JP3846863B2 - 内燃機関の排気系構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気系構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
排気エミッション低減化の要請に対応して、給気圧の効率化が要望される今日において、気筒を二群に分けて独立状に排気マニホルドに連結し、或いは全気筒を一つの排気マニホルドに連通させるかして、該排気マニホルドに二個の排気出口を形成し、各排気出口を、それぞれ独立した過給機に連結し、両過給機より、多気筒に給気を供給する給気管に給気を供給して、給気効率を向上させる内燃機関が公知となっている。この中で、二台の過給機の排気出口を向かい合わせ、一つの排気ベンドに合流させて、コンパクト化を図ったものは公知となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の内燃機関において、各過給機は、排気マニホルドの出口端部に直接取り付ける構造であり、排気マニホルドそのものの出口端部を、過給機に取り付けられる形状に加工する必要があった。ツインターボ式の場合、同じく過給機を二個設けるとしても、コンパクト化を図るべく、両過給機の排気出口を向かい合わせると、両過給機を互いに反対向きにして取り付けることとなる。従って、各群の排気マニホルドの過給機への取付部分は、互いに異なる形状にしなければ対処できない。つまり、ただでさえ排気マニホルドは複雑な形状を有している上に、両群の排気マニホルドの形状を統一できないので、加工コストが高くなるという不具合がある。
【0004】
本発明においては、過給機の排気出口管の入口端部分は、シールリング部とし、タービンの排気出口端に環状の溝を設け、該溝に該シールリング部を摺動自在に内嵌することにより、高温の排気の影響での該排気出口管の延伸に対応し、延伸時にも、タービンへのシールリング部の内嵌部分はシール性を保持すべく構成したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上のような課題を解決するため、次のような手段を用いる。
排気マニホルド1に二個の排気出口1d・1dを形成し、二つの独立した過給機T1・T2に各排気出口1d・1dを連結した構造の内燃機関であって、両過給機T1・T2を排気マニホルド1の上部に配設し、両過給機T1・T2の回転軸を、排気マニホルド1の長手方向に平行に配置し、両過給機T1・T2を構成するタービンTの排気出口端Tbを向かい合わせ、両排気出口端Tbを一つの排気ベンド4に連結する構造において、各過給 機T1・T2を構成するタービンTの排気出口端Tbと、排気ベンド4との間に、各々排気出口管3を介装し、該排気出口管3を排気ベンド4の側に固定し、前記タービンTの排気出口端Tbに環状の溝を設け、前記排気出口管3の排気出口端Tb側にシールリングを嵌装したシールリング部3aを構成し、該シールリング部3aを該環状の溝に摺動自在に内嵌し、該排気出口管3は、前記タービンTに対してシール性を保持して、かつ摺動可能としたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について添付の図面より説明する。
図1は間座2を介して過給機T1・T2を取り付けた構造の内燃機関の排気マニホルド1配管部分の正面一部断面図、
図2は同じく過給機T1取付部分を図1中の左方から見た側面一部断面図、
図3は同じく過給機T2取付部分を図1中の左方から見た側面一部断面図、
図4はウェイストゲート管9を設けた構造の内燃機関の排気マニホルド1配管部分の正面一部断面図、
図5はウェイストゲート管9’を設けた構造の内燃機関の排気マニホルド1配管部分の側面一部断面図、
図6は全気筒からの排気を合流させて両過給機T1・T2に供給するタイプの排気マニホルド1を有し、過給機T2を停止可能としたシーケンシャル制御方式の内燃機関の排気マニホルド1配管部分の正面一部断面図、
