JP3855382B2 - 冷凍サイクル装置 - Google Patents
冷凍サイクル装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3855382B2 JP3855382B2 JP21195297A JP21195297A JP3855382B2 JP 3855382 B2 JP3855382 B2 JP 3855382B2 JP 21195297 A JP21195297 A JP 21195297A JP 21195297 A JP21195297 A JP 21195297A JP 3855382 B2 JP3855382 B2 JP 3855382B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- refrigerant
- heat generating
- gas
- refrigeration cycle
- pressure
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Air-Conditioning For Vehicles (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気自動車(EV)における走行用モータ、および走行用電子機器(モータ制御用インバータ)といった複数の発熱部品を良好に冷却できるようにした空調用の冷凍サイクル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、特開平4−325805号公報、特開平4−93557号公報、国際公開W091/17902号公報等において、EV用モータおよび走行用電子機器等の発熱部品を冷凍サイクルの低圧冷媒で冷却するシステムが提案されている。これは、気液二相冷媒の液冷媒が蒸発、ガス化する時に、その蒸発潜熱を発熱部品から奪うことで、発熱部品を冷却するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、走行用電子機器はスイッチング用パワー素子(パワートランジスタ)が発熱するため、このパワー素子を冷却する必要があるが、一般的にパワー素子は発熱量が大きい割に放熱面積が小さいため、単位面積当たりの放熱量が大きくなり、確実な冷却が要求される。しかし、低圧冷媒の乾き度が大きいと、ガス相冷媒成分が多いので、冷却面への液の供給が不足して冷却面のドライアウトが発生し、冷却不足となる場合がある。
【0004】
一方、モータは内部のコイル部が発熱するため、コイル部を冷却する必要があるが、外部からの冷却では効率的にコイル部を冷却することができない。そこで、モータ内部に気液二相冷媒を流しコイル部全体を直接冷却するようにしている。一般的に、モータの全発熱量はパワー素子より大きいが、放熱面積も大きいため、単位面積当たりの放熱量は大きくない。しかし、コイル部の過熱による劣化防止のために、コイル部全体を均一に冷却することが要求される。
【0005】
ところで、コイル部の体格はパワー素子に比して非常に大きいため、低圧冷媒の乾き度が小さくて、液相冷媒成分が多いと、モータ内部の空間で冷媒の気液が密度差により分離するという現象が発生する。その結果、液冷媒が存在する部分ではコイルが冷却されるが、ガス冷媒のみの部分ではコイルが冷却されず、コイルに大きな温度分布が生じ、局部的な冷却不足を引き起こすという問題がある。
【0006】
しかるに、上記各公報のものでは、このような放熱特性の異なる複数の発熱部品に対する冷却を考慮したものではない。
本発明は上記点に鑑みてなされたものであり、パワー素子とモータのような単位面積当たりの放熱量が大きく異なる複数の発熱部品を同時に冷却する際に、この両発熱部品を効率よく冷却できる冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、冷媒流れを減圧して気液二相状態とする減圧手段(23、28)の下流側に、複数の発熱部品(41、25、60)を冷媒流れに対し直列に配置するとともに、複数の発熱部品のうち、パワー素子のように単位面積当たりの放熱量が大きな発熱部品(41)を冷媒流れの上流側に配置し、単位面積当たりの放熱量が小さくて、広範囲な冷却が必要なモータ等の発熱部品(25、60)を冷媒流れの下流側に配置し、
減圧手段(23、28)を通過した後の気液二相冷媒中の液冷媒が複数の発熱部品および蒸発器(26)の両方で吸熱して蒸発することを特徴としている。
【0008】
これによると、パワー素子のような発熱部品(41)には液成分の多い冷媒を当てることで、ドライアウトを防止して十分冷却できる。
さらに、パワー素子等の発熱部品(41)の冷却により一部の液がガス化してガス成分割合が多くなるため、この乾き度の大きくなった二相冷媒では液冷媒が噴霧状になってガス冷媒に含まれるようになる。そのため、モータコイル等の体格の大きい部品であっても、その全体に噴霧状の液冷媒を均一に行き渡わたらせることができる。その結果、モータコイル等の部品を均一に冷却することができる。
【0009】
