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JP3817057B2 - 脱臭濾材ユニット - Google Patents

脱臭濾材ユニット Download PDF

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  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)
  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)
  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、塵埃と臭気物質とを除去するために用いられる脱臭濾材ユニットに関し、特に、自動車など、装着スペースが限られた用途に用いて好適なコンパクトで高効率な脱臭濾材ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の生活環境に対する意識向上には目を見張るものがあり、とりわけ、臭いに寄せられる関心は大きく、不快な臭気物質の除去も要求されている。このような脱臭機能を要求される濾材の利用分野として、最近、自動車用の空調機器に装着して用いる脱臭濾材ユニットが注目され始めている。従前、自動車の空調機器には除塵層のみを備えた濾材ユニットが知られているが、例えば、道路渋滞などで、自車内を換気し、しかも他車の排気ガスが自車内に侵入するのを防ぎたいという要望から、脱臭層を付加した濾材を備えた脱臭濾材ユニットに対する要求は急速に高まっている。通常、自動車に備えられた空調機器は、エンジンなどの走行に必要な機構に隣接し、外気導入口から車室内に至る経路の内の何れかに搭載されている。このため、空調機器に割り当てられるスペースは限られた小さなものであり、当該機器に装着される濾材ユニットの装着スペースも極めて小さな空間に限定されている。
【0003】
図1は、この種の濾材ユニットの構成を説明するため、一部の構成成分を切り欠いて斜視的に示す図である。濾材ユニット11は、ホットメルト樹脂などの接着剤を用いて、プリーツ加工された濾材13を枠体15で囲むように構成される。一般に、上述した自動車用途では、高さh及び幅wが20〜30cm角の矩形の空気通過面に2〜3cm程度の深さdで構成した濾材ユニットが使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、普通乗用車程度の搭乗者空間を効率的に清浄化するためには3m/秒程度の面風速に相当する風量で空気浄化を図る必要がある。このような小スペース及び比較的速い面風速で効率的に空気浄化を図るには、コンパクトで、しかも濾過性能に優れた脱臭濾材ユニットが不可欠であり、所定の濾材機能と圧力損失とを両立するには、極めて難易度の高い技術を必要とする。送風機は除塵能力を考慮して設計搭載されているが、限られた送風能力で所定の圧力損失を持つ濾材を使ってユニットを組む場合、新たに脱臭機能を付加するには、当然に、除塵のみを考慮した濾材ユニットの圧力損失から大きく逸脱するものは許容されない。通常、自動車などで実用的な圧力損失は、前述の面風速のもとで120Pa以下程度であるが、この条件下で脱臭機能を付加した脱臭濾材ユニットを搭載するには、送風機の設計を変更するか、或いは濾材性能を犠牲にして圧力損失を下げることが必要であり、この種の用途に脱臭濾材ユニットを普及させることは極めて難しいという問題点が有った。
【0005】
また、本出願人は、このような脱臭濾材ユニットを実現するため、特に前述の脱臭層に着目して種々の公知技術を検討した。従来、活性炭などの脱臭粉粒体をバインダによって不織布などの基材に固着担持する技術が知られているが、その多くは、当該粉粒体の表面をバインダが被覆してしまうため、当該粉粒体が本来有する性能を低下させてしまうと云う欠点を有していた。
【0006】
これに対して、例えば、特開平8-266845号公報に開示される技術は、所定の目開を有する網体に予めエマルジョン型アクリル系粘着剤を付着させておき、脱臭粉粒体を、当該粘着剤を介して網体に固着するものである。しかしながら、網体に対する粘着剤付着はスプレーやコーターで塗布されるため、網体の開口部分が潰れてしまい、低圧損のものを得ることが難しかった。
【0007】
