JP3823865B2 - 画像処理方法、画像処理プログラムおよび画像処理プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CCD撮像デバイス等によって入力したデジタル画像から、モニターまたは写真処理装置等のプリンタに良質な画像を出力できる画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、デジタル写真処理の分野では、例えば、撮像素子により写真フィルムを測光して得られるコマごとのR(赤)・G(緑)・B(青)の画像データ(デジタル画像データ)に基づいて画質の良好な画像を印画紙(感光材料)に焼き付けるため、画像の輝度を補正する処理が行われている。この輝度の補正方法としては、ガンマカーブ(濃度特性曲線ともいう)によるガンマ補正が広く知られている。以下、上記ガンマ補正について説明する。
【0003】
一般的に、入力画像データの階調に対して、印画紙が発色するグラデーションは一致しない。したがって、印画紙が発色するグラデーションが人間の視覚特性に適したものになるように、入力画像データを補正する必要がある。そこで、入力画像データに対して、ガンマカーブをかけるガンマ補正を施すことにより、印画紙が発色するグラデーションを人間の視覚特性に応じたものにすることが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記ガンマカーブによるガンマ補正では、入力画像データの撮像シーンによっては、適切な出力画像データを得られないという問題が起こりえる。例えば、オーバー/アンダー露出(露光過多/露光過少)で撮影されたフィルムから取り込んだ入力画像データを補正する場合は、入力輝度に対して出力輝度が、極めて弱くなるように補正される。これは、オーバー露光やアンダー露光に基づく入力画像データにおいては、各画素の輝度が低輝度(シャドウ部)または高輝度(ハイライト部)に偏り過ぎている一方で、図12に示すように、ガンマカーブにおけるシャドウ部およびハイライト部の傾斜率は緩やかだからである。
【0005】
このような問題を解決する方法として、入力画像に取り込まれた撮像シーンの種類に応じて、上記ガンマカーブの補正強度(補正量)を調整する方法がある。この方法によれば、オーバー露出やアンダー露出に基づく入力画像データを処理する場合に、上記ガンマカーブの補正強度を高く調整することで、適切な補正を行うことができる。ところが、この方法では、上記ガンマカーブの各入力輝度に対する補正強度を均一に調整することが可能であるが、ある領域の入力輝度に対してのみ補正強度を調整することはできないため、以下に示すような問題が生じる。
【0006】
例えば、中間調に係る部分とシャドウ部分とが混在するシーンの入力画像を処理する場合、シャドウ部分の輝度を適切に補正するために上記ガンマカーブの各入力輝度の補正強度を均一に調整すると、シャドウ部分の輝度は適切に補正されるが、中間調に係る部分の輝度は必要以上に強く補正されてしまうという問題が生じる。
【0007】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、入力画像の種類に応じてガンマカーブの形状に調整を施すことにより、良質な出力画像を得ることができる画像処理方法、画像処理プログラムおよび画像処理プログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像処理方法は、上記の課題を解決するために、入力画像を構成する各画素の輝度を、ガンマカーブにより出力輝度に変換する画像処理方法であって、基準となるガンマカーブを設定すると共に、該基準となるガンマカーブを出力側基準で複数の領域に分割し、画像の輝度の代表値に対して、基準となるガンマカーブがとり得る入力輝度の範囲を変更するための調整率を定めたデータテーブルを上記領域別に設定し、入力画像を構成する各画素の輝度から、入力画像の輝度の代表値を求め、求めた代表値と上記データテーブルとから、入力画像に応じた調整率を領域ごとに検出し、領域ごとで、基準となるガンマカーブのとり得る出力輝度の範囲は一定としつつ、基準となるガンマカーブがとり得る入力輝度の範囲に入力画像に応じた調整率をかけることで、基準となるガンマカーブの形状を圧縮または伸張させ、互いに隣り合う各領域のガンマカーブを接続することを特徴とする。
【0009】
上記手順によれば、まず、基準となるガンマカーブを設定すると共に、該基準となるガンマカーブを出力側基準で複数の領域に分割する。そして、入力画像を構成する各画素の輝度から、入力画像の輝度の代表値を求める。さらに、入力画像の輝度の代表値がわかれば、上記データテーブルより、基準となるガンマカーブがとり得る入力輝度の範囲を変更するための調整率を領域別に検出ことができる。
【0010】
つぎに、基準となるガンマカーブの各領域において、とり得る出力輝度の範囲は一定としつつ、とり得る入力輝度の範囲に、入力画像に応じた各領域別の調整率をかけることで、基準となるガンマカーブの形状を圧縮または伸張させ、互いに隣り合う各領域のガンマカーブを接続することにより、出力画像のとりえる輝度範囲を制限することなく、ガンマカーブの形状を調整するができる。
【0011】
一方、入力画像の代表値と、その入力画像を最適に処理することができるガンマカーブの形状(変化率)とは、輝度領域別に、所定の相関関係にあることが知られている。したがって、上記手順によれば、入力画像の代表値に応じて、ガンマカーブの形状を、輝度領域別に最適に調整することができるので、入力画像の種類(例えば、オーバー露出と適正露光とが混在する画像/アンダー露出と適正露出とが混在する画像)に関わりなく、画像処理(ガンマ補正)を実現することにより、良質な出力画像を得ることができる。
【0012】
なお、上記代表値は、平均値、中央値(メジアン)、最頻度モード等を含む概念である。
【0013】
本発明の画像処理方法は、上記手順に加えて、上記画像を構成する輝度の代表値を、画像を構成する各画素から算出される平均輝度としてもよい。
【0014】
上記手順によれば、画像を構成する各画素の平均輝度は、容易に算出することができ、上記画像を構成する輝度の代表値として扱うことが可能である。
【0015】
本発明の画像処理方法は、上記手順に加えて、基準となるガンマカーブを、出力輝度基準で低輝度領域、中間調領域、高輝度領域に分割すると共に、領域ごとに異なるデータテーブルを設定することとしてもよい。
【0016】
一般的にガンマカーブの最適な形状は、処理対象となる画像の種類に応じて異なるものである。ここで、処理対象となる画像を構成する各画素の平均輝度と、その画像を最適に処理するためのガンマカーブの変化率とは、ガンマカーブの低輝度領域、中間調領域、高輝度領域ごとで異なる相関関係にあることが知られている。
【0017】
ここで、上記手順によれば、基準となるガンマカーブを出力輝度基準で低輝度領域、中間調領域、高輝度領域に分割し、領域ごとに異なるデータテーブルを設定する。よって、基準となるガンマカーブにおいて、とりえる入力輝度の範囲に、領域別に異なる調整率をかけることにより、基準となるガンマカーブを領域別に圧縮または伸張させることができる。その後に、互いに隣り合う各領域のガンマカーブを接続することにより、入力画像を構成する各画素の平均輝度に応じて、基準となるガンマカーブの形状を領域別に調整できる。
【0018】
これにより、ガンマカーブの形状の調整度合いを、低輝度領域、中間調領域、高輝度領域に分けてコントロールすることができ、入力画像を構成する各画素の平均輝度に応じて、最適なガンマカーブを作成できる。すなわち、処理対象となる画像の種類に応じて、ガンマカーブを、輝度領域ごとに最適な形状に調整することができる。したがって、例えば、中間調部分とシャドウまたはハイライト部分とが混在する画像であっても、ガンマカーブの形状を領域別に最適なものとできるので、最適な画像処理(ガンマ補正)を実現することができる。
