JP3844191B2 - 吸気ダクトおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンに空気を供給する通路としての吸気ダクトおよびその製造方法に関し、詳しくは吸気時の騒音が低減された吸気ダクトおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車エンジンの吸気系では、吸気時に吸気ダクトから騒音が発生するという問題がある。この吸気騒音は、特にエンジンの低速回転時に耳障りである。そこで従来より、図8に示すように、吸気ダクト1にサイドブランチ101および/またはレゾネータ102を設け、ヘルムホルツの共鳴理論等に基づいて計算される特定周波数の騒音を低減することが行われている。
【0003】
しかしサイドブランチ101は長いもので約30cmほどにもなり、レゾネータ102は大きいもので14×10-3m3ほどにもなる。このため、これらの吸音装置のエンジンルーム内に占めるスペースが大きくなり、他の部品の搭載の自由度が低くなるという不具合が生じていた。
【0004】
そこで、省スペース化のため、本出願人が特願2000−156420号において紹介した吸気ダクトが開発された。図9に示すように、この吸気ダクト1はブロー成形により成形した吸気ダクト本体10の開口11に、多孔質シートとしての不織布シート12を溶着したものである。この吸気ダクト1は、サイドブランチやレゾネータを有しないためエンジンルーム内に占めるスペースは小さい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
(1)上記特願2000−156420号において紹介した吸気ダクトはブロー成形法により製造される。ブロー成形法は、半溶融状態の熱可塑性樹脂からなる中空円筒状のパリソン(予備成形体)をブロー成形型で挟持し、その内部に空気を圧入することによりパリソンを膨らませ成形型内面に押しつけることにより、所望の形状の成形品を得る成形方法である。
【0006】
しかし、このブロー成形法は以下の問題点を有する。まず、成形品である吸気ダクト本体の肉厚が変わりやすいという問題点がある。パリソンは半溶融状態であるため自重により垂れ下がり肉厚が変わるおそれがある。パリソンの肉厚が変わると成形品である吸気ダクト本体の肉厚も変わるおそれがある。また、ブロー成形型内でパリソンを膨らませる際においても型までの距離が遠い部位の肉厚は必然的に薄くなってしまう。設計通りの肉厚が得られないと吸気ダクトが所望の強度を有しないおそれがある。また、設計通りの肉厚を得るためには、パリソン自体の肉厚を調整する必要があり、煩雑である。
【0007】
また、袋部のカット、バリ取りという工程が、別途必要になるという問題点がある。ブロー成形法においては、成形型でパリソンを挟持する際にパリソンの両端部が封止されるため、成形後の吸気ダクト本体の両端部に袋部が形成されることになる。また、成形型からはみ出したパリソンを形成する樹脂がバリとなって吸気ダクト本体の側面にひだ状に残る。このため、袋部のカット、バリ取りという工程が別途必要になる
また、ブロー成形法により吸気ダクト本体を成形し、袋部のカット、バリ取りを終えた後でも、吸気ダクト本体に多孔質シートを設置するための開口を形成する工程、および吸気ダクト本体と多孔質シートとを昇温し、形成した開口を塞ぐように多孔質シートを溶着する工程が必要になるという問題点がある。
【0008】
さらに、図10に示すように、多孔質シート12を溶着するためには、予めブロー成形時に吸気ダクト本体10に受け面13を形成しておく必要があるという問題点もある。また、吸気ダクト本体10と多孔質シート12とは受け面13を介して、二次元的に接合されているだけである。このため、吸気ダクト本体10と多孔質シート12との間に隙間ができやすく、吸気ダクトの接合性が悪くなるおそれがある。特に、吸気ダクト本体の肉厚が薄い場合は、受け面の面積、すなわち接合面積も狭くなり、かつダクト自身の剛性が不足し、溶着時に必要な押付圧力が得られないため一層接合性が悪くなるおそれがある。
【0009】
(2)また、製造された吸気ダクトも、上記製造方法に起因する以下の問題点を有する。まず、吸気ダクト本体が一体成形されているため、内部のメンテナンスがしにくいという問題点を有する。また、吸気ダクトの一部が破損しても、全体を交換しなければならないため交換コストが高いという問題点を有する。また、ダクト本体が所望の肉厚を有さず、強度的に劣るおそれがあるという問題点を有する。さらに、受け面に対する多孔質シートの接合性が悪いおそれがあるという問題点を有する。
