[go: up one dir, main page]

JP3832150B2 - 平板状シリカ分散物、該分散物を含有するハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法 - Google Patents

平板状シリカ分散物、該分散物を含有するハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3832150B2
JP3832150B2 JP20588199A JP20588199A JP3832150B2 JP 3832150 B2 JP3832150 B2 JP 3832150B2 JP 20588199 A JP20588199 A JP 20588199A JP 20588199 A JP20588199 A JP 20588199A JP 3832150 B2 JP3832150 B2 JP 3832150B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silver halide
dispersion
gelatin
sensitive material
cyclodextrin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20588199A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000095515A (ja
Inventor
憲 永見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP20588199A priority Critical patent/JP3832150B2/ja
Publication of JP2000095515A publication Critical patent/JP2000095515A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3832150B2 publication Critical patent/JP3832150B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)
  • Silicon Compounds (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平板状シリカ分散物、該分散物を含有するハロゲン化銀写真感光材料(以下、単に感光材料という)及びその処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エレクトロニクスの進歩により映像へのアクセスタイムの短縮化が飛躍的に進み、感光材料の処理も益々迅速化が要求されている。このため、ハロゲン化銀粒子も高感度であることが要求され、平板状ハロゲン化銀粒子がしばしば用いられる。ハロゲン化銀粒子の平板化は、投影面積の増加により単位面積当たりの受光量を増大させるため、感光色素等を多く吸着させることができ、高い分光増感が期待できるためである。
【0003】
ゼラチンをバインダーとする感光材料では、上記平板状ハロゲン化銀粒子の使用については、米国特許第4,386,156号、同4,399,215号、同4,414,304号、同4,425,425号等にその記載が見られる。
【0004】
一方、迅速処理を進めるために、ハロゲン化銀粒子を保護してきたバインダーであるゼラチンの使用量を少なくし現像、定着、水洗及び乾燥速度を高める技術が試みられているが、ゼラチンの使用量が少ないとハロゲン化銀粒子は圧力耐性が減少する。これらを克服する手段として、ハロゲン化銀粒子の調製方法の改良が試みられているが、高感度、低カブリであり、かつ圧力耐性の高いハロゲン化銀粒子はいまだ見つかっていない。
【0005】
これに対し、圧力耐性を向上させる目的で、緩衝剤として機能するラテックスの添加が特公昭53−28086号、リサーチディスクロージャー(Research Disclosure)第195巻、1980年7月等に記載がみられる。さらに平板状ハロゲン化銀粒子とともにラテックスを使用する技術が特開平2−135335号に記載されている。しかしこれらの技術では、迅速処理を達成するためゼラチンの使用量を減らすとともにラテックスを大量に使用するため、圧力耐性の向上は見られるがクッツキなどの膜物性の劣化を生じ、満足する結果は得られていない。
【0006】
ハロゲン化銀乳剤層にコロイダルシリカを添加して圧力耐性を向上する技術が特開平4−214551号、同4−340951号、同5−53230号、同5−53237号等に記載されている。これらによれば、確かに膜物性の劣化は小さいが、効果が出る量まで添加すると、画像形成後の処理済みフィルムの保存で膜がヒビ割れを起こす欠点を有している。これを改良する手段として、コロイダルシリカを表面処理してゼラチンと架橋可能な官能基を導入した技術が特開平6−95300号に開示されている。これによれば、保存でのヒビ割れは改良されるが、感度の低下、特に迅速処理において感度の低下が著しい。感度低下を押さえる手段として、天然又は合成の水溶性ポリマーを用いる方法があるが、水溶性ポリマーは大量に添加すると処理時に感光材料中から溶出し、処理液や自動現像機のローラーを汚染するという問題点がある。
【0007】
従って、迅速処理で現像性の良い感光材料及びその処理方法が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような問題に対して、本発明の課題は、圧力耐性が良好で、処理時の汚れがなく、かつ迅速処理適性に優れた感光材料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、下記手段により達成される。
【0010】
1.平板状シリカ、ゼラチン、架橋性基を有するシクロデキストリン及びシランカップリング剤を用いて形成することを特徴とする平板状シリカ分散物。
【0013】
2.1に記載の平板状シリカ分散物を含有するハロゲン化銀乳剤層又は非感光性親水性コロイド層を有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0014】
.平板状シリカ分散物を含有するハロゲン化銀乳剤層のゼラチン量が1m2当たり0.5〜1.5gであることを特徴とするに記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0015】