【0019】
本発明の画像処理方法は、上記手順に加えて、互いに異なる形状の複数のガンマカーブから、いずれか1のガンマカーブを、基準となるガンマカーブとして設定するステップ、上記複数のガンマカーブについて、それぞれを、出力輝度基準で低輝度領域、中間調領域、高輝度領域に分割するステップ、分割した領域別に、その範囲がとり得る出力輝度差を入力輝度差で割った値を領域の変化率とし、その領域の変化率に、基準となるガンマカーブの対応する領域の変化率を割った値を上記調整率とするステップ、上記複数のガンマカーブについて、各ガンマカーブの入力センター値を求め、上記入力センター値を、画像を構成する各画素から算出される平均輝度とするステップ、領域別に用意されたテーブルに、上記平均輝度に対する各領域の上記調整率をプロットすると共に、補間処理を施すステップから上記データテーブルを設定することとしてもよい。
【0020】
ここで、入力センター値とは、あるガンマカーブにおいて、視覚的にグレー(白と黒との中間点)に見える出力輝度に対する入力輝度をいう。また、ある画像を構成する各画素の平均輝度と同一の入力センター値を示すガンマカーブは、上記ある画像に対して良好なガンマ補正を施すことが経験的に知られている。
【0021】
上記手順によれば、互いに異なる複数のガンマカーブについて、それぞれを、出力輝度基準で低輝度領域、中間調領域、高輝度領域に分割し、分割した領域別に、その範囲がとり得る出力輝度差を入力輝度差で割った値を領域の輝度変化率とし、その領域の輝度変化率に基準となるガンマカーブの対応する領域の輝度変化率を割った値を上記調整率とする。これにより、基準となるガンマカーブの入力輝度のとり得る値に上記調整率をかけ、基準となるガンマカーブを圧縮または伸張することで、上記複数のガンマカーブのうち、いずれか1のガンマカーブの形状を再現することができる。
【0022】
つぎに、上記複数のガンマカーブの入力センター値をそれぞれ求め、上記入力センター値を、画像を構成する各画素から算出される平均輝度とみなす。これにより、画像を構成する各画素の平均輝度に対しての、その画像に良好な上記調整率を求めることができる。
【0023】
したがって、領域別に用意されたテーブルに、上記入力センター値に対する各領域の上記調整率をプロットすると共に、補間処理を施すステップとにより上記データテーブルを設定することができる。
【0024】
本発明の画像処理方法は、上記手順に加えて、トーンが最適の状態となっている最適デジタル画像データを取得するステップ、上記最適デジタル画像データに基づいて、各輝度に対応する画素数を低段階側の輝度から累積した第1累積ヒストグラムを作成するステップ、補正対象となるデジタル画像データを取得するステップ、上記補正対象となるデジタル画像データに基づいて、各輝度に対応する画素数を低段階側の輝度から累積した第2累積ヒストグラムを作成するステップ、第2累積ヒストグラムの各輝度を入力値とし、第2累積ヒストグラムの各輝度の累積画素数と略一致する累積画素数である第1累積ヒストグラムの各輝度を出力値とするようにガンマカーブを設定し、該ガンマカーブを最適デジタル画像データのシーンごとに複数作成ステップを備えていてもよい。
【0025】
上記手順によれば、トーンが最適の状態となっている最適デジタル画像データを取得し、各輝度に対応する画素数を低段階側の輝度から累積した第1累積ヒストグラムを作成するため、最適デジタル画像データにおける各輝度の累積画素数を求めることができる。ここで、第1累積ヒストグラムにおける各輝度の累積画素数は各輝度に対応する画素数を低段階側の輝度から累積したものであるので、それぞれ固有の値を示す。
【0026】
また、補正対象となるデジタル画像データを取得し、各輝度に対応する画素数を低段階側の輝度から累積した第2累積ヒストグラムを作成するため、取得したデジタル画像データにおける輝度の各段階の累積画素数を求めることができる。ここで、第2累積ヒストグラムにおける各段階の累積画素数は各輝度に対応する画素数を低段階側の輝度から累積したものであるので、それぞれ固有の値を示す。したがって、第2累積ヒストグラムの各輝度の累積画素数と1対1で対応する第1累積ヒストグラムの各輝度を検出することができる。
【0027】
すなわち、補正対象となる入力輝度に対応する最適画像データの各輝度を出力輝度としたガンマカーブを設定できる。ここで、トーンが最適の状態となっている最適デジタル画像データとは、例えば、画像のトーンが最適な状態である画像データをいう。よって、デジタル画像データの入力輝度をトーンが最適な輝度に変換することができる最適なガンマカーブを設定することができる。
【0028】
そして、該最適なガンマカーブを最適デジタル画像データのシーンごとに複数作成するので、「互いに異なる形状の複数のガンマカーブ」を最適に作成することができる。
【0029】
また、最適デジタル画像データは、例えば、フォトレタッチソフトにより作成しても構わない。フォトレタッチソフトにより作成する他に、高性能のスキャナでデジタル画像データを取り込む手順であっても構わない。
【0030】
本発明の画像処理方法は、上記手順に加えて、フォトレタッチソフトによりトーンが最適な最適デジタル画像データを作成するステップをさらに備えることとしてもよい。
【0031】
従来なされているガンマカーブの形状を調整する手順によれば、濃度、色、コントラスト等の要素を独立して調整することができない。一方、トーンが最適な最適デジタル画像データを作成するためには、濃度、色、コントラスト等の要素を同時に調整しなければならないので、ガンマカーブの形状を調整する手順では、そのような調整が困難である。
【0032】
ここで、フォトレタッチソフトによれば、グラフィカルユーザーインターフェイスにより画像データを調整できる。しかも、フォトレタッチソフトによるトーン補正は一般的に「明るさ」「コントラスト」「トーンカーブ」「レベル補正」を独立したパラメータとして調整でき、上記調整がリアルタイムで表示中の画像に反映される。したがって、上記ステップを備えることにより、簡易かつ瞬時に最適な最適デジタル画像データを作成することができる。
【0033】
本発明の画像処理プログラムは、上記画像処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0034】
上記構成によれば、上記画像処理プログラムをコンピュータに実行させることにより、上述した画像処理方法を実現することができる。
【0035】
本発明の画像処理プログラムを記録した記録媒体は、上記画像処理プログラムをコンピュータにて読み取り可能に記録してなることを特徴とする。
【0036】
上記構成によれば、上記記録媒体に記録された画像処理プログラムをコンピュータが実行することにより、上述した本発明の画像処理プログラムを実現することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図1ないし図14に基づいて以下に説明する。
【0038】
本発明の画像処理方法は、写真処理装置に設定されているガンマカーブ(濃度特性曲線ともいう)の形状を、入力画像の種類(オーバー露出/アンダー露出/中間調等)に応じて調整する手順である。具体的に、この手順は、領域別データテーブル(後述する)を用いることにより、入力画像の種類に応じて基準となるガンマカーブ(デフォルト)の形状を調整するものである。また、この領域別データテーブルは、互いに形状の異なる複数のガンマカーブから作成され、上記複数のガンマカーブは、あらゆる種類のシーン(オーバー露出/アンダー露出/中間調等)の最適画像データ(後述する)からシーンに応じて得られるものである。
【0039】
