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JP3830208B2 - ポリエステル/セルロース混合繊維の染色法 - Google Patents

ポリエステル/セルロース混合繊維の染色法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステル/セルロース混合繊維を分散染料と金属錯塩型直接染料を併用してアルカリ性域で一浴染色する際、分散染料および金属錯塩型直接染料の分解あるいは染着阻害を防止し、再現性良く染色を行なうための染色法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル/セルロース混合繊維の一浴吸尽染色は、一般的には分散染料と金属錯塩型直接染料を併用して酸性域(pH4〜6)の染浴で染色温度120〜140℃にて実施されているが、最近、この種の繊維を前記と同様な染料を使用して、染浴pH8〜10のアルカリ性域で染色したいという新しい技術要求が生じている。その理由は、金属錯塩型直接染料がアルカリ性染浴を用いることにより、初期染着が抑制されて均染性が向上する、アルカリ性浴を用いることにより、染料、残留糊剤、オリゴマー(ポリエステル繊維中に存在する低分子量の成分)の凝集を防ぎ、これ等凝集物に起因する缶体汚染等のトラブルが解消される、また、ポリエステル/レーヨン混合繊維の風合が向上するなどである。
ところが、ポリエステル/セルロース混合繊維を分散染料と金属錯塩型直接染料を併用して、アルカリ性域で吸尽染色するには幾つかの技術的問題がある。
まず、遊離金属イオンによる分散染料の染着阻害である。金属錯塩型直接染料にはその染料中に微量の遊離金属イオン(染料分子と錯形成していないもの)が含有されている場合が多い。この遊離金属イオンが分散染料の染着に悪影響を及ぼす。なお、この問題は酸性域での染色でも起こり得ることである。更にアルカリ性域での染色の場合次のような新たな問題が加わる。
即ち、再生セルロース繊維特にレーヨン素材のもつ還元作用による金属錯塩型直接染料の変色(染料分子と錯形成していた金属が染色工程でこれらの繊維の還元作用により脱金属化されることによる)である。このレーヨン素材のもつ還元作用は酸性域に比し、アルカリ性域で著しく増大する。脱金属化された金属は遊離金属イオンとして分散染料に悪影響を及ぼすことになる。この様に、アルカリ域での染色では酸性域での染色結果からは予想できない程の染色物の色相変化を引き起こすことになる。
これまでに、遊離金属イオンによる影響を防止する目的で金属イオン封鎖剤を使用することが知られている。例えば、エチレンジアミン四酢酸、ポリアクリル酸、更にはイミノジ酢酸、ヘキサメタリン酸等(特公平6−21424)、クエン酸、エチレンジアミン、他(特公平7−26344)等である。しかし、これ等公知技術は全て酸性域での効果を期待するものであり、仮にアルカリ性浴で使用した場合、金属錯塩型直接染料の脱金属化を助長し、著しい変色を招いたり、あるいは遊離金属イオンの封鎖に有効に作用せずに分散染料の染着を阻害するなどの問題が発生する。この様な情況から、ポリエステル/セルロース混合繊維を分散染料と金属錯塩型直接染料を併用して、アルカリ性域で一浴吸尽染色する方法は実用化に至っていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記実情に鑑み、ポリエステル/セルロース混合繊維を分散染料と金属錯塩型直接染料を併用してアルカリ性域で一浴吸尽染色するに際し、分散染料の遊離金属イオンによる染着阻害を防止し、且つ、金属錯塩型直接染料の脱金属化に伴う色相変化を招くことなく再現性良く染色を行なう染色法の確立が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは,上記従来の課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明にいたったものである。
【0005】
即ち、本発明は、
(1)分散染料と金属錯塩型直接染料を併用して、ポリエステル/セルロース混合繊維をアルカリ性域で一浴吸尽染色に当たり、染色浴中にアミノトリメチレンホスホン酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸及びこれ等のアルカリ金属塩もしくは有機塩基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の化合物を含有させることを特徴とするポリエステル/セルロース混合繊維の染色法
に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用されるポリエステル側染色用分散染料としては特に限定されないが、モノアゾ系、ジスアゾ系等のアゾ系分散染料および、アントラキノン系等の分散染料等があげられる。また併用されるセルロース側染色用金属錯塩型直接染料としては、これも特に限定されないが代表的には銅錯塩型直接染料があげられる。例えば、C.I.Direct Red 83:1 、C.I.Direct Blue 201 等である。
【0007】
本発明の染色法は、分散染料と金属錯塩型直接染料を同時使用する水性媒体中からの吸尽染色法であり、染色浴のpHはアルカリ性域である。そして、染色浴のpHは通常8〜11、好ましくは8〜10である。
【0008】
pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属化合物、その他公知のpH調整剤が使用できる。
【0009】
本発明ではアルカリ性域でポリエステル/セルロース混合繊維を一浴吸尽染色するに当たり、染色浴中にアミノトリメチレンホスホン酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸及びこれ等のアルカリ金属塩もしくは有機塩基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の化合物を含有させることを必須の要件とする。
【0010】
これらの化合物は遊離酸のままで使用してもよいが、塩の形で使用してもよい。
塩としてはアルカリ金属塩又は有機塩基が好ましい。