又はに記載のハロゲン化銀写真感光材料を全処理時間15〜60秒で処理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0016】
.全処理時間が15〜30秒であることを特徴とするに記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0017】
以下、本発明について具体的に説明する。
【0018】
まず、本発明の平板状シリカ分散物について述べる。
【0019】
本発明で言う平板状シリカとは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウムなどを含有する層状ケイ酸塩類を意味し、カオリン鉱物、雲母粘土鉱物、スメクタイトなどが挙げられる。カオリン鉱物としてはカオリナイト、デイッカイト、ナクライト、ハロイサイト、蛇文石などが挙げられる。雲母粘土鉱物としてはパイロフィライト、タルク、白雲母、膨潤性合成フッ素雲母、セリサイト、緑泥石など挙げられる。スメクタイトとしてはスメクタイト、バーミキュライト、膨潤性合成フッ素バーミキュライトなどが挙げられる。
【0020】
このなかで好ましいものとしては、膨潤性とイオン交換性を有するスメクタイトである。スメクタイトには天然物と合成物の2種類があるが、天然物の例としては、モンモリロナイトとバイデライトがあり、ベントナイト、酸性白土などと呼ばれる粘土として得られ、これらを帯電防止剤として非感光性親水性コロイド層に使用する例が、特開昭60−202438号、同60−239747号に記載されている。
【0021】
しかし透明性が優れている点で合成物が最も好ましく用いられ、さらに耐熱性を高める目的でフッ素を含有するものもある。
【0022】
合成スメクタイトの具体例としては、例えば、コープケミカル(株)製のルーセンタイトSWN、同ルーセンタイトSWFなどを挙げることができる。
【0023】
これらの平板状シリカは、使用される全シリカの投影面積の総和の50%以上がアスペクト比2〜100、更に好ましくは2〜50である。
【0024】
ここで、アスペクト比とは、平板状シリカの投影面積と同一の面積を有する円の直径と2つの平行平面間距離の比を表す。本発明において、平板状シリカ粒子の平均粒径は2〜300nmであって、好ましくは5〜200nmである。また、粒子の厚さは1〜150nmであって、2.5〜100nmが好ましく、特に好ましくは10〜50nmである。
【0025】
また、平板状粒子の粒径分布において、変動係数(投影面積を円近似した場合の標準偏差Sを平均の円換算径Dで割った値、S/Dの100倍)は30%以下、特に20%以下である。
【0026】
本発明に用いられるゼラチンは、アルカリ処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、Bull.Soc.Sci.Phot.Japan,No.16,30,(1966)に記載の酵素処理ゼラチン又はフタル化ゼラチンなどのゼラチン誘導体である。
【0027】
超迅速処理に有利なように、親水性コロイド層中のゼラチン量は片面当たり1.3から3.0g/m2が好ましく、1.5〜2.5g/m2が特に好ましい。
【0028】
また、乳剤層のゼラチン量は片面当たり0.4〜2.0g/m2が好ましく、更に好ましくは0.5〜1.5g/m2である。
【0029】
本発明でいうシクロデキストリンとは、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン等の公知のシクロデキストリンの他に、グルコース、マルトース、蔗糖等を分岐付加又は結合させた分岐シクロデキストリンや分岐シクロデキストリンの一部をアルキル基等の置換基で置換した化合物など、シクロデキストリンの環構造が保持されている化合物であればよい。
【0030】
本発明に用いられるシクロデキストリンは、下記一般式(A)で表される化合物が好ましい。
【0031】
【化1】
Figure 0003832150
【0032】
本発明のゼラチン架橋性を有するシクロデキストリンとは、前記、一般式(A)で表されるシクロデキストリンのヒドロキシル基の一部と以下に示される化合物との反応によって得られる、ゼラチン架橋性基を有する下記一般式(B)で表される化合物である。
【0033】
【化2】
Figure 0003832150
【0034】
一般式(B)において、R1、R2、R3は水素原子、各々置換、無置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基又はゼラチン架橋性基を表し、nは4〜10の整数を表す。但し、R1、R2、R3のうち1分子中2個以上はゼラチン架橋性基を表す。
【0035】
上記ゼラチン架橋性基は、アルコール性ヒドロキシ基とゼラチン中のアミノ基やカルボキシル基と反応する基を少なくとも一つ有するものであればよい。例えば2,4−ジクロロ−6−オキシ−s−トリアジン、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピフルオロヒドリン、エピイオドヒドリン、エチルクロロホルメート、フェニルクロロホルメート、3−ヒドロキシフェニルクロロホルメート、3−メトキシフェニルクロロホルメート、2−クロロエチルクロロホルメート、4−クロロフェニルクロロホルメート等が挙げられるが、好ましくは2,4−ジクロロ−6−オキシ−s−トリアジン、エピクロロヒドリン、エチルクロロホルメートであり、特に好ましくは2,4−ジクロロ−6−オキシ−s−トリアジンである。これらの化合物と反応し、R1〜R3に架橋性基として導入されたものである。
【0036】
シクロデキストリンへの架橋性基の導入は、架橋剤として機能させるため1分子当たり2個以上のゼラチン架橋性基を有すればよい。
【0037】
本発明のゼラチン架橋性基を有するシクロデキストリンのゼラチンへの添加量としてはゼラチン1g当たり0.01〜1.0molが好ましく、より好ましくは0.05〜0.5molである。
【0038】
以下に、ゼラチン架橋性基を有するシクロデキストリンの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0039】
K1 β−シクロデキストリン/2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−s−トリアジンナトリウム塩(1分子当たりのGel架橋性基の平均数2.3)
K2 マルトースが1分子結合したβ−シクロデキストリン/2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−s−トリアジンナトリウム塩(1分子当たりのGel架橋性基の平均数2.3)
