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JP3832073B2 - ガス測定装置 - Google Patents

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JP3832073B2
JP3832073B2 JP03800998A JP3800998A JP3832073B2 JP 3832073 B2 JP3832073 B2 JP 3832073B2 JP 03800998 A JP03800998 A JP 03800998A JP 3800998 A JP3800998 A JP 3800998A JP 3832073 B2 JP3832073 B2 JP 3832073B2
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はガス測定装置に関し、更に詳しくは、加熱脱着法を用いたガス濃縮装置を備えたガス測定装置に関する。本発明に係るガス測定装置は、例えば、食品や香料の品質検査、悪臭公害の定量検知、焦げ臭検知による火災警報機、更には、人物の追跡、識別、認証や薬物検査等の犯罪捜査等の幅広い分野に利用可能である、におい測定装置等に適用することができる。
【0002】
【従来の技術】
ガス測定装置では、比較的低濃度の試料ガスを測定する場合、被測定成分の濃度を高めるために加熱脱着法(サーマルデソープション)によるガス濃縮処理が行なわれることがある。図4は、このようなガス濃縮処理の際の昇温パターン(a)及びそれに対応する成分濃度(b)を示す状態図である。加熱脱着法では、まず、被測定成分を主として吸着する吸着剤を充填した濃縮管を常温又は常温より若干高い一定温度T0に維持し、該濃縮管に試料ガスを流通させて該試料ガスに含まれる被測定成分を吸着剤に吸着させる。そして、充分に被測定成分が吸着された後に、濃縮管にキャリアガス(一般には窒素、ヘリウム等の希ガス)を流しつつ、濃縮管に付設したヒータにより吸着剤の温度をT2まで急速に上昇させ、温度T2に維持する。これにより、吸着されていた被測定成分が短時間の間に吸着剤から脱離し、図4(b)に示すように、高い濃度でガスセンサ等から成る検出部に導入される。できるだけ成分濃度を高めるには、濃縮管を急峻に昇温することが望ましいので、通常、図4(a)に示すように目標温度T2まで一定の急勾配でもって昇温が行なわれる。この昇温の勾配は、主としてヒータの加熱能力によって制限される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ガス測定装置の一種であるにおい測定装置では、測定対象のにおいガスに種々の成分が含まれている可能性がある。従って、においガスに含まれる成分(或いは類似した構造又は性質を有する複数の成分から成る成分群)を分離してそれぞれ検出し、定性分析を行なうことができれば、においの識別能力も向上する。
【0004】
しかしながら、上記濃縮管の吸着剤には、或る一定分子量以上の複数の成分が吸着されるから、加熱による脱離時には、種類の異なる複数の成分がほぼ一体となって検出部(においセンサ)に導入される。例えば導電性高分子から成る感応膜を有するにおいセンサは、通常、複数の成分に対して応答する。このため、検出部では、各被測定成分を分離して検出することはできなかった。
【0005】
また、種類の異なる被測定成分を時間的に分離するために、濃縮管の加熱の温度勾配を緩やかにすると、成分の脱離速度が遅くなり、該成分の濃度が薄くなる。このため、濃縮の効果がなくなり、成分濃度がにおいセンサの検出限界未満になると測定自体が不可能になってしまう。
【0006】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、加熱脱着による濃縮の効果を保ちつつ、複数の被測定成分を分離して測定することができるガス測定装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために成された本発明は、試料ガス中の成分濃度を高める濃縮手段と、成分濃縮されたガス中の複数の成分を検出する検出手段とを具備するガス測定装置において、前記濃縮手段は、
a)吸着剤を充填した捕集手段と、
b)該捕集手段に試料成分を含む試料ガスとキャリアガスとを選択的に供給するための流路切替手段と、
c)前記捕集手段を加熱する加熱手段と、
d)所定温度範囲まで昇温した後に該温度範囲内に温度を所定時間維持し、その後に該温度範囲の上限よりも高い温度まで昇温するように前記加熱手段を制御する加熱制御手段と、
