JP3844940B2 - マーク位置検出装置およびマーク位置検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造工程におけるマスク間の合せずれ測定方法および合せずれ測定装置に関し、特に、半導体基板に予め形成された合せずれ測定マークの位置を検出する装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
それぞれ異なるパターンを有する薄膜の積層体でなる半導体装置の製造においては、各製造段階において、パターンを形成するためのマスク(レチクル)を半導体基板に対して正確に配置することが極めて重要となる。
【0003】
マスクアライメントの方法として、素子形成領域外の半導体基板上に合せずれ測定マーク(以下、適宜測定マークという)を予め形成しておき、この測定マークの位置を検出し、検出した位置を基準としてマスクの配置位置を調整する方法が広く採用されている。
【0004】
従来の技術による測定マークの位置検出方法について、スライスレベル法と相関法を取りあげて説明する。なお、以下の各図において同一の部分には同一の参照番号を付してその説明を省略する。
【0005】
図12は、従来の技術による測定マーク位置検出装置の概略を示す構成図である。
【0006】
同図に示す合せずれ測定マーク位置検出装置110は、光源13とハーフミラー15とステージ70とCCDセンサ33と制御コンピュータ110とを備えている。ステージ70上には、測定対象である測定マーク20が予め形成されたSi基板120が載置される。同図では、測定マーク20のX方向における断面図を示し、測定マーク20以外の領域は省略して記載する。
【0007】
図13は、図12に示す測定マーク20の拡大図である。同図に示すように、測定マーク20は、Si基板120上に形成されたSiO2層23と、SiO2層23の上に凸状に形成されたSiN層27とを備える。SiO2層23とSiNは、ともに1μmの膜厚T1,T2で形成されている。SiO2層23の表面には、ともに0.12μmの深さD1,D2を有する2つの凹部C1,C2が形成され、これにより段差が形成される。SiN層27はその中心が図13の断面図において凹部C1,C2の中間に位置するように配置される。即ち、SiN層27からみて各凹部の外側エッジE1,E4の中間点にSiN層27の中心が位置するようにSiN層27が形成され、これにより測定マーク20は、SiN層27の中心線l1を中心とする対称形をなしている。
【0008】
測定マーク20の位置検出は、SiN層27の中心点P1を検出すればよいが、測定の精度を向上させるため、一般的には、SiN層27の中心点P1と、2つの凹部C1,C2の各外側エッジE1,E4の中心点とが一致することを確認する手順を含む。
【0009】
(1)スライスレベル法
スライスレベル法による測定マーク検出法について図14〜図17、および図16のフローチャートを参照しながら説明する。
【0010】
まず、図12に示す装置100を用い、光源13から所定の波長λを有する光、または白色光L1を発光させ、ハーフミラー15を介して測定マーク20に照射させる(ステップS101)。測定マーク20からは反射光L2が生じるので、この反射光L2をハーフミラー15を介してCCDセンサ33により検出する(ステップS102)。Si基板120とSiO2層23との界面、SiO2層23の表面、SiO2層23とSiN層27との界面およびSiN層27の表面でそれぞれ反射した光が相互に干渉し合うので、反射光L2はこれら界面および表面とCCDセンサ33の画素部との各光路差に応じた強度を有する光となってセンサ31に入射する。
【0011】
CCDセンサ33は、画素がX方向に列をなすように配置される。各画素から反射光に応じて発生した信号電荷はA/D変換器35を介して制御コンピュータ110に取込まれる。
【0012】
制御コンピュータ110は、CCDセンサ33から供給された信号電荷を処理し、測定マークのX方向における位置座標を横軸とし、測定マークからの反射光L2の強度を縦軸とする波形を認識する(ステップS103)。なお、測定マークの基板120上の位置座標(以下、ウェーハ位置座標という)は、既知の方法により検出する。
【0013】
制御コンピュータ110により得られた波形図を測定マークの断面形状とともに図14に示す。同図に示すように、横軸の各位置座標は、測定マークの位置座標にそれぞれ対応し、例えば各凹凸形状のエッジE1〜E6が波形図のX1〜X6にそれぞれ対応している。
【0014】
図14に示すように、凹部C1に対応する位置座標X1〜X2での反射光の強度をrd1、凹部C2に対応する位置座標X5〜X6での反射光の強度をrd2、その他のSiO2層23の表面からの反射光の強度をr0とすると、これらの間には、以下の関係が成立する。
【0015】
r0>rd1,rd2・・・・・・・・(1)
rd1=rd2・・・・・・・・・・・(2)
このように、線対称な断面形状を有する測定マークから得られた反射光の波形は、位置座標X1〜X2の領域およびその近傍においても、また、位置座標X5〜X6の領域およびその近傍においても凹状となり、全体の波形は、X3〜X4の中間点XM34を通過してX軸に垂直な直線l1’について線対称な形状となる。
【0016】
このような対称波形を処理してスライスレベル法により測定マーク20の位置を検出する方法を図15、図16を参照しながら説明する。
【0017】
まず、波形図の位置座標X1〜X2およびその近傍において光強度の降下が最も急峻な位置XM1を検出する(ステップS104)。
【0018】
同様に、波形図の位置座標X5〜X6およびその近傍において光強度の上昇が最も急峻な位置XM6を検出する(ステップS105)。
【0019】
次に、上記手順にて得られた位置XM1と位置XM6の中点XM16を算出する(ステップS106)。
【0020】