K3 β−シクロデキストリン/エピクロロヒドリン(1分子当たりのGel架橋性基の平均数2.4)
K4 マルトースが1分子結合したβ−シクロデキストリン/エピクロロヒドリン(1分子当たりのGel架橋性基の平均数2.4)
K5 β−シクロデキストリン/エチルクロロホルメート(1分子当たりのGel架橋性基の平均数2.4)
【0040】
これらの化合物は、ドイツ特許公開OLS第2,357,252号、特開昭63−83720号、同63−168643号に記載の以下のような合成法を参考にして容易に合成することができる。
【0041】
(K1の合成)
β−シクロデキストリン36.0gを純水500.0gに溶解させ、NaOHでpHを8.5に調整した。この液に2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−s−トリアジンナトリウム41.0gを添加し、NaOHにてpHを8〜9、温度は15℃に保ちながら5時間撹拌した。得られた反応混合物を精製した後、スプレードライ法により粉体として得た。
【0042】
本発明のゼラチンと架橋性を有する化合物とは、例えばゼラチンを硬化することのできる硬化剤をいい、例えばアルデヒド系化合物、トリアジン系化合物、ビニルスルホン系化合物や特開昭63−61243号に記載のカルボキシル活性型硬化剤を挙げることができる。
【0043】
本発明の平板状シリカ分散物に好ましく用いられるシランカップリング剤について述べる。
【0044】
シランカップリング剤としては、特公昭48−3565号、特開昭58−38950号、特開昭59−42540号、特開昭62−209452号などに記載されているものなどゼラチンと架橋可能な官能基を有していればいずれでもよいが、アミノ基及び/又はエポキシ基を有するものが好ましい。以下に、これらシランカップリング剤の例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0045】
【化3】
Figure 0003832150
【0046】
【化4】
Figure 0003832150
【0047】
本発明に好ましく用いられるシランカップリング剤は単独又は複数の組み合わせのいずれで用いてもよく、シランカップリング剤と平板状シリカとの反応方法としては、あらかじめ水又は有機溶媒で分散された平板状シリカとシランカップリング剤とを反応させる方法が好ましい。
【0048】
次に本発明の平板状シリカ分散物の分散方法について述べる。
【0049】
ゼラチン水溶液、平板状シリカ水分散液及びシクロデキストリン水溶液又は架橋性を有するシクロデキストリンの水溶液を混合した後、30〜80℃の温度を保ち、十分剪断力を持つ高速撹拌機(例えばホモミキサー、インペラー等)で撹拌しながら本発明のゼラチンと架橋性を有する化合物を少量ずつ添加した後、前記温度で1〜72時間分散することによって得られる。尚、平板状シリカ分散物に含まれる平板状シリカ、シクロデキストリン、ゼラチンと架橋性を有する化合物のゼラチン1gあたりの添加量は、平板状シリカが0.1〜15g、シクロデキストリンが0.01〜1モル、ゼラチンと架橋性を有する化合物が0.01〜2.5ミリモルである。
【0050】
また、分散する際、凝集を防ぐため分散液にピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウムなどの多リン酸塩、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリメチロールメタンなどの多価アルコール、ポリエチレングリコールアルキルエステルなどの非イオン性重合体などの分散剤を適宜加えることができる。
【0051】
以下、本発明の平板状シリカ分散物の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0052】
分散物例1(B−1)
アルカリ処理ゼラチン150gを7650mlの純水に溶解し、これを40℃に保ち10%β−シクロデキストリン水溶液1100mlを加えた後、コープケミカル(株)製ルーセンタイトSWN(30重量%水分散液;平均粒径14nm)を1000g添加した。得られた液をホモジナイザーで高速撹拌しながら硬化剤として3.7%ホルマリン220mlを1分かけて少量ずつ添加した後、50℃で更に撹拌を5時間行った。得られた分散液は直径3μmのフィルターで濾過して凝集物を取り除いた。
【0053】
分散物例2(B−2)
アルカリ処理ゼラチン150gを7650mlの純水に溶解し、これを40℃に保ち10%β−シクロデキストリン水溶液を1100ml加えた後、分散物例1(B−1)と同じコープケミカル(株)製ルーセンタイトSWNを1000g、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(シランカップリング剤9)を3.0g添加して50℃で1時間撹拌したものを添加した。得られた混合物をホモミキサーで高速撹拌しながら、3.7%ホルマリン220mlを1分かけて少量ずつ添加した後、50℃で更に10時間高速撹拌を行った。得られた分散液は、直径3μmのフィルターで濾過して凝集物を取り除いた。
【0054】
分散物例3(B−3)
硬化剤を下記の化合物RHに代えた以外は分散物1(B−1)と同様にして分散物B−3を得た。
【0055】
【化5】
Figure 0003832150
【0056】
分散物例4(B−4)
アルカリ処理ゼラチンを酸処理ゼラチンに代えた以外は分散物1(B−1)と同様にして分散物B−4を得た。
【0057】
分散物例5(B−5)
β−シクロデキストリンを本発明のゼラチン架橋性を有するシクロデキストリンK1に代えた以外は分散物1(B−1)と同様にして分散物B−5を得た。
【0058】
分散物例6(B−6)
β−シクロデキストリンを本発明のゼラチン架橋性を有するシクロデキストリンK2に代えた以外は分散物1(B−1)と同様にして分散物B−6を得た。
【0059】
分散物例7(B−7)
β−シクロデキストリンを本発明のゼラチン架橋性を有するシクロデキストリンK1に代えた以外は分散物2(B−2)と同様にして分散物B−7を得た。
【0060】
分散物例8(B−8)
β−シクロデキストリンを本発明のゼラチン架橋性を有するシクロデキストリンK2に代えた以外は分散物2(B−2)と同様にして分散物B−8を得た。
【0061】
本発明の平板状シリカ分散物の好ましい使用量は、添加すべき層のバインダーとして用いられているゼラチン量に対して、平板状シリカの乾燥重量比で0.05〜1.0、特に好ましくは0.1〜0.7である。