を備え、或る一定温度に制御された前記捕集手段に試料ガスを供給して試料成分を吸着剤に吸着させ、その後に該捕集手段にキャリアガスを供給するとともに前記加熱制御手段により前記加熱手段を制御し、温度に応じた試料成分を吸着剤から脱離させキャリアガスに乗せて前記検出手段に導入することを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
すなわち、本発明に係るガス測定装置の濃縮手段は、各試料成分の吸着剤からの脱離温度(通常ほぼ沸点である)の相違に応じて、該試料成分を複数に時間的に分離する。例えば、上記加熱制御手段は、まず第一温度まで昇温した後に所定時間該温度を維持し、次いで該第一温度よりも高い第二温度まで昇温する、というように段階的に昇温を行なう構成とすることができる。このとき、第一温度は、時間的に分離したい二つの成分又は成分群のそれぞれの脱離温度の間の適宜の値に設定される。
【0009】
この構成では、試料ガスに含まれる複数の試料成分が吸着剤に吸着された後、加熱制御手段は第一温度まで急峻に温度が上昇するように加熱手段を制御する。吸着剤の温度が第一温度近傍に維持されると、該第一温度以下の脱離温度を有する試料成分が吸着剤から急速に放出され、キャリアガスに乗って高濃度でもって検出手段に導入される。このとき、第一温度よりも脱離温度の高い試料成分は吸着剤から脱離しないので、検出手段は相対的に低い脱離温度を有する試料成分を高感度に検出する。該試料成分が殆ど吸着剤から放出され終わった後、加熱制御手段は第二温度まで急峻に温度が上昇するように加熱手段を制御する。すると、該第一温度以上の脱離温度を有する試料成分が吸着剤から急速に放出され、キャリアガスに乗って高濃度でもって検出手段に導入される。このようにして、検出手段は低い脱離温度の試料成分と高い脱離温度の成分とを時間的に分離して検出する。
【0010】
なお、本発明に係るガス測定装置では、加熱制御手段が繰り返し昇温制御を行なうことにより、三段階以上の多段階に昇温し、各種成分をその段階毎に分離して検出するようにすることもできる。
【0011】
一般に、試料成分の沸点は分子量と強い相関関係がある。従って、上述のように脱離温度の相違により試料成分を分離すると、分子量が相違する試料成分を分離することになる。
【0012】
【発明の効果】
このように本発明に係るガス測定装置によれば、分子量が大きく相違する試料成分を時間的に分離し、且つ分離された各試料成分が高濃度で検出される。このため、成分又は成分群毎の定性分析が可能になる。また、本発明をにおい測定装置に適用すれば、成分毎に分離したより詳細な情報が与えられるので、においの識別や分類等の処理がより正確に又厳密に行なえる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明に係るガス測定装置の一実施例であるにおい測定装置を図面を参照して説明する。図1は本実施例のにおい測定装置のガス流路を中心とする構成図、図2は本実施例における成分濃縮手段の昇温パターン(a)及びそれに対応する成分濃度(b)の一例を示す状態図である。
【0014】
まず図1により、このにおい測定装置の構成を説明する。純粋な窒素ガスを充填した窒素ガス容器10のガス出口に設けられた定圧バルブ11の出口側の流路は、それぞれニードルバルブ13、15を備える二本の第一及び第二なる窒素ガス流路12、14に分岐される。試料ガス流路16と第一窒素ガス流路12とは、三方バルブ17により選択的に六方バルブ(6ポート2ポジションバルブ)18のポートaに接続される一方、第二窒素ガス流路14は六方バルブ18のポートdに接続されている。六方バルブ18のポートcとポートfとの間には、加熱用のヒータ20が付設された捕集管19が接続されている。この捕集管19には、測定対象の試料成分に応じて、例えば、カーボン系吸着剤やそのほかの適宜の吸着剤が充填される。また、捕集管19には温度センサ21が密着して又はごく近傍に設置されている。
【0015】
六方バルブ18のポートbは、三方バルブ22により、第一排出流路23又はニードルバルブ25とポンプ26とが備えられた第二排出流路24に選択的に接続される。六方バルブ18のポートeは複数のにおいセンサ28を備えるフローセル27に接続され、その下流側はバルブ30と逆止弁31とが備えられた第三排出流路29となっている。においセンサ28の各検出信号は信号処理部32に入力されている。また、フローセル27は、図示しない恒温槽内に設置されており、所定温度範囲で雰囲気温度が自由に調節できるようになっている。においセンサ28は、例えば導電性高分子を感応膜としたものであって、その導電性高分子の種類(例えばポリピロール、ポリチオフェン等)や導入されるドーパントの種類を変えることにより、各チャンネル毎に異なる応答特性を持たせるようにしている。
