JP3839747B2 - 光信号用変換プラグ及びこの変換プラグの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、各種のAV機器、パーソナルコンピュータ等に装着されている光信号入力端子或いは光信号出力端子に直接差し込むことができる光信号用変換プラグ及びこの変換プラグの製造方法に関し、詳しく言うと、上記光信号用の入力端子或いは出力端子に直接差し込むことができる差し込み部と、上記光信号用の入力端子或いは出力端子に直接差し込むことができない光プラグが挿入できる嵌合穴とを備え、この嵌合穴に挿入された光プラグと上記光信号用の入力端子或いは出力端子とを低光損失にて光結合することができる光信号用変換プラグ及びこの変換プラグを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、オプトエレクトロニクスの発達に伴い、DVD(Digital Versatile Disk)プレーヤ/レコーダ、MD(Mini-Disk)プレーヤ/レコーダ、CD(Compact Disk)プレーヤ/レコーダ等のAV(Audio Visual)機器、パーソナルコンピュータ等の電子機器には光デジタル信号用の入力端子或いは出力端子(以下、光信号端子と称す)を備えたものが多数出現している。光信号端子には光デジタル信号を伝送する光ケーブル(例えば光ファイバ)の両端部にそれぞれ取り付けられている光プラグの一方が直接差し込まれ、光信号端子から光ケーブルへ或いは光ケーブルから光信号端子へと光デジタル信号が伝送される。
【0003】
ところで、デジタルオーディオ用の光コネクタとして、我国では差し込み部の外径が3.5mmの光プラグ及びこの光プラグが差し込まれる光信号端子(光レセプタクル又はジャック)と、差し込み部の外径が2.5mmの光プラグ及びこの光プラグが差し込まれる光信号端子(光レセプタクル又はジャック)とが一般に使用されている。また、光プラグにはその差し込み部の外観から丸形プラグと呼ばれている光プラグと、角形プラグと呼ばれている光プラグの2種類のプラグあり、光丸形プラグはそれに対応した構造の光信号端子にのみ差し込むことができ、同様に、光角形プラグもそれに対応した構造の光信号端子にのみ差し込むことができる。光角形プラグはその芯線である光ファイバが突出する部分は断面円形の棒状体であるが、その周囲に同軸的に断面多角形状の壁部材が形成されているので、光角形プラグと呼ばれている。
【0004】
それ故、例えば外径3.5mmの光丸形プラグを外径2.5mmの光丸形プラグ用の光信号端子に差し込むことはできないし、外径2.5mmの光丸形プラグを外径3.5mmの光丸形プラグ用の光信号端子に差し込むこともできない。光角形プラグの場合にも同様である。また、差し込み部の外径が同じであっても光丸形プラグを光角形プラグ用の光信号端子に差し込むことはできないし、光角形プラグを光丸形プラグ用の光信号端子に差し込むこともできない。
このため、例えば特開平5−88043号公報に開示されているように、差し込み部の外径が異なる2つの光プラグを互いに接続することができる光アダプタが提案されている。この光アダプタは円筒形のアダプタハウジングの中心軸線上に所定の長さの光ファイバを配置し、アダプタハウジングの両端部からそれぞれ差し込まれる外径の異なる光プラグ間を、上記アダプタハウジングの中心軸線上に配置された光ファイバを通じて光結合するものである。この種の光アダプタを使用すれば、例えば外径3.5mmの光丸形プラグと外径2.5mmの光丸形プラグ、外径3.5mmの光丸形プラグと外径2.5mmの光角形プラグ、外径3.5mmの光角形プラグと外径2.5mmの光丸形プラグ、或いは外径3.5mmの光角形プラグと外径2.5mmの光角形プラグとを相互に接続することが可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、光プラグは光ケーブル(代表的には光ファイバが使用されているので、以下においては光ファイバと称す)の両端部にそれぞれ取り付けられており、一方の光プラグが電子機器等の光信号端子に差し込まれ、他方の光プラグが光アダプタに差し込まれることになる。光アダプタには2つの光プラグが差し込まれるから、光アダプタ内に設けられた光ファイバとこの光アダプタに差し込まれる2つの光プラグの光ファイバとの間でそれぞれ光結合が行なわれることになる。このように、この種の光アダプタでは光結合を2回も行なう必要があるため、光損失が増大するという重大な欠点がある。その上、光アダプタによって2本の光ファイバが直列に光接続されることになるから、これら2本の光ファイバの長さが同じであると、光ファイバの長さが2倍になってしまう。光ファイバはその光伝送特性上、短い方が好ましい。
【0006】
上記理由から、光ファイバの長さを長くすることなく、所望の光信号端子に直接差し込むことができない光プラグを、低光損失でその光信号端子と光結合させることができる光信号用変換プラグがこの技術分野において待望されている。
電気コネクタの技術分野においては、例えば実公平1−29751号公報に開示されているように、差し込み部の外径が異なるためにAV機器、パーソナルコンピュータ等の電子機器に装着されたレセプタクル又はジャックに差し込むことができない電気プラグをそのレセプタクル又はジャックに電気的に接続できるようにするアダプタ−プラグが既に実用に供されている。このような電気信号用のアダプタ−プラグはこのアダプタ−プラグに差し込まれた電気プラグを電気接片によりアダプタ−プラグと相互に電気接続する構造であるのでアダプタ−プラグとこのアダプタ−プラグに差し込まれた電気プラグとを光結合するという技術思想は全く存在しない。
【0007】
この発明の1つの目的は、所望の光信号端子に直接差し込むことができない光プラグを、低光損失でその光信号端子と光結合させることができる光信号用変換プラグを提供することである。