すなわち、本実施の形態は、図14に示すように、予め用意されたあらゆる種類のシーンの最適な画像データに基づき、シーンの種類ごとに最適なガンマカーブ(以下、最適ガンマカーブという)を作成し(図14の▲1▼)、上記複数の最適ガンマカーブから領域別データテーブルを作成(図14の▲2▼)する。そして、上記領域別データテーブルと基準となるガンマカーブ(デフォルト)とを写真処理装置に設定し、これらを用いて本発明の画像処理方法を実行する(図14の▲3▼)。したがって、以下では、最適ガンマカーブおよび領域別データテーブルを作成できるデータテーブル作成装置の構成について説明した後に、最適ガンマカーブの作成手順、領域別データテーブルの作成手順、本発明の画像処理方法をこの順に従って説明する。
【0040】
(データテーブル作成装置の構成)
まず、最適ガンマカーブおよび領域別データテーブルを作成するためのデータテーブル作成装置の概略構成を以下に説明する。上記データテーブル作成装置は、図2に示すように、フィルムスキャナ1と画像処理部2とを備えている。
【0041】
フィルムスキャナ1は、図3に示すように、写真フィルムに光を照射するスキャナ光源21と、写真フィルムを搬送するためのフィルムキャリア22とスキャナ光源21から出射され、上記写真フィルムを透過する光を測光することによって上記写真フィルムに記録された画像を取り込むスキャナユニット23とで構成されている。
【0042】
スキャナ光源21は、光を出射するハロゲンランプ24と熱線吸収フィルタ25と調光フィルタ26とミラー27とレンズボックス28とを、光の進行方向に沿ってこの順で備えている。また、スキャナユニット23はスキャナレンズ29とミラー30と3枚式のCCD(charge coupled device)31とを光の進行方向に沿ってこの順で備えている。また、CCD31は、A/D(Analog to Digital)変換部32と接続されている。
【0043】
したがって、ハロゲンランプ24から出射された光は、熱線吸収フィルタ25にて熱線成分が除去されて調光フィルタ26に入射し、調光フィルタ26にて調光された後、ミラー27にて進行方向が変えられてレンズボックス28に入射する。レンズボックス28では、入射光がむらのない光に拡散され、この光がフィルムキャリア22にて支持されている写真フィルムに照射される。
【0044】
そして、写真フィルムを透過した光は、スキャナレンズ29にて、ミラー30を介してCCD31の受光面に入射する。そして、CCD31は、各画素での受光量に応じたアナログの電気信号をRGBごとにA/D変換部32に送り、これらの信号がA/D変換部32にて入力画像データに変換される。これにより、写真フィルムに記録されている画像の各画素の入力画像データがRGBごとに得られることになる。これらの入力画像データは、画像処理部2に送られる。なお、本実施の形態において、上記入力画像データは、16ビットのデータとするがこれに限定されるわけではない。例えば、0〜255までの8ビットのデータ、0〜4095までの12ビットのデータなどを考えることができる。
【0045】
画像処理部2は、フィルムスキャナ1からの入力画像データおよび、入力部12からの最適画像データから、最適ガンマカーブを作成するブロックである。また、画像処理部2は、データテーブル作成装置に組み込まれたマイクロプロセッサおよび/またはDSP(Digital Signal Processor)などによって構成されてもよいし、装置の外部に設けられたPC(Personal Computer)によって構成されていてもよい。
【0046】
次に、画像処理部2の構成について詳細に説明する。画像処理部2は図2に示すように、入力部12、第1データ作成部13、第2データ作成部14、ガンマカーブ作成部15、メモリ16、データテーブル作成部17を備えている。
【0047】
入力部12は、最適画像データを入力するためのブロックである。なお、最適画像データとは、フィルムスキャナ1から取り込まれる入力画像データ(補正対象となるデジタル画像データ)のシーンと同一撮像シーンの画像データであって、最適なトーンに調整された画像データをいう。ここで、トーンとは、画像の濃度、色、コントラスト等の要素をいう。また、最適画像データはR(赤)・G(緑)・B(青)の各色成分ごとに入力される。なお、ここでは8ビットの最適画像データを入力することとするが、このビット数に限定されるわけではない。
【0048】
第1データ作成部13は、RGBごとの最適画像データから輝度を演算し、各輝度に属する画素数を求め、低段階側の輝度から画素数を累積した第1累積ヒストグラムを作成するブロックである。なお、図4(a)は、第1累積ヒストグラムを示し、横軸は各輝度(0〜255,8ビット)を表し、縦軸は累積画素数を示す。したがって、輝度が255における累積画素数は最適画像データの総画素数と等しくなる。
【0049】
第2データ作成部14は、フィルムスキャナ1によって取り込まれたRGBごとの入力画像データの各輝度に属する画素数を求め、低段階側の輝度から画素数を累積した第2累積ヒストグラムを作成するブロックである。なお、図4(b)は、第2累積ヒストグラムを示し、横軸は各輝度(0〜65535)を表し、縦軸は累積画素数を示す。したがって、65535階調における累積画素数は最適画像データの総画素数と等しくなる。なお、ここでは、入力画像データが16ビットであることから16ビットの第2累積ヒストグラムが作成されているが、このビット数に限定されるわけではない。
【0050】
ガンマカーブ作成部15は、第1累積ヒストグラムと第2累積ヒストグラムとから最適ガンマカーブを作成するブロックである。本実施の形態では、入力画像データの撮像シーンの種類(例えばオーバー/アンダー)に応じて、互いに異なる形状の複数の最適ガンマカーブが作成される。
【0051】
メモリ16は、ガンマカーブ作成部15により作成された最適ガンマカーブを一旦記憶するブロックであり、RAMまたはROM等で構成されたメモリである。
【0052】
データテーブル作成部17は、複数の最適画像データから得られた形状の異なる複数の最適ガンマカーブに基づいて、一方の軸に入力センター値を、他方の軸に調整率をとったテーブルを3つの輝度領域に分けて作成するブロックである。ここで、入力センター値とは、1つの最適ガンマカーブにおいて、人間の視覚がグレーに感じることのできる出力輝度に対応する入力輝度をいう。また、調整率とは、1つの最適ガンマカーブを基準ガンマカーブとして設定し、この基準ガンマカーブを出力側基準で、低輝度領域,中間調領域,高輝度領域の3つの領域に分割した場合の、各領域のとりえる入力輝度の範囲を調整するためのパラメータをいう。
【0053】
(最適ガンマカーブの作成手順)
つぎに、写真フィルムから取り込まれたある画像データと最適画像データとから最適ガンマカーブが作成される手順を図5に基づいて、具体的に説明する。
【0054】
まず、入力部12から入力された最適画像データから、図4(a)に示すような第1累積ヒストグラムが第1データ作成部13によって作成される(S1)。ここで、各輝度における累積画素数を輝度の低い順からAn(n=0…255)とする。
【0055】
つぎに、フィルムスキャナ1によって取り込まれた入力画像データから図4(b)に示すような第2累積ヒストグラムが第2データ作成部14によって作成される(S2)。ここで、各輝度における累積画素数を輝度の低い順からBn(n=0…65535)とする。
【0056】
そして、ガンマカーブ作成部15において、第1累積ヒストグラムにおける最低輝度の累積画素数(A0)と第2累積ヒストグラムにおける最低輝度の累積画素数(B0)とが比較される(S3)。ここで、B0≧A0の場合、B0に該当する輝度を入力輝度とし、これに対してA0に該当する輝度を出力輝度としたガンマ値をプロットする(S4)。一方、B0<A0の場合、第2累積ヒストグラムの最低輝度がカウントアップされる。すなわち最低輝度がB0からB1へとなる。(S5)。そして、S3に戻り、A0とB1とが比較される。このように、ガンマ値がプロットされるまで、S3およびS5の手順が繰り返される。
