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JP3828645B2 - 樹脂粒子の製造方法、製造装置およびその製品 - Google Patents

樹脂粒子の製造方法、製造装置およびその製品 Download PDF

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JP3828645B2 JP27924397A JP27924397A JP3828645B2 JP 3828645 B2 JP3828645 B2 JP 3828645B2 JP 27924397 A JP27924397 A JP 27924397A JP 27924397 A JP27924397 A JP 27924397A JP 3828645 B2 JP3828645 B2 JP 3828645B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微細の樹脂粒子を粒度の揃った状態で得させる樹脂粒子の製造方法、製造装置およびその製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種の分野において樹脂粒子が使用されている。具体的には、間隙保持材(液晶表示素子用スペーサー)、滑り性付与剤、機能性担体、トナーのほか、塗料の流動性やつや特性を制御する機能性充填剤等が挙げられる。これらの用途に使用される樹脂粒子は、用途に応じて粒径を制御する必要がある。
【0003】
樹脂粒子を簡単に得させる方法として懸濁重合法がある。懸濁重合法は、水などの連続相成分中にこの連続相に不溶な重合性単量体組成物の分散相成分を液滴として分散させ、この液滴を重合させて樹脂粒子を得る方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の懸濁重合法には、連続相成分中に分散した液滴の粒径分布が広いと言う問題点があった。
例えば上記各種の用途においては、樹脂粒子として平均粒径が10μm 未満の微細なものを必要とすることが多いが、単に機械的作用により粒径を小さくすると、系内での力の係る分布が不均一になり易く微粒子の生成が著しく増加するが、分散の促進が遅い粒子も残り大きな粒子も存在することになり、粒径分布が広くなると言う問題点があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、狭い粒子径分布を示す重合性単量体組成物の粒子を得ることである。
樹脂粒子は、樹脂を溶剤に溶かせておいて水系連続相中に分散させ、前記溶剤を揮発させて樹脂粒子を得る方法や、樹脂を加熱溶融させて加温状態の水系連続相中に分散させて粒径を整えたのち前記水系連続相を冷却して、樹脂粒子を生成させる方法などもあるが、粒子径分布が広いと言う問題点が同様に指摘されている。
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、粒径分布の狭い樹脂粒子を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる樹脂粒子の製造方法は、二相を形成する二つの液体の一方を分散相成分、他方を連続相成分として、両成分を、静止状態の液体分断機構を備えた静止型管内混合器に通したのち高速で回転する液体剪断機構を備えた静止型管内混合器に通したのち高速剪断型分散機に通すことにより前記連続相成分中に前記分散相成分の微細な液滴を分散させ、この液滴から樹脂粒子を生成させる方法である。
【0008】
本発明にかかる樹脂粒子の製造装置は、二相を形成する二つの液体の一方を分散相成分、他方を連続相成分として、前記連続相成分中に前記分散相成分の微細な液滴を分散させ、この液滴から樹脂粒子を生成させる樹脂粒子の製造装置であって、静止状態の液体分断機構を備えた静止型管内混合器の後段に高速で回転する液体剪断機構を備えた高速剪断型分散機を設けてなることを特徴とする。
【0009】
前記静止型管内混合器として、管の一端を入口、他端を出口とし、管内に、管断面を二分しながら中心軸線に沿って右旋回する案内板と左旋回する案内板とが中心軸線に沿う方向に交互に配置されてなる構造を備えたものを用いることが出来る。
静止型管内混合器のウェーバー数は100〜5000に設定することが好ましい。
【0010】
上記において、静止型管内混合器に通した後、高速剪断型分散機に通す前の液滴の大きさを10μm以下とすることもできる。
前記高速剪断型分散機として、少なくともローターを備え、分散機内部に送り込まれた両成分は前記ローターの回転で剪断分散されるようになっているものを用いることが出来る。
【0011】
上記において、静止型管内混合器の前段に攪拌式混合機を備えておくことも出来る。
【0012】
【作用】
本発明で使用する静止型管内混合器は、駆動機構を備えず、静止状態の液体分断機構のみで分散相成分を連続相成分中に液滴として分散させるため、分散相成分からなる液滴の粒径は比較的揃っている。粒径については、後述するように静止型管内混合器のウェーバー数等の運転条件を調節することにより10μm以下の微細な液滴を得ることも可能であるため、本発明では静止型管内混合器を造粒の主たる手段として用いる。また、粒径分布で見たとき、割合的には少ないが、粒径分布のピークの裾野が粒径の大きな部分で長く延びている。しかし、この大きな液滴(粗粒子)は後段で補助的に用いる高速剪断型分散機で細かく剪断されるので、支障にならない。