図7は同じく過給機T2取付部分を図6中の左方から見た側面一部断面図、
図8は図6及び図7図示の構造における排気・給気系統図、
図9は内部が二分割状で、排気を独立状に両過給機T1・T2に供給するタイプの排気マニホルド1を有し、過給機T2を停止可能としたシーケンシャル制御方式の内燃機関の排気マニホルド1配管部分の正面一部断面図、
図10は図9図示の構造における排気・給気系統図、
図11は溶接組立構造の水冷式排気マニホルド1’を示す平面一部断面図、
図12は溶接組立構造の水冷式排気マニホルド1”を示す平面一部断面図である。
【0007】
まず、図1乃至図12に図示される実施例に係る内燃機関(エンジン)は、6気筒型エンジンであることを前提とする。まず、排気マニホルドの構造について説明する。
図1等のように、シリンダヘッドCHの正面に排気マニホルド1が取り付けられて配設されており、シリンダーブロックCBの正面に対しても、支持部材8・8を介して、別途取り付けられている。なお、排気マニホルド1の上方には、該排気マニホルド1の長手方向に平行に給気連結管6が配管されており、これは、排気マニホルド1に対して支持部材7・7にて支持されている。また、後記の排気マニホルド1’・1”も、図1等の排気マニホルド1と同様に取付、支持される。
【0008】
本実施例における図1乃至図12図示の排気マニホルドは水冷式であるが、図1乃至図10図示の排気マニホルド1は一体鋳造構造であり、図11及び図12図示の排気マニホルド1’・1”は溶接組立構造である。まず、前者の図1乃至図10図示の一体鋳造構造の水冷式排気マニホルド1について説明する。
内部は図4や図9図示のように、排気主管1b(1b’・1b’)を外部カバー1aにて覆い、該外部カバー1aと該排気主管1b(1b’・1b’)との間の空間を冷却水室とした構造となっている。該外部カバー1aにおいて、その内側面には各気筒のシリンダーヘッドCH内に形成する排気通路に連通すべく、合計6本の排気導入管1c・1c・・・が突設されており、また、その上面には、各過給機T(後記間座2)に連通すべく、排気出口1d・1dが形成されている。更に、外部カバー1aに冷却水の入口と出口の開口部を設けて、図1や図2のように、該冷却水室における冷却水の供給・排出をなす冷却水管WP・WPを各開口部に連結している。
【0009】
前記の如く、該外部カバー1aの内側面から各気筒のシリンダーヘッドCHには、合計6本の排気導入管1c・1c・・・が延設されるが、図4や図6のように、全排気導入管1c・1c・・・に連通した一繋がり状の排気主管1bを有するものと、図9のように、左右三つずつの排気導入管1c・1c・1cに連通する二つの排気主管1b’・1b’を有するものとがある。後記過給機T1・T2へと排気を流出する排気出口1d・1dは、前者の図4や図6図示の構造では、排気主管1bの上端の左右部分に形成され、一方、後者の図9図示の構造では、各排気主管1b’・1b’の上端に形成される。
従って、前者は図8の如く、全気筒C1〜C6からの排気が合流して、両過給機T1・T2へと導入されるが、後者は図10の如く、気筒C1〜C3からの排気と、気筒C4〜C6からの排気が独立状にそれぞれ過給機T1・T2へと導入される構造となっている。 なお、後者の図9及び図10図示の構造では、両過給機T1・T2の入口部にて各排気主管1b’・1b’からの排気を連通させる連通路(図10中のR)を設けて、後記の過給機一台のみの運転に備えられるようにしている。
【0010】
そして、図1乃至図10図示の排気マニホルド1は、外部カバー1a、排気主管1bまたは1b’、排気導入管1c、そして排気出口1dを、一体の鋳造型より一体成形してなっているのである。
【0011】
次に、図11及び図12図示の溶接組立型構造の水冷式排気マニホルド1’及び1”について説明する。