【0057】
さらに、ガンマ値がプロットされた場合、第1累積ヒストグラムの最低輝度がカウントアップされる(S6)。すなわち最低輝度がA0からA1へとなる。そして、第1累積ヒストグラムの輝度が255までカウントアップされていない場合はS3の手順へ戻る(S7)。このようにして、A255に対するBnの値がガンマ値としてプロットされるまで、S3〜S7の手順が繰り返される。そして、A255に対するBnの値がガンマ値としてプロットされた場合は、それまでにプロットされた全てのガンマ値が補間されることにより、最適ガンマカーブが作成される(S8)。さらに、予め用意された複数種類の最適画像データに対して、上記したS1〜S8の処理が繰り返される(S9,NO)。
【0058】
一方、予め用意された複数の最適画像データ全てに対して、上記したS1〜S8の処理が完了している場合(S9,YES)、複数の最適ガンマカーブの作成を終了する。なお、複数の最適ガンマカーブは上述したようにメモリ16に記録される。
【0059】
なお、入力画像データから作成された第2累積ヒストグラムに対して、このようにして求められた最適ガンマカーブをかけることで、第2累積ヒストグラムを図4(d)に示す8ビットのヒストグラムへと変換できる。図4(d)に示す8ビットのヒストグラムは、図4(a)に示す第1累積ヒストグラム、すなわち最適画像データから得られるヒストグラムと同じデータを示す。これは、最適ガンマカーブが入力画像の入力輝度に1対1で対応する最適画像データの輝度を表したものだからである。したがって、写真処理装置において取り込まれる画像データ(但し、最適画像データと同一種類のシーンの画像データ)に最適ガンマカーブをかけることによって、トーンが最適である最適画像データと同一の画像データを得ることができる。
【0060】
なお、上記最適画像データは、トーンが最適なデジタル画像データであればよい。例えば、フォトレタッチソフトによりトーンが最適な最適画像データを作成しても構わない。フォトレタッチソフトによるトーン補正は一般的に「明るさ」「コントラスト」「カラーバランス」「トーンカーブ」「レベル補正」を調整できる機能を有しているが、上記最適画像データを作成する手順としては、経験的に濃度、コントラスト、カラーバランス、濃度の順に調整することが効率がよい。しかし、この順に限定されるということではない。また、上記最適画像データは、フォトレタッチソフトにより作成する他に、上記ガンマ設定装置に内蔵されていない高性能のスキャナで入力画像データを取り込む手順であっても構わない。
【0061】
また、最適ガンマカーブを作成する手順としては、第2累積ヒストグラムの各輝度を入力値とし、第2累積ヒストグラムの各輝度の累積画素数と略一致する累積画素数である第1累積ヒストグラムの各輝度を出力値とする手順であればよく、上記手順に特に限定されない。
【0062】
(領域別データテーブルの作成手順)
つぎに、データテーブル作成部17により、領域別データテーブルが作成される手順を図6のフローチャートに基づいて説明する。まず、データテーブル作成部17は、複数の最適ガンマカーブのなかから、1の最適ガンマカーブを、基準となるガンマカーブ(デフォルト)として設定する(S10)。そして、図7に示すように基準ガンマカーブを出力側基準で、低輝度領域、中間調領域、高輝度領域に分割する(S11)。ここで、低輝度領域は黒〜シャドウ部とみなしたい範囲に、高輝度領域は白〜ハイライト部とみなしたい範囲に、中間調領域はその間の範囲に設定する。
【0063】
さらに、基準ガンマカーブの各領域において、最高出力輝度と最低出力輝度との差を、最高入力輝度と最低入力輝度との差で除算すると、基準ガンマカーブの領域ごとの変化率を求めることができる(S12)。例えば、図7に示す基準となるガンマカーブに対する変化率は以下のようにして算出される。
【0064】
低輝度領域において、最高出力輝度と最低出力輝度との差であるdを、最高入力輝度と最低入力輝度との差であるaで除算すると、低輝度領域における最低輝度から最高輝度までの変化率が算出される。つぎに、中間調領域において、最高出力輝度と最低出力輝度との差であるeを、最高入力輝度と最低入力輝度との差であるbで除算すると、中間調領域における最低輝度から最高輝度までの変化率が算出される。なお、同様の手順により、高輝度領域の変化率も求めることができる。
【0065】
つぎに、データテーブル作成部17は、メモリ16から、ある最適ガンマカーブを読み出した後に、上記最適ガンマカーブを出力側基準で3分割し、各分割領域を低輝度側から、低輝度領域、中間調領域、高輝度領域と設定する(S13)。ここで、低輝度領域は黒〜シャドウ部とみなしたい範囲に、高輝度領域は白〜ハイライト部とみなしたい範囲に、中間調領域はその間の範囲に設定する。
【0066】
そして、データテーブル作成部17は、3分割した最適ガンマカーブについて、分割した範囲別に前記調整率を算出する(S14)。具体的には、まず、上記最適ガンマカーブについて、各領域の変化率を求める。この変化率を求める方法は、S12と同一手順で算出される。そして、領域別に、上記最適ガンマカーブの変化率を、基準となるガンマカーブの変化率で割ると、領域別に上記調整率を求めることができる。
【0067】
つぎに、オペレータが、上記最適ガンマカーブにおいて、人間の視覚がグレーに感じることのできる出力輝度を決定し、この出力輝度に対応する入力輝度を、最適ガンマカーブの入力センター値と定める。そして、データテーブル作成部17は、図8(a)〜(c)に示すように、上記入力センター値を、画像を構成する各画素の「平均輝度」とみなして、一方の軸を平均輝度(入力センター値)とし、他方の軸を調整率としたデータテーブルを領域ごとに用意して(領域別データテーブル)、上記最適ガンマカーブの入力センター値に対する調整率を、領域別にプロットする(S15)。
【0068】
そして、予め用意された複数種類のシーンの画像データに対して、上記したS13〜S16の処理が繰り返される(S16,NO)。
【0069】
一方、予め用意された複数のシーンの画像データ全てに対して、上記したS10〜S16の処理を行い、領域別の補正率のプロットが完了している場合(S16,YES)、プロットした各点を補間することにより、3種類(低輝度領域/中間調領域/高輝度領域)の領域別データテーブルを完成させる(S17)。なお、補間する手順としては、図9(a)に示すように、ある程度の範囲に収まる複数の点の平均値を求めた後、図9(b)に示すように、この平均値の各点を直線補間することによって、領域別データテーブルを作成することも可能である。このような手順により、図8(a)〜図8(c)に示すような領域別データテーブルを作成することができる。
【0070】
(画像処理方法)
本発明に係る画像処理方法は、主として、デジタル写真処理装置(以下、「写真処理装置とする」における画像処理に適用されるものである。したがって、以下では、まず写真処理装置の概略構成について説明する。
【0071】
本実施の形態に係る写真処理装置は、写真フィルムに記録されている画像を、感光材料としての印画紙上に焼き付けるものであり、図10に示すように、フィルムスキャナ51と画像処理部52と露光部53とを備えている。
【0072】
フィルムスキャナ51は、上述したガンマ設定装置におけるフィルムスキャナ1と同一の構成であるので、ここではその説明を省略する。
【0073】
画像処理部52は、写真フィルムの1コマの画像を構成する各画素のRGBの画像データに基づいて、上記画像の輝度(階調)を補正する処理を行うものである。つまり、画像処理部52は、フィルムスキャナ51から送られてきたRGBの画像データに基づいて、輝度の補正値をRGBごとに算出し、これらの情報を露光部53に出力する。なお、画像処理部52の詳細な構成については後述する。
【0074】
