JP3833394B2 - タンポンの滅菌処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は包装されたタンポンをエチレンオキサイドガスと接触させて滅菌処理を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
経血処理用品としてのタンポンは、脱脂綿やレーヨン綿等の親水性繊維を円柱状に圧縮成形し、その一方の端面に実使用後のタンポンを引抜くための紐(引抜き紐)を取付けて形成されている。このタンポンは衛生上の見地から個別に防湿セロファン等で包装した上で滅菌処理が行われる。
【0003】
タンポンの滅菌処理に際しては、タンポン本体の圧縮形状が繊維の絡み合いと水素結合とによって成立していて、この圧縮形状と耐折強度(実使用の挿入時に折れ曲がらない強さ)を維持するには7重量%〜10重量%の範囲内の水分の存在が不可欠であるので、例えば高温滅菌や高圧水蒸気滅菌のように水分の揮散や余分の加湿を伴う滅菌方法を採用することができない。そこで最近では、包装されたタンポンを滅菌効果が高いエチレンオキサイドガスと常温で接触させる方法が主流となってきている。この場合のタンポンの包装は、包装されたタンポンの内部にまでガスを到達させ、かつ滅菌後は包装内のエチレンオキサイドガスを規定値以下のレベルまで除去するために、例えば包材の接合部を点接着にする等により、通気性が付与されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前記のエチレンオキサイドガスと接触させる方法は、タンポンに含まれる水分を前記の好適な範囲内に維持するために、滅菌処理工程全体を通じて常温で行われるので、タンポンの芯部にまで浸透して繊維内に吸蔵されたエチレンオキサイドガスを例えば25ppm 以下とされる規定値のレベルまで除去するのには、減圧排気等の方法を採ったとしても冬季においては例えば60日以上という極めて長時間を要し、生産効率の観点から問題になっていた。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、従ってその目的は、通気性を有する状態で包装されたタンポンをエチレンオキサイドガスで滅菌処理するに際して、タンポンの品質に影響を与えることなく滅菌処理に要する時間を短縮し生産効率を高めるタンポンの滅菌処理方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために本発明は、通気性を有する状態で包装されたタンポンを容器内で滅菌処理するに際して、エチレンオキサイドガスを前記容器内に内圧が0.5〜1.5kg/cm 2 Gの範囲内となるように導入し、前記のタンポンを30℃〜70℃の範囲内の温度で滅菌を行った後に前記タンポンからエチレンオキサイドガスを除去するタンポンの滅菌処理方法を提供する。
前記において、前記タンポンからエチレンオキサイドガスを除去するに際して、容器内の前記エチレンオキサイドガスを大気圧まで自然排気し、次いで内圧が−0.8〜−0.93kg/cm 2 Gとなるまで減圧した後に空気を導入して大気圧に復圧する脱着操作を1回以上行う。前記脱着操作を行った後に、さらに容器内を−0.4〜−0.93kg/cm2Gの範囲内の圧力に減圧し、50℃〜60℃の範囲内の温度に5時間〜20時間保持した後に大気圧に復圧する加温脱着操作を行うことが好ましい。前記タンポンが予め30℃〜70℃の範囲内の温度に加温されていることが好ましい。又は、前記容器内に30℃〜70℃の範囲内の温度に加温されたエチレンオキサイドガスを導入することが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を、実施例により詳しく説明する。
本発明に用いられるタンポンは、脱脂綿やレーヨン綿等の親水性繊維を円柱状に圧縮成形し、その一方の端面に実使用後のタンポンを引抜くための紐(引抜き紐)を取付けて形成される。このタンポンの本体は、直径が10mm〜15mm、長さが40mm〜55mm程度の円柱状であり、その一方の端面(紐付き端面)から長さ約10cm〜15cmの環状の引抜き紐が延出し、この引抜き紐は畳まれて、前記の紐付き端面に密着されている。また、他方の端面(実使用時の挿入頭となる端面)は半球状に丸められている。
【0007】
このタンポンは次の包装工程で個別に防湿セロファン等の包材で包装される。この包装は、次の滅菌処理工程でエチレンオキサイドガスが包装内に出入りできるように、例えば包材の合わせ目を密封せず点接着にしたり、紐付き端面や挿入頭側端面の折り合わせ部に間隙を設けたりして通気性が付与される。以下、この通気性を有する状態で包装されたタンポンを「包装タンポン」と称する。