従って、各発熱部品の放熱量特性に対応した効率の良い冷却作用を得ることができ、各発熱部品をそれぞれ効率よく良好に冷却できる。
特に、請求項3記載の発明のように、単位面積当たりの放熱量が大きなパワー素子等の発熱部品(41)を減圧手段(28)の下流側で、蒸発器(26)の上流側に配置し、単位面積当たりの放熱量が小さなモータ等の発熱部品(25、60)を蒸発器(26)の下流側に配置すれば、蒸発器(26)での冷媒蒸発により二相冷媒の乾き度が一層小さくなって、液冷媒がより均一な噴霧状になるので、モータコイル等の体格の大きい部品全体に噴霧状の液冷媒をさらに均一に行き渡わたらせることができる。
【0010】
また、請求項2記載の発明のように、請求項1に記載の冷凍サイクル装置において、複数の発熱部品(41、25、60)を減圧手段(23、28)の下流側と蒸発器(26)の上流側との間の低圧側冷媒流路に配置してもよい。
また、請求項4記載の発明のように、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置において、複数の発熱部品(41、25、60)より下流側であって、圧縮機(21)の上流側に、冷媒の気液を分離して液冷媒を溜めるアキュムレータ(27)を配置する構成を採用してもよい。
また、請求項5記載の発明では、冷凍サイクル低圧側の冷媒を吸入ポート(21a)から吸入し中間圧力まで圧縮する低段側圧縮部(21b)と、
中間圧力まで圧縮されたガス冷媒とガスインジェクションポート(21c)から流入するガス冷媒の混合ガスを吐出圧力まで圧縮し吐出ポート(21d)から吐出する高段側圧縮部(21e)とを有する圧縮機(21)を備えたガスインジェクション式の冷凍サイクルにおいて、
凝縮器(22)で凝縮した高圧の液冷媒を中間圧力まで減圧する第1減圧手段(23)と、
この中間圧力の冷媒の気液を分離する気液分離器(29)との間の冷媒流路に複数の発熱部品(41、25、60)を直列に配置し、
この複数の発熱部品のうち、単位面積当たりの放熱量が大きな発熱部品(41)を冷媒流れの上流側に配置し、単位面積当たりの放熱量が小さな発熱部品(25、60)を冷媒流れの下流側に配置したことを特徴としている。
【0011】
これによると、請求項1記載の発明の作用効果に加えて、中間圧力冷媒により発熱部品の冷却を行うから、発熱部品の冷却温度を中間圧力の設定により空調用蒸発器(26)での冷却温度とは独立に設定できるという効果が得られる。また、ガスインジェクションにより圧縮機(21)の駆動動力を低減し、消費電力を低減できる。
【0012】
なお、上記各手段および特許請求の範囲に記載の各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態を示すもので、本発明を電気自動車(EV)、あるいはハイブリッド車(HV)の空調用冷凍サイクル装置に適用したものである。1は車両用空調用ユニットであり、その空調ダクト2は、車室内に空調空気を導く空調用通路を構成している。空調ダクト2の一端側に内外気を吸入する吸入口4、5が設けられている。内気吸入口4と外気吸入口5は内外気切替ドア6により切り替え開閉される。
【0014】
上記吸入口4、5に隣接して、空調ダクト2内に空気を送風する送風機3が設置されており、この送風機3はモータ3aとこのモータ3aにより駆動される遠心ファン3bとにより構成されている。一方、空調ダクト2の他端側には車室内へ通ずる複数の吹出口7、8、9が配置されている。これらの吹出口7、8、9はモード切替ドア10、11、12によりそれぞれ開閉されて、フェイス、フット、デフロスタ等の吹出モードを設定するようになっている。
【0015】
また、送風機3より空気下流側における空調ダクト2内には冷凍サイクルの蒸発器26が設けられている。この蒸発器26では、冷凍サイクルの冷媒が空調ダクト2内の空気から吸熱して蒸発することより空気を冷却する。
冷凍サイクルは上記蒸発器26の他に以下の機器から構成されている。圧縮機21は冷媒を吸入し、圧縮、吐出するものであり、凝縮器22はこの圧縮機21からの高圧冷媒を外気と熱交換して冷却し、凝縮させる。膨張弁23は凝縮器22で凝縮した高圧冷媒を低圧まで減圧する減圧手段である。そして、膨張弁23の下流側の低圧冷媒流路には、車両走行モータ制御用の電子機器(インバータ)のパワー素子41を冷却する冷却器24および走行用モータ25を直列に配置している。
【0016】
ここで、モータ制御用の電子機器(インバータ)のパワー素子41は、前述した通り単位面積当たりの放熱量が大きな発熱部品であって、冷媒流れの上流側に配置している。一方、走行用モータ25は単位面積当たりの放熱量が小さな電気部品であって、冷媒流れの下流側に配置している。
走行用モータ25の下流側は蒸発器26に接続され、蒸発器26の下流側にアキュームレータ27が接続されている。アキュームレータ27は蒸発器26から流出した冷媒の気液分離を行うと共に液冷媒を溜める機能を果たす。
【0017】
ところで、上記圧縮機21は電動式圧縮機であって、モータを一体にケース内に内蔵し、このモータにより駆動されて冷媒の吸入、圧縮、吐出を行う。