まず、いずれも、シリンダーヘッドCHから過給機T(後記間座2)の間に介設する排気通路を外部カバー18(18’)にて覆い、両者の間の空間にて冷却水室を形成する構造となっており、該外部カバー18(18’)の内側面からシリンダーヘッドに対し、6本の排気導入管19・19’(4本の排気導入管19と2本の排気導入管19’)を突出させている。
そして、図11図示の排気マニホルド1’の外部カバー18内の排気通路は、排気導入管19の内端に排気分岐管20の外端を溶接し、排気合流管21に対し、排気分岐管20の他端と排気導入管19’の内端とを溶接してなっている。(排気導入管19’は、排気分岐管20を介さず直接的に排気合流管21に溶接されるものである)。
なお、該排気マニホルド1’は、3本の排気導入管19・19・19’に連通する排気合流管21を二個有するものであり、従って、図10図示の排気系構造であって、二個の過給機T・Tに各排気合流管21より独立的に排気を供給できる構造としている。
【0012】
次に、図12図示の排気マニホルド1”における外部カバー18’内の排気通路は、各シリンダーヘッドCHに連通する排気導入管19・19’の中、排気導入管19の内端に排気分岐管20’の外端を溶接し、一個の排気合流管21’に対して、二本の排気分岐管20’の内端と、二本の排気導入管19’の内端とを溶接してなっている。
該排気マニホルド1”は、6本の排気導入管19・19’全てを一個の排気合流管21’に連通させているが、該排気合流管21’の出口フランジ部21’aは一個のみ形成されていて、一個の過給機Tに排気を供給する構成としている。勿論、該排気合流管21’に、出口フランジ部21’aを二個形成してもよく、この場合には、図8図示の排気供給構造となる。
【0013】
また、排気マニホルド1’(1”)において、該外部カバー18(18”)と各排気導入管19・19’との間、また、該外部カバー18(18’)と、排気合流管21(21’)の上端に形成する後記間座2への接続用の出口フランジ部21a(21’a)との間も溶接されている。以上の各溶接箇所においては、水密性が保持されている。
【0014】
なお、以下の実施例おいて、排気マニホルド1となるのは、図1乃至図10図示の一体鋳造型の排気マニホルド1だけでなく、図11図示の溶接組立型の排気マニホルド1’にも置き換えられる。なお、前記の如く、出口フランジ部21’aを二個設ければ、図12図示の排気マニホルド1”も適用できる(出口フランジ部21’を二個設けた構造のものを排気マニホルド1”αとする。)。
【0015】
図1乃至図3より、過給機の取付構造について説明する。
ツインターボ式エンジンを形成する上で、二個の過給機T1・T2を採用するが、両過給機T1・T2は同一のものであって、その排気出口を向かい合わせにすべく、取付方向を前後逆にしただけである。各過給機T1・T2は、それぞれタービンTとブロアBを連接してなっており、タービンTはその入口端Taを、排気マニホルド1上端の左右に開口した排気出口1d・1dに連通させる。排気マニホルド1から導入された排気は、タービンTにて圧縮され、余剰排気は、排気出口管3を介し、両排気出口管3・3間に介設される排気ベンド4にて排出される。
なお、排気ベンド4の下部は、排気マニホルド1の上面に対して、支持部材5にて支持されている。一方、ブロアBは、外気導入口Baを介して外部から給気を導入するのに加えて、該タービンTにて圧縮された排気を導入し、これらを給気として送出し、前記の給気連結管6を介して、インタークーラー(給気冷却器)ICへと送り込む。更に、給気は、該インタークーラーICから各気筒のシリンダーヘッドCHへと送り込まれる。
【0016】
図1乃至図3図示における排気マニホルド1は、図4図示の排気マニホルド1と同様に、内部に一繋がりの排気主管1bを有するタイプである(前記排気マニホルド1”αを適用可能である)。従って、排気マニホルド1内にて、両過給機T1・T2へと導入する排気が全て連通する構造なので、排気マニホルド1の上部に、前記の連通路Rを形成することなく過給機T1・T2を取り付ける構造となる。