【0062】
なお、ここで言う添加すべき層のバインダーとして用いられているゼラチンとは、平板状シリカ分散物を添加した際に、その分散物中に含有されるゼラチンも含んでいる。
【0063】
本発明の感光材料に用いるハロゲン化銀粒子としては、高感度を得るために平板粒子が用いられことが好ましい。ハロゲン化銀組成としてAgBr、AgCl、AgClBr、AgClBrI、AgBrI等任意に用いることができるが、AgBr組成に富むAgBrIが好ましい。
【0064】
平板粒子は米国特許第4,439,520号、第4,425,425号、第4,414,304号等に記載されており、容易に目的の平板粒子を得ることができる。平板粒子は、特定表面部位に組成の異なるハロゲン化銀をエピタキシャル成長させたり、シェリングさせたりすることができる。また感光核を制御するために、平板粒子の表面あるいは内部に転移線を持たせてもよい。
【0065】
平板粒子は、平板粒子が使用されている乳剤層の全ハロゲン化銀粒子の投影面積の総和の50%以上がアスペクト比2以上の平板粒子であることが好ましい。特に平板粒子の割合が60%から70%、さらに80%へと増大するほど好ましい結果が得られる。
【0066】
ここでいうアスペクト比とは、平板状ハロゲン化銀粒子の投影面積と同一の面積を有する円の直径と2つの平行平面間距離の比を表す。本発明においてアスペクト比は2以上20未満、3以上16未満であることが好ましい。
【0067】
平板粒子は、厚みが0.5ミクロン以下、好ましくは0.3ミクロン以下であることが好ましい。また、平板粒子の分布は、しばしば使用される変動係数(投影面積を円近似した場合の標準偏差Sを直径Dで割った値S/Dの100倍)が30%以下、特に20%以下である単分散乳剤であることが好ましい。また平板粒子と正常晶の非平板粒子を2種以上混合してもよい。
【0068】
平板粒子の形成時に粒子の成長を制御するためにハロゲン化銀溶剤として例えばアンモニア、チオエーテル化合物、チオン化合物などを使用することができる。また、物理熟成時や化学熟成時に亜鉛、鉛、タリウム、イリジウム、ロジウム等の金属塩等を共存させることができる。
【0069】
化学増感する場合は、イオウ増感、セレン増感、テルル増感、還元増感、貴金属増感及びそれらの組み合わせが用いられる。
【0070】
本発明において適用できる硫黄増感剤としては、米国特許第1,574,944号、同2,410,689号、同2,278,947号、同2,728,668号、同3,501,313号、同3,656,955号、西独出願公開(OLS)1,422,869号、特開昭56−24937号、同55−45016号等に記載されている硫黄増感剤を用いることが出来る。具体例としては、1,3−ジフェニルチオ尿素、トリエチルチオ尿素、1−エチル−3−(2−チアゾリル)チオ尿素などのチオ尿素誘導体、ローダニン誘導体、ジチアカルバミン酸類、ポリスルフィド有機化合物、硫黄単体などが好ましい例として挙げられる。尚、硫黄単体としては斜方晶系に属するα−硫黄が好ましい。
【0071】
化学増感に用いられるセレン増感剤は広範な種類のセレン化合物を含む。例えば、これに関しては、米国特許1,574,944号、同1,602,592号、同1,623,499号、特開昭60−150046号、特開平4−25832号、同4−109240号、同4−147250号等に記載されている。有用なセレン増感剤としては、コロイドセレン金属、イソセレノシアネート類(例えば、アリルイソセレノシアネート等)、セレノ尿素類(例えば、N,N−ジメチルセレノ尿素、N,N,N′−トリエチルセレノ尿素、N,N,N′−トリメチル−N′−ヘプタフルオロセレノ尿素、N,N,N′−トリメチル−N′−ヘプタフルオロプロピルカルボニルセレノ尿素、N,N,N′−トリメチル−N′−4−ニトロフェニルカルボニルセレノ尿素等)、セレノケトン類(例えば、セレノアセトン、セレノアセトフェノン等)、セレノアミド類(例えば、セレノアセトアミド、N,N−ジメチルセレノベンズアミド等)、セレノカルボン酸類及びセレノエステル類(例えば、2−セレノプロピオン酸、メチル−3−セレノブチレート等)、セレノフォスフェート類(例えば、トリ−p−トリセレノフォスフェート等)、セレナイド類(ジエチルセレナイド、ジエチルジセレナイド、トリフェニルフォスフィンセレナイド等)が挙げられる。特に、好ましいセレン増感剤は、セレノ尿素類、セレノアミド類、及びセレノケトン類である。
【0072】
これらのセレン増感剤の使用技術の具体例は下記の特許明細書に開示されている。即ち米国特許1,574,944号、同1,602,592号、同1,623,499号、同3,297,446号、同3,297,447号、同3,320,069号、同3,408,196号、同3,408,197号、同3,442,653号、同3,420,670号、同3,591,385号、フランス特許第2693038号、同2093209号、特公昭52−34491号、同52−34492号、同53−295号、同57−22090号、特開昭59−180536号、同59−185330号、同59−181337号、同59−187338号、同59−192241号、同60−150046号、同60−151637号、同61−246738号、特開平3−4221号、同3−24537号、同3−111838号、同3−116132号、同3−148648号、同3−237450号、同4−16838号、同4−25832号、同4−32831号、同4−96059号、同4−109240号、同4−140738号、同4−140739号、同4−147250号、同4−149437号、同4−184331号、同4−190225号、同4−191729号、同4−195035号、英国特許255846号、同861984号。尚、H.E.Spencer等著Journal of Photographic Science誌、31巻、158〜169頁(1983)等の科学文献にも開示されている。
【0073】
セレン増感剤の使用量は使用するセレン化合物、ハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等により変わるが、一般にハロゲン化銀1モル当たり10-8モル〜10-4モル程度を用いる。また、添加方法は、使用するセレン化合物の性質に応じて水またはメタノール、エタノール、酢酸エチルなどの有機溶媒の単独または混合溶媒に溶解して添加する方法でも、或いは、ゼラチン溶液と予め混合して添加する方法でも、特開平4−140739号に開示されている方法、即ち、有機溶媒可溶性の重合体との混合溶液の乳化分散物の形態で添加する方法でも良い。