【0013】
静止型管内混合機内には、懸濁流体を攪拌分散させる駆動部がないため、液滴に大きな負担がかかりにくい。従って、所望の粒径の液滴が得られると共に、連続相成分を内包する、例えばW/O/W型の粒子の生成を抑制することができるなど、得られる液滴の物性の劣化を防ぐことができる。
高速剪断型分散機は、高速で回転する液体剪断機構を備えており、分散相成分を強い剪断作用で細かな液滴に変えることが出来る。高速で回転する液体剪断機構は液滴を細かくすることには優れているが、剪断作用が強すぎるため、高速剪断型分散機のみで液滴を得ようとすると、超微細な液滴が生じ粒子の分布も広くなり易い。しかし、本発明では、まず静止型管内混合器で分散相成分を分断し比較的粒径の揃った液滴にしてあり、高速剪断型分散機では、これらの液滴のうちの粗粒子の部分(主に粒径の大きな部分で長く伸びた粒径分布の裾野の部分)をもう一段細かくするものであるので、静止型管内混合器を出た液体成分に対して軽く剪断作用を及ぼすだけで良く、そのため、前述の超微細な液滴は生じない。高速剪断型分散機で、粗粒子の液滴を剪断して細かくするので、結果として液滴の平均粒径は若干小さくなる。
【0014】
すなわち、本発明では、高速剪断型分散機を出たときに得られた分散体中の液滴は非常で細かな粒径を有し、しかも、粒径分布は狭いものであり、粒径が揃っている。
本発明では、静止型管内混合器で得られた粒径が最終段階の粒径をほぼ決定する。静止型管内混合器で得られる粒径は静止型管内混合器のウェーバー数を適宜に設定することで制御することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
<製造装置>
まず、本発明の装置上の要部の好ましい構成を説明する。
図1に示すように、攪拌混合槽1とポンプ2と静止型管内混合器3と高速剪断型分散機4とがこの順番で配置され、攪拌混合槽1に投入された分散相成分と連続相成分とがポンプ2の作用でこの順番に流れるようになっている。図示はしないが、高速剪断型分散機4の後段には分散相成分が単量体組成物である場合の懸濁重合反応槽(図示省略)や、樹脂溶液である場合の溶剤加熱蒸発器(図示省略)や、樹脂溶融体である場合の冷却器(図示省略)が設けられている。
【0016】
攪拌混合槽1はインペラーの回転で液体を攪拌混合する通常のタイプのものであり、ポンプ2は静止型管内混合器3内を流れる液体を一定流量で供給できるものであれば、特に制限はなく、具体的には、渦巻ポンプ、ロータリーポンプ、モノポンプ等が挙げられる。
図2は製造装置における要部の別の例を示している。この例では、攪拌混合槽1が省かれ、分散相成分と連続相成分とは二つのポンプ2、2′を使用して別々に静止型管内混合器3に送り込まれる。
【0017】
図3は製造装置における要部のさらに別の例を示している。この例でも、攪拌混合槽1が省かれ、分散相成分と連続相成分とは二つのポンプ2、2′を出たあと一つになって静止型管内混合器3に送り込まれる。
図1の例のごとく、攪拌混合槽1を使用して、分散相成分を予め液滴化しておいて静止型管内混合器3に送り込むようにした方が粒径分布がよりシャープになり、好ましい。すなわち、攪拌混合槽1で液滴の平均粒径を30〜1000μmに一次規制しておいて、静止型管内混合器3で平均粒径3〜40μmに二次規制するようにすると、粒径分布がよりシャープな形で(通常、変動係数が50%以下、好ましくは45%以下)、平均粒径2〜35μmの粒径の揃った液滴を得ることが出来るのである。
【0018】
静止型管内混合器3は、静止状態の液体分断機構を備えて管内を流れる液体を細かく分断する作用を有すれば良い。具体的には、ノリタケスターティックミキサー((株)ノリタケカンパニーリミテッド)、スルザーミキサー(住友重機械工業(株))、東レ静止型管内混合器(東レ(株))、スケヤミキサー((株)桜製作所)、TK−ROSS・LPDミキサー(特殊機化工業(株))等があげられる。
【0019】
静止型管内混合器3の構造の好ましい一例が図4に示されている。静止型管内混合器3は一端を入口(図示省略)、他端を出口(図示省略)とした管31を備え、この管31内に、管断面を二分しながら中心軸線に沿って右旋回する案内板32と、管断面を二分しながら中心軸線に沿って左旋回する案内板33とが中心軸線に沿う方向に交互に配置されてなる構造を備えている。管31内にその一端から平均線速度uで送り込まれた分散相成分と連続相成分は順次配置された2種類の案内板32、33を通過する間に分断、旋回を繰り返し、分散相成分が液滴となって他端から送り出される。
【0020】
静止型管内混合器のウェーバー数は100〜5000の範囲内に設定することが好ましく、500〜3000の範囲内であることがさらに好ましい。ウェーバー数が100未満であると、管内を流れる液体が乱流となりにくく、分断作用が起きにくい。他方、ウェーバー数が5000を超えても得られる液滴の粒子径はさほど小さくならない。ウェーバー数Weは下式に基づき算出することができる。下式において、Dはミキサー内径(cm)、uは液体の平均線速度(cm/sec)、ρcは連続相密度(g/cm3)、σsは界面張力(dyn/cm)を表す。
【0021】
We=(D・u2・ρc)/σs
