JP3853673B2 - C型慢性肝炎治療剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラクトフェリンと、プロバイオティクス及び/又はプレバイオティクスの混合物を有効成分として含有するC型慢性肝炎治療剤、若しくはこのC型慢性肝炎治療剤を含有することを特徴とする飲食品に関する。更に詳しくは、本発明は、ラクトフェリンが金属非飽和ラクトフェリン、金属飽和ラクトフェリン、又はアポラクトフェリン(以下、これらをまとめてラクトフェリン類と記載することがある。)であり、プロバイオティクスがビフィドバクテリウム属に属する微生物、ラクトバチルス属に属する微生物、及びストレプトコッカス属に属する微生物からなる群より選択される少なくとも1種類以上の微生物、並びにプレバイオティクスがオリゴ糖であるC型慢性肝炎治療剤に関する。
【0002】
本発明のC型慢性肝炎治療剤は、C型肝炎ウイルスのタイプが遺伝子型1bで、且つ高ウイルス量である症例の治療において特に好適である。
【0003】
【従来の技術】
従来、C型慢性肝炎に対する治療薬剤としては、インターフェロンを使用することが一般的である。しかしながら、その効果は必ずしも高くなく、インターフェロン治療による著効例は30%程度であり、中でも、日本において約7割を占めるといわれているインターフェロンに抵抗性がある遺伝子型1bのC型肝炎ウイルス(以下、HCVと略記することがある。)の症例や、C型肝炎ウイルスの量が高ウイルス量の症例では治療効果は10%程度にすぎないといわれている(「C型肝炎ウイルス」、加藤宣之著、第173ページ及び第253ページ、アイピーシー、2000年)。また、インターフェロン療法では間質性肺炎、鬱などの重篤な副作用の問題点がある。
【0004】
ラクトフェリンは、涙、唾液、末梢血、乳汁等に含まれている無害、且つ天然の鉄結合蛋白質(1分子当たり2個の鉄イオンを結合可能)であり、分子量は、ウシ・ラクトフェリンが86,000、ヒト・ラクトフェリンが88,000である(「生化学辞典」、今堀和友・山川民夫監修、第2版、第1390ページ、東京化学同人、1990年)。
【0005】
現在までに、ラクトフェリンの効果は、大腸菌、カンジダ菌、クロストリジウム菌等の有害微生物に対して抗菌作用を示すこと[ジャーナル・オブ・ペディアトリクス(Journal of Pediatrics)、第94巻、第1ページ、1979年]、ヒト及び動物の腸内にビフィズス菌、乳酸菌等の有用細菌を定着するのに有効であること(特許第2532911号公報)、ビフィズス菌増殖因子であること(特開平2−225419号公報)、及びサイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス、ヒト免疫不全ウイルスに対して抗ウイルス作用を示すこと[アドバンシス・イン・エクスペリメンタル・メディシン・アンド・バイオロジー(Advances in Experimental Medicine and Biology)、第443巻、第199ページ、1998年]がそれぞれ報告されている。
【0006】
更に、ラクトフェリンは、抗免疫賦活作用(特開平7−179355号公報)、細胞増殖作用(特開平6−48955号公報)、抗腫瘍作用[キャンサー・リサーチ(Cancer Research)、第54巻、第2310ページ、1994年]、及び疾病の治療剤に応用した抗リウマチ剤(特開平5−186368号公報)等、様々な作用をもつ乳タンパク質として開示されている。
【0007】
in vitroにおいて、ラクトフェリンは、C型肝炎ウイルスなどに対する、抗ウイルス作用を示すことが知られている。この抗ウイルス作用は、C型肝炎ウイルス粒子表面に存在しているエンベロープ蛋白に結合するウイルス中和活性によるものと考えられており、C型肝炎ウイルスの構造に依存したC型肝炎ウイルスに特異的な作用であると考えられている(「C型肝炎ウイルス」、加藤宣之著、第101ページ、2000年)。更に、副作用がほとんどないと考えられているラクトフェリン単独の経口摂取によるC型慢性肝炎に対する臨床治療効果も知られており、その作用機序として、ラクトフェリンは細胞外に存在するC型肝炎ウイルスとの特異的な中和作用による効果でウイルス感染ができないと考えられている[バイオ・インダストリー(Bio Industry)、第17巻、第45ページ、2000年]。
