JP3826599B2 - 防虫ネット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、防虫ネットに関する。更に詳しくは、優れた害虫忌避性を有する防虫ネットに関する。
【0002】
【従来の技術】
農業生産において、害虫から農作物をまもることは昔から現在に至るまで続いている課題である。この虫害対策には、農薬や天敵等による殺虫、被覆資材による害虫侵入防止、忌避効果による害虫の排除、誘因効果の利用による駆除などが挙げられるが、中でも農薬の普及は農作物の虫害を激減させ、これにより収穫量は大幅に増大した。
その反面、農業従事者には薬傷、消費者には残留農薬害、環境には生態系の破壊といった問題を引き起こした。このため、人体や環境に対して低リスクな或いは無害な薬剤の開発が進められてきた。
しかし、これら農薬など薬剤を使用する場合には、散布や燻蒸などの作業が必要であり、これら作業は農業生産者にとって大きな負担となっている。また現在は無害といわれている薬剤でも、長期的な影響については解明されていない。
【0003】
さらに健康に対する意識が高まり、無農薬または低農薬の有機栽培農作物を求める消費者の動きなどもあって、従来の殺虫タイプの農薬だけに頼らない虫害対策が求められている。
従来の殺虫剤タイプの農薬を用いない虫害対策としては、前述の天敵の利用の他、害虫の性フェロモンの利用による害虫の繁殖防止(特開平06−192024号報、特開平10−87408号報)、遺伝子を利用した虫害に強い作物の創出など既に実施されているものおよび研究段階のものなどいくつか挙げられるが、対象となる害虫が限定されるなど十分満足できる方法はない。
これらの農薬を使わない虫害対策の一つに、被覆資材を用いる方法を挙げることができる。これらの被覆資材はハウスやトンネルなどを用いるいわゆる施設園芸に用いられるもので、被覆することにより施設内への害虫の侵入を防止する。これら被覆資材としては、農業用フィルム、寒冷紗、ネットおよび不織布などが広く用いられている。
【0004】
これらのうち、農業用フィルムは本来保温や雨除けが主目的の被覆資材で通気性がなく、害虫の活動が活発な高温時期には施設内が蒸れるため換気が必要で、被覆が開放される結果、害虫が侵入し、寒冷時期をのぞいては単独では虫害対策に使用することはできない。
なお、紫外線吸収剤を練り込むなどして380nm以下の波長の光の透過を実質的に阻止した農業用フィルムによる被覆下に作物を栽培することで虫害を防ぐ方法が知られている(特開昭54−97273号公報)。
【0005】
前記の農業用フィルムは、紫外線カットフィルムとして葉菜類などの栽培に利用されているが、アントシアニン系色素の形成が必要なナス、レッドリーフレタスなど赤紫色の野菜やトルコキキョウなどの紫色系の花をつける花卉などの作物では、紫外線の除去によりこの色素の形成が阻害されるため使用できず、軟弱野菜の栽培に利用する場合でも葉色が濃い緑色になりにくい傾向がある。また、ミツバチやマルハナバチを用いて受粉を行なう場合、紫外線カットフィルムはこれら昆虫の活動を阻害するため使用できないなど用途が限定される。
【0006】
寒冷紗や不織布は遮光や保温が目的の被覆資材であり、強度不足で破れやすく、破れた隙間から害虫が侵入して農作物に被害を与えることがあるため、虫害対策に使用するには問題がある被覆資材である。
農業用の不織布については、ポリビニルアルコール系の異形糸束からなる極薄不織布が、特開昭63−152449号報に開示されているが、透光性・通気性・保温性の改善が目的の農業資材で、害虫忌避を目的としたものではなく、破れやすくて防虫被覆資材としての効果は期待できなかった。
ネットは、通気性がよいため強度の優れた繊維の糸条を用いたものは虫害防止のための被覆資材として好ましく、とくに熱可塑性樹脂からなるモノフィラメントを編織したネットが防虫ネットとして用いられている。防虫ネットの性能は、基本的に防虫ネットを構成する糸条が作り出す隙間の大きさにより決まる。この隙間の大きさは、通常、隣接する繊維間の距離である“目合い”を以って表わす。
【0007】
しかし、従来の防虫ネットの場合、この目合いは固定されていないものが多く、風雨や取扱いの過程で糸条が動き、この目合いが変化する“目ずれ”が発生するため、目合いが広がったところから害虫が侵入することが多々あった。