次に、上述したステップS104〜S106と同様の手順で、位置座標X3とその近傍領域並びに位置座標XM4とその近傍領域で、波形の降下と上昇がそれぞれ最も急峻な位置XM3,XM4を検出し(ステップS107、S108)、これらの中点XM34を算出する(ステップS109)。
【0021】
最後に、XM34とXM16との差を算出し、これを合せずれとして出力する(ステップS110)。
【0022】
図15に示す波形図の場合、反射光強度の波形は、対称形なので、XM1と位置座標X1、XM6と位置座標X6とは正確に対応する。従って、XM34−XM16=0となり、XM16が位置座標X1とX6との中点に正確に一致する。この結果、測定マークの位置を正確に検出できるので、その後のリソグラフィ工程において、基板または基板上に既に形成されたパターンに対してマスクの位置を正確に整合させることができる。
【0023】
(2)相関法
次に、相関法による測定マーク検出法について図12、図14、図17および図22のフローチャートを参照しながら説明する。
【0024】
測定マーク20に光L1を照射して反射光L2をCCDセンサ33により検出し、図14に示す波形図を得る手順は、上述したステップS101〜S103と同一である。
【0025】
次に、図17に示すように、位置座標X1およびこの近傍領域の波形部分11を抽出し、ミラー反転処理によりX方向に対称な図形を作成し、これを参照波形11invとして図示しないメモリに格納する(ステップS114)。
【0026】
次に、位置座標X5〜X6およびその近傍領域の波形と参照波形11invとを比較し、最も近似する波形を検出してこれに対応する位置座標をXN6とする(ステップS115)。
【0027】
次に、波形部分11に対応する位置XN1と、ステップS115により得られた位置XN6との中点を算出し、位置XN1とXN6の中点XN16とする(ステップS116)。
【0028】
次に、上述したステップS114〜S116と同様の手順により、位置X3とX4との中点XN34を算出する(ステップS117〜S119)。
【0029】
最後に、XN34とXN16との差を算出し、これを合せずれとして出力する(ステップS120)。
【0030】
以上の相関法によっても、反射光から得られた波形図が対称である場合は、XN16が位置座標X3とX4との中点XN34に正確に一致するため、測定マーク20の位置を正確に検出できる。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したスライスレベル法および相関法のいずれについても、測定マークが非対称の形状を有する場合には、マークの位置を正確に検出できない、という問題点があった。以下、この問題点を詳述する。
【0032】
図18は、非対称の断面形状を有する合せずれ測定マークの一例を示す。同図に示す測定マーク21は、マーク構成部分の材料および膜厚について図13に示す測定マーク21と同一であり、また、SiN層27が2つの凹部C3,C4の中間に配置されている点においも前述の測定マーク21と同一である。
【0033】
しかしながら測定マーク21のSiO2層24に形成された2つの凹部C3とC4の深さD1’,D2’が測定マーク21と異なり、それぞれD1’=0.1μm、D2’=0.14μmとなっている。このため、SiN層27の中心線l2に対して非対称の断面形状を有する。このため、図16および図22に示すステップS101〜S103の手順により反射光強度分布を取得すると、凹部C4の部分において反射光の位相が逆転し、その波形は図19(b)の波形図に示すとおりとなる。
【0034】
この波形図を用いて上述した従来技術により測定マーク21の位置を検出しようとすると以下の問題が生じる。
(スライスレベル法)
図20に示すように、位置座標X1〜X2およびその近傍において反射光強度の降下が最も急峻な位置XM1を検出する手順(図16のステップS104)においては、XM1は位置座標X1に対応する。
【0035】
しかし、位置座標X5〜X6およびその近傍において光強度の上昇が最も急峻な位置XM6を検出する手順(図16ステップS105)では、XM5は位置座標X6でなく位置座標X5に対応してしまう。従って、これらの中点XM16は、位置座標X1とX6との中点でなく、位置座標X1とX5との中点に対応する。このため、XM16は、図16のステップS107〜S109の手順により得られたXM3とXM4との中点XM34と一致することなく、図20のXEだけの誤差が発生する。この結果、その後の製造工程においてマスクとの間の合せずれを正確に測定することが不可能となる。
【0036】
(相関法)
図21に示すように、位置座標X3およびその近傍領域の波形部分13’のミラー反転図形13inv’は、位置座標X4およびこの近傍領域の波形に最も近似するため、対称な断面形状の場合と同様に、検出された位置座標の中点XN34は、X3とX4の中点に対応する。
【0037】
しかし、位置座標X1およびその近傍領域の波形部分11’のミラー反転図形11inv’は、位置座標X5およびこの近傍領域の波形に最も近似することになる。従って、これらの中点XN16は、位置座標X1とX6との中点でなく、位置座標X1とX5との中点に対応する。このため、図21に示すように、ステップS117〜S119の手順により得られたXN3とXN4との中点XN34と、XN16との間でXEだけの誤差が発生する。この結果、測定マーク21とマスクとの間で合せずれを正確に測定することが不可能となる。
【0038】
このように、従来の技術によれば、合せずれ測定マークの断面形状が対称形であれば、正確にマーク位置を検出できるが、非対称な断面形状を有する合せずれ測定マークについてはその位置を正確に検出することができない、という問題点があった。
【0039】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、合せずれ測定マークの断面形状が非対称な場合であっても、正確にその位置を検出することができるマーク位置検出装置およびマーク位置検出方法を提供することにある。
