JP3842888B2 - 冷間加工性と高強度特性を兼備した高周波焼入れ用鋼材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波焼入れ用鋼材の製造方法に関わり、さらに詳しくは、特に5〜40kHzの周波数で高周波焼入れすることにより製造される各種歯車類、等速ジョイントのドライブシャフトや外輪のような各種シャフト類の素材として好適な、冷間加工性と高強度特性を兼備した高周波焼入れ用鋼材の製造方法に関するものである。本発明で言う冷間加工性とは、冷間鍛造性、切削性、転造性の総称である。また、本発明で言う強度特性とは、主として捩り強度、捩り疲労強度、曲げ疲労強度である。本鋼材の適用の対象となる部品の成形加工工程は、焼鈍を行わずに直接冷間鍛造を行う工程、冷間鍛造の前または中間に焼鈍を行う工程、これらに切削工程を含んだ工程、または主として切削により部品を成形加工する工程、一部焼鈍工程を含んだ切削で部品を成形加工する工程、さらにこれらのいずれかに転造加工を含む工程、あるいはこれらのいずれかに温間鍛造を組み合わせた工程等である。
【0002】
【従来の技術】
各種歯車類は現在その大部分が熱鍛工程で製造されているが、冷間鍛造へ切り替える傾向が強くなっている。これは、冷間鍛造は、製品の表面肌、寸法精度が良く、熱間鍛造に比べて製造コストが低く、歩留まりも良好であるためである。
【0003】
熱間鍛造から冷間鍛造への切り替えに際しては、鋼材の冷間変形抵抗の低減と限界圧縮率の向上が重要な課題である。これは、前者は、鍛造工具の寿命を確保するためであり、後者は冷間鍛造時の鋼材の割れを防止するためである。
【0004】
また、各種シャフト類や小物の歯車の一部は、現在、冷間鍛造工程または切削工程で製造されているが、現状では軟化焼鈍を必要とする場合が多く、焼鈍省略の指向も強い。
【0005】
また、圧延材を直接切削工程で製造している各種シャフト類についても、切削性の向上、転造性の向上の指向が強い。
【0006】
一方、当然のことながら、最終的な製品の強度は、従来材と同等のレベルが求められる。本発明では、5〜40kHzの周波数で高周波焼入れする製品を対象としている。従来の主流である100kHz前後の周波数で高周波焼入れされる製品は、そもそも硬化層深さが浅く(例えば、硬化層深さは半径の4分の1程度)、耐摩耗性等の確保が主体であり、最表面の硬さの確保が重要な課題であった。これに対して、本発明で対象とする、5〜40kHzの周波数で高周波焼入れする製品においては、捩り強度、捩り疲労強度の確保が主たる狙いであり、硬化層深さを深くすることと硬化層の硬さムラを防ぐことが、高強度化のポイントである。そのためには、高周波焼入れ性を確保することが必須である。高周波焼入れ性を増加させると通常は硬くなるために、一般には鋼材の冷間加工性と高周波焼入れ後の高強度特性は相反するものである。つまり、冷間加工性と高強度特性の兼備が、高周波焼入れ用鋼材の最大の課題と言える。即ち、冷間加工性の向上により、熱鍛から冷鍛への切り替え、あるいは焼鈍の簡略化・省略化、冷鍛、切削、転造加工の各工具の寿命向上等が可能であり、かつ高周波焼入れ後は高強度特性に優れて、必要な強度特性が確保できるような鋼材が求められている。
【0007】
これに対して、特公平1−38847号公報には、C:0.35超〜0.65%、Si:0.15%以下、Mn:0.6%以下、B:0.0005〜0.005%、Ti:0.050%以下、Al:0.015〜0.05%、またはさらにCr:0.50%未満を含有し、またはさらにP:0.015%以下、N:0.01%以下に規制した冷間鍛造用鋼を素材として冷間鍛造を行ったのち高周波焼入れを施して機械構造用部品を製造することを特徴とする機械構造用部品の製造方法が開示されている。該公報の実施例には周波数100kHzで高周波焼入れした材料の表面硬さと硬化層深さが開示されているが、強度特性については示されていない。そもそも、本発明で対象とする5〜40kHzの周波数で高周波焼入れした場合には、周波数100kHzで高周波焼入れした場合とは、硬化層硬さ、硬化層深さは大きく異なるために、該公報の実施例に記載された鋼をそのまま5〜40kHzの周波数で焼入れしても、後ほど述べるように捩り強度等の十分な強度特性を得ることは困難と考えられる。