【0008】
しかしながら、[ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・キャンサー・リサーチ(Japanese Journal of Cancer Reserch)、第90巻、第367ページ、1999年(以下、従来技術1と記載する。)]において、ラクトフェリン単独(1日当たり1.8g又は3.6g)での治療効果は、低ウイルス量(アンプリコア法によるウイルス量の測定で100kcopies/ml以下)の4例中で3例(いずれも遺伝子型2a)に認められた効果であったことを報告している。また、従来技術1で、ラクトフェリン単独投与による高ウイルス量(100kcopies/mlより高値)患者の7症例(遺伝子型1bが5名、遺伝子型2aが2名)での効果では、平均ウイルス量は投与前の450±261kcopies/mlと比較して、投与8週後は476±324kcopies/mlとなり変化は認められず、いずれの症例においても治療効果が認められていないことが指摘されている。
【0009】
インターフェロンの再投与については、保険適用に関する通知がなされたが、C型肝炎ウイルスのタイプが遺伝子型1b且つウイルス量が100kcopies/ml(アンプリコア法)より高い症例は、有効性が異なるとの理由により、保険適用から除外されている(厚生省平成12年3月17日付け保険発第34号通知)。
【0010】
このような背景要因から、特にC型肝炎ウイルスがインターフェロンに抵抗性がある遺伝子型1bや高ウイルス量のC型慢性肝炎に対する治療剤の開発が強く待望されていた。また、従来技術1の報告を解決すべく、高ウイルス量のC型慢性肝炎患者へのラクトフェリンの抗ウイルス効果を更に高める方策が期待されてきた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、C型慢性肝炎の治療法について鋭意研究を行っていたところ、C型肝炎ウイルスのタイプが遺伝子型1bで、且つ高ウイルス量(100kcopies/ml)である症例を含めたC型慢性肝炎患者において、ラクトフェリンと、プロバイオティクス及び/又はプレバイオティクスの混合物を経口投与した結果、従来のラクトフェリン単独の経口投与に比して、C型肝炎ウイルスの量を効果的に下げる高い治療効果が導かれ、且つ治療に伴う副作用が無いことを見い出し、本発明を完成した。
【0012】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、治療の有効率が高く、且つ連続摂取可能で、副作用が殆ど無いC型慢性肝炎治療剤を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明は、ラクトフェリンと、ビフィドバクテリウム属に属する微生物及びラクチュロースの混合物を有効成分として含有するC型慢性肝炎治療剤である。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について具体的に説明するが、本明細書において百分率は、特に断りのない限り重量による表示である。
【0018】
本発明の有効成分として使用するラクトフェリンは、哺乳類(例えば、ヒト、ウシ、水牛、ウマ、ヤギ、ヒツジ等)の初乳、移行乳、常乳、末期乳等、これらの処理物である脱脂乳、ホエー等から、イオン交換クロマトグラフィー等を利用して常法により分離したラクトフェリン、ラクトフェリンから常法により鉄を除去したアポラクトフェリン、アポラクトフェリンに鉄、銅、亜鉛、マンガン等の金属を一部又は完全にキレートさせた金属非飽和ラクトフェリン、又は金属飽和ラクトフェリン等であり、市販品のラクトフェリンであってもよい。
