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JP3859303B2 - 合成石英ガラス粉末の製造方法及び石英ガラス成形体 - Google Patents

合成石英ガラス粉末の製造方法及び石英ガラス成形体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として半導体製造分野、及び光ファイバー関連等の光学分野に於いて用いられる石英ガラス製品中の泡の発生量の極めて少ないものを得ることができる合成石英ガラス粉末の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、光通信分野、半導体産業等で使用されるガラス製品においては、その品質に関して非常に厳しい管理が行われている。このような、高純度のガラスの製造方法としては、主に、(1)天然石英を精製して用いる方法、(2)四塩化珪素等の気体珪素化合物の酸水素炎中での加水分解、熱分解で発生したヒュームを用い、これを溶融成形する気相法、(3)シリコンアルコキシド等の液相での加水分解、ゲル化等により得たシリカゲル粉末を焼成して得た合成石英粉を用いる方法、等が知られている。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】
しかしながら、これらのうち(1)の方法では、微量不純物含有量の低減に限界があり、(2)の方法では、極めて製造コストが高い等の問題がある。(3)のシリカゲルを用いる方法、特にシリコンアルコキシドを原料としたシリカゲル粉末を用いる方法では、(2)の方法と比較すると安価に微量不純物含有量が低い合成石英ガラスを得ることができる。
【0004】
一方、金属不純物レベル以外の要求として、石英ガラス製品中の泡の発生が少ないことが求められている。石英ガラス製品中に泡が発生すると、半導体製造用部材で高温で使用される際に、強度低下の要因となり、また、シリコン単結晶引き上げ用ルツボでは、泡が破裂して、シリコン融液の液面揺動、歩留まり低下の要因となる。また、光学用途においても、光の散乱起点となり透過率の低下が生じ、光ファイバー製造においては、引き延ばし時に断線の原因となり得る。特に、シリコンアルコキシドを原料としたゾルゲル法による合成では、この反応をバッチ式で実施する際、反応バッチ数が多くなると、その反応機の内壁部及び、撹拌翼等にスケーリングが生じ、その厚みがある程度成長すると剥離して、製品中に混入することが本発明者らの検討により判明している。このスケールは、元々は加水分解反応により生成したシリカゲルであるが、正常なゲルと比較して緻密な構造を有し、焼成して合成石英ガラス粉末とする際に、アルコキシ基又は副生アルコール由来のカーボン成分が脱離しにくいため、黒色異物となり易く、これが溶融時にCO又はCO2ガスとなり、泡発生の原因となる事が本発明者らにより判明している(特開平6−340411号公報、特開平8−188411号公報)。このため、付着したスケールを定期的に苛性ソーダ水溶液で溶解除去することにより、安定的に溶融時に発泡の少ない合成石英ガラス粉末を得る技術が本発明者らにより見出されている(特開平6−340411号公報)。しかしながら、この方法では、反応機の構造によっては、溶解除去に用いた苛性ソーダが反応機のデッドスペース等に残留し、加水分解反応開始後、かなりのバッチ数の製品が、Naで汚染されることがあり、生産性が低下する。
【0005】
また、シリカゲルの焼成時に黒色異物を発生し難くする方法として、加水分解反応により得られたゲルを150℃以上の過熱水蒸気により処理する方法(特公平5−4925号公報)が知られており、この方法では通常のゲル粒子については効果が期待できるが、先述したスケールの様な著しく性状が変化したもの(緻密化の進行したもの)については、水蒸気処理を行っても、ほとんど効果のない事が判った。本発明の目的は、これら問題点を解決し、シリカゲル焼成によって黒色異物の発生しない合成石英ガラス粉末を安定的に得ることが可能な、合成石英ガラス粉末の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の問題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、加水分解工程において、反応機内壁等に生成したスケールを熱水と接触させて、一定時間処理することにより、焼成時にスケールが黒点化せず、安定的に黒色異物の発生しない合成石英ガラス粉末を得ることができることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、アルコキシシランを加水分解して得られたゲルを、乾燥した後、焼成して合成石英ガラス粉末を製造する際に、アルコキシシランの加水分解を行う反応容器の加水分解液が接触する部分を、アルコキシシラン及び水の導入に先立ち予め70℃以上の熱水と接触させることを特徴とする合成石英ガラス粉末の製造方法にある。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においてはアルコキシシランを加水分解してゲルを得、これを焼成して合成石英ガラス粉末とする。