【0016】
各バルブの開閉動作等の制御を司る制御部33は加熱制御部34を含み、加熱制御部34は、後記昇温パターンを成すデータが格納されるメモリ35を含んでいる。加熱制御部34は、温度センサ21によるモニタ温度がメモリ35にて指示される目標温度となるように、ヒータ20に供給する加熱電力を調節する。メモリ35には、予め(例えば当該装置の工場出荷前に)決められた昇温パターンに基づいて作成されたデータを格納しておくようにしてもよいし、或いは、制御部33に付設された操作部36を介して、使用者により入力設定された昇温パターンに基づいて作成されたデータを格納するようにしてもよい。
【0017】
例えば、使用者が操作部36を介して昇温パターンを入力設定する場合、温度変化点毎の時刻t(測定開始時点からの経過時間)と目標温度Tとの組をパラメータとして入力することにより昇温パターンを設定するようにしておくことができる。具体的に、図2(a)に示す昇温パターンでは、(t,T)として(t0,T0)、(t1,T1)、(t2,T1)、(t3,T2)、(t4,T2)を入力する。ここで、温度T1、T2は、分離して検出したい成分又は成分群に応じて適宜決められるが、これについては後で詳述する。なお、温度T0は実際には加熱していないときの温度(常温)であるので、上記(t0,T0)におけるT0の値は意味がなく、加熱開始時刻t0を指示するためのみに利用される。勿論、他の入力方法により昇温パターンを設定するようにしてもよい。
【0018】
本実施例によるにおい測定装置の特徴は、図4(a)に示すように加熱脱離時に捕集管19の昇温を一定勾配で行なうのではなく、図2(a)に示すように成分又は成分群に応じた昇温パターンをもって段階的に加熱を行なうことにある。この昇温パターン従って加熱脱着を行なう場合の、におい測定装置の動作を詳述する。
【0019】
〔i〕サンプリング期間(図2(a)中の期間I)
まず、制御部33は、試料ガス流路16が六方バルブ18のポートaに接続されるように三方バルブ17を切り替えるとともに、六方バルブ18のポートbが第二排出流路24に接続されるように三方バルブ22を切り替える。また、図1に破線で示す接続状態に六方バルブ18を切り替え、ポンプ26を作動させる。すると、ポンプ26の吸引力により、試料ガス流路16に導入された試料ガスは三方バルブ17及び六方バルブ18を介して捕集管19を通り(図1中の左から右方向)、更に六方バルブ18、三方バルブ22、ニードルバルブ25を通って第二排出流路24の出口から排出される。この試料ガスは、例えば清浄空気に測定対象の試料成分(におい成分)を含むものである。このとき捕集管19は常温又は常温より若干高い所定温度(T0:例えば40℃程度)に維持され、試料ガスが捕集管19を通過する際に試料ガスに含まれる試料成分は吸着剤に吸着される。
【0020】
一方、窒素ガス容器10のガス出口のガス圧は高くなっているので、第二窒素ガス流路14を通して供給される窒素ガスは六方バルブ18を介してフローセル27に流通し、第三排出流路29の出口から排出される。窒素ガスの流量は、ニードルバルブ15の開度により適宜に調節される。これにより、においセンサ28は常時窒素ガス雰囲気中に保持される。このため、においセンサ28の感応膜は酸素等の不所望のガスにより汚染又は損傷を受ける恐れがない。
【0021】
〔ii〕ドライパージ期間(図2(a)中の期間II)
所定時間、捕集管19に試料ガスを流通させた後、制御部33は、三方バルブ17を切り替えて第一窒素ガス流路12を六方バルブ18のポートaに接続するとともに、三方バルブ22を切り替えて六方バルブ18のポートbを第一排出流路23に接続する。すると、試料ガスに代わって、窒素ガス容器10より供給された窒素ガスが、第一窒素ガス流路12−三方バルブ17−六方バルブ18−捕集管19−六方バルブ18−三方バルブ22を通り、第一排出流路23の出口から排出される。これにより、捕集管19を含む上記流路内部に残っている試料ガスは、窒素ガスにより外部へ押し出される。このとき、捕集管19は上記サンプリング期間Iと同様に所定温度(T0)に維持されるので、先に吸着剤に吸着された試料成分はそのまま残る。一方、フローセル27には窒素ガスが流通され続けるので、においセンサ28は窒素ガス雰囲気中に保たれる。
【0022】
〔iii〕成分脱離の第一段階(図2(a)中の期間III)
