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JP3810423B2 - 製氷装置 - Google Patents

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JP3810423B2 JP2005140263A JP2005140263A JP3810423B2 JP 3810423 B2 JP3810423 B2 JP 3810423B2 JP 2005140263 A JP2005140263 A JP 2005140263A JP 2005140263 A JP2005140263 A JP 2005140263A JP 3810423 B2 JP3810423 B2 JP 3810423B2
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Description

本発明は、透明度の高い氷を急速かつ効率的に生成するとともに、品質を高度に維持しながら保存できる製氷装置に関するものである。
従来から、透明度の高い氷を生成する製氷装置が種々開発されている。その一例として、特許文献1のような製氷装置が挙げられる。図22に示すように、この製氷装置169では、不図示の冷凍サイクルの蒸発パイプ(冷媒パイプ;およそ−15℃〜−25℃の冷媒が流れている)に接続されるとともに一面を垂直に配設した製氷プレート101が、散水孔144を介して製氷水を散水(流下)されるようになっている。
このように製氷水が流下(流下循環)されると、水に溶存する空気等のガス成分(不純物)が拡散する。そのため、純水のみが冷媒パイプに密接する製氷プレート101上で、氷の膜(氷膜)となり、結果、透明度の高い氷が生成されるようになる。特に、この氷膜は、徐々に積層するように成長していき、最終的に、ほぼ半円の断面形状を有する透明度の高い氷となる。そして、この生成された氷を製氷プレート101から取り除くことで(離氷させることで)、使用可能な氷が完成するようになっている。
そこで、例えば特許文献1の製氷装置169は、離氷用(除氷用)の水を離氷パイプ171を介して、製氷プレート101上に供給することで、生成された氷の一部を融解させて、氷を離氷させるようになっている。
ところで、このような特許文献1の製氷装置は、製氷プレート101上において、形状を整えながらも、分離した氷を複数生成させることは難しい。なぜなら、効率よく冷気を利用するために、例えば冷気の伝導率(熱伝導率)の高い材料で製氷プレート101を構成させると、製氷プレート101全域に渡って連なった氷が生成されてしまうためである。
そこで、図23(斜視図)・図24〔(a)は図23の正面図、(b)は図23の側面図〕に示すような製氷装置169が考えられている。この製氷装置169は、熱伝導率の低い(冷媒の伝導率の低い)ステンレス等から成る製氷プレート101上に、蛇行させた冷媒パイプ102を溶接等で取り付けている。さらに、この製氷装置169は、一方向(垂直方向)に延びたリブ111を複数並べるようにして、製氷プレート101上に立設させている。
このように水平方向の仕切板を設けることのない、図23・図24の製氷装置169でも、熱伝導率の低いステンレス等から成る製氷プレート101を用いることで、冷媒パイプ102近傍のみ氷点以下にすることができる。そのため、リブ111によって形成された製氷プレート101上の溝(流下溝121)には、散水孔144から流れてくる製氷水が流下していき、この流下溝121において、部分的に氷(分離した氷)が生成するようになっている。
そして、この図23・図24に示す製氷装置169は、冷凍サイクルの圧縮直後のホットガスを冷媒パイプ102に流入させることで、製氷プレート101を加熱し、氷の一部を融解させて、氷を離氷させるようになっている。
特開昭55−53668号公報(第1図参照)
上記の図23・図24に示す製氷装置169は、分離した氷を生成させるために、あえて、製氷プレート101上全域が効率よく冷えないように、熱伝導率の低い材料で、製氷プレート101を構成している。そのため、冷媒の冷気による冷凍能力の一部を無駄にするという問題を抱えている。
また、特許文献1および図23・図24の製氷装置169のいずれにおいても、離氷の工程で、生成された氷の一部を融解(熱融解)させることで、製氷プレート101から氷が離れるようになっている。
そのため、融解により離氷した氷の表面には、水が付着することになり、例えば氷点以下(0℃以下)の環境で氷を保存する場合、複数の氷同士が、再凍結して連なった形状となり、使用に適さないものになってしまうという問題が生じていた。
なお、上記のような連なった形状の氷の生成を防止すべく、氷自身の潜熱のみで、氷を貯留するBOX内を約0℃〜5℃に保つようにして、再凍結を防ぐようにした保存方法もある。しかしながら、この保存方法では、やや氷を融かしながら保存していくため、長時間(長期間)の保存は難しい。その上、純水を主成分とした氷には、塩素等の成分の含有量が極めて微量となっている。そのため、徐々に融け出した氷を長時間保存すると、雑菌等が繁殖してしまうという問題も生じる。