防虫ネットの目合いは、微細な害虫の侵入をも防止できる点では小さいほうが望ましく目ずれによる目合いの広がりも少ないが、その分、太陽光線の照射量が減り、通気性も悪化することから小さくするにも限度があった。その後、防虫ネットの目ずれを防止し目合いを一定に保つ方法として、ネットを構成する糸条の交点を熱接着する方法が開発され、得られたネットは害虫の侵入防止性の高い防虫ネットとして普及しているものの、目合いだけで害虫の侵入を完全に防止するのは困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、持続性のある害虫忌避効果を有し、さらには目合いが一定で目ずれが起らず、ハウスなど農業施設内への害虫侵入が抑制され、通気性が良好な防虫ネットを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記従来技術の課題を解決するために鋭意研究の結果、防虫ネットの糸条を構成する繊維を異形繊維とすることにより、防虫ネット自身が様々な光条・光芒の反射光を発生させて害虫忌避性を示すという優れた新しい知見を得、特定の異形度と繊度を有する熱接着性繊維からなる糸条が、編織物に形成されてなる防虫ネット、もしくはさらに前記編織物の糸条の交点が熱接着されてなる防虫ネットが、前記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は以下の構成を有する。
(1)糸条が編織物に形成されて得られる防虫ネットであって、前記糸条の少なくとも20%が熱接着性繊維からなる糸条であり、前記熱接着性繊維が1.2〜2.2の異形度を有し、かつ、100〜5000dtexの繊度を有する熱接着性異形繊維である防虫ネット。
(2)編織物を形成する糸条の交点が熱接着されて得られる請求項1に記載の防虫ネット。
(3)熱接着性繊維が、10℃以上の融点差を有する低融点樹脂と高融点樹脂からなる複合繊維である(1)もしくは(2)項に記載の防虫ネット。
(4)熱接着性繊維の糸条が、フィラメント糸である(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の防虫ネット。
(5)防虫ネットに、金属箔フィルムまたは金属蒸着フィルムをスリットして得られたテープヤーンが貼り合された、もしくは織り込まれた(1)〜(4)項のいずれか1項に記載の防虫ネット。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の防虫ネットにおいて、防虫ネットの糸条を構成する繊維の少なくとも20%は、異形度が1.2〜2.2、かつ、繊度が100〜5000dtexの熱接着性繊維(以下、熱接着性異形繊維という)である。異形度とは、繊維の断面周長を、その断面積と同面積をもつ円の周長で除した値である。
異形度が1.2より大きく下回ると、繊維の断面は円に近くなり、反射光によるキラキラ感が弱くなり、十分な害虫忌避性を発揮できない。
また、異形度が2.2を大きく超えると、反射光によるキラキラ感はあるが、突起部位の長さが大きくなりすぎて、繊維強度の低下を招く。さらに、ネットの編織性が著しく低下する。
異形の形状には、特に規定はなく、例えば星形、H字型、M字型、N字型、V字型、W字型、X字型、Y字型や*(アスタリスク)字型など種々の形状のものが使用できるが、紡糸安定性、反射光によるキラキラ感の効果を考慮すると、星形、H字型、X字型、Y字型や*(アスタリスク)字型が好ましい。
【0012】
本発明の防虫ネットにおいて、防虫ネットの糸条を構成する繊維の少なくとも20%は、異形度が1.2〜2.2、かつ、繊度が100〜5000dtex、好ましくは300〜2800dtexの熱接着性異形繊維である。繊度が100dtex未満であると、防虫ネットの強度が低下し、目合いが圧力などにより広がる恐れがある。繊度が5000dtexを超えると、防虫ネットの剛性が高くなり、かつ異形繊維の突起部分の摩擦音が大きくなるため、取り扱い難い。さらに、前記防虫ネットの重量が大きくなるため、運搬が不便となるうえ、展張部位に高荷重がかかるので、ハウスなどの設備を損傷する恐れがある。
【0013】
本発明の防虫ネットにおいて、防虫ネットの糸条を構成する繊維の少なくとも20%、好ましくは50%以上は、異形度が1.2〜2.2、かつ、繊度が100〜5000dtexの熱接着性異形繊維である。ここで言う「繊維の少なくとも20%」とは、本発明の防虫ネットの糸条を構成する全繊維の投影面積中における、熱接着性異形繊維の投影面積の量を割合(%)で示したものである。
この熱接着性異形繊維の量が20%を大きく下回ると、反射光が弱くなり、十分な害虫忌避性が得られ難くなる。