一方、他の技術として、予め粒状の熱可塑性樹脂からなる接着剤と脱臭粉粒体とを混合し、これを可撓性を有するシート状の支持材料の表面に塗布した後、加熱処理して当該粉粒体を固着させて脱臭層とする技術(以下、点接着技術と称する場合も有る)が知られている。この技術を適用した脱臭層の場合、例えば150〜300g/m2程度の脱臭粉粒体を担持して圧力損失を低く抑えようとすると、当該粉粒体の固着状態に均一性を欠き、使用時にリークを生じ易いという問題が有った。
【0008】
このように、脱臭機能を付加した濾材ユニットを適用するに当り、従来知られている技術では脱臭機能を司る構成成分自体の圧力損失が高く、結果としてユニットの圧力損失が極めて高くなるため、実用に十分な性能を有する脱臭濾材ユニットを広範な用途に適用することが難しかった。
【0009】
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みなされたものであり、従って、本発明の目的は、脱臭機能を低圧力損失下で発揮させ、しかもコンパクトな脱臭濾材ユニットを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的の達成を図るため、本発明の構成によれば、除塵層及び脱臭層からなる濾材をプリーツ加工し、この状態の濾材を枠体に装着した脱臭濾材ユニットにおいて、前記脱臭層が、ホットメルト樹脂からなる連結部と樹脂凝集部とで構成されたウエブの一方の表面に、前記樹脂凝集部を介して脱臭粉粒体を固着してなる積層単位を有する脱臭濾材ユニットであって、固着した脱臭粉粒体以外を除去する工程を含むことによって積層単位が形成されていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明の実施に当たっては、濾材として、ASHRAE規格の質量法(52.1−1992)で測定した除塵性能が60%以上とするのが好適である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の脱臭濾材ユニットの実施の形態について説明する。図2は、図1に示す濾材13の構成の一例を模式的な断面により示す図である。まず、濾材13は、除塵層17と脱臭層19により構成される。
【0013】
このうち、除塵層17は、従来除塵を目的として使用されてきた周知の材料で構成すればよい。一例として、ポリオレフィン系繊維やポリエステル系繊維で構成される不織布であれば、面密度10〜100g/m2、より好ましくは20〜50g/m2程度の布帛材料を任意好適に選択することが出来る。この除塵層17としてエレクトレット加工を施したものを用いることによって、より効率的な除塵機能を期待し得る。
【0014】
また、脱臭層19は、積層単位21を単層または複数配置して構成され、この積層単位21は、脱臭粉粒体23とこれを固着担持するウエブ25とで構成される。図3は、脱臭粉粒体23とウエブ25との固着部分を脱臭層の平面により示す図であるが、ウエブ25は連結部27と樹脂凝集部29とからなる。
【0015】
以下、脱臭層を構成する素材について詳細に説明する。本発明に利用する脱臭層は、ホットメルト不織布に脱臭粉粒体を接触配置した状態で加熱処理を行うことにより、当該ホットメルト不織布が可塑化し、上述のウエブとして形成されるものである。このようなウエブが形成可能なホットメルト樹脂としては、熱可塑性ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、またはポリオレフィン変性樹脂などを、各々、単独または混合して用いることが出来る。ここで云うポリオレフィン変性樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体の鹸化物、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−マレイン酸共重合体、アイオノマー樹脂(エチレン−メタクリル酸共重合体に金属を付加した感熱性樹脂)などが挙げられる。本発明で利用できるホットメルト樹脂としては、MIが50以上500以下のものを選択して用いればよい。この好適範囲よりもMIが低い樹脂の場合は、加熱処理時に流動性が低く、熱処理時に樹脂凝集部が形成されにくく、脱臭粉粒体の固着が不完全となることがある。さらに、上記好適範囲よりもMIの高い樹脂では、熱処理時の流動性が高く、積層単位の形態維持が難しくなる。また、上述したホットメルト不織布は、面密度が10〜30g/m2のものが好適であり、特に15〜25g/m2のものが好ましい。この好適範囲よりも小さな面密度とした場合、不織布としての均一性に欠けるため、脱臭粉粒体を脱臭層表面に均一に固着配置することが難しくなる。また、この好適範囲を超えても固着強度の向上は望めず、圧力損失の増大に繋がる場合がある。