【0074】
セレン増感剤を用いる化学熟成の温度は、40〜90℃の範囲が好ましい。より好ましくは45℃以上80℃以下である。またpHは4〜9、pAgは6〜9.5の範囲が好ましい。
【0075】
化学増感に用いられるテルル増感剤及び増感法に関しては、米国特許第1,623,499号、同3,320,069号、同3,772,031号、同3,531,289号、同3,655,394号、英国特許第235,211号、同1,121,496号、同1,295,462号、同1,396,696号、カナダ特許第800,958号、特開平4−204640号、同平4−333043号等に開示されている。有用なテルル増感剤の例としては、テルロ尿素類(例えば、N,N−ジメチルテルロ尿素、テトラメチルテルロ尿素、N−カルボキシエチル−N,N′−ジメチルテルロ尿素、N,N′−ジメチル−N′フェニルテルロ尿素)、ホスフィンテルリド類(例えば、トリブチルホスフィンテルリド、トリシクロヘキシルホスフィンテルリド、トリイソプロピルホスフィンテルリド、ブチル−ジイソプロピルホスフィンテルリド、ジブチルフェニルホスフィンテルリド)、テルロアミド類(例えば、テルロアセトアミド、N,N−ジメチルテルロベンズアミド)、テルロケトン類、テルロエステル類、イソテルロシアナート類などが挙げられる。
【0076】
テルル増感剤の使用技術は、セレン増感剤の使用技術に準じる。
【0077】
本発明に於いては、還元増感を併用することも好ましい。該還元増感は、ハロゲン化銀粒子の成長途中に施すのが好ましい。成長途中に施す方法としては、ハロゲン化銀粒子が成長しつつある状態で還元増感を施す方法だけでなく、ハロゲン化銀粒子の成長を中断した状態で還元増感を施し、その後に還元増感されたハロゲン化銀粒子を成長させる方法をも含む。
【0078】
本発明に使用される金増感剤としては、塩化金酸、チオ硫酸金、チオシアン酸金等の他に、チオ尿素類、ローダニン類、その他各種化合物の金錯体を挙げることができる。
【0079】
硫黄増感剤、セレン増感剤、テルル増感剤、還元増感剤及び金増感剤の使用量は、ハロゲン化銀乳剤の種類、使用する化合物の種類、熟成条件などによって一様ではないが、通常は、ハロゲン化銀1モル当たり、1×10-4モル〜1×10-9モルであることが好ましい。更に好ましくは1×10-5モル〜1×10-8モルである。
【0080】
本発明において硫黄増感剤、セレン増感剤、テルル増感剤、還元増感剤及び金増感剤の添加方法は、水或いはアルコール類、その他無機或いは有機溶媒に溶解し、溶液の形態で添加しても良く、水に不溶性の溶媒或いはゼラチンのような媒体を利用して、乳化分散させて得られる分散物の形態で添加しても良い。
【0081】
本発明に用いる増感色素は、ハロゲン化銀粒子形成時ならびに形成後塗布までの任意の時期に添加してよいが、脱塩工程終了前が好ましい。
【0082】
添加するときの反応液(通常反応釜中)のpHは、4〜10の範囲内であることが好ましい。更に好ましくはpH6〜9の範囲内がよい。反応液(反応釜)中のpAgは5〜11であることが好ましい。
【0083】
本発明において用いる分光増感色素は任意である。例えばシアニン色素を好ましく用いることができる。その場合、特開平1−100533号に記載された一般式(I)〜(III)で表されるS−1〜S−124の化合物を好ましく使用できる。
【0084】
なお、上記分光増感色素を添加する場合は、2種以上を併用してもよい。この場合には2種以上の分光増感色素を混合して同時に添加してもよいし、また異なる時期に別々に添加してもよい。また、添加量は、銀1モル当たり1mg〜1000mg、好ましくは5mg〜500mgがよい。更に、これらの分光増感色素を添加する前にヨウ化カリウムを添加しておいてその後に添加することが好ましい。
【0085】
分光増感色素は、直接乳剤中へ分散することができる。また、これらは適当な溶媒、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、メチルセロソルブ、アセトン、水、ピリジン、あるいはこれらの混合溶媒に溶解し、溶液の形で添加することもできる。また、溶解に超音波を使用することもできる。また、水不溶性分光増感色素を水に溶解することなしに高速インペラー分散により微粒子分散液として添加してもよい。
【0086】
本発明においては、マット剤として米国特許第2,992,101号、同第2,701,245号、同第4,142,894号、同第4,396,706号に記載のようなポリメチルメタクリレートのホモポリマーまたはメチルメタクリレートとメタクリル酸とのコポリマー、デンプンなどの有機化合物、シリカ、二酸化チタン、硫酸ストロンチウム、硫酸バリウム等の無機化合物の微粒子を用いることができる。粒子サイズとしては、0.6〜10μm、特に1〜5μmであることが好ましい。
【0087】
本発明の感光材料の表面層には滑り剤として米国特許第3,489,576号、同第4,047,958号等に記載のシリコーン化合物、特公昭56−23139号公報に記載のコロイダルシリカの他に、パラフィンワックス、高級脂肪酸エステル、デンプン誘導体等を用いることができる。
【0088】
感光材料の構成層には、トリメチロールプロパン、ペンタンジオール、ブタンジオール、エチレングリコール、グリセリン等のポリオール類を可塑剤として添加することができる。
【0089】
さらに、耐圧力性向上の目的で本発明の平板状シリカ分散物とは別に、更に、ポリマーラテックスを感光材料中に含有させることが好ましい。ポリマーとしてはアクリル酸のアルキルエステルのホモポリマーまたはアクリル酸、スチレン等とのコポリマー、スチレン−ブタジエンコポリマー、活性メチレン基、水溶性基またはゼラチンとの架橋性基を有するモノマーからなるポリマーまたはコポリマーを好ましく用いることができる。とくに、バインダーであるゼラチンとの親和性を高めるために、アクリル酸のアルキルエステル、スチレン等疎水性モノマーを主成分とした水溶性基またはゼラチンとの架橋性基を有するモノマーとのコポリマーが最も好ましく用いられる。水溶性基を有するモノマーの望ましい例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸等であり、ゼラチンとの架橋性基を有するモノマーの望ましい例としてはアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、N−メチロールアクリルアミド等である。ポリマーラテックスの添加量は、固形分量で感材1m2片面当たり0.1〜1g/m2が好ましい。