また、冷媒圧縮機21のモータにはインバータ31により交流電圧が印加され、このインバータ31により交流電圧の周波数を調整することによってモータ回転速度を連続的に変化させるようになっている。このインバータ31には車載バッテリ32からの直流電圧が印加される。
【0018】
図2は冷却器24の具体的構造を例示するもので、パワー素子41の冷却プレート41bが冷却器24の冷却面24aに接するよう取り付けられている。冷却器24はアルミニウム等の熱伝導性に優れた金属からなり、その内部には複数の冷媒通路24bが並列に形成され、冷媒は入口24cから冷却器24内に流入し、複数の冷媒通路24bを並列に通過して出口24dから流出する。一方、パワー素子41の素子部41aの熱は冷却プレート41bに伝えられ、冷却器24の冷却面24aより内部を流れる冷媒に放熱する構成となっている。
【0019】
図3は走行用モータ25の具体的構造を例示するもので、ハウジング51、シャフト52、ロータコイル53、ステータコイル54等で構成されている。モータハウジング51には冷却器24を通過した冷媒が流入する流入口55a、流出口55bが設けられており、モータハウジング51内部に冷媒が流れる構造となっている。従って、モータハウジング51それ自身が冷媒通路を構成している。
【0020】
次に、上記構成において作動を説明する。圧縮機21から吐出された高温高圧のガス冷媒は、凝縮器22で凝縮、液化する。凝縮器22から流出した高圧の液冷媒は、膨張弁23で低圧圧力まで減圧されて、気液二相状態となる。この低圧冷媒は最初に車両走行用の電子機器のパワー素子41を冷却する冷却器24に流入する。
【0021】
冷却器24は第2図に示すようにパワー素子41の冷却プレート41bが冷却器24の冷却面24aに接するよう取り付けられているので、パワー素子41の素子部41aの熱を冷却プレート41bを介して、冷却器24の冷媒通路24bを通過する冷媒中に放熱することができる。
ここで、冷却器24には冷媒は気液二相状態で流入するが、低圧まで減圧された直後の冷媒であるため、乾き度は小さく(約0.3)、液冷媒成分が多い。よって、パワー素子41のように単位面積当たりの放熱量が大きな発熱部品の冷却を行っても、冷却器24内の液冷媒成分が不足することはない。そのため、パワー素子41の冷却プレート41bがドライアウトによる冷却不足となることはない。
【0022】
そして、冷却器24を出た冷媒はモータ25のハウジング51内に流入する。このモータハウジング51には流入口55aから冷媒が流入し、内部を通過した後、流出口55bから冷媒が流出する。ここで、流入口55aから流入した冷媒はロータコイル53とステータコイル54の間を流れながら、両コイル53、54全体の表面から冷却を行う。
【0023】
また、モータ25に流入する冷媒は冷却器24でパワー素子41を冷却することにより、液冷媒が蒸発し、ガス化するので、冷媒の乾き度が約0.5程度に大きくなっている。よって、冷媒中の液相成分とガス相成分との体積比でみれば、ほとんどがガス成分となり、液冷媒は噴霧状となりガス冷媒とともにハウジング51内通路を均一に分布して流れる。
【0024】
従って、ハウジング51内の発熱源である両コイル53、54に対して液冷媒を均一に接触させることができる。その結果、両コイル53、54を均一に冷却することができる。
そして、モータ25を出た冷媒は蒸発器26に流入し、送風機3から送られた空気から吸熱して蒸発、ガス化する。このガス化した冷媒はアキュームレータ27を通り圧縮機1に再度吸入される。蒸発器26で冷却された空気は車室内へ吹出して車室内を冷房する。
【0025】
以上の作動により、低圧冷媒の冷媒上流側(すなわち、乾き度が小さい側)にパワー素子41のような単位面積当たりの放熱量が大きな発熱部品を配置し、冷媒下流側(乾き度が大きい側)にモータ25のような単位面積当たりの放熱量は小さいが広範囲な冷却が必要な発熱部品を配置して、パワー素子41とモータ25の冷却を行っているため、パワー素子41には液成分の多い冷媒を当てることで、冷却器24でのドライアウト現象を発生することがなく、パワー素子41の冷却不足を防止できる。
【0026】
さらに、パワー素子41の冷却により一部の液がガス化するため、ガス割合の多い二相冷媒でモータ25を冷却することになる。そのため、液冷媒が噴霧状となり、モータ25内部のコイル全体に液冷媒が行き渡るため、コイル53、54の均一な冷却が可能となる。従って、各発熱部品の発熱特性に応じた効率のよい冷却が可能となる。
【0027】
(第2実施形態)
図4は第2実施形態であり、図1の第1実施形態に対して、モータ25と蒸発器26の冷媒流れに対する接続順序を変更したものである。
すなわち、第2実施形態では、蒸発器26の下流側にモータ25を接続して、低圧冷媒が蒸発器26で空調空気の冷却を行ってからモータ25の冷却を行うようにしている。そのため、モータ25に流入する冷媒の乾き度が第1実施形態よりもさらに大きく(約0.75)なる。これにより、液冷媒はより均一な噴霧流となって、モータ25内を流れるようになり、より一層、コイルの冷却性能を向上することができる。