画像処理部52は、写真処理装置に組み込まれたマイクロプロセッサおよび/またはDSP(Digital Signal Processor)などに構成されていてもよいし、装置の外部に設けられたPC(Personal Computer)によって構成されてよい。また、画像処理部52は、フィルムスキャナ51からの画像データを一時的に格納するメモリ(図示せず)を備えている。
【0075】
露光部53は、画像処理部52にて補正されたRGBのデジタル画像データに基づいて光変調素子の各画素を駆動することにより、印画紙を露光するためのものである。上記の光変調素子としては、例えばPLZT露光ヘッド、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)、LCD(液晶表示装置)、LCS(液晶シャッタ)、LEDパネル、レーザー、FOCRT(Fiber Optic Cathode Ray Tube)、CRTが挙げられる。
【0076】
つぎに、本発明の特徴である画像処理部52について説明する。画像処理部52は、第1濃度補正部54、ガンマカーブ調整部55、第2濃度補正部56より構成される。
【0077】
第1濃度補正部54は、フィルムスキャナ51によって、写真フィルムから取り込まれて、送られてくるRGBの画像データを、フィルムの感光特性を考慮して、人間の視覚特性に適した画像データに補正するブロックである。より具体的には、第1濃度補正部54は、図11に示すような露光濃度特性曲線を用いてフィルムスキャナ51からの入力値を出力値に変換する。これにより、フィルムスキャナ51にて得られる画像データの明暗を、人間の視覚特性に適したグラデーションに変換することができる。なお、図11は、ネガフィルム用の露光濃度特性曲線を示す。
【0078】
ガンマカーブ調整部55は、入力画像データおよび図8に示す領域別データテーブルに基づいて、ガンマ補正で使用されるガンマカーブの形状を調整するブロックである。具体的には、ガンマカーブ調整部55は、図示しない補正演算用LUT(Look Up Table)に設定されている、基準となるガンマカーブ(デフォルト)の形状を調整するものである。
【0079】
第2濃度補正部56は、フィルムスキャナ51からの入力画像データに対して、用いる印画紙に応じた適切な明暗を印画紙上で出すためのガンマ補正を行うブロックである。一般的に、ガンマ補正には、図12に示すような濃度特性曲線としてのガンマカーブが用いられるが、本実施の形態では、領域別データテーブルの作成時に予め定められている基準となるガンマカーブ(図7に示す)を用いる点に特徴がある。より具体的には、第2濃度補正部56は、補正演算用LUTに設定されている基準となるガンマカーブを用い、フィルムスキャナ51からの入力値(入力輝度)を出力値(出力輝度)に変換する。このガンマ補正を行うことにより、焼き付けられる印画紙の感光特性を考慮して、人間の視覚特性に適した明暗の画像を印画紙に焼き付けることができる。
【0080】
次に、上記写真処理装置にて実行される画像処理および写真焼き付けの手順を図1に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0081】
まず、フィルムスキャナ51が、写真フィルムに記録されている画像から、デジタル画像データを取得し、これを画像処理部52の第1濃度補正部54へ送る(S21)。そして、このようにして読み込まれたデジタル画像データが第1濃度補正部54に入力すると、第1濃度補正部54は、図11に示した露光濃度特性曲線を用いて、R,G,Bの入力画像データを、人間の視覚特性に適したグラデーションを示す画像データに変換する(S22)。これにより、フィルムの感光特性を考慮して、人間の視覚特性に応じたグラデーションを示す入力画像データを得ることができる。
【0082】
なお、写真フィルムに含まれる輝度情報は、0から255までの256階調(8ビット)や、0から4095までの4096階調(12ビット)、または0から65535までの65535(16ビット)のいずれであってもよい。いずれの場合でも、値が小さいほど濃度が濃く、値が大きいほど濃度が薄いことを示している。
【0083】
第1濃度補正部54によって変換処理がなされたデジタル画像データは、ガンマカーブ調整部55へ送られる。そして、ガンマカーブ調整部55は、1コマの入力画像データについて、各画素の平均輝度を、RGBごとに算出する(S23)。さらに、ガンマカーブ調整部55は、S23で算出した各画素の平均輝度から輝度領域別の調整率を検出する(S24)。より具体的に言えば、上記平均輝度と入力センター値とを同等とみなして、S23で算出した平均輝度に対応する補正率を、図6(a)〜図6(c)の領域別データテーブルから、領域ごとに検出する。
【0084】
その後、ガンマカーブ調整部55は、図示しない補正演算用LUTに設定されている基準となるガンマカーブ(デフォルト)の形状を調整する。具体的には、図13(a)に示すように、基準となるガンマカーブ(デフォルト)を出力側基準で、低輝度領域と中間調領域と高輝度領域に3分割する。なお、低輝度領域は黒〜シャドウ部とみなしたい範囲に、高輝度領域は白〜ハイライト部とみなしたい範囲に、中間調領域はその間の範囲に設定する。次に、ガンマカーブ調整部55は、基準となるガンマカーブ(デフォルト)において、S24で検出した領域ごとの調整率を、各領域における入力輝度差に掛ける(S25)。すなわち、低輝度領域における入力輝度差であるgに、低輝度領域の調整率0.5を掛けると、低輝度領域の入力輝度差は0.5gとなる。さらに、中間調領域における入力輝度差であるhに、中間調領域の調整率0.98を掛けると、中間調領域における入力輝度差は、0.98hとなる。同様の計算で、高輝度領域における入力輝度差は1.20iとなる。
【0085】
そして、ガンマカーブ調整部55は、図13(a)に示す、基準となるガンマカーブ(デフォルト)の各領域において、出力輝度差を一定としながら、S25で算出した入力輝度差に基づいて入力輝度の圧縮または伸張をおこなう(S26)。これにより、図13(a)の基準となるガンマカーブ(デフォルト)の各領域におけるガンマカーブは、図13(b)に示すように、圧縮または伸張される。
【0086】
さらに、ガンマカーブ調整部55は、図13(b)に示す各領域別に圧縮または伸張されたガンマカーブを接続する(S27)。より具体的に言えば、低輝度領域のガンマカーブを固定し、中間調領域および高輝度領域の曲線を低輝度方向または高輝度方向にシフトさせることにより、各曲線を接続する。これにより、図13(c)に示すようなガンマカーブを得ることができる。そして、このようにして調整されたガンマカーブは、補正演算用LUTに設定される
つぎに、デジタル画像データは、ガンマカーブ調整部55から第2濃度補正部56へ送られる。さらに、第2濃度補正部56は、調整されたガンマカーブに基づいて、デジタル画像データにガンマ補正を施す(S28)。その後、ガンマ補正処理がなされたデジタル画像データに基づいた画像が、図示しないモニターに表示される(S29)。そして、オペレータが表示画像を確認した後、デジタル画像データが画像処理部52から出力され、露光部53は、出力されたデジタル画像データに基づいて、印画紙に画像を焼き付ける(S30)。
【0087】
なお、図13(c)では、低輝度領域調整率を0.50、中間調領域調整率0.98、高輝度領域調整率1.20である場合における、調整後のガンマカーブを示しているが、他の例として、低輝度領域調整率を1.20、中間調領域調整率1.00、高輝度領域調整率1.80である場合における、調整後のガンマカーブを示す。
【0088】
すなわち、上記手順によれば、まず、基準となるガンマカーブを設定すると共に、該基準となるガンマカーブを出力側基準で複数の領域に分割する。そして、入力画像を構成する各画素の輝度から、入力画像の輝度の平均値を求める。さらに、入力画像の輝度の平均値がわかれば、上記データテーブルより、基準となるガンマカーブがとり得る入力輝度の範囲を変更するための調整率を領域別に求めることができる。
