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JP3828407B2 - 硬化性樹脂および硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂および硬化性樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性、耐湿性、可撓性等に優れた硬化物を与える硬化性樹脂およびこの樹脂を含んでなる硬化性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂を不飽和一塩基酸で変性させたエポキシアクリレート(ビニルエステル樹脂)は、熱あるいは光により硬化させることができ、硬化物の耐薬品性等の特性に優れているため、硬化性樹脂として各種成形材料や塗料用途に用いられている。
【0003】
しかし、上記エポキシアクリレートは、硬化の際、自由体積減少に起因する内部応力蓄積という問題がある。すなわち、成形材料として用いた場合は、硬化収縮によって成形品にクラックや反りが生じたり、内部歪みの蓄積によって耐熱性や耐湿性等の特性が低下する。また、塗料として用いた場合は、被塗物との密着性が低下する要因となる。
一方、上記エポキシアクリレートは、微細加工、画像形成用の光硬化性樹脂としても汎用されている。この分野では、画像の微細化への対応の点から写真法の原理を応用すると共に、環境対策の点で希薄な弱アルカリ水溶液で現像することのできる樹脂材料が求められている。これらの観点から、現在では、エポキシアクリレートに多塩基酸無水物を反応させてカルボキシル基を導入したカルボキシル基含有エポキシアクリレート等が使用されている(例えば、特開昭61−243869号や特開昭63−258975号)。
【0004】
上記液状光硬化性樹脂組成物によるパターン形成においては、まず基板上に樹脂組成物を塗布し加熱乾燥を行って塗膜を形成させた後、この塗膜にパターン形成用フィルムを圧着し、露光して、現像するという一連の工程が採用されている。上記工程において、加熱乾燥後の塗膜に粘着性が残存していると、剥離後のパターン形成用フィルムに一部の樹脂組成物が付着して正確なパターンの再現ができなくなったり、あるいはパターン形成用フィルムが剥離できない、といった問題があった。このため、塗膜形成後のタックフリー性は、液状光硬化性樹脂組成物にとって、重要な要求特性となっている。
【0005】
また、露光後の現像性も重要な要求特性である。すなわち、ファインパターンを高い信頼性で再現性良く形成させるためには、塗膜の未露光部分が現像の際に速やかに除去されなければならない。しかし、現像性と上記タックフリー性は相反する特性であって、現像性を良好にしようとするとタックフリー性が悪化する傾向にあり、両方の特性を良好にすることは難しかった。
【0006】
さらに、パターン形成後の硬化塗膜は、高温あるいは高湿度下にさらされると、塗膜にクラックが生じたり、基材からの剥離が生じるという、前記した成形材料と共通する問題点も有していた。
【0007】
このような従来技術の問題の内、現像性向上という点について、エポキシ基とカルボキシル基との反応を用いて樹脂中にヒドロキシル基を導入することが提案されている(例えば特開平7−242716号等)が、親水性付与による現像性向上の反面、1分子中に複数のヒドロキシル基を有する化合物が用いられているために硬化塗膜の吸水率が増大し、高温・高湿条件下での耐性が不充分であった。
【0008】
このようなことから、タックフリー性、現像性、基材への密着性等の重要課題が全て良好である光硬化性樹脂の出現が望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明では、熱や光で重合硬化して、耐熱性、耐湿性、被塗物への密着性等の特性に優れた硬化物を形成することができる硬化性樹脂およびその組成物を提供することを課題として掲げた。また、光硬化性樹脂として用いた場合の、塗膜のタックフリー性、速やかな現像性、および硬化塗膜特性向上を、併せて課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の硬化性樹脂は、エポキシ樹脂を変性して得られるラジカル重合性の硬化性樹脂であって、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂に、エポキシ樹脂骨格主鎖から遠い位置にヒドロキシル基を導入するために、1分子中に1個のヒドロキシル基と1個のエポキシ基と反応し得るヒドロキシル基以外の官能基を有する化合物(I)として特定の構造の化合物(I)および不飽和一塩基酸を反応させることにより得られるものであるところに要旨を有する。