加熱制御部34は、時刻t0においてヒータ20により捕集管19を温度T1まで急速に加熱する。また、制御部33は、時刻t0〜t1の間の適当な時点で、六方バルブ18を図1に実線で示す接続状態に切り替える。すると、第二窒素ガス流路14−六方バルブ18−捕集管19−六方バルブ18−フローセル27−第三排出流路29という流路が形成される。加熱制御部34は、温度センサ21によるモニタ温度が温度T1に達したならば、温度T1に維持するようにヒータ20を制御する。ここで温度T1は、分離して検出したい成分又は成分群に応じて適宜決められ、該成分又は成分群の沸点よりも若干高い温度が選ばれる。例えば、アルコール類をこの第一段階で分離して取り出したい場合には、T1=80〜85℃程度に設定される。
【0023】
捕集管19の温度がT1に達すると、捕集管19内の吸着剤に吸着していた試料成分のうち、沸点がT1以下である成分が吸着剤から急速に脱離する。そして、該成分は、それ以前とは逆方向(図1中で右から左方向)に流通する窒素ガスに乗ってフローセル27に運ばれる。吸着剤からの脱離は急速に進行するため、フローセル27に到達する成分の濃度は、図2(b)に示すように時刻t1を経過した後急速に立ち上がりピークを形成する。つまり、沸点がT1以下である複数の低沸点成分は充分な成分濃縮が行なわれ、高濃度でにおいセンサ28に到達する。一方、沸点がT1以上である高沸点成分は吸着剤にほぼそのまま残留する。
【0024】
においセンサ28の動作を安定させる目的と、フローセル27に供給されるガス温度を一定にするために、フローセル27は図示せぬ恒温槽により約40℃に保たれる。上記低沸点成分を含む窒素ガスがフローセル27を通ると、各においセンサ28の感応膜に該成分が吸着され、その応答特性に応じて各においセンサ28の電極間の電気抵抗が変化する。信号処理部32はこの抵抗変化を検出し、その検出値をメモリに格納する。
【0025】
〔iv〕成分脱離の第二段階(図2(a)中の期間IV)
次に、加熱制御部34は時刻t2において更なる昇温を行なうべくヒータ20を制御する。そして、温度センサ21のモニタ温度がT2に到達したならば、温度をT2に維持するように制御する。ここで、T2は、従来、加熱脱離を行なうような温度(例えば300℃)とされる。これにより、捕集管19内の吸着剤に残留していた高沸点成分が吸着剤から急速に脱離する。該成分は窒素ガスに乗ってフローセル27に運ばれる。このとき脱離した成分の濃度は、図2(b)に示すように時刻t3を経過した後、急速に立ち上がってピークを形成する。つまり、沸点がT1以上である複数の高沸点成分は充分な成分濃縮が行なわれ、高濃度でにおいセンサ28に到達する。
【0026】
上記第二段階で脱離された高沸点成分を含む窒素ガスがフローセル27を通ると、各においセンサ28の感応膜に該成分が吸着され、その応答特性に応じて各においセンサ28の電極間の電気抵抗が変化する。信号処理部32はこの抵抗変化を検出し、その検出値をメモリに格納する。そして、信号処理部32は第一段階で得られたデータと第二段階で得られたデータとを用い、所定のアルゴリズムに従ってにおいの識別、分類等の処理を実行する。一般に、においセンサは複数の成分に対して応答するが、上記昇温制御により、沸点が大きく相違する成分を分離して検出することができる。このため、被測定対象のにおいガスに対するより多くの情報を得て、これに基づいて正確又は厳密なにおいの識別処理が行なえる。
【0027】
〔v〕においセンサの清浄化
捕集管19内の吸着剤から試料成分が脱離し終えた後に、制御部33は六方バルブ18を再び図1に破線で示す接続状態に切り替える。これにより、フローセル27には清浄な窒素ガスが流通する。また、図示しない恒温槽によりフローセル27の温度を所定温度(例えば60〜100℃)まで上昇させる。においセンサ28の温度が上昇すると、その感応膜に吸着されていた試料成分やその他の不純物は脱離し、窒素ガスにより外部に運び去られる。この結果、においセンサ28の感応膜は回復し、再び試料成分を検出可能な状態に戻る。
【0028】
このようにして、上記構成のにおい測定装置では、沸点の大きく相違する成分が二つの成分群に分離され、時間的に分けて検出されるので、各成分又は成分群の定性分析が行なえ、総合的なにおいの識別性も向上する。
【0029】
なお、上記実施例では、T1、T2の二段階の温度にステップ状に昇温を行なっているが、三以上の多段階に昇温する構成としてもよい。更に上記実施例では、まず温度T1まで昇温し、所定時間(具体的には(t2−t1)期間)温度T1に維持した後に、温度T2まで昇温するという、単純なステップ状の昇温を行なっていていたが、より複雑な昇温パターンとすることもできる。
