JP3832358B2 - 連続鋳造開始時の鋳型内湯面レベル計切替制御方法 - Google Patents
連続鋳造開始時の鋳型内湯面レベル計切替制御方法Info
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に複数種類の鋳型内湯面レベル計を有する連続鋳造装置において、溶融金属を連続鋳造する際の鋳造開始時に、非定常時用の湯面レベル計から定常制御用の湯面レベル計に円滑に切り替えを行なう際に適用して好適な、連続鋳造開始時の湯面レベル計切替制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
溶融金属の連続鋳造設備では、鋳造の定常時には鋳型内湯面レベル制御を精密に行なうために、渦流式レベル計が主に用いられている。この渦流式レベル計によって湯面レベルを精度良く、安定に計測できるのは、渦流センサの下面から最大で150mm〜200mm程度の範囲である。それに対して、連続鋳造設備の鋳型、特にスラブ連続鋳造機の鋳型は900mm程度の高さを有している。連続鋳造機で鋳造を開始する際、この鋳型内には下方への溶融金属の漏洩を防止するために下方からダミーバーが挿入されるが、このダミーバーの上端は、通常、鋳型高さの丁度中間程度の位置に置かれる。従って、鋳造開始時にタンディッシュから鋳型内に溶融金属の注入を始めてから、鋳型内に溶融金属が溜り始めてその湯面が徐々に上昇していく過程で、約300mm〜250mmの間の湯面上昇は渦流式レベル計では湯面レベルを計測することができない。
【0003】
そこで、鋳造開始時の鋳型内湯面レベルが上昇し始めて渦流式レベル計による湯面レベルの計測が可能になるまでの間は、熱電対による湯面検知や、熱電対レベル計の使用、あるいは、目視による湯面検知を行なうことにより、渦流式レベル計の計測範囲外にある鋳型内湯面レベルを把握している。従って、湯面レベルが渦流式レベル計の測定可能範囲に到達した場合には、使用していた熱電対レベル計等を渦流式レベル計に切替える必要があるため、一旦手動操作の際にレベル計を切替えたりする必要があった。
【0004】
このような従来の技術では、以下に示す問題点があった。
【0005】
(1)レベル計を切替えるために手動介入する場合は、目視による手動操作が制御周期の短い自動制御に比べて制御性に劣り、しかも個人の技量に差やバラツキがあることから、湯面レベルに変動が発生して品質を低下させ、製品として扱えない鋳片部分を発生させる要因となっていた。その上、手動介入する作業そのものが作業員の負荷となっており、省力化の妨げとなっていた。
【0006】
(2)熱電対レベル計を用いて、鋳型内湯面レベルを定常レベルまで上昇させた後、自動で鋳片の引抜きを開始すると共に、該湯面レベルを所定範囲に到達させる制御を開始する、いわゆるオートスタート方式においては、熱電対方式の精度・測定遅れ時間の限界から、湯面を上昇させて定常制御が可能なモールドレベルに安定させる過程で、渦流式レベル計により測定する場合と比較して湯面変動が大きくなるため、品質を低下させていた。
【0007】
そこで、上記のような問題を解決するために、特許第3221990号において、鋳型内の湯面レベルが低いときには、熱電対式レベル計からの測定値を出力し、鋳型内の湯面レベルが高いときには、電磁式レベル計(渦流式レベル計)からの測定値を出力することとし、2つのレベル計の間を切替える時に、切替前に使用されていたレベル計の測定値と切替後に使用されるレベル計の測定値の差を求め、この差を前記モールド変動許容レベル範囲内で徐々に変化する補正値にして、切替後に使用されるレベル計の測定値に加算することが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許公報に記載の方法では、理想的には熱電対レベル計から渦流式レベル計への移行が連続的になされることが期待されたが、現実の操業に適用するとなお以下の問題を有していた。
【0009】