【0008】
この包装タンポンは、次に滅菌処理容器又は室(以下、単に「容器」という)に収容される。この容器は、エチレンオキサイドガス及び空気の導入口と排出口とを有し、少なくとも1.5kg/cm2G 〜−0.99kg/cm2G の範囲内で加減圧ができ、また少なくとも70℃まで加温できるようになっている。
【0009】
本発明のタンポンの滅菌処理方法においては、前記の容器に収容された包装タンポンを30℃〜70℃の範囲内の温度でエチレンオキサイドガスと接触させ、一定時間この温度範囲内に保持して滅菌を行った後に前記タンポンからエチレンオキサイドガスを除去する。
【0010】
本発明の方法に従い、包装タンポンを30℃〜70℃の範囲内の温度でエチレンオキサイドガスと接触させて滅菌することによって、従来行われていた常温でのエチレンオキサイドガスによる滅菌処理法に比べ、滅菌処理に要する時間を大幅に短縮することができ、しかもこの温度範囲では、タンポン内の含水量が適正に維持されて滅菌処理後のタンポンの品質を低下させないことがわかった。
【0011】
この理由については、エチレンオキサイドガスは30℃〜70℃の温度範囲にもたらされることによって常温におけるよりも滅菌効果が高くなると共に、包装内へはもとより圧縮成形されたタンポン本体内にも速やかに流通浸透して滅菌効果を現し、またエチレンオキサイドガスの除去に際しては、親水性繊維への吸蔵平衡が脱着側に移行するので速やかに脱着され、除去に要する時間が短縮され、滅菌処理工程全体として処理時間が大幅に短縮されることによると考えられる。
【0012】
前記の温度範囲については、30℃未満では処理時間の短縮効果が期待できず、70℃を越えるとエチレンオキサイドの重合が進行したりタンポン本体内の含水量が適正値以下に減少して圧縮形状や耐折強度等のタンポン品質を低下させるようになる。この観点からタンポンとエチレンオキサイドガスとを接触させる際の温度は30℃〜55℃の範囲内とすることが好ましい。
【0013】
包装タンポンを30℃〜70℃の範囲内の温度でエチレンオキサイドガスと接触させるに際しては、下記▲1▼又は▲2▼に示す何れかの態様に従うことが好ましい。▲1▼容器に30℃〜70℃の範囲内の温度に加温された前記タンポンを収容し、この容器の内圧を−0.93kg/cm2G 以下とした後にこの容器にエチレンオキサイドガスを、内圧が0.5kg/cm2G 〜1.5kg/cm2G の範囲内となるように導入する。この際包装タンポンは、容器が減圧される以前に予め前記温度範囲に加温されていてもよいし、容器が減圧される途中或いは後に加温されてもよい。
▲2▼容器に前記のタンポンを収容し、この容器の内圧を−0.93kg/cm2G 以下とした後にこの容器に30℃〜70℃の範囲内の温度に加温されたエチレンオキサイドガスを、内圧が0.5kg/cm2G 〜1.5kg/cm2G の範囲内となるように導入する。この際包装タンポンは、予め30℃〜70℃の範囲内の温度に加温されていてもよい。このエチレンオキサイドガスはまた容器に導入された後に前記温度範囲に加温されてもよい。
ここで用いるエチレンオキサイドガスとしては、防爆及び重合防止等の観点から例えばエチレンオキサイド30%と二酸化炭素70%とからなる許認可された混合液化ガスを気化して用いる。
【0014】
前記▲1▼又は▲2▼に示す何れの態様に従うとしても、包装タンポンを30℃〜70℃の範囲内の温度においてエチレンオキサイドガスと接触させることが滅菌効果上特に重要であることがわかった。
【0015】
30℃〜70℃の範囲内の温度でエチレンオキサイドガスと接触された包装タンポンは、この範囲内の温度、更に好ましくは50℃〜60℃の範囲内の温度に一定時間保持され、滅菌が行われる。滅菌に要する保持時間は、タンポンの汚染菌数、特定の包装タンポンにおける通気性の程度やタンポン本体のガス浸透速さ、また特定のガス圧において滅菌に要する時間等に依存するので予め実験により確認する必要がある。一般には3時間〜10時間の範囲内の時間に設定される。この間、エチレンオキサイドガスは、内圧が0.5kg/cm2G 〜1.5kg/cm2G の範囲を越えないように供給を続けてもよく、また供給を遮断して容器を密閉してもよい。
【0016】
滅菌を終了した前記の包装タンポンは、次にエチレンオキサイドガスを除去する処理が施される。一般にタンポン内に残留するエチレンオキサイドガスの許容量は25ppm 以下とされているので、この残留レベルまでできるだけ速やかに除去することが目標とされる。
【0017】