アルコキシシランの加水分解によるシリカゲル粉末の製造は、いわゆるゾル・ゲル法として公知の方法にしたがって、アルコキシシランと水とを反応させることによって行われる。
【0008】
原料として用いられるテトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のC1〜4の低級アルコキシシラン或いはその低縮合物であるオリゴマーが、加水分解が容易でありシリカゲル中への炭素の残存が少ない点から好ましい。
【0009】
水の使用量は通常、アルコキシシラン中のアルコキシ基の1倍等量以上から10倍等量以下の範囲から選択される。この際、必要に応じて、水と相溶性のあるアルコール類やエーテル類等の有機溶媒を混合して使用してもよい。使用されるアルコールの代表例としては、メタノール・エタノール等の低級脂肪族アルコール等が挙げられる。ここで、本発明においては、これらの反応系に導入されるアルコキシシラン、水、及びアルコール等の有機溶媒については、予め反応系に導入される前に、フィルターを通して異物を除去する方が好ましい。こうして、フィルターを通すことにより最終的に得られた合成石英ガラス粉末は、溶融成型時の失透が防止され、透明度が特に優れた成形体を得ることができる。この理由は明らかではないが、フィルターで除去可能な粒状異物が失透のメカニズムに何らかの役割を果たしているものと考えられる。
【0010】
この加水分解反応には、触媒として塩酸、酢酸等の酸や、アンモニア等のアルカリの存在下としてもよい。なお、当然のことながら、ここで使用する水、触媒等の、反応系に導入される物質は、全て高純度とする。
加水分解生成物のゲル化は、加熱下あるいは常温で実施される。加熱を行うと、ゲル化の速度を向上することができるので、加熱の程度を調節することにより、ゲル化時間を調節することができる。
【0011】
シリカゲルを得るには、これら公知の方法をいずれも特に限定されず採用することができるのであるが、一般にはシリカゲルを沈殿物として生成させるよりも全体を一個のゲルとし、これを粉砕して粉砕シリカゲル粉末として以下の工程に処するのが、得られる石英粉の物性が特に優れ、上澄みとの分離等余分な工程を要さずまた歩留まりもよいため、望ましい。
【0012】
この加水分解・ゲル化反応を、特にバッチ方式により実施した場合、反応容器の内部の加水分解液と接触する部分、及び、反応時に揮発した成分が凝縮する部分において、スケールが発生し、バッチ数を重ねる度にその厚みを増していく。また、このスケールは、反応バッチ数を繰り返すことにより、その性状も変化し、比表面積が下がり緻密化し、焼成した際にカーボン成分が残存しやすく、黒色異物発生の要因となる。
【0013】
本発明においては、この反応容器の内部の、加水分解液が接触する部分を、上記の加水分解反応に先立ち、つまりアルコキシシランと水との容器内への導入に先だって、予め特定処理しておく。すなわち70℃以上の熱水と接触させる。これにより、スケール付着部分が熱水と接触することにより、スケールの性状が、焼成時に黒点化しないものに変化することを本発明者らが見出したものである。この熱水との接触に使用する熱水の温度としては70℃以上、好ましくは90℃以上とするのが良い。70℃より温度が低いと、スケール物質の改質効果が十分でなく、黒色異物の発生を完全に抑えることが困難となる。また、熱水の温度は高いほど、高い改質効果が短時間で得られるので好ましいが170℃を超えると、理由は明らかではないが、温度が高くなるほどスケールの改質効果が逆に小さくなる傾向にあるため、メリットが小さい。また、熱水との接触処理の時間は、1時間以上の実施が適切である。これより短いと、十分な改質効果を得るのは困難である。なお、熱水との接触処理方法は特に限定されないが、例えば容器内に熱水を導入したり、水を導入してから加熱すれば簡単に接触処理を行うことができる。
【0014】
以上説明した熱水との接触処理のタイミングであるが、前述のように、加水分解反応のバッチ数が上がるに従って、スケールの性状が経時的に黒点化し易い方向に変化するため、加熱水処理までのバッチ数があまり多いと、それだけ焼成時に黒点化しないレベルまで改質するのに高い温度、及び長い時間を要するため、30バッチに1回、好ましくは15バッチに1回のサイクルでスケールの熱水処理を実施するのがよい。この熱水処理によるスケール改質の機構は明らかではないが、熱水と接触することにより、細孔内の未反応アルコキシ基、及び、遊離のアルコールが、系外に抽出、除去され易いためではないかと考えられる。
【0015】
こうして熱水処理した反応容器を用いて上述の加水分解・ゲル化反応により得られたシリカゲルを必要に応じて粉砕等により細分化してシリカゲル粉末とする。また、一般には後述する焼成に先がけてシリカゲルを乾燥する。この場合、ゲルを細分化してから乾燥してもよいし、乾燥してから細分化してもよい。いずれににしても、乾燥後の粒径が、10〜1000μm、好ましくは100〜600μmとなるように細分化を行い、平均粒径を150〜300μmとする。
【0016】
乾燥の温度は、条件によっても異なるが、通常、50〜200℃である。また、操作は、回分、連続のいずれによっても行うことができる。乾燥の程度は、通常含液率で5〜30重量%まで行われる。
このようにして得られた乾燥シリカゲル粉末を焼成する。この際、上記乾燥シリカゲル粉末を直接、1000〜1300℃の温度領域で加熱して無孔化させて合成石英粉とすることもできるが、いったん、300〜500℃の温度で加熱処理を行いカーボン濃度を充分に低減させてから、1000〜1300℃で加熱処理を行うのが望ましい。これは、以下の理由による。
【0017】
上記方法によって得られた乾燥シリカゲル粉末は通常、乾燥により副生したアルコールを除去しても未反応のアルコキシ基及び副生したアルコールの一部が残存する。実際、乾燥を施したシリカゲル粉末中のカーボン濃度を測定すると、乾燥条件によっても異なるが、通常1〜3重量%である。このシリカゲル粉末を酸素含有ガス中、1000〜1300℃の温度領域で加熱し無孔化すると、大部分のカーボンは、昇温過程で燃焼除去されるが、一部が未燃カーボンとして合成石英粉中に閉じこめられることがあること、この未燃カーボンを含有する合成石英粉を用いると、溶融成形の際にCO2やCOガスとなって泡発生の原因となることが、本発明者らの検討により明らかとなっている(特願平7−280726等)。そこで、シリカゲルの封孔前に、未燃カーボンを実質的に全量除去しておくことが必要となる。
【0018】
ここで、本発明者らの更なる研究により、乾燥シリカゲル粉末中の残存カーボンは、300℃以上の温度域で酸素含有ガスと接触すると、COやCO2を発生しつつ減少し、処理温度を上げるに従いその減少速度は増加すること、及び、シリカゲルの無孔化は600℃以上の温度領域で急激に進行することが明らかとなった。そこで、300〜500℃の温度での加熱処理により、炭素濃度を1000ppm以下とした後、以下に説明するように、1000〜1300℃での加熱処理に処するのが望ましいのである。
【0019】
1000〜1300℃の温度領域での加熱操作は、一般には、回分法で行われる。用いる容器は耐熱性であって合成石英ガラス粉末への不純物のコンタミを発生させない材質、例えば、石英製のルツボが挙げられる。
以上説明した焼成工程は、乾燥ガスを流通しつつ行うのが望ましい。
乾燥ガスとしては、窒素、アルゴン等の不活性ガスや酸素、空気及びこれらの混合ガスが挙げられるが、経済性の面から空気が好ましい。
【0020】
また、使用するガスは、吸着等の方法により含有する水分を、十分に除去し、露点を−20℃以下、好ましくは−40℃以下にしておく。この範囲より露点が高いと、得られる合成石英ガラス粉末の残存シラノール濃度が高くなり好ましくない。
乾燥ガスは、容器内に充填した粉体層の表面に流通させる、或いは粉体層中に挿入された挿入管より供給することにより流通させるのが簡便である。これら方法のうち、粉体層中に挿入された挿入管により供給する方法が、大容量の容器を用いて焼成する場合にも均一な特性の合成石英ガラス粉末を得ることができ、好都合である。但し、粉体層中の挿入管より供給する場合には、ガスの流量は、粉体がバブリング現象を発現しない領域より選択することが望ましい。バブリング現象が発現すると、理由はよく判らないが、シラノールの減少速度が低下し、さらには、容器からの粉体のふきこぼれが発生する。
【0021】
なお、バブリング現象が開始すると、乾燥ガス挿入口付近の粉体が粉体層表面で踊りだし、更に流量を上げるといわゆる「血の池地獄」の泡が破裂するように、大きな泡がはじけ粉体が舞うので、バブリング現象が生じていることは容易に確認することができる。
挿入管の材質は容器と同じく不純物のコンタミを発生させない材質、例えば、石英製が好ましい。
【0022】
こうして合成石英ガラス粉末中のシラノール濃度が100ppm以下、好ましくは60ppmとなるまで焼成を継続する。
このようにして得られた合成石英ガラス粉末を、公知の方法により溶融成形して、石英ガラス成形体とする。成形方法は、成形体の用途に応じて適宜選択すればよく、例えば用途がルツボであればアークメルト法、IC用治具であれば、一旦、酸水素炎によるベルヌーイ法でインゴットに成形する方法や、炭素製の鋳型を用いて真空下で加熱溶融するヒュージョン法等が挙げられる。
【0023】
本発明により得られた合成石英ガラス粉末は、黒点発生が抑制されており、さらにこの合成石英ガラス粉末は溶融成形してシリコン単結晶引き上げ用ルツボ、拡散炉のチューブや治具等の半導体製造用石英ガラス部材、光ファイバー等の光通信、光学分野のガラス製品を得るに際し、泡の少ない良質なガラス成形体とするための原料として好適に使用することができる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
実施例1
リボン型撹拌翼を有するジャケット付き横型円筒反応機に、超純水15kgを仕込んだ後、20rpmで撹拌を開始した。その後、テトラメトキシシラン25kgを3分間かけて仕込んだ。この反応機は、ジャケットタイプの物を使用し、ジャケットに通液する温水の温度は、45℃とした。その後、均一なゾルになったところで撹拌を停止し、内容物を30分間静置した。内容物の変化を反応容器のガラス窓から観察したところ、仕込み終了後の40分後にゲル化した。その後、再度、撹拌翼の回転を開始して、こぶし大以下の大きさまで、ゲルの粗粉砕を行った後、反応機底部に設置したバルブを開放して、塊状ゲルを反応機から取り出した。次に、底部のバルブを閉止した後、再び超純水15kgを仕込み、以下同様の手順で反応を繰り返した。30バッチ終了した時点で、反応機内部を観察すると、反応機内壁(材質:SUS304)表面に、白色のスケールが付着しているのが観察された。このスケールを少量採取した後、反応機内部の加熱水による接触処理を行った。手順としては、反応機内部が満水になるまで超純水を仕込んで反応容器内部を超純水と接触させ、ジャケットに通液する温水の温度設定を90℃とし、10rpmで撹拌しながら放置したところ、超純水仕込み終了から2時間後に、内液温度が85℃を超え、これから更に2時間、熱水との接触処理を行った後、ジャケットの通液温度を45℃に下げ、冷却し、内部の熱水を排水した。その後、再び上述のアルコキシシランの加水分解・ゲル化反応を繰り返し、30バッチ毎に熱水との接触処理を繰り返しながら、90バッチまで反応を行った。また、30バッチ毎に採取したスケール物質については、乾燥後、粉砕し、粒径106〜500μmに粒度調整を行ってから、そのうち1gを1000℃に保持した大気雰囲気の電気炉中に投入し、10分間保持した後、その変色度合いを目視にて観察したが、30、60、90バッチ目いずれのスケールも一部黒色に着色した部分が観察され、バルクで見ると灰色を呈していた。
【0025】
一方、反応機より抜き出されたゲルについては、SUS304製コーミル型粉砕機で粉砕し、得られた粉状ゲルを真空乾燥機を用いて、200℃、5時間で乾燥を行い、ドライゲル粉末を得た。続いて、このドライゲル粉末を分級し、106〜500μmの粒径に整えた。このドライゲル分級品のうち、反応10バッチ毎に相当するものを石英ガラス容器に100g仕込み、大気中で1000℃迄2時間で昇温し、1000℃で10分間保持した後、これを取り出し急冷し、この焼成品中の黒色異物の数を目視で検定した。結果を表1に示す。
【0026】
実施例2
実施例1において、熱水による処理を15バッチ毎とした以外は、実施例1と同様の方法で90バッチまで反応を行った。また、スケール物質の採取については、15バッチ毎の反応終了後に行い、実施例1と同様、そのうち1gを1000℃に保持した大気雰囲気の電気炉中に投入し、10分間保持した後、その変色度合いを目視にて観察したところ、15〜90バッチ目のいずれのスケールも一部黒色に着色した部分も見られたが、実施例1と比較すると、黒色度合いは低かった。
【0027】
一方、ドライゲル分級品についても、実施例1と同様、反応10バッチ毎のサンプル100gを石英ガラス容器に仕込み、大気中で1000℃迄2時間で昇温し、1000℃で10分間保持した後、これを取り出し急冷した後、焼成品中の黒色異物の数を目視で検定した。結果を表1に示すが、実施例1と比較すると、黒色異物数が減少した。
【0028】
実施例3
実施例2に於いて、熱水による処理を、反応機内を加圧として、加熱ジャケット部分に加圧水蒸気を導入して加熱したところ、超純水仕込み終了から約2時間30分後に、内液温度が120℃に到達し、これから更に2時間、熱水との接触処理を実施した。この操作以外は、実施例2と同様に運転及びスケール物質の採取を実施し、実施例1と同様、そのうち1gを1000℃に保持した大気雰囲気の電気炉中に投入し、10分間保持した後、その変色度合いを目視にて観察したところ、黒色物は皆無であった。
【0029】