【0011】
よって以下の構成を提案する。
本発明の硬化性樹脂は、エポキシ樹脂を変性して得られるラジカル重合性の硬化性樹脂であって、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂に、1分子中に1個のヒドロキシル基と、カルボキシル基、アミノ基およびチオール基から選ばれる1個の官能基とを、炭素数3個以上35個以下の炭化水素結合を介して有する化合物(I)および不飽和一塩基酸を反応させることにより得られるものであることを特徴とする硬化性樹脂である。
【0012】
また本発明は、上記エポキシ樹脂に上記化合物(I)および不飽和一塩基酸を反応させた後、さらに多塩基酸無水物および/または鎖延長剤を反応させることにより得られるものである硬化性樹脂も含まれる。
【0013】
また、本発明は、上記硬化性樹脂と、重合開始剤とを含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物も含まれる。
【0014】
この構成により、本発明の硬化性樹脂を、例えば光硬化性樹脂として用いた場合の、塗膜のタックフリー性、速やかな現像性、および硬化塗膜特性向上が達成できる様になった。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の硬化性樹脂は、エポキシ樹脂を変性したラジカル重合性の硬化性樹脂であって、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂に、1分子中に1個のヒドロキシル基と、カルボキシル基、アミノ基およびチオール基から選ばれる1個の官能基とを、炭素数3個以上35個以下の炭化水素結合を介して有する化合物(I)および不飽和一塩基酸を反応させることにより得られるものである。
【0016】
上記化合物(I)を反応させることによって、硬化性樹脂中にヒドロキシル基を主鎖構造から遠い位置に導入することができる。その結果、硬化物の耐熱性、耐湿性、被塗物への密着性、可撓性をバランス良く向上させることができた。また、不飽和一塩基酸は、樹脂中にラジカル重合性二重結合を導入するために用いられる。
【0017】
本発明の硬化性樹脂を、画像形成用の光硬化性樹脂組成物として用いた場合にも、タックフリー性、速やかな現像性および良好な特性を有する塗膜を得ることができたものである。
【0018】
本発明の硬化性樹脂の出発原料となるエポキシ樹脂としては、特に限定されず、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する公知のエポキシ樹脂であればいずれも用いることができ、ビスフェノール型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;テトラグリシジルアミノジフェニルメタン等の多官能性グリシジルアミン樹脂;テトラフェニルグリシジルエーテルエタン等の多官能性グリシジルエーテル樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂;フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、ナフトール等のフェノール化合物と、フェノール性ヒドロキシル基を有する芳香族アルデヒドとの縮合反応により得られるポリフェノール化合物と、エピクロルヒドリンとの反応物;フェノール化合物とジビニルベンゼンやジシクロペンタジエン等のジオレフィン化合物との付加反応により得られるポリフェノール化合物と、エピクロルヒドリンとの反応物;4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイドの開環重合物を過酸でエポキシ化したもの;トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環を有するエポキシ樹脂;等が挙げられる。また、これらのエポキシ樹脂の2分子以上を、多塩基酸、ポリフェノール化合物、多官能アミノ化合物あるいは多価チオール等の化合物と反応によって結合して鎖延長し、高分子量化したエポキシ樹脂も使用できる。
【0019】
本発明の硬化性樹脂は、エポキシ樹脂を変性して得られるラジカル重合性の硬化性樹脂であって、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂に、1分子中に1個のヒドロキシル基と、カルボキシル基、アミノ基およびチオール基から選ばれる1個の官能基とを、炭素数3個以上35個以下の炭化水素結合を介して有する化合物(I)および不飽和一塩基酸を反応させることにより得られるものであることを特徴とする硬化性樹脂である。