【0019】
ヒト・ラクトフェリンは、天然物から大量に製造することはできないため、組換えDNA技術を利用して、組換え真菌、組換え乳牛(トランスジェニック・カウ)等により、組換え体ヒト・ラクトフェリンを製造して、本発明に使用することが可能である。
【0020】
プロバイオティクスとは、ヒトの健康に有益な作用を示す、生きている細菌を意味し、ビフィドバクテリウム属に属する微生物、ラクトバチルス属に属する微生物、及びストレプトコッカス属に属する微生物などを例示することができ、微生物の菌末は市販品または公知の方法(例えば、特開平1−221319号公報に記載の方法等による。)により製造したものを使用することができる。
【0021】
プレバイオティクスとは、腸管内に生息しているビフィズス菌などの限定した菌を特異的に増殖させることにより、ヒトの健康に有益な作用を示す難消化性の食品成分であり、ラクチュロースやラフィノースなどのオリゴ糖を例示することができる。ラクチュロースは、肝性脳症および肝性昏睡の症状を低減する作用が知られている(精神医学、第15巻、第10号、第1101ページ、1973年)が、C型慢性肝炎の治療に有効であることは知られていない。
【0022】
本発明のC型慢性肝炎治療剤は、公知の方法により種々の態様に製剤化され、経口投与される。具体的製剤として、錠剤(糖衣錠、コーティング錠、バッカル錠を含む。)、散剤、カプセル剤(ソフトカプセルを含む。)、顆粒剤(コーティングしたものを含む。)、丸剤、トローチ剤、液剤、又はこれらの製剤学的に許容され得る徐放製剤等を例示することができる。
【0023】
前記の製剤は、公知の製剤学的製法に準じ、製剤として薬理学的に許容され得る担体、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤等と共に医薬組成物として製剤化される。
【0024】
これらの製剤に用いる担体及び賦形剤としては、乳糖、ブドウ糖、白糖、マンニトール、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、結晶セルロース、カンゾウ末、ゲンチアナ末などを例示することができる。
【0025】
結合剤としては、澱粉、ゼラチン、シロップ、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を例示することができる。
【0026】
崩壊剤としては、澱粉、寒天、ゼラチン末、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、及びアルギン酸ナトリウム等を、それぞれ例示することができる。
【0027】
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、水素添加植物油、及びマクロゴール等、着色剤としては医薬品に添加することが許容されている赤色2号、黄色4号、及び青色1号等を、それぞれ例示することができる。
【0028】
錠剤及び顆粒剤は、必要に応じ白糖、ヒドロキシプロピルセルロース、精製セラック、ゼラチン、ソルビトール、グリセリン、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、フタル酸セルロースアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルメタクリレート、及びメタアクリル酸重合体等により被膜することもできる。
【0029】
本発明のC型慢性肝炎治療剤は、有効成分であるラクトフェリンを薬剤1g当たり少なくとも1mg含むことが好ましく、投与量は年齢、症状等により異なるが、体重1kg当たり少なくとも1mgの割合で経口的に投与され、ヒト一人1日当たり20mg〜15g投与することが好ましい。
【0030】
本発明のC型慢性肝炎治療剤に含有するプロバイオティクスは、薬剤1g当たり少なくとも100万個の微生物を含むことが好ましく、投与量は年齢、症状等により異なるが、体重1kg当たり少なくとも100万個の割合で経口的に投与され、ヒト一人1日当たり2000万個〜1500億個の微生物を投与することが好ましい。
【0031】
本発明のC型慢性肝炎治療剤に含有するプレバイオティクスは、薬剤1g当たり少なくとも1mg含むことが好ましく、投与量は年齢、症状等により異なるが、体重1kg当たり少なくとも1mgの割合で経口的に投与され、ヒト一人1日当たり20mg〜15g投与することが好ましい。
【0032】
本発明のC型慢性肝炎治療剤は、インターフェロン抵抗性のウイルス性疾病に対して極めて有効であることから、投与対象疾病として、インターフェロン抵抗性のC型慢性肝炎(具体的には感染ウイルスの種類が遺伝子型1bのHCVであり、且つHCVのウイルス量が100kcopies/ml以上の高ウイルス量を示すC型慢性肝炎)を選択することが好ましい。
【0033】
また、本発明のC型慢性肝炎治療剤は、主成分が食品由来の成分で安全性が高いため、他の肝疾患治療剤、例えばインターフェロン等と併用することにより、これら薬剤の投与量を低減し得るとともに、肝機能改善の相乗効果が期待できる。
【0034】
本発明のC型慢性肝炎治療剤によるC型慢性肝炎に対する効果を評価するために、C型肝炎ウイルスの定量的測定法として、アンプリコアHCVモニター定量法(アンプリコア法)、及び分岐鎖DNAプローブ定量法(プローブ法)を用いて測定することが可能である。尚、ウイルス量の単位は、アンプリコア法ではcopies/ml、プローブ法ではeq/mlをそれぞれ用いることができる。
【0035】
本発明のC型慢性肝炎治療剤を含む飲食品は、飲料又は食品に、ラクトフェリンと、プロバイオティクス及び/又はプレバイオティクスとの混合物を添加して製造することができる。飲食品として好ましい形態は、清涼飲料、乳製品、健康食品、菓子類等を例示することができる。本発明の飲食品中の、ラクトフェリンと、プロバイオティクス及び/又はプレバイオティクスとの混合物の添加量は、該飲食品を健康維持及び健康増進の目的で用いる場合、特に限定されることはなく、飲食品1kg当たり少なくとも100mg含むことが好ましく、望ましくは飲食品1kg当たり300mg〜600gである。ラクトフェリンは食品由来の成分で安全性が高いため、ラクトフェリンを添加することによって、安全で、且つ健康維持及び健康増進に有用な飲食品を提供し得る。
【0036】
次に試験例を示して本発明を詳細に説明する。
[試験例1]
この試験は、ラクトフェリンと、プロバイオティクス及びプレバイオティクスの混合物のC型慢性肝炎治療効果を調べるために行った。
(1)試料の調製
1日当たりの投与量が、ラクトフェリン0.6g、ビフィズス菌6億個、ラクチュロース0.6gとなるような実施例1と同様の方法で製造した錠剤を試験試料とした。また、実施例1において、ビフィドバクテリウム・ロンガム菌末とラクチュロースを還元麦芽糖に置き換えて配合したこと以外は同様の方法で製造した錠剤を対照試料とした。
【0037】
(2)被験者
a)対照群
C型肝炎ウイルス量が200kcopies/ml以上であり、感染ウイルスの種類がインターフェロン抵抗性の遺伝子型1bのHCVであるC型慢性肝炎患者22名(男性15名、女性7名)を対照群の被験者(1〜22)とした。
【0038】
b)試験群
C型肝炎ウイルス量が200kcopies/ml以上であり、感染ウイルスの種類がインターフェロン抵抗性の遺伝子型1bのHCVであるC型慢性肝炎患者9名、及び遺伝子型2aのHCVであるC型慢性肝炎患者1名の計10名(男性3名、女性7名)を試験群の被験者(a〜j)とした。
【0039】
(3)試験方法
対照群及び試験群の被験者に、1日当たりのラクトフェリンの投与量が0.6gとなるように、それぞれ対照試料及び試験試料を2ヶ月〜5ヶ月間連日経口投与した。投与開始より経時的に採血し、アンプリコア法によりウイルス量を測定して、投与前に対する投与後のウイルス量の変動率(ウイルス量%)を検討した。
【0040】
(4)試験結果
この試験の結果は、表1及び表2に示すとおりである。表1は対照群の被験者のウイルス量を測定した結果である。表2は試験群の被験者のウイルス量を測定した結果である。
表1から明らかなとおり、ラクトフェリン単独の投与群である対照群では、ラクトフェリンの投与量が1日当たり0.6gにおいて、高ウイルス量(100kcopies/mlより高値)患者22例中2例で、投与前と投与後を比較したウイルス量の変動率(ウイルス量%)が53.3、及び51.5まで低下する症例が確認されたものの、全症例にわたっての顕著な治療効果は認められなかった。
【0041】
これに対し、表2から明らかなとおり、ラクトフェリンとプロバイオティクス及びプレバイオティクスの混合物の投与群である試験群では、C型肝炎ウイルスの遺伝子型1bの高ウイルス量(100kcopies/mlより高値)患者において、全体的にウイルス量の変動率が低下する治療効果が確認された。更に、遺伝子型2aの1例においてもウイルス量が810から540(kcopies/ml)へ低下傾向を示した。
【0042】
即ち、ラクトフェリン単独療法の結果に比して、本発明によるラクトフェリンとプロバイオティクス及びプレバイオティクスの混合物を投与することによって、より効果的にC型慢性肝炎の治療効果が得られることが明らかとなった。また、従来技術1のラクトフェリン単独の投与量(1日当たり1.8g又は3.6g)と比較しても、本発明のラクトフェリンとプロバイオティクス及びプレバイオティクスを混合することにより、1日当たりラクトフェリン0.6gの投与量で十分に治療効果が得られることが明らかになった。尚、特に、C型肝炎ウイルスのタイプが遺伝子型1bで、且つ高ウイルス量である症例において、本発明により、ウイルス量の顕著な低下作用を示すことが判明した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
実施例1(ウシ・ラクトフェリン、ビフィズス菌、ラクチュロースを配合した錠剤の調製)
次の組成からなる錠剤のC型慢性肝炎治療剤を次の方法により製造した。
ウシ・ラクトフェリン(ミライ社製) 20.0(%)
ビフィドバクテリウム・ロンガム菌末(森永乳業社製) 15.0
ラクチュロース(森永乳業社製) 20.0
還元麦芽糖(東和化成工業社製) 27.6
甘味料(日研化学社製) 15.2
滑沢剤(理研ビタミン社製) 1.8
香料(長谷川香料) 0.4
ウシ・ラクトフェリン、ビフィドバクテリウム・ロンガム菌末(200億個/15g)、ラクチュロース、還元麦芽糖、甘味料、滑沢剤及び香料を混合し、常法により打錠して錠剤を得た。
【0046】
実施例2(ウシ・ラクトフェリン、ビフィズス菌、ラクチュロース、ラフィノースを配合した錠剤の調製)
次の組成からなる錠剤のC型慢性肝炎治療剤を次の方法により製造した。
ウシ・ラクトフェリン(ミライ社製) 20.0(%)
ビフィドバクテリウム・ロンガム菌末(森永乳業社製) 15.0
ラクチュロース(森永乳業社製) 20.0
ラフィノース(日本甜菜製糖製) 20.0
還元麦芽糖(東和化成工業社製) 22.8
滑沢剤(理研ビタミン社製) 1.8
香料(長谷川香料) 0.4
ウシ・ラクトフェリン、ビフィドバクテリウム・ロンガム菌末、ラクチュロース、ラフィノース、還元麦芽糖、滑沢剤及び香料を混合し、常法により打錠して錠剤を得た。
【0047】
実施例3(ウシ・ラクトフェリン、ラクチュロースを配合したシロップ剤の調製)
次の組成からなるシロップ剤のC型慢性肝炎治療剤を常法により製造した。
ウシ・ラクトフェリン(ミライ社製) 8.0(%)
ラクチュロースシロップ(森永乳業社製) 12.4
クエン酸(上野製薬社製) 0.2
クエン酸ナトリウム(丸善製薬社製) 0.2
カルボキシメチルセルロースカルシウム(五徳薬品社製) 0.2
精製水(大塚製薬社製) 79.0
【0048】
実施例4(カプセル入りヒト・ラクトフェリン、ビフィズス菌の調製)
乳糖(和光純薬工業社製)400g、トウモロコシデンプン(日清製粉社製)200g、結晶セルロース(和光純薬工業社製)200g、ビフィドバクテリウム・ロンガム菌末(森永乳業社製)600g、及びヒト・ラクトフェリン(ミライ社製)600gを、それぞれ50メッシュ篩(ヤマト科学社製)により篩分けして厚さ0.5mmのポリエチレン製の袋に取り、転倒混合した。全自動カプセル充填機(Cesere Pedini社製。プレス式)を用い、前記粉末をカプセル(日本エランコ社製。1号ゼラチンカプセル、Op.Yellow No.6 Body、空重量75mg)に内容量275mgで充填し、ビフィズス菌末82mg、ラクトフェリン82mg入りのカプセル剤7000個を得た。
【0049】
実施例5(ウシ・ラクトフェリン、ラフィノース散剤の調製)
予め6号篩(井内盛栄堂社製)で篩分けしたヒト・ラクトフェリン粉末(ミライ社製)100g、ラフィノース(日本甜菜製糖製)100g、及び乳糖(森永乳業社製)400gを乳鉢中で混和し、これに予め5号篩(井内盛栄堂社製)で篩分けした乳糖(森永乳業社製)400gを添加して混和し、全量を再度5号篩で篩分けし、1包5gずつ分包機(東京商会。OMP−90A)により分包し、10%ヒト・ラクトフェリン、10%ラフィノース散剤200包を得た。本散剤はビフィズス菌、乳酸菌含むヨーグルトおよびヨーグルトドリンクに添加して使用することができる。
【0050】
実施例6(ラクトフェリン、ラクチュロースを添加した乳飲料の調製)
脱脂粉乳(森永乳業社製)90gを50℃の温湯800mlに溶解し、砂糖(日新製糖社製)30g、インスタントコーヒー粉末(ネスレ社製)14g、カラメル(昭和化工社製)2g、及びコーヒーフレーバー(三栄源FFI社製)0.01gを攪拌しながら順次添加して溶解し、10℃に冷却後、ラクトフェリン(ミライ社製)2g、ラクチュロース2gを添加して、ラクトフェリン約0.1%を含むC型慢性肝炎治療剤を含有する乳飲料を調製した。
【0051】
実施例7(ラクトフェリンを添加した乳酸菌飲料の製造)
乳脂肪含量3.5%、無脂乳固形分含量9.2%の生乳10kgを均質化し、90〜92℃で10分間加熱殺菌した。約42℃に冷却し、スターターとして市販のストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)及びラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)の牛乳カルチャーをそれぞれ100gずつ添加した。発酵タンク内で充分に攪拌し、42〜45℃で4時間静置して発酵させた。この発酵乳を攪拌しながら5〜8℃に冷却し、次いでホモゲナイザーで均質化することによって均質化発酵乳を調製した。
【0052】
次に、17%のグラニュウ糖(東洋精糖社製)液5kgにペクチン(三栄源FFI社製)60gを添加して、90〜92℃で10分間殺菌した後、5〜8℃に冷却して糖液を調製した。また、ラクトフェリン(ミライ社製)10gを水100gに溶解し、メンブラン・フィルター(ミリポア社製)で無菌濾過してラクトフェリン溶液を得た。
【0053】
これらの方法で調製した均質化発酵乳、糖液、及びラクトフェリン溶液のそれぞれ全量をタンク内で十分に混合し、100gずつ紙容器に充填した後、密封してラクトフェリン添加の乳酸菌飲料100個を製造した。
【0054】
【発明の効果】
以上記載したとおり、本発明はC型慢性肝炎治療剤に関するものであり、本発明により奏される効果は次のとおりである。
(1)C型慢性肝炎の治療に著効を有する。
(2)C型肝炎ウイルスのタイプが遺伝子型1bで、且つ高ウイルス量である症例の治療において好適である。
(3)日常的に摂取されている食品成分を主成分として含有するので、経済的で且つ長期間連続摂取しても副作用が殆ど無い。
(4)インターフェロン等の従来使用されているC型慢性肝炎治療剤の投与量を低減し得るとともに、肝機能改善の相乗効果が期待できる。
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