即ち、オートスタート時の湯面上昇速度にバラツキがあるため、熱電対式から渦流式への切替えが遅れ、湯面変動・オーバーシュートの要因になることがある。又、湯面の変動が大きいために、一旦渦流式の測定範囲に入ってしまった後に、再度測定範囲外に低下する場合には、測定範囲外に渦流式レベル計を用いることになり、レベル計として加算して出力を出すことが不能な事態に陥る。更に、熱電対式レベル計と渦流式レベル計の切替えが行なわれる鋳型内湯面レベル付近の熱電対の感度が悪くなったり、浸水してしまった場合等に問題が発生する。つまり、熱電対式と渦流式を切替えるモールドレベル付近の熱電対が不良で、一定値以上に熱電対式レベル計によるモールドレベルの指示値(測定値)が上昇しないような場合には、該熱電対式による指示値が所定の閾値を超えた場合に渦流式に自動的に切替えを行なうような方法を用いることができなくなる。又、切替えを渦流式レベル計の指示値が測定可能範囲に到達したタイミングで実施するようにした場合には、熱電対レベル計の指示値が1本以上の熱電対の間隔分だけ指示値に差が生じた状態であるため、制御に影響を与えない補正値分ずつ切替えていこうとすると、その分だけ遅れ時間が生じ、レベル計としての誤差を生じることから、実湯面のオーバーシュートや、オーバーシュート後の湯面を安定させるまでに湯面変動が生じることになる。
【0010】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、連続鋳造における鋳造開始時、とりわけオートスタート時に熱電対式レベル計から渦流式レベル計への湯面レベル計測値の移行を上述のような操業上の困難を生じさせずに円滑に且つ自動でも行なうことができる湯面レベル計切替えの制御技術を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、鋳型内湯面レベルの定常制御時に湯面レベルの計測に使用する第1の湯面レベル計と、該第1の湯面レベル計に設定された測定範囲と重複する範囲及びそれより低い範囲の湯面レベルを計測可能な第2の湯面レベル計とを有する連続鋳造設備を用いて溶融金属の連続鋳造を開始するに際して、鋳型内への溶融金属の注入開始後、鋳型内湯面レベルが前記第1の湯面レベル計に設定された測定範囲の下限位置に到達するまではゼロ、該下限位置から同レベル計の出力が所定値になるまではゼロから1まで増加し、同レベル計の出力が該所定値以上のときに1となる、湯面レベルLの関数で与えられる重みWEと、(1−WE)で与えられる重みWTとを含む、次式
Lc=WE(L)×Le+WT(L)×Lt
(ここで、Lcは鋳型内湯面レベルの計算値(mm)、
Lは実際の湯面レベル(mm)、
Leは第1のレベル計による湯面レベル測定値(mm)、
Ltは第2のレベル計による湯面レベルの測定値(mm)、
WEは第1のレベル計の重み(−)、
WTは第2のレベル計の重み(−)である。)
により計算される湯面レベルLcを鋳型内湯面レベルとして使用することにより、前記課題を解決したものである。
【0012】
なお、本発明においては、実際の湯面レベルLに代えて第1の湯面レベル計による測定値Leを用いることが好ましい。又、本発明においては、前記第1の湯面レベル計として渦流式レベル計を使用し、前記第2の湯面レベル計として熱電対式レベル計を使用することが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
本発明が適用される連続鋳造設備は、上下解放型の鋳型に上方から溶融金属を注入し、鋳型への抜熱によって少なくとも表面が凝固した鋳片を下方から連続的に引き抜く、縦型の連続鋳造設備である。鋳造される鋳片の断面形状により大別してスラブ連続鋳造設備、ブルーム連続鋳造設備、ビレット連続鋳造設備等があるが、いずれにも適合する。又、鋳片の引き抜き方により大別して垂直型連続鋳造設備、垂直曲げ型連続鋳造設備、全湾曲型連続鋳造設備等があるが、本発明はこれらのいずれの連続鋳造設備にも適合する。
【0015】
但し、鋳型内湯面レベル計として2種類のレベル計を備えていることが必要である。このうち1つは、湯面レベルの定常制御に使用されるものである。湯面レベルの定常制御とは、鋳造の開始や鋳造の終了等、極端に湯面位置が変化する時期を除いた、湯面がほぼ安定している鋳造時期の湯面レベルの制御である。即ち、鋳造される鋳片の品質を可及的に高位に安定させるためには、湯面レベルが目標レベルで安定するように、タンディッシュから鋳型への溶融金属の注入速度や鋳片の引抜き速度を制御することが重要である。このためには湯面レベルを精密に測定する必要があり、このような目的から、現在では渦流式レベル計が多用されている。しかし、この渦流式レベル計は測定できる湯面レベル高さの範囲が比較的狭いことが知られている。
【0016】
もう1つのレベル計は、上記の定常制御用のレベル計で測定できない、低いレベルの湯面レベルを検出可能なものである。多くの場合、熱電対を鋳型壁部に、その高さ方向に間隔をおいて複数埋め込み、これら熱電対により鋳型内壁を構成する銅板の温度の変化を測定することによって湯面位置を把握する、いわゆる熱電対レベル計が用いられる。
【0017】
本発明を実施するに好ましいレベル計の配置の例を図1に示す。この図1には、鋳型10の上部の長辺方向の半分と、該鋳型10内にタンディッシュ(図示せず)から浸漬ノズル12を介して注入された溶鋼Mとの関係が模式的に示してある。渦流式レベル計14の本体である渦流センサは、鋳型10の上方から鋳型内空間であって定常時湯面の上方に所定距離離隔した位置に配置される。
【0018】
一方、熱電対式レベル計16は、図1では省略してある手前側の鋳型銅板(例えばスラブ連続鋳造機では短辺銅板)に高さ方向に所定の間隔ずつ離隔して複数本の熱伝対16Aが埋め込まれた構成になっている。図2には、熱電対式レベル計16を構成する個々の熱電対16Aの設置状況を、該当する鋳型短辺壁の縦断面で示す。
【0019】
この図2に示されるように、注入される溶鋼Mに凝固シェルMcを生長させることにより鋳造する鋳型10が、内壁の銅板10Aと、その外側のバックフレーム10Bとで構成され、前記熱電対16Aの先端が銅板10Aの内部まで差し込まれるようにして配置されている。この熱電対レベル計16としては、例えば23本の熱電対16Aを20mm間隔で埋め込んで形成することができる。なお、熱電対による湯面レベルの測定範囲は、渦流センサによる測定範囲と一部が重複するように配置する。これは、後述するように、本発明ではある高さ範囲においては両者の測定値を重み付き平均したものを湯面レベルの測定値として利用するためである。
【0020】
図3に、鋳造開始時(オートスタート時)の鋳型内湯面(M/D)レベルの上昇と、熱電対式レベル計16及び渦流式レベル計14の測定レンジの一例を示す。本発明では、熱電対式レベル計16の測定結果Ltと、渦流式レベル計14の測定結果Leを用いて、図4に示す各々の重み関数を用いて、以下に再掲する計算式(1)で鋳型内湯面レベルを計算する。
【0021】
Lc=WE(L)×Le+WT(L)×Lt …(1)
【0022】
ここで、Lは実際の湯面レベル(mm)、Leは渦流式レベル計による湯面レベル測定値(mm)、Ltは熱電対式レベル計による湯面レベルの測定値(mm)、WT(L)は熱電対式レベル計の重み(−)、WE(L)は渦流式レベル計の重み(−)、Lcは鋳型内湯面レベルの計算値(mm)である。なお、WT(L)=1−WE(L)の関係にある。
【0023】
渦流式レベル計14による測定可能範囲に設けた所定の下限位置Le(min)(これは、図示は省略するが、測定可能範囲としての下限位置であってもよいし、これよりある程度上に超えたレベルであってもよい)以下ではWE(L)はゼロとする。即ち、専ら熱電対式レベル計16の測定値を湯面レベルの値として用いる。
【0024】
この下限位置から、渦流式レベル計14の出力が所定値となるまでの範囲では、WE(L)は湯面レベルLに応じてゼロから1まで変化する値とする。但し、実際の湯面レベルLは知ることはできないので、熱電対式レベル計16による測定値Ltか、又は渦流式レベル計14による測定値Leを代わりに使用して計算する。熱電対式レベル計は、前述したように個々の熱電対の不良や感度の違い等に問題が有り得るので、好ましくは渦流式レベル計による測定が可能になった時点で、その測定値Leを使用するのがよい。即ち、この場合は、(1)式の代わりに下記の(2)式によって湯面レベルを算出する。
【0025】
Lc=WE(Le)×Le+WT(Le)×Lt …(2)
【0026】
又、この場合もWT(Le)=1−WE(Le)なる関係であることに変わりはない。そして、前記図4は、WE(Le)をLeに対する一次関数として与えた例であるが、WE(Le)は必ずしもLeの一次関数でなくてもよく、熱電対式レベル計の応答性や、渦流式レベル計の感度、あるいは鋳片の引抜き速度とタンディッシュからの溶融金属注入系の流量制御系全体の特性に基づいて、前述したLeの下限値のときにゼロ、渦流式レベル計の出力が前述の所定値に達したときに1となるまで増加する任意の関数としてもよい。
【0027】
上述の構成によって、本発明では従来技術である前記特許第3221990号に記載された発明に比較して、下記の利点が得られる。
【0028】
(1)複数のレベル計の切替えを自動で行なうことができるので、自動制御のままで鋳造開始作業を継続制御できることから、モールドレベルの変動を招くことを防止でき、結果として品質を改善し、製品として扱える鋳片部分を増やすことができるとともに、手動介入する作業負荷を軽減することができる。
【0029】
(2)熱電対式レベル計16で、渦流式レベル計の測定レンジまで湯面を上昇させた後に、精度の良い渦流式レベル計14で連続的に測定し、自動制御を継続することができるので、オートスタート方式の連続鋳造設備において、湯面変動を抑制し、オーバーシュートも防止し、品質を改善することができる。
【0030】
(3)従来は、熱電対式レベル計から渦流式レベル計への切替えの後もある時間経過するまでは一定時間間隔で渦流式レベル計の測定値に熱電対式レベル計との差分を補正値として加味するものであったが、実際には湯面上昇速度は一定ではなく変動することが多いので、そのような場合は制御応答の遅れが発生する恐れがある。しかし、本発明によれば、湯面レベルが渦流式レベル計14の測定範囲に入ると、時間経過と関係なく渦流式レベル計への切替えが行なえるので、湯面上昇速度の変動があってもそれに対する制御応答の遅れを排除でき、湯面変動やオーバーシュートの要因を排除することができる。
【0031】
(4)又、従来技術では、一定時間経過して湯面レベル計を渦流式レベル計に切替えた後は、湯面の変動が大きくて一旦渦流式レベル計の測定範囲に入った後に、再度測定範囲外に低下した場合であっても、測定範囲外の渦流式レベル計の出力を用いるので、湯面レベル制御のための演算が不能な事態に陥るが、本発明では、湯面レベルに応じて自動的に渦流式レベル計14の測定値から熱電対式レベル計16の測定値に切り替わるので、そのような問題は発生しない。このため、スムーズに連続的に自動制御を継続することができる。
【0032】
(5)更に、従来技術では、熱電対式と渦流式を切替える湯面レベル付近の熱電対が不良である場合に問題が発生するが、本発明では、熱電対式レベル計の指示値が1本以上の熱電対の間隔分だけ湯面レベルの測定値に差が生じたとしても、渦流式レベル計の測定範囲に湯面レベルが到達すると渦流式レベル計の測定値に対する重みをゼロから徐々に連続的に増加することができるので、前記(1)式による湯面レベルの値としては連続的に渦流式レベル計14の測定値に時間的な遅れなく収束させることができる。このことにより、湯面レベル計としての誤差を軽減し、実湯面のオーバーシュートを抑制し、湯面変動を抑制することができる。
【0033】
【実施例】
鋳型の内寸が幅600〜1650mm、厚さ200及び260mm、高さ900mmのスラブ連続鋳造設備を用いて、SUS304ステンレス鋼を連続鋳造する操業に本発明及び前述の従来例を適用して実験を行なった。熱電対の配置及び渦流式レベル計の配置は、前記図1、図2に示したとおりである。又、熱電対式レベル計の測定範囲は、前記図3に示したように、鋳型高さ方向中央(図中に−450mmと記した位置)から鋳型上端までの450mmの範囲である。渦流式レベル計の測定範囲は鋳型上端から下方150mmの位置(図中に−150mmと記した位置)までの150mmの範囲である。なお、図3中でML0は湯面レベルの定常制御位置を、P/R速度は鋳片の引抜速度をそれぞれ表わしている。
【0034】
比較例として行なった従来例の適用にあたっては、熱電対式レベル計の測定値が−150mmとなったときに渦流式レベル計の測定値に切替え、その後1秒刻みで30秒にわたって熱電対式レベル計の測定値と渦流式レベル計の測定値の差分から補正値を計算して渦流式レベル計の測定値に補正を加えた。
【0035】
一方、本発明例では、湯面レベルが−150mm以下ではWE=0、湯面レベルが−125mm以上ではWE=1とし、その間WEを湯面レベルに対して直線的に変化する関数に設定した。なお、ここでWE算出のための湯面レベルは渦流式レベル計の測定値Leを用いた。
【0036】
上述のようにして、比較例、本発明例とも100ヒートの鋳造を行ない、製造された鋳片の最ボトム部(即ち鋳造開始時に相当する鋳片であり、ダミーバーの直後に続く部分)の品質を調査した。その結果、湯面レベル制御の不具合によって発生する鋳片表面のオシレーションマークの乱れや、ブリード等の欠陥のために製品として使用できずに切り捨てられるボトムクロップ長さが、比較例では平均5.4mであったのに対して、本発明例では平均2.3mに低減することができた。
【0037】
以上、本発明について具体的に説明したが、本発明は、前記実施形態に示したものに限られるものではく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0038】
【発明の効果】
以上に詳述したように、本発明によれば、鋳型内湯面レベルの定常制御に使用する第1の湯面レベル計と該定常制御用レベル計の測定範囲と重複する範囲及びそれより低い範囲を計測可能な第2の湯面レベル計を有する連続鋳造設備を用いて溶融金属連続鋳造を開始するに際して、両者の測定値の切替えを円滑に且つ自動で行なうことができる。従って、鋳型内の湯面上昇速度の変動があっても湯面レベル制御にオーバーシュートを生じることを防止できると共に、測定レンジの長い前記第2のレベル計の不備があっても連続的に測定でき、結果として湯面変動を抑制することができることから、鋳片の品質を改善し、製品として扱える鋳片部分を増やすことができるという優れた効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態が適用される鋳型を模式的に示す概略斜視図
【図2】熱電対式湯面レベル計の設置状態を模式的に示す鋳型の部分断面図
【図3】湯面レベルとレベル計の測定範囲の関係を示す線図
【図4】湯面レベルとレベル計の重み関数の関係を示す線図
【符号の説明】
10…鋳型
14…渦流式レベル計
16…熱電対式レベル計
Claims (3)
- 鋳型内湯面レベルの定常制御時に湯面レベルの計測に使用する第1の湯面レベル計と、該第1の湯面レベル計に設定された測定範囲と重複する範囲及びそれより低い範囲の湯面レベルを計測可能な第2の湯面レベル計とを有する連続鋳造設備を用いて溶融金属の連続鋳造を開始するに際して、
鋳型内への溶融金属の注入開始後、鋳型内湯面レベルが前記第1の湯面レベル計に設定された測定範囲の下限位置に到達するまではゼロ、該下限位置から同レベル計の出力が所定値になるまではゼロから1まで増加し、同レベル計の出力が該所定値以上のときに1となる、湯面レベルLの関数で与えられる重みWEと、(1−WE)で与えられる重みWTと含む、次式
Lc=WE(L)×Le+WT(L)×Lt
(ここで、Lcは鋳型内湯面レベルの計算値(mm)、
Lは実際の湯面レベル(mm)、
Leは第1のレベル計による湯面レベル測定値(mm)、
Ltは第2のレベル計による湯面レベルの測定値(mm)、
WEは第1のレベル計の重み(−)、
WTは第2のレベル計の重み(−)である。)
により計算される湯面レベルLcを鋳型内湯面レベルとして使用することを特徴とする連続鋳造開始時の湯面レベル計切替制御方法。 - 前記重みWE及びWTを決めるにあたり、実際の湯面レベルLに代えて第1の湯面レベル計による測定値Leを用いることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造開始時の湯面レベル計切替制御方法。
- 前記第1の湯面レベル計として渦流式レベル計を使用し、前記第2の湯面レベル計として熱電対式レベル計を使用することを特徴とする請求項1又は2に記載の連続鋳造開始時の湯面レベル計切替制御方法。
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