【0028】
(第3実施形態)
図5、6は第3実施形態であり、車両に搭載される発熱部品のうちで、上記モータ25の代わりに電池ユニット60を冷媒で冷却するようにしたものである。電池ユニット60は、6角形状の3組のケース62a、62b、62cを有し、この3組の各ケース62a〜62cの中にそれぞれ円柱状の単電池61を7個づつ組み込み、この3組のケース62a〜62cを1つの電池ユニット60として一体に連結している。
【0029】
そして、各ケース62a〜62cの上面部にはコネクタ63を配置し、このコネクタ63の間を電力線64で電気的に接続して、各ケース62内の単電池61群を直列に電気接続している。
また、3組のケース62a〜62cのうち、図示左側のケース62aの下部に冷媒入口65aを設け、また、図示左側のケース62a内部空間と中央のケース62b内部空間との間を、この両ケース62a、62bの上部に配置した連通継手部65bにより連通させている。そして、中央のケース62b内部空間と図示右側のケース62c内部空間との間を、この両ケース62b、62cの下部に配置した連通継手部65cにより連通させている。さらに、図示右側のケース62cの上部に冷媒出口65dが配置してある。
【0030】
電池ユニット60もモータ25と同様、電子機器のパワー素子41に比べて広い面積での冷却が必要となり、全体的に均一な冷却が要求される。そこで、電池ユニット60は電子機器のパワー素子41を冷却する冷却器24の下流側に配置する。
第3実施形態によると、冷媒は入口65aよりケース62a内に流入し、図5の矢印に示すように、単電池61とケース62a〜62cとの間、および単電池61同士の間を流れ、単電池61の表面から熱を奪い冷却する。冷媒は、連通継手部65b、65cを通過して順次、各ケース62a〜62c内を蛇行状に通過した後に、冷媒出口65dより流出する。
【0031】
従って、電子機器のパワー素子41と電池ユニット60とを冷却する場合でも、モータ25を冷却する場合と同様、電子機器のパワー素子41を乾き度の小さい(液成分が多い)冷媒で冷却し、その後に、パワー素子41の冷却で乾き度が大きくなった(ガス成分が多い)冷媒で、電池ユニット60を冷却することで、電池ユニット60を均一に効率よく冷却することが可能となる。
【0032】
(第4実施形態)
図7は第4実施形態であり、ガスインジェクションサイクルの中間圧力でパワー素子41とモータ25の冷却を行うシステムである。図7において、圧縮機21は、冷凍サイクル低圧側の冷媒を吸入ポート21aから吸入し中間圧力まで圧縮する低段側圧縮部21bと、中間圧力まで圧縮されたガス冷媒とガスインジェクションポート21cから流入するガス冷媒の混合ガスを吐出圧力まで圧縮し吐出ポート21dから吐出する高段側圧縮部21eとを有するものである。
【0033】
この圧縮機21から吐出された高温高圧のガス冷媒は、凝縮器22で凝縮、液化する。凝縮器22から流出した高圧の液冷媒は、高圧側膨張弁(第1減圧手段)23で一旦、中間圧力まで減圧され、気液二相状態となる。この中間圧の気液二相冷媒は最初に冷却器24に流入して、車両走行用電子機器のパワー素子41を冷却する。
【0034】
この冷却器24にて、パワー素子41を冷却し乾き度が増した冷媒は、次にモータ25内に流入し、コイル53、54の冷却を行う。
モータ25から出た二相冷媒は気液分離器29に流入し気液分離され、ガス冷媒は、インジェクション通路21fを通り圧縮機1のインジェクションポート21cから圧縮過程の途中に吸入される。一方、気液分離された液冷媒は、低圧側膨張弁(第2減圧手段)28で再び低圧圧力まで減圧され、蒸発器26に流入し、送風機3から送られた空気から吸熱して蒸発し、ガス化する。その後、ガス冷媒は圧縮機1に再度吸入される。低圧側膨張弁28は蒸発器26の出口冷媒の過熱度制御を行う温度式膨張弁である。
【0035】
従って、第4実施形態のシステムにおいても、図1の第1実施形態と同様に、乾き度が小さな冷媒でパワー素子41を冷却し、乾き度の大きな冷媒でモータ25を冷却することで、放熱特性の異なる発熱部品をともに効率的に冷却できる。また、この第4実施形態のシステムでは、パワー素子41、モータ25を中間圧力で冷却するため、空調用の蒸発器26での冷媒蒸発温度とは別に発熱部品の冷却に適した冷却温度を独立に設定することができる。さらに、パワー素子41、モータ25を冷却することにより発生したガスはガスインジェクションにより圧縮機21の圧縮過程に戻されるため、圧縮機21の平均吸入圧が上昇して圧縮比を低減できるので、圧縮機21の駆動動力(消費電力)を低減できる。
【0036】
なお、図8は第4実施形態の冷凍サイクルのモリエル線図であり、図中、G1は吸入ポート21aから吸入される吸入冷媒量で、Ginはインジェクション通路21fからインジェクションされるガスインジェクション量である。
(他の実施形態)
なお、上記の実施形態では、説明の簡略化のために、冷房作用のみを果たす冷凍サイクルについて説明したが、圧縮機21の吐出冷媒ガスの流れ方向を四方弁を用いて、室内熱交換器26と室外熱交換器22への冷媒流れ方向を逆転することにより、夏期の冷房作用と冬期の暖房作用を切り替えることが可能なヒートポンプサイクルにも本発明を適用できることはもちろんである。