【0090】
本発明の感光材料には、この他、目的に応じて種々の添加剤を添加することができる、使用されるその他の添加剤としては、例えばリサーチ・ディスクロージャー(RD)No.17643(1978年12月)、同No.18716(1979年11月)及び同No.308119(1989年12月)に記載されたものが挙げられる。それらの記載箇所を以下に掲げる。
【0091】
【表1】
Figure 0003832150
【0092】
本発明の感光材料が医療用両面乳剤X線感材として利用される場合は、画像鮮鋭性を向上させる目的で、横断光遮断層を設けることが好ましい。該横断光遮断層には横断光を吸収させる目的で染料の固体微粒子分散体が含有される。このような染料としては、例えばpH9以上のアルカリには可溶で、pH7以下では難溶な構造を有する染料であれば特に制限はないが、現像処理時の脱色性がよい点で特開平6−30870号記載の一般式(I)の化合物が好ましく用いられる。
【0093】
本発明の感光材料に用いることのできる支持体としては、例えば前述の(RD)17643の28頁及び(RD)308119の1009頁に記載されているものが挙げられる。
【0094】
本発明の感光材料は、全処理時間が15〜60秒である自動現像機による迅速現像処理において、すぐれた性能を示す。
【0095】
本発明の迅速処理において現像、定着等の温度及び時間は25℃〜50℃で各々25秒以下であるが、好ましくは30℃〜40℃で4秒〜15秒である。本発明においては、感光材料は現像、定着された後水洗される。ここで、水洗工程は、2〜3段の向流水洗方式を用いることによって、節水処理することができる。また少量の水洗水で水洗するときにはスクイズローラー洗浄槽を設けることが好ましい。本発明では現像、定着、水洗された感光材料はスクイズローラーを経て乾燥される。乾燥は40℃〜80℃で4秒〜30秒で行われる。本発明における全処理時間とは自動現像機の挿入口にフィルムの先端を挿入してから、現像槽、渡り部分、定着槽、渡り部分、水洗槽、渡り部分、乾燥部分を通過して、フィルムの先端が乾燥出口からでてくるまでの全時間である。本発明の感光材料は、圧力特性を損なうことなく、バインダーとして用いられるゼラチンを減量することができるため、全処理時間が15〜30秒の迅速処理においても現像速度、定着速度、乾燥速度を損なうことなく、現像処理をすることができる。
【0096】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0097】
実施例1
(種乳剤−1の調製)
1
オセインゼラチン 24.2g
水 9657ml
ポリプロピレンオキシ−ポリエチレンオキシ−ジサクシネートナトリウム塩
(10%エタノール水溶液) 6.78ml
臭化カリウム 10.8g
10%硝酸 114ml
1
2.5N 硝酸銀水溶液 2825ml
1
臭化カリウム 824g
沃化カリウム 23.5g
水で 2825mlに仕上げる
1
1.75N 臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量
35℃で特公昭58−58288号記載の混合撹拌機を用い溶液A1に溶液B1及び溶液C1の各々464.3mlを同時混合法により1.5分を要して添加し、核形成を行った。
【0098】
溶液B1及び溶液C1の添加を停止した後、60分の時間を要して溶液A1の温度を60℃に上昇させ、3%KOHでpHを5.0に合わせた後、再び溶液B1と溶液C1を同時混合法により各々55.4ml/minの流量で42分間添加した。この35℃から60℃への昇温及び溶液B1、C1による再同時混合の間の銀電位(飽和銀−塩化銀電極を比較電極として銀イオン選択電極で測定)を溶液D1を用いてそれぞれ+8mV及び+16mVになるよう制御した。
【0099】
添加終了後3%KOHによってpHを6に合わせ直ちに脱塩、水洗を行った。この種乳剤はハロゲン化銀粒子の全投影面積の90%以上が最大隣接辺比が1.0〜2.0の六角平板粒子よりなり、六角平板粒子の平均厚さは0.06μm、平均粒径(円直径換算)は0.59μmであることを電子顕微鏡にて確認した。また厚さの変動係数は40%、双晶面間距離の変動係数は42%であった。
【0100】
(Em−1の調製)
上記の種乳剤−1と以下に示す4種の溶液を用い、コア/シェル型構造を有する平板粒子を含む乳剤を調製した。
【0101】
2
オセインゼラチン 11.7g
ポリプロピレンオキシ−ポリエチレンオキシ−ジサクシネートナトリウム塩
(10%エタノール水溶液) 1.4ml
種乳剤−1 0.10モル相当
水で 550mlに仕上げる
2
オセインゼラチン 5.9g
臭化カリウム 6.2g
沃化カリウム 0.8g
水で 145mlに仕上げる
2
硝酸銀 10.1g
水で 145mlに仕上げる
2
オセインゼラチン 6.1g
臭化カリウム 94g
水で 304mlに仕上げる
2
硝酸銀 137g
水で 304mlに仕上げる
67℃で激しく撹拌したA2液に、ダブルジェット法にてB2液とC2液を58分で添加した。次に同じ液中にD2液とE2液をダブルジェット法にて48分添加した。この間、pHは5.8、pAgは8.7に保った。
【0102】
添加終了後、種乳剤−1と同様に脱塩、沈澱を行い40℃にてpAg8.5、pH5.85の平均沃化銀含有率が約0.5モル%の乳剤を得た。
【0103】
得られた乳剤を電子顕微鏡にて観察したところ、投影面積の81%が平均粒径0.96μm、粒径分布の広さが19%で、平均アスペクト比4.5の平板状ハロゲン化銀粒子であった。また双晶面間距離(a)の平均は0.019μmであり、(a)の変動係数は28%であった。
【0104】
得られた乳剤(Em−1)を、60℃に昇温し、分光増感色素の所定量を、固体微粒子状の分散物として添加した後に、アデニン、チオシアン酸アンモニウム、塩化金酸及びチオ硫酸ナトリウムの混合水溶液及びトリフェニルフォスフィンセレナイドを酢酸エチルとメタノールの混合溶媒に溶かして得た溶液を加え、更に60分後に沃化銀微粒子乳剤を加え、総計2時間の熟成を施した。熟成終了時に安定剤として4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン(TAI)の所定量を添加した。
【0105】
上記の添加剤とその添加量(AgX1モル当たり)を下記に示す。
【0106】
分光増感色素(A) 120mg
分光増感色素(B) 2.0mg
アデニン 15mg
チオシアン酸カリウム 95mg
塩化金酸 2.5mg
チオ硫酸ナトリウム 2.0mg