【0008】
また、特開平3−177537号公報には、C:0.38〜0.45%、Si:0.35%以下、Mn:0.3〜1.0%、B:0.0005〜0.0035%、Ti:0.01〜0.05%、Al:0.01〜0.06%、N:0.01%以下、フェライト結晶粒度番号:6以上、ミクロ組織:フェライトとパーライト、硬さHRB80〜90、JIS0558で規定する脱炭深さ:DM−T0.2mm以下を有する直接切削・高周波焼入れ用鋼材が示されている。該発明鋼材はB鋼を適用し、脱炭深さを規定した点が特徴であるが、該鋼材は冷間加工性が不十分であるため、▲1▼加工率の大きな部品への適用は不可能であり、また▲2▼高周波焼入れ性が不足するために、高周波焼入れ部の硬さの不足や、硬さムラの発生が問題となり、捩り強度等の強度特性は十分ではない場合が起きる。以上の経緯から、上記の鋼材は、必ずしも幅広く適用されていないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような開示された鋼材では、冷間加工性は不十分であり、また高周波焼入れ後の強度特性が不足する。本発明はこのような問題を解決して、冷間加工性と高強度特性(捩り強度、捩り疲労強度、曲げ疲労強度)を兼備した高周波焼入れ用鋼材の製造方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、以下の手段を用いて上記の課題を解決した。すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1) 質量%で、
C:0.38超〜0.58%、
Si:0.01〜0.15%、
Mn:0.2〜0.6%、
S:0.005〜0.016%、
Cr:0.15〜0.6%、
B:0.0005〜0.005%、
Al:0.015〜0.05%、
N:0.007%未満(0%を含む)を含有し、
TiをN含有量に応じて、0.022〜3.4N+0.02%の範囲含有し、
P:0.025%以下(0%を含む)、
O:0.0025%以下(0%を含む)に各々制限し、
残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼を加熱温度を1080℃以上、熱間圧延の仕上げ温度を840〜870℃、熱間圧延に引き続いて800〜500℃の温度範囲を1℃/秒以下の冷却速度で徐冷する条件により線材又は棒鋼に熱間加工することを特徴とする冷間加工性と高強度特性を兼備した高周波焼入れ用鋼材の製造方法。
【0011】
(2) 鋼が、さらに、質量%で、
Mo:0.02〜0.3%、
Ni:0.02〜1.0%
のうち1種または2種を含有することを特徴とする上記(1)記載の冷間加工性と高強度特性を兼備した高周波焼入れ用鋼材の製造方法。
(3) 鋼が、さらに、質量%で、
Nb:0.002〜0.035%を含有することを特徴とする上記(1)または(2)記載の冷間加工性と高強度特性を兼備した高周波焼入れ用鋼材の製造方法。
【0012】
本発明の製造方法を用いることにより、素材の段階では冷間加工性に優れ、高周波焼入れ後の製品の状態においては優れた強度特性を有する鋼材を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、優れた冷間加工性と高周波焼入れ性を実現するために、鋭意調査し、次の点を明らかにした。
【0014】
(1) 鋼材の冷間加工性を向上させるために、固溶体硬化元素であるSi、Pを低減することが必要である。また、同じ理由からMn量を低めに抑えることが有効である。一方、高周波焼入れ後の高強度特性を得るためにC量を0.38%超とし、高周波焼入れ性を確保する必要がある。
【0015】
(2) 素材の段階で硬さの向上を抑えて、高周波焼入れ性を向上させるためには、Crの添加、およびBの添加が有効である。Bを焼入れ性に効かせるためには、固溶Nの固定が必要であり、そのために通常Tiを添加する。ここで、TiN、Ti(CN)は、冷間加工性を劣化させる。つまり、TiN、Ti(CN)による析出硬化により冷間変形抵抗がアップするとともに、冷鍛割れの原因となる。そのため、N量を0.007%未満に低減する。特開平3−177537号公報の技術が冷間加工性が不十分であるのは、その実施例の第1表から明らかなように、実施例5、7、10を除いて、N量が0.0070%以上であることが原因の一つと推定される。なお、実施例5、7、10はCr量が0.15%未満であり、焼入れ性が不足していると推定される。さらに、固溶Nを固定するために添加するTi量もN量に対応して、必要最小限とすることが必要である。また、酸化物系介在物は冷間鍛造性を劣化させるので酸素量を特定量以下に制限する必要がある。
【0016】
(3) 素材の段階で硬さの向上を抑えて優れた冷間加工性を確保するためには、圧延ままで、実質的にベイナイト組織を含まないフェライト・パーライト組織とすることが必要である。
【0017】
(4) 通常加熱の場合の焼き入れ性に比較して、高周波焼入れ性は急速加熱のために、前組織の影響を大きく受ける。粗大なフェライトがフェライトバンドとして列状に存在すると、炭化物の溶体化が不十分であり、高周波焼入れ後、硬さ不足や硬さムラを生じ、硬化層深さも浅くなる。本状態では、高周波焼入れ後の強度特性が不足する。つまり、高周波焼入れ後の高強度特性を確保するためには、前組織を適正な組織として、炭化物の溶体化不良を抑制することがポイントである。図1は、高周波焼入れ前の組織にフェライトバンドが存在すると、高周波焼入れ後にどのような影響がでるかを模式的に表した図である。フェライトバンドが顕著であると、図1に示したように、高周波焼入れ後、元々パーライト組織の部分が高炭素マルテンサイト、元々フェライトバンドの部分が低炭素マルテンサイトとなり、硬い層と軟らかい層が軸方向に沿って層状に存在することになる。このような鋼材に、捩り応力を負荷した場合、軸方向が剪断応力最大の方向になるため、軟らかい低炭素マルテンサイト層にそって、剪断き裂が発生・伝播し、低強度での破壊を招く。歯車のような曲げ応力が作用する場合も同様で、歯元において、低炭素マルテンサイト層に沿って、曲げ応力によるき裂が発生・伝播する。さらに、フェライト粒径が粗大なほど炭素の拡散距離が長くなり、上記の硬さムラは顕著になるため、硬さムラの防止と硬化層深さを深くするためには、フェライト粒径の微細化も重要である。以上から、フェライトの結晶粒径をある値以下に制限し、フェライトバンドを抑制することが必須である。従来技術の項で述べたように、特公平1−38847号公報の実施例に記載された鋼をそのまま5〜40kHzの周波数で高周波焼入れしても、捩り強度等の十分な強度特性を得ることは困難と考えられるのは、該材料がフェライトバンドとフェライト粒径という組織因子を全く配慮していないためである。ここで、フェライトバンドの程度は、図2に示すように、昭和45年社団法人日本金属学会発行「日本金属学会誌第34巻第9号第961頁」において1〜7の7段階に評点化されている。すなわち、上記の日本金属学会誌第34巻第9号の第957頁〜962頁には、標題のとおり「フェライト縞状組織におよぼすオーステナイト結晶粒度と鍛造比の影響について」が記載されており、第961頁左欄第7〜8行には「縞状組織の程度を数量的に表示するために、Photo.4の基準写真を作成した。」と記載されており、同頁の「Photo.4 Classifications of ferrite bands (×50×2/3×5/6)」には1〜7の基準写真が掲載されている。該評点では、評点の番号が小さいほどフェライトバンドが軽微であり、評点の番号が大きいほどフェライトバンドが顕著であることを示している。高周波焼入れ後の硬さムラを抑制するためには、熱間圧延方向に平行な断面の組織の、上記の日本金属学会誌第34巻第961頁で定義されたフェライトバンドの評点が1〜5であることが必要である。なお、フェライトバンドの影響は、球状化焼鈍等の焼鈍後の組織にも引き継がれるため、球状化焼鈍材についてもフェライトの結晶粒径をある値以下に制限し、フェライトバンドを抑制することは有効である。