なお、排気マニホルド1内に独立状の排気主管1b’・1b’を有する場合には、この連通路Rを設ける点で、過給機の取付構造が異なる。これについては、後記の図9及び図10に基づく排気制御弁の取付構造に関する説明の中で説明する。
【0017】
排気マニホルド1の排気出口1dから過給機T1及びT2のタービンTの入口端Taまでには、間座2を介設している。間座2は、管構造となっていて、排気マニホルド1から過給機T1・T2のタービンTへの排気連通管を兼ねている。形状は、排気マニホルド1への取付座とする下端付近は、排気マニホルド1の長手方向に対して垂直方向となっており、図2及び図3の如く、途中で「く」の字状に屈折させている。
これは、両過給機T1・T2の排気出口管3・3に連結して、排気ベンド4を共有すべく、各過給機T1・T2の回転軸延長線を一致させるためである。即ち、タービンT内の排気通路は、図2及び図3のように渦巻き状となっており、過給機T1・T2の如く、前後逆にすれば、その入口端Taは前方か後方に偏在する。本実施例の場合には、過給機T1のそれは図2の如く後方に、過給機T2のそれは図3のように前方に寄っている。
従って、同一の間座2を前後逆にすれば、「く」の字屈折部を有することで、タービンTの入口端Taへの取付座となる間座2の上端は、図2のように後方寄りとなるか、図3のように前方寄りとなる。従って、タービンTの排気出口を向かい合わせにすべく、取付位置を前後逆転して取り付ける過給機T1・T2は、同一の間座2の取付方向を変更するだけで、排気マニホルド1上に各々取付可能となるのである。
【0018】
なお、過給機T1・T2として、別構造の過給機を採用する場合、従来では、排気マニホルド1の出口端を変更しなければならないので、排気マニホルドそのものを加工し直さなければならなかったが、このように、間座2を介して取り付ける構造とすれば、排気マニホルド1とは別体の間座2を加工し直すことで対処でき、低コスト化できる。
【0019】
次に、各過給機T1・T2のタービンTと排気出口端3との連結構造について説明する。
排気出口管3の入口端部分は、シールリング部3aとなっており、タービンTの排気出口端Tbに環状の溝を設け、該溝に該シールリング部3aを摺動自在に内嵌した構造となっている。即ち、排気出口管3は、タービンTに対して摺動可能となっており、これにより、高温の排気の影響での該排気出口管3の延伸に対応し、延伸時にも、タービンTへのシールリング部3aの内嵌部分はシール性を保持している。
【0020】
次に、図4に図示のウェイストゲート通路を有する構造について説明する。
本実施例においては、排気マニホルド1の内部は、一繋がりの排気主管1bを有する構造となっていて(前記排気マニホルド1”αを適用可能)、該排気主管1bの上端の、両排気出口1b・1bの間で、排気ベンド4の下方位置にて、ウェイストゲート導入開口部1eを設けている。排気ベンド4内には、各過給機T1・T2の排気出口管3・3に連通する排気管部4b・4bの合流部より下方にウェイストゲート出口管部4aを形成している。そして、ウェイストゲート導入開口部1eとウェイストゲート出口管部4aとの間には、垂直方向に貫通状にウェイストゲート通路9aを形成するウェイストゲート管9を介設する。このウェイストゲート管9の介設により、前記の排気マニホルド1に対して排気ベンド4を支持していたような支持部材5は不要となる。
【0021】
ウェイストゲート通路9a内においては、その下端の開口部において、該排気マニホルド1のウェイストゲート導入開口部1eに臨ませて、ウェイストゲート弁10を配設している。該ウェイストゲート管9の外部には、該ウェイストゲート弁10駆動用のアクチュエーター11が配設されている。該アクチュエーター11は、空気管11aを給気連結管6(図示せず)に連結していて、給気連絡管6内の給気を導入するようにしており、この空気圧により駆動量が調節される。