高速剪断型分散機4は、高速で回転する液体剪断機構を備えておれば良い。一般的には、ローター(回転子)とステーター(固定子)を備え、ローターの高速回転により、両者間で剪断作用が起き、分散相成分を連続相成分中に微分散させる構造のものである。具体的には、ホモジナイザー・ポリトロン((株)セントラル科学貿易)、キャビトロン((株)ユーロテック)、ホモジナイザー・ヒストロン((株)日音医理科器機)、バイオミキサー((株)日本精機製作所)、ターボ型攪拌機((株)小平製作所)、ウルトラディスパー(浅田鉄鋼(株))、エバラマイルダー(荏原製作所(株))、TKホモミクサー、TKパイプラインミクサー、TKホモミックラインミル、TKホモジェッター、TKユニミキサー、TKホモミックラインフロー、TKハイラインミル(以上、特殊機化工業(株))等が挙げられる。
【0022】
高速剪断型分散機4の構造の一例を図5に示す。分散機4のハウジング401内には液体剪断機構402が設置されている。液体剪断機構402は、固定されたステーター404と、スクリュー型の歯を有するローター403とを備え、ローター403がステーター404の内側で高速回転するようになっている。ローター403の内側に流れ込んだ液体はローター403の歯と歯の間を抜け、さらにローター403とステーター404の間(クリアランス)を通って後方へ流れ、ハウジング401内全体でマクロ的な対流循環を起こしながら、最終的には出口通路405に流れる。
【0023】
図5ではスクリュー型の歯を有するローターが示されているが、本発明はこれに限定されず、歯を有しないローターであってもよい。歯を有しないローターの場合には、ローターの回転によってローターとステーターの間ですりつぶす力が発生し分散相成分は剪断分散され、微細化される。より効率的に剪断分散を行うためには、ローターおよびステーターの表面が粗面化されていることが好ましい。
【0024】
図5で示されるような歯を有するローターの場合には、歯と歯の間を液体が通り抜ける間に分散相成分はローターの回転で剪断分散されるとともに、キャビテーション破壊による衝撃力が加算され、微細化される。もちろん歯を有するローターの場合にも、剪断分散の効率を高めるためには、ステーターとの間ですりつぶす力が発生するような構造とすることがより好ましい。
【0025】
ローターの歯の形は、図5に示すスクリュー型に限定されず、歯がまっすぐの櫛歯状のものであってもよい。一般には、液体の粘度が高い場合にはスクリュー型を、粘度が低い場合には櫛歯状のものを用いればよい。
図5では、ローターを固定する回転軸はローターより短くなっているが、これに限定されず、ローターと同じ長さか、あるいはこれよりも長くてもよい。
【0026】
高速剪断型分散機4の構造の別の一例が図6に示されている。分散機4のハウジング41内には液体剪断機構42が3段、設置されている。各段の液体剪断機構42は、周壁に多数のスリット431・・・を有する籠形のローター43と、壁に多数のスリット441・・・を有する籠形のステーター44とを備え、図の例ではステーター44内にローター43が嵌め込まれた形で同心状に配置されているが、両者43、44の内外関係は逆でも良い。ローター43の内側に流れ込んだ液体は両者43、44のそれぞれのスリット431、441・・・を順次通り抜けて次の液体剪断機構42に流れ込み、最終的には出口通路45に流れる。そして、液体がスリット441・・・を通り抜ける間に分散相成分がローター43の回転によりキャビテーション破壊による衝撃力も加算され、剪断分散されるとともに、微細化されるのである。
【0027】
高速剪断型分散機4は、前述のように、予め静止型管内混合器3で得られた液滴の粗粒子部分を微細化するだけであり、大きな負荷を液滴に掛けることは却って好ましくないので、上記図6の例で言えば、ローター43のローター回転周速度は5〜30m/sの範囲であり、10〜20m/sの範囲がより好ましい。ローター回転周速度が30m/s以上であると、粒子径は小さくならず、液滴を合一させる作用が高くなり粒径分布が広がる。他方、ローター回転周速度が5m/s未満であると、液滴の粗粒子部分を十分に微細化することが困難になる。
【0028】
本発明の装置は、高速剪断型分散機4を単独で使用した時の流量の3倍程度の流量を流しても、液滴の粒径分布が広がらず、また、流量増加に伴って粒子径が小さくなる場合もある。流量の増加は、工程時間の短縮と装置の小型化とを可能にし、工業的に有利である。
反応槽(図示省略)は通常のものが使用される。反応槽内では、液滴を重合させて樹脂粒子を得る。また、樹脂粒子中から溶剤を加熱除去する等の操作を行い、最終的に冷却する。
【0029】
<製造方法>
前記製造装置を用いた樹脂粒子の製造方法の好ましい実施形態を、分散相成分として単量体組成物を使用し、懸濁重合を行う場合を例に挙げて、以下に説明する。
(第1工程)
この工程は攪拌槽1において行われる。ここでは、重量平均粒子径が30μm 〜1000μm 、好ましくは30μm 〜600μm の分散相成分からなる重合性単量体組成物の第1粒子が得られるよう分散相成分に対して1次粒子規制を行い、分散相成分を予め液滴化する。
【0030】
前記分散相成分には、重合性単量体の他、この重合性単量体と重合可能な架橋性単量体等が含まれる。
前記重合性単量体としては、通常の懸濁重合法において使用されるものであれば、特に制限はなく、たとえば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等のスチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル系単量体;エチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィン系樹脂;アクリル酸、メタクリル酸、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ビニルピロリドン等のその他の単量体等が挙げられる。これらの2種以上を混合して用いてもよい。