【0018】
(5) 熱間加工後の鋼材のフェライトバンドの程度を軽減するためには、熱間加工時の加熱温度を1080℃以上と高めに設定し、圧延後の仕上げ温度・冷却条件を最適化すれば良い。
【0019】
(6) 熱間加工後の鋼材のべイナイト組織の生成を抑えて実質的にフェライト・パーライト組織を得るためには、圧延後の仕上げ温度・冷却条件を最適化する必要がある。
【0020】
(7) なお、高周波焼入れ材の強度特性を向上させるためには、旧オーステナイト粒界の粒界強化がポイントである。旧オーステナイト粒界の粒界強化には、低P化、B添加が有効である。
【0021】
本発明は以上の新規なる知見にもとづいてなされたものである。
【0022】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0023】
まず、成分の限定理由について説明する。
【0024】
Cは鋼に必要な強度を与えるのに有効な元素であるが、0.38%以下では必要な強さを確保することができず、0.58%を越えると硬くなって冷間加工性が劣化するので、0.38超〜0.58%の範囲内にする必要がある。好適範囲は0.4〜0.56%である。
【0025】
Siは鋼の脱酸に有効な元素であるとともに、鋼に必要な強度、焼入れ性を与え、焼戻し軟化抵抗を向上するのに有効な元素であるが、0.01%未満ではその効果は不十分である。一方、0.15%を越えると、硬さの上昇を招き冷間加工性が劣化する。以上の理由から、その含有量を0.01〜0.15%の範囲内にする必要がある。好適範囲は0.03〜0.1%である。
【0026】
Mnは、高周波焼入れ性の確保に有効な元素であるが、0.2%未満ではその効果は不十分である。一方、0.6%を越えると、硬さの上昇を招き冷間加工性が劣化するので、0.2%〜0.6%の範囲内にする必要がある。好適範囲は0.25〜0.5%である。
【0027】
Sは鋼中でMnSを形成し、これによる被削性の向上を目的として添加するが、0.005%未満ではその効果は不十分である。一方、0.016%を超えるとその効果は飽和し、むしろ粒界偏析を起こし粒界脆化を招く。以上の理由から、Sの含有量を0.005〜0.016%の範囲内にする必要がある。
【0028】
Crは素材硬さの増加を抑えて高周波焼入れ性を向上させるのに有効な元素であるが、0.15%未満ではその効果は不充分であり、0.6%を超えて添加すると硬さの上昇を招き冷間加工性が劣化する。以上の理由から、その含有量を0.15〜0.6%の範囲内にする必要がある。好適範囲は0.3〜0.5%である。
【0029】
Bは次の3点を狙いとして添加する。▲1▼棒鋼・線材圧延において、圧延後の冷却過程でボロン鉄炭化物を生成することにより、フェライトの成長速度を増加させ、圧延ままでの軟質化を促進する。▲2▼高周波焼入れに際して、鋼に焼入れ性を付与する。▲3▼高周波焼入れ材の粒界強度を向上させることにより、機械部品としての疲労強度・衝撃強度を向上させる。0.0005%未満の添加では、上記の効果は不十分であり、0.005%を超えるとその効果は飽和するので、その含有量を0.0005〜0.005%の範囲内にする必要がある。好適範囲は0.001〜0.003%である。
【0030】
Alは脱酸剤として添加する。0.015%未満ではその効果は不十分である。一方、0.05%を越えると、AlNが圧延加熱時に溶体化しないで残存し、Tiの析出物の析出サイトとなり、冷間加工性を劣化させる。以上の理由から、その含有量を0.015〜0.05%の範囲内にする必要がある。好適範囲は0.02〜0.04%である。
【0031】
Nは以下の2点の理由から極力低く制限することが望ましい。▲1▼Bは上記のように焼入れ性向上、粒界強化等を目的として添加するが、これらのBの効果は鋼中で固溶Bの状態で初めて効果を発現するため、N量を低減してBNの生成を抑制することが必須である。▲2▼また、Nは鋼中のTiと結びつくと粗大なTiNを生成し、硬さを増加させるとともに、TiNが冷鍛割れの原因となるため、冷間加工性が顕著に劣化する。上記の悪影響はN量が0.007%以上の場合特に顕著である。以上の理由から、その含有量を0.007%未満に制限する必要がある。好適範囲は0.005%以下である。
【0032】
Tiは鋼中でNと結合してTiNを生成するが、これによる固溶Nの固定によるBNの析出防止、つまり固溶Bの確保を目的として添加する。しかしながら、0.022%未満ではその効果は不十分である。一方、TiをN含有量に応じて、3.4N+0.02%を超えて添加すると、TiCによる析出硬化が顕著になり、冷間加工性が顕著に劣化する。以上の理由から、その含有量をN含有量に応じて、0.022〜3.4N+0.02%の範囲内にする必要がある。好適範囲は、0.022〜3.4N+0.015%である。
【0033】
Pは冷間鍛造時の変形抵抗を高め、靭性を劣化させる元素であるため、冷間加工性が劣化する。また、高周波焼入れ、焼戻し後の部品の結晶粒界を脆化させることによって、最終製品の疲労強度を劣化させるのでできるだけ低減することが望ましい。従ってその含有量を0.025%以下(0%を含む)に制限する必要がある。好適範囲は0.015%以下(0%を含む)である。
【0034】
また、Oは鋼中でAl2O3のような酸化物系介在物を形成する。酸化物系介在物が鋼中に多量に存在すると、冷間加工性が劣化する。O含有量が0.0025%を超えると特にその傾向が顕著になる。以上の理由から、その含有量を0.0025%以下(0%を含む)に制限する必要がある。好適範囲は0.002%以下(0%を含む)である。
【0035】
次に、本願発明第2請求項では、Mo、Niの1種又は2種を含有する。
【0036】
Moは鋼に強度、焼入れ性を与えるとともに、高周波焼入れ後の粒界強度を向上させて強度特性を増加させるのに有効な元素であるが、0.02%未満ではその効果は不十分であり、0.3%を越えて添加すると硬さの上昇を招き冷間加工性が劣化する。以上の理由から、その含有量を0.02〜0.3%の範囲内にする必要がある。
【0037】
Niも鋼に強度、焼入れ性を与えるのに有効な元素であるが、0.02%未満ではその効果は不十分であり、1.0%を越えて添加すると硬さの上昇を招き冷間鍛造性が劣化する。以上の理由から、その含有量を0.02〜1.0%の範囲内にする必要がある。
【0038】
次に、本願発明第3請求項では、Nbを含有する。Nbは鋼中のC、Nと結びついてNb(CN)を形成し、結晶粒の微細化に有効な元素である。0.002%未満ではその効果は不十分である。一方、0.035%を超えると、素材の硬さが硬くなって冷間加工性が劣化するとともに、棒鋼・線材圧延加熱時の溶体化が困難になる。以上の理由から、その含有量を0.002〜0.035%の範囲内にする必要がある。好適範囲は、0.005〜0.03%である。
【0042】
次に、本発明は、加熱温度を1080℃以上、熱間圧延の仕上げ温度を840〜870℃、熱間圧延に引き続いて800〜500℃の温度範囲を1℃/秒以下の冷却速度で徐冷する条件で線材または棒鋼に熱間加工する。
【0043】
まず、加熱温度を1080℃以上とするのは、次の理由による。加熱温度が1080℃未満では、フェライトバンドの評点が5を超えるほどにフェライトバンドが顕著になり、その後の高周波焼入れ後の硬さムラが増大する。また、加熱温度が1050℃未満では、加熱時にTiCが溶体できずTi(CN)として粗大化し、冷間加工性を劣化させる。そのため、熱間加工に際して、1080℃以上の温度で加熱することが必要である。好適範囲は1100℃以上である。特に、Nb添加鋼において、高周波焼入れ後のオーステナイト粒度を10番以上に微細化して高強度化を図るためには、加熱温度を1100℃以上とするのが望ましい。