一方、該アクチュエーター11は、該ウェイストゲート弁10の切換アーム10aに連結され、該アクチュエーター11の駆動量に基づいて、該ウェイストゲート弁10の開弁量が調節される。例えば、給気圧が高くなれば該ウェイストゲート弁10の開弁量が増し、排気をウェイストゲート通路9aに多く流して、過給機T1・T2への排気導入量を低減する。こうして、給気圧に基づいて、過給機T1・T2への排気導入量が調節され、給気圧を、設定された圧力量に保持できるのである。
【0022】
なお、図4の場合には、ウェイストゲート導入開口部1eが排気マニホルド1の上端に、また、排気ベンド4のウェイストゲート出口管部4aの入口開口部が下向きに配設されているが、排気マニホルド1の上方に配管する給気連絡管6の配管位置によっては、外側にオフセットしなければならない場合がある。
このような場合には、図5の如く、ウェイストゲート導入開口部1e’を排気マニホルド1の外側面に開口し、また、排気ベンド4’ウェイストゲート出口管部4’aの入口開口部を外側に向けて設け、側面視コの字状に曲折したウェイストゲート管9’を、該ウェイストゲート導入開口部1e’とウェイストゲート出口管部4’aの入口開口部との間に配管することで、排気マニホルド1の上方空間を確保できる。
【0023】
次に、過給機T1・T2を装備したツインターボ式エンジンであって、片方の過給機のみを運転する状態と、両方の過給機を運転する状態に切換可能とするシーケンシャル制御を採用するものにおいての制御弁の配設構造について、図6乃至図10にて説明する。
まず、図6乃至図8は、排気マニホルド1の内部が、全気筒への排気導入管1c・1c・・・(合計6本)に連通した構造、即ち、排気主管1bを有するものにおける実施例である。(これについては、前記の排気マニホルド1”を適用可能である。)過給機T1・T2は、前記の図1乃至図3の構造と同様に、それぞれ間座2・2を介して排気マニホルド1の上部に取り付けられている。両間座2・2の中で、過給機T2を取り付ける間座2内のみに排気制御弁12を配設する。排気制御弁12は、回動軸12a・12aを間座2の側面部に軸支して回動可能となっており、その回動位置にて開弁量が調節される。低負荷時で、過給機T1のみを運転して給気圧を低くしたい時は、該排気制御弁12を閉弁し、過給機T2のタービンTへの排気導入を停止する。
なお、排気制御弁12を入口部に設けた過給機T2では、該排気制御弁12を閉弁して排気導入を停止した場合に、ブロアBから給気連結管6への排気出口が低圧となる分、給気連絡管6を介して、運転状態の過給機T1のブロアBから送出される給気が停止状態の過給機T2のブロアBの出口側へと逆流し、給気圧が低下する。これを防ぐべく、入口部に排気制御弁12を設けた過給機T1の出口部(ブロアBの出口部)には、図8のように給気制御弁13を設け、排気制御弁12の閉弁に連動して閉弁する構造としている。また、給気制御弁13よりも上流位置にて、給気リリーフ弁14を設けて、ブロアBの外気導入口Ba側に戻す構成とし、給気制御弁13の閉弁に連動して開弁する構造としている。
【0024】
このように、排気制御弁12は、複雑な管構造を有する排気マニホルド1自体に取り付けるのでなく、間座2に取り付けることで、低コスト化に貢献する。なお、間座2から容易に排気制御弁12を取り外すことも可能であり、取り外した場合には、図1乃至図3に見られるような、通常のツインターボ式エンジンとすることができる。
【0025】
最後に、図9及び図10図示の分割型ツインターボ式エンジンの排気制御弁の配設構造について説明する。
この場合にも、過給機を一台のみ運転する場合に運転停止するのは、過給機T2とし、該過給機T2の出口側の給気系においては図6乃至図9図示の構造と同様に、図10の如く、給気制御弁13及び給気リリーフ弁14が設けられているものである。
【0026】
本実施例では、排気マニホルド1は、内部を排気主管1b’・1b’に分割した構造としている。これは、独立状に各過給機T1・T2に排気を導入させることで、過給機T1・T2の導入排気に脈動を生じさせ、これにより、給気を脈動化して、給気効率を向上させることを狙いとしたものである。(図11図示の排気マニホルド1’を適用可能である。)
しかし、この場合には、過給機T2を停止した場合に、過給機T1に送り込まれるはずの気筒C4〜C5からの排気が出口を失う形となるので、これらの排気を過給機T2に導く構造が必要となる。
そこで、前記の如く、両過給機T1・T2の入口部間に連通路Rを形成し、過給機を二台で運転する場合には、独立状に各過給機に排気を導入すべく、これを閉鎖し、一台のみ運転する時に、開放する構成としているのである。
【0027】
図9より、各過給機T1・T2の取付構造、排気制御弁の配設構造について具体的に説明する。
各過給機T1・T2は、図6乃至図8の構造と同様に、間座2にそれぞれ取り付けられ、過給機T2を取り付ける間座2内に排気制御弁12を取り付けている。そして、連通路Rを形成すべく、各間座2の下端と排気マニホルド1の各排気出口1dとの間に、連通用分岐管15を介設し、両連通用分岐管15間に、連通管16を介設している。
そして、該連通管16内に、排気制御弁17を内設しているのである。該排気制御弁12・17の開閉について説明すると、過給機T2停止時に排気制御弁12が閉弁すると同時に、排気制御弁17が開弁し、気筒C4〜C6からの排気は、連通管16を通じて過給機T1へと導入する。過給機T1・T2とも運転する時で、排気制御弁12が開弁すると、これに連動して、排気制御弁17が閉弁し、気筒C1〜C3からの排気は過給機T1へ、気筒C4〜C6からの排気は過給機T2へと独立状に導入される。
【0028】
なお、連通管16内には高熱の排気が流動し、連通用分岐管15・15間の距離が一定なのに、連通管16自体に高温化による延伸が生じると、連通管16や連通用分岐管15の破損にも繋がりかねない。そこで、前記の如く、各過給機T1・T2のタービンTの排気出口端Tbへの排気出口管3・3の取付部分をシールリング状にし、摺動可能としているのと同様に、連通管16は、連通主管16aと、排気制御弁17を内設する連通弁管16bとの間に伸縮管16cを介設している。伸縮管16cは、例えば蛇腹状の耐熱ゴム等で構成し、その両端には伸縮管継手16d・16dを環設して、連通主管16a・連通弁管16bにフランジ連結可能としている。この伸縮管16cは、連通主管16aや連通弁管16bの高熱化による延伸に伴って収縮し、該連通主管16aや連通弁管16bの破損を回避できるのである。
【0029】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成したので、次のような効果を奏する。
排気マニホルド1に二個の排気出口1d・1dを形成し、二つの独立した過給機T1・T2に各排気出口1d・1dを連結した構造の内燃機関であって、両過給機T1・T2を排気マニホルド1の上部に配設し、両過給機T1・T2の回転軸を、排気マニホルド1の長手方向に平行に配置し、両過給機T1・T2を構成するタービンTの排気出口端Tbを向かい合わせ、両排気出口端Tbを一つの排気ベンド4に連結する構造において、各過給機T1・T2を構成するタービンTの排気出口端Tbと、排気ベンド4との間に、各々排気出口管3を介装し、該排気出口管3を排気ベンド4の側に固定し、前記タービンTの排気出口端Tbに環状の溝を設け、前記排気出口管3の排気出口端Tb側にシールリングを嵌装したシールリング部3aを構成し、該シールリング部3aを該環状の溝に摺動自在に内嵌し、該排気出口管3は、前記タービンTに対してシール性を保持して、かつ摺動可能としたので、高温の排気の影響での該排気出口管の延伸に対応し、延伸時にも、タービンへのシールリング部の内嵌部分はシール性を保持すべく構成することが出来たものである。