【0089】
つぎに、基準となるガンマカーブの各領域において、とり得る出力輝度の範囲は一定としつつ、とり得る入力輝度の範囲に、入力画像に応じた各領域別の調整率をかけることで、基準となるガンマカーブの形状を圧縮または伸張させ、互いに隣り合う各領域のガンマカーブを接続することにより、出力画像のとりえる輝度範囲を制限することなく、ガンマカーブの形状を調整するができる。
【0090】
一方、入力画像の平均値と、その入力画像を最適に処理することができるガンマカーブの形状(変化率)とは、輝度領域別に、所定の相関関係にあることが知られている。したがって、上記手順によれば、入力画像の平均値に応じて、ガンマカーブの形状を、輝度領域別に最適に調整することができるので、入力画像の種類(例えば、オーバー露出と適正露光とが混在する画像/アンダー露出と適正露出とが混在する画像)に関わりなく、画像処理(ガンマ補正)を実現することにより、良質な出力画像を得ることができる。
【0091】
また、一般的にガンマカーブの最適な形状は、処理対象となる画像の種類に応じて異なるものである。ここで、処理対象となる画像を構成する各画素の平均輝度と、その画像を最適に処理するためのガンマカーブの変化率とは、表1に示すように、ガンマカーブの輝度領域別に異なる相関関係にあることを本願発明者は解明した。
【0092】
【表1】
【0093】
ここで、上記手順によれば、基準となるガンマカーブを出力輝度基準で低輝度領域、中間調領域、高輝度領域に分割し、領域ごとに異なるデータテーブルを設定する。よって、基準となるガンマカーブにおいて、とりえる入力輝度の範囲に、領域別に異なる調整率をかけることにより、基準となるガンマカーブを領域別に圧縮または伸張させることができる。その後に、互いに隣り合う各領域のガンマカーブを接続することにより、入力画像を構成する各画素の平均輝度に応じて、基準となるガンマカーブの形状を領域別に調整できる。
【0094】
これにより、ガンマカーブの形状の調整度合いを、低輝度領域、中間調領域、高輝度領域に分けてコントロールすることができ、入力画像を構成する各画素の平均輝度に応じて、最適なガンマカーブを作成できる。すなわち、処理対象となる画像の種類に応じて、ガンマカーブを、輝度領域ごとに最適な形状に調整することができる。したがって、例えば、中間調部分とシャドウまたはハイライト部分とが混在する画像であっても、ガンマカーブの形状を領域別に最適なものとできるので、最適な画像処理(ガンマ補正)を実現することができる。
【0095】
また、このように3分割することで、低輝度領域においては黒の階調を調整でき、中間調領域においては画像全体のコントラスト感を調整でき、高輝度領域においては白の階調を調整することができる。
【0096】
なお、上記手順によれば、基準となるガンマカーブを出力側基準で、低輝度領域、中間調領域、高輝度領域に3分割すると共に、領域ごとにデータテーブルを設定しているが、特に分割数は複数であれば3に限定されない。
【0097】
また、上記、領域別データテーブルを作成する手順は、互いに異なる形状の複数の最適ガンマカーブから、いずれか1の最適ガンマカーブを、基準となるガンマカーブと設定し、上記複数の最適ガンマカーブについて、それぞれを、出力輝度基準で低輝度領域、中間調領域、高輝度領域に分割するステップと、分割した領域別に、その範囲がとり得る出力輝度差を入力輝度差で割った値を領域の変化率とし、その領域の変化率に基準となるガンマカーブの対応する領域の変化率を割った値を上記調整率とするステップと、上記複数の最適ガンマカーブについて、各最適ガンマカーブの入力センター値を求め、上記入力センター値を、画像を構成する各画素から算出される平均輝度とするステップと、領域別に用意されたテーブルに、上記平均輝度に対する各領域の上記調整率をプロットすると共に、補間処理を施すステップとから上記データテーブルを設定する手順である。
【0098】
上記手順によれば、互いに異なる複数の最適ガンマカーブについて、それぞれを、出力輝度基準で低輝度領域、中間調領域、高輝度領域に分割し、分割した領域別に、その範囲がとり得る出力輝度差を入力輝度差で割った値を領域の輝度変化率とし、その領域の輝度変化率に基準となるガンマカーブの対応する領域の輝度変化率を割った値を上記調整率とする。これにより、入力画像データの平均輝度に応じて、基準となるガンマカーブの入力輝度のとり得る値に上記調整率をかけ、基準となるガンマカーブを圧縮または伸張することで、上記複数の最適ガンマカーブのうち、いずれか1の最適ガンマカーブの形状を再現することができる。
【0099】
つぎに、上記複数の最適ガンマカーブの入力センター値を求め、上記入力センター値を、画像を構成する各画素から算出される平均輝度とみなす。すなわち、画像を構成する各画素の平均輝度に対しての、その画像に最適な上記調整率を求めることができる。
【0100】
したがって、領域別に用意されたテーブルに、上記入力センター値に対する各領域の上記調整率をプロットすると共に、補間処理を施すステップとにより上記データテーブルを設定することができる。
【0101】
また、上記複数の最適ガンマカーブを作成する手順は、トーンが最適の状態となっている最適デジタル画像データを取得するステップと、上記最適デジタル画像データに基づいて、各輝度に対応する画素数を低段階側の輝度から累積した第1累積ヒストグラムを作成するステップと、補正対象となるデジタル画像データを取得するステップと、上記補正対象となるデジタル画像データに基づいて、各輝度に対応する画素数を低段階側の輝度から累積した第2累積ヒストグラムを作成するステップと、第2累積ヒストグラムの各輝度を入力値とし、第2累積ヒストグラムの各輝度の累積画素数と略一致する累積画素数である第1累積ヒストグラムの各輝度を出力値とするように、最適ガンマカーブを設定する。
【0102】
上記手順によれば、トーンが最適の状態となっている最適デジタル画像データを取得し、各輝度に対応する画素数を低段階側の輝度から累積した第1累積ヒストグラムを作成するため、最適デジタル画像データにおける各輝度の累積画素数を求めることができる。ここで、第1累積ヒストグラムにおける各輝度の累積画素数は各輝度に対応する画素数を低段階側の輝度から累積したものであるので、それぞれ固有の値を示す。
【0103】
また、補正対象となるデジタル画像データを取得し、各輝度に対応する画素数を低段階側の輝度から累積した第2累積ヒストグラムを作成するため、取得したデジタル画像データにおける輝度の各段階の累積画素数を求めることができる。ここで、第2累積ヒストグラムにおける各段階の累積画素数は各輝度に対応する画素数を低段階側の輝度から累積したものであるので、それぞれ固有の値を示す。したがって、第2累積ヒストグラムの各輝度の累積画素数と1対1で対応する第1累積ヒストグラムの各輝度を検出することができる。すなわち、補正対象となる入力輝度に対応する最適画像データの各輝度を出力輝度とした最適ガンマカーブを設定できる。
【0104】
なお、上記平均値は、中央値(メジアン)、最頻度モード等であってもよい。すなわち代表値であれば、平均値に限定されない。
【0105】
また、本実施の形態における画像処理方法は、写真処理装置に限定されるものではなく、デジタル画像処理がなされる装置であれば適用することができ、写真処理装置に限定されるものではない。
【0106】
なお、本実施の形態において、写真処理装置は、写真フィルムから入力画像データを取り込む構成となっているが、写真フィルムに限定されるものではない。例えば、デジタルカメラにより取り込まれたデジタル画像データであっても構わない。この場合、フィルムスキャナ51は必要なく、外部からデジタル画像データを入力することになる。