【0020】
さらに具体的には、本発明の硬化性樹脂は、エポキシ樹脂を変性して得られるラジカル重合性の硬化性樹脂であって、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂に、1分子中にそれぞれヒドロキシル基を1個と、カルボキシル基、アミノ基およびチオール基から選ばれる官能基を1個持つ化合物であって、さらに前記ヒドロキシル基と、カルボキシル基、アミノ基およびチオール基から選ばれる前記官能基との間が炭素数3個以上35個以下の炭化水素結合を介している化合物(I)および不飽和一塩基酸を反応させることにより得られるものであることを特徴とする硬化性樹脂である。
【0021】
上記化合物(I)が有するヒドロキシル基以外の官能基は、カルボキシル基、アミノ基およびチオール基から選ばれる。これらはエポキシ基との反応性が高く、硬化性樹脂に化合物(I)が有するヒドロキシル基を確実に導入できる。中でも、エポキシ基との反応が容易であり、硬化性樹脂の物性に影響を与えないカルボキシル基が好ましい。
【0022】
上記化合物(I)が持つ、1個のヒドロキシル基と、カルボキシル基、アミノ基およびチオール基から選ばれる1個の官能基との間を介する炭化水素結合は、飽和炭化水素結合あるいは不飽和炭化水素結合であって、その介する炭素数は、炭素数3個以上35個以下である事が好ましく、さらに好ましくは炭素数3個以上30個以下である。さらに好ましくは炭素数4個以上25個以下である。さらには上記炭素数が6個以上20個以下であることが好ましい。
【0023】
ヒドロキシル基と、上記官能基との間を介する炭化水素結合の炭素数が少ないと、硬化性樹脂中のヒドロキシル基を主鎖から遠い位置に導入する事ができず、硬化物の可撓性、被塗物に対する密着性が不充分となる。例えば、上記の介在する炭素数が1個である乳酸の場合、硬化物の可撓性、被塗物に対する密着性向上効果は発現しない。このように、上記のヒドロキシル基と、上記官能基との間を介する炭化水素結合の介する炭素数が少ないと硬化性樹脂主鎖骨格から遠い位置にヒドロキシル基を導入する事ができず、本願の効果は達成されない。また、この炭素数が多すぎると、ヒドロキシル基の導入に伴って長鎖の炭化水素基の導入量が増え、疎水性が高くなって現像性が不十分となる場合や、硬化性樹脂の構造全体における二重結合当量が増加するため硬化性が低下することがある。
【0024】
また、上記化合物(I)がそれぞれ1個を持つ、ヒドロキシル基と前記官能基との間には、炭素数3個以上35個以下の炭化水素結合の他に、酸素原子、窒素原子、カルボニル基、炭素数の異なる炭化水素結合を介していてもよい。
【0025】
また、化合物(I)がそれぞれ1個を持つ、ヒドロキシル基と、カルボキシル基、アミノ基およびチオール基から選ばれる官能基との間に介在する炭化水素結合は、化合物(I)が持つ全原子数に対して、50%以上が連続した炭化水素結合を形成する3個以上35個以下の炭素原子で占められる構造である事が好ましい。例えば、エーテル結合で炭化水素が結合された、アルキレングリコール構造では、親水性が高くなりすぎ、硬化物の耐水性が悪くなることがある。
【0026】
即ち、本発明において化合物(I)は、得られる硬化性樹脂の総合的な物性を考慮し、上記の観点で選択する事が好ましい。
このような、1分子中に1個のヒドロキシル基と、カルボキシル基、アミノ基およびチオール基から選ばれる1個の官能基とを、炭素数3個以上35個以下の炭化水素結合を介して有する化合物(I)の例示を以下に行う。
【0027】
上記化合物(I)は、より具体的には、1分子中にそれぞれヒドロキシル基を1個と、カルボキシル基、アミノ基およびチオール基から選ばれる官能基を1個を持つ化合物であって、さらに前記ヒドロキシル基と、カルボキシル基、アミノ基およびチオール基から選ばれる前記官能基との間が炭素数3個以上35個以下の炭化水素結合を介している化合物(I)で表される化合物である。
【0028】