【0010】
(3)上記、吸気ダクトおよびその製造方法の問題点に鑑み、本発明者が鋭意研究を行った結果、吸気ダクトを構成する分割体の成形と同時に多孔質シートをこの分割体に接合(インサート成形)することで、上記製造方法に関する問題点を解決できるとの知見を得た。また、吸気ダクトを複数の分割体から構成することで、上記吸気ダクトに関する問題点を解決できるとの知見を得た。
【0011】
本発明の吸気ダクトの製造方法は、上記製造方法に関する知見に基づき完成されたものであり、肉厚制御しやすく、袋部カット、バリ取り、開口形成、溶着等の工程が不要で生産性に優れ、製造コストが低く、また溶着用の受け部の形成も必要としない製造方法を提供することを課題とする。
【0012】
また、本発明の吸気ダクトは、上記吸気ダクトに関する知見に基づき完成されたものであり、メンテナンスしやすく、交換コストが低く、所望の肉厚を有し、多孔質シートの接合性が良好で信頼性の高い吸気ダクトを提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
(1)上記課題を解決するため、本発明の吸気ダクトの製造方法は、自動車の外気取り入れ口とエンジンのインテークマニホールドとの間に配置され部分的に多孔質シートで覆われた窓部を管壁に持つ吸気ダクトの製造方法であって、それぞれ凸型と凹型とを備える複数の分割体型の少なくとも一つの該凸型または該凹型の表面に該多孔質シートを配置して該分割体型を閉型する多孔質シート配置工程と、閉型された複数の該分割体型のキャビティ内に溶融状態の熱可塑性樹脂を注入し冷却し離型し複数の分割体を得る分割体成形工程と、該複数の分割体を接合し吸気ダクトを得る分割体接合工程と、を有し、該分割体成形工程において、該凸型または該凹型の表面に該多孔質シートが配置された分割体型のキャビティ内に熱可塑性樹脂を注入し、該多孔質シートの外縁部に熱可塑性樹脂を含浸させ、接合部を形成することにより、該多孔質シートの該外縁部が接合された窓部を持つ分割体を得ることを特徴とする。
【0014】
つまり、本発明の吸気ダクトの製造方法は、分割型を複数用いて射出成形等により吸気ダクトの分割体を成形し、これを合体させて吸気ダクトを作るものである。複数の分割型は、それぞれ凸型と凹型とを備える。多孔質シートを配置した分割体を成形する場合は、予め凸型または凹型の表面に多孔質シートをセットし、少なくとも外縁部の一部をリング状に両型の型面で挟持し、その後キャビティ内に溶融状態の熱可塑性樹脂を注入する。注入された樹脂は、多孔質シートの外縁部に含浸し、外縁部を形成する繊維等の隙間に侵入する。隙間に侵入した溶融樹脂がこの状態のまま冷却固化すると、樹脂と繊維等とが複雑に絡み合い離れなくなる。このようにして接合部が形成され、多孔質シートは分割体に接合される。
【0015】
従来は、吸気ダクト本体の受け面に多孔質シートを、二次元的に接合していたため、接合性が悪い場合があった。一方、本発明の製造方法は、分割体成形時に多孔質シートの外縁部に樹脂が含浸した接合部を形成することにより、分割体に多孔質シートを、三次元的に接合するものである。このため、例えば分割体の肉厚が薄い場合であっても、接合部の幅を大きく取ることにより所望の接合性を確保することができる。
【0016】
このように、本発明の吸気ダクトの製造方法によると、吸気ダクトの分割体の成形と多孔質シートの接合とが同時にできる。しかも受け面を形成する必要がない。また、多孔質シートとして熱可塑性樹脂に溶着しない材料も使用することができる。また、分割体の肉厚に関係なく多孔質シートの接合性を高くすることができる。
【0017】
さらに、従来のブロー成形法を用いた吸気ダクトの製造方法と比較して、本発明の吸気ダクトの製造方法は、肉厚制御しやすく、袋部カット、バリ取り、開口形成、溶着等の工程が不要であり生産性が高く、製造コストも低い製造方法である。
【0018】
(2)また、上記課題を解決するため、本発明の吸気ダクトは、自動車の外気取り入れ口とエンジンのインテークマニホールドとの間に配置される吸気ダクトであって、熱可塑性樹脂製であって各々の断面が弧状をなす複数の分割体と、該分割体の少なくとも一つの壁面に部分的に形成された開口部を覆って一体となって接合され外縁部に前記熱可塑性樹脂が含浸した接合部を有する多孔質シートと、を備えることを特徴とする。
【0019】
つまり、本発明の吸気ダクトは複数の分割体が一体となって形成されている。このため、一部の分割体を外すだけで吸気ダクト内部のメンテナンスをすることができる。また、一部の部品が破損した場合でも、吸気ダクト全体を交換する必要はなく、破損した部品を有する分割体だけを交換すればよい。例えば、多孔質シートを交換したい場合は多孔質シートを有する分割体だけを交換すればよい。
【0020】
また、本発明の吸気ダクトは、ブロー成形法により作製されていないため、複雑な形状であっても各々の部位が所望の肉厚を有している。このため、強度的に優れている。また、吸気ダクトを構成する分割体と多孔質シートとは、上述したように接合部により接合されている。このため、接合性に優れており信頼性が高い。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の吸気ダクト及びその製造方法の実施の形態について、本発明の吸気ダクトの製造方法の代表的実施の形態、本発明の吸気ダクトの代表的実施の形態の項目毎に説明する。
【0022】
〈本発明の吸気ダクトの製造方法の代表的実施の形態〉
本実施形態の吸気ダクトの製造方法は、多孔質シートを分割体型のキャビティ内に配置し型を閉じる多孔質シート配置工程と、キャビテイ内に溶融樹脂を注入し樹脂冷却後に分割体型を離型する分割体成形工程と、成形された分割体を接合し吸気ダクトを得る分割体接合工程とからなる。なお、本実施形態においては、分割体および分割体型の数は二つであり、このうち一つの分割体に一つだけ多孔質シートが配置されている。
【0023】
(1)まず、多孔質シート配置工程について説明する。本工程では、それぞれ凸型と凹型とを備える二つの分割体型のうち、一つの分割体型の凹型の表面に多孔質シートを配置して分割体型を閉型する。
【0024】
まず、多孔質シートを配置した分割体型を閉じる前の状態の拡大断面図を図1に示す。図1に示すように、分割体型2は、鋼製で半円柱状の凸部を有する凸型20と、同じく鋼製で半円柱状の凹部を有する凹型21とから構成される。また、凹型21の表面にはPET(ポリエチレンテレフタレート)製の不織布で長方形板状の多孔質シート12が配置されている。凸型20の表面にはシート固定部22が形成されている。このシート固定部22は、長方形板状の多孔質シート12の外縁部に対応する位置に形成されており、長方形枠状を有する。
【0025】
次に、多孔質シートを配置した分割体型を閉じた後の状態の拡大断面図を図2に示す。図2に示すように、凹型21の上方から凸型20が接近することにより分割体型2は閉じる。このとき、凸型20表面のシート固定部22は、多孔質シート12の外縁部の内周側の部分を圧迫し凹型21に押さえつける。こうして多孔質シート12は分割体型2の中に固定される。
【0026】
なお、多孔質シートを有しないもう一方の分割体を作製する場合は、本工程は単に分割体型を閉じる工程となる。また、凸型の表面にはシート固定部は形成されていない。
【0027】
(2)次に、分割体成形工程について説明する。本工程では、射出成形機を用いて、分割体型のキャビテイ内に溶融樹脂を注入し、樹脂冷却後に分割体型を離型する。
【0028】
まず、多孔質シートを配置した分割体型のキャビティ内に溶融樹脂を注入した状態の拡大断面図を図3に示す。溶融したPP(ポリプロピレン)である溶融樹脂14は、図示しない射出成形機のスクリューにより分割体型2のキャビティ内に注入される。このとき多孔質シート12はシート固定部22と凹型21の壁面とにより挟持されているため溶融樹脂14により動かされることはない。溶融樹脂14は多孔質シート12の外縁部からシート内部に徐々に含浸するが、外縁部の内周側はシート固定部22により押さえられている。この押さえられている部分は、圧縮され密度が高くなっているため、この部分からシート内周部に樹脂が含浸することはない。多孔質シート12の外縁部の外周側部分に溶融樹脂14が含浸した状態で冷却すると、溶融樹脂14は多孔質シート12を形成するPET繊維間に侵入した状態で固化し、接合部が形成される。本実施例においては、多孔質シート12の外縁部の内周側部分がシート固定部22により押さえられているため、接合部の体積は大きくなり、また接合力も強くなる。こうして、多孔質シート12は、固化した樹脂からなる分割体と接合される。
【0029】
次に、樹脂冷却後に分割体型を分割体から離型した状態の拡大断面図を図4に示す。分割体型2の凸型20は閉型の際とは逆方向に移動し、分割体15から離型される。冷却固化した断面が半円弧状の分割体15は、多孔質シート12と接合部16を介して接合されている。
【0030】
次に、成形後の多孔質シートを有する分割体の拡大断面図を図5に示す。従来の製造方法では、図10に示したように、多孔質シート12を溶着するために予めブロー成形時に吸気ダクト本体10に受け面13を形成しておく必要があった。また、受け面の面積が狭い場合、すなわちダクト本体10に肉厚が薄い場合は接合性が悪くなるおそれがあった。本発明の製造方法によると図5に示すように受け面を形成する必要がない。
【0031】
なお、多孔質シートを有しないもう一方の分割体を作製する場合も、本工程と同様の手順で成形が行われる。
【0032】
(3)次に、分割体接合工程について説明する。本工程では、多孔質シートを有する分割体と、もう一方の多孔質シートを有しない分割体とを接合し、吸気ダクトを作製する。
【0033】
分割体を接合する様子を図6に示す。図6に示すように、多孔質シート12を有する分割体15の接合面側には嵌合枠17が四つ形成されている。一方、多孔質シート15を有しない分割体15の接合面側には、嵌合枠17に対応する位置に嵌合爪18が四つ形成されている。嵌合爪18が嵌合枠17に圧入されることにより両分割体15が接合され、吸気ダクト1となる。ここに示す嵌合爪および嵌合枠の個数および位置は任意に設定可能となっている。
【0034】
(4)以上、本発明の吸気ダクトの製造方法の代表的実施の形態について説明した。本実施形態においては、多孔質シートを形成する材料としてPETを使用したが、多孔質シートを形成する材料は特に限定しない。溶融樹脂が多孔質シートの繊維に含浸すればよく、例えば、PP、PE(ポリエチレン)等を使用する形態で実施することもできる。なお、本実施形態では、多孔質シートとして不織布を用いた。不織布は、従来から用いられているスパンボンド法、ニードルパンチ法等により作製すればよい。また、不織布に限らず、例えばPUR(ポリウレタン)フォーム等の連泡発泡体を用いる態様で実施することもできる。
【0035】
また、本実施形態においては、長方形板状の多孔質シートを設置したが、多孔質シートの形状(厚さを含む)は特に限定するものではない。吸気時の騒音を低減する効果の高い形状にして実施すればよい。また、本実施形態においては、単一の多孔質シートを、一つの分割体の中央部に設置したが、多孔質シートの個数、配置部位についても特に限定するものではない。騒音低減効果、エンジンルームに搭載される他の部品との位置関係等を考慮して決定すればよい。
【0036】
また、本実施形態においては、分割体を形成する溶融樹脂としてPPを使用したが、他のPE、PA(ポリアミド)等の熱可塑性樹脂を用いて実施する形態もある。
【0037】
多孔質シートの接合力を調節する方法として、分割体型のシート固定部の位置を変える方法がある(図3参照)。シート固定部が多孔質シート内周部側に位置するほど、溶融樹脂の含浸量が増え、多孔質シート全体積に対する接合部の体積の割合が増えるため、より強固な接合力を得ることができる。
【0038】
また、本実施形態においては、シート固定部は分割体型の凸型側に形成したが、凹型側でもよい。また、図7に示すように、シート固定部22を分割体型2の凸型20および凹型21の両型に形成する形態で実施することもできる。シート固定部22を両型に形成すると、多孔質シート12内への含浸に加えて、多孔質シート12の外縁部の両面側から溶融樹脂が回り込み、接合部16を挟み込むように樹脂が固化するため、接合性がより向上する。なお、シート固定部は分割体型の一部として形成しても、別途作製し分割体型に設置してもよい。
【0039】
また、本実施形態においては、スクリュー式の射出成形機を用いたが、トーピード式等他の方式の射出成形機を使用する形態で実施することもできる。さらに、射出成形機以外の、プレス成形機、トランスファ成形機等の割型に溶融樹脂を注入する機構を有する成形機を用いる形態で実施することもできる。
【0040】
また、本実施形態においては、分割体同士を接合する機構として、爪嵌合を用いたが、例えば、ピンと孔、クリップと孔、ボルトとナット等による他の嵌合機構で接合する形態もある。また、分割体同士を溶着する形態で実施することもできる。
【0041】
また、本実施形態においては、分割体の個数は二つとした。分割体により吸気ダクトを構成できる最小限の個数であるため、より工数の少ない実施形態である。ただし、型数も特に限定するものではない。
【0042】
〈本発明の吸気ダクトの代表的実施の形態〉
上述した製造方法により製造された本実施形態の吸気ダクトは、図6に示すように、各々の断面が半円弧状をなす二つの分割体15と、分割体15の一つの壁面に部分的に形成された開口部19を覆って一体となって接合され外縁部に樹脂が含浸した接合部を有する多孔質シート12とを備える。
【0043】
二つの分割体15は、嵌合枠17と嵌合爪18とにより接合されている。本実施形態の吸気ダクトを構成する分割体、多孔質シート等も、種々の形態で実施することができる。
【0044】
すなわち、多孔質シートを形成する材料、多孔質シートの形状(厚さを含む)、個数、配置部位については特に限定するものではない。また、分割体を形成する熱可塑性樹脂、分割体の個数についても特に限定するものではない。さらに、多孔質シートに対する接合部の体積割合、接合部に対する樹脂の回り込み具合についても特に限定するものではない。
【0045】
【発明の効果】
(1)本発明の吸気ダクトの製造方法によると、吸気ダクトの分割体の成形と多孔質シートの接合とが同時にできる。しかも受け面を形成する必要もない。また、分割体の肉厚に関係なく接合部の接合性を良くすることができる。また、多孔質シートとして熱可塑性樹脂に溶着しない材料も使用することができる。さらに、肉厚制御しやすく、袋部カット、バリ取り、開口形成、溶着等の工程が不要であり生産性が上がり、製造コストも低くなる。
【0046】
(2)本発明の吸気ダクトによると、一部の分割体を外すだけでメンテナンスをすることができる。また、一部の分割体が破損した場合でも、吸気ダクト全体を交換する必要はなく、破損した部品だけを交換すればよい。
【0047】
また、本発明の吸気ダクトによると、複雑な形状であっても各々の部位が所望の肉厚を有しているため、強度的に優れている。また、吸気ダクトを構成する分割体と多孔質シートとは、接合部により接合されているため、接合性に優れており信頼性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】分割体型を閉じる前の状態の拡大断面図である。
【図2】分割体型を閉じた後の状態の拡大断面図である。
【図3】分割体型のキャビティ内に溶融樹脂を注入した状態の拡大断面図である。
【図4】分割体型を分割体から離型した状態の拡大断面図である。
【図5】成形後の分割体の拡大断面図である。
【図6】分割体を接合する様子を示す斜視図である。
【図7】シート固定部を分割体型の両型に形成し成形した状態の拡大断面図である。
【図8】サイドブランチおよびレゾネータを設けた従来型吸気ダクトの斜視図である。
【図9】ブロー成形により成形した従来型吸気ダクトを分解した状態の斜視図である。
【図10】ブロー成形により成形した従来型吸気ダクトの拡大断面図である。
【符号の説明】
1:吸気ダクト 10:吸気ダクト本体 11:開口 12:多孔質シート
13:受け面 14:溶融樹脂 15:分割体 16:接合部 17:嵌合枠
18:嵌合爪 19:開口部 101:サイドブランチ 102:レゾネータ
2:分割体型 20:凸型 21:凹型 22:シート固定部
Claims (2)
- 自動車の外気取り入れ口とエンジンのインテークマニホールドとの間に配置され部分的に多孔質シートで覆われた窓部を管壁に持つ吸気ダクトの製造方法であって、それぞれ凸型と凹型とを備える複数の分割体型の少なくとも一つの該凸型または該凹型の表面に該多孔質シートを配置して該分割体型を閉型する多孔質シート配置工程と、
閉型された複数の該分割体型のキャビティ内に溶融状態の熱可塑性樹脂を注入し冷却し離型し複数の分割体を得る分割体成形工程と、
該複数の分割体を接合し吸気ダクトを得る分割体接合工程と、を有し、
該分割体成形工程において、該凸型または該凹型の表面に該多孔質シートが配置された分割体型のキャビティ内に熱可塑性樹脂を注入し、該多孔質シートの外縁部に熱可塑性樹脂を含浸させ、接合部を形成することにより、該多孔質シートの該外縁部が接合された窓部を持つ分割体を得ることを特徴とする吸気ダクトの製造方法。 - 自動車の外気取り入れ口とエンジンのインテークマニホールドとの間に配置される吸気ダクトであって、熱可塑性樹脂製であって各々の断面が弧状をなす複数の分割体と、該分割体の少なくとも一つの壁面に部分的に形成された開口部を覆って一体となって接合され外縁部に前記熱可塑性樹脂が含浸した接合部を有する多孔質シートと、を備える吸気ダクト。
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