【0037】
また、上記の実施形態では、冷却器24、モータ25および電池ユニット60を冷凍サイクルの低圧側、または中間圧の冷媒流路に配置しているが、冷凍サイクルの高圧側の凝縮液冷媒が流れる冷媒流路に冷却器24、モータ25および電池ユニット60を配置して、本発明を実施することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す全体システム図である。
【図2】(a)は図1の冷却器24の斜視図、(b)は同冷却器24の断面図である。
【図3】図1のモータ25の断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態を示す全体システム図である。
【図5】本発明の第3実施形態を示す車載電池ユニットの縦断面図である。
【図6】図5の車載電池ユニットの横断面図である。
【図7】本発明の第4実施形態を示す全体システム図である。
【図8】第4実施形態の冷凍サイクルのモリエル線図である。
【符号の説明】
21…圧縮機、22…凝縮器、23、28…膨張弁、
24…パワー素子用冷却器、25…走行用モータ、26…蒸発器、
41…電子機器のパワー素子、60…電池ユニット。
Claims (7)
- 圧縮機(21)、凝縮器(22)、減圧手段(23、28)および蒸発器(26)を少なくとも備え、
サイクル内の冷媒で複数の発熱部品(41、25、60)を冷却する冷凍サイクル装置において、
前記減圧手段(23、28)は冷媒流れを減圧して気液二相状態とするものであり、
前記複数の発熱部品(41、25、60)を前記減圧手段(23、28)の下流側に冷媒流れに対し直列に配置するとともに、
前記複数の発熱部品のうち、単位面積当たりの放熱量が大きな発熱部品(41)を冷媒流れの上流側に配置し、単位面積当たりの放熱量が小さな発熱部品(25、60)を冷媒流れの下流側に配置し、
前記減圧手段(23、28)を通過した後の気液二相冷媒中の液冷媒が前記複数の発熱部品および前記蒸発器(26)の両方で吸熱して蒸発することを特徴とする冷凍サイクル装置。 - 前記複数の発熱部品(41、25、60)は前記減圧手段(23、28)の下流側と前記蒸発器(26)の上流側との間の低圧側冷媒流路に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
- 前記単位面積当たりの放熱量が大きな発熱部品(41)は前記減圧手段(23、28)の下流側で、前記蒸発器(26)の上流側に配置され、
前記単位面積当たりの放熱量が小さな発熱部品(25、60)は前記蒸発器(26)の下流側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。 - 前記複数の発熱部品(41、25、60)より下流側であって、前記圧縮機(21)の上流側に、冷媒の気液を分離して液冷媒を溜めるアキュムレータ(27)が配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
- 冷凍サイクル低圧側の冷媒を吸入ポート(21a)から吸入し中間圧力まで圧縮する低段側圧縮部(21b)と、
前記中間圧力まで圧縮されたガス冷媒とガスインジェクションポート(21c)から流入するガス冷媒の混合ガスを吐出圧力まで圧縮し吐出ポート(21d)から吐出する高段側圧縮部(21e)とを有する圧縮機(21)と、
この圧縮機(21)の吐出ポート(21d)から吐出された高圧冷媒を凝縮、液化する凝縮器(22)と、
この凝縮器(22)で凝縮した高圧の液冷媒を中間圧力まで減圧する第1減圧手段(23)と、
この中間圧力の冷媒の気液を分離する気液分離器(29)と、
この気液分離器(29)で分離された液冷媒を低圧まで減圧する第2減圧手段(28)と、
この第2減圧手段(28)で減圧された低圧冷媒を蒸発、ガス化する蒸発器(26)と、
前記気液分離器(29)から分離されたガス冷媒を前記ガスインジェクションポート(21c)に導くガスインジェクション通路(21f)とを備え、
前記第1減圧手段(23)と前記気液分離器(29)との間の冷媒流路に複数の発熱部品(41、25、60)を直列に配置するとともに、
この複数の発熱部品のうち、単位面積当たりの放熱量が大きな発熱部品(41)を冷媒流れの上流側に配置し、単位面積当たりの放熱量が小さな発熱部品(25、60)を冷媒流れの下流側に配置したことを特徴とする冷凍サイクル装置。 - 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置は車両空調用の冷凍サイクル装置であり、
前記単位面積当たりの放熱量が大きな発熱部品は車載電子機器のパワー素子(41)であり、
前記単位面積当たりの放熱量が小さな発熱部品は走行用モータ(25)であることを特徴とする冷凍サイクル装置。 - 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置は車両空調用の冷凍サイクル装置であり、