上記の化合物(I)の具体例としては、1分子中に、ヒドロキシル基とカルボキシル基をそれぞれ1個持つ化合物としては、10−ヒドロキシデカン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、15−ヒドロキシペンタデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、4−ヒドロキシメチル安息香酸、4−ヒドロキシ酪酸(γ−ブチロラクトンの加水分解物)、d−12−ヒドロキシオレイン酸、無水トリメリット酸とモノエタノールアミンから得られるN−(2−ヒドロキシエチル)トリメリットイミド等があり、1分子中にヒドロキシル基とチオール基をそれぞれ1個持つ化合物としては、3−メルカプト−1−プロパノール等があり、1分子中にヒドロキシル基とアミノ基をそれぞれ1個持つ化合物としては、6−アミノ−1−ヘキサノール、trans−4−アミノシクロヘキサノール等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
【0029】
樹脂中に、ラジカル重合性不飽和二重結合を導入するためには、エポキシ樹脂中のエポキシ基に不飽和一塩基酸を反応させる必要がある。不飽和一塩基酸とは、1個のカルボキシル基と1個以上のラジカル重合性不飽和結合を有する一塩基酸である。具体例としてはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸、β−アクリロキシプロピオン酸、1個のヒドロキシル基と1個の(メタ)アクリロイル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと二塩基酸無水物との反応物、1個のヒドロキシル基と2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートと二塩基酸無水物との反応物等が挙げられる。中でも好ましいのは、アクリル酸、メタクリル酸等の(メタ)アクリロイル基を有するものである。これらは、1種または2種以上を用いることができる。
【0030】
エポキシ樹脂と上記化合物(I)および不飽和一塩基酸との反応は、エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸を反応させ、次いで化合物(I)を反応させる方法、エポキシ樹脂に対して不飽和一塩基酸と化合物(I)を同時に反応させる方法、エポキシ樹脂と化合物(I)を反応させ、次いで不飽和一塩基酸と反応させる方法等があり、いずれを採用してもよい。
【0031】
エポキシ樹脂中のエポキシ基1化学当量に対して、上記化合物(I)を、0.01〜0.6モル、不飽和一塩基酸を0.4〜0.99モル反応させることが好ましい。さらには上記化合物(I)を0.05〜0.5モル、不飽和一塩基酸を0.5〜0.95モル反応させることが好ましい。上記化合物(I)の量が0.6モルを越えると、硬化性樹脂の硬化性が低下し、逆に、0.01モルより小さくなると、密着性や可撓性の付与効果が得られず、共に好ましくない。不飽和一塩基酸の量が少ないと、硬化性樹脂の硬化性が不充分となる。
【0032】
化合物(I)と不飽和一塩基酸の合計としては、エポキシ基1化学当量に対して、0.8〜1.1モルとするのが好ましい。この合計量が0.8モル未満では、ヒドロキシル基やラジカル重合性二重結合の導入が少な過ぎて、基材に対する密着性等の特性が発現せず、硬化性樹脂のラジカル重合性も不充分である。またこの合計量を1.1モルを越えると、未反応で残存する化合物(I)や不飽和一塩基酸が増大し、これらの低分子量化合物が硬化物の特性低下を引き起こすため好ましくない。
【0033】
エポキシ樹脂に対する化合物(I)と不飽和一塩基酸の反応は、前記したように、いずれを先に行っても、同時に反応させてもよい。これらの反応は、後述のラジカル重合性モノマーや溶媒といった希釈剤の存在下あるいは非存在下で、ハイドロキノンや酸素等の重合禁止剤、およびトリエチルアミン等の三級アミン、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、トリフェニルフォスフィン等のリン化合物、金属の有機酸または無機塩あるいはキレート化合物等の反応触媒の共存下、通常80〜130℃で行うことにより、本発明の硬化性樹脂が得られる。
【0034】
上記エポキシ樹脂と化合物(I)および不飽和一塩基酸との反応で、化合物(I)と不飽和一塩基酸が、原料エポキシ樹脂中のエポキシ基を開環させたことによって、ヒドロキシル基が生成している。このヒドロキシル基、または化合物(I)によってエポキシ樹脂主鎖構造から遠い位置に導入されたヒドロキシル基に対して、多塩基酸無水物を反応させることによりカルボキシル基が導入された硬化性樹脂が得られる。このカルボキシル基含有硬化性樹脂はアルカリ現像が可能となるので、画像形成用等のアルカリ現像型硬化性樹脂として利用することができる。
【0035】