この発明の他の目的は、光損失が少なく、組み立てが簡単で、かつ安価な光信号用変換プラグを提供することである。
この発明のさらに他の目的は、光損失の少ない光信号用変換プラグを容易に製造することができる光信号用変換プラグの製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明の第1の実施形態においては、内部に光ファイバが挿入されており、かつ特定のサイズの光信号端子に直接差し込むことができる差し込み部と、上記特定のサイズの光信号端子に直接差し込むことができない差し込み部を有する光プラグの上記差し込み部が挿入できる嵌合穴とを具備する光信号用変換プラグが提供される。
好ましい一具体例においては、上記差し込み部の内部に挿入される光ファイバはその一端部の外周に光ファイバ固定用のリングが予め接合され、かつこの光ファイバ固定用のリングより突出する光ファイバの端面が鏡面仕上げされており、上記光ファイバ固定用のリング及び上記光ファイバが上記光信号用変換プラグ内へ挿入され、上記光ファイバ固定用のリングが上記光信号用変換プラグの内部に圧入されることにより上記光ファイバの鏡面仕上げされた端面位置が位置決めされる。
【0009】
上記光信号用変換プラグは、先端に中空のチップ部を備えた円筒状のスリーブ部とこのスリーブ部より外形サイズが大きい中空の基部とが一体に形成されているフェルールと、このフェルールの上記中空の基部の内部に圧入される中空の光プラグ支持部材とを具備し、上記光信号用変換プラグの上記差し込み部は上記フェルールのチップ部及びスリーブ部によって構成されており、上記光ファイバは、上記光ファイバ固定用のリングが上記フェルールの上記中空の基部の内部に圧入される際に、上記フェルールの上記中空の基部の内部から上記スリーブ部及びチップ部の貫通孔中に挿入され、上記光信号用変換プラグの上記嵌合穴は上記中空の光プラグ支持部材に形成されている。
【0010】
また、上記光信号用変換プラグは、上記中空の光プラグ支持部材の前端と接触した状態となるように上記フェルールの上記中空の基部の内部へ挿入され、上記中空の光プラグ支持部材の嵌合穴内へ差し込まれる光プラグの差し込み部のチップ部を弾性的に係止し、保持する係止ばねをさらに含み、さらに、上記フェルールの上記スリーブ部の前端部近傍から上記中空の基部の前端近傍までの外周を覆う絶縁体部材と、上記フェルールの上記中空の基部及び上記スリーブの後端部を除く外周を覆う絶縁体よりなるつまみ部とを含む。
上記光信号用変換プラグの上記差し込み部は上記特定のサイズの光信号端子に直接差し込むことができる光丸形プラグの差し込み部と同じ外径を有し、上記光信号用変換プラグの上記嵌合穴は外径が相違する光丸形プラグの差し込み部が挿入できるように形成されていてもよい。
【0011】
或いは、上記光信号用変換プラグの上記差し込み部は上記特定のサイズの光信号端子に直接差し込むことができる光丸形プラグの差し込み部と同じ外径を有し、上記光信号用変換プラグの上記嵌合穴は光角形プラグの差し込み部が挿入できるように形成されていてもよい。
或いは、上記光信号用変換プラグの上記差し込み部は上記特定のサイズの光信号端子に直接差し込むことができる光角形プラグの差し込み部と同じ形状に形成され、上記光信号用変換プラグの上記嵌合穴は光丸形プラグの差し込み部が挿入できるように形成されていてもよい。
【0012】
或いは、上記光信号用変換プラグの上記差し込み部は上記特定のサイズの光信号端子に直接差し込むことができる光角形プラグの差し込み部と同じ形状に形成され、上記光信号用変換プラグの上記嵌合穴はサイズが相違する光角形プラグの差し込み部が挿入できるように形成されていてもよい。
この発明の第2の実施形態においては、光ファイバ固定用リングと光ファイバとを接合して一体化する段階と、上記光ファイバ固定用リングから突出する光ファイバの端面を鏡面仕上げする段階と、絶縁体部材が装着されているフェルール内へ上記一体化された光ファイバ及び光ファイバ固定用リングを挿入し、さらに上記光ファイバ固定用リングを上記フェルールの内部に圧入して上記光ファイバの鏡面仕上げされた端面の位置を最適な位置に位置決めする段階と、係止ばねを上記フェルールの内部へ挿入する段階と、特定のサイズの光プラグが挿入できる嵌合穴を有する中空の光プラグ支持部材を上記フェルールの内部に圧入する段階とを含む光信号用変換プラグの製造方法が提供される。
【0013】
好ましい一具体例においては、上記係止ばねを上記フェルールの内部へ挿入する段階及び上記中空の光プラグ支持部材を上記フェルールの内部に圧入する段階の前に、治具を使用して上記フェルールの内部に圧入する光ファイバ固定用リングの圧入量を予め求める段階をさらに含む。
また、上記光ファイバ固定用リングは上記予め求められた圧入量に従って上記フェルールの内部に圧入され、上記光ファイバの鏡面仕上げされた端面の位置を最適な位置に位置決めする。
さらに、上記フェルールの所定部分の外周及び上記中空の光プラグ支持部材の後端部を除く外周を覆う絶縁体よりなるつまみ部を形成する段階を含む。
【0014】
上記つまみ部と一体に、上記フェルールのチップ部をカバーする保護キャップ及び上記中空の光プラグ支持部材の嵌合穴を閉塞する保護キャップを形成する段階を含んでいてもよい。
この発明によれば、光ファイバ固定用のリングと光ファイバとを一体に接合した後、光ファイバ端面を予め鏡面仕上げするから、鏡面仕上げ処理が容易になり、かつ各種の鏡面仕上げ処理方法が使用できる。また、光ファイバ端面の仕上がり状態が容易に確認できる。その上、光ファイバの鏡面仕上げされた端面の周囲が光ファイバ固定用のリングによって保護されているので、鏡面仕上げされた光ファイバ端面を損傷することなく光ファイバをフェルール内に挿入し、位置決めすることができる。
【0015】