【0107】
また、本実施の形態における画像処理は、カラー画像であってもモノクロ画像であっても構わない。
【0108】
ところで、以上の実施の形態で示した手順は、プログラムで実現することが可能である。このプログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されている。本発明では、この記録媒体として、画像処理部2で処理が行われるために必要な図示していないメモリ(例えばROMそのもの)であってもよいし、また図示していないが外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。
【0109】
上記いずれの場合においても、格納されているプログラムはマイクロプロセッサ(図示せず)のアクセスにより実行される構成であってもよいし、格納されているプログラムを読み出し、読み出したプログラムを図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードすることにより、そのプログラムが実行される構成であってもよい。この場合、ダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0110】
ここで上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピーディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0111】
また、本発明においてはインターネットを含む通信ネットワークと接続可能なシステム構成であることから、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。尚、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用プログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであってもよい。
【0112】
最後に、上述した実施の形態は、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0113】
【発明の効果】
本発明の画像処理方法は、以上のように、基準となるガンマカーブを設定すると共に、該基準となるガンマカーブを出力側基準で複数の領域に分割し、画像の輝度の代表値に対して、基準となるガンマカーブがとり得る入力輝度の範囲を変更するための調整率を定めたデータテーブルを上記領域別に設定し、入力画像を構成する各画素の輝度から、入力画像の輝度の代表値を求め、求めた代表値と上記データテーブルとから、入力画像に応じた調整率を領域ごとに検出し、領域ごとで、基準となるガンマカーブのとり得る出力輝度の範囲は一定としつつ、基準となるガンマカーブがとり得る入力輝度の範囲に入力画像に応じた調整率をかけることで、基準となるガンマカーブの形状を圧縮または伸張させ、互いに隣り合う各領域のガンマカーブを接続することを特徴とする。
【0114】
入力画像の代表値と、その入力画像を最適に処理することができるガンマカーブの形状(変化率)とは、輝度領域別に、所定の相関関係にあることが知られている。それゆえ、上記手順によれば、入力画像の代表値に応じて、ガンマカーブの形状を、輝度領域別に最適に調整することができるので、入力画像の種類(例えば、オーバー露出と適正露光とが混在する画像/アンダー露出と適正露出とが混在する画像)に関わりなく、画像処理(ガンマ補正)を実現することにより、良質な出力画像を得ることができるという効果を奏する。
【0115】
本発明の画像処理方法は、上記手順に加えて、上記画像を構成する輝度の代表値を、画像を構成する各画素から算出される平均輝度としてもよい。
【0116】
上記手順によれば、画像を構成する各画素の平均輝度は、容易に算出することができるという効果を奏する。
【0117】
本発明の画像処理方法は、上記手順に加えて、基準となるガンマカーブを、出力輝度基準で低輝度領域、中間調領域、高輝度領域に分割すると共に、領域ごとに異なるデータテーブルを設定することとしてもよい。
【0118】
一般的にガンマカーブの最適な形状は、処理対象となる画像の種類に応じて異なるものである。ここで、処理対象となる画像を構成する各画素の平均輝度と、その画像を最適に処理するためのガンマカーブの変化率とは、ガンマカーブの低輝度領域、中間調領域、高輝度領域ごとで異なる相関関係にあることが知られている。
【0119】
それゆえ、ガンマカーブの形状の調整度合いを、低輝度領域、中間調領域、高輝度領域に分けてコントロールすることができ、入力画像を構成する各画素の平均輝度に応じて、最適なガンマカーブを作成できるという効果を奏する。
【0120】
本発明の画像処理方法は、上記手順に加えて、互いに異なる形状の複数のガンマカーブから、いずれか1のガンマカーブを、基準となるガンマカーブとして設定するステップ、上記複数のガンマカーブについて、それぞれを、出力輝度基準で低輝度領域、中間調領域、高輝度領域に分割するステップ、分割した領域別に、その範囲がとり得る出力輝度差を入力輝度差で割った値を領域の変化率とし、その領域の変化率に、基準となるガンマカーブの対応する領域の変化率を割った値を上記調整率とするステップ、上記複数のガンマカーブについて、各ガンマカーブの入力センター値を求め、上記入力センター値を、画像を構成する各画素から算出される平均輝度とするステップ、領域別に用意されたテーブルに、上記平均輝度に対する各領域の上記調整率をプロットすると共に、補間処理を施すステップから上記データテーブルを設定することとしてもよい。
【0121】
互いに異なる複数のガンマカーブについて、それぞれを、出力輝度基準で低輝度領域、中間調領域、高輝度領域に分割し、分割した領域別に、その範囲がとり得る出力輝度差を入力輝度差で割った値を領域の輝度変化率とし、その領域の輝度変化率に基準となるガンマカーブの対応する領域の輝度変化率を割った値を上記調整率とする。つぎに、上記複数のガンマカーブの入力センター値をそれぞれ求め、上記入力センター値を、画像を構成する各画素から算出される平均輝度とみなす。これにより、画像を構成する各画素の平均輝度に対しての、その画像に最適な上記調整率を求めることができる。
【0122】
したがって、領域別に用意されたテーブルに、上記入力センター値に対する各領域の上記調整率をプロットすると共に、補間処理を施すステップとにより上記データテーブルを設定することができるという効果を奏する。
【0123】
本発明の画像処理方法は、上記手順に加えて、トーンが最適の状態となっている最適デジタル画像データを取得するステップ、上記最適デジタル画像データに基づいて、各輝度に対応する画素数を低段階側の輝度から累積した第1累積ヒストグラムを作成するステップ、補正対象となるデジタル画像データを取得するステップと、上記補正対象となるデジタル画像データに基づいて、各輝度に対応する画素数を低段階側の輝度から累積した第2累積ヒストグラムを作成するステップ、第2累積ヒストグラムの各輝度を入力値とし、第2累積ヒストグラムの各輝度の累積画素数と略一致する累積画素数である第1累積ヒストグラムの各輝度を出力値とするようにガンマカーブを設定し、該ガンマカーブを最適デジタル画像データのシーンごとに複数作成するステップを備えていてもよい。
【0124】
上記手順によれば、トーンが最適の状態となっている最適デジタル画像データを取得し、各輝度に対応する画素数を低段階側の輝度から累積した第1累積ヒストグラムを作成するため、最適デジタル画像データにおける各輝度の累積画素数を求めることができる。ここで、第1累積ヒストグラムにおける各輝度の累積画素数は各輝度に対応する画素数を低段階側の輝度から累積したものであるので、それぞれ固有の値を示す。
【0125】