【0031】
分子間に、架橋構造を有する樹脂粒子を得ようとする場合には、重合性二重結合基を分子中に複数個有する架橋剤を前記重合性単量体とともに共重合させてもよい。
架橋剤としては、たとえば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンや、これらの誘導体等の芳香族ビニル化合物;トリアクリル酸トリメチロールプロパン、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸デカエチレングリコール、ジメタクリル酸ペンタデカエチレングリコール、ジメタクリル酸ペンタコンタデカエチレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレン、メタクリル酸アリル、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、テトラメタクリル酸ペンタエリッストール、ジメタクリル酸フタル酸ジエチレングリコール等の架橋性(メタ)アクリル化合物;N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルサルファイド、ジビニルスルホン酸等のビニル基を2個有する化合物やビニル基を3個以上有する化合物等が挙げられ、これらの2種以上を混合して用いてもよい。さらに、ポリブタジエン、ポリイソプレン、不飽和ポリエステル、クロロスルホン化ポリオレフィン等を用いてもよい。
【0032】
その他、使用可能な範囲で、樹脂、着色剤、磁性粉等を、分散相成分として含んでいてもよい。
前記樹脂としては、たとえば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、クマロン系樹脂、芳香族系石油樹脂および脂肪族系石油樹脂等が挙げられ、これらの2種以上を混合して用いてもよい。
【0033】
前記着色剤は、有機顔料、無機顔料のいずれでもよく、これらの混合物であってもよい。
無機顔料としては、たとえば、カーボンブラック、アルミナ、二酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、各種無機酸化物顔料、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ微粉体、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化チタン、酸化セリウム等の粉末または粒子が挙げられ、これらの2種以上を混合して用いてもよい。これら無機顔料は、チタンカップリング剤、シランカップリング剤や高級脂肪酸金属塩等の公知の疎水化処理剤で処理されたものであってもよい。
【0034】
有機顔料としては、たとえば、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザーイエローG、ハンザーイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等の黄色顔料;キリブテンオレンジ、パーマネントオレンジRK、ベンジシンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK等の橙色顔料;パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアンカーミン6B、エオミンレーキ、ローダミンレーキB、ブザリンレーキ、ブリリアンカーミンB等の赤色顔料;ファストバイオレット、メチルバイオレットレーキ等の紫色顔料;アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩化物、ファストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等の青色顔料;ピラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエログリーンG等の緑色顔料等が挙げられ、これらの2種以上を混合して用いてもよい。
【0035】
磁性粉としては、たとえば、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉体や、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の金属酸化物の粉体等が挙げられ、これらの2種以上を混合して用いてもよい。
次に、前記連続相成分としては、分散相成分と二相を形成し、通常の懸濁重合法において使用されるものであれば、特に制限はなく、水、水−アルコール等の水系溶媒を用いることが好ましい。
【0036】
連続相成分は、懸濁重合における懸濁粒子の安定化を図るために、分散安定剤を含むものであってもよい。