【0044】
次に、熱間圧延の仕上げ温度を840〜870℃とするのは次の理由による。仕上げ温度が840℃未満では、フェライトバンドが評点5を超えるほどに顕著になり、その後の高周波焼入れ後の硬さムラが増大する。一方、仕上げ温度が870℃を超えると、圧延材の硬さが硬くなって冷間加工性が劣化する。以上の理由から、熱間圧延の仕上げ温度を840〜870℃とする。
【0045】
次に、熱間圧延に引き続いて800〜500℃の温度範囲を1℃/秒以下の冷却速度で徐冷するのは次の理由による。冷却速度が1℃/sを越えると、圧延ままでの硬さの増加が顕著になり、冷間加工性が劣化する。そのため、冷却速度1℃/秒以下に制限する。好適範囲は0.7℃/s以下である。なお、冷却速度を小さくする方法としては、圧延ラインの後方に保温カバーまたは熱源付き保温カバーを設置し、これにより、徐冷を行う方法が挙げられる。
【0046】
本願発明では、鋳片のサイズ、凝固時の冷却速度、分塊圧延条件については特に限定するものではなく、本発明の要件を満足すればいずれの条件でも良い。
【0047】
【実施例】
以下に、本発明の効果を実施例により、さらに具体的に示す。
【0048】
表1に示す組成を有する転炉溶製鋼を連続鋳造し、必要に応じて分塊圧延工程を経て162mm角の圧延素材とした。続いて、熱間加工により、直径36〜45mmの棒鋼を製造した。熱間圧延後の冷却は、一部の材料は空冷、また一部の材料は冷却床に設置した保温カバーを用いて冷却速度を空冷よりも遅くした。
【0049】
圧延後の棒鋼の組織観察を行い、フェライト結晶粒度、圧延方向に平行な断面のフェライトバンドの評点を求めた。
【0050】
また、圧延後の棒鋼のビッカース硬さを測定した。切削性は硬さに比例することから、硬さを切削性の指標とした。さらに、圧延ままの棒鋼から、据え込み試験片を作成し、冷間加工性の指標として、冷間変形抵抗と限界据え込み率を求めた。冷間変形抵抗は相当歪み1.0における変形抵抗で代表させた。
【0051】
また、圧延ままの棒鋼を球状化焼鈍した材料についても、上記の要領で硬さと冷鍛性の評価を行った。
【0052】
さらに、圧延材から平行部20mmの静的捩り試験片、捩り疲労試験片を採取した。静的捩り試験片、捩り疲労試験片について周波数8.5kHzで高周波焼入れを行い、その後170℃×1時間の条件で焼戻しを行った。その後、静的捩り試験、捩り疲労試験を行った。捩り疲労特性は1×105サイクルでの時間強度で評価した。
【0053】
これらの調査結果を熱間加工条件とあわせて表2、3に示す。高周波焼入れ材の硬化層深さは、HV450の深さtと半径rの比で表示した。
【0054】
比較例35はJISのS40Cの特性、また比較例36はJISのS53Cの特性である。本願発明例の0.4〜0.42%C鋼については比較例35と、本願発明例の0.48〜0.53%C鋼については比較例36と比較すると、本発明例の冷間変形抵抗は、各比較例に比較して、概ね約1割以上小さく、また限界据え込み率も優れている。硬さも軟らかい。球状化焼鈍材についても同様のことが言える。さらに、本発明例の高周波焼入れ材の静的捩り強度、捩り疲労強度ともに優れている。
【0055】
次に、表3において、比較例24はCの含有量が本願規定の範囲を下回った場合であり、高周波焼入れ材の硬化層硬さが低く、強度特性が不足する。比較例25はCの含有量が本願規定の範囲を上回った場合であり、比較例26はSiの含有量が本願規定の範囲を上回った場合であり、本発明例に比較して、硬く、冷間加工性が劣る。比較例27はMnの含有量が本願規定の範囲を下回った場合であり、高周波焼入れ材の硬化層深さが浅く、強度特性が不足する。比較例28はMnの含有量が本願規定の範囲を上回った場合であり、本発明例に比較して、硬く、冷間加工性が劣る。比較例29はCrの含有量が本願規定の範囲を上回った場合であり、本発明例に比較して、硬く、冷間加工性が劣る。