アルカリ金属塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等の塩が有利である。有機塩基としては、次式
【0011】
【化1】
Figure 0003830208
【0012】
(R3 、R4 、R5 は水素、低級アルキル基および低級ヒドロキシアルキル基からなる群から選択される互に同種又は異種の置換基である。低級アルキル基、低級ヒドロキシアルキル基は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基をいう。)
で表されるアンモニウム塩が好ましい。
これ等の化合物の使用量は分散染料の染着阻害防止効果などの点から、染浴に対して通常0.01〜2g/l、好ましくは0.02〜0.5g/lである。
【0013】
本発明の染色法の対象繊維としては、ポリエステル繊維とセルロース繊維とからなる混合繊維であれば織物、編物、糸などいずれにも適用できる。
なお、上記セルロース繊維としては、木綿、麻などの天然セルロース、レーヨン、ポリノジックなどの再生セルロース、更にはリヨセルなどが包含される。
【0014】
本発明の染色法は、まず分散染料を溶解したあと、前記した特定の化合物を所定の量添加し、次に直接染料を添加し芒硝をくわえてから前記したようなpH調整剤でアルカリ性域、通常染浴pH8〜11、好ましくは染浴pH8〜10にpHを調整し、加圧下、染色温度120〜140℃で、30〜60分染色される。浴比は、通常1:10〜20である。またその際、通常の染色助剤である硫酸ナトリウムなどの無機塩、分散均染剤等を使用することも可能である。なお、120〜140℃の染色工程終了後に直接染料の吸尽を安定化させるために、90℃まで降温し、10〜20分間同温度で処理することが望ましい。染色後に、水洗及び必要によりソ−ピングの後、フィックス処理を行うのが好ましい。
本発明の染色法においては、染色後に一般に行なわれる染色物に対する柔軟加工などの後処理も常法に準じて実施可能である。
【0015】
本発明の染色法によれば、ポリエステル/セルロース混合繊維の染色を行うに当たり、アルカリ性域で一浴吸尽染色を行なった場合でも、染色浴中にアミノトリメチレンホスホン酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸及びこれ等のアルカリ金属塩もしくは有機塩基からなる群より選ばれた少なくとも一種以上の化合物を含有させることにより、遊離金属イオンによる分散染料の染着阻害が発生せずかつ、金属錯塩型直接染料の脱金属化による変色もなく、再現性良く、良好に染色できる。このような効果は前記化合物の金属イオン封鎖能に起因するものとおもわれる。
ポリエステル/セルロース混合繊維素材をアルカリ性域で染色を行なった場合には、従来の酸性域での染色に比べて、均染性の向上、残留糊剤、オリゴマーに起因する種々のトラブルの解消、染色物の風合の向上など多くのメリットを得ることかできる。
【0016】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明するが本発明がこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0017】
実施例1、2、比較例1〜5、参考例1,2
C.I.Disperse Blue 56(青色分散染料)をポリエステルに対して0.5重量%、C.I.Direct Red 83:1 (青味赤色系銅錯塩型直接染料)をレーヨンに対して3.0重量%となるように使用し、表1に示す金属イオン封鎖能を有する化合物あるいは特公平7−26344にて提案されている錯生成剤を表1に示す通り添加し、更に無水硫酸ナトリウム10g/l、重曹0.4g/l、ソーダ灰(無水)0.3g/lを添加した後、塩酸または苛性ソーダを微量添加して染色浴のpHを9.5に調整した。
この中に、ポリエステル織物トロピカルを全被染物重量の50%とレーヨンモスリン同50%を投入し、浴比1:20、染色温度130℃にて60分間染色を行ない、続いて90℃まで降温し同温度で20分間染色を行なった。その後、水洗して染色布を得た。このようにして得たポリエステルおよびレーヨンの染色布について、酢酸0.2g/l、酢酸ナトリウム0.6g/l添加により染色浴のpHを5.0とし、また、上述した化合物などを添加しなかった以外は上記と同一条件で、分散染料のみを用いて染色を行なったポリエステル染色布(参考例1)あるいは、銅錯塩型直接染料のみを用いて行なったレーヨン染色布(参考例2)を基準として目視判定にて染色結果の評価を行なった。その結果を表2に示す。
【0018】
【表1】
Figure 0003830208
【0019】
【表2】
Figure 0003830208
【0020】
判定基準
色差の程度を目視により下記基準に従って求めた。
Figure 0003830208
【0021】
表2から明らかなように、本発明、実施例1のアミノトリメチレンホスホン酸および、実施例2のジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸を含有する処方のみが、分散染料の染着阻害を防止し、かつ、金属(銅)錯塩型直接染料に悪影響を及ぼすことなく良好な染色結果を与えることがわかる。
【0022】
【発明の効果】
染色浴中に特定の金属イオン封鎖能を有する化合物を含有させることにより、ポリエステル/セルロース混合繊維の一浴染色をアルカリ性域で実施した場合においても、分散染料の遊離金属イオンによる染着阻害を防止し、且つ、金属錯塩型直接染料の脱金属化に伴う色相変化を招くことなく、双方の繊維を再現性良く一浴染色することが可能となり、染色工業上極めて価値が大きいことである。

Claims (1)

  1. 分散染料と金属錯塩型直接染料を併用して、ポリエステル/セルロース混合繊維をアルカリ性域で一浴吸尽染色するに当たり、染色浴中にアミノトリメチレンホスホン酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸及びこれ等のアルカリ金属塩もしくは有機塩基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の化合物を含有させることを特徴とするポリエステル/セルロース混合繊維の染色法。
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