そしてなによりも、上記の離氷方式は、製氷に用いた冷凍能力の一部を無駄にするという根本的な問題を抱えており、効率的な離氷方式とはいえない。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、冷凍能力を有効利用して氷を生成させるとともに、品質を高度に維持しながら氷を保存できるようにするため、離氷した氷表面に水分を付着させないようにする製氷装置を提供することにある。
本発明は、冷却される製氷部上に、水を付着させることで、氷を生成する製氷装置であって、製氷部は、第1部材と第2部材とから構成されていることを特徴としている。
なお、第1部材および第2部材は、互いに異なった熱伝導率を有する第1冷気伝導部材(第1熱伝導部材)および第2冷気伝導部材(第2熱伝導部材)になっていてもよい。また、第1部材および第2部材は、断熱処理の有無によって異なった熱伝導率を有する第1冷気伝導部材および第2冷気伝導部材になっていてもよい。
要するに、本発明は、例えば冷媒によって冷却される製氷部上に、水を付着させることで、氷を生成する製氷装置であって、製氷部は、冷媒等による冷気の伝導率(熱伝導率)の異なる第1冷気伝導部材と第2冷気伝導部材とから構成されていることを特徴としている。
そして特に、第1冷気伝導部材は、冷媒等によって氷点以下の温度を維持する冷気の伝導率を有している一方、第2冷気伝導部材は、冷媒等によっても氷点を超える温度を維持する冷気の伝導率を有している。
これによると、製氷部において、水を氷へと固化させることのできる第1冷気伝導部材と、固化させる温度(すなわち氷点)にまで温度の下がることのない第2冷気伝導部材とが混在するようになっている。そのため、製氷部に水を付着させたとき、氷の生成される部分と、氷の生成され得ない部分とが生じるようになる。つまり、氷が製氷部全域に渡って生成されることがなくなる。その結果、製氷部において、分離した塊氷が複数できることになる。
特に、第1冷気伝導部材と第2冷気伝導部材との熱伝導率の違いから、第2冷気伝導部材は冷媒の冷気や冷熱等によって氷点以下にならない。一方、第1冷気伝導部材は、冷気や冷熱等によって急激に冷やされるようになっている。そして、例えばこの急激に降温する第1冷気伝導部材に冷媒の供給管が連結されると、分離した氷(塊氷)を複数生成しながらも、冷凍能力を十分に有効利用できる(冷媒の冷気を十分に利用できる;例えば製氷効率が向上や、製氷時間の短縮化につながる)。
つまり、本発明の製氷装置は、従来のように分離した塊氷を生成させるために冷凍能力を犠牲にして、熱伝導率の低い材料のみで製氷部を構成する必要がなくなる。
また、製氷部は、第1冷気伝導部材および第2冷気伝導部材が交互に配設されて構成されており、好ましくは、製氷部上に付着した水の流れ落ちる方向において、交互に配設されているとよい。
これによると、製氷部に付着した水の流れ落ちる過程で、最初に第1冷気伝導部材に付着した水が氷膜となる。一方、氷膜となり得なかった水は、そのまま、流れていき、第2冷気伝導部材を経て、次の第1冷気伝導部材に到達する。そして、到達した水は、その第1冷気伝導部材上で氷膜になる。この流れ落ちる過程が繰り返されることで、本発明の製氷装置は、流れ落ちる水を効率よく、第1冷気伝導部材上に導けるようになっている。その上、製氷部において、第1冷気伝導部材が交互に位置すると、水の流れ落ちる方向に沿って複数並べるようにして氷が生成されるようになる。
なお、第1冷気伝導部材と第2冷気伝導部材とを交互に配設させた製氷部は、種々考え
られる。例えば、製氷部は、少なくとも一部に第1冷気伝導部材(第1部材)を含んで成る基材部に、第2冷気伝導部材(第2部材)を一定間隔で離間させつつ重ねることで、第2冷気伝導部材の間隙から第1冷気伝導部材を表出させる構成になっていてもよい。かかる製氷部では、表出した第1冷気伝導部材と第2冷気伝導部材とが、交互に配設するようになる。
また、製氷部は、開孔を有する第2冷気伝導部材を、少なくとも一部に第1冷気伝導部材を含んで成る基材部に重ね、かつ、第1冷気伝導部材を開孔から表出させる構成になっていてもよい。かかる製氷部も、表出した第1冷気伝導部材と第2冷気伝導部材とが、交互に配設するようになる。
そして、これらのような製氷装置でも、上記同様、製氷部上に付着した水の流れ落ちる方向において、第1冷気伝導部材および第2冷気伝導部材が、交互に配設されていることが好ましい。
なお、第1冷気伝導部材および第2冷気伝導部材から成る製氷部で、水の付着する少なくとも一方の部材の面は(例えば交互に配設された第1冷気伝導部材および第2冷気伝導部材から成る製氷部において水の付着する面や、製氷部を構成する少なくとも第1冷気伝導部材の面等は)、平滑面になっていることが好ましい。このようにしておけば、流れ落ちる水に対して抵抗を与えないようにできるためである。また、水の付着する第1冷気伝導部材が平滑面になっていれば、氷は生成されやすい上に、離氷しやすいという利点も生じる。