【0056】
比較例30はNの含有量が本願規定の範囲を上回った場合であり、冷鍛性の限界圧縮率が顕著に劣る。比較例31はTiの含有量が本願規定の範囲を上回った場合であり、硬く、冷間変形抵抗は高く、限界圧縮率も顕著に劣る。
【0057】
比較例32はPの含有量が本願規定の範囲を上回った場合であり、冷鍛性の限界圧縮率が劣化するとともに、高周波焼入れ後の強度特性が不足する。比較例33はOの含有量が本願規定の範囲を上回った場合であり、冷鍛性の限界圧縮率が顕著に劣る。比較例34はNbの含有量が本願規定の範囲を上回った場合であり、硬く、冷間変形抵抗は高く、限界圧縮率も劣る。
【0058】
次に、比較例37は、熱間圧延加熱温度が本願規定の範囲を下回り、圧延方向に平行な断面のフェライトバンドの評点が本願規定の範囲を上回った場合であり、また、比較例38は熱間圧延時の仕上げ温度が本願規定の範囲を下回り、圧延方向に平行な断面のフェライトバンドの評点が本願規定の範囲を上回った場合であり、ともに高周波焼入れ材の硬化層の硬さムラが大きく、静的捩り強度、捩り疲労強度ともに顕著に劣っている。比較例39は、熱間圧延仕上げ温度が本願規定の範囲を上回った場合であり、比較例40は熱間圧延に引き続く冷却速度が本願規定の範囲を上回った場合であり、ともに、ベイナイトを生成し、冷間加工性が顕著に劣る。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
本発明の冷間加工性と高強度特性を兼備した高周波焼入れ用鋼材の製造方法を用いれば、得られた鋼材を使用して冷間鍛造や切削工程で製造される高強度高周波焼入れ部品の製造に際して、部品成形時には冷間加工性に優れ、同時に高周波焼入れ後には、優れれた強度特性を有する製品を得ることができる。本発明によって得られた鋼を用いることによって、製造工程の熱間鍛造から冷間鍛造への切り替え、工具寿命の向上、焼鈍の簡略化や省略が可能になる。以上のように、本発明による産業上の効果は極めて顕著なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】高周波焼入れ前のフェライトバンド組織が高周波焼入れ後に及ぼす影響を示す図である。
【図2】縞状組織の程度を数量的に表示する金属組織の写真である。
Claims (3)
- 質量%で、
C:0.38超〜0.58%、
Si:0.01〜0.15%、
Mn:0.2〜0.6%、
S:0.005〜0.016%、
Cr:0.15〜0.6%、
B:0.0005〜0.005%、
Al:0.015〜0.05%、
N:0.007%未満(0%を含む)を含有し、
TiをN含有量に応じて、0.022〜3.4N+0.02%の範囲含有し、
P:0.025%以下(0%を含む)、
O:0.0025%以下(0%を含む)に各々制限し、
残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼を加熱温度を1080℃以上、熱間圧延の仕上げ温度を840〜870℃、熱間圧延に引き続いて800〜500℃の温度範囲を1℃/秒以下の冷却速度で徐冷する条件により線材又は棒鋼に熱間加工することを特徴とする冷間加工性と高強度特性を兼備した高周波焼入れ用鋼材の製造方法。 - 鋼が、さらに、質量%で、
Mo:0.02〜0.3%、
Ni:0.02〜1.0%
のうち1種または2種を含有することを特徴とする請求項1記載の冷間加工性と高強度特性を兼備した高周波焼入れ用鋼材の製造方法。 - 鋼が、さらに、質量%で、
Nb:0.002〜0.035%
を含有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の冷間加工性と高強度特性を兼備した高周波焼入れ用鋼材の製造方法。
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