【0016】
脱臭粉粒体としては、従来知られている活性炭や、これに種々の脱臭成分を付加した添着炭、近年注目されている光触媒粒子、その他粒子状の化学脱臭剤を種々選択して用いることが出来る。その選択に当たり、高脱臭効率と低圧損とを実現するためには、当該粉粒体の平均粒径を0.147mm(100メッシュ)以上1.65mm(10メッシュ)以下とするのがよい、この好適範囲の下限よりも細かい平均粒径とする場合には初期の脱臭効率を高く採れる反面、圧力損失が大きくなり、逆に、上記範囲よりも大きな粒径のものを用いる場合には脱臭効率が低下する傾向にある。
【0017】
次いで、上述した脱臭層を形成する工程について説明する。始めに、濾材13を構成する除塵層17を支持体とし、これにホットメルト不織布を積層しておく。続いて、このホットメルト不織布の表面に、脱臭粉粒体23を散布した後、これらを加熱処理する。この加熱処理によってホットメルト不織布が可塑化溶融し、連結部27と樹脂凝集部29とからなるウエブ25に脱臭粉粒体23が固着される。然る後、固着した脱臭粉粒体23以外を除去することによって積層単位21が形成され、ウエブ25によって除塵層17と脱臭粉粒体23とが互いに固着されることとなる。
【0018】
図2は、この様にして除塵層17に1層目の積層単位を形成した後、この状態で固着された脱臭粉粒体側に再度ホットメルト不織布を積層し、脱臭粉粒体の散布、加熱処理、余剰な脱臭粉粒体の除去を行って2層目の積層単位を形成した場合を示すものである。このような積層単位の層数は設計に応じて、複数または単数を任意好適に選択することが出来る。また、加熱処理は、例えばカレンダー、熱風ヒーター、赤外線ヒーター、水蒸気による加熱、さらに、対向する1対の無端ベルト間に挟持して加熱する装置など、従来知られている種々の手段とすることが出来る。このうち、特に、複数の積層単位で脱臭層を構成する場合には、熱量を持った流体で加熱処理を行うことによって、浄化すべき空気を低圧損で浄化できる連通孔(図2中、矢印Aで示す)を形成することが出来る。
【0019】
この様にして得られた濾材13には、所定のピッチでプリーツ加工が施され、設計に応じた山間隔を保持するために、種々の合成樹脂、紙、または金属材料など周知の材料からなる枠体15に接着固定されて、図1に示すような脱臭濾材ユニット11が得られる。尚、同図及び後述の実施例では、脱臭濾材ユニットの最も一般的な形状を示したに過ぎず、濾過面を構成する形状は、例示した矩形に代えて、円形、三角形、楕円形など、ユニットを装着する機器に応じた形状とすることができる。
【0020】
また、本発明の実施に当たり、前述したASHRAE規格の質量法により、その除塵性能を60%以上の濾材を備えるのが好適であり、例えば花粉の除去を所望とする場合には、当該法による除塵性能を80%以上とするのが好適である。
【0021】
さらに好適な態様として、前述した自動車用途及びビル空調用途の脱臭濾材ユニットにあっては、当該ユニットの圧力損失YPaとし、面風速をXm/秒とした場合、下記の数式1を満たすことが好ましい。
Y≦35X1.2
尚、ここで云う面風速とは、例えば図1に示す脱臭濾材ユニットの高さ及び幅で構成される面に対して、直角な方向での風速を表し、この形態のユニットは、2m/秒以上の比較的大きな面風速で使用されるものに適用して好適である。これら用途のうち、自動車用途の場合には、前述したスペース上の制約がより厳しいため、ユニット寸法のうち、前述した濾材のプリーツ深さ(図1のh参照)が1.5cm以上、4cm以下程度であることが望ましい。
【0022】
加えて、家庭用の空気清浄機など、面風速が1m/秒程度の比較的低風量で用いられる用途においては、ユニットの圧力損失YPaと面風速Xm/秒とが下記の数式2を満たすことが好ましい。
Y≦350X1.2
さらに、図1では、同一ピッチの折り加工によりプリーツ形成した場合を例示しているが、本発明に適用できるプリーツは、これに限定されるものではない。例えば、図4にユニットを構成する濾材の要部断面によって示す様に、比較的小さなプリーツを組み合わせて、より大きなプリーツを構成し、立体的な濾材の配設状態とするなど、種々の折り加工を施すことができる。
【0023】
【実施例】
以下、この発明の実施例につき説明する。尚、本実施例では、特定の条件を例示して説明するが、本発明は、これら実施例にのみ限定されるものではなく、この発明の目的の範囲内で任意好適な設計の変更及び変形を行い得る。
【0024】
本実施例では、所定の脱臭性能を満足するために必要な脱臭粉粒体の担持量を前述した点接着技術と本発明に係る技術とで各々求め、これらに所定の除塵層を付加した濾材を調製し、夫々、プリーツ加工して枠体を設けた状態の脱臭濾材ユニットの特性比較を行った結果について順次説明する。
【0025】
まず、本発明の技術と前述した点接着技術との比較を目的とした統一条件を求めるため、脱臭効率の予備実験を実施した。脱臭効率は、平板状の各サンプルに対して、代表的な臭気物質であるトルエン25ppmを風速14cm/秒の条件で通過させた際、このトルエンの約95%が除去されるような脱臭粉粒体の担持量を有するものに統一した。以下に、この予備実験の詳細について述べる。
【0026】
始めに、実施例に使用するサンプルとして、ポリエステルスパンボンド(面密度30g/m2)を支持体に用い、この支持体に熱可塑性ポリアミド系樹脂からなる面密度20g/m2のホットメルト不織布を積層し、平均粒径0.375mmの活性炭を脱臭粉粒体として、約5kg/cm2の水蒸気加熱処理を7秒間行い、前述の製造手順で2層の積層単位を形成した。詳細な説明は省略するが、前述のトルエン脱臭条件を満足する実施例用のサンプルには、図2と同様な2つの積層単位で合計約300g/m2の脱臭粉粒体を必要とした。
【0027】
また、前述の点接着技術を利用し、脱臭効率が同等の比較例用サンプルとして、上記脱臭粉粒体100重量部に対して、ポリアミド系の粒状接着剤である「ベスタメルト430P2」(ダイセルヒュルス(株)製、商品名:平均粒径0.16mm)25重量部とを乾燥状態で混合し、上述のポリエステルスパンボンドを支持体として塗布形成後、150℃で5分間加熱して点接着した。トルエン脱臭性能を測定したところ、前述の条件を満たす脱臭粉粒体の担持量は約450g/m2であった。
【0028】
さらに、バインダと脱臭粉粒体とを混合分散させた状態で上記支持体に含浸付着させた従来技術との比較を実施するため、上述と同様な予備実験を行った。この比較例用サンプルとして、塩化ビニルバインダと粒径18μmの活性炭とを混合分散し、ポリエステル不織布(面密度50g/m2)に含浸付着後、乾燥して種々の担持量の脱臭層サンプルを作製した。しかしながら、前述した脱臭性能を得ることが難しく、極めて大きな圧力損失となってしまった。従って、上述した実施例用のサンプル構成との間で、同等の圧力損失を与える様に設計したところ、脱臭粉粒体の担持量は約110g/m2であった。
【0029】
次いで、脱臭濾材ユニットの性能比較を行うため、実施例及び比較例として用いた濾材の構成につき説明する。ユニットを構成する濾材には、いずれも面密度20g/m2のポリプロピレン樹脂からなるメルトブロー不織布とスパンボンド不織布との積層品(合計面密度40g/m2)を除塵層として用いた。この除塵層はASHRAEの質量法で90%以上の除塵能力を持つものであるが、この除塵層を支持体としたことを除いては、脱臭効率または圧力損失を統一するための予備試験として脱臭粉粒体の担持量を求めたのと同一の条件で、脱臭層を積層形成した。
【0030】
続いて、これらの濾材の夫々について、図1を参照して説明した幅w及び高さhが200mm、並びに深さdが30mmの寸法条件に統一し、種々のプリーツ間隔で脱臭濾材ユニットを作製した。然る後、面風速2.8m/秒の条件で、ユニット上流側と下流側との圧力差を圧力損失として測定し、さらに、面風速1.4m/秒、トルエン濃度80ppmの条件で脱臭効率を測定した。その結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
Figure 0003817057
【0032】
この表1からも理解できるように、同一の寸法条件で作製した実施例3と比較例1とでは圧力損失の差が約50Paとなり、同程度の脱臭性能及び同一の除塵層を備えた脱臭濾材ユニットであれば、約2/3の圧力損失を実現し得ることが確認できた。また、実施例2と比較例4とでは、ほぼ同等の圧力損失であるにも拘わらず、脱臭効率を2倍に向上させることが確認された。従って、本発明を適用することにより、優れた脱臭性能及び除塵性能と低圧損とを両立し得ることが明らかとなった。
【0033】
また、寸法の異なる実施例として、ユニットの高さh及び幅wをほぼ同等とし、プリーツ深さdを20mmとしたユニットの圧力損失を求めた。その結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
Figure 0003817057
【0035】
この表2及び上述の表1からも理解できるように、例えば実施例3、比較例1並びに実施例4は、いずれも同等の濾材面積で構成され、同等の脱臭効率を有するものである。その際の圧力損失を較べると、実施例に係る脱臭濾材ユニットでは、いずれも前述した数式1で求められる120Pa以下の条件を満たすものであるが、比較例のユニットの圧力損失は20%以上増大してしまうことが理解できる。このことから、本発明を適用することによって、10mm(全プリーツ深さの約1/3に相当)の薄型化を図っても、同等の脱臭性能及び除塵性能を維持しつつ、実用に充分な圧力損失を実現し得ることが明らかとなった。
また、以上の実施例では、比較的面風速の高い用途に好適な例を挙げて説明したが、以下に、比較的小さな面風速の用途に好適な他の実施例を挙げて説明する。実施例5に係るユニットを構成する濾材には、面密度30g/m2のポリプロピレン樹脂からなるメルトブロー不織布を除塵層として用いた。この除塵層はASHRAEの質量法で98%以上、ASHRAEの比色法で約80%の除塵能力を単独で持つものであるが、この除塵層を支持体として、400g/m2の脱臭粉粒体担持量としたを除いては前述と同様の手順によって脱臭層を積層形成し、濾材を得た。このような濾材に対してプリーツ加工を施し、図1を参照して説明した寸法において、ユニットの高さ及び幅が610mm、プリーツ深さ30mm及びプリーツ間隔を10mmとした実施例5に係るユニットを作製した。
【0036】
この様なユニットに関して、面風速0.45m/秒における圧力損失を測定したところ、100Paとなり、さらに、前述と同様な条件で80ppmのトルエンに対する脱臭効率を測定した結果、約92%の脱臭能力が認められた。
【0037】
【発明の効果】
上述した説明からも明らかなように、本発明を適用した脱臭濾材ユニットの構成によって、脱臭機能を低圧力損失下で発揮させ、しかもコンパクトな脱臭濾材ユニットを提供することができる。また、このような効果によって、従来、脱臭機能を想定して設計されていない空調機器においても、その送風機の設計を変更することなく、優れた脱臭機能と除塵機能とを享受することが期待できる。換言すれば、本発明の構成は、自動車用の空調機器用途のみならず、空気清浄機やビル空調など、広い分野に適用可能であって、コンパクトで低圧損な脱臭濾材ユニットを実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発明の好適例及び従来技術の説明に供する斜視図、
【図2】 本発明の実施形態の説明に供する断面図、
【図3】 本発明の実施形態の説明に供する平面図、
【図4】 本発明の他の実施形態の説明に供する要部断面図である。
【符号の説明】
11:脱臭濾材ユニット、13:濾材、15:枠体、17:除塵層、
19:脱臭層、21:積層単位、23:脱臭粉粒体、25:ウエブ、
27:連結部、29:樹脂凝集部、d:プリーツ深さ、h:ユニット高さ、
w:ユニット幅、A:連通孔。

Claims (4)

  1. 除塵層及び脱臭層からなる濾材をプリーツ加工し、該濾材を枠体に装着した脱臭濾材ユニットにおいて、前記脱臭層が、ホットメルト樹脂からなる連結部と樹脂凝集部とで構成されたウエブの一方の表面に、前記樹脂凝集部を介して脱臭粉粒体を固着してなる積層単位を有する脱臭濾材ユニットであって、固着した脱臭粉粒体以外を除去する工程を含むことによって積層単位が形成されていることを特徴とする脱臭濾材ユニット。
  2. 前記積層単位を複層有することを特徴とする請求項1に記載の脱臭濾材ユニット。
  3. 前記脱臭粉粒体の平均粒径が0.147mm ( 100メッシュ ) 以上1.65mm ( 10メッシュ ) 以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の脱臭濾材ユニット。
  4. ASHRAE規格の質量法による除塵性能が60%以上の濾材を備えてなることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の脱臭濾材ユニット。
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