多塩基酸無水物としては、無水フタル酸、無水コハク酸、オクテニル無水コハク酸、ペンタドデセニル無水コハク酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、トリメリット酸等の二塩基酸無水物;ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族あるいは芳香族四塩基酸二無水物等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を使用することができる。
【0036】
カルボキシル基含有硬化性樹脂を得るための多塩基酸無水物と硬化性樹脂との反応は、良好なアルカリ現像性を発現させるために最終的に得られるカルボキシル基含有硬化性樹脂の酸価を30mgKOH/g以上にすることが好ましく、多塩基酸無水物を硬化性樹脂中のヒドロキシル基1化学当量に対し、0.1〜1.1モルの範囲で用いるとよい。
【0037】
この反応は、希釈剤の存在下または非存在下でハイドロキノンや酸素等の重合禁止剤の存在下、通常50〜130℃で行う。このとき必要に応じて、トリエチルアミン等の三級アミン、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、塩化リチウム等の金属塩等を触媒として添加してもよい。
【0038】
また、上記エポキシ樹脂と上記化合物(I)および不飽和一塩基酸との反応後、あるいは更に多塩基酸無水物との反応後に、これらが有するヒドロキシル基またはカルボキシル基に対して、これらの官能基との反応性を有する官能基を分子内に2個以上有する鎖延長剤を反応させることにより、鎖延長剤を介して連結した高分子量化硬化性樹脂を得ることができる。鎖延長剤の例としては、ヒドロキシル基に対して反応させる場合にはイソシアネート化合物を、カルボキシル基に対して反応させる場合にはエポキシ化合物やオキサゾリン化合物を用いることができる。
【0039】
本発明の硬化性樹脂は、重合硬化時に架橋点となる二重結合部分と、化合物(I)由来のヒドロキシル基あるいはこのヒドロキシル基部分に導入されたカルボキシル基とが、従来のエポキシアクリレート系ラジカル重合性樹脂に比べて、離れて存在する。従って、本発明の硬化性樹脂を、複合材料のマトリックス樹脂、接着剤、塗料、インキとして用いた場合に、充填材・強化材や被塗物に対する密着性向上のために、これらの官能基を有効に活用することができる。また、カルボキシル基含有硬化性樹脂では、カルボキシル基の位置もエポキシ樹脂に由来する主鎖部分や二重結合部分といった高疎水性領域から離間した位置にあるため、アルカリ現像性も向上する。
【0040】
本発明の硬化性樹脂は、熱や光によってラジカル重合を行う。上記のラジカル重合開始には、重合開始剤が存在していることが好ましい。本発明には、これまで述べてきた硬化性樹脂と熱または光重合を開始させるための重合開始剤とを含有する硬化性樹脂組成物も含まれる。
【0041】
また本発明の硬化性樹脂は、電子線等の活性エネルギー線を照射する事で硬化させる事もできる。
【0042】
樹脂組成物に用いられる熱重合開始剤としては公知のものが使用でき、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物が挙げられる。熱重合用途には、樹脂組成物中に硬化促進剤を混合して使用してもよく、このような硬化促進剤としては、ナフテン酸コバルトやオクチル酸コバルト等あるいは3級アミンが代表例として挙げられる。熱重合開始剤は、硬化性樹脂と必要により使用されるラジカル重合性化合物(後述する)の合計100重量部に対し、0.05〜5重量部の使用が好ましい。
【0043】
また光重合開始剤としては公知のものが使用でき、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)アセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オンや2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1;アシルホスフィンオキサイド類およびキサントン類等が挙げられる。
【0044】
これらの光重合開始剤は1種または2種以上の混合物として使用され、硬化性樹脂と必要により使用されるラジカル重合性化合物(後述する)の合計100重量部に対し、0.5〜30重量部含まれていることが好ましい。光重合開始剤の量が0.5重量部より少ない場合には、光照射時間を増やさなければならなかったり、光照射を行っても重合が起こりにくかったりするため、適切な表面硬度が得られなくなる。なお、光重合開始剤を30重量部を越えて配合しても、多量に使用するメリットはない。また上記の熱重合開始剤と光重合開始剤を併用する事も可能である。
【0045】
本発明の硬化性樹脂組成物には、ラジカル重合性化合物を配合してもよい。例えば、ラジカル重合性オリゴマーとしては、不飽和ポリエステル、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等が使用でき、ラジカル重合性モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、α−クロロスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルベンゼンホスホネート等の芳香族ビニル系モノマー;酢酸ビニル、アジピン酸ビニル等のビニルエステルモノマー;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)−メチル(メタ)アクリレート、(ジ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル系モノマー;トリアリルシアヌレート等が使用可能である。これらは、硬化性樹脂の用途や要求特性に応じて適宜選択され、1種または2種以上を用いることができる。
【0046】
本発明の組成物を基材に塗布する際の作業性等の観点から、組成物中に溶媒を配合してもよい。溶媒としてはトルエン、キシレン等の炭化水素類;セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類;セロソルブアセテート、カルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類等が挙げられる。これらの溶媒は、1種または2種以上を混合して用いることができ、塗布作業時に組成物が最適粘度となるよう適当量使用する。
本発明の組成物には、さらに必要に応じて、タルク、クレー、硫酸バリウムおよび水酸化アルミ等の充填材、着色用顔料、消泡剤、カップリング剤、レベリング剤、増感剤、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、重合抑制剤、増粘剤等の公知の添加剤を添加してもよい。水酸化アルミと難燃剤を併用する事で良好な難燃性硬化性樹脂組成物が得られる。
【0047】
また、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート等のエポキシ樹脂や、ジシアンジアミド、イミダゾール化合物等のエポキシ硬化剤を配合してもよい。さらに、各種強化繊維を補強用繊維として用い、繊維強化複合材料とすることができる。各種強化繊維としては例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維等が使用できる。
【0048】
本発明の樹脂のうち、カルボキシル基が導入されていない硬化性樹脂を画像形成用等の光硬化性樹脂として使用する場合には、基材に塗布し、露光して硬化塗膜を得た後、未露光部分を、前記した溶媒やトリクロロエチレン等のハロゲン系溶媒等を用いて溶剤現像することができる。
【0049】
また、カルボキシル基が導入された硬化性樹脂を光硬化性樹脂として使用する場合は、未露光部分がアルカリ水溶液に溶解するので、アルカリ現像を行うことができる。使用可能なアルカリの具体例としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物;水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;アンモニア;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジメチルプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレンイミン等の水溶性有機アミン類が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
【0050】
本発明の硬化性樹脂を製造する工程の途中で、ヒドロキシル基を有するエポキシ樹脂が得られる。このエポキシ樹脂は、アミン系や酸無水物系といった公知のエポキシ樹脂硬化剤で硬化させることができ、必要により種々の添加剤等を加えて、エポキシ樹脂組成物として利用可能である。
【0051】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、これらは単なる例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中の部および%は重量基準である。
【0052】
<合成例1>
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂EOCN−104S(日本化薬製、エポキシ当量219)438部に、10−ヒドロキシデカン酸75部、アクリル酸119部、エチルカルビトールアセテート271部、トリフェニルフォスフィン3部およびメチルハイドロキノン0.5部を加え、110℃で10時間反応させた。酸価7の硬化性樹脂を70%含むエチルカルビトールアセテート溶液(A−1)を得た。
【0053】
<合成例2>
合成例1で得られた溶液(A−1)400部に、テトラヒドロ無水フタル酸67部を加え、100℃で5時間反応させた。酸価78のカルボキシル基含有硬化性樹脂を74%含むエチルカルビトールアセテート溶液(A−2)を得た。
【0054】
<合成例3>
フェノールノボラック型エポキシ樹脂EPPN−201(日本化薬製、エポキシ当量187)374部に、3−メルカプト−1−プロパノール37部、アクリル酸59部、メタクリル酸71部、エチルカルビトールアセテート232部、トリフェニルフォスフィン3部およびメチルハイドロキノン0.5部を加え、110℃で9時間反応させた。酸価6の硬化性樹脂を70%含むエチルカルビトールアセテート溶液(A−3)を得た。
【0055】
<合成例4>
合成例3で得られた溶液(A−3)400部に、テトラヒドロ無水フタル酸31部、無水コハク酸21部を加え、100℃で5時間反応させた。酸価76のカルボキシル基含有硬化性樹脂を73%含むエチルカルビトールアセテート溶液(A−4)を得た。
【0056】
<合成例5>
合成例1において用いたクレゾールノボラック型エポキシ樹脂438部に、6−アミノ−1−ヘキサノール70部、アクリル酸104部、エチルカルビトールアセテート262部、トリフェニルフォスフィン3部およびメチルハイドロキノン0.5部を加え、110℃で10時間反応させた。酸価6の硬化性樹脂を70%含むエチルカルビトールアセテート溶液(A−5)を得た。
【0057】
<合成例6>
合成例5で得られた溶液(A−5)400部に、テトラヒドロ無水フタル酸67部を加え、100℃で5時間反応させた。酸価77のカルボキシル基含有硬化性樹脂を74%含むエチルカルビトールアセテート溶液(A−6)を得た。
【0058】
<合成例7>
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂YDCN−703(東都化成製、エポキシ当量201.5)403部に、4−ヒドロキシメチル安息香酸15部、アクリル酸137部、エチルカルビトールアセテート299部、トリフェニルフォスフィン3部およびメチルハイドロキノン0.4部を加え、110℃で10時間反応させ、酸価10の硬化性樹脂を65%含むエチルカルビトールアセテート溶液を得た。次にテトラヒドロ無水フタル酸167部を加え、100℃で5時間反応させ、酸価94のカルボキシル基含有硬化性樹脂を71%含むエチルカルビトールアセテート溶液を得た。さらに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂YD−127(東都化成製、エポキシ当量184)40部を加え、110℃で5時間反応させ、酸価73の鎖延長されたカルボキシル基含有硬化性樹脂を72%含むエチルカルビトールアセテート溶液(A−7)を得た。
【0059】
<比較合成例1>
合成例1において用いたクレゾールノボラック型エポキシ樹脂438部に、アクリル酸148部、エチルカルビトールアセテート251部、トリフェニルフォスフィン3部およびメチルハイドロキノン0.5部を加え、110℃で10時間反応させた。酸価7の比較用硬化性樹脂を70%含むエチルカルビトールアセテート溶液(B−1)を得た。
【0060】
<比較合成例2>
比較合成例1で得られた溶液(B−1)400部に、テトラヒドロ無水フタル酸69部を加え、100℃で5時間反応させた。酸価80の比較用カルボキシル基含有硬化性樹脂を74%含むエチルカルビトールアセテート溶液(B−2)を得た。
【0061】
<比較合成例3>
比較合成例1で得られた溶液(B−2)400部に、テトラヒドロ無水フタル酸94部を加え、100℃で5時間反応させた。酸価100の比較用カルボキシル基含有硬化性樹脂を76%含むエチルカルビトールアセテート溶液(B−3)を得た。
【0062】
<比較合成例4>
合成例1において用いたクレゾールノボラック型エポキシ樹脂438部に、乳酸54部、アクリル酸104部、エチルカルビトールアセテート255部、トリフェニルフォスフィン3部およびメチルハイドロキノン0.5部を加え、110℃で10時間反応させた。酸価7の比較用硬化性樹脂を70%含むエチルカルビトールアセテート溶液(B−4)を得た。