さらに、フェルールの内部に圧入する光ファイバ固定用のリングの位置を微調整することによって光ファイバの端面位置を最適な位置に位置決めすることができるので、光ファイバ端面の鏡面仕上げ処理にばらつきがあっても、異なる鏡面仕上げ処理方法を使用しても、鏡面仕上げされた光ファイバ端面位置を常に最適な位置に設定することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。しかしながら、この発明は多くの異なる形態で実施可能であるから、以下に述べる実施形態にこの発明が限定されると解釈するべきではない。後述の実施形態は、以下の開示が十分で、完全なものであり、この発明の範囲をこの分野の技術者に十分に知らせるために提供されるものである。
図1はこの発明による光信号用変換プラグの第1の実施形態を、その半体部分を断面にして示す平面図、図2は図1の上面図、図3は図2の右側面図である。
この実施形態の光信号用変換プラグ200は、おおざっぱに言うと、先端に中空のチップ部11を備えた円筒状のスリーブ部12、このスリーブ部12より外径がかなり大きい中空円筒形状の基部13、及びスリーブ部12と基部13とを連結する、スリーブ部12より外径が大きくかつ基部13より外径が小さい中空円筒形状の中間部14とが一体に形成されている中空のフェルール1と、このフェルール1のチップ部11からスリーブ部12及び中間部14を通って基部13の前端部にまで延在する光ファイバ6と、この光ファイバ6の後端部(フェルール1の基部13側の端部)の外周に取り付けられた光ファイバ固定用の円筒形状のリング2と、フェルール1の基部13の後端側から基部13の内部へ圧入される円筒形状のスリーブ3と、このスリーブ3の前端と接触した状態となるようにフェルール1の基部13の内部へ挿入される平面ほぼ楕円形状の係止ばね4と、フェルール1のスリーブ部12の前端部を除く外周及び中間部14の全外周を覆う絶縁体のリング7と、フェルール1の基部13の全外周及びスリーブ3の後端部を除く外周を覆う絶縁体よりなるつまみ部5とによって構成されている。
【0017】
フェルール1はそのチップ部11、スリーブ部12及び中間部14の内径が同一であり、かつ同一の軸線を有しており、よって、光ファイバ6が挿入できるサイズの一定の内径を有する貫通孔16がこれらチップ部11、スリーブ部12及び中間部14内に形成されている。また、この実施形態ではフェルール1の基部13の内面には3つの段部が形成されており、これら段部によって基部13の内部にはその後端部に行くに従って内径が大きい4サイズの内径を有する円筒体が形成され、前端部の第1の円筒体の内径は光ファイバ6の後端部の外周に取り付けられた光ファイバ固定用のリング2が圧入できるサイズに設定され、これに続く第2の円筒体の内径は光ファイバ固定用のリング2が容易に挿入できるように上記第1の円筒体の内径より僅かに大きな寸法に設定され、これに続く第3の円筒体の内径はスリーブ3が圧入できるように上記第2の円筒体の内径より大きな寸法に設定され、後端部の第4の円筒体の内径はスリーブ3が容易に挿入できるように上記第3の円筒体の内径より僅かに大きな寸法に設定されている。なお、フェルール1の基部13もチップ部11、スリーブ部12及び中間部14と同一の軸線を持つ。
【0018】
図1に示すように、絶縁体のリング7のうち、フェルール1のスリーブ部12の前端部(チップ部11側の端部)を除く外周を覆うスリーブ部分7Aはその外径がスリーブ部12の前端部(絶縁体のリング7で覆われていない部分)の外径と同一であり、従って、スリーブ部12の前端部の外周面と絶縁体リング7のスリーブ部分7Aの外周面は連続する平坦な外周面を形成している。また、フェルール1のスリーブ部12の後端部から中間部14の前部を覆う絶縁体リング7の第1の円筒形状部分7Bはそのスリーブ部分7Aよりも外径が大きい。フェルール1の中間部14の後部を覆う絶縁体リング7の第2の円筒形状部分7Dは第1の円筒形状部分7Bよりもさらに外径が大きく、かつ後端部にフランジが一体に形成されている。
【0019】
上記絶縁体リング7の第1の円筒形状部分7Bは、光信号用変換プラグ200の差し込み部10(チップ部11及びスリーブ部12)が対応する光信号端子に差し込まれた際に、その端面7Cがこの光信号端子の端面に当接し、変換プラグ200のチップ部11がさらに進入することを防止する。つまり、チップ部11が光信号端子の受光素子の光学面に衝突するのを防止するストッパの機能を果たす。
この実施形態の光信号用変換プラグ200は光丸形プラグ用の変換プラグであるので、フェルール1のスリーブ部12及び絶縁体リング7のスリーブ部分7Aの外径が約2.5mmに設定されており、差し込み部外径2.5mmの光丸形プラグ用の光信号端子に直接差し込むことができるように構成されている。また、スリーブ3の内部には、スリーブ外径3.5mmの光丸形プラグを差し込むことができる嵌合穴30が形成されている。このため、円筒形状のスリーブ3が使用されているが、光角形プラグの差し込み部が差し込まれる嵌合穴30を形成する場合には、円筒形ではない角形のスリーブ、つまり、中空の断面多角形の光プラグ支持部材を使用してもよい。多角形の光プラグ支持部材を使用する場合には、フェルール1の基部13の内部形状又は全体の形状を対応する形状に変更することになる。
【0020】
フェルール1の具体的な数値例を示すと、フェルール1の全長は約31.15mm、チップ部11の最大外径は約2.3mm、スリーブ部12の絶縁体リング7でカバーされる部分の外径は約2mm、貫通孔16の内径は約1.1mm、基部13の第1の円筒体の内径は光ファイバ固定用のリング2の外径とほぼ同じの約3.2mm、第2の円筒体の内径はこれより約0.2mm大きい約3.4mm、第3の円筒体の内径はスリーブ3の外径とほぼ同じの約5.2mm、第4の円筒体の内径はこれより約0.2mm大きい約5.4mmに設定される。勿論、上記の数値に限定されないことは言うまでもない。
【0021】
絶縁体のリング7の具体的な数値例を示すと、全長が約10.2mm、スリー部分7Aの外径が約2.5mm、その軸方向長さが約6.7mm、第1の円筒形状部分7Bの外径が約4mm、その軸方向の長さが約2mm、第2の円筒形状部分7Dの外径が約5.2mm、その軸方向の長さが約1.5mmに設定される。これら数値も単なる一例であり、これら数値に限定されるものではない。
図4はフェルール1のチップ部11、スリーブ部12及び中間部14の内部に形成された一定の内径を有する貫通孔16に挿入される光ファイバ6とこの光ファイバ6の一端部の外周に取り付けられた光ファイバ固定用の円筒形状のリング2を示す断面図である。リング2は光ファイバ6のシース61を除去して光ファイバ6の後端部の外周に固定する。例えば、適当な接着剤を用いてリング2を光ファイバ6に接合してもよいし、光損失を増大しない程度にリング2を光ファイバ6に対して締め付けることによって接合してもよい。
【0022】
光ファイバ固定用のリング2を光ファイバ6の端部外周に接合する際に、光ファイバ6の端部を、図4に仮想線で示すように、所定の長さだけリング2の後端面よりも外側へ突出させておく。リング2と光ファイバ6とを接合した後、光ファイバ6の端面60を鏡面仕上げするが、この鏡面仕上げ処理方法として、球面レンズの鏡面仕上げ時に採用されている研磨、鏡面仕上げ処理方法や、一般の平面加工時に採用されている研磨、鏡面仕上げ処理方法等が使用できる。図4に示す例では、リング2の後端面よりも外側へ突出させた光ファイバ6の端部を加熱処理して膨大させ、リング2の後端の面取りされた内周面に密着させ、平面状に研磨、鏡面仕上げする処理方法が使用されている。なお、光ファイバ6をフェルール1の内部へ挿入する際に、シース61は除去される。
【0023】
このように、リング2と光ファイバ6とを一体に接合し、光ファイバ6の端面60を鏡面仕上げしておくと、光信号用変換プラグ200の組み立てが容易になる。例えば、光ファイバ固定用のリング2が接合されていない光ファイバ6をフェルール1の光ファイバ挿入用の貫通孔16に挿入し、その端面60の位置決めをフェルール1の外部から目視しながら実施しようとしても、これは困難である。また、光ファイバ6の端面60は鏡面仕上げされている必要があるが、端面60が鏡面仕上げされている状態で光ファイバ6をフェルール1の貫通孔16に挿入し、適正に位置決めして固定することは、光ファイバ6の鏡面仕上げされた端面60を損傷するので実際には困難である。さらに、光ファイバ6をフェルール1の貫通孔16に挿入し、適正に位置決め固定してから光ファイバ6の端面60を鏡面仕上げしようとしても、この端面60はフェルール1の基部13の後端部から奥深いところに位置するので、鏡面仕上げを行なうことはできない。
【0024】
これに対し、この実施形態のように光ファイバ固定用のリング2と光ファイバ6とを予め一体に接合し、光ファイバ6の端面60を鏡面仕上げすると、鏡面仕上げ処理が容易になり、かつ各種の鏡面仕上げ処理方法が使用できる。その上、端面60の仕上がり状態が容易に確認できる。さらに、フェルール1の基部13の内部に圧入する光ファイバ固定用のリング2の位置(奥行き方向の距離)を調整することによって光ファイバ6の端面60の位置を適正な位置に位置決めすることができる。しかも、光ファイバ6の鏡面仕上げされた端面60はその周囲がリング2によって保護されているので、鏡面仕上げされた端面60を損傷することなく光ファイバ6をフェルール1の貫通孔16内に挿入し、適正に位置決めして固定することができる。よって、光信号用変換プラグ200の組み立てが容易になるだけでなく、光ファイバ6の端面60の鏡面仕上げが容易になる、端面60の位置を適正な位置に位置決めすることができる等の利点が得られる。
【0025】
この実施形態では光ファイバ6はその全長が約19.5mm、リング2の後端面から外側への突出長さが約0.3mmに設定され、リング2はその軸方向の長さが約2.5mm、外径が約3.2mm、内径が約1.1mmに設定される。これら数値は単なる一例に過ぎず、限定するものではない。
図5はフェルール1の内部に挿入される係止ばね4を示し、図5Aはその平面図、図5Bは図5Aの右側面図である。この係止ばね4は断面がほぼ円形で、平面がほぼ楕円形状を有しており、この実施形態では長軸方向に対向する部分の一方が所定の長さだけ切除されてスリット41が形成されている。従って、この係止ばね4は、長軸方向に対向する部分の他方をほぼ中心にしてほぼ短軸方向に伸縮する弾性力を有することになる。係止ばね4はフェルール1の基部13内に挿入され、基部13の内面の第2の段部13B(図1を参照)に当接した状態に配置される。この係止ばね4は加工性の良好な安価なリング状のバネを加工することによって形成することができる。或いは、電気プラグのチップ部と接触して保持する電気コネクタのジャックに使用されている接片のような板ばねを使用してもよい。
【0026】
この実施形態では、係止ばね4は差し込み部の外径が3.5mmの光丸形プラグのチップ部を係止するために使用されるので、係止ばね4の長軸方向の長さは約5mm、短軸方向の長さは約3.8mm、短軸方向の内部長さ(両側のばね4の径を含まない長さ)は約2.6mm、スリット41の幅は約0.5mmに設定されるが、これらの数値は単なる一例であり、これら数値に限定されるものではない。後述するように、この係止ばね4中に外径3.5mmの光丸形プラグのチップ部が進入し、このチップ部の最大径部の後部が係止ばね4によって圧接、係止される。
【0027】
図6はフェルール1の基部13の後端側から基部13の内部へ圧入される円筒形状のスリーブ3を、その半体部分を断面にして示す平面図である。スリーブ3の先端部(図において左側端部)の内面は肉厚に形成されており、スリーブ3がフェルール1の基部13内へ圧入されたときに、このスリーブ3の先端部が上述した係止ばね4と当接し、基部13内面の第2の段部13Bとスリーブ3の先端部との間に係止ばね4を挟持するように構成されている。スリーブ3の内径はその先端部を除いて一定の寸法に設定されており、光プラグの差し込み部が挿入できる嵌合穴30を形成している。スリーブ3の後端部(図において右側端部)の近傍の外周には鍔部31が一体に形成されている。この鍔部31は、スリーブ3をフェルール1の基部13内へ圧入したときに、その前部端面31Aが基部13の後端面に当接してスリーブ3の基部13内への圧入長さを規定する。
【0028】
このスリーブ3の具体的な数値例を示すと、その全長が約11.45mm、外径が約5.2mm、内径が約3.56mm、鍔部31の外径が約7.6mm、その厚さが約1mm、鍔部31の前部端面31Aからスリーブ3の後端面までの長さが約3mm、肉厚部分の内径が約3.2mm、その軸方向の長さが約1.25mmに設定される。勿論、これら数値に限定されない。
上述のように、この実施形態の光信号用変換プラグ200は、スリーブ3の内部に、差し込み部の外径が3.5mmの光丸形プラグを差し込むことができる嵌合穴30が形成されている。図12に示すように、差し込み部の外径が3.5mm(具体的には絶縁体リング7で覆われていないスリーブ部12と絶縁体リング7のスリーブ部分7Aの外径が3.5mm)の光丸形プラグ100はその差し込み部の長さ(チップ部11の先端面(光学的基準面)から絶縁体リング7の第1の円筒形状部分7Bの端面(機械的基準面)7Cまでの長さ)LがEIAJ(日本電子機械工業会)の規格によって(15−0.3)mm〜(15+0)mmに規定されている。よって、光ファイバ6の鏡面仕上げされた端面60を損傷しないためには、この実施形態の光信号用変換プラグ200において光ファイバ6の端面(光学的基準面)60からフェルール1の基部13内に圧入されたスリーブ3の後端面(機械的基準面)までの長さA(図1を参照)を、外径3.5mmの光丸形プラグ100の差し込み部の長さLの最大長である15mm以上にする必要がある。しかし、光ファイバ6の端面60と外径3.5mmの光丸形プラグ100のチップ部11の先端面との間のギャップが大きくなる程光損失は増大するから、変換プラグ200の長さAは(15−0)mm〜(15+0.05)mm程度に設定することが好ましい。
【0029】
この実施形態では、上記したように、フェルール1の基部13の内部に圧入する光ファイバ固定用のリング2の位置を微調整することによって光ファイバ6の端面60の位置を適正な位置に位置決めし、変換プラグ200の長さAが(15−0)mm〜(15+0.05)mmの範囲内に収まるように最適化している。
次に、この発明の第2の実施形態である上記構成の光信号用変換プラグ200の製造方法について説明する。
まず、フェルール1に絶縁体のリング7を装着する。この絶縁体リング7は、例えばインサート成形によってフェルール1の所定部分の外周に一体的に形成することができる。勿論、組み立て用の部品として用意し、フェルール1に装着してもよい。
【0030】
次に、上述したように光ファイバ固定用リング2と光ファイバ6とを接合して一体化し、光ファイバ6の端面60を鏡面仕上げした後、光ファイバ6のシース61を除去してフェルール1の基部13側からその内部へ光ファイバ6を挿入する。この際、光ファイバ6は、光ファイバ固定用リング2をフェルール基部13の第1の円筒体内部に圧入することによって、フェルール1の貫通孔16に挿入される。
光ファイバ固定用リング2がフェルール基部13の第1の円筒体内の所定の位置にまで圧入されることによって光ファイバ6はフェルール1内の所定の位置に固定される。なお、フェルール1に絶縁体のリング7を装着する工程と、光ファイバ固定用リング2と光ファイバ6とを接合して一体化する工程とはどちらを先に行なってもよい。
【0031】
次に、係止ばね4をフェルール1の基部13内へ挿入し、第2の段部13Bに当接させる。その後、円筒形状のスリーブ3をフェルール基部13内へ挿入し、鍔部31の前部端面31Aがフェルール基部13の後端面に当接するまで第3の円筒体の内部に圧入する。これによって係止ばね4は第2の段部13Bとスリーブ3の先端部間に挟持され、また、光信号用変換プラグ200の光ファイバ6の端面60からフェルール基部13内に圧入されたスリーブ3の後端面までの長さAが設定される。
ところで、光ファイバ6の端面60を鏡面仕上げする際に、鏡面仕上げ処理のばらつきにより、或いは鏡面仕上げ処理方法の違いにより、光ファイバ6の端面60とリング2の後端面間の軸方向長さが同一にならない場合がある。つまり、リング2の後端面から突出する光ファイバ6の軸方向の長さが同一にならない場合がある。
【0032】
図7は光ファイバ6の端面60を平面状に鏡面仕上げした場合の標準の例を示す。この標準例の場合には、光ファイバ6の端面60がリング2の後端面とほぼ同じ平面をなすか、図4に示すように、非常に僅かだけリング2の後端面から突出した状態にある。図8は図7の場合と同様に光ファイバ6の端面60を平面状に鏡面仕上げしたが、光ファイバ6の端面60がリング2の後端面から標準例の場合よりも後方へ突出してしまった例を示す。図9は光ファイバ6の端面60を球状に鏡面仕上げした結果、光ファイバ6の端面60がリング2の後端面から標準例の場合よりも突出している例を示す。
【0033】
光ファイバ6の端面60からフェルール基部13内に圧入されたスリーブ3の後端面までの長さAを最適化するために、実際には、係止バネ4をフェルール1内に挿入する工程及びスリーブ3をフェルール1内に圧入、固定する工程に先だって、図示しない治具を使用して基部13の第1の円筒体の内部に圧入する光ファイバ固定用のリング2の圧入量(奥行き方向の距離)を予め求める。この求めた圧入量に従ってリング2を第1の円筒体の内部に圧入する。これによって光ファイバ6の端面60が所定の位置に固定される。即ち、光ファイバ6の端面60からスリーブ3の後端面までの長さAを(15−0)mm〜(15+0.05)mmの範囲内に収める。
【0034】
例えば、図8及び図9に示す例では光ファイバ6の端面60がリング2の後端面から標準例の場合よりも突出しているので、リング2の第1の円筒体の内部への圧入量を図7に示す標準の例と同じにすると、光ファイバ6の端面60の位置は、図7に示す標準の例と比較すると、スリーブ3側へ近寄っている。即ち、光ファイバ6の端面60からスリーブ3の後端面までの長さAが図7に示す標準の例よりも短くなっている。これでは外径3.5mmの光プラグがスリーブ3に差し込まれた際に光ファイバ6の端面60と衝突し、光ファイバ6の端面60及び/又は光プラグのチップ先端の光学面を損傷する恐れがある。よって、図8及び図9に示すように、上記予め求めたリング2の圧入量に従ってリング2の第1の円筒体内部への圧入量を多くし、光ファイバ6の端面60の位置を図7に示す標準の例と同じ位置に微調整する。これによって図8及び図9に示す例においても光ファイバ6の端面60からスリーブ3の後端面までの長さAが図7に示す標準例の場合と同じになる。
【0035】
なお、フェルール1のチップ部11の先端から突出する光ファイバ6の量が相違しても、この突出部分は後で表面仕上げされる際に除去されるので、全く問題にならない。図7に示す標準の例でも光ファイバ6の長さは、先端部を表面仕上げする必要上、フェルール1のチップ部11の先端から一部分が突出する長さに設定されている。
このように、予め求めた圧入量に従って光ファイバ固定用リング2をフェルール基部13の第1の円筒体内部に圧入した後、上述したように係止ばね4をフェルール1の基部13内へ挿入して第2の段部13Bに当接させ、続いて、スリーブ3をフェルール基部13内へ挿入し、鍔部31の前部端面31Aがフェルール基部13の後端面に当接するまで第3の円筒体の内部に圧入する。これによって光ファイバ6の端面60からスリーブ3の後端面までの長さAが最適化される。
【0036】
次に、絶縁体リング7の第2の円筒形状部分7Dの後部からスリーブ3の後端部近傍までを覆うほぼ円筒形状の絶縁体のつまみ部5を一体に形成する。この場合、つまみ部5を形成するフェルール1及びスリーブ3の部分には開口等が存在しないから、つまみ部5をインサート成形によって形成することができる。その結果、つまみ部5のコストを低減することができる。
このツマミ部5を軟質の塩化ビニール、軟質のエラストマー等によりインサート成形する場合には、図10に示すように、フェルール1のチップ部11をカバーする保護キャップ51や、スリーブ外径3.5mmの光丸形プラグが差し込まれるスリーブ3の嵌合穴30を閉塞する保護キャップ53をつまみ部5と一体に成形することができる。この場合、保護キャップ51及び53はつまみ部5と一体に成形された連結ストラップ52及び54によってつまみ部5と連結される。
【0037】
このように保護キャップ51及び53をつまみ部5と一体化すると、光ファイバ6の汚れや損傷を防止でき、また、スリーブ3の嵌合穴30の汚れ、塵埃の侵入等を防止できる。さらには、保護キャップ51、53の紛失も防止できる。
なお、つまみ部5を組み立て用の部品として用意し、絶縁体リング7の第2の円筒形状部分7Dの後部からスリーブ3の後端部近傍までを覆うように取り付けてもよいことはいうまでもない。また、つまみ部5の外観形状は円筒形状に限定されるものではない。例えば角柱状の外観形状を有していてもよい。
図11は、上記のように構成された光信号用変換プラグ200のスリーブ3の嵌合穴30に図12に示した差し込み部(スリーブ)の外径が3.5mmの光丸形プラグ100を差し込んだ状態を示す。この図11において光信号用変換プラグ200はその半体部分が断面で示されている。外径3.5mmの光丸形プラグ100を光信号用変換プラグ200のスリーブ3の嵌合穴30に差し込むと、外径3.5mmの光丸形プラグ100のチップ部11が光信号用変換プラグ200の係止ばね4中に押入する。この係止ばね4の短軸方向の内径は約2.6mmであるので、係止ばね4は外側へ開く。そして、チップ部11の最大径部が係止ばね4を通過した直後に、光丸形プラグ100の第1の円筒形状部分7Bの端面7Cが光信号用変換プラグ200のスリーブ3の後端面に当接するので、光丸形プラグ100のチップ部11の最大径部の直後の部分が係止ばね4によって圧接、保持される。これによって光信号用変換プラグ200の光ファイバ6の端面60と光丸形プラグ100のチップ部11の先端面(光学面)とがそれら間に殆んどギャップがない状態で正確に対面し、光ファイバ6の端面60とチップ部11の先端面とが殆んど光損失なしに光結合される。よって、光信号用変換プラグ200の差し込み部10を対応する光信号端子に差し込めば、外径3.5mmの光丸形プラグ100を外径2.5mmの光丸形プラグ200用の光信号端子に光接続することができる。
【0038】
このように、上記第1の実施形態によれば、光信号用変換プラグ200の差し込み部10を、対応する構造の光信号端子に直接差し込むことができるから、光信号用変換プラグ200の内部においては光結合が1回行なわれるだけである。しかも、光ファイバ6の端面60からスリーブ3の後端面までの長さAを最適化することができるから、光損失は非常に少なく、光伝送特性は殆んど劣化しない。また、1本の光ファイバの光プラグの一方が光信号用変換プラグ200に差し込まれるだけであるので、光ファイバの長さは殆んど長くならない。つまり、1本の光ファイバによって光接続した場合と実質的に同じになる。従って、光伝送特性に悪影響を与えない。
【0039】
さらに、光ファイバ固定用のリング2と光ファイバ6とを一体に接合した後、光ファイバ6の端面60を予め鏡面仕上げしているので、鏡面仕上げされた端面60を損傷することなく光ファイバ6をフェルール1の貫通孔16内に挿入し、適正な位置に位置決めして固定することができる。よって、光信号用変換プラグ200の組み立てが容易になる。
上記第1の実施形態では、光信号用変換プラグ200の一端部に差し込み部の外径が2.5mmの光丸形プラグ用の光信号端子に直接差し込むことができる差し込み部10を形成し、かつ他端部に差し込み部の外径が3.5mmの光丸形プラグが差し込める嵌合穴30を形成したが、この発明は上記第1の実施形態の構造、形状等に限定されるものではない。例えば、光信号用変換プラグ200の一端部に差し込み部の外径が3.5mmの光丸形プラグ用の光信号端子に直接差し込むことができる差し込み部を形成し、かつ他端部に差し込み部の外径が2.5mmの光丸形プラグが差し込める嵌合穴を形成した場合にも同様の作用及び効果が得られる。差し込み部の外径は2.5mm及び3.5mmに限定されるものではなく、光丸形プラグ用の光信号端子に直接差し込むことができる差し込み部の外径と嵌合穴に差し込まれる光丸形プラグの差し込み部の外径とが相違している場合にこの発明が適用でき、同様の作用及び効果が得られる。
【0040】
また、光信号用変換プラグ200の一端部に特定のサイズの光丸形プラグ用の光信号端子に直接差し込むことができる差し込み部を形成し、かつ他端部に特定のサイズの光角形プラグが差し込める嵌合穴を形成した場合や、光信号用変換プラグ200の一端部に特定のサイズの光角形プラグ用の光信号端子に直接差し込むことができる差し込み部を形成し、かつ他端部に特定のサイズの光丸形プラグが差し込める嵌合穴を形成した場合にもこの発明が適用でき、同様の作用及び効果が得られることは言うまでもない。
さらに、光信号用変換プラグ200の一端部に形成される差し込み部が特定のサイズの光角形プラグ用の光信号端子に直接差し込むことができる差し込み部であり、かつ他端部に形成される嵌合穴に光角形プラグの差し込み部が差し込まれる場合には、一端部に形成される差し込み部のサイズと嵌合穴に差し込まれる光角形プラグのサイズが相違する場合にこの発明が適用でき、同様の作用及び効果が得られることは勿論である。
【0041】
以上、この発明を図示した好ましい実施形態について記載したが、この発明の精神及び範囲から逸脱することなしに、上述した実施形態に関して種々の変形、変更及び改良がなし得ることはこの分野の技術者には明らかであろう。従って、この発明は例示の実施形態に限定されるものではなく、添付の請求の範囲によって定められるこの発明の範囲内に入る全てのそのような変形、変更及び改良をも包含するものであるということを理解すべきである。
【0042】
【発明の効果】
上記の説明で明白なように、この発明によれば、光ファイバ固定用のリングと光ファイバとを一体に接合した後、光ファイバ端面を予め鏡面仕上げするから、鏡面仕上げ処理が容易になり、かつ各種の鏡面仕上げ処理方法が使用できる。また、光ファイバ端面の仕上がり状態が容易に確認できる。その上、光ファイバの鏡面仕上げされた端面の周囲が光ファイバ固定用のリングによって保護されているので、鏡面仕上げされた光ファイバ端面を損傷することなく光ファイバをフェルール内に挿入し、位置決めすることができる等の利点がある。
【0043】
さらに、フェルールの内部に圧入する光ファイバ固定用のリングの位置(奥行き方向の距離)を微調整することによって光ファイバの端面位置を最適な位置に位置決めすることができるので、光ファイバ端面の鏡面仕上げ処理にばらつきがあっても、異なる鏡面仕上げ処理方法を使用しても、鏡面仕上げされた光ファイバ端面位置を常に最適な位置に設定することができるという利点がある。
かくして、光損失が少なく、組み立てが容易であり、かつ安価な光信号用変換プラグ及びこの光信号用変換プラグの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による光信号用変換プラグの一実施形態を例示する、半体部分を断面にした平面図である。
【図2】図1の上面図である。
【図3】図2の右側面図である。
【図4】図1に示す光信号用変換プラグに使用された光ファイバとこの光ファイバの一端部の外周に取り付けられた光ファイバ固定用の円筒形状のリングを示す断面図である。
【図5】図1に示す光信号用変換プラグに使用された係止ばねを例示するものであり、図5Aは係止ばねの平面図、図5Bは図5Aの右側面図である。
【図6】図1に示す光信号用変換プラグに使用されたスリーブを例示する、半体部分を断面にした平面図である。
【図7】図1に示す光信号用変換プラグにおいて鏡面仕上げされた光ファイバの正常な端面位置を例示する、半体部分を断面にした平面図である。
【図8】図1に示す光信号用変換プラグにおいて鏡面仕上げされた光ファイバの端面位置が正常な位置よりもずれている場合を例示する、半体部分を断面にした平面図である。
【図9】図1に示す光信号用変換プラグにおいて光ファイバの端面が凸状に鏡面仕上げされた場合の光ファイバの端面位置を例示する、半体部分を断面にした平面図である。
【図10】図1及び図2に示す光信号用変換プラグにおいてチップ部及び嵌合穴を保護するキャップをつまみ部と一体に形成した場合の一例を示す平面図である。
【図11】図1及び図2に示す光信号用変換プラグの嵌合穴に差し込み部の外径が3.5mmの光プラグを差し込んだ状態を例示する、半体部分を断面にした平面図である。
【図12】差し込み部の外径が3.5mmの光丸形プラグの一例を示す平面図である。
【符号の説明】
1:フェルール 2:光ファイバ固定用リング
3:スリーブ 4:係止ばね
5:つまみ部 6:光ファイバ
7:絶縁体リング 10:差し込み部
16:貫通孔 30:嵌合穴
200:光信号用変換プラグ
Claims (12)
- 光信号端子に直接差し込むことができない光プラグを挿入する嵌合穴を備え、その嵌合穴に上記光プラグを差し込むことにより上記光プラグと上記光信号端子とを光結合させることができる光信号用変換プラグであって、
円筒状スリーブ部とそのスリーブ部より内径及び外形が大きい筒状の基部とが同一中心線上に配列されて一体に形成されてフェルールが構成され、
上記スリーブ部にその前端部まで延在して光ファイバが挿入され、
上記光ファイバの後端部は上記基部の前端部まで延在され、その光ファイバの後端部の外周に光ファイバ固定用リングが接合され、
上記光ファイバ固定用リングより後方に突出する上記光ファイバの端面は鏡面仕上げされており、
上記スリーブ部は先端部がチップとされ、特定サイズの光信号端子に直接差し込まれる差し込み部を構成し、
上記基部の内部は上記光信号端子のサイズと異なり、上記光プラグが差し込まれる上記嵌合穴を構成し、
上記光ファイバ固定用リングが上記基部の前端部に上記スリーブ部側に向かって圧入固定され、
上記スリーブ部の内径と上記基部の内径との境界と上記光ファイバ固定用リングとの間に間隔が設けられ、その間隔により上記鏡面仕上げされた光ファイバ鏡面と上記光信号用変換プラグの後端面までの距離が15mm〜15mm+0.05mmとされ、
ていることを特徴とする光信号用変換プラグ。 - 上記光プラグが嵌合挿入される大きさ、形状の嵌合穴を有する光プラグ支持部材が、上記基部の後端部に圧入固定されることを特徴とする請求項1に記載の光信号用変換プラグ。
- 上記基部の内径は上記光ファイバ固定用リングが圧入される部分よりも上記光プラグ支持部材が圧入される部分が大であり、この内径の差により構成される段部と上記光プラグ支持部材の挿入端部との間に、上記嵌合穴内へ差し込まれる上記光プラグの差し込み部のチップ部を弾性的に係止し、保持する係止ばねをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の光信号用変換プラグ。
- 上記フェルールの上記スリーブ部の前端部近傍から上記中空の基部の前端近傍までの外周を覆う絶縁体部材と、上記フェルールの上記中空の基部及び上記スリーブの後端部を除く外周を覆う絶縁体よりなるつまみ部とをさらに含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の光信号用変換プラグ。
- 上記光信号用変換プラグの上記差し込み部は上記特定のサイズの光信号端子に直接差し込むことができる光丸形プラグの差し込み部と同じ外径を有しており、上記光信号用変換プラグの上記嵌合穴は外径が相違する光丸形プラグの差し込み部が挿入できるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の光信号用変換プラグ。
- 上記光信号用変換プラグの上記差し込み部は上記特定のサイズの光信号端子に直接差し込むことができる光丸形プラグの差し込み部と同じ外径を有しており、上記光信号用変換プラグの上記嵌合穴は光角形プラグの差し込み部が挿入できるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の光信号用変換プラグ。
- 上記光信号用変換プラグの上記差し込み部は上記特定のサイズの光信号端子に直接差し込むことができる光角形プラグの差し込み部と同じ形状に形成されており、上記光信号用変換プラグの上記嵌合穴は光丸形プラグの差し込み部が挿入できるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の光信号用変換プラグ。
- 上記光信号用変換プラグの上記差し込み部は上記特定のサイズの光信号端子に直接差し込むことができる光角形プラグの差し込み部と同じ形状に形成されており、上記光信号用変換プラグの上記嵌合穴はサイズが相違する光角形プラグの差し込み部が挿入できるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の光信号用変換プラグ。
- 光信号端子に直接差し込むことができない光プラグを挿入する嵌合穴を備え、その嵌合穴に上記光プラグを差し込むことにより上記光プラグと上記光信号端子とを光結合させることができる光信号用変換プラグの製造方法であって、
光ファイバ固定用リングと光ファイバの一端部とを接合して一体化する段階と、
上記光ファイバ固定用リングから突出する光ファイバの上記一端部の端面を鏡面仕上げする段階と、
光信号用変換プラグの後端部の上記嵌合穴に上記光ファイバをその他端から挿入し、上記嵌合穴の中心線上に配列されて嵌合穴を構成する基部と一体に形成されたスリーブ部に光ファイバを挿入し、上記光ファイバ固定用リングを上記基部の前段部に圧入する段階とを有し、
上記光ファイバ固定用リングの圧入はその圧入量が上記光信号用変換プラグの後端面と上記光ファイバの鏡端面との距離が15mm〜15mm+0.05mmの長さになるようにされることを特徴とする光信号用変換プラグの製造方法。 - 上記光ファイバ固定用リングは上記予め求められた圧入量に従って上記フェルールの内部に圧入され、上記光ファイバの鏡面仕上げされた端面の位置を最適な位置に位置決めすることを特徴とする請求項9に記載の光信号用変換プラグの製造方法。
- 上記フェルールの所定部分の外周及び上記中空の光プラグ支持部材の後端部を除く外周を覆う絶縁体よりなるつまみ部を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項9又は10に記載の光信号用変換プラグの製造方法。
- 上記つまみ部と一体に、上記フェルールのチップ部をカバーする保護キャップ及び上記中空の光プラグ支持部材の嵌合穴を閉塞する保護キャップを形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の光信号用変換プラグの製造方法。
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