トリフェニルフォスフィンセレナイド 0.4mg
沃化銀微粒子 280mg
4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン
(TAI) 50mg
分光増感色素の固体微粒子状分散物は、特開平5−297496号に記載の方法に準じて調製した。即ち分光増感色素の所定量を予め27℃に調温した水に加え、高速撹拌機(ディゾルバー)で、500rpmにて30〜120分間にわたって撹拌することによって得た。
【0107】
分光増感色素(A);5,5′−ジクロロ−9−エチル−3,3′−ジ−(スルホプロピル)オキサカルボシアニン−ナトリウム塩無水物
分光増感色素(B);5,5′−ジ−(ブトキシカルボニル)−1,1′−ジエチル−3,3′−ジ−(4−スルホブチル)ベンゾイミダゾロカルボシアニン−ナトリウム塩無水物
以下の塗布液を、下引き処理済のブルーに着色した厚さ175μmのポリエチレンテレフタレート支持体の両面に下から横断光遮光層、乳剤層、乳剤保護層の順に同時重層塗布した後、乾燥した。
【0108】
(試料の作成)
第1層(横断光遮光層)
Figure 0003832150
第2層(乳剤層)
上記で得た各々の乳剤に下記の各種添加剤を加えた。
【0109】
Figure 0003832150
ただし、ゼラチンとしては表2記載の量になるように調整した。
【0110】
第3層(保護層)
Figure 0003832150
【化6】
Figure 0003832150
【化7】
Figure 0003832150
【化8】
Figure 0003832150
【0111】
なお、素材の付量は片面分であり、塗布銀量は片面分として1.6g/m2になるように調整した。
【0112】
1)感度の評価
得られた試料をX線写真用増感紙SRO−250(コニカ(株)製)ではさみ、ペネトロメータB型を介してX線照射後、ローラー搬送型自動現像機(SRX−501:コニカ(株)製)を用い下記組成の現像液、定着液にて下記の処理1、処理2の条件で処理を行った。
【0113】
(処理1)
現像 35℃ 14.0秒
定着 34℃ 9.7秒
水洗 26℃ 9.0秒
スクイズ 2.4秒
乾燥 55℃ 8.3秒
合計(Dry To Dry)43.4秒
【0114】
現像液処方
Part−A(12リットル仕上げ用)
水酸化カリウム 450g
亜硫酸カリウム(50%溶液) 2280g
ジエチレンテトラアミン5酢酸 120g
重炭酸水素ナトリウム 132g
5−メチルベンゾトリアゾール 1.2g
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.2g
ハイドロキノン 340g
水を加えて 5000mlに仕上げる。
Part−B(12リットル仕上げ用)
氷酢酸 170g
トリエチレングリコール 185g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 22g
5−ニトロインダゾール 0.4g
スターター
氷酢酸 120g
臭化カリウム 225g
水を加えて 1.0リットルに仕上げる。
【0115】
Figure 0003832150
【0116】
現像液の調製は水約5リットルにPartA、PartBを同時添加し、撹拌溶解しながら水を加え12リットルに仕上げ氷酢酸でpHを10.40に調整した。これを現像補充液とする。
【0117】
この現像補充液1リットルに対して前記のスターターを20ml/リットル添加しpHを10.26に調整し使用液とする。
【0118】
定着液の調製は水約5リットルにPartA、PartBを同時添加し、撹拌溶解しながら水を加え18リットルに仕上げ、硫酸とNaOHを用いてpHを4.4に調整した。これを定着補充液とする。
【0119】
(処理2)
自動現像機は、処理1で用いたSRX−501(コニカ(株)製)を改造して搬送スピードを速めたものを用い、現像液、定着液は処理1と同様のものを使用して下記の条件で処理した。
【0120】
現像 38℃ 7秒
定着 37℃ 4秒
水洗 26℃ 7秒
スクイズ 2.4秒
乾燥 58℃ 4秒
合計(Dry to Dry)24.4秒
感度は試料1がカブリ+1.0の濃度を与えるのに要した露光エネルギー量の逆数を100とした相対値で表した。最高濃度は試料に光を爆射した時に得られる黒化濃度を示す。
【0121】
2)圧力耐性の評価
得られた試料を23℃相対湿度40%RH条件下で2時間放置後、新東科学(株)製連続荷重引掻試験機(HEIDON−18型)を用い、直径0.1mmのサファイヤ針で0〜200gの連続荷重で試料の表面を摩擦後、未露光のまま上記処理1と同じ現像処理を行い、黒化濃度がカブリ+0.1になる荷重を求めた。つまり、この値が大きい程、圧力耐性がよいことになる。
【0122】
3)ローラー汚れの評価
1)の感度の評価での処理1、2の各々に対し、250mm×300mmサイズに切り出した試料を2000枚連続処理した後、自動現像機の、現像槽から定着槽への渡りローラーに付着した汚れを観察し、以下の評価基準にて評価を行い、結果を表2に示した。
【0123】
評価基準
○:汚れの付着なし
△:少し汚れが付着しているが、実用上耐えうるレベル
×:汚れがひどく、実用上問題のあるレベル
××:ローラー全面に渡って汚れが付着し、完全に使用できないレベル
【0124】
【表2】
Figure 0003832150
【0125】
表2から明かなように本発明の平板状シリカ分散物を用いた感光材料は、圧力耐性に優れた感光材料であり、かつ迅速処理で処理時の汚れが少ない処理方法であることが分かる。
【0126】
【発明の効果】
本発明により、圧力耐性が良好で、処理時の汚れがなく、かつ迅速処理適性に優れた感光材料及びその処理方法が得られた。

Claims (5)

  1. 平板状シリカ、ゼラチン、架橋性基を有するシクロデキストリン及びシランカップリング剤を用いて形成することを特徴とする平板状シリカ分散物。
  2. 請求項1に記載の平板状シリカ分散物を含有するハロゲン化銀乳剤層又は非感光性親水性コロイド層を有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 平板状シリカ分散物を含有するハロゲン化銀乳剤層のゼラチン量が1m 2 当たり0.5〜1.5gであることを特徴とする請求項2に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  4. 請求項2又は3に記載のハロゲン化銀写真感光材料を全処理時間15〜60秒で処理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