【0063】
<比較合成例5>
比較合成例4で得られた溶液(B−4)400部に、テトラヒドロ無水フタル酸71部を加え、100℃で5時間反応させた。酸価82の比較用カルボキシル基含有硬化性樹脂を74%含むエチルカルビトールアセテート溶液(B−5)を得た。
【0064】
<実施例1〜7および比較例1〜5>
得られた各硬化性樹脂溶液を用い、表1に示す配合組成に従って液状光硬化性樹脂組成物を配合し、以下の方法で評価を行った。結果を表1に併記した。
【0065】
〔タックフリー性評価〕
各樹脂組成物を、脱脂洗浄した厚さ1.6mmの銅張積層板上に20〜30μmの厚さに塗布し、熱風循環式乾燥炉中において80℃で30分間乾燥し塗膜を得た。この塗膜のタックフリー性を指触により下記基準で評価した。
○:全くタックが認められない
△:わずかにタックが認められる
×:顕著にタックが認められる。
【0066】
〔現像性−1〕
タックフリー性評価のときと同様に乾燥塗膜を形成した。次いで、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを使用して30℃で60秒間現像を行い、残存する樹脂塗膜の存在を下記基準で目視で評価した。
【0067】
○:完全に現像されている
×:付着物が残る。
【0068】
〔現像性−2〕
タックフリー性評価のときと同様に乾燥塗膜を形成した。次いで、1%Na2CO3水溶液を使用して30℃で60秒間現像を行い、残存する樹脂塗膜の存在を現像性−1と同じ基準で目視で評価した。
【0069】
〔耐煮沸性評価〕
タックフリー性評価のときと同様に乾燥塗膜を形成し、1kWの超高圧水銀灯を用いて500mJ/cm2の光量を照射し、塗膜を硬化させた。次いで高温条件として150℃で30分間加熱した後、さらに、煮沸しているイオン交換水中に1分間浸漬した。浸漬後の塗膜の状態を下記基準で目視で評価した。
○:塗膜の外観に異常なし
×:塗膜の一部に膨潤、剥離あり。
【0070】
〔密着性評価〕
タックフリー性評価のときと同様に乾燥塗膜を形成し、1kWの超高圧水銀灯を用いて500mJ/cm2の光量を照射し、塗膜を硬化させた。次いで高温条件として150℃で30分間加熱した後、粘着テープによるピーリング試験を行い、密着性を下記基準で目視で評価した。
○:密着性良好
×:剥離あり
【0071】
【表1】
Figure 0003828407
【0072】
【発明の効果】
本発明の硬化性樹脂は、通常の硬化性樹脂と同様に使用することができ、主鎖から遠い位置のヒドロキシル基の存在の点で、硬化物の物性を優れたものとすることができた。従って本発明の硬化性樹脂組成物は、耐熱性、耐湿性、可撓性等が高度に要求される電気用プリント配線基板や絶縁板用等の複合材料のマトリックス樹脂として、あるいは接着剤、塗料として有用である。また、液状光硬化性樹脂組成物として微細加工、画像形成が可能なので、印刷板や各種レジスト材料にも使用することができる。

Claims (4)

  1. エポキシ樹脂を変性して得られるラジカル重合性の硬化性樹脂であって、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂に、1分子中に1個のヒドロキシル基と、カルボキシル基、アミノ基およびチオール基から選ばれる1個の官能基とを、炭素数3個以上35個以下の炭化水素結合を介して有する化合物(I)および不飽和一塩基酸を反応させることにより得られるものであることを特徴とする硬化性樹脂。
  2. 上記エポキシ樹脂に上記化合物(I)および不飽和一塩基酸を反応させた後、さらに多塩基酸無水物を反応させることにより得られるものであることを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂。
  3. 上記エポキシ樹脂に上記化合物(I)および不飽和一塩基酸を反応させた後、さらに鎖延長剤を反応させることにより得られるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の硬化性樹脂。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂と、重合開始剤とを含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
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