JP3844030B2 - 画像信号符号化装置および画像信号符号化方法、画像信号復号装置および画像信号復号方法 - Google Patents
画像信号符号化装置および画像信号符号化方法、画像信号復号装置および画像信号復号方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像信号符号化装置および画像信号符号化方法、画像信号復号装置および画像信号復号方法に関する。特に、原画像とほぼ同一の復号画像が得られるように、画像を間引いて圧縮符号化する画像信号符号化装置および画像信号符号化方法、画像信号復号装置および画像信号復号方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、標準解像度または低解像度の画像(以下、適宜、SD(Standard Definition)画像という)を、高解像度の画像(以下、適宜、HD(High Definition)画像という)に変換したり、また、画像を拡大したりする場合においては、いわゆる補間フィルタなどによって、不足している画素の画素値の補間(補償)が行われるようになされている。
【0003】
しかしながら、補間フィルタによって画素の補間を行っても、SD画像に含まれていない、HD画像の成分(高周波成分)を復元することはできないため、高解像度の画像を得ることは困難であった。
【0004】
そこで、本件出願人は、SD画像を、そこに含まれていない高周波成分をも含むHD画像に変換する画像変換装置(画像変換回路)を先に提案している。
【0005】
この画像変換装置においては、SD画像と、所定の予測係数との線形結合により、HD画像の画素の予測値を求める適応処理を行うことで、SD画像には含まれていない高周波成分が復元されるようになされている。
【0006】
即ち、例えば、いま、HD画像を構成する画素(以下、適宜、HD画素という)の画素値yの予測値E[y]を、幾つかのSD画素(SD画像を構成する画素)の画素値(以下、適宜、学習データという)x1,x2,・・・と、所定の予測係数w1,w2,・・・の線形結合により規定される線形1次結合モデルにより求めることを考える。この場合、予測値E[y]は、次式で表すことができる。
【0007】
【0008】
そこで、一般化するために、予測係数wの集合でなる行列W、学習データの集合でなる行列X、および予測値E[y]の集合でなる行列Y’を、
【数1】
で定義すると、次のような観測方程式が成立する。
【0009】
【0010】
そして、この観測方程式に最小自乗法を適用して、HD画素の画素値yに近い予測値E[y]を求めることを考える。この場合、教師データとなるHD画素の真の画素値yの集合でなる行列Y、およびHD画素の画素値yに対する予測値E[y]の残差eの集合でなる行列Eを、
【数2】
で定義すると、式(2)から、次のような残差方程式が成立する。
【0011】
【0012】
この場合、HD画素の画素値yに近い予測値E[y]を求めるための予測係数wiは、自乗誤差
【数3】
を最小にすることで求めることができる。
【0013】
従って、上述の自乗誤差を予測係数wiで微分したものが0になる場合、即ち、次式を満たす予測係数wiが、HD画素の画素値yに近い予測値E[y]を求めるため最適値ということになる。
【0014】
【数4】
【0015】
そこで、まず、式(3)を、予測係数wiで微分することにより、次式が成立する。
【0016】
【数5】
【0017】
式(4)および(5)より、式(6)が得られる。
【0018】
【数6】
【0019】
さらに、式(3)の残差方程式における学習データx、予測係数w、教師データy、および残差eの関係を考慮すると、式(6)から、次のような正規方程式を得ることができる。
【0020】
【数7】
【0021】
式(7)の正規方程式は、求めるべき予測係数wの数と同じ数だけたてることができ、従って、式(7)を解くことで(但し、式(7)を解くには、式(7)において、予測係数wにかかる係数で構成される行列が正則である必要がある)、最適な予測係数wを求めることができる。なお、式(7)を解くにあたっては、例えば、掃き出し法(Gauss-Jordanの消去法)などを適用することが可能である。
【0022】
以上のようにして、最適な予測係数wを求め、さらに、その予測係数wを用い、式(1)により、HD画素の画素値yに近い予測値E[y]を求めるのが適応処理である(但し、あらかじめ予測係数wを求めておき、その予測係数wから、予測値を求めるのも、適応処理に含まれるものとする)。
【0023】
なお、適応処理は、SD画像には含まれていない、HD画像に含まれる成分が再現される点で、補間処理とは異なる。即ち、適応処理では、式(1)だけを見る限りは、いわゆる補間フィルタを用いての補間処理と同一であるが、その補間フィルタのタップ係数に相当する予測係数wが、教師データyを用いて、いわば学習により求められるため、HD画像に含まれる成分を再現することができる。即ち、容易に、高解像度の画像を得ることができる。このことから、適応処理は、いわば画像の創造作用がある処理ということができる。
【0024】
図24は、画像の特徴(クラス)に基づいて行われる、以上のような適応処理により、SD画像をHD画像に変換する画像変換装置の一例の構成を示している。
【0025】
SD画像は、クラス分類回路101および遅延回路102に供給されるようになされており、クラス分類回路101では、SD画像を構成するSD画素が順次、注目画素とされ、その注目画素が、所定のクラスにクラス分類される。
【0026】
即ち、クラス分類回路101は、まず最初に、注目画素の周辺にあるSD画素を幾つか集めてブロックを構成し(以下、適宜、処理ブロックという)、その処理ブロックを構成する、例えばすべてのSD画素の画素値のパターンにあらかじめ割り当てられた値を、注目画素のクラスとして、係数ROM104のアドレス端子(AD)に供給する。
【0027】
具体的には、クラス分類回路101は、例えば、図25に点線の四角形で囲んで示すように、注目画素を中心とする5×5のSD画素(同図において○印で示す)でなる処理ブロックを、SD画像から抽出し、これらの25のSD画素の画素値のパターンに対応する値を、注目画素のクラスとして出力する。
【0028】
ここで、各SD画素の画素値を表すのに、例えば、8ビットなどの多くのビット数が割り当てられている場合、25のSD画素の画素値のパターン数は、(28)25通りという莫大な数となり、その後の処理の迅速化が困難となる。
【0029】
そこで、クラス分類を行う前の前処理として、処理ブロックには、それを構成するSD画素のビット数を低減するための処理である、例えばADRC(Adaptive Dynamic Range Coding)処理などが施される。
【0030】
即ち、ADRC処理では、まず、処理ブロックを構成する25のSD画素から、その画素値の最大のもの(以下、適宜、最大画素という)と最小のもの(以下、適宜、最小画素という)とが検出される。そして、最大画素の画素値MAXと最小画素の画素値MINとの差分DR(=MAX−MIN)が演算され、このDRを処理ブロックの局所的なダイナミックレンジとする。このダイナミックレンジDRに基づいて、処理ブロックを構成する各画素値が、元の割当ビット数より少ないKビットに再量子化される。つまり、処理ブロックを構成する各画素値から最小画素の画素値MINが減算され、各減算値が、DR/2Kで除算される。
【0031】
その結果、処理ブロックを構成する各画素値はKビットで表現されるようになる。従って、例えばK=1とした場合、25のSD画素の画素値のパターン数は、(21)25通りになり、ADRC処理を行わない場合に比較して、パターン数を非常に少ないものとすることができる。なお、画素値を、このようにKビットにするADRC処理を、以下、適宜、KビットADRC処理という。
【0032】
係数ROM104は、あらかじめ学習が行われることにより求められた予測係数のセットを、クラス毎に記憶しており、クラス分類回路101からクラスが供給されると、そのクラスに対応するアドレスに記憶されている予測係数のセットを読み出し、予測演算回路105に供給する。
【0033】
一方、遅延回路102では、予測演算回路105に対して、係数ROM104から予測係数のセットが供給されるタイミングと、後述する予測タップ生成回路103から予測タップが供給されるタイミングとを一致させるために必要な時間だけ、SD画像が遅延され、予測タップ生成回路103に供給される。
【0034】
予測タップ生成回路103では、そこに供給されるSD画像から、予測演算回路105において所定のHD画素の予測値を求めるのに用いるSD画素が抽出され、これが予測タップとして、予測演算回路105に供給される。即ち、予測タップ生成回路103では、SD画像から、例えば、クラス分類回路101で抽出されたとの同一の処理ブロックが抽出され、その処理ブロックを構成するSD画素が、予測タップとして、予測演算回路105に供給される。
【0035】
予測演算回路105では、係数ROM104からの予測係数w 1 ,w2,・・・と、予測タップ生成回路103からの予測タップx1,x2,・・・とを用いて、式(1)に示した演算、即ち、適応処理が行われることにより、注目画素yの予測値E[y]が求められ、これが、HD画素の画素値として出力される。
【0036】
即ち、ここでは、例えば、図25において実線の四角形で囲む、注目画素を中心とする3×3のHD画素(同図において・点で示す)の予測値が、1つ(1セット)の予測タップから求められるようになされており、この場合、予測演算回路105では、この9個のHD画素について、式(1)の演算が行われる。従って、係数ROM104では、1のクラスに対応するアドレスに、9セットの予測係数のセットが記憶されている。
【0037】
以下同様の処理が、その他のSD画素を順次注目画素として行われ、これにより、SD画像がHD画像に変換される。
【0038】
次に、図26は、図24の係数ROM104に記憶させる予測係数を算出する学習処理を行う学習装置の構成例を示している。
【0039】
学習における教師データyとなるべきHD画像が、間引き回路111および遅延回路114に供給されるようになされており、間引き回路111では、HD画像が、例えば、その画素数が間引かれることにより少なくされ、これによりSD画像とされる。このSD画像は、クラス分類回路112および予測タップ生成回路113に供給される。
【0040】
クラス分類回路112または予測タップ生成回路113では、図24のクラス分類回路101または予測タップ生成回路103における場合と同様の処理が行われ、これにより注目画素のクラスまたは予測タップがそれぞれ出力される。クラス分類回路112が出力するクラスは、予測タップメモリ115および教師データメモリ116のアドレス端子(AD)に供給され、予測タップ生成回路113が出力する予測タップは、予測タップメモリ115に供給される。
【0041】
予測タップメモリ115では、クラス分類回路112から供給されるクラスに対応するアドレスに、予測タップ生成回路113から供給される予測タップが記憶される。
【0042】
一方、遅延回路114では、注目画素に対応するクラスが、クラス分類回路112から教師データメモリ116に供給される時間だけ、HD画像が遅延され、そのうちの、注目画素であるSD画素の周辺にあるHD画素の画素値だけが、教師データとして、教師データメモリ116に供給される。
【0043】
そして、教師データメモリ116では、クラス分類回路112から供給されるクラスに対応するアドレスに、遅延回路114から供給される教師データが記憶される。
【0044】
以下同様の処理が、あらかじめ学習用に用意されたすべてのHD画像を構成するすべてのHD画素が注目画素とされるまで繰り返される。
【0045】
以上のようにして、予測タップメモリ115または教師データメモリ116の同一のアドレスそれぞれには、図25において○印で示したSD画素または図25において・印で示したHD画素とそれぞれ同一の位置関係にあるSD画素またはHD画素が、学習データxまたは教師データyとして記憶される。
【0046】
なお、予測タップメモリ115と教師データメモリ116においては、同一アドレスに複数の情報を記憶することができるようになされており、これにより、同一アドレスには、同一のクラスに分類される複数の学習データxと教師データyを記憶することができるようになされている。
【0047】
その後、演算回路117は、予測タップメモリ115または教師データメモリ116から、同一アドレスに記憶されている学習データとしての予測タップまたは教師データとしてのHD画素の画素値を読み出し、それらを用いて、最小自乗法によって、予測値と教師データとの間の誤差を最小にする予測係数のセットを算出する。即ち、演算回路117では、クラス毎に、式(7)に示した正規方程式がたてられ、これを解くことによりクラス毎の予測係数のセットが求められる。
【0048】
以上のようにして、演算回路117で求められたクラス毎の予測係数のセットが、図24の係数ROM104における、そのクラスに対応するアドレスに記憶されている。
【0049】
なお、以上のような学習処理において、予測係数を求めるのに必要な数の正規方程式が得られないクラスが生じる場合があるが、そのようなクラスについては、例えば、クラスを無視して正規方程式をたてて解くことにより得られる予測係数のセットなどが、いわばデフォルトの予測係数のセットとして用いられる。
【0050】
ところで、図24の画像変換装置によれば、HD画像の画素数を間引くなどして少なくすることにより得られるSD画像から、上述したように、そこに含まれていない高周波成分をも含むHD画像を得ることができるが、元のHD画像に近づけるのには限界がある。その理由として、HD画像の画素数を間引いただけのSD画像の画素(SD画素)の画素値が、元のHD画像を復元するのに、最適ではないことが考えられる。
【0051】
そこで、本件出願人は、元のHD画像により近い画質の復号画像を得ることができるようにするため、適応処理を利用した画像の圧縮(符号化)について先に提案している(例えば、特願平8−206552号など)。
【0052】
即ち、図27は、適応処理によって、元のHD画像により近い復号画像を得ることができるように、そのHD画像を、最適なSD画像に圧縮(符号化)する画像符号化装置の構成例を示している。
【0053】
符号化対象のHD画像は、間引き部121および誤差算出部124に供給される。
【0054】
間引き部121では、HD画像が、例えば、単純に間引かれることによりSD画像とされ、補正部122に供給される。補正部122は、間引き部121からSD画像を受信すると、最初は、そのSD画像を、そのままローカルデコード部123に出力する。ローカルデコード部123は、例えば、図24に示した画像変換装置と同様に構成され、補正部122からのSD画像を用いて、上述したような適応処理を行うことにより、HD画素の予測値を算出し、誤差算出部124に出力する。誤差算出部124は、ローカルデコード部123からのHD画素の予測値の、元のHD画素に対する予測誤差を算出し、制御部125に出力する。制御部125は、誤差算出部124からの予測誤差に対応して、補正部122を制御する。
【0055】
即ち、これにより、補正部122は、間引き部121からのSD画像の画素値を、制御部125からの制御に従って補正し、ローカルデコード部123に出力する。ローカルデコード部123では、補正部122から供給される補正後のSD画像を用いて、再び、HD画像の予測値が求められる。
【0056】
以下、例えば、誤差算出部124が出力する予測誤差が、所定値以下となるまで、同様の処理が繰り返される。
【0057】
そして、誤差算出部124が出力する予測誤差が、所定値以下となると、制御部125は、補正部122を制御し、これにより、予測誤差が所定値以下となったときの、補正後のSD画像を、HD画像の最適な符号化結果として出力させる。
【0058】
従って、この補正後のSD画像によれば、それに適応処理を施すことにより、予測誤差が所定値以下のHD画像を得ることができる。
【0059】
ここで、以上のようにして、図27の画像符号化装置から出力されるSD画像は、元のHD画像により近い復号画像を得るのに、最適なものということができるから、この画像符号化装置の補正部122、ローカルデコード部123、誤差算出部124、および制御部125で構成される系が行う処理は、最適化処理ということができる。
【0060】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、元のHD画素の画素値に、より近い予測値を得るためには、適応処理において用いる予測タップを、その予測値を求めようとするHD画素に近い、多くのSD画素から構成するのが望ましい。
【0061】
しかしながら、予測タップを、多くのSD画素から構成すると、予測値を求めようとするHD画素から遠いSD画素が予測タップに含まれるようになる。従って、この場合、予測値を求めようとするHD画素が表示する物体とは異なる物体を表示するSD画素が予測タップに含まれることがあり、その結果、予測値の精度が劣化し、その予測値で構成される復号画像が劣化することとなる。
【0062】
そこで、図27の画像符号化装置の間引き部121において、HD画像から間引く画素数を少なくし、これにより、予測値を求めようとするHD画素から近い位置のSD画素を増加させる方法があるが、これでは、符号化効率が劣化することになる。
【0063】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、符号化効率を劣化させることなく、原画像により近い復号画像を得ることができるようにするものである。
【0064】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の画像信号符号化装置は、原画像信号を構成する画素である原画像画素の画素数より少ない画素数の圧縮画像信号を発生する圧縮手段と、圧縮画像信号を構成する画素である圧縮画素によって囲まれた位置に、仮想の画素である仮想画素を想定し、その仮想画素の画素値を、対応する位置の近傍に存在する複数の原画像画素の画素値を平均することにより算出する仮想画素算出手段と、1つの圧縮画素に1つの仮想画素を対応付け、圧縮画素の画素値の下位ビットを、対応する仮想画素の画素値の上位ビットに置き換える置換手段と、圧縮画像信号を構成する、置換手段による置換後の圧縮画素のうちの1つを注目画素として、その注目画素を含み、その注目画素と所定の位置関係にある複数の圧縮画素および仮想画素から予測タップを形成する予測タップ形成手段と、予測タップを形成する複数の圧縮画素および仮想画素の画素値と、所定の予測係数とを用いた演算により原画像信号を予測し、その予測値を出力する予測手段と、予測値の、原画像信号に対する予測誤差を算出する予測誤差算出手段と、所定の補正値を加算または減算することにより、圧縮画像信号を構成する置換手段による置換後の圧縮画素の画素値を補正する補正手段と、圧縮画像信号1フレーム分の予測誤差の総和が所定の閾値に減少するまで、補正手段を制御して圧縮画素の画素値を補正させる制御手段と、補正手段が最終的に出力する圧縮画像信号を、原画像信号を得るのに最適な最適圧縮画像信号として、その最適圧縮画像信号を、原画像信号の符号化結果として出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0065】
請求項7に記載の画像信号符号化方法は、原画像信号を構成する画素である原画像画素の画素数より少ない画素数の圧縮画像信号を発生する圧縮ステップと、圧縮画像信号を構成する画素である圧縮画素によって囲まれた位置に、仮想の画素である仮想画素を想定し、その仮想画素の画素値を、対応する位置の近傍に存在する複数の原画像画素の画素値を平均することにより算出する仮想画素算出ステップと、1つの圧縮画素に1つの仮想画素を対応付け、圧縮画素の画素値の下位ビットを、対応する仮想画素の画素値の上位ビットに置き換える置換ステップと、圧縮画像信号を構成する、置換ステップの処理による置換後の圧縮画素のうちの1つを注目画素として、その注目画素を含み、その注目画素と所定の位置関係にある複数の圧縮画素および仮想画素から予測タップを形成する予測タップ形成ステップと、予測タップを形成する複数の圧縮画素および仮想画素の画素値と、所定の予測係数とを用いた演算により原画像信号を予測し、その予測値を出力する予測ステップと、予測値の、原画像信号に対する予測誤差を算出する予測誤差算出ステップと、所定の補正値を加算または減算することにより、圧縮画像信号を構成する置換ステップの処理による置換後の圧縮画素の画素値を補正する補正ステップと、圧縮画像信号1フレーム分の予測誤差の総和が所定の閾値に減少するまで、補正ステップの処理を制御して圧縮画素の画素値を補正させる制御ステップと、補正ステップの処理が最終的に出力する圧縮画像信号を、原画像信号を得るのに最適な最適圧縮画像信号として、その最適圧縮画像信号を、原画像信号の符号化結果として出力する出力ステップとを備えることを特徴とする。
【0066】
請求項9に記載の画像信号復号装置は、原画像信号を構成する画素である原画像画素の画素数より少ない画素数の圧縮画像信号を発生し、圧縮画像信号を構成する画素である圧縮画素によって囲まれた位置に、仮想の画素である符号化時仮想画素を想定し、その符号化時仮想画素の画素値を、対応する位置の近傍に存在する複数の原画像画素の画素値を平均することにより算出し、1つの圧縮画素に1つの符号化時仮想画素を対応付け、圧縮画素の画素値の下位ビットを、対応する符号化時仮想画素の画素値の上位ビットに置き換え、圧縮画像信号を構成する、画素値の下位ビットが置換後の圧縮画素のうちの1つを注目画素として、その注目画素を含み、その注目画素と所定の位置関係にある複数の圧縮画素および符号化時仮想画素から予測タップを形成し、予測タップを形成する複数の圧縮画素および符号化時仮想画素の画素値と、所定の予測係数とを用いた演算により原画像信号を予測し、その予測値を出力し、予測値の、原画像信号に対する予測誤差を算出し、所定の補正値を加算または減算することにより、圧縮画像信号を構成する置換手段による置換後の圧縮画素の画素値を補正し、圧縮画像信号1フレーム分の予測誤差の総和が所定の閾値に減少するまで、補正の処理を制御して圧縮画素の画素値を補正させ、補正の処理が最終的に出力する圧縮画像信号を、原画像信号を得るのに最適な最適圧縮画像信号として、その最適圧縮画像信号を、原画像信号の符号化結果として出力することにより得られる最適圧縮画像信号を含む符号化データを復号する画像信号復号装置であって、最適圧縮画像信号を構成する画素である最適圧縮画素によって囲まれた位置に、仮想の画素である復号時仮想画素を想定し、1つの最適圧縮画素に1つの復号時仮想画素を対応付け、各復号時仮想画素の画素値を、対応する最適圧縮画素の画素値の下位ビットを用いて算出する仮想画素算出手段と、最適圧縮画像信号を構成する最適圧縮画素のうちの1つを注目画素として、その注目画素を含み、その注目画素と所定の位置関係にある複数の最適圧縮画素および復号時仮想画素から予測タップを形成する予測タップ形成手段と、予測タップを形成する複数の圧縮画素および復号時仮想画素の画素値と、所定の予測係数とを用いた演算により原画像信号を予測し、その予測値を出力する予測手段とを備えることを特徴とする。
【0067】
請求項16に記載の画像信号復号方法は、原画像信号を構成する画素である原画像画素の画素数より少ない画素数の圧縮画像信号を発生し、圧縮画像信号を構成する画素である圧縮画素によって囲まれた位置に、仮想の画素である符号化時仮想画素を想定し、その符号化時仮想画素の画素値を、対応する位置の近傍に存在する複数の原画像画素の画素値を平均することにより算出し、1つの圧縮画素に1つの符号化時仮想画素を対応付け、圧縮画素の画素値の下位ビットを、対応する符号化時仮想画素の画素値の上位ビットに置き換え、圧縮画像信号を構成する、画素値の下位ビットが置換後の圧縮画素のうちの1つを注目画素として、その注目画素を含み、その注目画素と所定の位置関係にある複数の圧縮画素および符号化時仮想画素から予測タップを形成し、予測タップを形成する複数の圧縮画素および符号化時仮想画素の画素値と、所定の予測係数とを用いた演算により原画像信号を予測し、その予測値を出力し、予測値の、原画像信号に対する予測誤差を算出し、所定の補正値を加算または減算することにより、圧縮画像信号を構成する置換手段による置換後の圧縮画素の画素値を補正し、圧縮画像信号1フレーム分の予測誤差の総和が所定の閾値に減少するまで、補正の処理を制御して圧縮画素の画素値を補正させ、補正の処理が最終的に出力する圧縮画像信号を、原画像信号を得るのに最適な最適圧縮画像信号として、その最適圧縮画像信号を、原画像信号の符号化結果として出力することにより得られる最適圧縮画像信号を含む符号化データを復号する画像信号復号方法であって、最適圧縮画像信号を構成する画素である最適圧縮画素によって囲まれた位置に、仮想の画素である復号時仮想画素を想定し、1つの最適圧縮画素に1つの復号時仮想画素を対応付け、各復号時仮想画素の画素値を、対応する最適圧縮画素の画素値の下位ビットを用いて算出する仮想画素算出ステップと、最適圧縮画像信号を構成する最適圧縮画素のうちの1つを注目画素として、その注目画素を含み、その注目画素と所定の位置関係にある複数の最適圧縮画素および復号時仮想画素から予測タップを形成する予測タップ形成ステップと、予測タップを形成する複数の圧縮画素および復号時仮想画素の画素値と、所定の予測係数とを用いた演算により原画像信号を予測し、その予測値を出力する予測ステップとを備えることを特徴とする。
【0069】
本発明の画像信号符号化装置および画像信号符号化方法においては、原画像信号を構成する画素である原画像画素の画素数より少ない画素数の圧縮画像信号が発生され、圧縮画像信号を構成する画素である圧縮画素によって囲まれた位置に、仮想の画素である仮想画素が想定され、その仮想画素の画素値が、対応する位置の近傍に存在する複数の原画像画素の画素値を平均することにより算出され、1つの圧縮画素に1つの仮想画素が対応付けられ、圧縮画素の画素値の下位ビットが、対応する仮想画素の画素値の上位ビットに置き換えられる。そして、圧縮画像信号を構成する、置換後の圧縮画素のうちの1つが注目画素とされ、その注目画素を含み、その注目画素と所定の位置関係にある複数の圧縮画素および仮想画素から予測タップが形成され、予測タップを形成する複数の圧縮画素および仮想画素の画素値と、所定の予測係数とを用いた演算により原画像信号が予測されてその予測値が出力される。さらに、予測値の、原画像信号に対する予測誤差が算出され、圧縮画像信号1フレーム分の予測誤差の総和が所定の閾値に減少するまで、所定の補正値を加算または減算することにより、圧縮画像信号を構成する圧縮画素の画素値が補正される。そして、最終的に出力される圧縮画像信号を、原画像信号を得るのに最適な最適圧縮画像信号として、その最適圧縮画像信号が、原画像信号の符号化結果として出力される。
【0070】
本発明の画像信号復号装置および画像信号復号方法においては、最適圧縮画像信号を構成する画素である最適圧縮画素によって囲まれた位置に、仮想の画素である復号時仮想画素が想定され、1つの最適圧縮画素に1つの復号時仮想画素が対応付けられ、各復号時仮想画素の画素値が、対応する最適圧縮画素の画素値の下位ビットを用いて算出される。そそて、最適圧縮画像信号を構成する最適圧縮画素のうちの1つが注目画素とされ、その注目画素を含み、その注目画素と所定の位置関係にある複数の最適圧縮画素および復号時仮想画素から予測タップが形成され、予測タップを形成する複数の圧縮画素および復号時仮想画素の画素値と、所定の予測係数とを用いた演算により原画像信号が予測されその予測値が出力される。
【0092】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を適用した画像処理装置の一実施の形態の構成を示している。送信装置1には、ディジタル化されたHD画像の画像データが供給されるようになされている。送信装置1は、入力された画像データを間引くこと(その画素数を少なくすること)により圧縮、符号化し、その結果得られるSD画像の画像データを、HD画像の符号化データとして、例えば、光ディスクや、光磁気ディスク、磁気テープその他でなる記録媒体2に記録し、または、例えば、地上波や、衛星回線、電話回線、CATV網、その他の伝送路3を介して伝送する。
【0093】
受信装置4では、記録媒体2に記録された符号化データが再生され、または、伝送路3を介して伝送されてくる符号化データが受信され、その符号化データを伸張、復号化し、その結果得られるHD画像の復号画像を、図示せぬディスプレイに供給して表示させる。
【0094】
なお、以上のような画像処理装置は、例えば、光ディスク装置や、光磁気ディスク装置、磁気テープ装置その他の、画像の記録/再生を行う装置や、あるいはまた、例えば、テレビ電話装置や、テレビジョン放送システム、CATVシステムその他の、画像の伝送を行う装置などに適用される。また、後述するように、送信装置1が出力する符号化データのデータ量が少ないため、図1の画像処理装置は、伝送レートの低い、例えば、携帯電話機その他の、移動に便利な携帯端末などにも適用可能である。
【0095】
図2は、送信装置1の構成例を示している。
【0096】
I/F(InterFace)11は、外部から供給されるHD画像の画像データの受信処理と、送信機/記録装置16に対しての、符号化データの送信処理を行うようになされている。ROM(Read Only Memory)12は、IPL(Initial Program Loading)用のプログラムその他を記憶している。RAM(Random Access Memory)13は、外部記憶装置15に記録されているシステムプログラム(OS(Operating System))やアプリケーションプログラムを記憶したり、また、CPU(Central Processing Unit)14の動作上必要なデータを記憶するようになされている。CPU14は、ROM12に記憶されているIPLプログラムにしたがい、外部記憶装置15からシステムプログラムおよびアプリケーションプログラムを、RAM13に展開し、そのシステムプログラムの制御の下、アプリケーションプログラムを実行することで、I/F11から供給される画像データについての、後述するような符号化処理を行うようになされている。外部記憶装置15は、例えば、磁気ディスク装置などでなり、上述したように、CPU14が実行するシステムプログラムやアプリケーションプログラムを記憶している他、CPU14の動作上必要なデータも記憶している。送信機/記録装置16は、I/F11から供給される符号化データを、記録媒体2に記録し、または伝送路3を介して伝送するようになされている。
【0097】
なお、I/F11,ROM12,RAM13,CPU14、および外部記憶装置15は、相互にバスを介して接続されている。なお、図2において、送信装置1は、CPUを用いた構成であるが、ハードロジックで構成することも可能である。
【0098】
以上のように構成される送信装置1においては、I/F11にHD画像の画像データが供給されると、その画像データは、CPU14に供給される。CPU14は、画像データを符号化し、その結果得られる符号化データとしてのSD画像を、I/F11に供給する。I/F11は、符号化データを受信すると、それを、送信機/記録装置16に供給する。送信機/記録装置16では、I/F11からの符号化データが、記録媒体2に記録され、または伝送路3を介して伝送される。
【0099】
図3は、図2の送信装置1の、送信機/記録装置16を除く部分の機能的なブロック図である。
【0100】
符号化すべき画像データとしてのHD画像は、前処理部21および最適化部22に供給されるようになされている。
【0101】
前処理部21は、HD画像(原画像)を、その画素数を少なくすることにより圧縮し、その結果得られるSD画像(圧縮画像)を構成するSD画素の近傍に、仮想の画素である仮想画素を想定し、その仮想画素の画素値を、HD画像から求める。さらに、前処理部21は、SD画素の画素値の一部に代えて、仮想画素の画素値の一部を配置し、最適化部22に供給する。
【0102】
最適化部22は、前処理部21からのSD画素を順次注目画素として、最適化処理を行う。即ち、最適化部22は、注目画素の周辺のSD画素および仮想画素から予測タップを形成し、その予測タップと予測係数のセットとの線形結合により、原画像の予測値を求める適応処理を行う。さらに、最適化部22は、その予測値の、元のHD画像に対する予測誤差を算出し、その予測誤差に対応して、注目画素の画素値を補正する。そして、最適化部22は、その補正された注目画素の画素値を用いて、同様の処理を、例えば、その予測誤差が所定値以下になるまで繰り返し、元のHD画像の予測値を得るのに最適な注目画素であるSD画素の画素値を求める。
【0103】
また、最適化部22は、前処理部21からの、例えば、1フレーム(または1フィールド)のSD画像を構成するSD画素すべてを注目画素として、上述の処理を行った後、その結果得られる最適SD画像を用いて適応処理を行うことにより、予測誤差をより小さくするクラス毎の予測係数のセットを求める。即ち、最適化部22は、最適SD画像を用いて、クラス毎の予測係数のセットを、予測誤差がより小さくなるように更新する。そして、そのクラス毎の予測係数のセットを用いて、再度、最適化処理を繰り返す。そして、例えば、1フレーム分の予測誤差の絶対値和が所定の閾値以下となるか、あるいは、クラス毎の予測係数のセットの更新を所定回数だけ行うと、そのとき得られている最適SD画像とクラス毎の予測係数のセットとを、HD画像の符号化結果である符号化データとして出力する。
【0104】
次に、図4は、図3の前処理部21の構成例を示している。
【0105】
符号化すべきHD画像は、間引き回路31および仮想画素形成回路32に供給されるようになされている。
【0106】
間引き回路31は、HD画像の画素数を、例えば、間引くことにより少なくし、SD画像を構成して、仮想画素形成回路32に供給するようになされている。即ち、間引き回路31は、例えば、HD画像を、横×縦が3×3画素の9画素でなる正方形状のブロックに分割し、各ブロックの幾つかの画素(後述)の平均値を、その中心の画素の画素値として、SD画像を構成するようになされている。これにより、間引き回路31では、例えば、図5(A)に・印で示すHD画素からなるHD画像から、それを1/9に間引いた、同図(B)に○印で示すSD画素からなるSD画像が構成される。
【0107】
なお、間引き回路31には、その他、例えば、上述のブロックの中心の画素だけを抽出させて、SD画像を構成させるようにすることなども可能である。
【0108】
仮想画素形成回路32は、間引き回路31からのSD画像を構成するSD画素の近傍に、仮想の画素である仮想画素を想定し、その画素値を、HD画像から求めるようになされている。即ち、仮想画素形成回路32は、例えば、図6に○印で示すSD画素の左上、左下、右上、および右下の位置に、図6に◎印で示す仮想画素を想定する。そして、仮想画素形成回路32は、仮想画素の位置に対応する、例えば4つのHD画素(図5(A)に点線の四角形で囲んで示す)の画素値の平均値を求め、これを、その仮想画素の画素値とする。
【0109】
さらに、仮想画素形成回路32は、例えば、1つのSD画素に対して、1つの仮想画素を対応付け、SD画素の画素値の一部に代えて、対応付けられた仮想画素の画素値の一部を配置するようになされている。即ち、例えば、HD画素の画素値が8ビットで表されていたとすると、その平均値であるSD画素および仮想画素の画素値も8ビットで表すことができる。この場合、仮想画素形成回路32は、例えば、図7に示すように、SD画素の画素値のLSB(Least Significant Bit)側の4ビットに代えて、仮想画素の画素値のMSB(Most Significant Bit)を配置する。つまり、仮想画素形成回路32は、SD画素または仮想画素の画素値それぞれから、MSB側の4ビットを取り出し、SD画素から取り出した4ビットをMSB側に配置するとともに、仮想画素から取り出した4ビットをLSB側に配置して、8ビットのデータを構成し、これをSD画素の画素値とする。
【0110】
以上のようなSD画素で構成されるSD画像が、最適化部22(図3)に供給されるようになされている。
【0111】
次に、図8のフローチャートを参照して、前処理部21の動作について説明する。
【0112】
前処理部21に、符号化すべきHD画像が入力されると、そのHD画像は、間引き回路31および仮想画素形成回路32に供給される。間引き回路31は、HD画像を受信すると、その画素数を間引き、SD画像を構成する。
【0113】
即ち、間引き回路31では、まず最初に、ステップS1において、HD画像が、例えば、3×3画素のHD画像のブロックに分割され、ステップS2に進む。
【0114】
ここで、本実施の形態において、HD画像は、例えば、輝度信号Yと、色差信号U,Vとから構成され、ステップS1では、輝度信号のブロックと色差信号のブロックとが構成されるようになされている。
【0115】
ステップS2では、いずれかのブロックが注目ブロックとされ、その注目ブロックが輝度信号のブロックであるかどうかが判定される。ステップS2において、注目ブロックが輝度信号のブロックであると判定された場合、ステップS3に進み、間引き回路31において、例えば、その注目ブロックに含まれる中心のHD画素で交差する十字形の範囲にある5個のHD画素の画素値の平均値が計算され、その平均値が、注目ブロックの中心の画素(SD画素)の画素値とされ、ステップS5に進む。
【0116】
一方、ステップS2において、注目ブロックが輝度信号のブロックでないと判定された場合、即ち、注目ブロックが色差信号のブロックである場合、ステップS4に進み、間引き回路31において、例えば、その注目ブロックを構成する3×3のHD画素の画素値の平均値が計算され、その平均値が、注目ブロックの中心の画素(SD画素)の画素値とされ、ステップS5に進む。
【0117】
ステップS5では、ステップS1で構成されたブロックすべてを、注目ブロックとして処理したかどうかが判定され、まだ、すべてのブロックを、注目ブロックとして処理していないと判定された場合、ステップS2に戻り、まだ注目ブロックとしていないブロックを、新たに注目ブロックとして、同様の処理を繰り返す。また、ステップS5において、すべてのブロックを、注目ブロックとして処理したと判定された場合、即ち、SD画像が構成された場合、そのSD画像が、間引き回路31から仮想画素形成回路32に供給される。
【0118】
仮想画素形成回路32は、間引き回路31からSD画像を受信すると、ステップS6において、そのSD画像を構成するSD画素のうちの1つを注目画素とし、その注目画素が輝度信号のものかどうかを判定する。ステップS6において、注目画素が輝度信号のものであると判定された場合、ステップS7に進み、仮想画素形成回路32は、注目画素に対応する仮想画素の画素値を、上述したようにHD画素の画素値から求める。さらに、仮想画素形成回路32は、ステップS8に進み、図7で説明したように、注目画素の画素値のLSB側の4ビットに代えて、対応する仮想画素の画素値のMSB側の4ビットを配置し、ステップS9に進む。
【0119】
一方、ステップS6において、注目画素が輝度信号のものでないと判定された場合、即ち、色差信号のものである場合、ステップS7およびS8をスキップして、ステップS9に進み、すべてのSD画素を注目画素として処理を行ったかどうかが判定される。ステップS9において、まだ、すべてのSD画素を注目画素としていないと判定された場合、ステップS6に戻り、まだ注目画素としていないSD画素を新たに注目画素として、同様の処理を繰り返す。また、ステップS9において、すべてのSD画素を注目画素として処理を行ったと判定された場合、画素値のLSB側の4ビットが、仮想画素の画素値のMSB側の4ビットに置き換えられたSD画素で構成されるSD画像が、仮想画素形成回路32から最適化部22(図3)に出力され、処理を終了する。
【0120】
前処理部21では、以上の処理が、例えば、1フレーム単位で繰り返される。
【0121】
ここで、本実施の形態では、輝度信号についてのみ、仮想画素が構成されるようになっており、色差信号については、SD画素だけで構成される予測タップが用いられるようになされている。従って、仮想画素の画素値のMSB側の4ビットに置き換えが行われるのは、輝度信号についてのみで、色差信号については、そのような置き換えは行われない。
【0122】
次に、図9は、図3の最適化部22の構成例を示している。
【0123】
前処理部21(仮想画素形成回路32)からのSD画像は、クラス分類適応処理回路(予測係数生成)41および補正回路42に供給されるようになされており、HD画像は、クラス分類適応処理回路(予測係数生成)41および誤差算出回路44に供給されるようになされている。
【0124】
クラス分類適応処理回路(予測係数生成)41は、HD画像を受信するとともに、前処理部21からSD画像を受信すると、そのHD画像とSD画像を用いて、クラス毎に適応処理を行うことにより、クラス毎の予測係数のセットwを算出し、クラス分類適応処理回路43および多重化回路46に出力するようになされている。
【0125】
ここで、図10は、クラス分類適応処理回路(予測係数生成)41の構成例を示している。なお、図中、図26の学習装置における場合と対応する部分については、同一の符号を付してある。即ち、クラス分類適応処理回路(予測係数生成)41は、間引き回路111が設けられていないことを除けば、図26の学習装置と基本的に同様に構成されている。但し、クラス分類回路112および予測タップ生成回路113には、前処理部21または補正回路42からのSD画像が供給され、また、遅延回路114には、前処理部21に供給されるHD画像と同一のHD画像が供給されるようになされており、クラスタップ(後述)形成および予測タップ形成に関する動作が異なる。クラス分類適応処理回路(予測係数生成)41の動作については、後述する。
【0126】
図9に戻り、補正回路42は、SD画像を構成するSD画素の画素値を、制御回路45の制御に従って補正し、その補正した画素値を、クラス分類適応処理回路(予測係数生成)41,43、および多重化回路46に出力するようになされている。クラス分類適応処理回路43は、補正回路42から供給されるSD画素と、クラス分類適応処理回路(予測係数生成)41から供給されるクラス毎の予測係数のセットwを用いて適応処理を行うことにより、HD画素の予測値を求め、誤差算出回路44に供給するようになされている。
【0127】
ここで、図11は、クラス分類適応処理回路43の構成例を示している。なお、図中、図24の画像変換装置における場合と対応する部分については、同一の符号を付してある。即ち、クラス分類適応処理回路43は、係数ROM104に替えてクラス毎の予測係数のセットの書換可能な係数RAM104’が設けられている他は、図24の画像変換装置と基本的に同様に構成されている。この係数RAM104’には、図9のクラス分類適応処理回路43からクラス毎の予測係数のセットが供給されて記憶されるようになされており、また、クラスタップ形成および予測タップ形成に関する動作が、図24における場合とは異なる。クラス分類適応処理回路43の動作については後述する。
【0128】
再び、図9に戻り、誤差算出回路44は、クラス分類適応処理回路43からのHD画素の予測値の、真のHD画素の画素値に対する予測誤差を算出し、制御回路45に出力するようになされている。制御回路45は、誤差算出回路44からの予測誤差に対応して、補正回路42におけるSD画素の画素値の補正量を制御するようになされている。多重化回路46は、クラス分類適応処理回路(予測係数生成)41が出力する予測係数wと、補正回路42が出力する、補正されたSD画素の画素値とを多重化し、符号化データとして出力するようになされている。
【0129】
次に、図12のフローチャートを参照して、最適化部22の処理について説明する。
【0130】
クラス分類適応処理回路(予測係数生成)41は、前処理部21からSD画像を受信すると、ステップS11において、そのSD画像と、HD画像とを用いて適応処理を行うことにより、クラス毎の予測係数のセットを算出する。
【0131】
即ち、クラス分類適応処理回路(予測係数生成)41は、SD画像を構成するSD画素を順次注目画素とし、その注目画素についてクラス分類用のタップ(以下、適宜、クラスタップという)を構成し、クラス分類を行う。
【0132】
ここで、本実施の形態では、注目画素について、例えば、次のようなクラスタップが構成され、クラス分類が行われるようになされている。
【0133】
即ち、輝度信号については、例えば、図13(A)に示すように、注目画素を中心とする、ひし形状の範囲の5個のSD画素と4個の仮想画素との合計9画素によって、クラスタップが構成される。そして、この9画素の画素値のうちの最大値と最小値との差をダイナミックレンジDRとし、このダイナミックレンジDRを用いて、クラスタップのうちの、注目画素と、それに隣接する4個の仮想画素との合計5画素(図13(A)において点線で囲む5画素)が1ビットADRC処理される。そして、その5画素の画素値のパターンが、注目画素のクラスとされる。従って、この場合、クラスタップのうちの、注目画素を中心とする5画素を1ビットADRC処理して得られる画素値のパターンは5ビットで表現されるから、輝度信号は、32(=25)クラスのうちのいずれかにクラス分類される。
【0134】
なお、仮想画素の画素値としては、その仮想画素が対応付けられたSD画素の画素値のLSB側の4ビットを、4ビットだけ左シフト(24を乗算)したものに、例えば、8(=23)などを加算した値が用いられる。但し、仮想画素の画素値としては、その他、SD画素の画素値のLSB側の4ビットを、4ビットだけ左シフトしたものをそのまま用いたり、また、その左シフトしたものに、8以外の0以上16(=24)未満の値を加算したものを用いることも可能である。
【0135】
また、SD画素の画素値は、図7で説明したように、そのLSB側の4ビットが、対応する仮想画素の画素値のMSB側の4ビットであるが、その8ビットの値が、SD画素の画素値としてそのまま用いられる。但し、SD画素の画素値としては、例えば、そのLSB側の4ビットを、ランダムに発生させた0以上16(=24)未満の値に置き換えたものを用いることも可能である。
【0136】
一方、色差信号については、例えば、図13(B)に示すように、注目画素を中心とする、正方形状の範囲の9のSD画素によって、クラスタップが構成される。そして、この9画素の画素値のうちの最大値と最小値との差をダイナミックレンジDRとし、このダイナミックレンジDRを用いて、クラスタップのうちの、注目画素を中心とするひし形状の範囲の5のSD画素(図13(B)において点線で囲む5画素)が1ビットADRC処理される。そして、その5画素の画素値のパターンが、注目画素のクラスとされる。従って、この場合、クラスタップのうちの、注目画素を中心とする5画素を1ビットADRC処理して得られる画素値のパターンは5ビットで表現されるから、色差信号も、輝度信号と同様に、32(=25)クラスのうちのいずれかにクラス分類される。
【0137】
クラス分類適応処理回路(予測係数生成)41では、以上のようにして、注目画素のクラスが決定された後、予測タップが構成される。即ち、クラス分類適応処理回路(予測係数生成)41は、注目画素が色差信号のものである場合、例えば、図14に示すように、その注目画素を中心とする7×5(横×縦)の35のSD画素(同図において、実線または点線の○印で示す)で予測タップを構成する。また、クラス分類適応処理回路(予測係数生成)41は、注目画素が輝度信号のものである場合、色差信号における場合と同様に、35の画素で予測タップを構成するが、7×5のSD画素のうち、その最も左上、左下、右上、および右下のSD画素(同図において、点線の○印で示す)に代えて、注目画素に隣接する仮想画素を用いて、予測タップを構成する。
【0138】
そして、クラス分類適応処理回路(予測係数生成)41では、各クラス毎に、予測タップとHD画像とを用いて、式(7)の正規方程式がたてられ、それを解くことにより、クラス毎の予測係数のセットwが求められる。なお、この場合、正規方程式は、注目画素に対して、例えば、前述の図25に実線の四角形で囲んだ範囲の位置関係にあるHD画素を用いてたてられる。
【0139】
クラス分類適応処理回路(予測係数生成)41で求められたクラス毎の予測係数のセットwは、クラス分類適応処理回路43に供給され、係数RAM104’(図11)に記憶される。
【0140】
クラス分類適応処理回路(予測係数生成)41においてクラス毎の予測係数のセットが求められると、最適化部22では、ステップS12において、前処理部21からのSD画像を構成するSD画素のうちの1つが注目画素とされ、その注目画素が輝度信号のものかどうかが判定される。ステップS12において、注目画素が輝度信号のものであると判定された場合、ステップS13に進み、補正回路42、クラス分類適応処理回路43、誤差算出回路44、および制御回路45において、注目画素の画素値のMSB側の4ビットを対象に、最適化処理が行われ、ステップS14に進む。ステップS14では、注目画素の画素値の残りのLSB側の4ビットを対象に、最適化処理が行われ、ステップS16に進む。
【0141】
一方、ステップS12において、注目画素が輝度信号のものでないと判定された場合、即ち、色差信号のものである場合、ステップS15に進み、補正回路42、クラス分類適応処理回路43、誤差算出回路44、および制御回路45において、色差信号を対象に、最適化処理が行われ、ステップS16に進む。
【0142】
ステップS16では、前処理部21からのSD画像を構成するSD画素すべてを対象に処理を行ったかどうかが判定され、まだ行っていないと判定された場合、ステップS12に戻り、まだ注目画素とされていないSD画素を、新たに注目画素として、同様の処理を繰り返す。
【0143】
また、ステップS16において、SD画素をすべて注目画素として処理を行ったと判定された場合、ステップS17に進み、SD画素から予測されるHD画素の予測値の、1フレーム分の予測誤差の総和が所定の閾値ε以下であるかどうかが判定される。ステップS17において、1フレーム分の予測誤差の総和が所定の閾値ε以下でないと判定された場合、ステップS11に戻り、上述の場合と同様の処理が繰り返される。但し、この場合、クラス分類適応処理回路(予測係数生成)41では、ステップS11において、前処理部21が出力したSD画素の画素値ではなく、補正回路42が出力する、後述する最適なSD画素の画素値を用いて(クラス分類回路112および予測タップ生成回路113(図10)に対して、補正回路42からの最適なSD画素が入力されて)、同様の処理によりクラス毎の予測係数のセットが求められる(更新される)。
【0144】
そして、ステップS17において、1フレーム分の予測誤差の総和が所定の閾値ε以下であると判定された場合、ステップS18に進み、クラス分類適応処理回路(予測係数生成)41において、そのとき補正回路42が出力しているSD画素の画素値を用いてクラス毎の予測係数のセットが算出され、ステップS19に進む。そして、ステップS19では、そのSD画素の画素値とクラス毎の予測係数のセットとが、多重化回路46において多重化され、符号化データとして出力されて、処理を終了する。
【0145】
その後、最適化部22では、次のフレームについてのHD画像とSD画像とが供給されるのを待って、同様の処理が行われる。
【0146】
次に、図15のフローチャートを参照して、図12のステップS13における注目画素の画素値のMSB側の4ビットを対象とした最適化処理について詳述する。
【0147】
クラス分類適応処理回路(予測係数生成)41においてクラス毎の予測係数のセットが求められ、これが、クラス分類適応処理回路43に供給されると、前処理部21からのSD画像を構成するSD画素のうちの1つが注目画素とされ、制御回路45は、ステップS31において、注目画素の画素値を補正する補正量を表す変数△を、例えば0に初期化する。また、ステップS31では、補正量を変化させる変化量(以下、適宜、オフセット量という)を表す変数Sに、初期値としての、例えば16がセットされる。
【0148】
即ち、いまの場合、注目画素の画素値のMSB側の4ビットを対象としているので、オフセット量Sには、そのMSB側の4ビットを変化させるための最小値である16(=24)がセットされる。
【0149】
さらに、ステップS31では、注目画素の補正の回数をカウントする変数iに、初期値としての−1がセットされ、ステップS32に進む。ステップS32では、回数iが1だけインクリメントされ、ステップS33に進み、注目画素の画素値を補正量△だけ補正した補正値を用いて適応処理を行った場合に、その補正により影響を受けるHD画素の予測値の予測誤差Eが算出される。
【0150】
即ち、この場合、補正回路42は、注目画素の画素値に、例えば、補正量△を加算し、その加算値を、注目画素の画素値として、クラス分類適応処理回路43に出力する。ここで、注目画素について、最初にステップS33の処理が施される場合、即ち、回数i=0の場合、補正量△は、ステップS31でセットされた初期値である0のままであるから、補正回路42からは、注目画素の画素値がそのまま出力される。
【0151】
クラス分類適応処理回路43では、クラス分類適応処理回路(予測係数生成)41における場合と同様に、図13に示したクラスタップが形成されるとともに、図14に示した形の予測タップが形成される。即ち、予測タップは、注目画素を中心とする7×5のSD画素のうち、注目画素から最も遠い左上、左下、右上、および右下のSD画素に代えて、注目画素に隣接する4つの仮想画素を用いて構成される。
【0152】
さらに、そのクラスタップに対応して、注目画素がクラス分類され、その結果得られるクラスに対応する予測係数のセットが、クラス分類適応処理回路(予測係数生成)41から供給され、係数RAM104’(図11)に記憶されている予測係数のセットの中から選択される。そして、その選択された予測係数のセットと予測タップとから、式(1)に示した線形1次式を演算することにより、HD画素の画素値の予測値が求められる。
【0153】
また、クラス分類適応処理回路43では、注目画素の画素値を補正量△だけ補正した場合に、少なくとも、その補正により影響を受けるHD画素についても、同様にして、予測値が求められる。
【0154】
即ち、例えば、いま、図16に示すように、SD画素Aを注目画素として補正をしたとする。本実施の形態では、予測タップは、簡単には、7×5のSD画素が含まれる範囲で構成されるので、このような7×5のSD画素から予測タップが構成される場合に、その予測タップにSD画素Aが含まれるケースであって、SD画素Aから最も離れたSD画素が注目画素とされるのは、SD画素B,C,D,Eが注目画素とされ、7×5画素の予測タップが構成されるケースである。そして、SD画素B,C,D,Eが注目画素とされ、7×5画素の予測タップが構成された場合、本実施の形態では、同図に実線で囲んで示す範囲b,c,d,eの中の3×3のHD画素の予測値がそれぞれ求められる。従って、SD画素Aを注目画素として、その画素値を補正した場合に、その補正により影響を受けるのは、最悪のケースで、範囲b,c,d,eを含む最小の長方形である、図16において点線で示す範囲内の21×15のHD画素の予測値ということになる。
【0155】
従って、本実施の形態では、クラス分類適応処理回路43において、少なくとも、このような21×15のHD画素の予測値が求められる。
【0156】
クラス分類適応処理回路43で求められたHD画素の予測値は、誤差算出回路44に供給される。誤差算出回路44では、クラス分類適応処理回路43からのHD画素の予測値から、対応するHD画素の真の画素値が減算され、その減算値である予測誤差の、例えば自乗和が求められる。そして、この自乗和が、誤差情報Eとして、制御回路45に供給される。
【0157】
制御回路45は、誤差算出回路44から誤差情報を受信すると、ステップS34において、回数iが0であるかどうかを判定する。ステップS34において、回数iが0であると判定された場合、即ち、制御回路45が受信した誤差情報Eが、注目画素の補正を行わずに得られたものである場合、ステップS35に進み、注目画素の補正を行わずに得られた誤差情報(未補正時の誤差情報)を記憶する変数E0に、誤差情報Eがセットされ、また、前回得られた誤差情報を記憶する変数E’にも、誤差情報Eがセットされる。さらに、ステップS35では、補正量△が、オフセット量Sだけインクリメントされ、制御回路45は、それにより得られた補正量△だけ、注目画素の画素値を補正するように、補正回路42を制御する。その後は、ステップS32に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
【0158】
この場合、ステップS32において、回数iは1だけインクリメントされて1となるから、ステップS34では、回数iが0でないと判定され、ステップS36に進む。ステップS36では、回数iが1であるかどうかが判定される。この場合、回数iは1となっているから、ステップS36では、回数iは1であると判定され、ステップS37に進み、前回の誤差情報E’が、今回の誤差情報E以上であるかどうかが判定される。ステップS37において、前回の誤差情報E’が、今回の誤差情報E以上でないと判定された場合、即ち、補正量△だけ注目画素の画素値を補正することにより、今回の誤差情報Eの方が、前回の誤差情報E’(ここでは、補正をしてない場合の誤差情報)より増加した場合、ステップS38に進み、制御回路45は、オフセット量Sに、−1を乗算したものを、新たなオフセット量Sとし、さらに、補正量△をオフセット量Sの2倍だけインクリメントし、ステップS32に戻る。
【0159】
即ち、注目画素の画素値を、補正量△(この場合、△=S)だけ補正することにより、補正しなかったときよりも誤差が増加した場合には、オフセット量Sの符号が反転される(本実施の形態では、ステップS31において正の値がオフセット量Sにセットされているので、ステップS38では、オフセット量Sの符号は、正から負にされる)。さらに、前回はSであった補正量△が、−Sにされる。
【0160】
また、ステップS37において、前回の誤差情報E’が、今回の誤差情報E以上であると判定された場合、即ち、補正量△だけ注目画素の画素値を補正することにより、今回の誤差情報Eが、前回の誤差情報E’より減少した場合(または前回の誤差情報E’と同じである場合)、ステップS39に進み、制御回路45は、補正量△をオフセット量Sだけインクリメントするとともに、前回の誤差情報E’に、今回の誤差情報Eをセットすることにより更新して、ステップS32に戻る。
【0161】
この場合、ステップS32において、回数iは、さらに1だけインクリメントされて2となるから、ステップS34またはS36では、回数iが0または1でないとそれぞれ判定され、その結果、ステップS36からS40に進む。ステップS40では、回数iが2であるかどうかが判定される。いま、回数iは2となっているから、ステップS40では、回数iは2であると判定され、ステップS41に進み、未補正時の誤差情報E0が今回の誤差情報E以下であり、かつオフセット量Sが負であるかどうかが判定される。
【0162】
ステップS40において、未補正時の誤差情報E0が今回の誤差情報E以下であり、かつオフセット量Sが負であると判定された場合、即ち、注目画素を+Sだけ補正しても、また、−Sだけ補正しても、補正しないときより誤差が増加する場合、ステップS42に進み、補正量△が0とされ、ステップS46に進む。
【0163】
また、ステップS40において、未補正時の誤差情報E0が今回の誤差情報E以下でないか、またはオフセット量Sが負でないと判定された場合、ステップS43に進み、前回の誤差情報E’が、今回の誤差情報E以上であるかどうかが判定される。ステップS43において、前回の誤差情報E’が、今回の誤差情報E以上であると判定された場合、即ち、補正量△だけ注目画素の画素値を補正することにより、今回の誤差情報Eが、前回の誤差情報E’より減少した場合、ステップS44に進み、制御回路45は、補正量△をオフセット量Sだけインクリメントするとともに、前回の誤差情報E’に、今回の誤差情報Eをセットすることにより更新して、ステップS32に戻る。
【0164】
この場合、ステップS32において、回数iは、さらに1だけインクリメントされて3となるから、以下では、ステップS34,S36、またはS40において、回数iが0,1、または2でないとそれぞれ判定され、その結果、ステップS40からS43に進む。従って、ステップS43において、前回の誤差情報E’が、今回の誤差情報E以上でないと判定されるまで、ステップS32乃至S34、S36,S40,S43,S44のループ処理が繰り返される。
【0165】
そして、ステップS43において、前回の誤差情報E’が、今回の誤差情報E以上でないと判定された場合、即ち、補正量△だけ注目画素の画素値を補正することにより、今回の誤差情報Eの方が、前回の誤差情報E’より増加した場合、ステップS45に進み、制御回路45は、補正量△をオフセット量Sだけデクリメントし、ステップS46に進む。即ち、この場合、補正量△は、誤差が増加する前の値とされる。
【0166】
ステップS46では、制御回路45は、補正回路42を制御することにより、ステップS42またはS45で得られた補正量△だけ注目画素の画素値を補正させ、これにより、注目画素の画素値は、適応処理により予測値を得るのに、予測誤差が最小となるような最適なものに補正される。
【0167】
以上のようにして、注目画素の画素値のMSB側の4ビットが、HD画像の予測値を求めるのに、最適なものに最適化された後、リターンする。
【0168】
次に、図17のフローチャートを参照して、図12のステップS14における注目画素の画素値のLSB側の4ビットを対象とした最適化処理について詳述する。
【0169】
この場合、ステップS51乃至S66において、基本的に、図15のステップS31乃至S46における場合とそれぞれ同様の処理が行われる。
【0170】
但し、ステップS51では、オフセット量Sには、初期値として、16ではなく1がセットされる。即ち、いまの場合、注目画素の画素値のLSB側の4ビットを対象としているので、オフセット量Sには、そのLSB側の4ビットを変化させるための最小値である1(=20)がセットされる。
【0171】
また、ステップS66では、図15のステップS46における場合と同様に、注目画素の画素値が補正量△だけ補正されるが、これにより、その注目画素に対応する仮想画素の画素値も、補正量△の16(=24)倍の量だけ補正される。これは、次のような理由による。即ち、注目画素のLSB側の4ビットは、図7で説明したように、対応する仮想画素のMSBの4ビットを表しており、例えば、いま、図18に示すように、注目画素に対して、その左斜め下に隣接する仮想画素が対応付けられているとすると、注目画素のLSB側の4ビットを補正するということは、その左下に隣接する仮想画素の画素値のMSB側の4ビットを補正することになるからである。
【0172】
次に、図19のフローチャートを参照して、図12のステップS15における注目画素が色差信号のものである場合の最適化処理について詳述する。
【0173】
この場合も、ステップS71乃至S86において、基本的に、図15のステップS31乃至S46における場合とそれぞれ同様の処理が行われる。
【0174】
但し、ステップS71では、オフセット量Sには、初期値として、16ではなく1がセットされる。即ち、色差信号については、8ビットの画素値を変化させるための最小値である1(=20)がセットされる。
【0175】
次に、図20は、図1の受信装置4の構成例を示している。
【0176】
受信機/再生装置71においては、記録媒体2に記録された符号化データが再生され、または伝送路3を介して伝送されてくる符号化データが受信され、分離部72に供給される。分離部72では、符号化データが、SD画像(最適SD画像)の画像データとクラス毎の予測係数のセットwとに分離され、いずれもクラス分類適応処理回路73に供給される。
【0177】
クラス分類適応処理回路73は、図9に示した最適化部22を構成するクラス分類適応処理回路43と同様にして、HD画像の予測値が求められ、これが復号画像として出力される。この復号画像は、元の画像とほぼ同一の画像となる。
【0178】
図21は、図20のクラス分類適応処理回路73の構成例を示している。
【0179】
クラス分類適応処理回路73は、クラス分類回路201、遅延回路202、予測タップ生成回路203、係数RAM204、予測演算回路205で構成され、これらは、図11に示したクラス分類適応処理回路43を構成するクラス分類回路101、遅延回路102、予測タップ生成回路103、係数RAM104’、予測演算回路105とそれぞれ同様に構成されている。
【0180】
以上のように構成されるクラス分類適応処理回路73では、分離部72からクラス毎の予測係数のセットが供給されると、その予測係数のセットが、係数RAM204に記憶される。そして、クラス分類適応処理回路73では、係数RAM204に記憶されたクラス毎の予測係数のセットを用いて、分離部72から供給されるSD画像に対して、クラス分類適応処理回路43における場合と同様の処理が行われることで、HD画像の予測値が求められる。
【0181】
即ち、図22のフローチャートに示すように、まず最初に、ステップS91において、図13または図14で説明したようなクラスタップまたは予測タップが、クラス分類回路201または予測タップ生成回路203において、それぞれ形成される。さらに、クラス分類回路201では、クラスタップがクラス分類され、その結果得られるクラスが、アドレスとして、予測係数RAM204に与えられる。予測係数RAM204では、クラス分類回路201からのクラスに対応した予測係数が読み出され、予測演算回路205に供給される。
【0182】
そして、ステップS92において、予測演算回路205は、係数RAM204から供給される予測係数のセットと、予測タップ生成回路203が形成した予測タップとを用いて、HD画像の予測値を求め、処理を終了する。
【0183】
なお、受信側においては、図20に示すような受信装置4でなくても、間引きされた画像を単純な補間により復号する装置により、予測係数を用いずに、通常の補間を行うことで復号画像を得ることができる。但し、この場合に得られる復号画像は、画質(解像度)の劣化したものとなる。
【0184】
以上のように、HD画像を圧縮することにより得られるSD画像を構成するSD画素の近傍に仮想画素を想定し、その画素値を、HD画像から求めるようにしたので、注目画素に近く、かつ多くの画素から予測タップを形成することができ、その結果、その予測タップを用いて復号化を行うことで、元のHD画像により近い復号画像を得ることが可能となる。
【0185】
さらに、SD画素の画素値のLSB側の4ビットに代えて、仮想画素の画素値のMSB側の4ビットを配置するようにしたので、符号化効率が劣化することもない。
【0186】
以上、本発明を、HD画像を符号化/復号化する画像処理装置に適用した場合について説明したが、本発明は、その他、SD画像などの標準解像度の画像その他を符号化/復号化する場合にも適用可能である。即ち、例えば、NTSC方式などの標準方式のテレビジョン信号を間引いて符号化/復号化する場合にも適用可能である。但し、本発明は、データ量の多い、いわゆるハイビジョン方式のテレビジョン信号などを符号化/復号化する場合に、特に有効である。また、本発明は、オリジナルの画像から各階層の画像データを生成して符号化するいわゆる階層符号化を行う場合などにも適用可能である。
【0187】
なお、本実施の形態では、輝度信号についてのみ、仮想画素をも用いて予測タップを形成するようにしたが、色差信号についても同様に、仮想画素を用いて予測タップを形成することが可能である。
【0188】
また、本実施の形態においては、5×7画素をベースにして予測タップを形成するようにしたが、予測タップは、5×7画素に限定されるものではない。
【0189】
さらに、本実施の形態では、仮想画素を用いて予測タップを形成する場合に、5×7の35画素でなるブロックをベースとして、図14に示したような35画素からなる予測タップを形成するようにしたが、その他、例えば図23に示すように、注目画素から遠いSD画素に代えて、その注目画素に近い仮想画素を、さらに多く用いて、予測タップを形成するようにすることも可能である。
【0190】
また、本実施の形態では、SD画素の画素値のLSB側の4ビットに代えて、仮想画素の画素値のMSB側の4ビットを配置するようにしたが、その他、例えば、SD画素の画素値のLSB側の3ビットや2ビットに代えて、仮想画素の画素値のMSB側の3ビットや2ビットを配置するようにすることも可能である。但し、本件発明者が行ったシミュレーションによれば、SD画素の画素値を8ビットで表す場合においては、SD画素の画素値のLSB側の4ビットに代えて、仮想画素の画素値のMSB側の4ビットを配置したものによる復号画像のS/Nが最も良くなる結果が得られた。また、SD画像の画素値を置き換えるビット数が多い方が、階調が向上する傾向があった。
【0191】
さらに、本実施の形態では、間引き回路31において、HD画像を1/9に間引いてSD画像を構成するようにしたが、SD画像は、その他の間引き率でHD画像を間引いて構成することも可能である。
【0192】
また、本実施の形態では、図6に示したように、斜めに隣接するSD画素どうしの間に、1の仮想画素を設けるようにしたが、その間には、2以上の仮想画素を設けるようにすることも可能である。
【0193】
さらに、本実施の形態では、送信装置1を構成する最適化部22(図9)にクラス分類適応処理回路(予測係数生成)41を設け、クラス毎の予測係数のセットを更新するようにしたが、クラス毎の予測係数のセットは更新せずに、あらかじめ求めておいたものを、そのまま使用することも可能である。即ち、前述の図26に示したような学習装置によって、あらかじめクラス毎の予測係数のセットを学習により求めておき、それを、クラス分類適応処理回路43において用いるようにすることが可能である。この場合、クラス分類適応回路43は、図24に示される画像変換装置と同様に構成することができ、学習装置によってあらかじめ求められたクラス毎の予測係数のセットを、係数ROM104の中に記憶させておけばよい。この場合、クラス分類適応処理回路(予測係数生成)41は設ける必要がなくなり、装置の簡素化を図ることが可能となる。
【0194】
また、このような送信装置1に対応する、受信装置4(図20)では、あらかじめ求めたおいたクラス毎の予測係数のセットを記憶しておき、クラス分類適応処理回路73において、その予測係数を用いて、予測値を求めるようにすれば良い。この場合、クラス分類適応処理回路73は、図24に示される画像変換装置と同様に構成することができる。そして、前述の図26に示したような学習装置によって、あらかじめクラス毎の予測係数のセットを学習により求めておき、このクラス毎の予測係数のセットを、係数ROM104の中に記憶させておけばよい。
【0195】
また、図15においては、注目画素の画素値を、オフセット量Sとしての16ずつ補正することにより、予測誤差Eが最初に極小となる補正量△を検出するようにしたが、その他、例えば、注目画素の画素値がとり得る値すべてについて予測誤差Eを求め、その最小値を検出し、その場合の補正量△によって、注目画素の画素値を補正するようにすることも可能である。この場合、処理に時間を要することとなるが、よりS/Nの高い復号画像を得ることが可能となる。
【0196】
さらに、このように注目画素の画素値がとり得る値すべてについて予測誤差Eを求める場合には、注目画素の画素値の初期値は、どのような値(但し、注目画素の画素値がとり得る範囲内の値)であっても良い。即ち、この場合、初期値がどのような値であっても、予測誤差Eを最小にする補正値△を求めることができる。
【0197】
また、以上のことは、図17および図19で説明した処理についても同様である。
【0198】
なお、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、さまざまな変形や応用例が考えうる。従って、本発明の要旨は、上述の実施の形態に限定されるものではない。
【0199】
【発明の効果】
本発明の画像信号符号化装置および画像信号符号化方法によれば、符号化効率を劣化させることなく、補正後の圧縮画像から、原画像により近い復号画像を得ることが可能となる。
【0200】
本発明の画像信号復号装置および画像信号復号方法によれば、原画像により近い復号画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した画像処理装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の送信装置1の構成例を示すブロック図である。
【図3】図2の送信装置1の機能的構成例を示すブロック図である。
【図4】図3の前処理部21の構成例を示すブロック図である。
【図5】図4の間引き回路31の処理を説明するための図である。
【図6】図4の仮想画素形成回路32の処理を説明するための図である。
【図7】図4の仮想画素形成回路32の処理を説明するための図である。
【図8】図4の前処理部21の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】図3の最適化部22の構成例を示すブロック図である。
【図10】図9のクラス分類適応処理回路(予測係数生成)41の構成例を示すブロック図である。
【図11】図9のクラス分類適応処理回路43の構成例を示すブロック図である。
【図12】図9の最適化部22の動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】図9のクラス分類適応処理回路(予測係数生成)41がクラス分類を行うときに形成するクラスタップを示す図である。
【図14】図9のクラス分類適応処理回路(予測係数生成)41が適応処理を行うときに形成する予測タップを示す図である。
【図15】図12のステップS13の処理のより詳細を説明するためのフローチャートである。
【図16】図15のステップS33の処理を説明するための図である。
【図17】図12のステップS14の処理のより詳細を説明するためのフローチャートである。
【図18】図17のステップS66の処理を説明するための図である。
【図19】図12のステップS15の処理のより詳細を説明するためのフローチャートである。
【図20】図1の受信装置4の構成例を示すブロック図である。
【図21】図20のクラス分類適応処理回路73の構成例を示すブロック図である。
【図22】図21のクラス分類適応処理回路73の動作を説明するためのフローチャートである。
【図23】予測タップの他の構成例を示す図である。
【図24】本件出願人が先に提案した画像変換装置の構成例を示すブロック図である。
【図25】図24のクラス分類回路101の処理を説明するための図である。
【図26】本件出願人が先に提案した学習装置の構成例を示すブロック図である。
【図27】本件出願人が先に提案した画像符号化装置の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 送信装置, 2 記録媒体, 3 伝送路, 4 受信装置, 11 I/F, 12 ROM, 13 RAM, 14 CPU, 15 外部記憶装置, 16 送信機/記録装置, 21 前処理部, 22 最適化部, 31間引き回路, 32 仮想画素形成回路, 41 クラス分類適応処理回路(予測係数生成), 42 補正回路, 43 クラス分類適応処理回路, 44誤差算出回路, 45 制御回路, 46 多重化回路, 71 受信機/再生装置, 72 分離部, 73 クラス分類適応処理回路
Claims (18)
- 画像信号を符号化する画像信号符号化装置であって、
原画像信号を構成する画素である原画像画素の画素数より少ない画素数の圧縮画像信号を発生する圧縮手段と、
前記圧縮画像信号を構成する画素である圧縮画素によって囲まれた位置に、仮想の画素である仮想画素を想定し、その仮想画素の画素値を、対応する位置の近傍に存在する複数の前記原画像画素の画素値を平均することにより算出する仮想画素算出手段と、
1つの前記圧縮画素に1つの前記仮想画素を対応付け、前記圧縮画素の画素値の下位ビットを、対応する前記仮想画素の画素値の上位ビットに置き換える置換手段と、
前記圧縮画像信号を構成する、前記置換手段による置換後の圧縮画素のうちの1つを注目画素として、その注目画素を含み、その注目画素と所定の位置関係にある複数の前記圧縮画素および仮想画素から予測タップを形成する予測タップ形成手段と、
前記予測タップを形成する複数の前記圧縮画素および前記仮想画素の画素値と、所定の予測係数とを用いた演算により前記原画像信号を予測し、その予測値を出力する予測手段と、
前記予測値の、前記原画像信号に対する予測誤差を算出する予測誤差算出手段と、
所定の補正値を加算または減算することにより、前記圧縮画像信号を構成する前記置換手段による置換後の圧縮画素の画素値を補正する補正手段と、
前記圧縮画像信号1フレーム分の前記予測誤差の総和が所定の閾値に減少するまで、前記補正手段を制御して前記圧縮画素の画素値を補正させる制御手段と、
前記補正手段が最終的に出力する前記圧縮画像信号を、前記原画像信号を得るのに最適な最適圧縮画像信号として、その最適圧縮画像信号を、前記原画像信号の符号化結果として出力する出力手段と
を備えることを特徴とする画像信号符号化装置。 - 前記原画像信号を教師データ、前記圧縮手段によって発生された圧縮画像信号または前記補正手段によって補正された圧縮画像信号を学習データとする所定の正規方程式を解くことにより、前記予測係数を演算する演算手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記最適圧縮画像信号と前記予測係数とを、前記原画像信号の符号化結果として出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像信号符号化装置。 - 前記予測係数は、前記予測係数を予め生成するために用意された生成用原画像信号を教師データ、その生成用原画像信号から求めた、それより画素数の少ない生成用圧縮画像信号を学習データとする所定の正規方程式を解くことにより予め生成されており、
前記予測係数を記憶する記憶手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の画像信号符号化装置。 - 前記注目画素を、所定のクラスに分類するクラス分類手段をさらに備え、
前記予測手段は、前記注目画素について形成された前記予測タップと、その注目画素のクラスに対応する前記予測係数とから、前記予測値を求める
ことを特徴とする請求項1に記載の画像信号符号化装置。 - 前記原画像信号を教師データ、前記圧縮手段によって発生された圧縮画像信号または前記補正手段によって補正された圧縮画像信号を学習データとする所定の正規方程式を解くことにより、前記クラスごとの予測係数を演算する演算手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記最適圧縮画像信号と前記クラスごとの予測係数とを、前記原画像信号の符号化結果として出力する
ことを特徴とする請求項4に記載の画像信号符号化装置。 - 各画像信号の画素値は、輝度信号または色差信号であり、
仮想画素算出手段は、前記圧縮画像信号を構成する画素であって、輝度信号を画素値とする圧縮画素によって囲まれた位置に、仮想の画素である仮想画素を想定し、その仮想画素の輝度値を、対応する位置の近傍に存在する複数の前記原画像画素の輝度値を平均することにより算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像信号符号化装置。 - 画像信号を符号化する画像信号符号化方法であって、
原画像信号を構成する画素である原画像画素の画素数より少ない画素数の圧縮画像信号を発生する圧縮ステップと、
前記圧縮画像信号を構成する画素である圧縮画素によって囲まれた位置に、仮想の画素である仮想画素を想定し、その仮想画素の画素値を、対応する位置の近傍に存在する複数の前記原画像画素の画素値を平均することにより算出する仮想画素算出ステップと、
1つの前記圧縮画素に1つの前記仮想画素を対応付け、前記圧縮画素の画素値の下位ビットを、対応する前記仮想画素の画素値の上位ビットに置き換える置換ステップと、
前記圧縮画像信号を構成する、前記置換ステップの処理による置換後の圧縮画素のうちの1つを注目画素として、その注目画素を含み、その注目画素と所定の位置関係にある複数の前記圧縮画素および仮想画素から予測タップを形成する予測タップ形成ステップと、
前記予測タップを形成する複数の前記圧縮画素および前記仮想画素の画素値と、所定の予測係数とを用いた演算により前記原画像信号を予測し、その予測値を出力する予測ステップと、
前記予測値の、前記原画像信号に対する予測誤差を算出する予測誤差算出ステップと、
所定の補正値を加算または減算することにより、前記圧縮画像信号を構成する前記置換ステップの処理による置換後の圧縮画素の画素値を補正する補正ステップと、
前記圧縮画像信号1フレーム分の前記予測誤差の総和が所定の閾値に減少するまで、前記補正ステップの処理を制御して前記圧縮画素の画素値を補正させる制御ステップと、
前記補正ステップの処理が最終的に出力する前記圧縮画像信号を、前記原画像信号を得るのに最適な最適圧縮画像信号として、その最適圧縮画像信号を、前記原画像信号の符号化結果として出力する出力ステップと
を備えることを特徴とする画像信号符号化方法。 - 前記予測係数は、前記予測係数を予め生成するために用意された生成用原画像信号を教師データ、その生成用原画像信号から求めた、それより画素数の少ない生成用圧縮画像信号を学習データとする所定の正規方程式を解くことにより予め生成されて記憶されており、
前記予測ステップにおいて、予め生成されて記憶されている前記予測係数を用いて、前記予測値を求める
ことを特徴とする請求項7に記載の画像信号符号化方法。 - 原画像信号を構成する画素である原画像画素の画素数より少ない画素数の圧縮画像信号を発生し、
前記圧縮画像信号を構成する画素である圧縮画素によって囲まれた位置に、仮想の画素である符号化時仮想画素を想定し、その符号化時仮想画素の画素値を、対応する位置の近傍に存在する複数の前記原画像画素の画素値を平均することにより算出し、
1つの前記圧縮画素に1つの前記符号化時仮想画素を対応付け、前記圧縮画素の画素値の下位ビットを、対応する前記符号化時仮想画素の画素値の上位ビットに置き換え、
前記圧縮画像信号を構成する、画素値の下位ビットが置換後の圧縮画素のうちの1つを注目画素として、その注目画素を含み、その注目画素と所定の位置関係にある複数の前記圧縮画素および符号化時仮想画素から予測タップを形成し、
前記予測タップを形成する複数の前記圧縮画素および前記符号化時仮想画素の画素値と、所定の予測係数とを用いた演算により前記原画像信号を予測し、その予測値を出力し、
前記予測値の、前記原画像信号に対する予測誤差を算出し、
所定の補正値を加算または減算することにより、前記圧縮画像信号を構成する前記置換手段による置換後の圧縮画素の画素値を補正し、
前記圧縮画像信号1フレーム分の前記予測誤差の総和が所定の閾値に減少するまで、補正の処理を制御して前記圧縮画素の画素値を補正させ、
補正の処理が最終的に出力する前記圧縮画像信号を、前記原画像信号を得るのに最適な最適圧縮画像信号として、その最適圧縮画像信号を、前記原画像信号の符号化結果として出力することにより得られる前記最適圧縮画像信号を含む符号化データを復号する画像信号復号装置であって、
前記最適圧縮画像信号を構成する画素である最適圧縮画素によって囲まれた位置に、仮想の画素である復号時仮想画素を想定し、1つの前記最適圧縮画素に1つの前記復号時仮想画素を対応付け、各復号時仮想画素の画素値を、対応する前記最適圧縮画素の画素値の下位ビットを用いて算出する仮想画素算出手段と、
前記最適圧縮画像信号を構成する最適圧縮画素のうちの1つを注目画素として、その注目画素を含み、その注目画素と所定の位置関係にある複数の前記最適圧縮画素および復号時仮想画素から予測タップを形成する予測タップ形成手段と、
前記予測タップを形成する複数の前記圧縮画素および前記復号時仮想画素の画素値と、所定の予測係数とを用いた演算により前記原画像信号を予測し、その予測値を出力する予測手段と
を備えることを特徴とする画像信号復号装置。 - 前記予測係数は、前記符号化データに含まれている
ことを特徴とする請求項9に記載の画像信号復号装置。 - 前記予測係数は、前記予測係数を予め生成するために用意された生成用原画像信号を教師データ、その生成用原画像信号から求めた、それより画素数の少ない生成用圧縮画像信号を学習データとする所定の正規方程式を解くことにより予め生成されており、
前記予測係数を記憶する記憶手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項9に記載の画像信号復号装置。 - 前記最適圧縮画像信号を構成する最適圧縮画素のうち、前記注目画素としたものを、所定のクラスに分類するクラス分類手段をさらに備え、
前記予測手段は、前記注目画素について形成された前記予測タップと、その注目画素のクラスに対応する前記予測係数とから、前記予測値を求める
ことを特徴とする請求項9に記載の画像信号復号装置。 - 前記クラスごとの予測係数は、前記符号化データに含まれている
ことを特徴とする請求項12に記載の画像信号復号装置。 - 前記予測係数は、前記予測係数を予め生成するために用意された生成用原画像信号、その生成用原画像信号から求めた、それより画素数の少ない生成用圧縮画像信号を学習データとする所定の正規方程式を解くことにより前記クラスごとに予め生成されており、
前記クラスごとの予測係数を記憶する記憶手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項12に記載の画像信号復号装置。 - 前記最適圧縮画像信号を構成する最適圧縮画素の画素値の下位ビットが、前記符号化時仮想画素の画素値の上位ビットに置き換えられている
ことを特徴とする請求項9に記載の画像信号復号装置。 - 原画像信号を構成する画素である原画像画素の画素数より少ない画素数の圧縮画像信号を発生し、
前記圧縮画像信号を構成する画素である圧縮画素によって囲まれた位置に、仮想の画素である符号化時仮想画素を想定し、その符号化時仮想画素の画素値を、対応する位置の近傍に存在する複数の前記原画像画素の画素値を平均することにより算出し、
1つの前記圧縮画素に1つの前記符号化時仮想画素を対応付け、前記圧縮画素の画素値の下位ビットを、対応する前記符号化時仮想画素の画素値の上位ビットに置き換え、
前記圧縮画像信号を構成する、画素値の下位ビットが置換後の圧縮画素のうちの1つを注目画素として、その注目画素を含み、その注目画素と所定の位置関係にある複数の前記圧縮画素および符号化時仮想画素から予測タップを形成し、
前記予測タップを形成する複数の前記圧縮画素および前記符号化時仮想画素の画素値と、所定の予測係数とを用いた演算により前記原画像信号を予測し、その予測値を出力し、
前記予測値の、前記原画像信号に対する予測誤差を算出し、
所定の補正値を加算または減算することにより、前記圧縮画像信号を構成する前記置換手段による置換後の圧縮画素の画素値を補正し、
前記圧縮画像信号1フレーム分の前記予測誤差の総和が所定の閾値に減少するまで、補正の処理を制御して前記圧縮画素の画素値を補正させ、
補正の処理が最終的に出力する前記圧縮画像信号を、前記原画像信号を得るのに最適な最適圧縮画像信号として、その最適圧縮画像信号を、前記原画像信号の符号化結果として出力することにより得られる前記最適圧縮画像信号を含む符号化データを復号する画像信号復号方法であって、
前記最適圧縮画像信号を構成する画素である最適圧縮画素によって囲まれた位置に、仮想の画素である復号時仮想画素を想定し、1つの前記最適圧縮画素に1つの前記復号時仮想画素を対応付け、各復号時仮想画素の画素値を、対応する前記最適圧縮画素の画素値の下位ビットを用いて算出する仮想画素算出ステップと、
前記最適圧縮画像信号を構成する最適圧縮画素のうちの1つを注目画素として、その注目画素を含み、その注目画素と所定の位置関係にある複数の前記最適圧縮画素および復号時仮想画素から予測タップを形成する予測タップ形成ステップと、
前記予測タップを形成する複数の前記圧縮画素および前記復号時仮想画素の画素値と、所定の予測係数とを用いた演算により前記原画像信号を予測し、その予測値を出力する予測ステップと
を備えることを特徴とする画像信号復号方法。 - 前記予測係数は、前記予測係数を予め生成するために用意された生成用原画像信号を教師データ、その生成用原画像信号から求めた、それより画素数の少ない生成用圧縮画像信号を学習データとする所定の正規方程式を解くことにより予め生成されて記憶されており、
前記予測ステップにおいて、予め生成されて記憶されている前記予測係数を用いて、前記予測値を求める
ことを特徴とする請求項16に記載の画像信号復号方法。 - 前記予測係数は、前記予測係数を予め生成するために用意された生成用原画像信号、その生成用原画像信号から求めた、それより画素数の少ない生成用圧縮画像信号を学習データとする所定の正規方程式を解くことにより前記クラスごとに予め生成されて記憶されており、
前記予測ステップにおいて、予め生成されて記憶されている前記クラスごとの予測係数を用いて、前記予測値を求める
ことを特徴とする請求項16に記載の画像信号復号方法。
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