JP3826495B2 - 画像信号処理装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像信号の解像度を向上させる処理を行う画像信号処理装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像信号としては、例えば525本の走査線を有する標準解像度(standard definition; SD)のテレビジョン受像器に対応するSD信号と共に、例えば1125本の走査線を有する高解像度(high definition; HD)のテレビジョン受像器(以下、HDTVと称する。)に対応するHD信号が提供されている。
【0003】
ところで、上記HDTVに対してSD信号が与えられる場合がある。このような場合には、SD信号をHD信号に変換する信号変換、いわゆるアップコンバートが施される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このアップコンバートの際には、線形補間によって画素を増やす処理を行っていた。しかし、この線形補間によるアップコンバートによっては、解像度を向上させることは不可能であった。
【0005】
この発明は、上述の課題に鑑みてなされるものであって、アップコンバートの際に、解像度を向上させる画像信号処理装置及び方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明に係る画像処理装置は、第1の画像信号を時間軸方向にブロック化するブロック化手段と、このブロック化された第1の画像信号に対して第1の多項式であるn次多項式についてn次曲面フィッティングにより信号当てはめを行い、この第1の多項式であるn次多項式を特定する第1のパラメータを導出する信号解析手段と、上記第1の画像信号に上記第1の多項式を当てはめることにより取得した上記第1のパラメータと、上記第1の画像信号と同一の対象についての上記第1の画像信号より解像度の高い第2の画像信号に第2の多項式であるn+m次多項式を(n+m)次曲面フィッティングにより当てはめることにより取得した上記n+m次多項式を特定する第2のパラメータとについて統計的な処理を行い対応関係を抽出することにより設定され、上記第1のパラメータに対応した上記第2のパラメータが読み出されるパラメータテーブルと、上記第2のパラメータにて特定される、上記第2の多項式である上記n+m次多項式にて信号を生成する信号生成手段と、上記第1の画像信号と、上記信号生成手段にて生成された信号とを合成して画像信号とする信号合成手段とを有することを特徴としている。
【0007】
また、本発明に係る画像処理方法は、第1の画像信号を時間軸方向にブロック化するブロック化工程と、このブロック化された第1の画像信号に対して第1の多項式であるn次多項式についてn次曲面フィッティングにより信号当てはめを行い、この第1の多項式であるn次多項式を特定する第1のパラメータを導出する信号解析工程と、上記第1の画像信号に上記第1の多項式を当てはめることにより取得した上記第1のパラメータと、上記第1の画像信号と同一の対象についての上記第1の画像信号より解像度の高い第2の画像信号に第2の多項式であるn+m次多項式を(n+m)次曲面フィッティングにより当てはめることにより取得した上記n+m次多項式を特定する第2のパラメータとについて統計的な処理を行い対応関係を抽出することにより設定されたパラメータテーブルから、上記第1のパラメータに対応した第2のパラメータを読み出す読み出し工程と、上記第2のパラメータにて特定される、上記第2の多項式である上記n+m次多項式にて信号を生成する信号生成工程と、上記第1の画像信号と、上記信号生成工程にて生成された信号とを合成して画像信号とする信号合成工程とを有することを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る画像信号処理装置及び方法を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
画像信号処理装置の一例は、図1に示すように、画像信号を時間軸方向にブロック化するブロック化部1を有している。このブロック化部1は、例えば525本の走査線を有する標準テレビジョン受像機相当の画素数及び画質を有する標準解像度のSD信号を、ブロックに分割するものである。このブロック化部1は、例えば、入力するSD信号の2次元画素を分割してブロックとする。
【0012】
また、上記画像信号処理装置は、ブロック化された画像信号に対して信号当てはめを行う信号解析手段である信号当てはめ部2と、この信号当てはめ部2の結果に応じてパラメータが読み出されるパラメータテーブル3と、このパラメータテーブル3から取得したパラメータにて特定される多項式にて信号を生成する信号生成部4とを有している。
【0013】
上記信号当てはめ部2は、上記ブロック化部1からブロック化された信号を与えられ、このブロック化された信号に対して信号当てはめを行う。ここでは、第1の多項式であるn次多項式についていわゆるn次曲面フィッティングにより当てはめを行い、このn次多項式を特定するパラメータを第1のパラメータとする。この第1のパラメータとしては、例えば上記n次多項式の係数を用いることができる。ここで、上記nとは1以上の整数である。
【0014】
上記パラメータテーブル3は、第1の多項式であるn次多項式を特定する第1のパラメータと、第2の多項式であるn+m次多項式を特定する第2のパラメータとの対応関係を保持するテーブルである。ここで、上記mは1以上の整数であるので、上記第2の多項式は第1の多項式よりも次数が高い。なお、この第2のパラメータとしては、例えば上記n+m次多項式の係数を用いることができる。なお、上記パラメータテーブル3としては、ROMテーブルをアドレッシングすることにより実現できる。
【0015】
このパラメータテーブル3は、例えば、図2に示すように、第1の多項式であるn次多項式を特定する第1パラメータA1、A2、A3、・・・と、第2の多項式であるn+m次多項式を特定する第2のパラメータB1、B2、B3、・・・との対応関係を保持している。図中では、第1のパラメータの内のA4と、第2のパラメータの内のB4とがリンクする対応関係が示されている。
【0016】
上記パラメータテーブルは、後述するように、同一の対象を撮像した、SD信号に当てはめた上記第1のパラメータと、例えば1125本の走査線を有する高解像度のテレビジョン受像器等に対応する画素数及び画質を有する高解像度のHD信号に当てはめた上記第2のパラメータとの対応関係を解析することにより予め設定される。
【0017】
上記図1に示す信号生成部4は、第2の多項式であるn+m次多項式を特定する第2のパラメータを受け取り、このn+m多項式に基づいて信号を生成する。即ち、この信号生成部4は、上記信号解析部2にて導出した上記第1のパラメータに対応して上記パラメータテーブル3から読み出され第2のパラメータにより特定されるn+m次多項式に基づいて画像信号を生成する。
【0018】
さらに、上記画像信号処理装置は、画像信号を合成する信号合成部5を有している。この信号合成部5は、上記ブロック化部1から得られる画像信号と、上記信号生成部4にて生成された信号とを合成し、この合成により得られた画像信号をHD信号として出力する。
【0019】
ここで、信号の合成とは、上記ブロック化部1から与えられる画像信号と、上記信号生成部4から得られた信号とを、例えば重み付け乗算したり、貼り付けたりすることが挙げられる。なお、上記貼り付けとは、上記画像信号に上記信号を貼り付ける、いわゆるマッピングの意味である。また、信号の合成の際のタイミング調整のために信号が遅延される場合がある。
【0020】
続いて、画像信号処理方法の一例について説明する。この画像信号処理方法に係る一連の手順は、図3のフローチャートに示される。
【0021】
最初のステップS1においては、入力するSD信号をブロック化する。例えば、SD信号を所定期間毎に1ブロックとする。そして、これに続くステップS2に進む。
【0022】
ステップS2においては、ステップS1にてブロック化された画像信号に対して信号当てはめを行う。即ち、ブロック化された信号に対して第1の多項式であるn次多項式を当てはめ、例えば上記n次多項式の係数を、第1のパラメータとして決定する。但し、上記nとは1以上の整数である。そして、次のステップS3に進む。
【0023】
ステップS3においては、パラメータテーブルを参照する。即ち、ステップS2にて得られた第1のパラメータに対応する第2のパラメータをパラメータテーブルから読み出す。
【0024】
ここで、上記パラメータテーブルとは、第1の多項式である上記n次多項式を特定する第1のパラメータと、第2の多項式であるn+m次多項式を特定する第2のパラメータとの対応関係を保持するテーブルである。但し、上記mは1以上の整数であるので、上記第2の多項式は上記第1の多項式より次数が高い。なお、この第2のパラメータとしては、例えば上記n+m次多項式の係数を用いることができる。上記パラメータテーブルから第2のパラメータの読み出しを終えると、次のステップS4に進む。
【0025】
ステップS4においては、ステップS3において得られた第2のパラメータにて特定される第2の多項式であるn+m次多項式に基づいて信号を生成する。そして、これに続くステップS5に進む。
【0026】
ステップS5においては、ステップS1にてブロック化された画像信号と、ステップS4にて生成された信号とを合成し、この合成により得られた画像信号をHD信号として出力する。ここで、信号の合成とは、上記信号生成部4から得られた信号と、上記ブロック化部1から与えられる信号とを、例えば重み付け乗算したり、貼り付けたりすることが挙げられる。
【0027】
以上において説明したように、上記画像信号処理装置及び方法は、SD信号に対して当てはめた第1の多項式であるn次多項式よりも次数の高い第2の多項式であるn+m次多項式から信号を生成し、この画像信号と、元のSD信号を合成した画像信号をHD信号として出力している。画像信号に対応する多項式の次数は、第1の多項式のn次から第2の多項式のn+m次までm次向上しているので、解像度を向上させた画像信号が得られる。この画像信号の処理により、SD信号より高解像度でより細かい表現をすることができるHD信号を、SD信号から生成することが可能になる。
【0028】
続いて、上記パラメータテーブル3を学習により作成する方法について説明する。このパラメータテーブル3は、上述したように、第1の多項式であるn次多項式を特定する第1のパラメータと、第2の多項式であるn+m次多項式を特定する第2のパラメータとの対応関係を保持するものである。
【0029】
このパラメータテーブル3を作成するための一連の手順は、図4に示すように、同一の対象をSD信号を出力するSDカメラ11と、HD信号を出力するHDカメラ14でそれぞれ撮像して得られたSD信号及びHD信号に対し、それぞれ第1の信号当てはめ部13及び第2の信号当てはめ部15にて第1のパラメータ及び第2のパラメータを導出し、これら第1のパラメータ及び第2のパラメータを度数テーブル17に記録して、これら第1のパラメータと第2のパラメータとの対応関係を判断部18にて解析することにより、その結果の対応表をメモリ19に記録するものである。
【0030】
即ち、SDカメラ11にて得られた画像信号であるSD信号は、第1のブロック化部12にて時間軸方向にブロック化される。この第1のブロック化部12におけるブロック化としては、例えば、入力する画像信号の2次元画素を分割してブロック化することが挙げられる。このブロック化されたSD信号は、第1の信号当てはめ部13にて第1の多項式であるn次多項式にフィッティグにより当てはめられ、このn次多項式を特定する第1のパラメータが導出される。この第1のパラメータとしては、例えば上記n次多項式の係数を用いることができる。
【0031】
一方、上記SDカメラ11と同一の対象を撮像するHDカメラ14にて得られたHD信号は、第2のブロック化部15にてブロック化される。この第2のブロック化部15におけるブロック化としては、例えば、上記第1のブロック化部12に同期してブロック化することができる。
【0032】
このブロック化されたHD信号は第2の信号当てはめ部14にていわゆる(n+m)次曲面フィッティングにより第2の多項式であるn+m次多項式に当てはめられ、このn+m次多項式を特定する第2のパラメータが導出される。この第2のパラメータとしては、例えば上記n+m次多項式の係数を利用することができる。
【0033】
なお、ここではSDカメラ11及びHDカメラ14で同一の対象を撮像してそれぞれSD信号及びHD信号を得ているが、HDカメラ14にて撮像したHD信号に対してローパスフィルタ又はサブサンプリングの処理を施すことにより、このHD信号から同一対象物を撮像したSD信号と同等な信号が得られる。
【0034】
これら第1の信号当てはめ部13及び第2の信号当てはめ部16にて得られた第1のパラメータと第2のパラメータとの対は、度数テーブル17に記録される。この度数テーブル17には、例えば、上記第1のパラメータと第2のパラメータの対が所定量蓄積されるまで記録が続けられる。
【0035】
上記判断部18は、上記度数テーブル17に蓄積された第1のパラメータと第2のパラメータの対に基づいて判断を行う。例えば、統計的な処理を行い有効な対応関係を抽出する。そして、第1のパラメータと第2のパラメータとの対応関係を決定する。
【0036】
上記メモリ19は、上記判断部18にて決定された上記第1のパラメータと第2のパラメータの対応関係を記憶する。このメモリ19に記憶された上記第1のパラメータと上記第2のパラメータとの対応関係は、必要な場合に読み出されて上記パラメータテーブル3に設定される。また、このメモリ19に記憶された上記第1のパラメータと第2のパラメータの対応関係は、上記画像信号処理方法においても利用される。
【0037】
以上説明したように、第1のパラメータと第2のパラメータとの対応関係は、SD信号から導出した第1の多項式であるn次多項式を特定する第1のパラメータと、上記SD信号と同一の対象を撮像したHD信号から導出した第2の多項式であるn+m次多項式を特定する第2のパラメータとの対を度数テーブル17に記録して、この度数テーブル17の記録を判断部18にて解析するという、学習に係る一連の手順によって得ることができる。
【0038】
このような学習により、SD信号に対応する第1のパラメータと、HD信号に対応する第2のパラメータの対応関係が得られ、この対応関係を利用することにより、SD信号からHD信号を生成することが可能になる。
【0039】
次に、画像信号処理装置の他の例について説明する。
この画像信号処理装置は、図5に示すように、画像信号を時間軸方向にブロック化するブロック化部1を有している。このブロック化部1は、上述した画像信号処理装置の備えるブロック化部1と同じく、入力されるSD信号を時間軸方向にブロック化する。例えば、このブロック化部1は、入力する画像信号を所定時間毎にブロック化することがある。
【0040】
また、上記画像信号処理装置は、ブロック化された画像信号を波形パターンによりクラス分類する信号解析手段であるクラス分類部6と、このクラス分類部2における結果に応じてパラメータを読み出されるパラメータテーブル3と、このパラメータテーブル3にて得たパラメータに対応して画像信号を生成する信号生成部4とを有している。
【0041】
上記クラス分類部6は、上記ブロック化部1からブロック化された信号を与えられ、このブロック化された信号2を波形パターンによりクラス分類する。
【0042】
ここで、クラス分類としては、例えば、ベクトル量子化、圧縮符号化、及び適応型ダイナミックレンジ符号化(adaptive dynamic range coding; ADRC)による波形分類を挙げることができる。
【0043】
このADRCによるクラス分類は、本来VTR向け高能率符号化用に開発された適応的再量子化法であり、信号レベルの局所的なパターンを短い語長で効率的に表現することができる。
【0044】
ここで、1ビットARDCを例に取って、ARDCを説明する。ARDC回路の一例を図6に示す。このADRC回路は、図7に示すように、第1行に図中左から右に画素P1〜P3、第2行に同じく画素P4〜P6、第3行に同じく画素P7〜P9の(3×3)の計9個の画素が配置されたブロックBに対しADRCを施すものである。
【0045】
即ち、上記ADRC回路は、入力端子101からのブロックの順序に変換されたデータに関して、検出回路102がブロック毎に最大値MAX、最小値MINを検出する。減算回路103に対してMAX及びMINが供給され、その出力にダイナミックレンジDRが発生する。入力データ及びMINが減算回路104に供給され、減算回路104から最小値が除去されることで、正規化された画素データが発生する。
【0046】
ダイナミックレンジDRが減算回路105に供給され、正規化された画素データがダイナミックレンジDRで割算され、割算回路105の出力データが比較回路106に供給される。比較回路106では、中央画素P5以外の8個の画素の割算出力が0.5を基準として、より大きいか、より小さいかが判断される。この結果に応じて、“0”又は“1”のデータDTが発生する。この比較出力DTが出力端子107に取り出される。この1ビットADRCを用いてクラス分割を行えば(3×3)のブロックBが9ビットのクラスコードで表現される。
【0047】
上記パラメータテーブル3は、上記クラス分類部6の与えるクラスと、k次多項式を特定するパラメータとの対応関係を保持するテーブルである。ここで、上記kは1以上の整数である。なお、上記パラメータとしては、例えば上記k次多項式の係数を用いることができる。ここで、このパラメータテーブル3は、例えばROMテーブルをアドレッシングすることにより実現できる。
【0048】
このパラメータテーブル3は、例えば、上記図2を用いて説明すると、上記クラス分類部6から与えられるクラスA1、A2、A3、・・・と、上記k次多項を特定するパラメータB1、B2、B3、・・・との対応関係を保持している。図中では、クラスA4と、パラメータB4とがリンクする対応関係が示されている。
【0049】
この図5中のパラメータテーブル3は、後述するように、SD信号をクラス分類することにより導出したクラスと、上記SD信号を同一の対象を撮像したHD信号に当てはめたk次多項式を特定するパラメータとの対応関係を解析することにより予め設定される。
【0050】
上記信号生成部4は、上記パラメータテーブル3から与えられるパラメータにより特定されるk多項式から信号を生成するものである。即ち、この信号生成部4は、上記クラス分類部2にて導出されたクラスに対応して上記パラメータテーブル3から読み出されたパラメータにより特定されるk次多項式に基づいて信号を生成する。
【0051】
さらに、上記画像信号処理装置は、画像信号を合成する信号合成部5を有している。この信号合成部5は、上記ブロック化部1から得られる画像信号と、上記信号生成部4にて生成された信号とを合成し、この合成により得られた画像信号をHD信号として出力する。
【0052】
ここで、信号の合成とは、例えば、上記ブロック化部1から与えられる信号と、上記信号生成部4から得られた信号とを重み付け乗算したり、貼り付けたりすることが挙げられる。なお、上記貼り付けとは、マッピングの意味である。また、信号の合成の際のタイミング調整のために、信号が遅延される場合がある。
【0053】
続いて、画像信号処理方法の他の例について説明する。この画像信号処理方法に係る一連の手順は、図8のフローチャートに示される。
【0054】
最初のステップS11においては、入力するSD信号をブロック化する。このブロック化としては、例えば、SD信号を所定時間毎に1ブロックとすることが挙げられる。そして、これに続くステップS12に進む。
【0055】
ステップS12においては、ステップS11にてブロック化された画像信号を波形パターンに基づいてクラス分類する。このクラス分類としては、例えばADRCを利用することができる。クラス分類については上で詳述したので、ここでの説明を省略する。そして、次のステップS13に進む。
【0056】
ステップS13においては、パラメータテーブルを参照する。即ち、ステップS12にて得られたクラスに対応するパラメータを、パラメータテーブルから読み出す。
【0057】
ここで、上記パラメータテーブルは、ブロック化された画像信号の波形パターンに基づいたクラス分類により得られたクラスと、k次多項式を特定するパラメータとの対応関係を保持するテーブルである。なお、上記パラメータとしては、例えば上記k次多項式の係数を用いることができる。上記パラメータテーブルからパラメータの読み出しを終えると、次のステップS14に進む。
【0058】
ステップS14においては、ステップS13において得られたパラメータにて特定されるk次多項式に基づいて信号を生成する。そして、これに続くステップS15に進む。
【0059】
ステップS15においては、ステップS11にてブロック化された画像信号と、ステップS14にて生成された信号とを合成し、この合成により得られた画像信号をHD信号として出力する。ここで、信号の合成とは、上記信号生成部から得られた信号と、上記ブロック化部から与えられる信号とを、例えば重み付け乗算することが挙げられる。
【0060】
以上説明したように、上記画像信号処理装置及び方法は、SD信号の波形パターンによるクラス分類により導出したクラスに対応するk次多項式に基づいて信号を生成し、この信号と、ブロック化されたSD信号を合成した画像信号をHD信号として出力している。従って、この画像信号処理装置及び方法においては、上記k次多項式の次数kを適当に選択することにより、入力されたSD信号からHD信号を得ることができる。即ち、この画像信号の処理装置及び方法は、SD信号より高解像度であり、より細かい表現ができるHD信号を、SD信号から生成することができる。
【0061】
続いて、上記パラメータテーブル3を学習により作成する学習方法の他の例について説明する。このパラメータテーブル3は、上述したように、入力されるSD信号のクラス分類によるクラスと、上記k次多項式を特定するパラメータとの対応関係を保持するものである。
【0062】
このパラメータテーブル3を作成するための一連の手順は、図9に示すように、同一の対象をSDカメラ11及びHDカメラ14でそれぞれ撮像して得られたSD信号及びHD信号を第1のブロック化部12及び第2のブロック化部15にてそれぞれブロック化した後に、クラス分類部21及び信号当てはめ部22にてクラス及びパラメータをそれぞれ導出し、これらクラス及びパラメータを度数テーブル17に記録して、この度数テーブル17に記録された対応関係を判断部18にて解析することにより、その解析の結果の対応表をメモリ19に記録するものである。
【0063】
即ち、SDカメラ11にて得られた画像信号であるSD信号は、第1のブロック化部12にて時間軸方向にブロック化される。このブロック化としては、入力する画像信号を例えば所定時間毎にブロック化することが挙げられる。この第1のブロック化部12にてブロック化された画像信号は、クラス分類部21にて波形パターンによりクラス分類される。このクラス分類については、上で詳述したので、ここでの説明を省略する。
【0064】
一方、上記SDカメラ11と同一の対象を撮像するHDカメラ14にて得られた画像信号であるHD信号は、第2のブロック化部15にてブロック化される。このブロック化としては、例えば、上記第1のブロック化部12に同期してブロック化することが挙げられる。このブロック化された画像信号には、信号当てはめ部22にていわゆるk次曲面フィッティングによりk次多項式が当てはめられ、このk次多項式を特定するパラメータが導出される。このパラメータとしては、例えば、上記k次多項式の係数を利用することができる。
【0065】
なお、ここではSDカメラ11及びHDカメラ14で同一の対象を撮像してそれぞれSD信号及びHD信号を得ているが、HDカメラ14にて撮像したHD信号に対してローパスフィルタ又はサブサンプリングの処理を施すことにより、このHD信号から同一対象物を撮像したSD信号と同等の信号が得られる。
【0066】
これらクラス分類部21及び信号当てはめ部22にて得られた、クラスとパラメータとの対は、度数テーブル17に記録される。この度数テーブル17には、例えば、上記クラスとパラメータの対が所定量蓄積されるまで記録が続けられる。
【0067】
上記判断部18は、上記度数テーブル17に蓄積されたクラスとパラメータの対について解析し、この解析に基づいて判断する。例えば、上記判断部18は、上記度数テーブル17に記録されたクラスとパラメータとの対について統計的な処理を施し、有効な対応関係を抽出する。そして、上記クラスとパラメータとの対応関係を決定する。
【0068】
上記メモリ19は、上記判断部18にて決定された上記クラスとパラメータの対応関係を記憶する。このメモリ19に記憶された上記クラスとパラメータとの対応関係は、必要な場合に読み出されて上記パラメータテーブル3に設定される。また、このメモリ19に記憶された上記クラスとパラメータの対応関係は、上記画像信号処理方法においても利用される。
【0069】
以上説明したように、上記クラスとパラメータとの対応関係は、SD信号の波形パターンから導出したクラスと、上記SD信号と同一の対象を撮像したHD信号から導出したk次多項式を特定するパラメータとから度数テーブル17を作成することにより、学習によって得ることができる。
【0070】
このような学習により、SD信号に対応するクラスと、HD信号に対応するパラメータの対応関係が得られ、この対応関係を利用することにより、SD信号からHD信号を生成することが可能になる。
【0071】
なお、この具体例においてはSD信号からHD信号への変換について説明したが、この発明はこれに限定されず、画像信号の解像度を高めて画質を向上させる用途に広く利用することができる。
【0072】
【発明の効果】
上述したように、画像信号処理装置の一例は、入力されたSD信号に当てはめたn次多項式を特定する第1のパラメータから、この第1のパラメータの対応する第2のパラメータの特定するn+m次多項式に基づいて信号を生成し、この信号と入力されたSD信号とを合成することによりHD信号を得ている。従って、この画像信号処理装置は、入力されたSD信号から解像度の高いHD信号を与えることができる。
【0073】
また、画像信号処理方法の一例は、上記画像信号処理装置の一例と同じく入力されたSD信号に当てはめたn次多項式を特定する第1のパラメータから、この第1のパラメータの対応する第2のパラメータの特定するn+m次多項式に基づいて信号を作成し、この信号と入力されたSD信号とを合成することによりHD信号を得ている。従って、この画像信号処理方法は、入力されたSD信号から解像度の高いHD信号を与えることができる。
【0074】
さらに、画像信号処理装置の他の一例は、入力されたSD信号の波形パターンのクラス分類により得たクラスと、このクラスに対応するパラメータの特定するk次多項式に基づいて信号を生成し、この信号と入力されたSD信号とを合成することによりHD信号を得ている。従って、この画像信号処理装置は、入力されたSD信号から解像度の高いHD信号を与えることができる。
【0075】
そして、画像信号処理方法の他の一例は、上記画像信号処理装置の他の一例と同じく、入力されたSD信号の波形パターンのクラス分類により得たクラスと、このクラスに対応するパラメータの特定するk次多項式に基づいて信号を生成し、この信号と入力されたSD信号とを合成することによりHD信号を得ている。従って、この画像信号処理方法は、入力されたSD信号から解像度の高いHD信号を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像信号処理装置の一例の概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】上記画像信号処理装置のパラメータテーブルを説明する図である。
【図3】画像信号処理方法の一例の一連の工程を示すブロック図である。
【図4】上記パラメータテーブルの学習方法の一例を概略的に示すブロック図である。
【図5】画像信号処理装置の他の例の概略的な構造を示すブロック図である。
【図6】適応型ダイナミックレンジ符号化(ADRA)回路の回路図である。
【図7】画像信号の画素をブロックに分割した1ブロックを示す図である。
【図8】画像信号処理方法の他の例の一連の手順を示すフローチャートである。
【図9】上記画像信号処理装置のパラメータテーブルの学習方法の他の例を概略的に示すブロック図である。
【符号の説明】
1 ブロック化部、2 信号当てはめ部、3 パラメータテーブル、4 信号生成部、5 信号合成部、17 度数テーブル
Claims (6)
- 第1の画像信号を時間軸方向にブロック化するブロック化手段と、
このブロック化された第1の画像信号に対して第1の多項式であるn次多項式についてn次曲面フィッティングにより信号当てはめを行い、この第1の多項式であるn次多項式を特定する第1のパラメータを導出する信号解析手段と、
上記第1の画像信号に上記第1の多項式を当てはめることにより取得した上記第1のパラメータと、上記第1の画像信号と同一の対象についての上記第1の画像信号より解像度の高い第2の画像信号に第2の多項式であるn+m次多項式を(n+m)次曲面フィッティングにより当てはめることにより取得した上記n+m次多項式を特定する第2のパラメータとについて統計的な処理を行い対応関係を抽出することにより設定され、上記第1のパラメータに対応した上記第2のパラメータが読み出されるパラメータテーブルと、
上記第2のパラメータにて特定される、上記第2の多項式である上記n+m次多項式にて信号を生成する信号生成手段と、
上記第1の画像信号と、上記信号生成手段にて生成された信号とを合成して画像信号とする信号合成手段とを有すること
を特徴とする画像信号処理装置。 - 上記第1のパラメータは、上記第1の多項式であるn次多項式の係数であり、上記第2のパラメータは、上記第2の多項式であるn+m次多項式の係数であることを特徴とする請求項1記載の画像信号処理装置。
- 上記統計処理は、上記第1の多項式であるn次多項式を特定する第1のパラメータと、上記第2の多項式であるn+m次多項式を特定する第2のパラメータとの対を度数テーブルに記録して、この度数テーブルの記録を解析することを特徴とする請求項1記載の画像信号処理装置。
- 第1の画像信号を時間軸方向にブロック化するブロック化工程と、
このブロック化された第1の画像信号に対して第1の多項式であるn次多項式についてn次曲面フィッティングにより信号当てはめを行い、この第1の多項式であるn次多項式を特定する第1のパラメータを導出する信号解析工程と、
上記第1の画像信号に上記第1の多項式を当てはめることにより取得した上記第1のパラメータと、上記第1の画像信号と同一の対象についての上記第1の画像信号より解像度の高い第2の画像信号に第2の多項式であるn+m次多項式を(n+m)次曲面フィッティングにより当てはめることにより取得した上記n+m次多項式を特定する第2のパラメータとについて統計的な処理を行い対応関係を抽出することにより設定されたパラメータテーブルから、上記第1のパラメータに対応した第2のパラメータを読み出す読み出し工程と、
上記第2のパラメータにて特定される、上記第2の多項式である上記n+m次多項式にて信号を生成する信号生成工程と、
上記第1の画像信号と、上記信号生成工程にて生成された信号とを合成して画像信号とする信号合成工程とを有すること
を特徴とする画像信号処理方法。 - 上記第1のパラメータは、上記第1の多項式であるn次多項式の係数であり、上記第2のパラメータは、上記第2の多項式であるn+m次多項式の係数であることを特徴とする請求項4記載の画像信号処理方法。
- 上記統計処理は、上記第1の多項式であるn次多項式を特定する第1のパラメータと、上記第2の多項式であるn+m次多項式を特定する第2のパラメータとの対を度数テーブルに記録して、この度数テーブルの記録を解析することを特徴とする請求項4記載の画像信号処理方法。
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