【0030】
図3は、図1の構成のにおい測定装置における昇温パターンの他の例を示す状態図である。すなわち、この昇温パターンでは、T1まで昇温させて所定時間(具体的には(t5−t1)期間)T1に温度を維持した後、一旦T3まで温度を降下させる。ここで、温度T3は、温度T1でもって捕集管19から脱離させることを目的とした成分の沸点よりも低い温度とする。そして、温度T3まで降下させた後、直ちに(又は所定時間温度T3に維持した後に)T2まで昇温する。
【0031】
図2(a)に示した昇温パターンに従って加熱を行なった場合、成分脱離の第一段階IIIの初期において吸着剤からの成分脱離が急激に進行するので、成分濃度のピークは急峻に立ち上がる。しかしながら、その後は、脱離速度が低下し、ピークの立下りが緩慢になることがある。このような場合、第一段階(期間III)で生じるピークと第二段階(期間IV)で生じるピークとが重なって、分離が困難になる恐れがある。
【0032】
これに対し、図3(a)に示した昇温パターンに従って加熱を行なった場合、温度T1にて脱離される低沸点成分が時刻t5の時点で未だ吸着剤に残っていても、温度がT3まで下げられるとその脱離が停止する。このため、図3(b)に示すように、成分濃度は一旦ほぼゼロになる。次に、温度がT3からT2まで急速に上昇されると、その途中で先に残っていた低沸点成分が吸着剤から脱離し、更に温度がT2に達すると高沸点成分が吸着剤から脱離し、図3(b)に示すように二個目のピークを形成する。このようにして、第一段階で生じるピークと第二段階で生じるピークとを容易に分離することができる。なお、この場合、第二段階で生じるピークの立上りには低沸点成分が含まれているが、この部分のにおいセンサ28の検出信号を信号処理の際に利用しない等の方法により、その影響を排除することができる。
【0033】
なお、上記実施例は一例であって、本発明の趣旨の範囲で適宜に変更又は修正を行なえることは明らかである。例えば、昇温パターンの勾配は直線とせずに、適宜の曲線としてもよい。また、上記実施例で用いた導電性高分子膜センサ以外にも、流路等の構成を適宜変更することによって、酸化物半導体センサ、水晶振動子センサ、SAWデバイス等の各種センサを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガス測定装置の一実施例であるにおい測定装置の構成図。
【図2】 本実施例における成分濃縮手段の昇温パターン(a)及びそれに対応する成分濃度(b)の一例を示す状態図。
【図3】 他の実施例における成分濃縮手段の昇温パターン(a)及びそれに対応する成分濃度(b)の一例を示す状態図。
【図4】 従来の成分濃縮手段の昇温パターン(a)及びそれに対応する成分濃度(b)を示す状態図。
【符号の説明】
10…窒素ガス容器
11…定圧バルブ
12、14…窒素ガス流路
13、15、25…ニードルバルブ
16…試料ガス流路
17、22…三方バルブ
18…六方バルブ
19…捕集管
20…ヒータ
21…温度センサ
27…フローセル
28…においセンサ
32…信号処理部
33…制御部
34…加熱制御部
35…メモリ
36…操作部

Claims (1)

  1. 試料ガス中の成分濃度を高める濃縮手段と、成分濃縮されたガス中の複数の成分を検出する検出手段とを具備するガス測定装置において、前記濃縮手段は、
    a)吸着剤を充填した捕集手段と、
    b)該捕集手段に試料成分を含む試料ガスとキャリアガスとを選択的に供給するための流路切替手段と、
    c)前記捕集手段を加熱する加熱手段と、
    d)所定温度範囲まで昇温した後に該温度範囲内に温度を所定時間維持し、その後に該温度範囲の上限よりも高い温度まで昇温するように前記加熱手段を制御する加熱制御手段と、
    を備え、或る一定温度に制御された前記捕集手段に試料ガスを供給して試料成分を吸着剤に吸着させ、その後に該捕集手段にキャリアガスを供給するとともに前記加熱制御手段により前記加熱手段を制御し、温度に応じた試料成分を吸着剤から脱離させキャリアガスに乗せて前記検出手段に導入することを特徴とするガス測定装置。
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JP2009047593A (ja) * 2007-08-21 2009-03-05 Sharp Corp 多孔質構造体を用いた特定ガス成分濃縮装置、及び特定ガス成分検出装置

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