一方、ドライゲル分級品についても、実施例1と同様、反応10バッチ毎のサンプル100gを石英ガラス容器に仕込み、大気中で1000℃迄2時間で昇温し、1000℃で10分間保持した後、これを取り出して急冷し、焼成品中の黒色異物数を目視で検定した。結果を表1に示すが、黒色異物の発生は、ほぼ皆無であった。
【0030】
比較例1
熱水による処理を全く行わずに、実施例1と同様の条件で90バッチまで反応を行った。また、スケール物質の採取については、30バッチ毎に行った。採取したスケールを、実施例1、2と同様の焼成処理を行い、その変色度合いを目視にて観察したところ、30バッチ目は、実施例1と同様、一部黒色に変色した部分が見られる程度であったが、60バッチ目では、かなり黒色度合いが強くなり、90バッチでは、ほぼ全面的に黒色化した。
【0031】
また、ドライゲル分級品については、反応10バッチ毎に相当する物について実施例1、2と同様の焼成処理を施した後、焼成品中の黒色異物の数を目視で検定した。結果を表1に示すが、実施例1、2と比較して、非常に多くの黒色異物の発生が見られた。
【0032】
比較例2
熱水による処理を行う際、ジャケットの通水温度を50℃としたことを除いては、実施例1と同様の方法で30バッチ毎に熱水処理を実施しながら、90バッチまで反応を行った。この時、熱水処理を実施した際、超純水を反応機に満水に仕込み、ジャケット温度を50℃に設定してから、80分後に、内液温度がほぼ50℃に到達し、そのまま、2時間保持した。また、スケールの採取については、30バッチ毎に行い、実施例1と同様の焼成処理を行った後、その変色度合いを目視にて観察したところ、30バッチ目は、実施例1と同程度の黒色度合いであったが、60バッチ、90バッチ目のスケールは、その黒色度が実施例1と比較例1の中間程度であった。
【0033】
また、ドライゲル分級品については、反応10バッチ毎に相当する物について実施例1と同様の焼成処理を施した後、焼成品中の黒色異物の数を目視で検定した。結果を表1に示すが、実施例1、2と比較して、多くの黒色異物の発生が見られた。
【0034】
【表1】
Figure 0003859303
【0035】
【発明の効果】
本発明により、黒色異物の発生の抑えられた合成石英ガラス粉末を得ることができ、泡の少ない石英ガラス成形体を得ることができる。

Claims (8)

  1. アルコキシシランを加水分解して得られたゲルを、乾燥した後、焼成して合成石英ガラス粉末を製造する際に、アルコキシシランの加水分解を行う反応容器の内部の加水分解液が接触する部分を、アルコキシシラン及び水を導入するに先立ち予め70℃以上の熱水と1時間以上接触させることを特徴とする合成石英ガラス粉末の製造方法。
  2. 熱水との接触を、加圧雰囲気下で100〜150℃で実施することを特徴とする請求項1記載の合成石英ガラス粉末の製造方法。
  3. アルコキシシランの加水分解反応をバッチ式で行い、加水分解反応30バッチ以内に1回以上熱水による処理を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の合成石英ガラス粉末の製造方法。
  4. アルコキシシランの加水分解反応をバッチ式で行い、加水分解反応15バッチ以内に1回以上熱水による処理を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の合成石英ガラス粉末の製造方法。
  5. アルコキシシランの加水分解反応に使用する水の量が、アルコキシシラン中のアルコキシ基の1倍等量以上、10倍等量以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の合成石英ガラス粉末の製造方法。
  6. ゲルの乾燥後の粒径が10μm以上、1000μm以下となるように細分化を行なうことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の合成石英ガラス粉末の製造方法。
  7. ゲルの焼成時に、300℃以上、500℃以下の温度での加熱処理により、残存する炭素濃度を1000ppm以下とした後に、1000℃以上、1300℃以下の温度での加熱処理により、ゲルを無孔化することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の合成石英ガラス粉末の製造方法。
  8. ゲルの焼成を、露点−20℃以下の乾燥ガスを流通しつつ行なうことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の合成石英ガラス粉末の製造方法。
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