前記単位面積当たりの放熱量が大きな発熱部品は車載電子機器のパワー素子(41)であり、
前記単位面積当たりの放熱量が小さな発熱部品は車載電池(60)であることを特徴とする冷凍サイクル装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21195297A JP3855382B2 (ja) | 1997-08-06 | 1997-08-06 | 冷凍サイクル装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21195297A JP3855382B2 (ja) | 1997-08-06 | 1997-08-06 | 冷凍サイクル装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1148766A JPH1148766A (ja) | 1999-02-23 |
JP3855382B2 true JP3855382B2 (ja) | 2006-12-06 |
Family
ID=16614420
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21195297A Expired - Fee Related JP3855382B2 (ja) | 1997-08-06 | 1997-08-06 | 冷凍サイクル装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3855382B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6422027B1 (en) * | 2001-05-03 | 2002-07-23 | Ford Global Tech., Inc. | System and method for cooling a battery pack |
US20050229629A1 (en) * | 2002-12-16 | 2005-10-20 | Behr Gmbh & Co. Kg | Refrigerant circuit and a refrigerating system |
JP5724610B2 (ja) * | 2011-05-13 | 2015-05-27 | 株式会社デンソー | 車両用冷凍サイクル装置 |
KR20140043292A (ko) * | 2011-06-29 | 2014-04-09 | 파나소닉 주식회사 | 냉각 장치 및 그것을 구비한 공기 조화기 |
JP2013060036A (ja) * | 2011-09-12 | 2013-04-04 | Daikin Industries Ltd | 自動車用温調システム |
JP6113457B2 (ja) * | 2012-10-25 | 2017-04-12 | 三菱重工業株式会社 | 電動圧縮機およびこれを備えた車両用空調装置 |
JP6098121B2 (ja) * | 2012-11-07 | 2017-03-22 | 株式会社デンソー | 冷却装置 |
JP2017172444A (ja) * | 2016-03-23 | 2017-09-28 | 株式会社豊田自動織機 | 電動圧縮機、及び、冷却システム |
JP2018035951A (ja) * | 2016-08-29 | 2018-03-08 | 株式会社デンソー | 冷凍サイクル装置 |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5761458U (ja) * | 1980-09-30 | 1982-04-12 | ||
JPS6146855A (ja) * | 1984-08-10 | 1986-03-07 | 松下冷機株式会社 | ガスインジエクシヨン方式の空気調和機 |
WO1991017902A1 (en) * | 1990-05-24 | 1991-11-28 | Seiko Epson Corporation | Electric automobile |
JPH0493557A (ja) * | 1990-08-10 | 1992-03-26 | Toshiba Corp | 車両用クーラ |
JPH04325805A (ja) * | 1991-04-25 | 1992-11-16 | Seiko Epson Corp | 電気自動車 |
JPH05344606A (ja) * | 1992-06-04 | 1993-12-24 | Seiko Epson Corp | 電気自動車の冷却システム |
JP3497873B2 (ja) * | 1992-10-01 | 2004-02-16 | 株式会社日立製作所 | 電気自動車の冷却システム |
JP3501827B2 (ja) * | 1993-10-14 | 2004-03-02 | 株式会社デンソー | 冷房サイクル |
JPH08258548A (ja) * | 1995-03-23 | 1996-10-08 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 自動車用空気調和装置 |
-
1997
- 1997-08-06 JP JP21195297A patent/JP3855382B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1148766A (ja) | 1999-02-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10557660B2 (en) | Heat exchanger with a plurality of heat exchanging portions | |
US6769481B2 (en) | Outdoor heat exchanger unit, outdoor unit, and gas heat pump type air conditioner | |
KR102552112B1 (ko) | 차량용 히트 펌프 시스템 | |
JP3484871B2 (ja) | 車両用空調装置 | |
JP3952545B2 (ja) | 車両用空調装置 | |
CN102679477B (zh) | 车用热泵系统 | |
JP4006782B2 (ja) | 発熱機器の冷却器を有する空調装置 | |
CN107848371B (zh) | 车辆用空调系统 | |
CN116056922A (zh) | 蒸汽喷射模块和使用该蒸汽喷射模块的热泵系统 | |
JP3855382B2 (ja) | 冷凍サイクル装置 | |
KR20180113712A (ko) | 차량용 공조장치 | |
KR102504482B1 (ko) | 차량용 공조 시스템 | |
CN109982877B (zh) | 车辆热泵系统 | |
KR20200144801A (ko) | 공조 시스템 | |
KR102587577B1 (ko) | 공조 시스템 | |
CN116605005A (zh) | 一种车用热管理系统和汽车 | |
JP2001354029A (ja) | ヒートポンプ式車両用空調装置 | |
KR102630129B1 (ko) | 공조 시스템 | |
US20230019811A1 (en) | Coolant circuit of a vehicle adapted to fast charging of a storage device | |
CN220114412U (zh) | 一种车用热管理系统和汽车 | |
JP7497857B2 (ja) | 車両用空気調温システム | |
US20230022653A1 (en) | Air conditioner system for electric motor vehicles | |
JP7097345B2 (ja) | 車両用空調装置 | |
KR100198360B1 (ko) | 열차용 에어컨 | |
RU2101623C1 (ru) | Холодильная установка и двухступенчатый турбокомпрессорный агрегат холодильной установки |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060316 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060322 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060516 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060822 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060904 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090922 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100922 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100922 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110922 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110922 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120922 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120922 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130922 Year of fee payment: 7 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |