凸部３１ａに係合している上部突出部６ａはピニオン移動体４の回転に弾性変形することで凹凸部３１ａとの係合長さが次第に短くなる。そして、上部突出部６ａが凹凸部３１ａに係合した位置からピニオン移動体４が所定角度まで回転すると、凹凸部３１ａの係合面角部がＲ形状であることから、上部突出部６ａは凹凸部３１ａから容易に離脱できる（図６参照）。凹凸部３１ａから離脱した上部突出部６ａは、図９に示す様に、その先端部が、ワッシャ３３の後端面に設けられた突起部４６に保持されて、径方向内側（図９の下方）への落ち込みが防止される。なお、図示はないが、凹凸部３１ａの係合面角部がＣ面取り形状でも同様の効果を有することは言うまでもない。
本実施例においても、上部突出部６ａが凹凸部３１ａに係合した位置からピニオン移動体４が所定角度回転した時点で上部突出部６ａが凹凸部３１ａから離脱できるため、第１実施例と同様の効果を得ることができる。
【００２８】
（第３実施例）
図１０はピニオン移動体とリングギヤとのギャップのばらつきを示す側面図である。
スタータ静止時におけるピニオン移動体４とリングギヤ２９とのギャップは、図１０（第３実施例）及び図１１（第１実施例）に示す様に、Ｌ1 〜Ｌ2 のばらつきがある。このため、第１実施例に示したスタータ（係合部離脱手段であるプレート７の位置が固定されている構造）では、回転規制部材６の上部突出部６ａが鍔部３１の凹凸部３１ａに係合しながら回転してプレート７の傾斜面７ｃに当接した時（図１２参照）に、その傾斜面７ｃとの係合部６Ａから鍔部３１の凹凸部３１ａとの係合部６Ｂまでの軸方向長さにもｌ1 〜ｌ2 のばらつきが生じる（図１３及び図１４参照）。上部突出部６ａの傾斜面７ｃとの係合部６Ａには、ピニオン移動体４から受ける回転力により曲げ応力が発生するが、その曲げ応力は前記軸方向長さｌ1 〜ｌ2 に比例するため、軸方向長さがばらつきを生じると、曲げ応力もばらつくことになる。その結果、ばらつきの最大応力を見込んで回転規制部材６の強度を設計する必要があるため、回転規制部材６の設計自由度を狭める要因となっている。
【００２９】
そこで、本実施例では、ピニオン移動体４とともに移動するピニオン後退規制部材４７に係合離脱手段を設けることにより、上部突出部６ａに加わる曲げ応力を小さくできるスタータ１を提案する。
ピニオン後退規制部材４７は、図１５に示す様に、回動支点となる支点部４７ａと、この支点部４７ａと一体に設けられた円環状部（下述する）とから成る。支点部４７ａは、プレート４８（図１０参照）に固定されたピン４９に揺動自在に軸支されている。円環状部は、支点部４７ａから二股に分岐して伸びる分岐片４７ｂと、分岐片４７ｂから上方へ伸びる一対の側片４７ｃと、この一対の側片４７ｃを繋ぐ連結片４７ｄとから成り、この連結片４７ｄの両肩部に係合離脱手段としての段差面４７ｅが形成されている。なお、側片４７ｃは、図１５（ｂ）に示す様に、側方から見た形状が略くの字状に形成されて、その屈曲部が、ピニオン移動体４のワッシャ３３（スラストベアリング）に設けられた係合突起３３ａに係合している（図１０参照）。係合突起３３ａは、図１７に示す様に、ワッシャ３３の左右両端部から後方（反リングギヤ２９側）へ突設された一対の突起片３３ｂに設けられて、それぞれピニオン移動体４の軸心に向かって径方向内側に突出している。
【００３０】
このピニオン後退規制部材４７は、回転規制部材６（上部突出部６ａ）との係合によって回転規制されたピニオン移動体４が出力軸３上を前進すると、側片４７ｃがワッシャ３３の係合突起３３ａに係合しながら軸方向へ引っ張られることにより、ピニオン後退規制部材４７全体がピン４９を中心として回動する。その後、ピニオン移動体４のギヤ部３０がリングギヤ２９に噛み合って所定量だけ前進すると、回転規制部材６の上部突出部６ａがピニオン移動体４の鍔部３１に形成された凹凸部３１ａから外れてピニオン移動体４の後方側へ落ち込むことでピニオン移動体４の回転規制を解除し、更に上部突出部６ａの先端がピニオン後退規制部材４７の連結片４７ｄの後端面に当接することによりピニオン移動体４の後退を規制することができる。
【００３１】
一方、回転規制されたピニオン移動体４が出力軸３上を前進してギヤ部３０がリングギヤ２９に噛み合えなかった場合は、回転規制部材６の上部突出部６ａが鍔部３１の凹凸部３１ａに係合しながらピニオン移動体４の回転に引きずられて回転する（撓む）。ピニオン移動体４が所定角度回転すると、上部突出部６ａは、ピニオン後退規制部材４７に設けられた段差面４７ｅに当接し（図１６参照）、更に段差面４７ｅに沿って次第にピニオン移動体４の径方向外側へ移動することにより凹凸部３１ａから離脱することができる（図１７参照）。
【００３２】
ここで、上部突出部６ａが段差面４７ｅに当接した時に、その段差面４７ｅとの当接部に加わる曲げ応力は、上部突出部６ａの凹凸部３１ａとの係合部から前記当接部までの軸方向長さに比例する。但し、図１０に示した様に、ピニオン移動体４とリングギヤ２９とのギャップにばらつきＬ1 〜Ｌ2 があることから、上部突出部６ａの凹凸部３１ａとの係合部から前記当接部までの軸方向長さにもばらつきｌ3 〜ｌ4 が生じる（図１８及び図１９参照）。しかし、この第３実施例では、係合離脱手段（段差面４７ｅ）を具備するピニオン後退規制部材４７がピニオン移動体４とともに移動できるため、前記軸方向長さｌ3 、ｌ4 は、第１実施例の軸方向長さｌ1 、ｌ2 より短くなり、且つそのばらつきｌ3 〜ｌ4 も第１実施例のばらつきｌ1 〜ｌ2 より小さくなる。その結果、第１実施例の場合と比較して、上部突出部６ａに加わる曲げ応力を小さくできるため、回転規制部材６の設計自由度を高めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】スタータの断面図である。