本発明の防虫ネットにおいて、糸条を構成するために用いられる熱接着性異形繊維以外の繊維としては、特に限定はしないが熱接着性繊維や紡績糸が挙げられるが、糸条の交点を熱接着する場合には熱接着性繊維であることが好ましい。
【0014】
本発明の防虫ネットにおいて、防虫ネットの糸条を構成する繊維の少なくとも20%は、熱接着性異形繊維であり、前記糸条が編織されることによって、もしくはさらにこの熱接着性を利用し糸条の交点が熱接着されることによって、防虫ネットが得られる。
本発明の防虫ネットの糸条を構成する熱接着性異形繊維には、単一成分樹脂からなるレギュラーモノフィラメント、複数の樹脂からなる複合モノフィラメント、さらには単一成分樹脂もしくは複数の樹脂からなるマルチフィラメントを用いることが出来る。
【0015】
前記糸条の交点を熱接着する場合に十分な接着強度を有する交点とするため、防虫ネットの糸条を構成する熱接着性異形繊維は、熱接着性複合モノフィラメントが好ましく用いられる。ここで熱接着性複合モノフィラメントとは、少なくとも融点差が10℃以上ある低融点樹脂と高融点樹脂とからなり、繊維表面の少なくとも一部が連続する低融点樹脂により形成された二種以上の樹脂からなる熱接着性複合モノフィラメントである。
熱接着性複合モノフィラメントの構造は、たとえば鞘芯型、並列型、海島型などのいずれも使用できるが、異形という特殊な形状を踏まえれば、鞘芯型・並列型の構造が好ましく用いられる。中でも鞘芯型構造の熱接着性複合モノフィラメントは熱接着性が良好で一定しており好ましい。この場合、異形化する部位は鞘側のみである必要はなく、鞘芯ともに異形化されても構わない。
【0016】
前記熱接着性複合モノフィラメントを構成する低融点樹脂および高融点樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミドなどの熱可塑性樹脂を例示することができるが、とくに好ましくはポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂である。
【0017】
前記低融点樹脂および高融点樹脂の組合せの例としては、低融点樹脂/高融点樹脂で表わす場合、高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレン/ポリプロピレン、低密度ポリエチレン/ポリプロピレン、プロピレンと他のαオレフィンとの二元共重合体または三元共重合体/ポリプロピレン、直鎖
状低密度ポリエチレン/高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン/高密度ポリエチレン、各種のポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン/ポリエチレンテレフタレート、プロピレンと他のαオレフィンとの二元共重合体または三元共重合体/ポリエチレンテレフタレート、低融点熱可塑性ポリエステル/ポリエチレンテレフタレート、各種のポリエチレン/ナイロン6、ポリプロピレン/ナイロン6、プロピレンと他のαオレフィンとの二元共重合体または三元共重合体/ナイロン6、ナイロン6/ナイロン66、ナイロン6/熱可塑性ポリエステルなどを挙げることができる。
【0018】
これらの中ではポリオレフィン同士もしくはポリオレフィンとポリエステルからなる組合せが好ましく、その具体例としては高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、エチレン・プロピレン・ブテン−1三元共重合体/ポリプロピレン、エチレン・プロピレン二元共重合体/ポリプロピレン、エチレン・プロピレン・ブテン−1三元共重合体/ポリエチレンテレフタレート、あるいは高密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレートなどを挙げることができる。
さらに、これらの中ではポリオレフィン同士、例えば高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、エチレン・プロピレン・ブテン−1三元共重合体/ポリプロピレン、エチレン・プロピレン二元共重合体/ポリプロピレンなどが耐薬品性の面から特に好ましい。
【0019】
前記の低融点樹脂と高融点樹脂の二成分の樹脂の組合せにおいては、効果的な反射光によるキラキラ感を強調し優れた害虫忌避効果を得るために、二成分の樹脂は屈折率の差の大きいものを選ぶのが望ましい。
前記の熱接着性複合モノフィラメントには、本発明の効果を妨げない範囲において、安定剤、難燃剤、抗菌剤などが添加されていてもよい。また、着色剤が添加されていても良い。着色剤の添加により、遮光率や保温性をコントロールできる他、補助的に虫や鳥などの忌避性が期待できる。
【0020】
本発明の防虫ネットに用いられる熱接着性異形繊維からなる糸条は、防虫ネットの経糸・緯糸のどちらか、もしくは両方に用いることができる。また異なる異形断面をもつもの同士を経糸・緯糸のどちらか、もしくは両方に用いても良く、さらに異形度の異なるものをネットの経糸・緯糸のどちらか、もしくは両方に組み合わせて用いることも可能である。
【0021】
本発明の防虫ネットにおいて、目合いは0.4〜3mm、より好ましくは0.6〜2mmである。目合いが0.4mm未満では、通気性が悪くなり、ハウスなどの被覆された施設内の作物に蒸れの被害が発生することがある。目合いが3mmを超えると、害虫が侵入しやすくなり防虫ネットとしての機能が低下する。
【0022】
また、本発明の防虫ネットにおいては、金属箔フィルムや金属蒸着フィルムをスリットして得られたテープヤーンを、防虫ネットに貼り合せたり、もしくは防虫ネットを構成する熱接着性異形繊維からなる糸条と共に織り込んで用いることにより、反射光によるキラキラ感の発生を強化し、より効果的な害虫忌避性をもたせることができる。
前記のテープヤーンを防虫ネットに貼り合せる方法としては、接着剤を用いる方法や熱接着する方法が挙げられる。
前記のテープヤーンを防虫ネットに織り込む方法としては、前記のテープヤーンを防虫ネットの目合いに編織の際に同時に挿入する方法、編織後に挿入する方法など、種々の方法が可能である。
本発明の防虫ネットの糸条を構成する繊維の20%以上が熱接着性異形繊維であることを考慮すれば、金属箔フィルム、金属蒸着フィルムも熱接着性を有するものであることが好ましい。前記フィルムの素材や熱接着性は、本発明の効果をなんら妨げないものであることが好ましい。
【0023】
本発明の防虫ネットのうち、熱接着性異形繊維からなる糸条の交点が熱接着された防虫ネットは、前記の熱接着性異形繊維からなる糸条をネット状に編織し、編織と同時に、もしくは編織後に、得られた編織物を熱接着性異形繊維からなる糸条の交点が融着する温度以上に加熱することにより、得ることができる。
本発明の防虫ネットは、前記の編織において、織りパターンなどが限定されることはない。すなわち、経糸や緯糸に用いられる熱接着性異形繊維からなる糸条の配列、単位長さ当りの糸条本数などは、任意に設定できる。織り構造としては、平織り、綾織り、朱子織り、絡み織り、ラッセル織りなどが挙げられるが、編織性、目合いの調節しやすさ、防虫性などを考慮した場合、平織りが好ましい。
熱接着性異形繊維からなる糸条の打ち込み本数は、本発明の防虫ネットが利用される作物の種類、害虫の種類と大きさなどにより適宜決定される。
【0024】
前記の編織物の糸条の交点を加熱し熱接着させるための装置としては、熱風型加熱機、赤外線加熱機、遠赤外線加熱機、高圧蒸気加熱機、超音波型加熱機、熱ロール型加熱機、熱圧着ロール型加熱機などを挙げることができ、これらは単独でも複数組合わせて使用してもよい。とりわけ、熱風型加熱機と熱ロール型加熱機、または熱風型加熱機と熱圧着ロール型加熱機を組合わせた装置を使用すると、交点の接着強度の高い防虫ネットを得ることができる。
【0025】
【実施例】
実施例、比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下に本発明に関する試験方法を説明する。
(a)異形度:異形繊維の断面周長(A)を、その断面積と同面積をもつ円の周長(B)で除した値である。
異形度=A÷B
異形度の求め方を例を挙げて説明する。1.00mm×2.00mmの2つの長方形が正十文字で重なり合う形状の図形において、この正十文字の各辺の長さの和は8.00mmで(A)ある。また、この正十文字の面積は3.00mm2であるので、これと同じ面積をもつ円の半径は、0.977mmとなり、前記の円の周長が6.14mm(B)と求められる。
よって、この図形の異形度はAの値をBの値で除したものであるので、計算により異形度は1.30となる。
【0026】
(b)害虫忌避率:ポットで栽培されたトマト苗2株を、一辺が30cm、高さ40cmの直方体状の鉄枠中に入れ、この鉄枠の周囲に防虫ネットを貼った。この周りに、トマトの害虫であるヒラズハナアザミウマ50頭を放し、48時間放置した。
48時間後、鉄枠中に侵入した害虫ヒラズハナアザミウマの頭数(C)を数え、以下の式より害虫忌避率を求めた。
害虫忌避率(%)=(50−C)÷ 50×100
害虫忌避率は数値が大きいほど害虫忌避効果が大きい。80%以上が好ましい。なお、試験は、自然光に近い日射が得られ、かつ、害虫が逃げ出さないように日当たりの良いガラス室内で実施し、試験後害虫は薬殺した。
【0027】
(c)ネットの反射光の輝調
自然光の下でネットの反射光の光条・光芒を目視観察した。なお、実施例と比較例で用いたネットの目合いは、ネットの反射光の輝調を比較・観察するため、全て1mmとした。
【0028】
(実施例1)
鞘成分に融点が134℃のエチレン・プロピレン・ブテン−1三元共重合体、芯成分に融点が164℃のポリプロピレンを用いた繊度400dtexの熱接着性複合モノフィラメントを1mm目合いの平織りネットに編織した。なお、熱接着性複合モノフィラメントは、断面形状がY字型、異形度が1.48のもので、経糸、緯糸ともに全てこの異形繊維を用いた。
このネットを熱風型加熱機を用いて150℃で熱処理し、熱接着性複合モノフィラメント同士の交点が熱接着されたネットを得た。
このネットの反射光は、蛍光状の光芒を示した。
このネットを用いて害虫忌避率を測定・評価した。結果を表1に示した。
【0029】
(実施例2)
鞘成分に融点が134℃のエチレン・プロピレン・ブテン−1三元共重合体、芯成分に融点が160℃のポリプロピレンを用いた繊度500dtexの熱接着性複合モノフィラメントを1mm目合いの平織りネットに編織した。なお、熱接着性複合モノフィラメントは、断面形状がY字型で、異形度が1.85。経糸のみこの異形繊維を用いたので、異形繊維の量は、繊維面積比で50%であった。このネットを熱風型加熱機を用いて150℃で熱処理し、熱接着性複合モノフィラメント同士の交点が熱接着されたネットを得た。
このネットの反射光は、フラッシュ状の光条を示した。
このネットを用いて害虫忌避率を測定・評価した。結果を表1に示した。
【0030】
(実施例3)
鞘成分に融点が132℃の高密度ポリエチレンエチレン、芯成分に融点が165℃のポリプロピレンを用いた繊度100dtexの熱接着性複合モノフィラメントを、1mm目合いの平織りネットに編織した。なお、熱接着性複合モノフィラメントは、断面形状が*(アスタリスク)字型、異形度が1.72のもので、経糸、緯糸ともに全てこの異形繊維を用いた。
このネットを熱風型加熱機を用いて150℃で熱処理し、熱接着性複合モノフィラメント同士の交点が熱接着されたネットを得た。
このネットの反射光は、鈍いフラッシュ状の光条を示した。
このネットを用いて害虫忌避率を測定・評価した。結果を表1に示した。
【0031】
(実施例4)
鞘成分に融点が133℃のエチレン・プロピレン・ブテン−1三元共重合体、芯成分に融点が162℃のポリプロピレンを用いた繊度1000dtexの熱接着性複合モノフィラメントを1mm目合いの平織りネットに編織した。なお、熱接着性複合モノフィラメントは、断面形状がY字型で異形度が1.96のものを経糸に、断面形状が*(アスタリスク)字型で異形度が1.72のものを緯糸に用いた。
このネットを熱風型加熱機を用いて152℃で熱処理し、熱接着性複合モノフィラメント同士の交点が熱接着されたネットを得た。
このネットの反射光は、強いフラッシュ状の光条を示した。
このネットを用いて害虫忌避率を測定・評価した。結果を表1に示した。
【0032】
(比較例1)
鞘成分に融点が134℃のエチレン・プロピレン・ブテン−1三元共重合体、芯成分に融点が164℃のポリプロピレンを用いた繊度400dtexの熱接着性複合モノフィラメントを、1mm目合いの平織りネットに編織した。なお、熱接着性複合モノフィラメントは、通常の断面形状である円形のものであった。
このネットを熱風型加熱機を用いて150℃で熱処理し、熱接着性複合モノフィラメント同士の交点が熱接着されたネットを得た。
このネットは、鞘側レジンの光沢はあるものの、その反射光にキラキラ感は全くないものであった。
このネットを用いて害虫忌避率を測定・評価した。結果を表1に示した。
【0033】
(比較例2)
鞘成分に融点が132℃のエチレン・プロピレン二元共重合体、芯成分に融点が163℃のポリプロピレンを用いた繊度90dtexの熱接着性複合モノフィラメントを、1mm目合いの平織りネットに編織した。なお、熱接着性複合モノフィラメントは、断面形状がY字型、異形度が1.48のもので、経糸、緯糸ともに全てこの異形繊維を用いた。
このネットを熱風型加熱機を用いて150℃で熱処理し、熱接着性複合モノフィラメント同士の交点が熱接着されたネットを得た。
このネットの反射光には、わずかに蛍光状の光芒が認められたが、繊度が小さいために展張時の張力により目合いが拡張されてしまった。
このネットを用いて害虫忌避率を測定・評価した。結果を表1に示した。
【0034】
(比較例3)
鞘成分に融点が134℃のエチレン・プロピレン・ブテン−1三元共重合体、芯成分に融点が164℃のポリプロピレンを用いた繊度400dtexの熱接着性複合モノフィラメントを1mm目合いの平織りネットに編織した。なお、熱接着性複合モノフィラメントは、断面形状がY字型、異形度が1.10のもので、経糸、緯糸ともに全てこの異形繊維を用いた。
このネットを熱風型加熱機を用いて150℃で熱処理し、熱接着性複合モノフィラメント同士の交点が熱接着されたネットを得た。
このネットには、鞘側レジンの光沢はあるものの、その反射光にキラキラ感はほとんどないものであった。
このネットを用いて害虫忌避率を測定・評価した。結果を表1に示した。
【0035】
(比較例4)
鞘成分に融点が134℃のエチレン・プロピレン・ブテン−1三元共重合体、芯成分に融点が164℃のポリプロピレンを用いた繊度400dtexの熱接着性複合モノフィラメントを1mm目合いの平織りネットに編織した。なお、熱接着性複合モノフィラメントは、断面形状がY字型のもので、異形度が2.40で、経糸、緯糸ともに全てこの異形繊維を用いた。
このネットは、編織中に異形繊維の突起部があちらこちらに引っかかってしまい、目合いの不均一なものとなってしまった。また、繊維強度が低く、切断され易いため、編織を中止した。
【0036】
(実施例5)
実施例1で作成したネットに、総厚み0.06mmのアルミニウム箔フィルムを幅0.8mmにスリットしたテープヤーンを、経糸方向に1目置きに挿入し防虫ネットを得た。
このネットの反射光は、繊維自体の光芒と、アルミニウム箔フィルムのもつキラキラ感との相乗効果により、一層輝いて見える物であった。
このネットを用いて害虫忌避率を測定・評価した。結果を表1に示した。
【0037】
前記の実施例、比較例においては、熱接着性異形繊維の異形形状として、Y字型や*(アスタリスク)字型を用いたが、その他の異形形状においても、同様の効果を期待することができる。
本発明の防虫ネットは、優れた害虫忌避性を有するため、農業用防虫ネットとしてのみならず、建築用、家庭用、その他多くの用途に使用することができる。また、本発明の防虫ネットは、他の資材例えば布帛、フィルム、金属ネット、
建設資材、土木資材、農業資材など、多くの資材と組み合わせて使用することも可能である。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】
本発明の防虫ネットは、防虫ネットの糸条を構成する繊維を熱接着性異形繊維とすることにより、防虫ネット自身が様々な光条・光芒の反射光を発生させ、持続性のある害虫忌避性を示すと共に、熱接着性異形繊維からなる糸条を、編織物に形成し、さらに前記糸条の交点を熱接着することにより、目ずれを起こさず、風などで吹き付けられた害虫の侵入も防止できる防虫ネットである。
Claims (5)
- 糸条が編織物に形成されて得られる防虫ネットであって、前記糸条の少なくとも20%が熱接着性繊維からなる糸条であり、前記熱接着性繊維が1.2〜2.2の異形度を有し、かつ、100〜5000dtexの繊度を有する熱接着性繊維である防虫ネット。
- 編織物を形成する糸条の交点が熱接着されて得られる請求項1に記載の防虫ネット。
- 熱接着性繊維が、10℃以上の融点差を有する低融点樹脂と高融点樹脂からなる複合繊維である請求項1もしくは2に記載の防虫ネット。
- 熱接着性繊維からなる糸条が、フィラメント糸である請求項1〜3の何れか1項に記載の防虫ネット。
- 防虫ネットに、金属箔フィルムまたは金属蒸着フィルムをスリットして得られたテープヤーンが貼り合された、もしくは織り込まれた請求項1〜4のいずれか1項に記載の防虫ネット。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP02495899A JP3826599B2 (ja) | 1999-02-02 | 1999-02-02 | 防虫ネット |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP02495899A JP3826599B2 (ja) | 1999-02-02 | 1999-02-02 | 防虫ネット |
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