JP3812111B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機関の目標トルクを設定してトルク制御を行う内燃機関の制御装置に関し、特にエアコン等外部負荷駆動時のトルク制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両用内燃機関では、機関の目標トルクを設定し、該目標トルクが得られるようにトルク制御を行う技術(トルクデマンド制御) の開発が進められている。ガソリン機関等の吸入空気量を制御する機関では、機関の吸気系に介装したスロットル弁の開度を電子制御する電子スロットル弁制御装置を備え、前記目標トルクに応じてスロットル弁開度を制御して空気量を制御すると共に、燃料噴射量を制御する方式が一般的である。
【0003】
一方、エアコン等の外部負荷の駆動時には、該駆動に要するトルクを走行トルク分とは別に負荷トルク補償分として与えているが、この負荷トルク補償分は、アイドル時に必要なトルク補正値として設定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のトルクデマンド制御では、負荷トルク補償分をアイドル時に必要なトルク補正値として設定し、アイドル時以外もこの負荷トルク補償分を一律に組み入れて目標トルクを設定してトルク制御を行う構成としていたため、以下のような問題があった。
【0005】
即ち、アイドル時にはエアコンやラジエータファン等の外部負荷投入によるトルク変化の影響が大きくトルク補正がエンスト防止の観点からも非常に重要であるので、十分なトルク補正を行うように負荷トルク補償分を大きく設定する必要があるのに対し、高負荷領域では外部負荷投入による影響が小さく、エンストの心配がないため、トルク補正の重要度は、アイドル時ほどではない。
【0006】
一方、高負荷領域でもアイドル時に必要な負荷トルク補償分を確保するためには、ドライバのアクセル操作によって操作可能なトルク分(車両用内燃機関では走行トルク分) がそれだけ制限され、外部負荷非投入時の最大出力が低下してしまう(図8参照) 。なお、操作可能なトルク分を前記負荷トルク補償分による制限を考慮せずぎりぎりまで大きく設定した場合は、外部負荷投入時にアクセルの中間開度で走行トルク分に負荷トルク補償分を加算したときの目標トルクに対応するスロットル弁開度が全開となってそれ以上トルクを増大することができず、良好なアクセル操作を行えない。
【0007】
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、トルクデマンド制御方式において、外部負荷駆動用の負荷トルク補償分を要求トルクに応じて適切に設定することにより、外部負荷投入時,非投入時共に良好なトルク制御を行えるようにした内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に係る発明は、
機関の目標トルクを算出し、該目標トルクを得るように機関のトルクを制御する内燃機関の制御装置において、
外部負荷駆動用の負荷補償トルクを、運転者の操作量に応じた機関の要求トルクが大きいときは減少する補正演算を行って設定し、該設定された負荷補償トルクを前記要求トルクに加算して目標トルクを設定するようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項1に係る発明によると、
要求トルクが大きいときは、外部負荷投入によるトルク変化の影響が小さくなるので、外部負荷駆動用の負荷補償トルクを減少して設定してもエンストを防止でき、一方、該負荷補償トルクを減少した分、アクセル操作によるトルク操作分を増大することができ、車両用内燃機関では走行性能を向上できる。
【0010】
また、請求項2に係る発明は、図1に示すように、
機関の目標トルクを算出し、該目標トルクを得るように機関のトルクを制御する内燃機関の制御装置において、
外部負荷駆動用の負荷補償トルクを、運転者の操作量に応じた機関の要求トルクが大きいときは減少する補正演算を行って設定する負荷補償トルク設定手段と、
該設定された負荷補償トルクを前記要求トルクに加算して目標トルクを設定する目標トルク設定手段と、を含んで構成したことを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明によると、
負荷補償トルク設定手段は、要求トルクが大きいときは外部負荷駆動用の負荷補償トルクを減少補正して設定し、目標トルク設定手段は該設定された負荷補償トルクに応じて目標トルクを設定し、該目標トルクとなるように機関のトルクが制御される。
【0012】
このようにすれば、要求トルクが大きいときは、外部負荷投入によるトルク変化の影響が小さくなるので、外部負荷駆動用の負荷補償トルクを減少して設定してもエンストを防止でき、一方、該負荷補償トルクを減少した分、アクセル操作によるトルク操作分を増大することができ、車両用内燃機関では走行性能を向上できる。
【0013】
また、請求項3に係る発明は、
所定以下の低負荷領域では一定の負荷補償トルクを設定し、前記低負荷領域以外の領域では前記低負荷領域用に設定された負荷補償トルクを、要求されるトルク量が大きいときほど大きく減少補正して設定することを特徴とする。
請求項3に係る発明によると、
外部負荷投入によるトルク変化の影響が大きい低負荷領域では、最大かつ一定の負荷補償トルクを与えてトルクショックを緩和しつつエンストを防止し、それより大きい負荷領域では、要求されるトルク量が大きいときほど外部負荷投入によるトルク変化の影響が小さくなるので、負荷補償トルクを大きく減少補正して設定することにより、アクセル操作によるトルク操作分を増大することができる。
【0014】
また、請求項4に係る発明は、
前記所定以下の低負荷領域は、アイドル領域であることを特徴とする。
請求項4に係る発明によると、
アイドル領域が外部負荷投入によるトルク変化の影響が大きいので、この領域で最大かつ一定の負荷補償トルクを与える。
【0015】
また、請求項5に係る発明は、
前記負荷補償トルクの減少補正量を、要求されるトルクに応じて設定されたテーブルから検索して求めることを特徴とする。
請求項5に係る発明によると、
テーブルに、要求されるトルクに応じて負荷補償トルクの減少補正量を極め細かく設定しておくことにより、要求トルクに応じて最適な負荷補償トルクを設定することができる。
【0016】
また、請求項6に係る発明は、
前記要求されるトルクのパラメータは、現在設定されている目標トルク値であることを特徴とする。
請求項6に係る発明によると、
要求されるトルクのパラメータを現在設定されている目標トルク値とすることにより、本発明の対象とするトルクデマンドを行う機関において、負荷補償トルクの補正を容易にロジックに組み込むことができる。
【0017】
また、エアコンやラジエータファン等複数の外部負荷を有する場合に、投入された全ての外部負荷に対する負荷補償トルクを含めた機関の全出力トルクに対する各負荷補償トルクの割合に正確に対応させて補正係数を設定することができる。
また、請求項7に係る発明は、
前記要求されるトルクのパラメータは、目標トルク値から負荷補償トルクを除いて設定される基本目標トルク値であることを特徴とする。
【0018】
請求項7に係る発明によると、
前記基本目標トルク値は、ドライバのアクセル操作によるトルク操作分であり、車両用内燃機関では走行分トルクに相当し、要求されるトルクのパラメータを該基本目標トルク値とすることにより、本発明の対象とするトルクデマンドを行う機関において、負荷補償トルクの補正を容易にロジックに組み込むことができる。
【0019】
また、請求項8に係る発明は、
前記要求されるトルクのパラメータは、アクセル開度であることを特徴とする。
請求項8に係る発明によると、
アクセル開度は、ドライバの意図を高速に精度良く検出できるトルクパラメータであり、要求されるトルクのパラメータを該アクセル開度とすることにより、高負荷時にドライバの操作可能なトルク範囲を十分に確保するのにドライバの意図を直接反映させることができる。
【0020】
また、請求項9に係る発明は、
均質燃焼又は成層燃焼のいずれか一方の燃焼方式を使用する内燃機関において、前記要求されるトルクのパラメータは、吸気圧力であることを特徴とする。
請求項9に係る発明によると、
要求されるトルクのパラメータを吸気圧力とすることにより、トルクデマンドを行わない機関の負荷補償トルク特性に非常に近い特性を実現することができ、また、環境変化にも対応できる。なお、均質燃焼と成層燃焼とを切り換える機関では、各燃焼方式に応じて吸気圧力が同一であってもトルクが変化するので、好ましくない。
【0021】
また、請求項10に係る発明は、
均質燃焼又は成層燃焼のいずれか一方の燃焼方式を使用する内燃機関において、前記要求されるトルクのパラメータは、吸入空気量であることを特徴とする。
請求項10に係る発明によると、
要求トルクのパラメータを吸入空気量とすることにより、通常の吸入空気量を検出して燃料噴射量制御を行う機関において、センサを追加することなく、精度の良いトルクパラメータを検出することができ、また、環境が変化(高地など) しても、正確なトルク情報を検出することができる。なお、均質燃焼と成層燃焼とを切り換える機関では、各燃焼方式に応じて吸入空気量が同一であってもトルクが変化するので、好ましくない。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図2は実施の一形態を示す直噴火花点火式内燃機関のシステム図である。
車両に搭載される内燃機関1の各気筒の燃焼室には、エアクリーナ2から吸気通路3により、電制スロットル弁4の制御を受けて、空気が吸入される。
【0023】
電制スロットル弁4は、コントロールユニット20からの信号により作動するステップモータ等により開度制御される。
そして、燃焼室内に燃料(ガソリン)を直接噴射するように、電磁式の燃料噴射弁(インジェクタ)5が設けられている。
燃料噴射弁5は、コントロールユニット20から機関回転に同期して吸気行程又は圧縮行程にて出力される噴射パルス信号によりソレノイドに通電されて開弁し、所定圧力に調圧された燃料を噴射するようになっている。そして、噴射された燃料は、吸気行程噴射の場合は燃焼室内に拡散して均質な混合気を形成し、また圧縮行程噴射の場合は点火栓6回りに集中的に層状の混合気を形成し、コントロールユニット20からの点火信号に基づき、点火栓6により点火されて、燃焼(均質燃焼又は成層燃焼)する。尚、燃焼方式は、空燃比制御との組合わせで、均質ストイキ燃焼、均質リーン燃焼(空燃比20〜30)、成層リーン燃焼(空燃比40程度)に分けられる。
【0024】
機関1からの排気は排気通路7より排出され、排気通路7には排気浄化用の触媒8が介装されている。
コントロールユニット20は、CPU、ROM、RAM、A/D変換器及び入出力インターフェイス等を含んで構成されるマイクロコンピュータを備え、各種のセンサから信号が入力されている。
【0025】
前記各種のセンサとしては、機関1のクランク軸又はカム軸回転を検出するクランク角センサ21,22が設けられている。これらのクランク角センサ21,22は、気筒数をnとすると、クランク角720°/n毎に、予め定めたクランク角位置(各気筒の圧縮上死点前の所定クランク角位置)で基準パルス信号REFを出力すると共に、1〜2°毎に単位パルス信号POSを出力するもので、基準パルス信号REFの周期などから機関回転数Neを算出可能である。
【0026】
この他、吸気通路3のスロットル弁4上流で吸入空気流量Qaを検出するエアフローメータ23、アクセル開度(アクセルペダルの踏込み量)ACCを検出するアクセルセンサ24、スロットル弁4の開度TVOを検出するスロットルセンサ25(スロットル弁4の全閉位置でONとなるアイドルスイッチを含む)、機関1の冷却水温Twを検出する水温センサ26、排気通路7にて排気空燃比のリッチ・リーンに応じた信号を出力するO2 センサ27、車速VSPを検出する車速センサ28などが設けられている。また、外部負荷としてのエアコンの駆動,非駆動に応じてON,OFFされるエアコンスイッチ29が設けられる。
【0027】
ここにおいて、コントロールユニット20は、前記各種のセンサからの信号を入力しつつ、内蔵のマイクロコンピュータにより、所定の演算処理を行って、電制スロットル弁4によるスロットル開度、燃料噴射弁5による燃料噴射量、燃料噴射時期及び点火栓6による点火時期を制御する。
次に、同上システムによるトルクデマンド制御の概要を、図3を参照して説明する。
【0028】
機関の目標トルクを算出し(101) 、該目標トルクに基づいて基準空燃比(例えば理論空燃比) における必要基本燃料量を算出する(102) 。一方、目標空燃比を算出し(103) 、該目標空燃比に応じて燃費効率による燃料量の補正を行い(104) 、該補正された燃料量に目標空燃比を乗じて目標吸入空気量を算出し(105) 、該目標吸入空気量に見合った目標スロットル開度を算出し(106) 、該目標スロットル開度が得られるように駆動制御を行って(107) 、電制スロットル弁を駆動する。
【0029】
本発明は前記目標トルク算出に際して使用される負荷補償トルクの算出に特徴がある。
以下、本発明に係る負荷補償トルクの算出を図に基づいて説明する。
図4は、第1の実施の形態に係る負荷補償トルクの算出ルーチンのフローチャートである。このルーチンは、一定周期例えば10ms毎に実行される。
【0030】
ステップ1では、エアコンスイッチACSWのON,OFFを判別する。
ステップ1でエアコンスイッチACSWがONと判定された時は、ステップ2へ進んでアイドル時にエアコンの駆動に要求される負荷補償トルクdTacを読み込む。
ステップ1でエアコンスイッチACSWがOFFと判定された時は、ステップ3へ進んで前記負荷補償トルクdTacを0にリセットする。これにより、エアコンのOFF時は、後述する最終的な負荷補償トルクdTac’も0となる。
【0031】
前記ステップ2又はステップ3からステップ4へ進み、該ステップ4では、アイドルスイッチのON,OFFによりアイドル状態であるか否かを判定する。
ステップ4でアイドル状態と判定された時は、ステップ5へ進んで前記負荷補償トルクdTacの補正係数Gadjを1にセットした後、ステップ8へ進む。該補正係数Gadjは後述するように負荷補償トルクdTacに乗じられる値であり、したがって、アイドル時は負荷補償トルクdTacの補正は行われない。
【0032】
ステップ4で非アイドル状態と判定された時は、ステップ6へ進んで要求トルクのパラメータを読み込む。該要求トルクのパラメータとしては、例えば後述するようにして求められる走行分目標トルクtTe0を読み込む。該走行分目標トルクTe0は、走行のみに必要なトルク分である。
【0033】
次いでステップ7へ進み、ステップ3で読み込んだ要求トルクのパラメータに基づいて、前記負荷補償トルクdTacの補正係数Gadjを算出する。例えば、要求トルクとして走行分目標トルクtTe0を読み込んだ場合には、該走行分目標トルクtTe0が増大するほど負荷補償トルクdTacを大きく減少補正させるため、次式(1) のような演算式によって、補正係数Gadjを算出する。
【0034】
Gadj=K/tTe0・・・(1) 但し、Kはゲイン
また、前記演算式による演算に代えて、図5に示すような走行分目標トルクtTe0に対する補正係数Gadjのテーブルを設定し、該テーブルから検索するようにしてもよく、極め細かく補正係数Gadjを求めることができる。
ステップ8では、次式(2) のように前記アイドル時相当の負荷補償トルクdTacに前記補正係数Gadjを乗算することにより、最終的な負荷補償トルクdTac’を算出する。
【0035】
dTac’=Gadj×dTac(2)
上記のようにして算出された負荷補償トルクdTac’を用いて、機関の目標トルクtTeを設定する。
該目標トルクtTeを設定するルーチンを、図6のフローチャートに従って説明する。このルーチンは、一定周期例えば10ms毎に実行される。
【0036】
ステップ11では、前記走行分目標トルクtTe0を算出する。具体的には、アクセル開度と機関回転速度(又は車速) とに基づいて、予め設定されたテーブルからの検索により求めればよい。
ステップ12では、次式のように前記走行分目標トルクtTe0に前記負荷補償トルクdTac’(エアコン非駆動時は0) を加算して、最終的な目標トルク目標トルクtTeを算出する。
【0037】
ステップ13では、前記目標トルクtTeをメモリにセットする。
以上のようにして設定された機関の目標トルクtTeを用いて、前記図3に示したようにトルク制御が実行される。
このようにすれば、アイドル時には、該アイドル時に必要な負荷補償トルクdTacを設定することにより、エアコン等外部負荷投入時のトルクショックを無くし、エンストを防止することができると共に、非アイドル時には要求トルクが増大するほど大きく減少して負荷補償トルクdTac’を設定することにより、図8に示すようにアクセル操作によるトルク操作分が増大し、走行性能が向上する。即ち、外部負荷投入時にアクセル全閉から全開まで連続的にトルクを増大できると共に、外部負荷非投入時の最大出力を十分大きく確保することができる。
【0038】
前記実施の形態では、非アイドルで負荷補償トルクを要求トルクの大きさに応じて減少補正するものを示したが、非アイドル時であってもアイドルに近い低負荷域では外部負荷投入によるトルクショックの影響を完全に無くすため、アイドル時と同一の負荷補償トルク値に固定しておく構成としてもよい。
図7は、上記構成を有する第2の実施の形態における負荷補償トルク設定ルーチンのフローチャートを示す。
【0039】
図4に示した第1の実施の形態と相違する部分は、ステップ4で非アイドル状態と判定されたときに、ステップ6で読み込んだ要求トルクのパラメータに応じてステップ21で負荷補償トルクの減少補正条件を満たしているかを判定する。
具体的には、要求トルクのパラメータ例えば走行分目標トルクtTe0が所定値tTe1以下の低負荷状態では、アイドル時と同様負荷補償トルクの減少補正条件を満たしていないと判断し、ステップ5へ進んで補正係数Gadjを1にセットし、所定値tTe1を超えるときのみ負荷補償トルクの減少補正条件を満たしていると判断してステップ7へ進み、負荷補償トルクの補正係数Gadjを算出する。該負荷補償トルクの補正係数Gadjを演算式によって算出する場合は、前記(1) 式を用いればよく、また、テーブルからの検索によって求めてもよいことは同様である。
【0040】
また、以上の実施の形態では、補正係数Gadjを求める際に使用する要求トルクのパラメータとして走行分目標トルクtTe0を使用し、この場合、本発明の対象とするトルクデマンドを行う機関において、負荷補償トルクの補正を容易にロジックに組み込むことができる。
また、要求トルクのパラメータとして現在設定されている目標トルクtTeを用いてもよい。この場合、外部負荷投入直後に投入前の負荷補償トルクを含まない目標トルクが用いられるが、瞬時であるので問題はなく、また、エアコンの他ラジエータファン等複数の外部負荷を有する場合に、投入された全ての外部負荷に対する負荷補償トルクを含めた機関の全出力トルクに対する各負荷補償トルクの割合に正確に対応させて補正係数を設定することができる。
【0041】
また、要求トルクのパラメータとしてアクセル開度を用いてもよく、ドライバの意図を高速に精度良く検出できるため、高負荷時にドライバの操作可能なトルク範囲を十分に確保するのにドライバの意図を直接反映させることができる。
また、以上示した走行分目標トルクtTe0、目標トルクtTe、アクセル開度等の要求トルクのパラメータは、前記実施の形態で示したように均質燃焼と成層燃焼とを切り換える内燃機関においては、該燃焼の切り換えに無関係に要求トルクの大きさを精度良く表すパラメータとして使用することができる。
【0042】
これに対し、均質燃焼又は成層燃焼のいずれか一方の燃焼方式を使用する内燃機関では、前記要求トルクのパラメータとして吸気負圧(ブースト圧) や吸入空気量を用いることもできる。なお、均質燃焼と成層燃焼とを切り換える機関では、各燃焼方式に応じて吸気負圧や吸入空気量が同一であってもトルクが変化するので、好ましくない。
【0043】
要求トルクのパラメータとして吸気負圧を用いる場合、吸気コレクタに圧力センサを設置して吸気負圧PB を検出し、該吸気負圧PB を要求トルクのパラメータとして読み込み、負荷補償トルクの補正係数Gadjを次式(3) のような演算式により算出する。又はテーブルからの検索等により求めることもできる。
Gadj=|PB |×K (Kは補正ゲイン) ・・・(3)
トルクデマンドを行わない機関では一般に負荷補償トルクはスロットル開度を一定増量することで与えており、この場合、負荷の増大に応じた吸気負圧の減少により負荷補償トルクが自動的に減少しており、したがって、前記のようにトルクデマンドを行う機関で負荷補償トルクを吸気負圧に応じて減少補正するものでは、前記トルクデマンドを行わない機関の負荷補償トルク特性に非常に近い特性を実現することができる。また、圧力センサの使用により環境変化にも対応できる。
【0044】
また、要求トルクのパラメータとして吸入空気量を用いる場合、通常の熱線式エアフロメータ等の吸入空気量センサを備えて吸入空気量を検出しつつ燃料噴射量制御を行う機関において、センサを追加することなく、精度の良いトルクパラメータを検出することができ、また、質量吸入空気量の検出により環境が変化(高地など) しても、正確なトルク情報を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を示す機能ブロック図。
【図2】 本発明の一実施形態を示すシステム図。
【図3】 同上実施の形態におけるトルクデマンド制御の概要を示すブロック図。
【図4】 同上の実施形態において負荷補償トルクを設定するルーチンを示すフローチャート。
【図5】 同じく走行分目標トルク/負荷補償トルク補正係数変換テーブル。
【図6】 同じく目標トルクを設定するルーチンを示すフローチャート。
【図7】 第2の実施形態において負荷補償トルクを設定するルーチンを示すフローチャート。
【図8】 ドライバ操作トルクと負荷補償トルクとの比率を、従来例と本発明とで比較して示す図。
【符号の説明】
1 内燃機関
4 電制スロットル弁
5 燃料噴射弁
6 点火栓
20 コントロールユニット
29 エアコンスイッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、機関の目標トルクを設定してトルク制御を行う内燃機関の制御装置に関し、特にエアコン等外部負荷駆動時のトルク制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両用内燃機関では、機関の目標トルクを設定し、該目標トルクが得られるようにトルク制御を行う技術(トルクデマンド制御) の開発が進められている。ガソリン機関等の吸入空気量を制御する機関では、機関の吸気系に介装したスロットル弁の開度を電子制御する電子スロットル弁制御装置を備え、前記目標トルクに応じてスロットル弁開度を制御して空気量を制御すると共に、燃料噴射量を制御する方式が一般的である。
【0003】
一方、エアコン等の外部負荷の駆動時には、該駆動に要するトルクを走行トルク分とは別に負荷トルク補償分として与えているが、この負荷トルク補償分は、アイドル時に必要なトルク補正値として設定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のトルクデマンド制御では、負荷トルク補償分をアイドル時に必要なトルク補正値として設定し、アイドル時以外もこの負荷トルク補償分を一律に組み入れて目標トルクを設定してトルク制御を行う構成としていたため、以下のような問題があった。
【0005】
即ち、アイドル時にはエアコンやラジエータファン等の外部負荷投入によるトルク変化の影響が大きくトルク補正がエンスト防止の観点からも非常に重要であるので、十分なトルク補正を行うように負荷トルク補償分を大きく設定する必要があるのに対し、高負荷領域では外部負荷投入による影響が小さく、エンストの心配がないため、トルク補正の重要度は、アイドル時ほどではない。
【0006】
一方、高負荷領域でもアイドル時に必要な負荷トルク補償分を確保するためには、ドライバのアクセル操作によって操作可能なトルク分(車両用内燃機関では走行トルク分) がそれだけ制限され、外部負荷非投入時の最大出力が低下してしまう(図8参照) 。なお、操作可能なトルク分を前記負荷トルク補償分による制限を考慮せずぎりぎりまで大きく設定した場合は、外部負荷投入時にアクセルの中間開度で走行トルク分に負荷トルク補償分を加算したときの目標トルクに対応するスロットル弁開度が全開となってそれ以上トルクを増大することができず、良好なアクセル操作を行えない。
【0007】
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、トルクデマンド制御方式において、外部負荷駆動用の負荷トルク補償分を要求トルクに応じて適切に設定することにより、外部負荷投入時,非投入時共に良好なトルク制御を行えるようにした内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に係る発明は、
機関の目標トルクを算出し、該目標トルクを得るように機関のトルクを制御する内燃機関の制御装置において、
外部負荷駆動用の負荷補償トルクを、運転者の操作量に応じた機関の要求トルクが大きいときは減少する補正演算を行って設定し、該設定された負荷補償トルクを前記要求トルクに加算して目標トルクを設定するようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項1に係る発明によると、
要求トルクが大きいときは、外部負荷投入によるトルク変化の影響が小さくなるので、外部負荷駆動用の負荷補償トルクを減少して設定してもエンストを防止でき、一方、該負荷補償トルクを減少した分、アクセル操作によるトルク操作分を増大することができ、車両用内燃機関では走行性能を向上できる。
【0010】
また、請求項2に係る発明は、図1に示すように、
機関の目標トルクを算出し、該目標トルクを得るように機関のトルクを制御する内燃機関の制御装置において、
外部負荷駆動用の負荷補償トルクを、運転者の操作量に応じた機関の要求トルクが大きいときは減少する補正演算を行って設定する負荷補償トルク設定手段と、
該設定された負荷補償トルクを前記要求トルクに加算して目標トルクを設定する目標トルク設定手段と、を含んで構成したことを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明によると、
負荷補償トルク設定手段は、要求トルクが大きいときは外部負荷駆動用の負荷補償トルクを減少補正して設定し、目標トルク設定手段は該設定された負荷補償トルクに応じて目標トルクを設定し、該目標トルクとなるように機関のトルクが制御される。
【0012】
このようにすれば、要求トルクが大きいときは、外部負荷投入によるトルク変化の影響が小さくなるので、外部負荷駆動用の負荷補償トルクを減少して設定してもエンストを防止でき、一方、該負荷補償トルクを減少した分、アクセル操作によるトルク操作分を増大することができ、車両用内燃機関では走行性能を向上できる。
【0013】
また、請求項3に係る発明は、
所定以下の低負荷領域では一定の負荷補償トルクを設定し、前記低負荷領域以外の領域では前記低負荷領域用に設定された負荷補償トルクを、要求されるトルク量が大きいときほど大きく減少補正して設定することを特徴とする。
請求項3に係る発明によると、
外部負荷投入によるトルク変化の影響が大きい低負荷領域では、最大かつ一定の負荷補償トルクを与えてトルクショックを緩和しつつエンストを防止し、それより大きい負荷領域では、要求されるトルク量が大きいときほど外部負荷投入によるトルク変化の影響が小さくなるので、負荷補償トルクを大きく減少補正して設定することにより、アクセル操作によるトルク操作分を増大することができる。
【0014】
また、請求項4に係る発明は、
前記所定以下の低負荷領域は、アイドル領域であることを特徴とする。
請求項4に係る発明によると、
アイドル領域が外部負荷投入によるトルク変化の影響が大きいので、この領域で最大かつ一定の負荷補償トルクを与える。
【0015】
また、請求項5に係る発明は、
前記負荷補償トルクの減少補正量を、要求されるトルクに応じて設定されたテーブルから検索して求めることを特徴とする。
請求項5に係る発明によると、
テーブルに、要求されるトルクに応じて負荷補償トルクの減少補正量を極め細かく設定しておくことにより、要求トルクに応じて最適な負荷補償トルクを設定することができる。
【0016】
また、請求項6に係る発明は、
前記要求されるトルクのパラメータは、現在設定されている目標トルク値であることを特徴とする。
請求項6に係る発明によると、
要求されるトルクのパラメータを現在設定されている目標トルク値とすることにより、本発明の対象とするトルクデマンドを行う機関において、負荷補償トルクの補正を容易にロジックに組み込むことができる。
【0017】
また、エアコンやラジエータファン等複数の外部負荷を有する場合に、投入された全ての外部負荷に対する負荷補償トルクを含めた機関の全出力トルクに対する各負荷補償トルクの割合に正確に対応させて補正係数を設定することができる。
また、請求項7に係る発明は、
前記要求されるトルクのパラメータは、目標トルク値から負荷補償トルクを除いて設定される基本目標トルク値であることを特徴とする。
【0018】
請求項7に係る発明によると、