【図２】第１実施例の要部斜視図である。
【図３】プレートの平面図である。
【図４】上部突出部が凹凸部から離脱する過程を示す説明図である。
【図５】始動モータの通電回路図である。
【図６】凹凸部と上部突出部との係合状態を示す側面図である（第２実施例）。
【図７】凹凸部の形状を示す斜視図である（第２実施例）。
【図８】フロントハウジング内部の構成（静止状態）を示す断面図である（第２実施例）。
【図９】フロントハウジング内部の構成（作動状態）を示す断面図である（第２実施例）。
【図１０】ピニオン移動体とリングギヤとのギャップのばらつきを示す側面図である（第３実施例）。
【図１１】ピニオン移動体とリングギヤとのギャップのばらつきを示す側面図である（第１実施例）。
【図１２】上部突出部が傾斜面に当接した状態を示す斜視図である（第１実施例）。
【図１３】軸方向長さのばらつきを示す側面半断面図である（第１実施例）。
【図１４】軸方向長さのばらつきを示す側面半断面図である（第１実施例）。
【図１５】ピニオン後退規制部材の平面図（ａ）、側面図（ｂ）、下面図（ｃ）である（第３実施例）。
【図１６】上部突出部が段差面に当接した状態を示す斜視図である（第３実施例）。
【図１７】上部突出部の移動を示す平面図である（第３実施例）。
【図１８】軸方向長さのばらつきを示す側面半断面図である（第３実施例）。
【図１９】軸方向長さのばらつきを示す側面半断面図である（第３実施例）。
【符号の説明】
１スタータ
２始動モータ
３出力軸
３ａヘリカルスプライン
４ピニオン移動体
４ａヘリカルスプライン
５電磁スイッチ（移動手段）
６回転規制部材
６ａ上部突出部（係合部）
７プレート（係合部離脱手段）
７ｃ傾斜面（案内面）
２９リングギヤ
３０ギヤ部
３１ａ凹凸部
４４ロッド（移動手段）
４７後退規制部材（後退規制手段）[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a starter for starting an engine.
[0002]
[Prior art]
In recent years, there has been a demand for downsizing the starter as the engine room becomes overcrowded due to an increase in auxiliary machinery and the like. In view of this, a conventional technique relating to the reduction in size and weight of the starter is disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 8-93607.
This starter has a pinion rotation restricting member that restricts the rotation of the pinion that engages with the helical spline on the output shaft, and the pinion is restricted by the pinion rotation restricting member to give a relative rotation difference to the output shaft. This is a method of moving forward. According to this method, the mass moved by the electromagnetic switch can be reduced compared to a starter that pushes the pinion with the actuation force (suction force) of the electromagnetic switch in conjunction with the one-way clutch, so the electromagnetic switch can be downsized. Can be planned.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, the starter of the above-described type that restricts the rotation of the pinion and advances the pinion reaches the end surface of the ring gear for some reason, but fails to mesh with the ring gear.For example, immediately after the starter is started, the pinion When restarting during inertial rotation, the pinion rotation restricting member is dragged in the rotation direction of the pinion while being engaged with the concave and convex portions of the pinion, so that the pinion rotation restricting member is extremely deformed, and finally Was found to be potentially damaged.
The present invention has been made based on the above circumstances, and an object thereof is to provide a starter capable of avoiding extreme deformation of the pinion rotation restricting member when the pinion and the ring gear cannot be engaged with each other. It is in.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
According to the first aspect of the present invention, when the pinion moving body rotates while the forward movement of the pinion moving body is restricted and the engaging portion of the rotation restricting member is engaged with the uneven portion, the engaging portion becomes uneven. Engagement part detachment means for detaching the engagement part from the concavo-convex part when the pinion moving body rotates by a predetermined angle from the position engaged with the part is provided. The engaging part disengaging means is provided separately from the engaging part, and when the pinion moving body in a state in which the engaging part is engaged rotates by a predetermined angle, the engaging part is bent in the rotation direction. The engaging part is moved, and the engaging part is detached from the uneven part. As a result, even if the pinion moving body is restarted immediately after starting the starter while it is inertially rotated, the engagement portion of the rotation restricting member remains engaged with the concavo-convex portion of the pinion moving body. It is possible to avoid a situation in which it is dragged in the rotational direction and deformed extremely.
[0005]
According to the second aspect of the present invention, the engaging part releasing means has a guide surface for guiding the engaging part radially outward from the outer diameter of the concavo-convex part as the pinion moving body rotates. As a result, when the pinion moving body rotates by a predetermined angle from the position engaged with the concavo-convex portion, the engaging portion of the rotation restricting member moves radially outward from the outer diameter of the concavo-convex portion along the guide surface of the engaging portion detaching means. By moving, it can be detached from the uneven portion.
[0006]
According to the third aspect of the present invention, the engaging surface of the concavo-convex portion is provided in a shape in which the tip of the engaging portion is easily removed from the concavo-convex portion in the rotation direction of the pinion moving body. Specifically, chamfering is formed at least at the corner on the rotational direction side of the pinion moving body at the end portion on the side opposite to the ring gear in the axial direction of the convex portion of the concave and convex portion. As a result, when the pinion moving body rotates by a predetermined angle from the position where the engaging portion is engaged with the concavo-convex portion, the engagement length with the concavo-convex portion is shortened due to elastic deformation of the engaging portion. The engagement portion can be easily detached from the concavo-convex portion by being provided in a shape that can be easily removed.
[0007]
According to the fourth aspect of the present invention, the engaging part releasing means can move together with the pinion moving body. Thus, when the pinion moving body rotates by a predetermined angle while the engaging part of the rotation restricting member is engaged with the uneven part of the pinion moving body, the engaging part of the rotation restricting member and the uneven part of the pinion moving body contact each other. The axial length from the position to the contact position between the rotation restricting member and the engaging portion releasing means can be shortened. Further, since there is a variation in the gap between the gear portion of the pinion moving body and the ring gear when stationary, the rotation restricting member and the engaging portion are determined from the contact position between the engaging portion of the rotation restricting member and the concavo-convex portion of the pinion moving body. Although the axial length to the contact position with the disengaging means also varies, in the present invention, the engaging part disengaging means cannot move because the engaging part disengaging means moves with the pinion moving body. Compared with the case of the structure, the variation in the axial length can be suppressed small. Thereby, since the stress added to the contact part with the engaging part removal means of a rotation control member can be made small, the freedom degree of design of a rotation control member can be raised.
[0008]
According to the means of claim 5, the effects of claims 1 to 4 can be obtained without increasing the number of parts by integrating the engagement / disengagement means with the retreat restricting means.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, the starter of the present invention will be described with reference to the drawings.
(First embodiment)
FIG. 1 is a sectional view of a starter.
The starter 1 of the present embodiment includes a starter motor 2 that generates a rotational force, a planetary gear speed reducer (described later) that decelerates the rotation of the starter motor 2, an output shaft 3 that rotates in response to the rotation output of the speed reducer, A pinion moving body 4 fitted to the output shaft 3, an electromagnetic switch 5 for controlling energization to the starting motor 2, and a rotation restricting member 6 for restricting the rotation of the pinion moving body 4 before the starting motor 2 rotates (FIG. 2). And a plate 7 (see FIG. 3) for releasing the rotation restriction of the pinion moving body 4 by the rotation restriction member 6 and the like.
[0010]
The starting motor 2 includes a cylindrical yoke 8 that forms a magnetic frame, a fixed magnetic pole 9 (for example, a plurality of permanent magnets) fixed to the inner peripheral surface of the yoke 8, and an inner periphery of the fixed magnetic pole 9. 1 and a brush 12 that is in sliding contact with the commutator 11 provided on the rear end surface (the right end surface in FIG. 1) of the armature 10.
The armature 10 is rotatably supported at one end of the rotating shaft 13 via a bearing 15 held by a partition plate 14 that separates the armature 10 and the speed reducer, and the other end of the rotating shaft 13 is connected to the armature 10. It is rotatably supported via a bearing 17 held by a partition plate 16 that separates from the electromagnetic switch 5.
[0011]
The reduction gear includes a sun gear 18 (external tooth) formed on the outer periphery of one end of the rotary shaft 13, an internal gear 19 (internal tooth) located on the outer periphery in the radial direction of the sun gear 18, and between the sun gear 18 and the internal gear 19. And a plurality of planetary gears 20 meshing with both gears 18 and 19 and a carrier portion 21 that rotatably supports the planetary gears 20.
The internal gear 19 is formed on the inner peripheral surface of the gear component 23 whose rotation is restricted to the inner periphery of the front housing 22. The planetary gear 20 is rotatably supported through a bearing 25 that fits on the outer periphery of a pin 24 press-fitted into the carrier portion 21. The carrier portion 21 is positioned on the outer periphery of the rear end portion of the output shaft 3, and a roller 26 is interposed between the carrier shaft 21 and the rear end portion of the output shaft 3, thereby forming a one-way clutch together with the rear end portion of the output shaft 3 and the roller 26. is doing. The one-way clutch transmits the rotational output of the reduction gear to the output shaft 3 via the roller 26.
[0012]
The output shaft 3 is arranged coaxially with the rotary shaft 13, and one end thereof is rotatably supported via a bearing 27 held by the front housing 22, and the other end side is held by the inner cylinder portion 23 a of the gear component 23. It is supported rotatably via a bearing 28. A helical spline 3a is formed on the outer peripheral surface between both bearings 27 and 28 of the output shaft 3, and the helical spline 4a formed on the inner periphery of the pinion moving body 4 is fitted to the helical spline 3a.
[0013]
The pinion moving body 4 has a gear portion 30 for meshing with a ring gear 29 provided on the drive shaft of the engine, and has a larger outer diameter than the gear portion 30 on the rear end side (right end side in FIG. 1) of the gear portion 30. There is a flange 31 having a large number of irregularities 31a (see FIG. 2) formed on the outer periphery, and a washer 33 (thrust bearing) supported rotatably via a roller 32 is disposed on the rear end surface of the flange 31. It is installed.
The pinion moving body 4 is provided so as to be movable in the axial direction on the output shaft 3 by meshing the helical spline 3a of the output shaft 3 and the helical spline 4a of the pinion moving body 4, and is disposed in front of the gear portion 30. The spring 34 is always urged toward the rear side (the counter ring gear 29 side) of the starter 1.
[0014]
The electromagnetic switch 5 is disposed at the rear end of the starter 1 and is fixed to the inner periphery of a rear case 35 having a bowl shape.
The electromagnetic switch 5 includes a suction coil 37 that is energized when the key switch 36 (see FIG. 5) is closed, and a plunger 38 that is movably disposed on the inner periphery of the suction coil 37. Along with the movement, a motor contact (described below) interposed in the energization circuit (see FIG. 5) of the starter motor 2 is opened and closed. The suction coil 37 and the plunger 38 are arranged so that the moving direction of the plunger 38 is the radial direction of the rear case 35 (the vertical direction in FIG. 1).
As shown in FIG. 5, the motor contact includes a movable contact 39 attached to the upper end of the plunger 38, a battery side fixed contact 41 provided integrally with a battery terminal 40 fixed to the rear case 35, and the brush 12 (positive electrode). 1), and when the plunger 38 is sucked and moved upward in FIG. 1, the movable contact 39 abuts both the fixed contacts 41, 42, thereby the both fixed contacts 41, 42. Is conducted.
[0015]
As shown in FIG. 2, the rotation restricting member 6 is formed by, for example, winding a metal rod-like member in a loop shape and bending both end portions 6a and 6b at substantially opposite positions in the radial direction in the same direction. Yes. The rotation restricting member 6 has a portion wound in a loop shape in the space formed between the plate 7 disposed in front of the gear constituting member 23 and the gear constituting member 23. Both end portions 6a and 6b, which are arranged on the outer periphery of the cylindrical portion 23a and are bent in the same direction, are taken out forward from the plate 7, and the whole is provided so as to be movable in the vertical direction of FIG.
[0016]
One end 6a (hereinafter referred to as the upper projecting portion 6a) taken forward from the plate 7 is taken out from the radial upper part of the plate 7 (outside in the radial direction from the outer peripheral surface of the flange 31 of the pinion moving body 4). Therefore, the tip end face is located in front of the flange 31 of the pinion moving body 4. Further, the other end 6 b (hereinafter referred to as the lower protrusion 6 b) is taken out from the lower portion in the radial direction of the plate 7, and the tip end surface thereof is located behind the washer 33 of the pinion moving body 4.