また、補正対象となるデジタル画像データを取得し、各輝度に対応する画素数を低段階側の輝度から累積した第2累積ヒストグラムを作成するため、取得したデジタル画像データにおける輝度の各段階の累積画素数を求めることができる。ここで、第2累積ヒストグラムにおける各段階の累積画素数は各輝度に対応する画素数を低段階側の輝度から累積したものであるので、それぞれ固有の値を示す。したがって、第2累積ヒストグラムの各輝度の累積画素数と1対1で対応する第1累積ヒストグラムの各輝度を検出することができる。すなわち、補正対象となる入力輝度に対応する最適画像データの各輝度を出力輝度としたガンマカーブを設定できるという効果を奏する。
【0126】
本発明の画像処理方法は、上記手順に加えて、フォトレタッチソフトによりトーンが最適な最適デジタル画像データを作成するステップをさらに備えることとしてもよい。
【0127】
ここで、フォトレタッチソフトによれば、グラフィカルユーザーインターフェイスにより画像データを調整できる。しかも、フォトレタッチソフトによるトーン補正は一般的に「明るさ」「コントラスト」「トーンカーブ」「レベル補正」を独立したパラメータとして調整でき、上記調整がリアルタイムで表示中の画像に反映される。したがって、上記ステップを備えることにより、簡易かつ瞬時に最適な最適デジタル画像データを作成することができるという効果を奏する。
【0128】
本発明の画像処理プログラムは、以上のように、上記画像処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0129】
上記構成によれば、上記画像処理プログラムをコンピュータに実行させることにより、上述した画像処理方法を実現することができる。
【0130】
本発明の画像処理プログラムを記録した記録媒体は、以上のように、上記画像処理プログラムをコンピュータにて読み取り可能に記録してなることを特徴とする。
【0131】
上記構成によれば、上記記録媒体に記録された画像処理プログラムをコンピュータが実行することにより、上述した本発明の画像処理プログラムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る写真処理装置が実行する画像処理方法および写真処理の手順を示したフローチャートである。
【図2】本実施の形態に係るデータテーブル作成装置の構成を示したブロック図である。
【図3】本実施の形態に係るデータテーブルおよび写真処理装置に備えられているフィルムスキャナの概略構成図である。
【図4】上記データテーブル作成装置によって作成されるデータを示し、(a)は第1累積ヒストグラムであり、(b)は第2累積ヒストグラムであり、(c)は最適ガンマカーブであり、(d)は上記第2累積ヒストグラムに上記ガンマカーブを掛けて得られるヒストグラムである。
【図5】上記最適ガンマカーブの作成手順を示したフローチャートである。
【図6】上記データテーブル作成装置によって作成される領域別データテーブルの作成手順を示したフローチャートである。
【図7】基準となるガンマカーブを示すグラフである。
【図8】(a)〜(c)は、上記領域別データテーブルを示したグラフである。
【図9】(a)(b)は、上記データテーブルの補間処理方法を示した説明図である。
【図10】本実施の形態に係る写真処理装置の構成を示したブロック図である。
【図11】露光濃度特性曲線を示したグラフである。
【図12】ガンマカーブを示したグラフである。
【図13】(a)〜(d)は、基準となるガンマカーブの形状を調整する手順を示した説明図である。
【図14】本実施の形態の最適ガンマカーブおよび領域別データテーブルの作成および画像処理方法の概略を示した説明図である。
【符号の説明】
52 画像処理部
53 露光部
54 第1濃度補正部
55 ガンマカーブ調整部
56 第2濃度補正部
Claims (8)
- 入力画像を構成する各画素の輝度を、補正用ガンマカーブにより出力輝度に変換する画像処理方法であって、
基準となるガンマカーブである基準ガンマカーブを設定すると共に、該基準ガンマカーブを出力側基準で複数の領域に分割し、
画像の輝度の代表値に対して、基準ガンマカーブがとり得る入力輝度の範囲を変更するための調整率を定めたデータテーブルを上記領域別に設定し、
入力画像を構成する各画素の輝度から、入力画像の輝度の代表値を求め、求めた代表値と上記データテーブルとから、入力画像に応じた調整率を領域ごとに検出し、
領域ごとで、基準ガンマカーブのとり得る出力輝度の範囲は一定としつつ、基準ガンマカーブがとり得る入力輝度の範囲に入力画像に応じた調整率をかけることで、基準ガンマカーブの形状を圧縮または伸張させ、
互いに隣り合う各領域の基準ガンマカーブを接続することによって上記補正用ガンマカーブを作成することを特徴とする画像処理方法。 - 上記画像を構成する輝度の代表値とは、画像を構成する各画素から算出される平均輝度であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
- 上記基準ガンマカーブを、出力輝度基準で低輝度領域、中間調領域、高輝度領域に分割すると共に、領域ごとに異なるデータテーブルを設定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理方法。
- 互いに異なる形状の複数のガンマカーブを取得する取得工程と、
上記取得工程において取得した複数のガンマカーブから、いずれか1のガンマカーブを、上記基準ガンマカーブとして設定する基準ガンマカーブ設定工程と、
上記データテーブルを設定するデータテーブル設定工程とを含み、
上記データテーブル設定工程は、
上記複数のガンマカーブについて、それぞれを、出力輝度基準で低輝度領域、中間調領域、高輝度領域に分割する第1工程と、
分割した領域別に、その領域がとり得る出力輝度差を入力輝度差で割った値を領域の変化率とし、その領域の変化率に、上記基準ガンマカーブの対応する領域の変化率を割った値を上記調整率とする第2工程と、
上記複数のガンマカーブの各々について、視覚的に白と黒との中間のグレーに見える出力輝度に対応する入力輝度を入力センター値として決定し、上記入力センター値を上記平均輝度とみなす第3工程と、
領域別に用意されたテーブルにおいて、上記平均輝度に対する各領域の上記調整率をプロットすると共に、補間処理を施すことによって上記データテーブルを設定する第4工程とを含むことを特徴とする請求項3に記載の画像処理方法。 - 上記取得工程は、
トーンが最適の状態になるように調整された最適画像データを取得すると共に、この最適画像データと同一シーンの画像データである非最適画像データを取得する第5工程と、
上記最適画像データに基づいて、各輝度に対応する画素数を低段階側の輝度から累積した第1累積ヒストグラムを作成する第6工程と、
上記非最適画像データに基づいて、各輝度に対応する画素数を低段階側の輝度から累積した第2累積ヒストグラムを作成する第7工程と、
第2累積ヒストグラムの各輝度を入力値とし、第2累積ヒストグラムの各輝度の累積画素数と略一致する累積画素数である第1累積ヒストグラムの各輝度を出力値としたガンマカーブを取得する第8工程とを含み、
上記取得工程では、互いに異なるシーンの複数の最適画像データの各々について、上記第5工程ないし第8工程を実行することによって、互いに異なる形状の複数のガンマカーブを取得することを特徴とする請求項4に記載の画像処理方法。 - 上記最適画像データは、フォトレタッチソフトによって作成されたデータであることを特徴とする請求項5に記載の画像処理方法。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
- 請求項7に記載の画像処理プログラムをコンピュータにて読み取り可能に記録してなることを特徴とする画像処理プログラムを記録した記録媒体。
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