本発明の一実施形態においては、先ず滅菌を行った後の容器内のエチレンオキサイドガスを大気圧まで自然排気し、次いで容器内を減圧にした上で空気で置換する脱着操作を1回以上行う。この脱着操作においては、包装タンポンが収容された容器を、内圧が−0.8〜−0.93kg/cm 2 Gとなるまで一旦減圧した後に空気を導入して大気圧に復圧する。この脱着操作を1回以上、更に好ましくは3回以上繰り返すことによって、包装内はいうまでもなく、タンポン本体内に吸着収蔵されたエチレンオキサイドガスも急速に除去することができる。
【0018】
エチレンオキサイドガスを大気圧まで自然排気した後に前記の脱着操作を繰り返すことにより、タンポン内のエチレンオキサイドガスは急速に除去されるが、それでも許容量とされる25ppm 以下まで除去するには、更に常圧の恒温室内で数週間、包装タンポンを自然放置する必要がある。
【0019】
前記における自然放置日数を更に短縮するために、本発明の他の実施形態においては、容器内の前記エチレンオキサイドガスを大気圧まで自然排気した後に、容器内を−0.4kg/cm2G 〜−0.93kg/cm2G の範囲内の圧力に減圧し、50℃〜60℃の範囲内の温度に5時間〜20時間保持した後に大気圧に復圧する加温脱着操作を行う。この方法によればタンポン内のエチレンオキサイドガスは更に急速に除去され、許容量とされる25ppm 以下まで除去するのに自然放置日数は1〜2週間で済むようになる。
【0020】
前記の加温脱着操作においては、内圧が−0.4kg/cm2G より高いとエチレンオキサイドガスの脱着効果が不十分となり、−0.93kg/cm2G を越えて低いと、タンポンの含水量が適正値より減少し、品質の低下を招くようになる。また温度は、50℃未満では脱着効果が不十分となり、60℃を越えるとタンポンの含水量が適正値より減少し、品質の低下を招くようになる。
【0021】
滅菌後の包装タンポンからエチレンオキサイドガスを更に効率よく除去するには、先の脱着操作と加温脱着操作とを併用することが好ましい。特に脱着操作を1回以上行った後に加温脱着操作を行うことによって許容量とされる25ppm 以下まで除去するのに要する自然放置日数を1週間以内とすることも可能になる。
【0022】
本発明のタンポンの滅菌処理方法においては、包装タンポンが収容された容器を減圧したり増圧したりする操作が繰り返し行われる。これらの減圧及び/又は増圧操作をあまり急速に行うと、気体の激しい流通によって包装が損傷を受ける可能性があるので、急速な減圧〜増圧操作は避ける必要がある。
【0023】
【実施例】
以下実施例によって本発明のタンポンの滅菌処理方法を更に詳しく説明する。タンポン製造工程で連続的に製造されたタンポンを個別に防湿セロファン(厚さ21μm)で包装し、包装タンポンを作成した。この際、包材の接合部は点接着とし、かつ紐付き端面における包材の折り合わせ部分は封止せずに間隙を設けて包装に通気性を付与した。
【0024】
得られた包装タンポンを10個ずつ厚紙製の箱に収納し、ポリプロピレンフィルムで通気性を損なわないように包装し、これを100箱ずつ段ボール製の箱に収納した。次にこの段ボール箱を、内部温度を55℃に加温した滅菌容器(室)に収容し、タンポン内部が35℃〜40℃の範囲内となるまで放置した。
【0025】
次にこの滅菌容器を密閉し、減圧ポンプによって10分間を要して容器内圧が−0.8kg/cm2G となるまで排気し、減圧を一時中断した。この内圧に3分間放置した後に減圧を再開し、10分間を要して容器内圧が−0.93kg/cm2G となるまで排気し、この圧力下に3分間放置した。この間の減圧を段階的に行うことによって包装の損傷は防止された。
【0026】
次に、エチレンオキサイド30%と二酸化炭素70%との混合液化ガスを気化し、得られたエチレンオキサイドガスを60℃に加温して前記滅菌容器内に45分間を要して内圧が1.0kg/cm2G となるまで導入した。
エチレンオキサイドガス導入後、滅菌容器を密閉し、容器内を55℃に5時間保って滅菌を行った。
【0027】
滅菌終了後に、容器内のエチレンオキサイドガスを大気圧まで自然排気すると共に、引き続き脱着操作に移行し、25分間を要して内圧が−0.8kg/cm2G となるまで減圧排気した。ここで減圧を一時中断し、3分間放置した後に減圧を再開し、更に30分間を要して容器内圧が−0.93kg/cm2G となるまで排気し、次いで除菌フィルタを通した外気を20分間を要して容器内に導入し、大気圧に復圧して第1回目の脱着操作を終了した。この間の減圧及び増圧を段階的又は徐々に行うことによって包装の損傷は防止された。
【0028】
次に、第2回目及び第3回目の脱着操作を行った。これらの脱着操作では、大気圧から10分間を要して内圧が−0.8kg/cm2G となるまで減圧排気し、その後直ちに外気を導入して20分間を要して大気圧に復圧させた。
【0029】
各脱着操作終了時には、タンポンをサンプリングしてアセトンで抽出し、ガスクロマトグラフィーによりエチレンオキサイドの残留量を測定した。第3回目の脱着操作終了後にもタンポン中に残留するエチレンオキサイドは規格値25ppm を越えていた。
【0030】
各脱着操作終了時にタンポンを収納した段ボール箱の一部を滅菌容器から取り出し、25℃に保たれた恒温室に移し、この恒温室内に自然放置して、タンポン中に残留するエチレンオキサイドが25ppm 以下に達するまでの日数を求めた。
【0031】
脱着操作の回数と、各脱着操作終了直後の残留エチレンオキサイド量と、エチレンオキサイドが25ppm 以下に達するまでに要した自然放置日数とを以下に示す。
【0032】
上記の結果から、前記条件の脱着操作を1回以上繰り返すことによって、エチレンオキサイドが25ppm 以下に達するまでに要する自然放置日数が著しく短縮されることがわかる。
【0033】
前記における自然放置日数を更に短縮するために、第1回目の脱着操作を終了したタンポン入り段ボール箱を前記の滅菌容器内で、それぞれ以下に示す内圧に達するまで減圧し、50℃〜60℃の範囲内の温度で15時間放置した後に大気圧に復圧する加温脱着操作を行った。次にこの段ボール箱を前記の恒温室に移し、25℃の恒温室内に自然放置して、タンポン中に残留するエチレンオキサイドが25ppm 以下に達するまでの日数を求めた。
【0034】
前記の加温脱着操作の圧力と、それぞれの圧力における加温脱着操作終了直後のタンポン中の残留エチレンオキサイド量と、エチレンオキサイドが25ppm 以下に達するまでに要した自然放置日数と、自然放置終了後の段ボール箱内のタンポンの含水量とを以下に示す。
【0035】
上記の結果から、前記条件の加温脱着操作を行うことによって、エチレンオキサイドが25ppm 以下に達するまでに要する自然放置日数が更に大幅に短縮でき、しかもタンポン中の含水量が7重量%〜10重量%の好適値を維持しているので、品質に悪影響を及ぼしていないことがわかる。
【0036】
【発明の効果】
本発明のタンポンの滅菌処理方法は、通気性を有する状態で包装されたタンポンを30℃〜70℃の範囲内の温度でエチレンオキサイドガスと接触させ、前記温度範囲内で滅菌を行った後に前記タンポンからエチレンオキサイドガスを除去するものであるので、従来行われていた常温でのエチレンオキサイドガスによる滅菌処理法に比べ、滅菌処理に要する時間を大幅に短縮することができ、しかもこの温度範囲では、タンポン内の含水量が適正に維持されていて滅菌処理後のタンポンの品質を低下させることがない。
前記タンポンからエチレンオキサイドガスを除去するに際して、内圧が−0.8〜−0.93kg/cm 2 Gとなるまで減圧した後に空気を導入して大気圧に復圧する脱着操作を1回以上行うことにより、滅菌処理に要する合計時間を大幅に短縮することができる。また容器内を−0.4kg/cm2G〜−0.93kg/cm2Gの範囲内に減圧し、50℃〜60℃の範囲内の温度に5時間〜20時間保持した後に大気圧に復圧する加温脱着操作を行うことによって、滅菌処理に要する合計時間を更に大幅に短縮することができる。
Claims (4)
- 通気性を有する状態で包装されたタンポンを容器内で滅菌処理するに際して、エチレンオキサイドガスを前記容器内に内圧が0.5〜1.5kg/cm 2 Gの範囲内となるように導入し、前記のタンポンを30℃〜70℃の範囲内の温度で滅菌を行った後に前記タンポンからエチレンオキサイドガスを除去するタンポンの滅菌処理方法において、
前記タンポンからエチレンオキサイドガスを除去するに際して、容器内の前記エチレンオキサイドガスを大気圧まで自然排気し、次いで内圧が−0.8〜−0.93kg/cm 2 Gとなるまで減圧した後に空気を導入して大気圧に復圧する脱着操作を1回以上行うことを特徴とするタンポンの滅菌処理方法。 - 前記脱着操作を行った後に、さらに容器内を−0.4〜−0.93kg/cm2Gの範囲内の圧力に減圧し、50℃〜60℃の範囲内の温度に5時間〜20時間保持した後に大気圧に復圧する加温脱着操作を行うことを特徴とする請求項1に記載のタンポンの滅菌処理方法。
- 前記タンポンが予め30℃〜70℃の範囲内の温度に加温されている請求項1または請求項2に記載のタンポンの滅菌処理方法。
- 前記容器内に30℃〜70℃の範囲内の温度に加温されたエチレンオキサイドガスを導入する請求項1〜3のいずれか1項に記載のタンポンの滅菌処理方法。
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