【0040】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の手段により上記課題の解決を図る。
【0041】
即ち、本発明によれば、
半導体基板上に形成された合せずれ測定用のマークに光を照射する発光手段と、上記マークから発生した反射光を検出する光検出手段と、この光検出手段の検出結果と予め与えられた上記マークの形状情報に基づいて、上記マークの断面形状に応じた上記反射光の強度分布を表す測定波形を出力する波形認識手段と、予め得られた上記マークの構成要素の材料情報および上記形状情報に基づいて上記反射光の強度が変化する箇所の理論波形を作成する演算手段と、上記理論波形と上記測定波形とを比較して上記マークの位置を検出する判定手段と、を備えるマーク位置検出装置が提供される。
本発明にかかるマーク位置検出装置によれば、マークを構成する材料と形状の情報に基づいて上記演算手段が上記反射光の理論波形を作成し、上記判定手段がこの理論波形と測定波形とを比較するので、あわせずれ測定マークの断面形状が対称な場合でも、非対称な場合でも正確にマークの位置を検出することができる。
【0042】
上述のマーク位置検出装置は、上記反射光を任意の波長の光に分光して上記光検出手段に供給する分光手段と、上記光検出器の検出結果を受けて上記マークの断面形状に応じた上記反射光の波長依存性を解析しこの解析結果に基づいて上記マークの形状情報を取得する形状情報取得手段と、をさらに備えることが望ましい。
【0043】
上記形状情報取得手段により、単一の装置で上記あわせずれ測定マークの形状情報をも取得することができる。これにより、高いスループットを実現するマーク位置検出装置が提供される。
【0044】
上記分光手段が分光波を供給する光検出手段は、分光波を解析するために別途備えるものでも良く、また、上記光検出手段に移動機構を設け、単一の光検出手段が上記マークからの反射光を直接検出しまたは上記分光手段を介して間接的に検出するものでも良い。
【0045】
また、本発明によれば、
半導体基板上に形成された合せずれ測定用のマークに光を照射する手順と、上記マークから発生した反射光を検出する手順と、この反射光の検出結果と予め与えられた上記マークの形状情報に基づいて、上記マークの断面形状に応じた上記反射光の強度分布を表す測定波形を認識する手順と、予め得られた上記マークの構成要素の材料情報と上記形状情報に基づいて上記反射光の強度が変化する箇所の理論波形を作成する手順と、上記理論波形と上記測定波形とを比較して上記マークの位置を検出する判定手順と、を備えるマーク位置検出方法が提供される。
【0046】
本発明にかかるマーク位置検出方法によれば、合せずれ測定マークを構成する材料と形状の情報に基づいて反射光の理論波形を作成し、この理論波形と測定波形を比較するので、マークの断面形状が対称な場合でも、非対称な場合でも正確にマークの位置を検出することができる。
【0047】
上述したマーク位置検出方法においては、上記反射光を任意の波長の光に分光して上記マークの断面形状に応じた上記反射光の波長依存性を解析し、その解析結果に基づいて上記マークの形状情報を取得する形状情報取得手順をさらに備えることが望ましい。
【0048】
上記形状情報取得手順により、一連の手順で上記あわせずれ測定マークの形状情報をも取得することができる。これにより、高いスループットでマークの位置を検出することができる。
【0049】
上記形状情報は、上記マークの構成要素の厚さの情報と、上記マークの表面に形成された凹部の深さの情報を含む。
【0050】
また、上記マークの構成要素は、上記半導体基板上に第1の材料で形成された第1の薄膜と、この薄膜の上に第2の材料で形成された第2の薄膜とを含み、上記凹部は、上記第1の薄膜に形成された第1の深さの第1の凹部と第2の深さの第2の凹部とを含み、上記第2の薄膜は、上記第1の凹部と上記第2の凹部の中間に位置するように形成された突起部をなし、上記形状情報は、上記第1の薄膜の膜厚と上記第2の薄膜の膜厚と上記第1の深さと上記第2の深さの情報と、上記第1の凹部と上記突起部と上記第2の凹部における各側面の位置情報と、を含むと良い。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態のいくつかについて図面を参照しながら説明する。
【0052】
(1)第1の実施の形態
図1は、本発明にかかるマーク位置検出装置の第1の実施の形態を示す概略構成図である。
【0053】
図1に示すように、本実施形態のマーク位置検出装置1は、照明光学系10とステージ70と検出光学系30と制御コンピュータ50とを備える。
【0054】
ステージ70は、測定対象である合せずれ測定マークが形成された基板120を上面に載置する。
【0055】
照明光学系10は、光源13とハーフミラー15とを有する。光源13は制御コンピュータからの指令に基づいて任意の波長λの光L1を発光する。
【0056】
検出光学系30は、CCDセンサ33とA/D変換器35とを備える。CCDセンサ33は、合せずれ測定マークからの反射光L2を検出し、その強度に応じた信号電荷を発生させる。また、A/D変換器35は、CCDセンサ33からアナログの信号電荷の供給を受けてこれをディジタル信号に変換する。
【0057】
制御コンピュータは、測定波形図作成部51と理論波形作成部57と波形照合部53と合せずれ演算部55とを含む。
【0058】
測定波形図作成部51は、A/D変換器35から受けたディジタル信号に基づいて、測定波形の波形図を作成する。この波形図は、横軸が基板120のX方向の位置座標を表し、縦軸が反射光の強度を表す。
【0059】
理論波形作成部57は、合せずれ測定マークの材料および形状に関する情報Infの入力を受けて測定マークの所望の位置に対応する反射光の強度をシミュレーションにより計算して理論波形を作成する。本実施形態において合せずれ測定マークに関する情報Infとしては、SiO2膜(第1の膜)の材料および膜厚T1、第1および第2の凹部C1,C2におけるそれぞれの段差(深さ)D1,D2、SiN膜(第2の膜)の材料および膜厚T2が含まれる。
【0060】
波形照合部53は、測定波形と理論波形とを照合し、測定波形のうち、理論波形に最も近似する測定波形部分を検出し、これに対応する測定波形図上の位置座標を出力する。
【0061】
合せずれ演算部55は、波形照合部53から供給された位置情報に演算処理を行って測定結果の誤差の有無を判定し、誤差がある場合は、その値を出力する。
【0062】
本実施形態のマーク位置検出装置1の動作について、本発明にかかるマーク位置検出方法の第1の実施の形態として図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明においては、従来技術との対比を容易にするため、合せずれ測定マークとして図13および図18に示す測定マークと同一のマークを用いる。
【0063】
図2〜図4は、本実施形態のマーク位置検出方法を説明するフローチャートである。図2は、本実施形態の一連の手順の概略を示し、また図3および図4は、後述する本処理の一連の手順を示す。
【0064】
本実施形態では、測定マークの位置を検出する前に前処理として測定マークの膜厚および凹部の深さを膜厚計を用いて予め測定する。図2におけるステップS11およびステップS12は、測定前の前処理を示す。また、図2のステップS40(図3および図4)は、測定の本処理を示す。以下、前処理と本処理に分けて説明する。
【0065】
(A)前処理
図2に示すように、まず、図13または図18に示す測定マークについて、SiO2層23の膜厚(第1の膜厚)T1と、SiN層27の膜厚(第2の膜厚)T2とを膜厚計(図示せず)を用いて測定する(ステップS11)。
【0066】
次に、測定マークにおける第1の凹部の深さと第2の凹部の深さとを図示しない段差計(膜厚計)を用いて測定する(ステップS12)。第1および第2の凹部は、図13に示す対称形の測定マークについては凹部C1,C2の深さD1とD2、図18に示す非対称形の測定マークについては凹部C3,C4の深さD1’とD2’に相当する。
【0067】
(B)本処理
上述の前処理により得られた膜厚および深さのデータを用いて合せずれ測定マークの位置を検出する(ステップS40)。
【0068】
まず、図3に示すように、マーク位置検出装置1の光源13から波長λの光L1を発光し、ハーフミラー15を介して合せずれ測定マークに照射する(ステップS41)。これにより、合せずれ測定マークから反射光L2が発生する。反射光L2は、ハーフミラー15を再び介して光路差に応じた強度を有する光としてCCDセンサ33の画素部に入射する。
【0069】
CCDセンサ33は、反射光L2を検出する。即ち、各画素から入射した反射光の強度に応じた信号電荷が発生し(ステップS42)、CCDセンサ33はこの信号電荷をアナログ信号としてA/D変換器35に供給する。
【0070】
A/D変換器35は、CCDセンサ33から供給された信号電荷をディジタル信号に変換して制御コンピュータ50に供給する。制御コンピュータの測定波形図作成部51は、供給された信号に基づいて、合せずれ測定マークの表面形状の変化に応じた反射光の強度分布を認識し、この測定波形WSMを表す測定波形図を作成する(ステップS43)。測定波形図は、測定マークの基板120表面に平行な面におけるX方向の位置座標を横軸とし、また、測定マークからの反射光の強度を縦軸として測定値をプロットしたものに相当する。
【0071】
以下、測定波形WSMを処理して合せずれ測定マークの位置を検出する手順について、図13に示すように測定マークが対称な断面形状を有する場合と図18に示すように非対称な断面形状を有する場合に分けて説明する。
【0072】
(a)測定マークの断面形状が対称形である場合
上述のステップS41〜S43により得られた測定波形WSM1の具体例を図5(a)に示す。測定波形は、図15に示す波形図と同様に、測定マークの断面形状においてSiN層27の中心を通って基板120に垂直な線を中心に対称な形状となる。この対称波形WSM1を用いてマーク位置を検出する方法を図3、図4のフローチャートおよび図5(a)を参照しながら説明する。なお、図3、Dにおいては、記載を簡略化するため、膜厚をTj(j=1,2)、深さをDk(k=1,2)、測定マークの位置座標をXl,Xm(l,m=1〜6)と記載した。
【0073】
図3に示すように、まず、シミュレーションにより理論波形を作成し、これを用いて位置座標X1に対応する測定波形図上の位置を検出する。
【0074】
即ち、j=1、k=1、l=1、m=2とし(ステップS44)、パラメータとして膜厚T1、段差の深さD1を制御コンピュータの理論波形作成部57に入力する。本実施形態では、T1=1μm、D1=0.1μmを入力する。理論波形作成部57は、入力されたこれらのパラメータに基づいて位置座標X1およびその近傍から発生するであろう反射光の反射光強度を算出し、図5に示すように、理論波形WST21を作成し、波形照合部53へ供給する(図3、ステップS45)。
【0075】
次に、波形照合部53は、測定波形WSM1と理論波形WST21とを比較照合し、測定波形WSM1のうち、位置座標X1〜X2およびその近傍で理論波形WST21に最も近似する部分に対応する位置座標XP1を検出し(図3、ステップS46)、その情報を合せずれ演算部55に供給する。
【0076】
次に、上述した手順と同一の手順で、位置座標X6に対応する測定波形図上の位置XP6を測定する(ステップS47、S48、S45、46)。即ち、j=1、k=2、l=6、m=5とし(ステップS48)、T1=1μm、D2(=D1)=0.12μmをパラメータとして入力し、X6およびその近傍の理論波形WST26を作成し(ステップS45)、測定波形WSM1のうち位置座標X6〜X5およびその近傍で理論波形WST26と最も近似する箇所の位置座標XP6を検出し(ステップS46)、検出結果を合せずれ演算部55に供給する。
【0077】
XP1およびXP2が検出されると(ステップS47)、合せずれ演算部55は、図4に示すように、XP1とXP2との中点XP16を算出する(ステップS49)。
【0078】
次に、SiN層27の両側エッジの位置である位置座標X3、X4に対応するXP3、XP4を検出する。この手順も上述した図3のステップS45、S46と実質的に同一の手順である。
【0079】
即ち、図4に示すように、j=1、k=2、l=3、m=4とし(ステップS51)、SiO2層23の膜厚T1、SiN膜の膜厚T2をパラメータとして理論波形作成部57に入力し、理論波形作成部57が位置座標X3およびその近傍から得られる反射光の強度を算出して理論波形WST23を作成する(ステップS52)。本実施形態ではT2=1μmである。
【0080】
次に、波形照合部53により、測定波形WSMのうち位置座標X3〜X4およびその近傍で理論波形WST23に最も近似する箇所の位置座標XP3を検出する(ステップS53)。
【0081】
同様の手順により、XP4についても(ステップS54)、j=1、k=2、l=4、m=3として(ステップS55)、上述したステップS52およびS53により検出し、検出結果を合せずれ演算部55へ供給する。
【0082】
合せずれ演算部55は、まず、XP3とXP4の中点XP34を算出し(ステップS56)、さらに、ステップS49により得られた中点16との差(XP16−XP34)を算出し、合せずれ0として出力する。
【0083】
このように、本実施形態で対称な断面形状の合せずれ測定マークを測定する場合は、表面形状が変化する箇所に対応した理論波形、例えばWST21、WST26を作成し、測定波形WSM上でそれぞれ最も波形が近似する箇所の位置座標XP1,XP6を求める。従って、理論波形WST21、WST26が正確に作成できれば、位置座標XP1、XP6は、測定マークのウェーハ位置座標X1、X6にそれぞれ正確に対応する。
【0084】
従って、XP16はウェーハ位置座標X1,X6の中点に正確に一致し、本実施形態によっても合せずれ測定マークを正確に検出することができる。
【0085】
(b)測定マークの断面形状が対称形である場合
次に、非対称な断面形状を有する測定マークを検出する場合の手順について図3、図4および図5(b)を参照しながら説明する。測定対象としては図13に示す測定マークを用いる。従って、図3のステップS41によって膜厚T1=T2=1μm、第1の凹部の深さD1’=0.1μm、第2の凹部の深さD2’=0.14μmが測定され、これらの数値がパラメータとして理論波形作成部57に入力される。
【0086】
図5(b)は、図3に示す手順ステップS41〜S43により得られた測定波形WSM2を示す。測定波形WSM2は、前述したとおり、測定マークの断面形状においてSiN膜の中心を通って基板120に垂直な線を中心に非対称な形状である。
【0087】
図3に示すように、まず、位置座標X1およびその近傍から得られるであろう理論波形を作成し、これに対応する測定波形図上の位置を検出する。即ち、j=1、k=1、l=1、m=2とし(ステップS44)、パラメータとして膜厚T1=1μm、段差の深さD1’=0.1μmを制御コンピュータの理論波形作成部57に入力する。理論波形作成部57は、位置座標X1およびその近傍から発生する反射光強度を算出し、図5(b)に示すように、理論波形WST211’を作成する(ステップS45)。
【0088】
次に、波形照合部53は、測定波形WSM1と理論波形WST21’とを比較照合し、測定波形WSM1のうち、位置座標X1〜X2およびその近傍で理論波形WST21’に最も近似する部分に対応する位置座標XP1を検出し(図3、ステップS46)、その情報を合せずれ演算部55に供給する。
【0089】
次に、上述した手順と同一の手順で、位置座標X6およびその近傍から得られるであろう理論波形を作成し、これに対応する測定波形図上の位置XP6を検出する(ステップS47、S48、S45、46)。即ち、j=1、k=2、l=6、m=5とし(ステップS48)、T1=1μm、D2’(≠D1’)=0.14μmをパラメータとして入力し、X6およびその近傍の理論波形WST212’を作成し(ステップS45)、測定波形WSM2のうち位置座標X6〜X5およびその近傍で理論波形WST212’と最も近似する部分に対応する位置座標XP6を検出し(ステップS46)、検出結果を合せずれ演算部55に供給する。
【0090】
XP1およびXP2が検出されると(ステップS47)、合せずれ演算部55は、図4に示すように、XP1とXP2との中点XP16を算出する(ステップS49)。
【0091】
次に、SiN層27の両側エッジの位置である位置座標X3、X4に対応するWP3、XP4を検出する。
【0092】
図4に示すように、j=1、k=2、l=3、m=4とし(ステップS51)、SiO2層23の膜厚T1=1μm、SiN層27の膜厚T2=1μmをパラメータとして理論波形作成部57に入力し、理論波形作成部57が位置座標X3およびその近傍から得られる反射光の強度を算出して理論波形WST23’を作成する(ステップS52)。
【0093】
次に、波形照合部53により、測定波形WSM2のうち位置座標X3〜X4およびその近傍で理論波形WST23’に最も近似する箇所の位置座標XP3を検出する(ステップS53)。
【0094】
同様の手順により、XP4についても(ステップS54)、j=1、k=2、l=4、m=3として(ステップS55)、上述したステップS52およびS53により検出し、検出結果を合せずれ演算部55へ供給する。
【0095】
合せずれ演算部55は、まず、XP3とXP4の中点XP34を算出し(ステップS56)、さらに、ステップS49により得られた中点XP16との差(XP16−XP34)を算出し、合せずれ0として出力する。
【0096】
このように、本実施形態では、表面形状が変化する箇所に対応した理論波形を作成し、測定波形WSM上でそれぞれ最も波形が近似する部分に対応する位置座標、例えばXP1,XP6を求めるので、理論波形が正確に作成できれば、位置座標XP1、XP6は、測定マークのウェーハ位置座標X1、X6にそれぞれ正確に対応し、XP16はウェーハ位置座標X1,X6の中点に正確に一致する。
【0097】
以上詳述したとおり、本実施形態によれば、測定波形が対称な場合でも、非対称な場合でも、正確に合せずれ測定マークを検出することができる。
【0098】
(2)第2の実施形態
次に、本発明にかかるマーク位置検出装置の第2の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0099】
図6は、本実施形態のマーク位置検出装置2の概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、本実施形態のマーク位置検出装置2の特徴は、測定マークを検出するためのパラメータである膜厚T1,T2と凹部の深さD1,D2を測定する形状情報取得手段を備える点にある。
【0100】
図1との対比において明らかなように、マーク位置検出装置2の照明光学系11は、は、ハーフミラー17をさらに含む。また、検出光学系31は、分光器41とA/D変換器47をさらに含む。また制御コンピュータ60は、パラメータ算出部63をさらに含む。これらの追加の構成要素は、形状情報取得手段をなす。本実施形態のマーク位置検出装置2のその他の構成は、図1に示すマーク位置検出装置1と実質的に同一である。
【0101】
分光器41は、回折格子43とCCDセンサ45を有する。測定マークで発生した反射光はハーフミラー17を介して回折格子43に入射し、任意の波長の光に分光された後、CCDセンサ45の画素部に入射する。
【0102】
CCDセンサ45の各画素で発生した信号電荷は、A/D変換器47に供給され、ディジタル信号に変換されて各波長ごとの反射光強度を表す信号として制御コンピュータ60に供給される。
【0103】
本実施形態のマーク位置検出装置2の動作について、本発明にかかるマーク位置検出方法の第2の実施の形態として図7〜図11を参照しながら説明する。
【0104】
図7〜図10は、本実施形態のマーク位置検出方法を説明するフローチャートである。図7は本検出方法の概略手順を説明するフローチャートであり、図8〜図10は図7のステップS20の詳細手順を説明するフローチャートである。
【0105】
図7に示すように、本実施形態の特徴は、本処理である合せずれ測定マーク位置検出処理(ステップS40)に先行する前処理として、パラメータを算出する手順(ステップS20)を含む点にある。パラメータは、本実施形態において図13または図18に示す測定マークの膜厚T1,T2、凹部の深さD1,D2である。各膜厚を構成する材料の情報は、制御コンピュータの図示しないメモリに予め格納されている。本処理である合せずれ測定マーク位置検出処理の手順は、図2〜図4に示す手順と同一であるので、以下では、前処理の詳細な手順について図18に示す非対称な測定マーク21を取りあげて説明する。図8のフローチャートは膜厚T1および深さD1を算出する手順を示し、また、図9のフローチャートは深さD2を算出する手順を示す。さらに、図10のフローチャートは膜厚T2を算出する手順を示す。
【0106】
まず、図8に示すように、制御コンピュータ60のパラメータ算出部63は、膜厚T1、深さD1の候補となる値T1a,T1b,T1c、D1a,D1b,D1cを設定し、理論波形作成部57に供給する(ステップS21)。
【0107】
理論波形作成部57は、これらのパラメータと、図示しないメモリから引出したSiO2層23およびSiN層27の材料の情報に基づいて、測定マークの第1の凹部(位置座標X1〜X2)に白色光を照射した場合に得られる反射光強度の波長依存性をシミュレーションにより算出し、図11(a)に示すように、理論波形WST31a,WST31b,WST31cを作成する(ステップS22)。
【0108】
次に、波長λの光、本実施形態では白色光を光源13から発光させ、ハーフミラー15を介して図13の矢印L1aに示すように、測定マークの凹部(位置座標X1〜X2)内に照射する(ステップS23)。反射光はハーフミラー15を介して分光器41に入射し、回折格子43により予め設定された波長の光に分光されてCCDセンサ45の画素部に入射し、各画素からは分光された各波長の光ごとにそれぞれの強度に応じた信号電荷が発生する(ステップS24)。本実施形態では波長を600nm,650nm,700nm,750nm,800nmと設定し、これらの波長の光の強度を測定する。CCDセンサ45から発生した信号電荷は、A/D変換器47によりディジタル変換され、理論波形作成部57に供給される。理論波形作成部57は、A/D変換器47から供給された信号に基づいて反射光の波長依存性を表す測定分光波形WSM31を作成する。図11(a)に示す例では、説明の簡略化のため、反射光の波長ごとの強度の測定値を算出し、この算出した測定値を、上述したステップS22により予め作成した理論波形図内にプロットしている。理論波形作成部57は、作成した測定分光波形を波形照合部53に供給する(ステップS25)。
【0109】
波形照合部53は、測定分光波形(図11a(a)に示す例では反射光の波長ごとの測定値)と理論波形とを比較し、理論波形WST31a,WST31b,WST31cのうち測定分光波形(測定値)に最も近似する理論波形を選択し、これをパラメータ算出部63に供給する。図11(a)に示す例においては、理論波形WST31bが選択される。
【0110】
測定分光波形と理論波形との具体的な比較方法は次のとおりである。
【0111】
即ち、理論波形の各波長における光強度をa(λ),b(λ),c(λ)とし、測定された分光波の各波長における光強度をY(λ)とする。
【0112】
次に、各波長について理論波形における光強度と、測定した反射光の強度の差の絶対値の合計、即ち、
【数1】
を算出し、これが最小となる理論波形を測定分光波形(測定値)に最も近似する理論波形として選択する。
【0113】
パラメータ算出部63は、波形照合部53から供給された理論波形WST31bの情報によりこの理論波形WST31bに対応する膜厚T1、深さD1をパラメータとして選定し、理論波形作成部57に供給する(ステップS26)。図11(a)に示す例においては、T1=1μm、D1=0.1μmが選定される。
【0114】
次に、マーク位置検出装置2は、測定マークの凹部C2の深さD2を測定する。
【0115】
即ち、図9に示すように、パラメータ算出部63が深さD2の候補となる値D1a,D2b,D2cを設定し、理論波形作成部57に供給する(ステップS27)。
【0116】
理論波形作成部57は、図示しないメモリからSiO2層23の材料の情報を引出し、上述の設定値をパラメータとして、測定マークの凹部(位置座標X6〜X5)内に白色光を照射した場合に得られる反射光強度の波長依存性をシミュレーションにより算出し、図11(b)に示すように、理論波形WST36a,WST36b,WST36cを作成する(ステップS28)。
【0117】
次に、光源13から白色光を発光させ、ハーフミラー15を介して、例えば図13の矢印L1cに示すように、測定マークの凹部(位置座標X6〜X5)内に照射する(図9、ステップS29)。反射光はハーフミラー17を介して分光器41に入射し、回折格子43により所定波長の光に分光されてCCDセンサ45に検出され、CCDセンサ45からは反射光の各波長における強度に応じた信号電荷が出力される(ステップS30)。設定される測定波長は、凹部C1の場合と同様に、600nm,650nm,700nm,750nm,800nmである。CCDセンサ45から出力した信号電荷は、A/D変換器47によりディジタル変換され、制御コンピュータ60の理論波形作成部57は、A/D変換器47から供給された信号に基づいて反射光の波長依存性を表す測定分光波形WSM36を作成する。図11(b)に示す例では、反射光の波長ごとの強度の測定値を算出し、この算出した測定値を、上述したステップS28により予め作成した理論波形図内にプロットしている。理論波形作成部57は、作成した測定分光波形を波形照合部53に供給する(ステップS31)。
【0118】
波形照合部53は、測定分光波形(図11a(b)に示す例では反射光の波長ごとの測定値)と理論波形とを比較し、理論波形WST36a,WST36b,WST36cのうち測定分光波形(測定値)に最も近似する理論波形を選択し、これをパラメータ算出部63に供給する。図11(b)に示す例においては、理論波形WST36bが選択される。
【0119】
パラメータ算出部63は、波形照合部53から供給された理論波形WST36bに対応する深さD2をパラメータとして選定し、理論波形作成部57に供給する(ステップS32)。図11(b)に示す例においては、d2=0.14μmが選定される。
【0120】
最後に上述したステップS27〜32と同様の手順によりSiN膜の膜厚T2を算出し、パラメータとして理論波形作成部57に供給する。図10は膜厚T2を算出する手順を示す。測定対象のパラメータがT2であること、理論波形がWST334a〜334cであること、および位置座標がX3〜X4であることを除けば、図10は、図9のステップ番号に6を加えたものと実質的に同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0121】
以上の前処理により必要な測定パラメータを取得したマーク位置検出装置2は、これらのパラメータを用いて上述した第1の実施形態と同様の手順で測定マークの位置を検出する。
【0122】
このように、本実施形態によれば、対称および非対称のいずれの断面形状にかかわらず、測定マークの位置を正確に検出することができることに加え、分光器41を用いて測定マークの位置検出に必要なパラメータをも取得するので、単一の装置でパラメータの取得からマーク位置の検出まで処理することができる。
【0123】
なお、本実施形態においては、反射光の波長依存性を解析するために、反射光の強度分布を認識するためのCCDセンサ33およびA/D変換器35とは別個のCCDセンサとA/D変換器を備える場合について説明したが、ステージ70の上面に水平な平面内で移動可能な機構に回折格子43を取付け、前処理の段階ではハーフミラー15とCCDセンサ33との間の領域に移動してハーフミラー17を介在させることなく反射光を分光し、本処理の段階でこの領域から離隔して反射光を直接CCDセンサ33に入射させるようにしても良い。
【0124】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明は、以下の効果を奏する。
【0125】
即ち、本発明によれば、合せずれ測定マークを構成する材料と形状の情報に基づいて理論波形を作成し、この理論波形と測定波形を比較するので、マークの断面形状が対称な場合でも、非対称な場合でも正確にマークの位置を検出することができる。
【0126】
また、形状情報取得手段または形状情報取得手順を備える場合は、単一の装置または一連の手順で合せずれ測定マークの形状情報を得ることもできる。これにより、高いスループットでマークの位置を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる測定マーク位置検出装置の第1の実施の形態の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明にかかるマーク位置検出方法の第1の実施の形態の概略を説明するフローチャートである。
【図3】本発明にかかるマーク位置検出方法の第1の実施の形態を説明するフローチャートである。
【図4】本発明にかかるマーク位置検出方法の第1の実施の形態を説明するフローチャートである。
【図5】図2に示す手順により得られた測定波形の一例を示す波形図である。
【図6】本発明にかかる測定マーク位置検出装置の第2の実施の形態の概略構成を示すブロック図である。
【図7】本発明にかかるマーク位置検出方法の第2の実施の形態の概略を説明するフローチャートである。
【図8】本発明にかかるマーク位置検出方法の第2の実施の形態を説明するフローチャートである。
【図9】本発明にかかるマーク位置検出方法の第2の実施の形態を説明するフローチャートである。
【図10】本発明にかかるマーク位置検出方法の第2の実施の形態を説明するフローチャートである。
【図11】測定マークの反射光の波長依存性を示す分光波形図である。
【図12】従来の技術による測定マーク位置検出装置の一例を示す概略構成図である。
【図13】図12に示す測定マークの拡大図である。
【図14】図13に示す測定マークからの反射光の強度を測定マークの位置座標との関連で示す波形図である。
【図15】スライスレベル法を説明するための波形図である。
【図16】スライスレベル法を説明するフローチャートである。
【図17】相関法を説明するための波形図である。
【図18】非対称な断面形状を有する測定マークの説明図である。
【図19】図18に示す測定マークからの反射光の強度を測定マークの位置座標との関連で示す波形図である。
【図20】スライスレベル法を説明するための波形図である。
【図21】相関法を説明するための波形図である。
【図22】相関法を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1,2 マーク位置検出装置
10 照明光学系
13 光源
15,17 ハーフミラー
20 合せずれ測定マーク(対称)
21 合せずれ測定マーク(非対称)
23,24 SiO2層
27 SiN層(突起部)
30,31 検出光学系
33,45 CCDセンサ
35,47 A/D変換器
41 分光器
43 回折格子
50,60 制御コンピュータ
51 測定波形図作成部
53 波形照合部
55 合せずれ演算部
57 理論波形作成部
63 パラメータ算出部
70 ステージ
120 基板(ウェーハ)
C1〜C4 凹部
Claims (8)
- 半導体基板上に形成された合せずれ測定用のマークに光を照射する発光手段と、
前記マークから発生した反射光を検出する光検出手段と、
前記光検出手段の検出結果と予め与えられた前記マークの形状情報に基づいて、前記マークの断面形状に応じた前記反射光の強度分布を表す測定波形を出力する波形認識手段と、
予め得られた前記マークの構成要素の材料情報および前記形状情報に基づいて前記反射光の強度が変化する箇所の理論波形を作成する演算手段と、
前記理論波形と前記測定波形とを比較して前記マークの位置を検出する判定手段と、
を備えるマーク位置検出装置。 - 前記反射光を任意の波長の光に分光して前記光検出手段に供給する分光手段と、
前記光検出器の検出結果を受けて前記マークの断面形状に応じた前記反射光の波長依存性を解析し、その解析結果に基づいて前記マークの形状情報を取得する形状情報取得手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のマーク位置検出装置。 - 前記形状情報は、前記マークの構成要素の厚さの情報と、前記マークの表面に形成された凹部の深さの情報を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のマーク位置検出装置。
- 前記マークの構成要素は、前記半導体基板上に第1の材料で形成された第1の薄膜と、この薄膜の上に第2の材料で形成された第2の薄膜とを含み、
前記凹部は、前記第1の薄膜に形成された第1の深さの第1の凹部と第2の深さの第2の凹部とを含み、
前記第2の薄膜は、前記第1の凹部と前記第2の凹部の中間に位置するように形成された突起部をなし、
前記形状情報は、前記第1の薄膜の膜厚と前記第2の薄膜の膜厚と前記第1の深さと前記第2の深さの情報と、前記第1の凹部と前記突起部と前記第2の凹部における各側面の位置情報と、を含むことを特徴とする請求項3に記載のマーク位置検出装置。 - 半導体基板上に形成された合せずれ測定用のマークに光を照射する手順と、
前記マークから発生した反射光を検出する手順と、
前記反射光の検出結果と予め与えられた前記マークの形状情報に基づいて、前記マークの断面形状に応じた前記反射光の強度分布を表す測定波形を認識する手順と、
予め得られた前記マークの構成要素の材料情報と前記形状情報に基づいて前記反射光の強度が変化する箇所の理論波形を作成する手順と、
前記理論波形と前記測定波形とを比較して前記マークの位置を検出する判定手順と、
を備えるマーク位置検出方法。 - 前記反射光を任意の波長の光に分光して前記マークの断面形状に応じた前記反射光の波長依存性を解析し、その解析結果に基づいて前記マークの形状情報を取得する形状情報取得手順をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載のマーク位置検出方法。
- 前記形状情報は、前記マークの構成要素の厚さの情報と、前記マークの表面に形成された凹部の深さの情報を含むことを特徴とする請求項5または6に記載のマーク位置検出装置。
- 前記マークの構成要素は、前記半導体基板上に第1の材料で形成された第1の薄膜と、この薄膜の上に第2の材料で形成された第2の薄膜とを含み、
前記凹部は、前記第1の薄膜に形成された第1の深さの第1の凹部と第2の深さの第2の凹部とを含み、
前記第2の薄膜は、前記第1の凹部と前記第2の凹部の中間に位置するように形成された突起部をなし、
前記形状情報は、前記第1の薄膜の膜厚と前記第2の薄膜の膜厚と前記第1の深さと前記第2の深さの情報と、前記第1の凹部と前記突起部と前記第2の凹部における各側面の位置情報と、を含むことを特徴とする請求項7に記載のマーク位置検出方法。
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