分散安定剤としては、たとえば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、トラガント、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、アリル−アルキル−ポリエーテルスルホン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、3,3’−ジスルホンジフェニル尿素−4,4’−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2’,5,5’−テトラメチル−トリフェニルメタン−1,1’−ジメチル−アゾ−ビス−β−ナフトール−ジスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンフェニルエーテル硫酸アンモニウム、アルカリスルホン酸ナトリウム、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、特殊芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキレート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド等の界面活性剤;アルギン酸塩、ゼイン、カゼイン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、タルク、粘土、ケイソウ土、ベントナイト、水酸化チタン、水酸化トリウム、金属酸化物粉末等が挙げられ、これらの2種以上を混合して用いてもよい。
【0037】
(第2工程)
この工程は静止型管内混合機3内で行われる。ここでは、重量平均粒子径が3μm〜40μm、好ましくは3μm〜20μmの重合性単量体組成物の第2粒子が得られるよう第1工程で得られた第1粒子に対して2次粒子規制を行う。
この工程では、静止型管内混合器のウェーバー数は100〜5000の範囲内であることが好ましく、500〜3000の範囲内であることがさらに好ましい。上記範囲外である場合には、得られる液滴を所望の粒子径に制御できない。さらに、ウェーバー数が100より小さい場合には、懸濁流体の通過速度が遅すぎるために、管内での攪拌混合力が弱く、充分な粒子規制を行えないことがある。また、ウェーバー数を5000より大きくしても得られる液滴はそれ以上小さくならず、非効率的である。
【0038】
(第3工程)
この工程は高速分散機4内で行われる。ここでは、重量粒子径が2〜15μm、好ましくは3〜10μm、さらに好ましくは4〜8μmの重合性単量体組成物の第3粒子が得られるよう第2工程で得られた第2粒子に対して3次粒子規制を行う。
【0039】
(反応工程)
この工程は懸濁重合反応槽内で行われる。ここでは、第3工程で得られた第3粒子を懸濁重合させて樹脂の微粒子を得る工程である。
重合に用いる重合開始剤としては、通常懸濁重合に用いられる油溶性の過酸化物系あるいはアゾ系開始剤が利用できる。具体的には、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化オクタノイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、キュメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系開始剤や、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,2,3−トリメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−イソプロピルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メチキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等があげられる。
【0040】
前記重合開始剤の添加方法は、特に制限はないが、重合性単量体に溶解させるのが好ましい。その使用量は、前記分散相成分に対して、0.1〜20重量%使用されることが好ましく、1〜10重量%使用されることが好ましい。
以上、前記製造装置を用いて懸濁重合を行う場合の例を挙げて、樹脂粒子の製造方法を詳しく説明したが、樹脂粒子の製造方法は、各種樹脂を、この樹脂とは溶解しない連続相成分中に分散させ、樹脂粒子を得る液中造粒法であってもよい。
【0041】
液中造粒法では、各種樹脂を溶剤に溶解させたり、各種樹脂を加熱して溶融させて液状にして、たとえば、図2または図3に示した装置を用いて連続相成分中に分散させて懸濁液を得る。ここで、各種樹脂を溶剤に溶解させた場合は、懸濁液を加熱し、樹脂液滴中から溶剤を除去することによって樹脂粒子が得られる。また、各種樹脂を加熱して溶融させた場合は、懸濁液を冷却して懸濁液温度を下げることによって樹脂粒子が得られる。
【0042】
前記各種樹脂としては、溶剤に溶解したり、加熱して溶融して、液状になる物質であれば特に限定はなく、たとえば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種、または2種以上の樹脂を用いてもよい。
【0043】
本発明によって得られる樹脂粒子は、静電潜像現像用トナーの他、塗料用添加剤、インク用添加剤、紙用添加剤、マット剤、艶消し剤、光拡散剤、感熱転写用インクリボンコート剤、感熱転写用インキ、磁気記録媒体用バックコート剤、粉体塗料、スペーサー材、着色剤等の幅広い用途に応用するすることができる。
【0044】
【実施例】
以下に、本発明の具体的な実施例を比較例と併せて説明するが、本発明は下記実施例に限定されない。また、下記実施例および比較例中、「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を示す。
(実施例1)
連続相として、予め調製された0.2%のハイテノールN08(ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム、第一工業製薬(株)製)水溶液4000部を図1の攪拌混合槽1に投入した。さらに分散相として、スチレン850部、n−ブチルアクリレート100部、ジビニルベンゼン50部にABNR(アゾビスブチロニトリル、日本ヒドラジン工業(株))20部を溶解させた重合性単量体組成物を攪拌混合槽1に投入した。攪拌混合槽1に取り付けられたパドル羽根で攪拌し、一次粒子規制された混合分散液を得た。
【0045】
この混合分散液中に含まれる分散相からなる粒子径は、50〜300μm程度の非常に広い分布であることを光学顕微鏡で確認した。
この混合分散液を、図1の送液ポンプ2を経て、静止型管内混合器3であるスタティックミキサー((株)ノリタケカンパニー製)、高速剪断型分散機4であるエバラマイルダー((株)荏原製作所製)の順に送り込み、それぞれ1回だけ通過させて懸濁液を得た。この時の流量は430kg/Hr、スタティックミキサーのウェーバー数は900、エバラマイルダーの回転数は10000rpm(ローター回転周速度11m/s)であった。この懸濁液を窒素雰囲気下で、生成する重合粒子が沈降しない程度に全体を均一攪拌しながら、75℃で6時間重合を行った。
【0046】
この重合後の懸濁液中の樹脂粒子(1)の粒子径をコールターマルチサイダーII(コールター社製)で測定した結果、体積平均粒子径4.9μmで変動係数35%と微細で粒子径の揃った樹脂粒子であった。
(実施例2)
実施例1の重合性単量体組成物を、スチレン850部、n−ブチルアクリレート150部、ジビニルベンゼン3部、カーボンブラック(MA−100R、三菱化学(株)製)80部、オレイン酸アミノオレエート4部、電荷制御剤(スピロンブラックTRH、保土谷化学(株)製)10部、ABNR(2,2’−アゾビスブチロニトリル、日本ヒドラジン工業(株)製)20部、ABNV(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、日本ヒドラジン工業(株)製)40部に変更し、これらをバッチ式サンドミルで30分間分散処理を行い、カーボンブラックを均一に分散させた重合性単量体組成物に変更する以外は、実施例1と同じ装置および条件で懸濁し重合を行った。
【0047】
実施例1と同様の方法で確認した結果、1次粒子規制された混合分散液の粒子径は100〜500μm程度で、重合液中の樹脂粒子(2)の体積平均粒子径6.1μm、変動係数は38%と微細で粒子径の揃った狭い分布の樹脂粒子であった。
濾過、洗浄および乾燥工程を経て、この重合液から樹脂粒子(2)の黒色粉体を得た。この黒色粉体を電子写真用トナーとして、シリコーン樹脂コートフェライトキャリアーを用いてトナー濃度が4%になるように調整し、充分混合して現像剤を作成した。
【0048】
この現像剤を東芝(株)製の複写機レオドライ7610にセットし、複写テストを行った結果、鮮明な解像度を有する良好な画像が得られた。また、カブリも認められなかった。
(実施例3)
図2の静止型管内混合器3がスタティックミキサー(同前)であり、高速剪断型混合機4がエバラマイルダー(同前)である図2に示す装置に、連続相として予め調製された0.04%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムと4%リン酸カルシウムを含む水を供給ポンプ2から供給し、分散相として実施例2と同じ組成の重合性単量体組成物を、供給ポンプ2とは別の経路である供給ポンプ2´から供給して、懸濁液を得た。
【0049】
この時の連続相の流量460kg/Hr、分散相の流量110kg/Hr、スタティックミキサーのウェーバー数1600、エバラマイルダーの回転数は10000rpm(ローター回転周速度11m/s)であった。
この懸濁液を実施例1と同様に重合し、得られた樹脂粒子(3)の粒子径を実施例1と同様に測定した結果、体積平均粒子径は7.3μm、変動係数は30%で微細で粒子径の揃った分布の狭い良好なものであった。
【0050】
リン酸カルシウムを酸溶解し、濾過、洗浄および乾燥工程を経て、この重合液から樹脂粒子(3)の黒色粉体を得た。
この黒色粉体を電子写真用トナーとして、実施例2と同様の方法で複写テストを行った結果、鮮明な解像度を有する良好な画像が得られた。また、カブリも認められなかった。
(実施例4)
実施例3の連続相を1.25%ポリビニルアルコール(PVA205、クラレ(株)製)水溶液とし、分散相をスチレンアクリル系樹脂(スチレン/メタアクリル酸ブチル、Mw150000)500部をトルエン/メタノール(70/30)500部に溶解した樹脂液とする以外は、実施例3と同じ装置、同じ条件で懸濁液を得た。
【0051】
この懸濁液を80℃に加熱しながら6時間保持し、樹脂中の溶剤を除去し、得られた樹脂粒子(4)の粒子径を実施例1と同様に測定した結果、体積平均粒子径は6.8μm、変動係数は41%で微細で粒子径の揃った分布の狭い良好なものであった。
(実施例5)
攪拌機、不活性ガス導入管、還流冷却管および温度計を備えた反応釜に、ポリビニルアルコール1部を溶解した脱イオン水2000部を仕込んだ。そこへ予め調製しておいたスチレン585部、n−ブチルメタクリレート390部およびグリシジルメタクリレート25部からなる重合性単量体にベンゾイルパーオキサイド80部を溶解した混合物を仕込み、高速で攪拌して均一な懸濁液とした。次いで、窒素ガスを吹き込みながら80℃に加熱し、この温度で5時間攪拌を続けて重合反応を行った。後水を除去して反応性基としてエポキシ基を有する重合体を得た。
【0052】
反応性基としてエポキシを有する重合体400部とカーボンブラック(MA−100R、三菱化学(株)製)150部と電荷制御剤(スピロンブラックTRH、保土谷化学(株)製)30部とを加圧ニーダーを用いて160℃、100rpmの条件下に混練して反応した後、冷却しかつ粉砕して着色剤としてのカーボンブラックグラフトポリマーを得た。
【0053】
実施例1の重合性単量体組成物を前記カーボンブラックグラフトポリマー350部、スチレン850部、n−ブチルアクリレート150部、ジビニルベンゼン3部、ABNR(2,2’−アゾビスブチロニトリル、日本ヒドラジン工業(株)製)20部、ABNV(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル、日本ヒドラジン工業(株)製)20部に変更し、実施例1の高速剪断型分散機4をTKホモミックラインフロー(特殊機化工業(株)製)に変更し、流量を570kg/Hr、スタティックミキサーのウェーバー数1600、TKホモミックラインフローの回転数を8000rpm(ローター回転周速度12m/s)にし、他は実施例1と同様の方法で懸濁し重合を行った。
【0054】
実施例1と同様の方法で確認した結果、1次粒子規制された混合分散液の粒子径は100〜500μm程度で、重合液中の樹脂粒子(5)の体積平均粒子径は6.6μm、変動係数は36%と微細で粒子径の揃った狭い分布の樹脂粒子であった。
濾過、洗浄および乾燥工程を経て、この重合液から樹脂粒子(5)の黒色粉体を得た。この黒色粉体を電子写真用トナーとして、実施例2と同様の方法で複写テストを行った結果、鮮明な解像度を有する良好な画像が得られた。またカブリも認められなかった。
(比較例1)
実施例2と同様の連続相および分散相の組成で、装置を図1のポンプ2および静止型管内混合器3のない構成、つまり攪拌混合槽1に高速剪断型分散機4としてエバラマイルダーを接続した装置とし、実施例2と同様に、攪拌混合槽1で混合分散(一次粒子規制)した後、エバラマイルダーを1回だけ通過させ懸濁液を得た。
【0055】
この時の流量は200kg/Hrで、エバラマイルダーの回転数は10000rpm(ローター回転周速度11m/s)であった。
この懸濁液を実施例2と同様に重合し、得られた比較用樹脂粒子(1)の粒子径を実施例1と同様に測定した結果、体積平均粒子径は7.8μm、変動係数は53%と粒径が若干大きくなり、且つ、微粒子の多い若干分布の広いものであった。
【0056】
この重合液から濾過、洗浄、乾燥工程を経て、比較用樹脂粒子(1)の黒色粉体を得た。この黒色粉体を比較用電子写真用トナーとして、実施例2と同様の方法で複写テストを行った結果、比較的良好な解像度を有する画像ではあるが、エッジ部が不鮮明で、またカブリも認められた。
(比較例2)
実施例2と同様の連続相および分散相の組成で、装置を図1の管内混合器3のない構成、つまり攪拌混合槽1と、ポンプ2と、高速剪断型分散機4としてエバラマイルダーとを接続した装置とし、実施例2と同様に、攪拌混合槽1で混合分散(一次粒子規制)した後エバラマイルダーを1回だけ通過させ懸濁液を得た。
【0057】
この時の流量430kg/Hr及びエバラマイルダーの回転数10000rpm(ローター回転周速度11m/s)は実施例2と同じであった。
この懸濁液を実施例1と同様に重合し、得られた比較用樹脂粒子(2)の粒子径を実施例1と同様に測定した結果、体積平均粒子径は7.5μm、変動係数は60%と粒子径が若干大きくなり、且つ、微粒子が多く分布も広いものであった。
【0058】
濾過、洗浄および乾燥工程を経て、この重合液から比較用樹脂粒子(2)の黒色粉体を得た。この黒色粉体を比較用電子写真用トナーとして、実施例2と同様の方法で、複写テストを行った結果、鮮明な解像度を有する良好な画像は得られなかった。また、カブリも認められた。
(比較例3)
実施例2と同様の連続相および分散相の組成で、装置を図1の高速剪断型分散機4のない構成、つまり攪拌混合槽1、ポンプ2、静止型管内混合器3としてスタティックミキサーを接続した装置で、実施例2と同様に、攪拌混合槽1で混合分散(一次粒子規制)した後供給ポンプ2からスタティックミキサーを1回通過させ懸濁液を得た。 この時の流量は850kg/Hrで、スタティックミキサーのウェーバー数は3600であった。
【0059】
この懸濁液を実施例2と同様に重合し、得られた比較用樹脂粒子(3)の粒子径を実施例1と同様に測定した結果、体積平均粒子径は7.2μm、変動係数は67%と、粗粒子を含む分布の広いものであった。
この重合液から濾過、洗浄、乾燥工程を経て、比較用樹脂粒子(3)の黒色粉体を得た。この黒色粉体を比較用電子写真用トナーとして、実施例2と同様の方法で、複写テストを行った結果、解像度の低い画像でかつ、黒ベタ部の濃さが不均一であった。
(比較例4)
実施例4と同様の連続相および分散相の組成で、装置を図2の静止型管内混合器3のない構成、つまりポンプ2、2´からそれぞれの経路によって連続相と分散相とを、高速剪断型分散機4のエバラマイルダーに供給する構造とした装置で、実施例4と同様の流量、回転数で懸濁液を得た。