即ち、排気出口管3は、タービンTに対して摺動可能となっており、これにより、高温の排気の影響での該排気出口管3の延伸に対応し、延伸時にも、タービンTへのシールリング部3aの内嵌部分はシール性を保持しているのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 間座2を介して過給機T1・T2を取り付けた構造の内燃機関の排気マニホルド1配管部分の正面一部断面図である。
【図2】 同じく過給機T1取付部分を図1中の左方から見た側面一部断面図である。
【図3】 同じく過給機T2取付部分を図1中の左方から見た側面一部断面図である。
【図4】 ウェイストゲート管9を設けた構造の内燃機関の排気マニホルド1配管部分の正面一部断面図である。
【図5】 ウェイストゲート管9’を設けた構造の内燃機関の排気マニホルド1配管部分の側面一部断面図である。
【図6】 全気筒からの排気を合流させて両過給機T1・T2に供給するタイプの排気マニホルド1を有し、過給機T2を停止可能としたシーケンシャル制御方式の内燃機関の排気マニホルド1配管部分の正面一部断面図である。
【図7】 同じく過給機T2取付部分を図6中の左方から見た側面一部断面図である。
【図8】 図6及び図7図示の構造における排気・給気系統図である。
【図9】 内部が二分割状で、排気を独立状に両過給機T1・T2に供給するタイプの排気マニホルド1を有し、過給機T2を停止可能としたシーケンシャル制御方式の内燃機関の排気マニホルド1配管部分の正面一部断面図である。
【図10】 図9図示の構造における排気・給気系統図である。
【図11】 溶接組立構造の水冷式排気マニホルド1’を示す平面一部断面図である。
【図12】 溶接組立構造の水冷式排気マニホルド1”を示す平面一部断面図である。
【符号の説明】
T1・T2 過給機
T タービン
B ブロア
1 排気マニホルド
1a 外部カバー
1b・1b’ 排気主管
1c 排気導入管
1d 排気出口
1e ウェイストゲート導入開口部
2 間座
3 排気出口管
4・4’ 排気ベンド
4a・4’a ウェイストゲート出口管部
6 給気連結管
9 ウェイストゲート管
9a ウェイストゲート通路
10 ウェイストゲート弁
11 アクチュエーター
12 排気制御弁
13 給気制御弁
14 給気リリーフ弁
15 連通用分岐管
16 連通管
16a 連通主管
16b 連通弁管
16c 伸縮管
16d 伸縮管継手
17 排気制御弁
1’ 排気マニホルド
18 外部カバー
19・19’ 排気導入管
20 排気分岐管
21 排気合流管
21a 出口フランジ部
1” 排気マニホルド
18’ 外部カバー
20’ 排気分岐管
21’ 排気合流管
Claims (1)
- 排気マニホルド1に二個の排気出口1d・1dを形成し、二つの独立した過給機T1・T2に各排気出口1d・1dを連結した構造の内燃機関であって、両過給機T1・T2を排気マニホルド1の上部に配設し、両過給機T1・T2の回転軸を、排気マニホルド1の長手方向に平行に配置し、両過給機T1・T2を構成するタービンTの排気出口端Tbを向かい合わせ、両排気出口端Tbを一つの排気ベンド4に連結する構造において、各過給機T1・T2を構成するタービンTの排気出口端Tbと、排気ベンド4との間に、各々排気出口管3を介装し、該排気出口管3を排気ベンド4の側に固定し、前記タービンTの排気出口端Tbに環状の溝を設け、前記排気出口管3の排気出口端Tb側にシールリングを嵌装したシールリング部3aを構成し、該シールリング部3aを該環状の溝に摺動自在に内嵌し、該排気出口管3は、前記タービンTに対してシール性を保持して、かつ摺動可能としたことを特徴とする内燃機関の排気系構造。
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