The rotation restricting member 6 is constantly urged upward in FIG. 1 by the urging force of the spring 43 with the spring 43 fixed to the plate 7 engaging the lower protrusion 6 b. Further, the operating force of the electromagnetic switch 5 (movement of the plunger 38) is transmitted through the rod 44, so that the electromagnetic switch 5 can move downward in FIG. 1 against the urging force of the spring 43. Therefore, the moving means of the present invention comprises the electromagnetic switch 5 and the rod 44.
[0017]
The rod 44 engages with the plunger 38 to follow the movement of the plunger 38, an operating part 44b that engages with the lower protruding part 6b to operate the lower protruding part 6b, a moving part 44a and an operating part. The connecting portion 44c extends substantially in parallel with the rotary shaft 13 on the outer side in the radial direction of the armature 10 and the outer side of the speed reducer. The connecting portion 44c of the rod 44 is rotatably supported by two bearings (not shown), and when the moving portion 44a moves following the plunger 38, the movement of the moving portion 44a is caused by the movement of the connecting portion 44c. The operation part 44b which is converted into the rotational motion and rotates together with the connecting part 44c can operate the lower protrusion 6b.
[0018]
As shown in FIG. 3, the plate 7 is provided in a substantially circular shape, and the rotation of the plate 7 is restricted with respect to the front housing 22 by two protrusions 7 a formed on the outer peripheral edge. The plate 7 is provided with an opening 7b through which the upper protruding portion 6a is taken out and an opening (not shown) through which the lower protruding portion 6b is taken out. The protrusion 6 a is formed to extend in the rotation direction of the pinion moving body 4 so that the protrusion 6 a can be dragged and moved by the rotation of the pinion moving body 4 while being engaged with the concave and convex portion 31 a of the flange 31. In addition, when the pinion moving body 4 is rotated by a predetermined angle from the position where the upper protrusion 6a is engaged with the uneven portion 31a, the opening 7b is engaged with the uneven portion 31a of the flange 31 until then and the pinion moves. An inclined surface 7c (guide surface of the present invention) for separating the upper projecting portion 6a that has followed the rotation of the body 4 from the concavo-convex portion 31a and a holding portion 7d for holding the detached upper projecting portion 6a are formed. Yes.
[0019]
Next, the operation of this embodiment will be described.
When the key switch 36 is closed, a current flows from the battery 45 to the suction coil 37 of the electromagnetic switch 5 to generate a magnetic force, and the plunger 38 is attracted and moved upward in FIG. The movement of the plunger 38 is transmitted to the rotation restricting member 6 through the rod 44, and the rotation restricting member 6 moves downward in FIG. 1 while bending the spring 43. As a result, the upper protrusion 6 a of the rotation restricting member 6 engages with the concavo-convex portion 31 a provided on the outer periphery of the flange 31 of the pinion moving body 4 to restrict the rotation of the pinion moving body 4.
[0020]
On the other hand, in the electromagnetic switch 5, the movable contact 39 contacts the both fixed contacts 41, 42 by moving the plunger 38 and closes between the both fixed contacts 41, 42, so that a current flows from the battery 45 to the armature 10 and the armature 10. Starts rotating. The rotation of the armature 10 is transmitted to the output shaft 3 after being decelerated by the reduction gear, and the output shaft 3 rotates. The rotation of the output shaft 3 also tries to rotate the pinion moving body 4. However, since the rotation of the pinion moving body 4 is restricted as described above, the rotation of the output shaft 3 is moved by the engagement of the helical splines 3a and 4a. Acts on the body 4 as a thrust. Thereby, the pinion moving body 4 moves forward on the output shaft 3, and the end surface of the gear portion 30 of the pinion moving body 4 comes into contact with the end surface of the ring gear 29. At this time, the upper protrusion 6a engaged with the concavo-convex portion 31a of the collar portion 31 can bend in the rotation direction of the pinion moving body 4, so that the pinion moving body 4 rotates at least one pitch of the gear portion 30. In the meantime, the gear portion 30 and the ring gear 29 can be engaged with each other, the pinion moving body 4 moves forward again on the output shaft 3, and the gear portion 30 is engaged with the ring gear 29. When the gear portion 30 and the ring gear 29 are completely meshed, the upper protruding portion 6a that has been engaged with the uneven portion 31a until then is detached from the uneven portion 31a and behind the washer 33 provided at the rear end of the pinion moving body 4. The pinion moving body 4 is prevented from moving backward by entering.
[0021]
However, if the gear portion 30 cannot engage with the ring gear 29 for some reason, for example, the engine has failed to ignite and the starter 1 is rotated again in the situation where the pinion moving body 4 immediately after the starter 1 stops is inertially rotated. In the case of starting, the pinion moving body 4 (gear part 30) and the ring gear 29 cannot normally engage with each other. In this case, the pinion moving body 4 cannot move forward in a state where the end face of the gear portion 30 is in contact with the end face of the ring gear 29 and tries to rotate on the spot. For this reason, the upper protruding portion 6a engaged with the concavo-convex portion 31a bends in the rotation direction while being dragged by the rotation of the pinion moving body 4, but as shown in FIG. 7b is gradually moved radially outward of the pinion moving body 4 along the inclined surface 7c (FIGS. 4 (c) and 4 (d)), and when the pinion moving body 4 rotates by a predetermined angle, the uneven portion 31a It separates (FIG. 4 (e)) and is held by the holding portion 7d following the inclined surface 7c (FIG. 4 (f)).
[0022]
The upper projecting portion 6a detached from the concavo-convex portion 31a is dragged in the rotational direction and elastically deformed to generate a return force. Once held by the holding portion 7d of the plate 7, once the starter 1 is activated, electromagnetic waves are generated. Since the suction force of the switch 5 (the force that sucks the plunger 38) urges the rotation restricting member 6 downward in FIG. 1 via the rod 44, the switch 5 disengages from the holding portion 7d and engages with the uneven portion 31a again. There is nothing. However, if the force that biases the rotation restricting member 6 downward (the attractive force of the electromagnetic switch) is weaker than the return force due to the elastic deformation of the upper protruding portion 6a, the upper protruding portion 6a is detached from the holding portion 7d again. Needless to say, it is necessary to apply an urging force to the rotation restricting member 6 so that the upper projecting portion 6a is fastened to the holding portion 7d because there is a possibility of engaging with the uneven portion 31a.
[0023]
After the upper protrusion 6 a is held by the holding portion 7 d of the plate 7, when the key switch 36 is opened and the energization to the suction coil 37 is stopped, the plunger suction force of the electromagnetic switch 5 disappears and the rotation restriction through the rod 44 The load that urges the member 6 downward in FIG. 1 is eliminated. As a result, the rotation restricting member 6 is pushed back upward in FIG. 1 by the reaction force of the spring 43, so that the upper projecting portion 6a moves away from the holding portion 7d of the plate 7 and is in a stationary position before starting the starter 1 (shown in FIG. 1). Return to position.
[0024]
(Effects of the first embodiment)
According to the present embodiment, even if the pinion moving body 4 rotates while the gear portion 30 and the ring gear 29 cannot be engaged with each other, the upper protruding portion 6a engaged with the uneven portion 31a of the flange portion 31 is From the middle of rotation, the pinion moving body 4 gradually moves to the outside in the radial direction of the pinion moving body 4 along the inclined surface 7c provided in the opening 7b of the plate 7, and the pinion moving body 4 from the position where the upper protrusion 6a is engaged with the uneven portion 31a. Can be detached from the concavo-convex portion 31a when it has rotated a predetermined angle. Thereby, it is possible to avoid repetition of engagement and disengagement between the upper protrusion 6a and the uneven portion 31a that occurs when the upper protrusion 6a is dragged by the rotation of the pinion moving body 4 while being engaged with the uneven portion 31a. Extreme deformation of the upper protruding portion 6a and damage to the uneven portion 31a can be prevented.
[0025]
Further, since it is possible to avoid repeated engagement and disengagement between the upper projecting portion 6a and the uneven portion 31a, noise due to repeated engagement and disengagement is eliminated.
Furthermore, since the generation of frictional heat due to repeated engagement and disengagement between the upper projecting portion 6a and the concavo-convex portion 31a is eliminated, it is possible to avoid the oil content of the thrust bearing provided in the pinion moving body 4 from flowing out, There is also an effect that it is possible to prevent the life of the thrust bearing from being reduced.
[0026]
(Second embodiment)
FIG. 6 is a side view showing an engaged state between the uneven portion 31a and the upper protruding portion 6a.
This embodiment shows an example in which the upper protrusion 6a is easily removed from the concavo-convex portion 31a when the pinion moving body 4 rotates by a predetermined angle.
In order to make it easy for the tip of the upper protrusion 6a to come off from the uneven portion 31a in the rotation direction of the pinion moving body 4, as shown in FIGS. 6 and 7, an R chamfer is formed at the corner of the engaging surface of the uneven portion 31a. ing. Further, as shown in FIGS. 8 and 9, a cylindrical protrusion 46 is provided on the rear end surface of the washer 33 to hold the tip of the upper protruding portion 6a detached from the uneven portion 31a.
[0027]
According to this embodiment, when the pinion moving body 4 rotates while the gear portion 30 and the ring gear 29 cannot be engaged with each other, the upper protrusion 6 a engaged with the concavo-convex portion 31 a is rotated by the rotation of the pinion moving body 4. Due to elastic deformation, the engagement length with the concavo-convex portion 31a is gradually shortened. When the pinion moving body 4 rotates to a predetermined angle from the position where the upper protruding portion 6a is engaged with the concavo-convex portion 31a, the engaging surface corner of the concavo-convex portion 31a has an R shape, and therefore the upper protruding portion 6a It can be easily detached from the portion 31a (see FIG. 6). As shown in FIG. 9, the upper protruding portion 6 a detached from the concavo-convex portion 31 a is held by a protrusion 46 provided on the rear end surface of the washer 33, and is radially inward (downward in FIG. 9). Depression is prevented. Although not shown, it goes without saying that the same effect can be obtained even when the engaging surface corner of the concavo-convex portion 31a has a C chamfered shape.
Also in this embodiment, since the upper protrusion 6a can be detached from the uneven portion 31a when the pinion moving body 4 rotates a predetermined angle from the position where the upper protrusion 6a is engaged with the uneven portion 31a, the same as in the first embodiment. The effect of can be obtained.
[0028]
(Third embodiment)
FIG. 10 is a side view showing variations in the gap between the pinion moving body and the ring gear.
As shown in FIG. 10 (third embodiment) and FIG. 11 (first embodiment), the gap between the pinion moving body 4 and the ring gear 29 when the starter is stationary varies from L1 to L2. For this reason, in the starter shown in the first embodiment (the structure in which the position of the plate 7 that is the engaging portion disengaging means is fixed), the upper projecting portion 6 a of the rotation restricting member 6 is formed on the uneven portion 31 a of the flange portion 31. When rotating while engaging and contacting the inclined surface 7c of the plate 7 (see FIG. 12), from the engaging portion 6A with the inclined surface 7c to the engaging portion 6B with the concavo-convex portion 31a of the flange portion 31 Variations in the axial direction length of l1 to l2 also occur (see FIGS. 13 and 14). A bending stress is generated in the engaging portion 6A of the upper projecting portion 6a with the inclined surface 7c by the rotational force received from the pinion moving body 4, but the bending stress is proportional to the axial length l1 to l2. If the axial length varies, the bending stress also varies. As a result, since it is necessary to design the strength of the rotation restricting member 6 in consideration of the maximum stress of variation, this is a factor that narrows the degree of freedom in designing the rotation restricting member 6.
[0029]
Therefore, in this embodiment, the starter 1 is proposed that can reduce the bending stress applied to the upper protruding portion 6a by providing the engagement / disengagement means to the pinion retraction regulating member 47 that moves together with the pinion moving body 4.
As shown in FIG. 15, the pinion retraction restricting member 47 includes a fulcrum portion 47a serving as a rotation fulcrum and an annular portion (described below) provided integrally with the fulcrum portion 47a. The fulcrum part 47a is pivotally supported by a pin 49 fixed to a plate 48 (see FIG. 10). The annular portion includes a branch piece 47b that branches and extends bifurcated from the fulcrum portion 47a, a pair of side pieces 47c that extends upward from the branch piece 47b, and a connecting piece 47d that connects the pair of side pieces 47c. Stepped surfaces 47e as engagement / disengagement means are formed on both shoulders of the connecting piece 47d. As shown in FIG. 15B, the side piece 47c is formed in a substantially square shape when viewed from the side, and the bent portion thereof is a washer 33 (thrust bearing) of the pinion moving body 4. Is engaged with an engaging projection 33a provided on the surface (see FIG. 10). As shown in FIG. 17, the engagement protrusions 33 a are provided on a pair of protrusion pieces 33 b that protrude rearward (on the opposite side of the ring gear 29) from the left and right ends of the washer 33. Projecting radially inward.
[0030]
When the pinion moving body 4 whose rotation is restricted by the engagement with the rotation restricting member 6 (upper protrusion 6 a) moves forward on the output shaft 3, the side piece 47 c becomes an engagement protrusion of the washer 33. By being pulled in the axial direction while engaging with 33a, the entire pinion retraction restricting member 47 rotates around the pin 49. Thereafter, when the gear portion 30 of the pinion moving body 4 is engaged with the ring gear 29 and moves forward by a predetermined amount, the upper protruding portion 6a of the rotation restricting member 6 is disengaged from the uneven portion 31a formed on the flange portion 31 of the pinion moving body 4. When the pinion moving body 4 falls to the rear side, the rotation restriction of the pinion moving body 4 is released, and the tip of the upper protrusion 6a abuts on the rear end face of the connecting piece 47d of the pinion retraction restricting member 47, thereby causing the pinion moving body. 4 backwards can be regulated.
[0031]
On the other hand, when the rotation-restricted pinion moving body 4 moves forward on the output shaft 3 and the gear part 30 cannot engage with the ring gear 29, the upper protrusion part 6a of the rotation-restricting member 6 has the uneven part 31a of the flange part 31. The pinion moving body 4 is dragged by the rotation of the pinion moving body 4 while being engaged (bends). When the pinion moving body 4 rotates by a predetermined angle, the upper projecting portion 6a abuts on a step surface 47e provided on the pinion retraction restricting member 47 (see FIG. 16), and further gradually along the step surface 47e. By moving radially outward, it can be detached from the concavo-convex portion 31a (see FIG. 17).
[0032]
Here, when the upper projecting portion 6a contacts the step surface 47e, the bending stress applied to the contact portion with the step surface 47e is changed from the engaging portion with the concavo-convex portion 31a of the upper projecting portion 6a to the contact portion. It is proportional to the length in the axial direction. However, as shown in FIG. 10, since there are variations L1 to L2 in the gap between the pinion moving body 4 and the ring gear 29, the portion from the engaging portion with the concavo-convex portion 31a of the upper protruding portion 6a to the abutting portion. Variations l3 to l4 also occur in the axial length (see FIGS. 18 and 19). However, in the third embodiment, since the pinion retraction restricting member 47 having the engagement / disengagement means (step surface 47e) can move together with the pinion moving body 4, the axial lengths l3 and l4 are the same as those in the first embodiment. And the variations l3 to l4 are also smaller than the variations l1 to l2 of the first embodiment. As a result, compared to the case of the first embodiment, the bending stress applied to the upper protruding portion 6a can be reduced, so that the degree of freedom in designing the rotation restricting member 6 can be increased.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of a starter.
FIG. 2 is a perspective view of a main part of the first embodiment.
FIG. 3 is a plan view of a plate.
FIG. 4 is an explanatory diagram illustrating a process in which an upper protruding portion is detached from an uneven portion.
FIG. 5 is an energization circuit diagram of a starter motor.
FIG. 6 is a side view showing an engagement state between the concavo-convex part and the upper projecting part (second embodiment).
FIG. 7 is a perspective view showing the shape of an uneven portion (second embodiment).
FIG. 8 is a cross-sectional view showing a configuration (stationary state) inside the front housing (second embodiment).
FIG. 9 is a cross-sectional view showing the configuration (operation state) inside the front housing (second embodiment).
FIG. 10 is a side view showing variation in the gap between the pinion moving body and the ring gear (third embodiment).
FIG. 11 is a side view showing variation in the gap between the pinion moving body and the ring gear (first embodiment).
FIG. 12 is a perspective view showing a state in which the upper projecting portion is in contact with the inclined surface (first embodiment).
FIG. 13 is a side half sectional view showing variations in axial length (first embodiment).
FIG. 14 is a side half sectional view showing variations in axial length (first embodiment).
FIG. 15 is a plan view (a), a side view (b), and a bottom view (c) of a pinion retraction regulating member (third embodiment).
FIG. 16 is a perspective view showing a state in which the upper protruding portion is in contact with the step surface (third embodiment).
FIG. 17 is a plan view showing the movement of the upper protrusion (third embodiment).
FIG. 18 is a side half sectional view showing variations in axial length (third embodiment).
FIG. 19 is a side cross-sectional view showing variations in axial length (third embodiment).
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Starter 2 Starter motor 3 Output shaft 3a Helical spline 4 Pinion moving body 4a Helical spline 5 Electromagnetic switch (moving means)
6 Rotation restriction member 6a Upper protrusion (engagement portion)
7 Plate (engaging part release means)
7c Inclined surface (guide surface)
29 Ring gear 30 Gear portion 31a Uneven portion 44 Rod (moving means)
47 Retraction restriction member (retraction restriction means)

Claims

A starting motor that generates rotational force;
An output shaft driven and rotated by the starting motor;
A pinion that has a gear portion that meshes with the ring gear of the engine, and has a concave and convex portion that is formed on the opposite side of the ring gear in the axial direction of the gear portion, and is engaged with the output shaft by a helical spline. A moving object,
A rotation restricting member that has an engaging portion engageable with the uneven portion, and that elastically restricts the pinion moving body in the rotation direction in a state where the engaging portion engages with the uneven portion;
Moving means for moving the engaging portion of the rotation restricting member to the uneven portion;
The engagement that is provided separately from the engagement portion and is bent in the rotation direction when the pinion moving body in a state in which the engagement portion is engaged rotates by a predetermined angle and the engagement portion is bent. A starter comprising: an engaging part detaching means for moving the part and detaching the engaging part from the concavo-convex part.

2. The engaging part disengaging means has a guide surface that guides the engaging part radially outward from the outer diameter of the concavo-convex part as the pinion moving body rotates. The starter described.

The engaging part disengaging means is an end part on the side opposite to the ring gear in the axial direction of the convex part of the concavo-convex part, and is a part where a chamfer is formed at least in a corner on the rotational direction side of the pinion moving body. The starter according to claim 1.

The starter according to any one of claims 1 to 3 , wherein the engaging part disengaging means is movable together with the pinion moving body.

Retreat restriction means for restricting retraction of the pinion moving body from a position where the pinion moving body has advanced a predetermined amount toward the ring gear;
The starter according to any one of claims 1 to 4, wherein the engagement portion disengaging means is provided in the retraction restricting means.