【0060】
この懸濁液を80℃に加熱し6時間保持し樹脂中の溶剤を除去し、得られた比較用樹脂粒子(4)の粒子径を実施例1と同様に測定した結果、体積平均粒子径は6.8μm、変動係数は58%と微細ではあるが、微粒子が多く、分布の広いものであった。
(比較例5)
実施例5と同様の連続相および分散相の組成で、装置を図1のポンプ2および静止型管内混合器3のない構造、つまり攪拌混合槽1に高速剪断型分散機4としてTKホモミックラインフローを接続した装置とし、実施例1と同様に、攪拌混合槽1で混合分散(1次粒子規制)した後、TKホモミックラインフローを1回通過させ懸濁液を得た。
【0061】
この時の流量は570kg/Hrで、TKホモミックラインフローの回転数は8000rpm(ローター回転周速度12m/s)であった。
この懸濁液を実施例1と同様に重合し、得られた比較用樹脂粒子(5)の粒子径を実施例1と同様に測定した結果、体積平均粒子径は10.5μm、変動係数は53%と粒子径も大きく、微粒子を含む分布の若干広いものであった。
【0062】
この重合液から濾過、洗浄、乾燥工程を経て、比較用樹脂粒子(5)の黒色粉体を得た。この黒色粉体を比較用電子写真用トナーとして、実施例2と同様の方法で、複写テストを行った結果、解像度の劣る不鮮明な画像で、若干カブリも認められた。
(比較例6)
実施例5と同様の連続相および分散相の組成で、装置を図1の高速剪断型分散機4のない構造、つまり攪拌混合槽1、ポンプ2、静止型管内混合器3としてスタティックミキサーを接続した装置とし、実施例1と同様に、攪拌混合槽1で混合分散(1次粒子規制)した後、供給ポンプ2からスタティックミキサーを1回通過させ懸濁液を得た。
【0063】
この時の流量は570kg/Hrで、スタティックミキサーのウェーバー数は1600であった。
この懸濁液を実施例1と同様に重合し、得られた比較用樹脂粒子(6)の粒子径を実施例1と同様に測定した結果、体積平均粒子径は7.1μm、変動係数は65%と粒子径が若干大きくなり、且つ、粗粒子を含む分布の広いものであった。
【0064】
実施例5と同様の工程を経て、この重合液から比較用樹脂粒子(6)の黒色粉体を得た。この黒色粉体を電子写真用トナーとして、実施例2と同様の方法で複写テストを行った結果、比較的良好な解像度を有する画像が得られるが、細線再現性が若干劣るものであった。またカブリはほとんど認められなかった。
【0065】
【発明の効果】
本発明に係る樹脂粒子の製造方法、製造装置によれば、粒径の小さな液滴を粒径分布の狭い状態で容易に得させる。
本発明では、静止型管内混合器のウェーバー数を100〜5000の範囲内に制御することで、液体は好ましい乱流状態となり、液滴を所望の粒子径に容易に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置要部を示す模式図。
【図2】本発明の装置要部の別の例を示す模式図。
【図3】本発明の装置要部のさらに別の例を示す模式図。
【図4】静止型管内混合器の内部構造の一例を示す断面斜視図。
【図5】高速剪断型分散機の内部構造の一例を示す断面斜視図。
【図6】別の高速剪断型分散機の内部構造の一例を示す断面斜視図。
【符号の説明】
3 静止型管内混合器
31 管
32 案内板
33 案内板
4 高速剪断型分散機
43,403 ローター
431 スリット
44,404 ステーター
441 スリット

Claims (8)

  1. 二相を形成する二つの液体の一方を分散相成分、他方を連続相成分として、両成分を、静止状態の液体分断機構を備えた静止型管内混合器に通したのち高速で回転する液体剪断機構を備えた高速剪断型分散機に通すことにより前記連続相成分中に前記分散相成分の微細な液滴を分散させ、この液滴から樹脂粒子を生成させる樹脂粒子の製造方法。
  2. 静止型管内混合器のウェーバー数を100〜5000に設定する請求項1記載の樹脂粒子の製造方法。
  3. 前記液体を攪拌混合し、分散相成分を予め液滴化した後、静止型管内混合器に送液する請求項1または2記載の樹脂粒子の製造方法。
  4. 前記静止型管内混合器に通した後、前記高速剪断型分散機に通す前の液滴の大きさが10μm以下である請求項1から3までのいずれか記載の樹脂粒子の製造方法。
  5. 二相を形成する二つの液体の一方を分散相成分、他方を連続相成分として、前記連続相成分中に前記分散相成分の微細な液滴を分散させ、この液滴から樹脂粒子を生成させる樹脂粒子の製造装置であって、静止状態の液体分断機構を備えた静止型管内混合器の後段に高速で回転する液体剪断機構を備えた高速剪断型分散機を設けてなることを特徴とする樹脂粒子の製造装置。
  6. 静止型管内混合器が、管の一端を入口、他端を出口とし、管内に、管断面を二分しながら中心軸線に沿って右旋回する案内板と左旋回する案内板とが中心軸線に沿う方向に交互に配置されてなる構造を備えている請求項5記載の樹脂粒子の製造装置。
  7. 高速剪断型分散機が、少なくともローターを備え、分散機内部に送り込まれた両成分は前記ローターの回転で剪断分散されるようになっている請求項5または6記載の樹脂粒子の製造装置。
  8. 静止型管内混合器の前段に攪拌式混合機をも備えている請求項5から7までのいずれか記載の樹脂粒子の製造装置。
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