  5. 全処理時間が15〜30秒であることを特徴とする請求項4に記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
JP20588199A 1998-07-21 1999-07-21 平板状シリカ分散物、該分散物を含有するハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法 Expired - Fee Related JP3832150B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20588199A JP3832150B2 (ja) 1998-07-21 1999-07-21 平板状シリカ分散物、該分散物を含有するハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-204990 1998-07-21
JP20499098 1998-07-21
JP20588199A JP3832150B2 (ja) 1998-07-21 1999-07-21 平板状シリカ分散物、該分散物を含有するハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000095515A JP2000095515A (ja) 2000-04-04
JP3832150B2 true JP3832150B2 (ja) 2006-10-11

Family

ID=26514776

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20588199A Expired - Fee Related JP3832150B2 (ja) 1998-07-21 1999-07-21 平板状シリカ分散物、該分散物を含有するハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3832150B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000095515A (ja) 2000-04-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6015656A (en) Tabular silica dispersion and silver halide photographic light sensitive material
JP3832150B2 (ja) 平板状シリカ分散物、該分散物を含有するハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法
EP0844515B1 (en) Silver halide photographic light sensitive material
JP2876133B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
DE69811866T2 (de) Fotografisches Element mit verbessertem Geschwindigkeit : Dmin Verhältnis und Verfahren zu seiner Herstellung
EP0693710A1 (en) Silver halide photographic element and processing method thereof
JP2996935B2 (ja) 少量のゼラチンを有する感光性ハロゲン化銀写真材料及びゼラチンを有しないフォトサーモグラフ材料、及び前記材料の製造方法
JP2643697B2 (ja) ゼロメチン色素とテトラアザインデンを用いる改良された平板状粒子の増感
JP3545680B2 (ja) 染料の固体微粒子分散物
JPH0764232A (ja) ハロゲン化銀写真要素及びその処理方法
JPH10206997A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH0829914A (ja) ハロゲン化銀写真要素及びその処理方法
JP2684260B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP3682143B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP3306529B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH10133321A (ja) ハロゲン化銀写真要素及びその処理方法
JPH10153833A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法
JPH09258369A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法
JPH09258377A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH0862756A (ja) ハロゲン化銀写真要素及びその処理方法
JPH10260498A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法
JPH07261306A (ja) ハロゲン化銀写真要素及びその処理方法
JPH10319532A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH1069019A (ja) ハロゲン化銀写真要素及びその処理方法
JPH0876316A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051220

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060328

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060627

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060710

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100728

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees