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JP3847029B2 - ボックス式建築物 - Google Patents

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JP3847029B2
JP3847029B2 JP21945199A JP21945199A JP3847029B2 JP 3847029 B2 JP3847029 B2 JP 3847029B2 JP 21945199 A JP21945199 A JP 21945199A JP 21945199 A JP21945199 A JP 21945199A JP 3847029 B2 JP3847029 B2 JP 3847029B2
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宗男 小谷
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数の部屋ボックスを組み合わせてなるボックス式建築物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、建築物の構築にあたって、現場作業の軽減による工期の短縮及び均一な施工を実現するために、予め設備の整った工場等において複数の箱形のユニットを製造し、これらユニットを現場で組み合わせて建築物を完成させるといったユニット工法が採用されている。
【0003】
このユニット工法において使用されるユニットは、単体で構造的に独立して水平力、垂直力に耐える構造すなわち柱と梁を主体としたラーメン構造のものが一般的であり、ユニット同士を水平方向、上下方向に接合することによって、それらの柱同士が繋がって構造柱を構成し、また梁同士が繋がって構造梁を構成するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなユニットを組み合わせてなる建築物においては、ユニット同士の接合によって構造梁や構造柱ができ上がるようになっているので、ユニットを上下に積み重ねるときには、上層階と下層階のユニットの柱位置を合わせる必要があり、従ってユニットの配置が規制され、設計の自由度が制限されるといった不都合があった。
【0005】
また、工場等において製造されたユニットは、通常、トラックによって現場まで移送されるが、重厚な柱や梁が一体となったユニットでは、その高さが高くなってしまい、一般のトラックに積載した場合、総高さが道交法による高さ制限にひっかかっていた。そのため、低床タイプ等の特別のトラックで移送しなければならないといった不都合が生じていた。
【0006】
この発明は、上記に鑑み、複数の部屋ボックスとこれらとは独立した構造梁とを組み合わせることによって、設計の自由度を増大させ、また部屋ボックスの移送時の問題も解消することができるボックス式建築物の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明のボックス式建築物は、天井と、床と、壁体とを備えた下層階を構成する複数の部屋ボックスを平面方向に並設し、これら部屋ボックスの上側にH形鋼からなる複数の構造梁を取り付け、これら構造梁の上側に、上層階を構成する複数の部屋ボックスを平面方向に並設して、下層階と上層階の部屋ボックスの配置を互いに独立して行うようにしたことを特徴とする。
【0008】
そして、最上階の部屋ボックスの上側に、小屋組を設置するようにしている。また、部屋ボックスの天井、床、及び壁体を、軽量形鋼等からなる枠状のフレームと、このフレームに取り付けた面材とからなる構造としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係るボックス式建築物の概略図、図2は、部屋ボックスの一例を示す斜視図、図3は、同じくその分解斜視図である。
【0010】
本実施形態に係るボックス式建築物は、図1に示すように、基礎(1)上に設置されて建築物の1階部分を構成する複数の部屋ボックス(2)(2)…と、これら1階の部屋ボックス(2)(2)…の上側に設置される複数のH形鋼からなる構造梁(3)(3)…と、これら構造梁(3)(3)…の上側に設置されて建築物の2階部分を構成する複数の部屋ボックス(2)(2)…と、これら2階の部屋ボックス(2)(2)…の上側に設置される小屋組(4)とを順次積み重ねることによって構成されている。
【0011】
部屋ボックス(2)は、予め設備の整った工場で製造されるもので、例えば図2及び図3に示すように、天井としての天井パネル(10)と、床としての床パネル(11)と、これら天井パネル(10)と床パネル(11)との間に差し渡した壁体(12)(13)(14)とから箱形に形成されている。
【0012】
天井パネル(10)は、天井フレーム(15)と、この天井フレーム(15)の下面に取り付けられたパーティクルボード及び内装面材からなる天板(16)とからなり、この天板(16)によって水平力を負担することで水平ブレースを廃止したブレースレス構造となっている。なお、天井パネル(10)は、ブレ−スレス構造に限らず、天井フレーム(15)内にブレースを設けるようにしても良い。
【0013】
天井フレーム(15)は、C型断面の溝形鋼からなる一対の長尺横材(17)(17)と、同じくC型断面の溝形鋼からなる一対の短尺横材(18)(18)とを、それらの溝部が互いに内向きになるようにして方形枠状に接合してなり、長尺横材(17)(17)間には、複数のC型断面の溝形鋼からなる横桟(19)(19)…が適宜間隔をあけて差し渡されている。
【0014】
この天井フレーム(15)の上面四隅には、長尺横材(17)と短尺横材(18)とを連結する略三角形状の連結プレート(22)(22)…が溶接によって取り付けられている。また、天井フレーム(15)の枠内には、断熱材(20)(20)…が充填されている。また、天井フレーム(15)における一方の長尺横材(17)及び両方の短尺横材(18)(18)の側面には、一対のL型の固定プレート(21)(21)が夫々取り付けられている。
【0015】
さらに、他方の長尺横材(17)の下面には、その中央位置及び中央と両端とのほぼ中間の位置に、合計3個のL型の仮設プレート(26)(26)…がボルト(27)(27)…によって取り外し可能に取り付けられ、両方の長尺横材(17)(17)の上面には、4本のクレーンワイヤー(28)(28)…を引っ掛けるための一対のアイボルト(29)(29)が夫々取り外し可能に螺合されている。なお、アイボルト(29)(29)…に引っ掛けられた4本のクレーンワイヤー(28)(28)…は、1本に束ねられて引き上げられるようになっている。
【0016】
床パネル(11)は、床フレーム(30)と、この床フレーム(30)の上面に取り付けられたパーティクルボードからなる床板(31)とからなる。床フレーム(30)は、コ字型断面の溝形鋼からなる一対の長尺横材(32)(32)と、同じくコ字型断面の溝形鋼からなる一対の短尺横材(33)(33)とを、それらの溝部が互いに内向きになるようにして方形枠状に接合してなり、長尺横材(32)(32)間には、複数のコ字型断面の溝形鋼からなる横桟(34)(34)…が適宜間隔をあけて差し渡されている。
【0017】
この床フレーム(30)の下面四隅には、長尺横材(32)と短尺横材(33)とを連結する略三角形状の連結プレート(38)(38)…が溶接によって取り付けられている。そして、床フレーム(30)における一方の長尺横材(32)及び両方の短尺横材(33)(33)には、一対のL型の固定プレート(35)(35)…が夫々取り付けられている。また、他方の長尺横材(32)の上面には、その中央位置及び両端位置に、合計3個のL型の仮設プレート(36)(36)…がボルト(37)(37)…によって取り外し可能に取り付けられている。
【0018】
壁体(12)は、建築物の外壁を構成するもので、軸フレーム(40)と、この軸フレーム(40)の外面側に取り付けられた外壁材(41)と、軸フレーム(40)の内面側に断熱内壁枠(43)を介して取り付けられた内壁材(44)とからなる。軸フレーム(40)は、C型断面の溝形鋼からなる上下一対の横材(45)(45)と、同じくC型断面の溝形鋼からなる左右一対の縦材(46)(46)とを、それらの溝部が互いに内向きになるようにして方形枠状にピン接合してなり、縦材(46)(46)の上下端面には、接合用ボルト穴(48)を有する方形の接合プレート(49)(49)…が夫々溶接されている。
【0019】
この軸フレーム(40)は、上側の横材(45)が天井フレーム(15)における短尺横材(18)の固定プレート(21)(21)に固定され、その下側の横材(45)が床フレーム(30)における短尺横材(33)の固定プレート(35)(35)に固定され、これによって壁体(12)は、天井パネル(10)と床パネル(11)の短手方向に沿った一端部間に跨って配されている。
【0020】
また、外壁材(41)としては、軸フレーム(40)とほぼ同じ幅で高さの低いものが用いられ、この外壁材(41)を軸フレーム(40)に取り付けることによって、外壁材(41)の上端レベルが軸フレーム(40)の上端レベルよりも下方に位置するとともに、下端レベルが軸フレーム(40)の下端レベルよりも上方に位置して、外壁材(41)の上端側及び他端側において横長の作業用開口(47)(47)が夫々形成されている。これにより、軸フレーム(40)の上下端が外部に露出し、作業用開口(47)(47)を介して縦材(46)(46)の接合プレート(49)(49)…を基礎(1)或いは構造梁(3)へボルト接合する作業を、外部から行うことができるようになっている。
【0021】
壁体(13)は、建築物の間仕切り壁を構成するもので、この壁体(13)は、方形枠状の軸フレーム(50)のみによって構成されているが、工場又は現場作業おいてその内面側に適宜内壁材(44)が取り付けられるようになっている。
【0022】
軸フレーム(50)は、図4に示すように、断面C形の溝形鋼からなる横材(51)(51)と、断面コ字形の溝形鋼からなる縦材(52)(52)とを、方形枠状にピン接合してなる。横材(51)(51)は、その溝部が互いに内向きになるようにして配置され、縦材(52)(52)は、その溝部が互いに外向きになるようにして配置されている。そして、縦材(52)(52)の上端面には、裏ナット(53)が一体となった接合プレート(54)(54)が夫々溶接され、下端面には、接合用ボルト穴(48)を有する方形の接合プレート(49)(49)が夫々溶接されている。さらに、縦材(52)(52)には、それらの両フランジ(55)(55)の下端部分を略コ字形に切欠してなるボルト接合のための開口(56)(56)が夫々形成されている。
【0023】
この軸フレーム(50)は、横材(51)(51)が対応する上下の固定プレート(21)(21)(35)(35)に夫々固定されて、壁体(12)に対向して天井パネル(10)と床パネル(11)の短手方向に沿った他端部間に跨って配されている。
【0024】
壁体(14)は、壁体(12)と同様に建築物の外壁を構成するもので、並設された軸フレーム(57)(58)(59)と、これら軸フレーム(57)(58)(59)の外面側に取り付けられた外壁材(41)と、軸フレーム(57)(58)(59)の内面側に断熱内壁枠(43)を介して取り付けられた内壁材(44)とからなる。これら軸フレーム(57)(58)(59)は、壁体(12)の軸フレーム(40)と同様に、コ字型断面の溝形鋼からなる横材及び縦材を方形枠状にピン接合してなるが、そのうちの1つの軸フレーム(57)の枠内には、ブレース(66)(66)が差し渡されて、この軸フレーム(57)部分が耐力壁を構成している。なお、軸フレーム(57)(58)(59)は、図示しないボルトによって互いに横綴りされている。
【0025】
そして、この壁体(14)は、その軸フレーム(58)(59)の上下端が、天井フレーム(15)における一方の長尺横材(17)及び床フレーム(30)の一方の長尺横材(32)の固定プレート(21)(21)…に夫々固定されて、天井パネル(10)と床パネル(11)の長手方向に沿った一端部間に跨って配されている。
【0026】
従って、上記構成の部屋ボックス(2)は、天井パネル(10)と床パネル(11)との間に、コ字型に並んだ壁体(12)(13)(14)を配置した構造となっており、天井パネル(10)と床パネル(11)の長手方向に沿った他端部間の面は開放されている。このような構造の場合、それ単体で構造的に独立して水平力や垂直力に耐えることができず、工場から現場への移送に際して、部屋ボックス(2)のアイボルト(29)(29)…にクレーンワイヤー(28)(28)…を引っ掛けて、部屋ボックス(2)を吊り上げると、変形を生じる虞がある。
【0027】
そこで、部屋ボックス(2)の開放面(60)側には、部屋ボックス(2)の変形を防止するための補強部材(61)を取り付けるようにしている。この補強部材(61)は、図2及び図5に示すように、吊り上げ時のクレーンワイヤー(28)(28)の作用方向に沿って、ハ字型に設けられたC型断面の溝形鋼からなる一対の方杖(62)(62)と、これら方杖(62)(62)間のほぼ中央位置に設けられたC型断面の溝形鋼からなる仮設柱(63)とから構成されている。これら方杖(62)(62)及び仮設柱(63)の上端は、天井フレーム(15)の仮設プレート(26)(26)…へボルト(64)(64)…で取り外し可能に接合され、また下端は、床フレーム(30)の仮設プレート(36)(36)…へボルト(65)(65)…で取り外し可能に接合されている。
【0028】
なお、上記の部屋ボックス(2)は、複数種類のうちの1つのタイプに過ぎず、この他にも各種タイプが用意されており、例えば、壁体(12)を外壁材(41)無しの間仕切り壁としたタイプ、或いは長手方向の壁体(14)を設けることなくその部分を開放面としたタイプ等がある。また。部屋ボックス(2)の適用場所に応じて、例えば、台所部分であればシステムキッチンを設置したり、洗面部分であれば洗面台やユニットバス等を設置する等、各種の内装が施されている。
【0029】
しかし、いずれのタイプも、ボックスとしての形状及び強度を最低限確保できるように、天井フレーム(15)と床フレーム(30)との間に、少なくとも互いに対向する一対の軸フレームを差し渡した構造となっている点では共通している。
【0030】
次に、ボックス式建築物の施工方法について説明する。まず、工場で製造した各種の部屋ボックス(2)(2)…を、クレーンワイヤー(28)(28)…で順次吊り上げてトラック(70)に積載し、現場まで運送する。図6に示すように、道交法では、トラック積載時の総高さが3800mm以下に制限されているが、上記の部屋ボックス(2)は、重厚な構造梁(3)とは別体とされていて、有効天井高2500mm以上を確保しながらその全高を約2700mmまで抑えることができるので、高さ約1000mmのトラック(70)の荷台に部屋ボックス(2)を積載したときの総高さは約3700mmとなり、道交法の制限をクリアすることができ、特別なトラックを使用せずに通常の4tトラックで十分に運送可能である。
【0031】
そして、現場まで運搬された部屋ブロック(2)(2)…は、図7に示すように、再びクレーンワイヤー(28)(28)…で吊り上げられてトラック(70)から降ろされ、基礎(1)上に順次設置される。そして、部屋ブロック(2)(2)…から方杖(62)(62)や仮設柱(63)を取り外して、図8に示すように、これら部屋ボックス(2)(2)…を平面方向に並設して1階部分を施工した後、これら部屋ボックス(2)(2)…の上側に、構造梁(3)(3)…を設置して梁層を施工する。その後、図9に示すように、梁層の上側に部屋ボックス(2)(2)…を平面方向に並設して、2階部分を施工する。
【0032】
そして最後に、図10及び図11に示すように、これら2階部分の部屋ボックス(2)(2)…の上側に、小屋組(4)を設置して屋根(81)を施工し、各部屋ボックス(2)(2)…を並設することによって、建築物の外壁部の中央及び下端において横長につながった作業用開口(47)(47)…を、被覆材としての外壁パネル(82)によって塞いで外観を整える。
【0033】
上記の施工において、1階部分の部屋ボックス(2)と基礎(1)との接合は、次のようになされている。すなわち、図12に示すように、基礎(1)から突出したアンカーボルト(85)を、外壁側の軸フレーム(40)の下側接合プレート(49)の接合用ボルト穴(48)に挿入して、外部から作業用開口(47)を介して差し入れたナット(86)を、アンカーボルト(85)に螺合して締め付けるようにしている。この接合に関しては、軸フレーム(40)の接合プレート(49)だけでなく、床フレーム(30)の連結プレート(38)も、基礎(1)にボルト接合するようにしても良い。なお、外壁側の他の軸フレーム(57)(58)(59)も、上記と同様にして基礎(1)に接合されている。また、隣接する軸フレーム(40)(40)の縦材(46)(46)同士は、接合ボルト(87)及びナット(88)によって横綴されている。
【0034】
また、内部側すなわち間仕切り壁側では、図13及び図14に示すように、アンカーボルト(85)を、軸フレーム(50)における下側接合プレート(49)の接合用ボルト穴(48)に挿入して、縦材(52)の溝部内へ差し入れたナット(89)を螺合して締め付けるようにしている。このとき、図に示すように、隣接する部屋ボックス(2)(2)…の軸フレーム(50)(50)における縦材(52)(52)…が集中して、それら縦材(52)(52)…の溝部同士が合わさっても、縦材(52)(52)…の開口(56)(56)…からナット締付用の治具(150)を差し入れることができ、ボルト接合に支障をきたすことがない。この接合に関しては、軸フレーム(50)の接合プレート(49)だけでなく、床フレーム(30)の連結プレート(38)も、基礎(1)にボルト接合するようにしても良い。
【0035】
部屋ボックス(2)と構造梁(3)との接合は、次のようになされている。まず、外壁側においては、図15及び図16に示すように、構造梁(3)の上下フランジ(90)(91)間に介装した梁中通しボルト(92)を用いる。すなわち、1階部分の部屋ボックス(2)に対しては、梁中通しボルト(92)の下部フランジ(91)を貫通した下端部(94)を、外壁側の軸フレーム(40)における上側接合プレート(49)のボルト穴(48)に挿入して、外部から作業用開口(47)を介して差し入れたナット(95)を、この下端部(94)へ螺合して締め付けるようにしている。また、2階部分の部屋ボックス(2)に対しては、梁中通しボルト(92)の上部フランジ(90)を貫通した上端部(93)を、外壁側の軸フレーム(40)における下側接合プレート(49)のボルト穴(48)に挿入して、外部から作業用開口(47)を介して差し入れたナット(95)を、この上端部(93)へ螺合して締め付けるようにしている。なお、外壁側の他の軸フレーム(57)(58)(59)も、上記と同様にして構造梁(3)に接合される。
【0036】
図中、(96)は、構造梁(3)の上下フランジ(90)(91)間に介装された梁補強部材であって、上側の水平プレート(97)と下側のL型プレート(98)とを垂直プレート(99)で連結してなる。また、(100)は、梁中通しボルト(92)に螺合されたストッパ片、(107)は、外部から作業用開口(47)に差し入れたナット締付用の治具である。この接合に関しては、梁中通しボルト(92)を使用せずに、単なる接合ボルトによって、外壁側の軸フレーム(40)と構造梁(3)とを接合するようにしても良い。また、軸フレーム(40)の接合プレート(49)だけでなく、天井フレーム(15)や床フレーム(30)の連結プレート(22)(38)も、構造梁(3)にボルト接合するようにしても良い。
【0037】
一方、内部側すなわち間仕切り壁側では、1階部分の部屋ボックス(2)と構造梁(3)との接合に際しては、図17に示すように、構造梁(3)の下部フランジ(91)に形成したボルト穴(101)へ上方から挿入した接合ボルト(102)を、間仕切り壁側の軸フレーム(50)における上側接合プレート(54)の裏ナット(53)に螺合して締め付けるようにしている。さらに、天井フレーム(15)の連結プレート(22)に形成してあるボルト穴(103)へ下方から挿入した接合ボルト(104)を、下部フランジ(91)のボルト穴(105)に差し込んで、上方からナット(106)を螺合して締め付けるようにしている。
【0038】
また、2階部分の部屋ボックス(2)と構造梁(3)との接合に際しては、図18乃至図20に示すように、構造梁(3)の上下フランジ(90)(91)間に介装した梁中補強通しボルト(110)を用いる。この梁中補強通しボルト(110)は、上下端にボルト部(111)(112)が形成されているシャフト(113)と、このシャフト(113)の下側ボルト部(112)に螺合した長ナット(115)とからなり、シャフト(113)の上側ボルト部(111)が構造梁(3)の上部フランジ(90)を貫通し、その上部フランジ(90)の下側には、受けナット(116)が螺合され、長ナット(115)の下端には、下部フランジ(91)を貫通した接合ボルト(117)が螺合されている。
【0039】
そして、梁中補強通しボルト(110)の上側ボルト部(111)を、間仕切り壁側の軸フレーム(50)における下側接合プレート(49)の接合用ボルト穴(48)に差し込んで、縦材(52)の溝部内へ差し入れたナット(120)を螺合して締め付けるようにしている。このときも、基礎(1)への接合と同様に、図に示すように、隣接する部屋ボックス(2)(2)…が隣接してそれらの縦材(52)(52)…が集中しても、縦材(52)(52)…の開口(56)(56)からナット締付用の治具(150)を差し入れることができ、ボルト接合に支障をきたすことがない。この接合に関しては、梁中補強通しボルト(110)を使用せずに、単なる接合ボルトによって、間仕切り壁側の軸フレーム(50)と構造梁(3)とを接合するようにしても良い。また、軸フレーム(50)の接合プレート(49)だけでなく、床フレーム(30)の連結プレート(38)も、構造梁(3)にボルト接合するようにしても良い。
【0040】
2階部分の部屋ボックス(2)と小屋組(4)との接合は、次のようにしてなされている。まず、外壁部側においては、図21に示すように、外部から作業用開口(47)を介して差し入れた接合ボルト(130)を、軸フレーム(40)における上側接合プレート(49)のボルト穴(48)からトラス(131)の下部フランジ(132)に形成したボルト穴(133)へ挿入して、この接合ボルト(130)へ上方からナット(140)を螺合して締め付けるようにしている。さらに、天井フレーム(15)の連結プレート(22)に形成してあるボルト穴(103)へ下方から挿入した接合ボルト(141)を、下部フランジ(132)のボルト穴(142)に差し込んで、上方からナット(143)を螺合して締め付けるようにしている。
【0041】
一方、間仕切り壁側では、部屋ボックス(2)と構造梁(3)との接合のときと同様に、トラス(131)の下部フランジ(132)と間仕切り壁側の軸フレーム(50)、及び下部フランジ(132)と天井フレーム(15)とがボルト接合されている。
【0042】
次に、上記ボックス式建築物のボックス割について説明する。図22は、1階部分の部屋ボックス(2)(2)…の配置例、図23は、構造梁(3)(3)…の配置例、図24は、2階部分の部屋ボックス(2)(2)…の配置例を夫々示しているが、上記のように1階、2階の部屋ボックス(2)(2)…と、構造梁(3)(3)…、小屋組(4)とを夫々分離独立させた構造とすることによって、図に示すように、1階部分と2階部分の部屋ボックス(2)(2)…の配置すなわちボックス割を、互いに独立して行うことができ、設計の自由度を増大させることができる。図中、太線は、各部屋ボックス(2)(2)…の境界線を示し、一点鎖線は、モジュール基準線を示している。
【0043】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記の実施形態において多くの修正変更を加え得ることは勿論である。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によると、部屋ボックスと構造梁とを分離独立させて施工するようになっているので、従来のようにラーメン構造のユニットを用いるときのような制限を受けることなく、上層階と下層階の部屋ボックスを夫々独立して配置することができ、設計の自由度を増大させることができる。
【0045】
また、部屋ボックスと重厚な構造梁とを別体とすることによって、有効天井高を十分に確保しながら、従来のユニットに比べて全高を低く設定することができ、トラックに積載したときの総高さを道交法の制限内に抑えることができる。このため、特別なトラックを使用することなく、ごく普通の4tトラック等で移送することができる。
【0046】
さらに、部屋ボックスの天井、床、及び壁体を、軽量形鋼等からなるフレームと、これに取り付けた面材とからなる構造とすることによって、一般に行われている壁軸組の施工とあまりかわらない施工が可能となり、大幅な生産設備の変更が不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るボックス式建築物の概略図である。
【図2】部屋ボックスの一例を示す斜視図である。
【図3】同じくその分解斜視図である。
【図4】部屋ボックスにおける間仕切り壁側の軸フレーム部分の斜視図である。
【図5】クレーンワイヤーと方杖及び仮設柱との位置関係を示す図である。
【図6】部屋ボックスをトラックに積載したときの側面図である。
【図7】1階部分の部屋ボックスの施工を示す図である。
【図8】構造梁の施工を示す図である。
【図9】2階部分の部屋ボックスの施工を示す図である。
【図10】小屋組の施工を示す図である。
【図11】屋根及び外壁パネル等の施工を示す図である。
【図12】外壁側における部屋ボックスと基礎との接合を示す斜視図である。
【図13】間仕切り壁側における部屋ボックスと基礎との接合を示す斜視図である。
【図14】同じくその治具使用時の状態を示す斜視図である。
【図15】外壁側における部屋ボックスと構造梁との接合を示す斜視図である。
【図16】同じくその縦断面図である。
【図17】間仕切り壁側における1階部分の部屋ボックスと構造梁との接合を示す斜視図である。
【図18】間仕切り壁側における2階部分の部屋ボックスと構造梁との接合を示す斜視図である。
【図19】同じくその治具使用時の状態を示す斜視図である。
【図20】同じくその縦断面図である。
【図21】外壁側における部屋ボックスとトラスとの接合を示す斜視図である。
【図22】1階部分の部屋ボックスの配置例を示す図である。
【図23】構造梁の配置例を示す図である。
【図24】2階部分の部屋ボックスの配置例を示す図である。
【符号の説明】
(2) 部屋ボックス
(3) 構造梁
(4) 小屋組
(10) 天井
(11) 床
(12)(13)(14) 壁体
(15) 天井フレーム
(16) 天板
(30) 床フレーム
(31) 床材
(40)(50)(57)(58)(59) 軸フレーム
(41) 外壁材
(44) 内壁材

Claims (3)

  1. 天井と、床と、壁体とを備えた下層階を構成する複数の部屋ボックスを平面方向に並設し、これら部屋ボックスの上側にH形鋼からなる複数の構造梁を取り付け、これら構造梁の上側に、上層階を構成する複数の部屋ボックスを平面方向に並設して、下層階と上層階の部屋ボックスの配置を互いに独立して行うようにしたことを特徴とするボックス式建築物。
  2. 最上階の部屋ボックスの上側に、小屋組を設置するようにした請求項1記載のボックス式建築物。
  3. 部屋ボックスの天井、床、及び壁体を、軽量形鋼等からなる枠状のフレームと、このフレームに取り付けた面材とからなる構造とした請求項1又は2記載のボックス式建築物。
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