前記基本目標トルク値は、ドライバのアクセル操作によるトルク操作分であり、車両用内燃機関では走行分トルクに相当し、要求されるトルクのパラメータを該基本目標トルク値とすることにより、本発明の対象とするトルクデマンドを行う機関において、負荷補償トルクの補正を容易にロジックに組み込むことができる。
【0019】
また、請求項8に係る発明は、
前記要求されるトルクのパラメータは、アクセル開度であることを特徴とする。
請求項8に係る発明によると、
アクセル開度は、ドライバの意図を高速に精度良く検出できるトルクパラメータであり、要求されるトルクのパラメータを該アクセル開度とすることにより、高負荷時にドライバの操作可能なトルク範囲を十分に確保するのにドライバの意図を直接反映させることができる。
【0020】
また、請求項9に係る発明は、
均質燃焼又は成層燃焼のいずれか一方の燃焼方式を使用する内燃機関において、前記要求されるトルクのパラメータは、吸気圧力であることを特徴とする。
請求項9に係る発明によると、
要求されるトルクのパラメータを吸気圧力とすることにより、トルクデマンドを行わない機関の負荷補償トルク特性に非常に近い特性を実現することができ、また、環境変化にも対応できる。なお、均質燃焼と成層燃焼とを切り換える機関では、各燃焼方式に応じて吸気圧力が同一であってもトルクが変化するので、好ましくない。
【0021】
また、請求項10に係る発明は、
均質燃焼又は成層燃焼のいずれか一方の燃焼方式を使用する内燃機関において、前記要求されるトルクのパラメータは、吸入空気量であることを特徴とする。
請求項10に係る発明によると、
要求トルクのパラメータを吸入空気量とすることにより、通常の吸入空気量を検出して燃料噴射量制御を行う機関において、センサを追加することなく、精度の良いトルクパラメータを検出することができ、また、環境が変化(高地など) しても、正確なトルク情報を検出することができる。なお、均質燃焼と成層燃焼とを切り換える機関では、各燃焼方式に応じて吸入空気量が同一であってもトルクが変化するので、好ましくない。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図2は実施の一形態を示す直噴火花点火式内燃機関のシステム図である。
車両に搭載される内燃機関1の各気筒の燃焼室には、エアクリーナ2から吸気通路3により、電制スロットル弁4の制御を受けて、空気が吸入される。
【0023】
電制スロットル弁4は、コントロールユニット20からの信号により作動するステップモータ等により開度制御される。
そして、燃焼室内に燃料(ガソリン)を直接噴射するように、電磁式の燃料噴射弁(インジェクタ)5が設けられている。
燃料噴射弁5は、コントロールユニット20から機関回転に同期して吸気行程又は圧縮行程にて出力される噴射パルス信号によりソレノイドに通電されて開弁し、所定圧力に調圧された燃料を噴射するようになっている。そして、噴射された燃料は、吸気行程噴射の場合は燃焼室内に拡散して均質な混合気を形成し、また圧縮行程噴射の場合は点火栓6回りに集中的に層状の混合気を形成し、コントロールユニット20からの点火信号に基づき、点火栓6により点火されて、燃焼(均質燃焼又は成層燃焼)する。尚、燃焼方式は、空燃比制御との組合わせで、均質ストイキ燃焼、均質リーン燃焼(空燃比20〜30)、成層リーン燃焼(空燃比40程度)に分けられる。
【0024】
機関1からの排気は排気通路7より排出され、排気通路7には排気浄化用の触媒8が介装されている。
コントロールユニット20は、CPU、ROM、RAM、A/D変換器及び入出力インターフェイス等を含んで構成されるマイクロコンピュータを備え、各種のセンサから信号が入力されている。
【0025】
前記各種のセンサとしては、機関1のクランク軸又はカム軸回転を検出するクランク角センサ21,22が設けられている。これらのクランク角センサ21,22は、気筒数をnとすると、クランク角720°/n毎に、予め定めたクランク角位置(各気筒の圧縮上死点前の所定クランク角位置)で基準パルス信号REFを出力すると共に、1〜2°毎に単位パルス信号POSを出力するもので、基準パルス信号REFの周期などから機関回転数Neを算出可能である。
【0026】
この他、吸気通路3のスロットル弁4上流で吸入空気流量Qaを検出するエアフローメータ23、アクセル開度(アクセルペダルの踏込み量)ACCを検出するアクセルセンサ24、スロットル弁4の開度TVOを検出するスロットルセンサ25(スロットル弁4の全閉位置でONとなるアイドルスイッチを含む)、機関1の冷却水温Twを検出する水温センサ26、排気通路7にて排気空燃比のリッチ・リーンに応じた信号を出力するO2 センサ27、車速VSPを検出する車速センサ28などが設けられている。また、外部負荷としてのエアコンの駆動,非駆動に応じてON,OFFされるエアコンスイッチ29が設けられる。
【0027】
ここにおいて、コントロールユニット20は、前記各種のセンサからの信号を入力しつつ、内蔵のマイクロコンピュータにより、所定の演算処理を行って、電制スロットル弁4によるスロットル開度、燃料噴射弁5による燃料噴射量、燃料噴射時期及び点火栓6による点火時期を制御する。
次に、同上システムによるトルクデマンド制御の概要を、図3を参照して説明する。
【0028】
機関の目標トルクを算出し(101) 、該目標トルクに基づいて基準空燃比(例えば理論空燃比) における必要基本燃料量を算出する(102) 。一方、目標空燃比を算出し(103) 、該目標空燃比に応じて燃費効率による燃料量の補正を行い(104) 、該補正された燃料量に目標空燃比を乗じて目標吸入空気量を算出し(105) 、該目標吸入空気量に見合った目標スロットル開度を算出し(106) 、該目標スロットル開度が得られるように駆動制御を行って(107) 、電制スロットル弁を駆動する。
【0029】
本発明は前記目標トルク算出に際して使用される負荷補償トルクの算出に特徴がある。
以下、本発明に係る負荷補償トルクの算出を図に基づいて説明する。
図4は、第1の実施の形態に係る負荷補償トルクの算出ルーチンのフローチャートである。このルーチンは、一定周期例えば10ms毎に実行される。
【0030】
ステップ1では、エアコンスイッチACSWのON,OFFを判別する。
ステップ1でエアコンスイッチACSWがONと判定された時は、ステップ2へ進んでアイドル時にエアコンの駆動に要求される負荷補償トルクdTacを読み込む。
ステップ1でエアコンスイッチACSWがOFFと判定された時は、ステップ3へ進んで前記負荷補償トルクdTacを0にリセットする。これにより、エアコンのOFF時は、後述する最終的な負荷補償トルクdTac’も0となる。
【0031】
前記ステップ2又はステップ3からステップ4へ進み、該ステップ4では、アイドルスイッチのON,OFFによりアイドル状態であるか否かを判定する。
ステップ4でアイドル状態と判定された時は、ステップ5へ進んで前記負荷補償トルクdTacの補正係数Gadjを1にセットした後、ステップ8へ進む。該補正係数Gadjは後述するように負荷補償トルクdTacに乗じられる値であり、したがって、アイドル時は負荷補償トルクdTacの補正は行われない。
【0032】
ステップ4で非アイドル状態と判定された時は、ステップ6へ進んで要求トルクのパラメータを読み込む。該要求トルクのパラメータとしては、例えば後述するようにして求められる走行分目標トルクtTe0を読み込む。該走行分目標トルクTe0は、走行のみに必要なトルク分である。
【0033】
次いでステップ7へ進み、ステップ3で読み込んだ要求トルクのパラメータに基づいて、前記負荷補償トルクdTacの補正係数Gadjを算出する。例えば、要求トルクとして走行分目標トルクtTe0を読み込んだ場合には、該走行分目標トルクtTe0が増大するほど負荷補償トルクdTacを大きく減少補正させるため、次式(1) のような演算式によって、補正係数Gadjを算出する。
【0034】
Gadj=K/tTe0・・・(1) 但し、Kはゲイン
また、前記演算式による演算に代えて、図5に示すような走行分目標トルクtTe0に対する補正係数Gadjのテーブルを設定し、該テーブルから検索するようにしてもよく、極め細かく補正係数Gadjを求めることができる。
ステップ8では、次式(2) のように前記アイドル時相当の負荷補償トルクdTacに前記補正係数Gadjを乗算することにより、最終的な負荷補償トルクdTac’を算出する。
【0035】
dTac’=Gadj×dTac(2)
上記のようにして算出された負荷補償トルクdTac’を用いて、機関の目標トルクtTeを設定する。
該目標トルクtTeを設定するルーチンを、図6のフローチャートに従って説明する。このルーチンは、一定周期例えば10ms毎に実行される。
【0036】
ステップ11では、前記走行分目標トルクtTe0を算出する。具体的には、アクセル開度と機関回転速度(又は車速) とに基づいて、予め設定されたテーブルからの検索により求めればよい。
ステップ12では、次式のように前記走行分目標トルクtTe0に前記負荷補償トルクdTac’(エアコン非駆動時は0) を加算して、最終的な目標トルク目標トルクtTeを算出する。
【0037】
ステップ13では、前記目標トルクtTeをメモリにセットする。
以上のようにして設定された機関の目標トルクtTeを用いて、前記図3に示したようにトルク制御が実行される。
このようにすれば、アイドル時には、該アイドル時に必要な負荷補償トルクdTacを設定することにより、エアコン等外部負荷投入時のトルクショックを無くし、エンストを防止することができると共に、非アイドル時には要求トルクが増大するほど大きく減少して負荷補償トルクdTac’を設定することにより、図8に示すようにアクセル操作によるトルク操作分が増大し、走行性能が向上する。即ち、外部負荷投入時にアクセル全閉から全開まで連続的にトルクを増大できると共に、外部負荷非投入時の最大出力を十分大きく確保することができる。
【0038】
前記実施の形態では、非アイドルで負荷補償トルクを要求トルクの大きさに応じて減少補正するものを示したが、非アイドル時であってもアイドルに近い低負荷域では外部負荷投入によるトルクショックの影響を完全に無くすため、アイドル時と同一の負荷補償トルク値に固定しておく構成としてもよい。
図7は、上記構成を有する第2の実施の形態における負荷補償トルク設定ルーチンのフローチャートを示す。
【0039】
図4に示した第1の実施の形態と相違する部分は、ステップ4で非アイドル状態と判定されたときに、ステップ6で読み込んだ要求トルクのパラメータに応じてステップ21で負荷補償トルクの減少補正条件を満たしているかを判定する。
具体的には、要求トルクのパラメータ例えば走行分目標トルクtTe0が所定値tTe1以下の低負荷状態では、アイドル時と同様負荷補償トルクの減少補正条件を満たしていないと判断し、ステップ5へ進んで補正係数Gadjを1にセットし、所定値tTe1を超えるときのみ負荷補償トルクの減少補正条件を満たしていると判断してステップ7へ進み、負荷補償トルクの補正係数Gadjを算出する。該負荷補償トルクの補正係数Gadjを演算式によって算出する場合は、前記(1) 式を用いればよく、また、テーブルからの検索によって求めてもよいことは同様である。
【0040】
また、以上の実施の形態では、補正係数Gadjを求める際に使用する要求トルクのパラメータとして走行分目標トルクtTe0を使用し、この場合、本発明の対象とするトルクデマンドを行う機関において、負荷補償トルクの補正を容易にロジックに組み込むことができる。
また、要求トルクのパラメータとして現在設定されている目標トルクtTeを用いてもよい。この場合、外部負荷投入直後に投入前の負荷補償トルクを含まない目標トルクが用いられるが、瞬時であるので問題はなく、また、エアコンの他ラジエータファン等複数の外部負荷を有する場合に、投入された全ての外部負荷に対する負荷補償トルクを含めた機関の全出力トルクに対する各負荷補償トルクの割合に正確に対応させて補正係数を設定することができる。
【0041】
また、要求トルクのパラメータとしてアクセル開度を用いてもよく、ドライバの意図を高速に精度良く検出できるため、高負荷時にドライバの操作可能なトルク範囲を十分に確保するのにドライバの意図を直接反映させることができる。
また、以上示した走行分目標トルクtTe0、目標トルクtTe、アクセル開度等の要求トルクのパラメータは、前記実施の形態で示したように均質燃焼と成層燃焼とを切り換える内燃機関においては、該燃焼の切り換えに無関係に要求トルクの大きさを精度良く表すパラメータとして使用することができる。
【0042】
これに対し、均質燃焼又は成層燃焼のいずれか一方の燃焼方式を使用する内燃機関では、前記要求トルクのパラメータとして吸気負圧(ブースト圧) や吸入空気量を用いることもできる。なお、均質燃焼と成層燃焼とを切り換える機関では、各燃焼方式に応じて吸気負圧や吸入空気量が同一であってもトルクが変化するので、好ましくない。
【0043】
要求トルクのパラメータとして吸気負圧を用いる場合、吸気コレクタに圧力センサを設置して吸気負圧PB を検出し、該吸気負圧PB を要求トルクのパラメータとして読み込み、負荷補償トルクの補正係数Gadjを次式(3) のような演算式により算出する。又はテーブルからの検索等により求めることもできる。
Gadj=|PB |×K (Kは補正ゲイン) ・・・(3)
トルクデマンドを行わない機関では一般に負荷補償トルクはスロットル開度を一定増量することで与えており、この場合、負荷の増大に応じた吸気負圧の減少により負荷補償トルクが自動的に減少しており、したがって、前記のようにトルクデマンドを行う機関で負荷補償トルクを吸気負圧に応じて減少補正するものでは、前記トルクデマンドを行わない機関の負荷補償トルク特性に非常に近い特性を実現することができる。また、圧力センサの使用により環境変化にも対応できる。
【0044】
また、要求トルクのパラメータとして吸入空気量を用いる場合、通常の熱線式エアフロメータ等の吸入空気量センサを備えて吸入空気量を検出しつつ燃料噴射量制御を行う機関において、センサを追加することなく、精度の良いトルクパラメータを検出することができ、また、質量吸入空気量の検出により環境が変化(高地など) しても、正確なトルク情報を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を示す機能ブロック図。
【図2】 本発明の一実施形態を示すシステム図。
【図3】 同上実施の形態におけるトルクデマンド制御の概要を示すブロック図。
【図4】 同上の実施形態において負荷補償トルクを設定するルーチンを示すフローチャート。
【図5】 同じく走行分目標トルク/負荷補償トルク補正係数変換テーブル。
【図6】 同じく目標トルクを設定するルーチンを示すフローチャート。
【図7】 第2の実施形態において負荷補償トルクを設定するルーチンを示すフローチャート。
【図8】 ドライバ操作トルクと負荷補償トルクとの比率を、従来例と本発明とで比較して示す図。
【符号の説明】
1 内燃機関
4 電制スロットル弁
5 燃料噴射弁
6 点火栓
20 コントロールユニット
29 エアコンスイッチ
Claims (9)
- 機関の目標トルクを算出し、該目標トルクを得るように機関のトルクを制御する内燃機関の制御装置において、
外部負荷駆動用の負荷補償トルクを、運転者の操作量に応じた機関の要求トルクが大きいときは減少する補正演算を行って設定し、該設定された負荷補償トルクを前記要求トルクに加算して目標トルクを設定するようにしたことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 機関の目標トルクを算出し、該目標トルクを得るように機関のトルクを制御する内燃機関の制御装置において、
外部負荷駆動用の負荷補償トルクを、運転者の操作量に応じた機関の要求トルクが大きいときは減少する補正演算を行って設定する負荷補償トルク設定手段と、
該設定された負荷補償トルクを前記要求トルクに加算して目標トルクを設定する目標トルク設定手段と、を含んで構成したことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 所定以下の低負荷領域では一定の負荷補償トルクを設定し、前記低負荷領域以外の領域では前記低負荷領域用に設定された負荷補償トルクを、要求されるトルク量が大きいときほど大きく減少補正して設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記所定以下の低負荷領域は、アイドル領域であることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記負荷補償トルクの減少補正量を、要求されるトルクに応じて設定されたテーブルから検索して求めることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置。
- 前記要求されるトルクのパラメータは、目標トルク値から負荷補償トルクを除いて設定される基本目標トルク値であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置。
- 前記要求されるトルクのパラメータは、アクセル開度であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置。
- 均質燃焼又は成層燃焼のいずれか一方の燃焼方式を使用する内燃機関において、前記要求されるトルクのパラメータは、吸気圧力であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置。
- 均質燃焼又は成層燃焼のいずれか一方の燃焼方式を使用する内燃機関において、前記要求されるトルクのパラメータは、吸入空気量であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置。
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