JP3812530B2 - 車載器機の昇温装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば内燃機関や該機関に設けられる機能部品等の車載器機を対象として、該車載器機の温度を上昇せしめる車載器機の昇温装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、内燃機関にあって同機関の温度が低い状態で始動されるいわゆる冷間始動時、燃料の気化の悪化等により混合気の燃焼状態が不安定となり、エミッション性能の低下をまねくようになる。
【0003】
そこで従来、こうした冷間始動時における懸念を解消するために、例えば特許文献1には次のような車載器機の昇温装置が提案されている。
この特許文献1に記載の昇温装置では、内燃機関の運転停止直後、電動ポンプを通じて同機関内を循環する冷却水を蓄熱器内に貯留するとともに、以降の内燃機関の冷間始動時、蓄熱器内に貯留されている高温の冷却水を同機関へ供給する。これにより、冷却水から内燃機関への熱の伝達が行われて同機関が早期に暖機されるため、冷間始動時にあっても良好な燃焼状態が確保されるようになる。ちなみに、こうした内燃機関を早期に暖機するための処理は、一般にプレヒートと呼ばれている。
【0004】
なお、本発明にかかる先行技術文献としては、特許文献1の他に特許文献2が挙げられる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−140644号公報
【特許文献2】
特開2002―122061号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、例えば車両推進に用いられる高圧電源とそれ以外の用途に用いられる低圧電源とを備えるハイブリッド車両のように、出力電圧の異なる複数の電源を備える車両が実用化されている。しかしながら、こうした車両に適用される車載器機の昇温装置に対する適切な電力供給構造については、上記特許文献1を含めていまだ提案されていない。
【0007】
なお、内燃機関を対象とする車載器機の昇温装置に限らず、酸素センサ等の機能部品をはじめとした各種車載器機の温度を上昇せしめることを目的とする車載器機の昇温装置についても同様の状況にある。
【0008】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車載器機の昇温装置に対して有効に電力を供給することのできる電力供給構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
【0017】
請求項1記載の発明は、出力電圧の異なる複数の電源を備える車両に適用されて、該車両の車載器機の温度を上昇せしめる車載器機の昇温装置であって、当該車載器機の昇温装置が、蓄熱器内に貯留されている熱媒体を電動ポンプにより前記車両の内燃機関へ供給することで該内燃機関の温度を上昇せしめる蓄熱装置であり、前記電動ポンプを前記複数の電源のうちの低圧電源で駆動し、前記低圧電源は、該低圧電源の第1の電圧よりも高い出力電圧を有する高圧蓄電池からの出力電圧が変圧器により降圧されたものであり、前記熱媒体を前記車載器機へ供給して該車載器機の温度を上昇させる際、前記変圧器を通じて前記低圧電源の第1の電圧よりも高い第2の電圧に降圧された前記高圧蓄電池からの出力電圧で前記電動ポンプを駆動し、前記車載器機の熱を回収しつつ前記熱媒体を前記蓄熱器内に貯留する際、前記低圧電源で前記電動ポンプを駆動することを要旨としている。
【0018】
上記構成によれば、熱媒体を車載器機に供給する際、第1の電圧よりも高い第2の電圧に降圧された高圧蓄電池からの出力電圧により電動ポンプが駆動され、熱媒体を蓄熱器内に貯留する際、低圧電源により電動ポンプが駆動される。ちなみに、車載器機と熱媒体との間における熱伝達率は、熱媒体の流速に応じて上昇する傾向を示す。そこで、上記構成のように、熱媒体の熱を車載器機に放出する際、より高い吐出能力で電動ポンプを駆動する、即ちより大きい流速で熱媒体を循環させることで、車載器機の温度の早期上昇を好適に図ることができるようになる。一方で、熱媒体を通じて車載器機の熱を回収する際、熱媒体の流速を小さくすることにより同熱媒体が車載器機から熱を受ける時間が長くなるため、多くの熱を回収することが可能となる。そこで、上記構成のように、熱媒体を通じて熱を回収する際、より低い吐出能力で電動ポンプを駆動する、即ちより小さい流速で熱媒体を循環させることで、高温の熱媒体の回収を好適に図ることができるようになる。
【0021】
請求項2記載の発明は、電動モータ及び内燃機関を駆動源として搭載し、前記電動モータに電力を供給する高圧蓄電池の出力電圧を第1の電圧に降圧して補機へ入力する変圧器を備えたハイブリッド車両に適用されて、蓄熱器内に貯留されている熱媒体を電動ポンプにより該ハイブリッド車両の車載器機へ供給して該車載器機の温度を上昇せしめる車載器機の昇温装置であって、前記熱媒体を前記車載器機へ供給して該車載器機の温度を上昇させる際、前記変圧器を通じて前記第1の電圧よりも高い第2の電圧に降圧された前記高圧蓄電池からの出力電圧で前記電動ポンプを駆動し、前記熱媒体を通じて前記車載器機の熱を回収しつつ同熱媒体を前記蓄熱器内に貯留する際、前記第1の電圧で前記電動ポンプを駆動することを要旨としている。
【0022】
上記構成によれば、熱媒体を車載器機に供給する際、第1の電圧よりも高い第2の電圧に降圧された高圧蓄電池からの出力電圧により電動ポンプが駆動され、熱媒体を蓄熱器内に貯留する際、第1の電圧により電動ポンプが駆動される。こうした構成によっても、上記請求項1記載の発明の作用効果に準じた作用効果が得られるようになる。また、車載器機の温度の早期上昇及び高温の熱媒体の回収を好適に図ることができるようにもなる。
【0023】
請求項3記載の発明は、電動モータ及び内燃機関を駆動源として搭載し、前記電動モータに電力を供給する高圧蓄電池の出力電圧を第1の低電圧に降圧して補機へ入力する変圧器を備えたハイブリッド車両に適用されて、蓄熱器内に貯留されている熱媒体を電動ポンプにより該ハイブリッド車両の車載器機へ供給して該車載器機の温度を上昇せしめる車載器機の昇温装置であって、前記熱媒体を前記車載器機へ供給して該車載器機の温度を上昇させる際、前記第1の低電圧で前記電動ポンプを駆動し、前記熱媒体を通じて前記車載器機の熱を回収しつつ同熱媒体を前記蓄熱器内に貯留する際、前記変圧器を通じて前記第1の低電圧よりも低い第2の低電圧に降圧された前記高圧蓄電池からの出力電圧で前記電動ポンプを駆動することを要旨としている。
【0024】
上記構成によれば、熱媒体を車載器機に供給する際、第1の低電圧により電動ポンプが駆動され、熱媒体を蓄熱器内に貯留する際、第1の低電圧よりも低い第2の低電圧に降圧された高圧蓄電池からの出力電圧により電動ポンプが駆動される。こうした構成によっても、上記請求項1記載の発明の作用効果に準じた作用効果が得られるようになる。また、車載器機の温度の早期上昇及び高温の熱媒体の回収を好適に図ることができるようにもなる。
【0025】
請求項4記載の発明は、電動モータ及び内燃機関を駆動源として搭載し、前記電動モータに電力を供給する高圧蓄電池の出力電圧を所定の第1電圧に降圧して該所定の第1電圧よりも低い所定の第2電圧を出力電圧とする低圧蓄電池へ入力するとともに前記所定の第1電圧を補機へ入力する変圧器を備えたハイブリッド車両に適用されて、蓄熱器内に貯留されている熱媒体を電動ポンプにより該ハイブリッド車両の車載器機へ供給して該車載器機の温度を上昇せしめる車載器機の昇温装置であって、前記熱媒体を前記車載器機へ供給して該車載器機の温度を上昇させる際、前記所定の第1電圧に降圧された前記高圧蓄電池からの出力電圧で前記電動ポンプを駆動し、前記熱媒体を通じて前記車載器機の熱を回収しつつ同熱媒体を前記蓄熱器内に貯留する際、前記低圧蓄電池からの出力電圧である前記所定の第2電圧で前記電動ポンプを駆動することを要旨としている。
【0026】
上記構成によれば、熱媒体を車載器機に供給する際、所定の第2電圧よりも高い所定の第1電圧に降圧された高圧蓄電池からの出力電圧により電動ポンプが駆動され、熱媒体を蓄熱器内に貯留する際、所定の第2電圧により電動ポンプが駆動される。こうした構成によっても、上記請求項1記載の発明の作用効果に準じた作用効果が得られるようになる。また、車載器機の温度の早期上昇及び高温の熱媒体の回収を好適に図ることができるようにもなる。
【0033】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の車載器機の昇温装置において、当該車載器機の昇温装置へ入力される電圧の大きさを監視し、該監視される電圧の大きさが所定値以上のとき当該昇温装置の駆動を許可する制御手段を備えることを要旨としている。
【0034】
上記構成によれば、当該車載器機の昇温装置へ入力される電圧の大きさが所定値以上のとき同装置の駆動が許可される。これにより、当該昇温装置の駆動能力を好適に確保することができるようになる。
【0035】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
本発明をハイブリッド車両に適用される車載器機の昇温装置として具体化した第1の実施の形態について、図1〜図8を参照して説明する。
【0036】
まず、図1を参照して、同実施の形態にかかる車載器機の昇温装置を搭載したハイブリッド車両について、その概要を説明する。なお、図1は、当該ハイブリッド車両の動力伝達系統の構成を模式的に示したものであり、一点鎖線で示される経路では動力の伝達が、破線で示される経路では電力の伝達がそれぞれ行われる。
【0037】
図1に示すように、ハイブリッド車両1は、特性の異なる2種類の動力源、即ち内燃機関11(車載器機)と電動モータ12とを備えて構成される。そして、これら内燃機関11及び電動モータ12のいずれか一方あるいは両方の動力が減速機13を介してドライブシャフト14に伝達されることにより車輪15が駆動される構成となっている。
【0038】
内燃機関11が混合気の燃焼を通じて駆動される一方で、電動モータ12は、高電圧を有するHVバッテリ16(高圧蓄電池)の電力がコンバータ付インバータ17を介して供給されることにより駆動される。
【0039】
また、内燃機関11により得られた動力は動力分割機構18を介して減速機13及びジェネレータ19へ伝達され、ジェネレータ19はこの動力分割機構18を介して得られた動力により発電を行うとともに、コンバータ付インバータ17を介してHVバッテリ16へ電力を供給する。
【0040】
また、本実施の形態のハイブリッド車両1にあって、内燃機関11は蓄熱装置2(昇温装置)を通じて暖機が行われる構成となっている。
次に、図2を参照して、内燃機関11の冷却水(熱媒体)を循環させるための冷却水循環系統3とともに蓄熱装置2の構成について説明する。
【0041】
冷却水循環系統3にあって、内燃機関11を駆動源とする機械式のウォーターポンプ31は、内燃機関11の排気ポート側に設けられている第1循環経路R1に接続されており、この第1循環経路R1は内燃機関11の吸気ポート側に設けられている第2循環経路R2と連通している。同第2循環経路R2は、3ポート弁32において、ヒータコア33が設けられている第3循環経路R3と蓄熱装置2を構成する蓄熱タンク21及び電動式のウォーターポンプ(電動ポンプ)22が設けられている第4循環経路R4とに分岐している。
【0042】
そして、これら各循環経路R3,R4はそれぞれ第5循環経路R5に接続されており、同循環経路R5は、3ポート弁34を介してウォーターポンプ31に接続される第6循環経路R6と、ラジエータ35及び3ポート弁34を介して同ポンプ31に接続される第7循環経路R7とに分岐した経路構成となっている。
【0043】
また、ハイブリッド車両1の電気系統Eは、HVバッテリ16、コンバータ付インバータ17及び同HVバッテリ16を通じて充電される補機バッテリ23(低圧蓄電池)等を備えて構成され、ウォーターポンプ22へはHVバッテリ16及び補機バッテリ23のいずれかの電力を供給することが可能となっている。
【0044】
なお、本実施の形態では、制御手段を構成する電子制御装置(ECU)5を通じて、上記ウォーターポンプ22の駆動態様の制御及び各3ポート弁32,34の切り替え等が行われる。
【0045】
次に、こうした構成の冷却水循環系統3における冷却水の循環態様について、図3及び図4を参照して説明する。なお、以降では3ポート弁32の切り替えを通じて第4循環経路R4が非能動とされているときの経路を第1の循環経路、3ポート弁32の切り替えを通じて第3循環経路R3が非能動とされているときの経路を第2の循環経路とする。ちなみに、内燃機関11の運転中、基本的には第1の循環経路を通じて冷却水の循環が行われ、同機関11の暖機時や運転停止直後のように蓄熱装置2が駆動されるときには第2の循環経路を通じて冷却水の循環が行われる。
【0046】
まず、図3を参照して、第1の循環経路における冷却水の循環態様について説明する。なお、図3において、破線は冷却水の循環が遮断された状態を、各循環経路における矢印は冷却水の循環方向をそれぞれ示している。
【0047】
同図3に示すように、第1の循環経路にあって、ウォーターポンプ31により圧送された冷却水は、第1循環経路R1及び第2循環経路R2を介して内燃機関11内を流通することにより同機関11の各部を冷却する。
【0048】
そして、3ポート弁32を介して第3循環経路R3のヒータコア33を介して第5循環経路R5へ流入した後、冷却水の温度に応じて第6循環経路R6及び第7循環経路R7のいずれかに流入する。即ち、冷却水の温度が所定の温度未満である場合には第6循環経路R6へ流入し、3ポート弁34を介してウォーターポンプ31に吸入される。一方で、冷却水の温度が所定の温度以上である場合には第7循環経路R7へ流入し、ラジエータ35及び3ポート弁34を介してウォーターポンプ31に吸入される。
【0049】
次に、図4を参照して第2の循環経路における冷却水の循環態様について説明する。なお、図4において、破線は冷却水の循環が遮断された状態を、各循環経路における矢印は冷却水の循環方向をそれぞれ示している。ちなみに、第2の循環経路は、内燃機関11の運転開始前及び運転停止直後に能動とされる経路であるため、第2の循環経路が能動とされているとき、ウォーターポンプ31は停止した状態にある。
【0050】
同図4に示すように、第2の循環経路にあって、ウォーターポンプ22により圧送された冷却水は、第4循環経路R4を介して内燃機関11内へ流入する。そして、第6循環経路R6(あるいは第7循環経路R7)及び第5循環経路R5を流通してウォーターポンプ22に吸入される。
【0051】
従って、内燃機関11の始動に先立ち上記第2の循環経路を通じて冷却水の循環が行われる場合にあっては、蓄熱タンク21内に貯留されていた冷却水の熱が内燃機関11に放出されるようになる。
【0052】
また、内燃機関11の運転停止直後に第2の循環経路を通じて冷却水の循環が行われる場合にあっては、内燃機関11からの熱を吸収して高温の状態にある冷却水が蓄熱タンク21内へ貯留されるようになる。
【0053】
次に、図5を参照して、ハイブリッド車両1の電気系統Eの詳細な構成(図2の破線内)について説明する。
本実施の形態にあってコンバータ付インバータ17は、破線内にて示される各要素、即ちインバータ17a、DCDCコンバータ17b及びコンバータ制御回路17cを備えて構成される。
【0054】
ここで、インバータ17aは、HVバッテリ16からの高電圧直流電流(本実施の形態ではDC288V)を3相交流電流に変換して電動モータ12に供給するとともに、ジェネレータ19からの3相交流電流を直流電流に変換してHVバッテリ16の充電を行う。
【0055】
また、HVバッテリ16からの高電圧直流電流は、コンバータ制御回路17cにより制御されるDCDCコンバータ17b(変圧器)により低電圧直流電流(本実施の形態ではDC14V(所定の第2電圧))に変換されて、ウォーターポンプ22及びDC12V(所定の第1電圧)を出力電圧とする補機バッテリ23へ入力される。これにより、ウォーターポンプ22がDC14Vで駆動されるとともに、補機バッテリ23の充電が行われる。ちなみに、このDCDCコンバータ17bからの低電圧直流電流(DC14V)は、当該車両1に搭載される補機24へも入力される。
【0056】
また、DCDCコンバータ17bが停止されており、且つウォーターポンプ22がオンとなっているときは、補機バッテリ23からの出力電圧(DC12V)がウォーターポンプ22に入力されるようになる。即ち、本実施の形態にあっては、DCDCコンバータ17bのオン/オフを通じてウォーターポンプ22の駆動電圧の制御が可能な構成となっている。
【0057】
また、DCDCコンバータ17bが停止されているときは、補機24も補機バッテリ23からの出力電圧(DC12V)により駆動される。ちなみに、補機バッテリ23の出力電圧(DC12V)はコンバータ制御回路17cにより監視され、補機バッテリ23の端子の電圧が常に一定となるように制御されている。
【0058】
なお、本実施の形態にあって、低圧電源はHVバッテリ16、コンバータ付インバータ17及び補機バッテリ23を備えて構成される。
一方で、ECU5にはイグニッションスイッチIGが「オン」位置にあることを示すイグニッション信号exIG、及び同スイッチIGが「スタート」位置に切り換えられたときにスタータモータSTAから送られるスタータ信号exSTAがそれぞれ入力される。そして、ECU5は、イグニッション信号exIG及びスタータ信号exSTAが入力されたことを示すスタータ信号履歴exSTAf等に基づいてコンバータ制御回路17cを制御することで、コンバータ17bのオン/オフを切り換える。なお、コンバータ制御回路17cは、基本的にはイグニッションスイッチIGが「オン」位置とされることにともなって駆動を開始する。
【0059】
次に、内燃機関11の暖機の早期完了を図るために行われるプレヒート処理について、図6及び図7を参照して説明する。なお、本処理は、所定の周期(例えば所定の時間)ごとに繰り返し実行される。
【0060】
同図6及び図7に示すように、この処理では、まずイグニッション信号exIGがオンであるか否かを判定する(ステップS101)。即ち、下記条件
exIG=1
が満たされるか否かを判定する。なお、このイグニッション信号exIGがオンのときに行われる以降の処理(ステップS102〜S108)は、蓄熱タンク21内に貯留されている冷却水を内燃機関11に供給して同機関11の暖機を早期に完了させるための処理として行われる。一方、イグニッション信号exIGがオフのときに行われる以降の処理(ステップS109〜S112)は、内燃機関11からの熱を吸収して高温の状態にある冷却水を蓄熱タンク21へ貯留するための処理として行われる。
【0061】
まず、イグニッション信号exIGがオンのときに行われる処理について説明する。
イグニッション信号exIGがオンのとき(ステップS101:Yes)、コンバータ付インバータ17を駆動する(ステップS102)。
【0062】
次に、スタータモータSTAが駆動されたことを示すスタータ信号履歴exSTAfがオンであるか否かを判定する(ステップS103)。即ち、下記条件
exSTAf=1
が満たされるか否かを判定する。ちなみに、このスタータ信号履歴exSTAfは、イグニッション信号exIGのオフにともなってクリアされる。
【0063】
スタータ信号履歴exSTAfがオンのとき(ステップS103:Yes)、DCDCコンバータ17bからの出力電圧VcnがDC14V以上であるか否かを判定する(ステップS104)。即ち、下記条件
Vcn≧DC14V
が満たされるか否かを判定する。
【0064】
DCDCコンバータ17bからの出力電圧VcnがDC14V以上のとき(ステップS104:Yes)、プレヒートを行うための条件が成立しているか否かを判定する(ステップS105)。なお、本実施の形態にあっては、上記プレヒートを行うための条件を「蓄熱タンク21の出口側における冷却水の温度が所定の温度以上である」とする。
【0065】
プレヒートを行うための条件が成立しているとき(ステップS105:Yes)、ウォーターポンプ22の駆動が開始されてからの経過時間Tsが所定の時間Tsx未満であるか否かを判定する(ステップS106)。即ち、下記条件
Tsx>Ts
が満たされるか否かを判定する。なお、上記ステップS103〜S105における各判定条件が満たされないときは、ウォーターポンプ22の駆動を停止して本処理を一旦終了する(ステップS108)。
【0066】
経過時間Tsが所定の時間Tsx未満のとき(ステップS106:Yes)、ウォーターポンプ22を駆動して本処理を一旦終了する(ステップS107)。なお、ウォーターポンプ22の駆動が開始されるとき、ECU5を通じて行われている別途の処理を通じて、冷却水循環系統3における第2の循環経路(図4)が能動とされる。
【0067】
そして、経過時間Tsが所定の時間Tsxを超えたとき(ステップS106:No)、ウォーターポンプ22を停止して本処理を一旦終了する(ステップS108)。また、このウォーターポンプ22の停止にともなって、内燃機関11の運転が開始されるようになる。
【0068】
次に、イグニッション信号exIGがオフのときに行われる処理について説明する。
イグニッション信号exIGがオフのとき(ステップS101:No)、コンバータ付インバータ17を停止する(ステップS109)。
【0069】
次に、イグニッション信号exIGがオフとなってからの経過時間Teが所定の時間Tex未満であるか否かを判定する(ステップS110)。即ち、下記条件
Tex>Te
が満たされるか否かを判定する。
【0070】
経過時間Teが所定の時間Tex未満のとき(ステップS110:Yes)、ウォーターポンプ22を駆動して本処理を一旦終了する(ステップS111)。なお、ウォーターポンプ22の駆動が開始されるとき、上記別途の処理を通じて冷却水循環系統3における第2の循環経路(図4)が能動とされる。
【0071】
そして、経過時間Teが所定の時間Texを超えたとき(ステップS110:No)、ウォーターポンプ22を停止して本処理を終了する(ステップS112)。
【0072】
次に、上記プレヒート処理を通じて奏せられる作用効果について説明する。
本実施の形態にあっては、内燃機関11の始動に先立ち同機関11へ高温の冷却水を供給するに際して、ウォーターポンプ22を補機バッテリ23の出力電圧(DC12V)よりも高いDCDCコンバータ17bの出力電圧(DC14V)で駆動するようにしている。これにより、内燃機関11と冷却水との間における熱伝達率がより大きい状態で冷却水の循環が行われるため、同機関11の暖機を早期に完了させることができるようになる。
【0073】
また、本実施の形態では、ハイブリッド車両1の運転停止直後に冷却水を通じて内燃機関11の熱を回収するに際して、DCDCコンバータ17bの出力電圧(DC14V)よりも低い補機バッテリ23の出力電圧(DC12V)でウォーターポンプ22を駆動するようにしている。これにより、冷却水の流速がより小さい状態で内燃機関11からの熱の回収が行われるため、蓄熱タンク21内により高温の冷却水を貯留することができるようになる。
【0074】
そして、本実施の形態においては、ウォーターポンプ22に印加する電圧の制御、即ちDCDCコンバータ17bのオン/オフを通じて上記冷却水の流速の調整を実現しているため、装置全体の構成の複雑化を好適に回避することができるようになる。
【0075】
次に、図8を参照して、プレヒート処理(図6及び図7)によるウォーターポンプ22の駆動態様の一例について説明する。
例えば、時刻t81においてイグニッションスイッチIGが「オン」位置に切り換えられてイグニッション信号exIGがオンとなった旨検出されたとすると、このイグニッション信号exIGのオンにともなってコンバータ付インバータ17の駆動が開始される(図8(a),(b))。
【0076】
そして、時刻t82においてイグニッションスイッチIGが「スタート」位置に切り換えられてスタータ信号履歴exSTAfがオンとなった旨検出されたとしても、DCDCコンバータ17bからの出力電圧VcnがDC14V以上となった旨検出されるまではウォーターポンプ22の駆動が開始されない(図8(c)〜(f))。
【0077】
そして、時刻t83において「スタータ信号履歴exSTAfがオン」、「DCDCコンバータ17bの出力電圧VcnがDC14V以上」及び「プレヒート条件が成立している」といった条件が満たされている旨検出されたとすると、ウォーターポンプ22の駆動が開始される(図8(c)〜(f))。
【0078】
そして、時刻t83から所定の時間Tsxが経過する時刻t84までの間、ウォーターポンプ22へはDC14Vが入力されて、内燃機関11のプレヒートが行われる(図8(f),(g))。ちなみに、このプレヒートが完了すると、内燃機関11の運転が開始される。
【0079】
そして、時刻t85においてハイブリッド車両1の運転が停止されてイグニッション信号exIGがオフとなった旨検出されたとすると、コンバータ付インバータ17が停止されるとともに、ウォーターポンプ22の駆動が開始される(図8(a),(b),(f))。
【0080】
そして、この時刻t85から所定の時間Texが経過する時刻t86までの間、ウォーターポンプ22が補機バッテリ23によるDC12Vで駆動されて、冷却水の蓄熱タンク21内への貯留が行われる。そして、時刻t86においてウォーターポンプ22が所定の時間Texだけ駆動した旨検出されたとすると、同ポンプ22の駆動が停止される(図8(f),(g))。
【0081】
以上詳述したように、この第1の実施の形態にかかる車載器機の昇温装置によれば、以下に列記するような優れた効果が得られるようになる。
(1)本実施の形態では、蓄熱装置2の電源としてHVバッテリ16、コンバータ付インバータ17及び補機バッテリ23を用いるようにしている。これにより、蓄熱装置2に対して電力を有効に供給することができるようになる。
【0082】
(2)また、ハイブリッド車両1に備えられている器機を流用して当該昇温装置の電源を構成するようにしているため、簡易な構成をもって同装置を実現することができるようになるとともに、コストの上昇が好適に抑制されるようになる。
【0083】
(3)本実施の形態では、内燃機関11の始動に先立ち、ウォーターポンプ22を補機バッテリ23の出力電圧(DC12V)よりも高いDCDCコンバータ17bの出力電圧(DC14V)で駆動して冷却水を循環するようにしている。これにより、内燃機関11と冷却水との間における熱伝達率がより大きい状態で冷却水の循環が行われるため、同機関11の暖機を早期に完了させることができるようになる。
【0084】
(4)本実施の形態では、ハイブリッド車両1の運転停止直後、ウォーターポンプ22をDCDCコンバータ17bの出力電圧(DC14V)よりも低い補機バッテリ23の出力電圧(DC12V)で駆動して冷却水を蓄熱タンク21内に貯留するようにしている。これにより、冷却水の流速がより小さい状態で内燃機関11からの熱の回収が行われるため、蓄熱タンク21内により高温の冷却水を貯留することができるようになる。
【0085】
(5)本実施の形態では、ウォーターポンプ22に入力される電圧をDCDCコンバータ17bのオン/オフを通じてDC14VとDC12Vとのいずれかに切り換えるようにしている。即ち、DCDCコンバータ17bのオン/オフを通じてウォーターポンプ22による冷却水の吐出量(冷却水の流速)を変更することができるようにしている。これにより、例えばウォーターポンプ22の回転速度を制御するための電気回路を当該蓄熱装置2に備えなくとも冷却水の流速を調整することが可能となるため、装置の構成の複雑化が好適に回避されるようになる。
【0086】
(6)本実施の形態においては、ハイブリッド車両1に搭載されているHVバッテリ16、DCDCコンバータ17b及び補機バッテリ23を流用してウォーターポンプ22の電圧制御を行うようにしているため、当該蓄熱装置2を容易に実現することができるようになる。
【0087】
(7)本実施の形態では、DCDCコンバータ17bの出力電圧を監視し、この監視される出力電圧がDC14V以上のときウォーターポンプ22を駆動するようにしている。これにより、ウォーターポンプ22がDC14V以上で駆動されるため、内燃機関11の早期暖機をより好適に図ることができるようになる。
【0088】
(8)本実施の形態では、ハイブリッド車両1の運転停止直後において、ウォーターポンプ22を所定の時間Texだけ駆動して冷却水の蓄熱タンク21内への貯留を行うようにしている。このように、予め設定されている時間だけウォーターポンプ22を駆動するようにしているため、冷却水の貯留にかかる処理の複雑化が好適に回避されるようになる。
【0089】
なお、上記第1の実施の形態は、これを適宜変更した、例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記第1の実施の形態では、プレヒートを行うための条件が成立している旨判定されたとき、所定の時間Tsxだけウォーターポンプ22を駆動する構成としたが(図6:ステップS105〜S107)、例えば次のように変更することも可能である。即ち、プレヒートを行うための条件が成立している旨判定されたとき、内燃機関11内の冷却水の温度が所定の温度以上となるまでウォーターポンプ22を駆動する構成とすることもできる。
【0090】
・上記第1の実施の形態では、DCDCコンバータ17bの出力電圧VcnがDC14V未満のとき、ウォーターポンプ22の駆動を開始しない構成としたが(図6:ステップS104及びS108)、例えば次のように変更することも可能である。即ち、DCDCコンバータ17bの出力電圧VcnがDC14V未満のときであっても、補機バッテリ23の出力電圧(DC12V)によるウォーターポンプ22の駆動で内燃機関11の暖機が十分に行われると推定される場合には、同ポンプ22を駆動するようにしてもよい。
【0091】
・上記第1の実施の形態では、図5に示される構成の電気系統Eを想定したが、電気系統Eの構成は同図5に例示される構成に限られず任意の構成を採用することができる。
【0092】
・上記第1の実施の形態では、DCDCコンバータ17bを通じてウォーターポンプ22及び補機24へ入力される電圧がDC14Vの構成を想定したが、これらポンプ22及び補機24へDC14V以外の電圧(ただし、補機バッテリ23の出力電圧よりも大きい値とする)が入力される構成とすることもできる。
【0093】
・上記第1の実施の形態では、プレヒート処理(図6及び図7)において、DCDCコンバータ17bからの出力電圧VcnがDC14V以上であるか否かを判定する構成としたが(図6:ステップS104)、同判定処理を省略してプレヒート処理を行うようにすることもできる。
【0094】
・上記第1の実施の形態では、内燃機関11の始動に先立ちDCDCコンバータ17bの出力電圧(DC14V)でウォーターポンプ22を駆動し、同機関11の運転停止直後に補機バッテリ23の出力電圧(DC12V)でウォーターポンプ22を駆動する構成としたが、例えば次のように変更することも可能である。
〔イ〕内燃機関11の始動前及び運転停止直後にウォーターポンプ22を駆動させるにあたって、いずれの場合にあってもDCDCコンバータ17bにより例えばDC14V(所定の電圧)に降圧されたHVバッテリ16からの出力電圧で同ポンプ22を駆動する構成とすることもできる。なお、この場合、上記降圧されたHVバッテリ16からの出力電圧(所定の電圧)は、補機24に対して適用することも可能である。
〔ロ〕内燃機関11の始動前、DCDCコンバータ17bにより例えばDC14V(第2の電圧)に降圧されたHVバッテリ16からの出力電圧でウォーターポンプ22を駆動し、同機関11の運転停止直後、DCDCコンバータ17bによりDC14V未満(例えばDC12V(第1の電圧))に降圧されたHVバッテリ16からの出力電圧によりウォーターポンプ22を駆動する構成とすることもできる。なお、この場合、上記降圧されたHVバッテリ16からの出力電圧(第1の電圧)は、補機24に対して適用することも可能である。
〔ハ〕内燃機関11の始動前、DCDCコンバータ17bにより例えばDC14V(第1の低電圧)に降圧されたHVバッテリ16からの出力電圧でウォーターポンプ22を駆動し、同機関11の運転停止直後、DCDCコンバータ17bによりDC14V未満(例えばDC12V(第2の低電圧))に降圧されたHVバッテリ16からの出力電圧によりウォーターポンプ22を駆動する構成とすることもできる。なお、この場合、上記降圧されたHVバッテリ16からの出力電圧(第1の低電圧)は、補機24に対して適用することも可能である。
【0095】
・上記第1の実施の形態では、出力電圧DC288Vを有するHVバッテリ16を用いた場合を想定したが、HVバッテリとしては任意の出力電圧を有するものを採用することができる。
【0096】
・上記第1の実施の形態では、出力電圧DC12Vを有する補機バッテリ23を用いた場合を想定したが、補機バッテリとしては任意の出力電圧を有するものを採用することができる。要するに、DCDCコンバータ17bを通じてウォーターポンプ22へ入力される電圧よりも低い出力電圧を有するバッテリであれば、任意の補機バッテリを用いることができる。
【0097】
・上記第1の実施の形態では、ハイブリッド車両1に搭載される内燃機関11の暖機を行う蓄熱装置2に対して本発明を適用したが、ハイブリッド車両以外の車両に搭載される内燃機関の暖機を行う蓄熱装置に対しても本発明の適用は可能である。
【0098】
(第2の実施の形態)
本発明をハイブリッド車両に搭載される車載器機の昇温装置として具体化した第2の実施の形態について、図9〜図12を参照して説明する。
【0099】
本実施の形態にかかる車載器機の昇温装置を搭載したハイブリッド車両の構成は、基本的には前記第1の実施の形態と同様の構成となっている(図1)。
そして、前記第1の実施の形態における車載器機の昇温装置が内燃機関11の暖機を行う蓄熱装置2であるのに対して、本実施の形態における車載器機の昇温装置は内燃機関11に設けられている酸素センサ(車載器機)の暖機を行うヒータとなっている。即ち、本実施の形態におけるハイブリッド車両1の構成は、先の図1において蓄熱装置2を酸素センサのヒータに変更した構成となる。
【0100】
まず、図9を参照して、本実施の形態における車載器機の昇温装置の構成について説明する。なお、図9は、ハイブリッド車両1の構成の一部を模式的に示している。
【0101】
同図9に示すように、内燃機関11には同機関11の排気通路(図示略)の酸素濃度を検出するための酸素センサ61が設けられており、同センサ61の検出データはECU5に入力される。
【0102】
そして、本実施の形態のハイブリッド車両1には、酸素センサ61の暖機を行うためのヒータ6(昇温装置)が備えられており、同ヒータ6はECU5を通じてオン/オフされる構成となっている。また、電気系統Eは、HVバッテリ16、コンバータ付インバータ17及び同HVバッテリ16を通じて充電される補機バッテリ23等を備えて構成され、ヒータ6へはHVバッテリ16及び補機バッテリ23のいずれかの電力を供給することが可能となっている。
【0103】
次に、図10を参照して、ハイブリッド車両1の電気系統Eの詳細な構成(図9の破線内)について説明する。
本実施の形態にあってコンバータ付インバータ17は、破線内にて示される各要素、即ちインバータ17a、DCDCコンバータ17b及びコンバータ制御回路17cを備えて構成される。
【0104】
ここで、インバータ17aは、HVバッテリ16からの高電圧直流電流(本実施の形態ではDC288V)を3相交流電流に変換して電動モータ12に供給するとともに、ジェネレータ19からの3相交流電流を直流電流に変換してHVバッテリ16の充電を行う。
【0105】
また、HVバッテリ16からの高電圧直流電流は、コンバータ制御回路17cにより制御されるDCDCコンバータ17b(変圧器)により低電圧直流電流(本実施の形態ではDC14V(所定の第2電圧))に変換されて、ヒータ6及びDC12V(所定の第1電圧)を出力電圧とする補機バッテリ23へ入力される。これにより、ヒータ6がDC14Vで駆動されるとともに、補機バッテリ23の充電が行われる。ちなみに、このDCDCコンバータ17bからの低電圧直流電流(DC14V)は、当該車両1に搭載される補機24へも入力される。
【0106】
また、DCDCコンバータ17bが停止されており、且つヒータ6がオンとなっているときは、補機バッテリ23からの出力電圧(DC12V)がヒータ6に入力されるようになる。即ち、本実施の形態にあっては、DCDCコンバータ17bのオン/オフを通じてヒータ6の駆動電圧の制御が可能な構成となっている。
【0107】
また、DCDCコンバータ17bが停止されているときは、補機24も補機バッテリ23からの出力電圧(DC12V)により駆動される。ちなみに、補機バッテリ23の出力電圧(DC12V)はコンバータ制御回路17cにより監視され、補機バッテリ23の端子の電圧が常に一定となるように制御されている。
【0108】
なお、本実施の形態にあって、低圧電源はHVバッテリ16、コンバータ付インバータ17及び補機バッテリ23を備えて構成される。
一方で、ECU5にはイグニッションスイッチIGが「オン」位置にあることを示すイグニッション信号exIG、及び同スイッチIGが「スタート」位置に切り換えられたときにスタータモータSTAから送られるスタータ信号exSTAがそれぞれ入力される。そして、ECU5は、イグニッション信号exIG及びスタータ信号exSTAが入力されたことを示すスタータ信号履歴exSTAf等に基づいてコンバータ制御回路17cを制御することで、コンバータ17bのオン/オフを切り換える。なお、コンバータ制御回路17cは、基本的にはイグニッションスイッチIGが「オン」位置とされることにともなって駆動を開始する。
【0109】
次に、酸素センサ61の暖機の早期完了を図るために行われるプレヒート処理について、図11を参照して説明する。なお、本処理は、所定の周期(例えば所定の時間)ごとに繰り返し実行される。
【0110】
同図11に示すように、この処理では、まずイグニッション信号exIGがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。
イグニッション信号exIGがオンのとき(ステップS201:Yes)、前記第1の実施の形態におけるプレヒート処理(図6及び図7)の前記ステップS102〜S105に準じた処理を行う。なお、本実施の形態にあっては、プレヒートを行うための条件を「酸素センサ61の温度が所定の温度未満である」とする。
【0111】
そして、上記処理を行った後、ヒータ6の駆動が開始してからの経過時間Tsが所定の時間Tsx未満であるか否かを判定する(ステップS202)。即ち、下記条件
Tsx>Ts
が満たされるか否かを判定する。
【0112】
経過時間Tsが所定の時間Tsx未満のとき(ステップS202:Yes)、ヒータ6を駆動して本処理を一旦終了する(ステップS203)。そして、経過時間Tsが所定の時間Tsxを超えたとき(ステップS202:No)、ヒータ6を停止して本処理を一旦終了する(ステップS204)。
【0113】
一方で、イグニッション信号exIGがオフのときは(ステップS201:No)、コンバータ付インバータ17を停止して本処理を終了する(ステップS205)。
【0114】
次に、上記プレヒート処理を通じて奏せられる作用効果について説明する。
本実施の形態にあっては、酸素センサ61の暖機を行うに際して、ヒータ6を補機バッテリ23の出力電圧(DC12V)よりも高いDCDCコンバータ17bの出力電圧(DC14V)で駆動するようにしている。これにより、同ヒータ6がより高い能力で駆動されることになるため、酸素センサ61の暖機を早期に完了させることができるようになる。また、酸素センサ61の暖機が不十分であることに起因する検出精度の低下を好適に抑制することもできるようになる。
【0115】
そして、本実施の形態においては、ハイブリッド車両1に搭載されているHVバッテリ16及びコンバータ付インバータ17を流用して上述したヒータ6の能力の向上を実現しているため、装置全体の構成の複雑化を好適に回避することができるようになる。
【0116】
次に、図12を参照して、プレヒート処理(図6及び図11)によるヒータ6の駆動態様の一例を説明する。
例えば、時刻t121においてイグニッションスイッチIGが「オン」位置に切り換えられてイグニッション信号exIGがオンとなった旨検出されたとすると、このイグニッション信号exIGのオンにともなってコンバータ付インバータ17の駆動が開始される(図12(a),(b))。
【0117】
そして、時刻t122において「スタータ信号履歴exSTAfがオン」、「DCDCコンバータ17bの出力電圧VcnがDC14V以上」及び「プレヒート条件が成立している」といった条件が満たされている旨検出されたとすると、ヒータ6の駆動が開始される(図12(c)〜(f))。
【0118】
そして、時刻t123から所定の時間Tsxが経過する時刻t124までの間、ヒータ6へはDC14Vが入力されて、酸素センサ61のプレヒートが行われる(図12(f),(g))。
【0119】
以上詳述したように、この第2の実施の形態にかかる車載器機の昇温装置によれば、以下に列記するような優れた効果が得られるようになる。
(1)本実施の形態では、ヒータ6の電源としてHVバッテリ16、コンバータ付インバータ17を用いるようにしている。これにより、ヒータ6に対して電力を有効に供給することができるようになる。
【0120】
(2)また、ハイブリッド車両1に備えられている器機を流用して当該昇温装置の電源を構成するようにしているため、簡易な構成をもって同装置を実現することができるようになるとともに、コストの上昇が好適に抑制されるようになる。
【0121】
(3)本実施の形態では、酸素センサ61の駆動開始に先立ち、ヒータ6を補機バッテリ23の出力電圧(DC12V)よりも高いDCDCコンバータ17bの出力電圧(DC14V)で駆動するようにしている。これにより、ヒータ6がより高い能力で駆動されるため、酸素センサ61の暖機を早期に完了させることができるようになる。
【0122】
(4)本実施の形態では、ハイブリッド車両1に搭載されているHVバッテリ16及びコンバータ付インバータ17を流用してヒータ6の能力の向上させているため、当該車載器機の昇温装置を容易に実現することができるようになるとともに、装置全体の構成の複雑化が好適に回避されるようになる。
【0123】
(5)本実施の形態では、DCDCコンバータ17bの出力電圧を監視し、この監視される出力電圧がDC14V以上のときヒータ6を駆動するようにしている。これにより、酸素センサ61の早期暖機をより好適に図ることができるようになる。
【0124】
なお、上記第2の実施の形態は、これを適宜変更した、例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記第2の実施の形態では、ヒータ6をDCDCコンバータ17bの出力電圧(DC14V)で駆動する構成としたが、例えば次のように変更することも可能である。即ち、酸素センサ61の温度に応じてDCDCコンバータ17bの出力電圧(DC14V)及び補機バッテリ23の出力電圧(DC12V)のいずれかでヒータ6を駆動する構成とすることもできる。
【0125】
・上記第2の実施の形態では、プレヒートを行うための条件が成立している旨判定されたとき、所定の時間Tsxだけヒータ6を駆動する構成としたが(図11:ステップS105〜S203)、例えば次のように変更することも可能である。即ち、プレヒートを行うための条件が成立している旨判定されたとき、酸素センサ61の温度が所定の温度以上となるまでヒータ6を駆動するようにしてもよい。
【0126】
・上記第2の実施の形態では、DCDCコンバータ17bの出力電圧VcnがDC14V未満のとき、ヒータ6の駆動を開始しない構成としたが、例えば次のように変更することも可能である。即ち、DCDCコンバータ17bの出力電圧VcnがDC14V未満のときであっても、補機バッテリ23の出力電圧(DC12V)によるヒータ6の駆動で酸素センサ61の暖機が十分に行われると推定される場合には、同ヒータ6を駆動するようにしてもよい。
【0127】
・上記第2の実施の形態では、プレヒートを行うための条件を「酸素センサ61の温度が所定の温度未満である」としたが、さらに他の条件を含めてそれら各条件が満たされるときにヒータ6を駆動することもできる。
【0128】
・上記第2の実施の形態では、図10に示される構成の電気系統Eを想定したが、電気系統Eの構成は同図10に例示される構成に限られず任意の構成を採用することができる。
【0129】
・上記第2の実施の形態では、DCDCコンバータ17bを通じてヒータ6及び補機24へ入力される電圧がDC14Vの構成を想定したが、これらヒータ6及び補機24へDC14V以外の電圧(ただし、補機バッテリ23の出力電圧よりも大きい値とする)が入力される構成とすることもできる。
【0130】
・上記第2の実施の形態では、プレヒート処理(図6及び図11)において、DCDCコンバータ17bからの出力電圧VcnがDC14V以上であるか否かを判定する構成としたが(図6:ステップS104)、同判定処理を省略してプレヒート処理を行うようにすることもできる。
【0131】
・上記第2の実施の形態では、出力電圧DC288Vを有するHVバッテリ16を用いた場合を想定したが、HVバッテリとしては任意の出力電圧を有するものを採用することができる。
【0132】
・上記第2の実施の形態では、出力電圧DC12Vを有する補機バッテリ23を用いた場合を想定したが、補機バッテリとしては任意の出力電圧を有するものを採用することができる。要するに、DCDCコンバータ17bを通じてヒータ6へ入力される電圧よりも低い出力電圧を有するバッテリであれば、任意の補機バッテリを用いることができる。
【0133】
・上記第2の実施の形態では、ハイブリッド車両1の内燃機関11に設けられている酸素センサ61のヒータ6に対して本発明を適用したが、ハイブリッド車両以外の車両の内燃機関に設けられている酸素センサのヒータに対しても本発明の適用は可能である。
【0134】
・上記第2の実施の形態では、内燃機関11の機能部品である酸素センサ61のヒータ6に本発明を適用しが、酸素センサのヒータ以外に本発明を適用することも可能である。
【0135】
(第3の実施の形態)
本発明を具体化した第3の実施の形態について、図13〜図16を参照して説明する。なお、前記第1及び第2の実施の形態が、ハイブリッド車両に搭載される車載器機の昇温装置として本発明を具体化したものであるのに対して、本実施の形態は、通常の車両(内燃機関のみを駆動源とする車両)に搭載される内燃機関の蓄熱装置として本発明を具体化したものとなっている。
【0136】
まず、図13を参照して、内燃機関の冷却水を循環させるための冷却水循環系統とともに本実施の形態における蓄熱装置の構成について説明する。
同図13に示すように、本実施の形態の冷却水循環系統3及び蓄熱装置2の構成は、基本的には前記第1の実施の形態にて例示した構成と同様となっているため、重複する説明を省略する。また、冷却水循環系統3における冷却水の循環態様も前記第1の実施の形態にて説明した循環態様と同様となるため、これについても説明を省略する。
【0137】
そして、本実施の形態にあって電気系統Eは、高圧バッテリ41及び同高圧バッテリ41よりも小さい出力電圧(例えばDC12V)を有する低圧バッテリ42(低圧電源)等を備えて構成される。なお、制御手段を構成するECU5を通じて、上記ウォーターポンプ22の駆動態様の制御及び各3ポート弁32,34の切り替え等が行われる。
【0138】
次に、図14を参照して、電気系統Eの詳細な構成(図13の破線内)について説明する。
本実施の形態にあって、低圧バッテリ42はウォーターポンプ22及び補機24へ電力を供給する。
【0139】
また、ECU5にはイグニッションスイッチIGが「オン」位置にあることを示すイグニッション信号exIG、及び同スイッチIGが「スタート」位置に切り換えられたときにスタータモータSTAから送られるスタータ信号exSTAがそれぞれ入力される。そして、ECU5は、イグニッション信号exIG及びスタータ信号exSTAが入力されたことを示すスタータ信号履歴exSTAf等に基づいてウォーターポンプ22等の制御を行う。
【0140】
次に、内燃機関11の暖機の早期完了を図るために行われるプレヒート処理について、図15及び図16を参照して説明する。なお、本処理は、所定の周期(例えば所定の時間)ごとに繰り返し実行される。
【0141】
同図15及び図16に示すように、この処理では、まずイグニッション信号exIGがオンであるか否かを判定する(ステップS301)。即ち、下記条件
exIG=1
が満たされるか否かを判定する。なお、このイグニッション信号exIGがオンのときに行われる以降の処理(ステップS302〜S306)は、蓄熱タンク21内に貯留されている冷却水を内燃機関11に供給して同機関11の暖機を早期に完了させるための処理として行われる。一方、イグニッション信号exIGがオフのときに行われる以降の処理(ステップS307〜S309)は、内燃機関11からの熱を吸収して高温の状態にある冷却水を蓄熱タンク21へ貯留するための処理として行われる。
【0142】
まず、イグニッション信号exIGがオンのときに行われる処理について説明する。
イグニッション信号exIGがオンのとき(ステップS301:Yes)、スタータモータSTAが駆動されたことを示すスタータ信号履歴exSTAfがオンであるか否かを判定する(ステップS302)。即ち、下記条件
exSTAf=1
が満たされるか否かを判定する。ちなみに、このスタータ信号履歴exSTAfは、イグニッション信号exIGのオフにともなってクリアされる。
【0143】
スタータ信号履歴exSTAfがオンのとき(ステップS302:Yes)、プレヒートを行うための条件が成立しているか否かを判定する(ステップS303)。なお、本実施の形態にあっては、上記プレヒートを行うための条件を「蓄熱タンク21の出口側における冷却水の温度が所定の温度以上である」とする。
【0144】
プレヒートを行うための条件が成立しているとき(ステップS303:Yes)、ウォーターポンプ22の駆動が開始されてからの経過時間Tsが所定の時間Tsx未満であるか否かを判定する(ステップS304)。即ち、下記条件
Tsx>Ts
が満たされるか否かを判定する。なお、上記ステップS302及びS303における各判定条件が満たされないときは、ウォーターポンプ22の駆動を停止して本処理を一旦終了する(ステップS307)。
【0145】
経過時間Tsが所定の時間Tsx未満のとき(ステップS304:Yes)、ウォーターポンプ22を駆動して本処理を一旦終了する(ステップS305)。なお、ウォーターポンプ22の駆動が開始されるとき、ECU5を通じて行われている別途の処理を通じて、冷却水循環系統3における第2の循環経路(図4)が能動とされる。
【0146】
そして、経過時間Tsが所定の時間Tsxを超えたとき(ステップS304:No)、ウォーターポンプ22を停止して本処理を一旦終了する(ステップS306)。また、このウォーターポンプ22の停止にともなって、内燃機関11の運転が開始されるようになる。
【0147】
次に、イグニッション信号exIGがオフのときに行われる処理について説明する。
イグニッション信号exIGがオンのとき(ステップS301:No)、イグニッション信号exIGがオフとなってからの経過時間Teが所定の時間Tex未満であるか否かを判定する(ステップS307)。即ち、下記条件
Tex>Te
が満たされるか否かを判定する。
【0148】
経過時間Teが所定の時間Tex未満のとき、ウォーターポンプ22を駆動して本処理を一旦終了する(ステップS308)。なお、ウォーターポンプ22の駆動が開始されるとき、上記別途の処理を通じて冷却水循環系統3における第2の循環経路(図4)が能動とされる。
【0149】
そして、経過時間Teが所定の時間Texを超えたとき(ステップS307:No)、ウォーターポンプ22を停止して本処理を終了する(ステップS309)。
【0150】
次に、上記プレヒート処理を通じて奏せられる作用効果について説明する。
本実施の形態にあっては、蓄熱装置2の電源として低圧バッテリ42を用いるようにしているため、同蓄熱装置2に対して電力を有効に供給することができるようになる。
【0151】
また、車両に備えられている器機を流用して当該昇温装置の電源を構成するようにしているため、簡易な構成をもって同装置を実現することができるようになる。
【0152】
次に、図17を参照して、プレヒート処理(図15及び図16)によるウォーターポンプ22の駆動態様の一例について説明する。
例えば、時刻t171においてイグニッションスイッチIGが「オン」位置に切り換えられてイグニッション信号exIGがオンとなった旨検出されたとする。そして、時刻t172においてスタータ信号履歴exSTAfがオンとなった旨、及びプレヒート条件が成立している旨検出されたとすると、この時刻t172から所定の時間Tsxが経過する時刻t173までの間、ウォーターポンプ22が低圧バッテリ42により駆動される(図17(a)〜(e))。ちなみに、このプレヒートが完了すると、内燃機関11の運転が開始される。
【0153】
そして、時刻t174において内燃機関11の運転が停止されてイグニッション信号exIGがオフとなった旨検出されたとすると、この時刻t174から所定の時間Texが経過する時刻t175までの間、ウォーターポンプ22が低圧バッテリ42により駆動される(図17(a),(d),(e))。
【0154】
そして、時刻t175においてウォーターポンプ22の駆動時間が所定の時間Texに達した旨検出されたとすると、同ポンプ22の駆動が停止される(図17(d))。
【0155】
以上詳述したように、この第3の実施の形態にかかる車載器機の昇温装置によれば、以下に列記するような優れた効果が得られるようになる。
(1)本実施の形態では、蓄熱装置2の電源として低圧バッテリ42を用いるようにしている。これにより、蓄熱装置2に対して電力を有効に供給することができるようになる。
【0156】
(2)また、車両に備えられている器機を流用して当該昇温装置の電源を構成するようにしているため、簡易な構成をもって同装置を実現することができるようになるとともに、コストの上昇が好適に抑制されるようになる。
【0157】
(3)本実施の形態では、内燃機関11の始動に先立ち、高温の冷却水を同機関11へ供給するようにしている。これにより、冷却水の熱が内燃機関11に伝達されるため、同機関11の暖機を早期に完了させることができるようになる。
【0158】
(4)本実施の形態では、内燃機関11の運転停止直後にウォーターポンプ22を駆動して冷却水を蓄熱タンク21内に貯留するようにしている。これにより、より高温の冷却水を貯留することができるようになる。
【0159】
(5)本実施の形態においては、車両に搭載されている低圧バッテリ42を流用してウォーターポンプ22の電源を構成するようにしているため、当該蓄熱装置2を容易に実現することができるようになる。
【0160】
(6)本実施の形態では、内燃機関11の運転停止直後においてウォーターポンプ22を所定の時間Texだけ駆動して冷却水の蓄熱タンク21内への貯留を行うようにしている。このように、予め設定されている時間だけウォーターポンプ22を駆動するようにしているため、冷却水の貯留にかかる処理の複雑化が好適に回避されるようになる。
【0161】
なお、上記第3の実施の形態は、これを適宜変更した、例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記第3の実施の形態では、プレヒートを行うための条件が成立している旨判定されたとき、所定の時間Tsxだけウォーターポンプ22を駆動する構成としたが(図15:ステップS303〜S305)、例えば次のように変更することも可能である。即ち、プレヒートを行うための条件が成立している旨判定されたとき、内燃機関11内の冷却水の温度が所定の温度以上となるまでウォーターポンプ22を駆動する構成とすることもできる。
【0162】
・上記第3の実施の形態では、図14に示される構成の電気系統Eを想定したが、同電気系統Eとして図14に例示される構成とは異なる構成を採用することもできる。
【0163】
・上記第3の実施の形態では、内燃機関11の始動前及び同機関11の運転停止直後に低圧バッテリ42の出力電圧でウォーターポンプ22を駆動する構成としたが、例えば次のように変更することもできる。即ち、内燃機関11の始動前には高圧バッテリ41の出力電圧でウォーターポンプ22を駆動し、同機関11の停止直後には低圧バッテリ42の出力電圧でウォーターポンプ22を駆動する構成とすることもできる。
【0164】
・また、他に例えば、内燃機関11の始動前には変圧器を通じて昇圧した低圧バッテリ42の出力電圧でウォーターポンプ22を駆動し、同機関11の停止直後には低圧バッテリ42の出力電圧でウォーターポンプ22を駆動する構成とすることもできる。これら構成を採用した場合には、内燃機関11の早期暖機及び高温の冷却水の回収をより好適に図ることができるようになる。
【0165】
(その他の実施の形態)
その他、上記各実施の形態に共通に変更可能な要素としては、次のようなものがある。
【0166】
・上記第1及び第3の実施の形態では、イグニッション信号exIGがオフとなってから所定の時間Texが経過するまでの間、ウォーターポンプ22を駆動する構成としたが、例えば次のように変更することも可能である。即ち、蓄熱タンク21内に貯留される冷却水の温度が所定の温度以上となるまでウォーターポンプ22を駆動する構成とすることもできる。ただし、こうした構成を採用するにあたって、内燃機関11の状態によっては冷却水の温度が上記所定の温度に達しないことも考えられるため、ウォーターポンプ22の駆動時間が所定の時間を超えたときには同ポンプ22の駆動を停止するものとする。こうした上記構成を採用した場合には、内燃機関11の運転停止後におけるウォーターポンプ22の駆動を早期に停止させることも可能となるため、補機バッテリ23(低圧バッテリ42)の負荷の軽減を図ることができるようになる。
【0167】
・上記第1及び第3の実施の形態では、プレヒートを行うための条件を「蓄熱タンク21の出口側における冷却水の温度が所定の温度以上である」としたが、さらに他の条件を含めてそれら各条件が満たされるときにウォーターポンプ22を駆動することもできる。
【0168】
・上記第1及び第3の実施の形態では、機械式のウォーターポンプ31による冷却水の循環方向と電動式のウォーターポンプ22による冷却水の循環系統による冷却水の循環方向とが反対となる構成を想定したが、これら各ポンプ31,22による冷却水の循環方向が同じとなる構成であっても本発明の適用は可能である。また、各ポンプ31,22による冷却水の循環方向が同じとなる構成の場合には、内燃機関11の運転中、蓄熱タンク21内への冷却水の貯留を行うようにすることもできる。
【0169】
・上記第1及び第3の実施の形態では、図2(図13)に示される経路構成の冷却水循環系統3を想定したが、同循環系統3として図2に例示される構成とは異なる構成を採用することもできる。要するに、電動ポンプ(ウォーターポンプ22)を通じて、蓄熱タンク21内に貯留されている高温の冷却水を内燃機関11へ供給させることが可能であり、且つ同機関11の熱を吸収して高温となった冷却水を蓄熱タンク21へ貯留することができる経路構成であれば、冷却水循環系統3の構成は適宜変更可能である。
【0170】
・上記第1及び第3の実施の形態では、冷却水を通じて内燃機関11の温度を上昇させる蓄熱装置2に対して本発明を適用したが、他に、例えば装置自体の発熱を通じて内燃機関の温度を上昇させるヒータに対して本発明を適用することも可能である。
【0171】
・上記第1及び第3の実施の形態では、内燃機関の昇温装置(蓄熱装置)として、上記第2の実施の形態では、酸素センサの昇温装置(ヒータ)として本発明を具体化したが、他に例えば変速機の昇温装置として本発明を具体化することも可能である。要するに、出力電圧の異な複数の電源を備える車両にあって、同車両に搭載される車載器機の昇温装置であれば本発明の適用は可能であり、そうした場合においても上記各実施の形態の作用効果に準じた作用効果を奏することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる車載器機の昇温装置を具体化した第1の実施の形態について、ハイブリッド車両の全体構成を示す略図。
【図2】同実施の形態の車載器機の昇温装置について、当該車載器機の昇温装置を含めた内燃機関の冷却水循環系統の構成を模式的に示す図。
【図3】同実施の形態の車載器機の昇温装置について、当該車載器機の昇温装置を含めた内燃機関の冷却水循環系統の構成を模式的に示す図。
【図4】同実施の形態の車載器機の昇温装置について、当該車載器機の昇温装置を含めた内燃機関の冷却水循環系統の構成を模式的に示す図。
【図5】同実施の形態の車載器機の昇温装置について、当該車載器機の昇温装置にかかる電気系統の構成を模式的に示す回路図。
【図6】同実施の形態にて行われるプレヒート処理の一部を示すフローチャート。
【図7】同実施の形態にて行われるプレヒート処理の一部を示すフローチャート。
【図8】同実施の形態にて行われるプレヒート処理による電動ポンプの駆動態様について、その一例を示すタイミングチャート。
【図9】本発明にかかる車載器機の昇温装置を具体化した第2の実施の形態について、当該車載器機の昇温装置を含めた装置全体の構成を示す略図。
【図10】同実施の形態の車載器機の昇温装置について、当該車載器機の昇温装置にかかる電気系統の構成を模式的に示す回路図。
【図11】同実施の形態にて行われるプレヒート処理の一部を示すフローチャート。
【図12】同実施の形態にて行われるプレヒート処理によるヒータの駆動態様について、その一例を示すタイミングチャート。
【図13】本発明にかかる車載器機の昇温装置を具体化した第3の実施の形態について、当該車載器機の昇温装置を含めた内燃機関の冷却水循環系統の構成を模式的に示す図。
【図14】同実施の形態の車載器機の昇温装置について、当該車載器機の昇温装置にかかる電気系統の構成を模式的に示す回路図。
【図15】同実施の形態にて行われるプレヒート処理の一部を示すフローチャート。
【図16】同実施の形態にて行われるプレヒート処理の一部を示すフローチャート。
【図17】同実施の形態にて行われるプレヒート処理によるヒータの駆動態様について、その一例を示すタイミングチャート。
【符号の説明】
1…ハイブリッド車両、11…内燃機関、12…電動モータ、13…減速機、14…ドライブシャフト、15…車輪、16…HVバッテリ、17…コンバータ付インバータ、17a…インバータ、17b…DCDCコンバータ、17c…コンバータ制御回路、18…動力分割機構、19…ジェネレータ、2…蓄熱装置、21…蓄熱タンク、22…ウォーターポンプ(電動ポンプ)、23…補機バッテリ、24…補機、3…冷却水循環系統、31…ウォーターポンプ、32…3ポート弁、33…ヒータコア、34…3ポート弁、35…ラジエータ、41…高圧バッテリ、42…低圧バッテリ、5…電子制御装置(ECU)、C1…第1リレー回路、C2…第2リレー回路、R1…第1循環経路R1、R2…第2循環経路R2、R3…第3循環経路R3、R4…第4循環経路R4、R5…第5循環経路R5、R6…第6循環経路R6、R7…第7循環経路R7、IG…イグニッションスイッチ、STA…スタータモータ。
Claims (5)
- 出力電圧の異なる複数の電源を備える車両に適用されて、該車両の車載器機の温度を上昇せしめる車載器機の昇温装置であって、
当該車載器機の昇温装置が、蓄熱器内に貯留されている熱媒体を電動ポンプにより前記車両の内燃機関へ供給することで該内燃機関の温度を上昇せしめる蓄熱装置であり、前記電動ポンプを前記複数の電源のうちの低圧電源で駆動し、
前記低圧電源は、該低圧電源の第1の電圧よりも高い出力電圧を有する高圧蓄電池からの出力電圧が変圧器により降圧されたものであり、
前記熱媒体を前記車載器機へ供給して該車載器機の温度を上昇させる際、前記変圧器を通じて前記低圧電源の第1の電圧よりも高い第2の電圧に降圧された前記高圧蓄電池からの出力電圧で前記電動ポンプを駆動し、前記車載器機の熱を回収しつつ前記熱媒体を前記蓄熱器内に貯留する際、前記低圧電源で前記電動ポンプを駆動する
ことを特徴とする車載器機の昇温装置。 - 電動モータ及び内燃機関を駆動源として搭載し、前記電動モータに電力を供給する高圧蓄電池の出力電圧を第1の電圧に降圧して補機へ入力する変圧器を備えたハイブリッド車両に適用されて、蓄熱器内に貯留されている熱媒体を電動ポンプにより該ハイブリッド車両の車載器機へ供給して該車載器機の温度を上昇せしめる車載器機の昇温装置であって、
前記熱媒体を前記車載器機へ供給して該車載器機の温度を上昇させる際、前記変圧器を通じて前記第1の電圧よりも高い第2の電圧に降圧された前記高圧蓄電池からの出力電圧で前記電動ポンプを駆動し、前記熱媒体を通じて前記車載器機の熱を回収しつつ同熱媒体を前記蓄熱器内に貯留する際、前記第1の電圧で前記電動ポンプを駆動する
ことを特徴とする車載器機の昇温装置。 - 電動モータ及び内燃機関を駆動源として搭載し、前記電動モータに電力を供給する高圧蓄電池の出力電圧を第1の低電圧に降圧して補機へ入力する変圧器を備えたハイブリッド車両に適用されて、蓄熱器内に貯留されている熱媒体を電動ポンプにより該ハイブリッド車両の車載器機へ供給して該車載器機の温度を上昇せしめる車載器機の昇温装置であって、
前記熱媒体を前記車載器機へ供給して該車載器機の温度を上昇させる際、前記第1の低電圧で前記電動ポンプを駆動し、前記熱媒体を通じて前記車載器機の熱を回収しつつ同熱媒体を前記蓄熱器内に貯留する際、前記変圧器を通じて前記第1の低電圧よりも低い第2の低電圧に降圧された前記高圧蓄電池からの出力電圧で前記電動ポンプを駆動する
ことを特徴とする車載器機の昇温装置。 - 電動モータ及び内燃機関を駆動源として搭載し、前記電動モータに電力を供給する高圧蓄電池の出力電圧を所定の第1電圧に降圧して該所定の第1電圧よりも低い所定の第2電圧を出力電圧とする低圧蓄電池へ入力するとともに前記所定の第1電圧を補機へ入力する変圧器を備えたハイブリッド車両に適用されて、蓄熱器内に貯留されている熱媒体を電動ポンプにより該ハイブリッド車両の車載器機へ供給して該車載器機の温度を上昇せしめる車載器機の昇温装置であって、
前記熱媒体を前記車載器機へ供給して該車載器機の温度を上昇させる際、前記所定の第1電圧に降圧された前記高圧蓄電池からの出力電圧で前記電動ポンプを駆動し、前記熱媒体を通じて前記車載器機の熱を回収しつつ同熱媒体を前記蓄熱器内に貯留する際、前記低圧蓄電池からの出力電圧である前記所定の第2電圧で前記電動ポンプを駆動する
ことを特徴とする車載器機の昇温装置。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の車載器機の昇温装置であって、
当該車載器機の昇温装置へ入力される電圧の大きさを監視し、該監視される電圧の大きさが所定値以上のとき当該昇温装置の駆動を許可する制御手段を備える
ことを特徴とする車載器機の昇温装置。
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