また、本発明の製氷装置の製氷部では、その製氷部の平滑面から(例えば、製氷部を構成する第2冷気伝導部材から)立ち上がるようにして、仕切部が設けられるようになっている。そして、好ましくは、この仕切部の延び方向(仕切部の長手方向)が、水の流れ落ちる方向と同方向になっている。なお、仕切部は、少なくとも1個以上備えられるようになっている(仕切部が板状体であれば、1枚以上備えられていると表現してもよい)。
これによると、製氷部は、例えば複数の並べられた(例えば水平方向に並べられた)仕切部によって区分けされるようになっているので、生成される氷も区分けされることになる。特に、仕切部の延び方向は、水の流れ落ちる方向(例えば垂直方向)と同方向のために、製氷部において生成され区分けされた氷が水平方向に並ぶような関係になる。つまり、製氷部において生成され、区分けされた氷は、水平方向かつ垂直方向に並ぶような関係になる(氷がマトリックス状に位置するようになる)。
なお、仕切部は(例えば、仕切部の少なくとも一部は)、第2冷気伝導部材と同じ材料から構成されているので、仕切部と生成された氷とが固着する事態はあり得ない。
また、本発明の製氷装置(例えば、冷却される製氷部上に、散水による水をつたわせることで氷膜を積層させ、氷を生成する製氷装置)では、仕切部が、製氷部を構成する面に沿って、スライド移動可能になっている。例えば、仕切部は、第2冷気伝導部材と一体的に形成されるようになっており、この仕切部は、第1冷気伝導部材に対して第2冷気伝導部材のずれる方向に沿って、スライド移動可能になっている。つまり、製氷部は、第1冷気伝導部材と第2冷気伝導部材とを含むとともに、第2冷気伝導部材の面に仕切部を立設している。そして、その仕切部を備える第2冷気伝導部材(すなわち仕切部も)が製氷部を構成する面に沿ってスライド移動することで離氷を行っている。
具体的には、仕切部をスライド移動させるための動力源となる駆動部が設けられるとともに、この駆動部の動力を受ける伝達部が仕切部に備えられており、仕切部は、駆動源の動力の伝達を受けて、第2冷気伝導部材とともに、第1冷気伝導部材からずれるようにスライド移動するようになっている。
このように仕切部がスライド移動するということは、製氷部(具体的には第1冷気伝導部材上)において生成された氷が、スライド移動する仕切部と強く接触することになる。そのため、第1冷気伝導部材上に固着した氷に対して、せん断力が働くようになり、氷と第1冷気伝導部材との固着が解除され、氷は第1冷気伝導部材から離れるようになる。つまり、本発明の製氷装置は、第1冷気伝導部材から氷を離氷させるために、あえて、氷表面を融解させるような必要がなくなる。
そして、製氷部で生成された氷を貯留する氷貯留部が設けられるようにするとともに、この氷貯留部の内部が、氷点以下を維持するようにしておけば、氷の融解によるサイズの縮小化を防止できる。その上、融解しないことから水が存在しなくなり、氷貯留部内において、雑菌等の繁殖を防止することもできる。
なお、第1冷気伝導部材から効率よく氷を離氷させるために、水の付着する第1冷気伝導部材上には、生成された氷を剥落させやすくする剥落処理が施されていることが好ましい。例えば、第1冷気伝導部材上にフッ素樹脂を被覆させることが挙げられる。
これによると、第1冷気伝導部材と氷との固着強度が比較的増加せず、仕切部のスライド移動距離を長くしたり、仕切部をスライド移動させる駆動部の駆動力を大きくしたりする必要が生じない。
なお、本発明の冷却方式は、種々想定できる。例えば冷媒による冷却(冷媒を利用した冷却;例えば冷媒によって低温化した冷気による冷却や冷媒の冷熱による冷却)やそれ以外の冷却方式であってもよい。
本発明の製氷装置は、第1部材と第2部材とを含む製氷部を有している。そして、特に、第2部材の面には仕切部が設けられ、その仕切部および第2部材が、製氷部を構成する面に沿ってスライド移動することで離氷を行っている。そのため、あえて、氷表面を融解させる必要がなくなる。その上、本発明の製氷装置は、氷の生成される製氷部を、冷気の伝導率(熱伝導率)の異なる部材(第1部材・第2部材)を組み合わせることで、冷媒が効率よく伝わって氷点以下となる領域と、冷媒が効率よく伝わらずに氷点を超えるようになった領域とが混在するようにしている。そのため、本発明の製氷装置は、製氷部上に分離するようになった氷を複数生成できるようになっている(つまり、第1部材上にのみ氷を生成できるようになっている)。つまり、本発明の製氷装置は、分離した氷を生成させるために、従来のように熱伝導率の低い材料で製氷部全域を形成していないために、冷媒の冷凍能力を有効利用して氷を生成させることができる。
[実施の形態1]
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
〔製氷装置の構成について〕
本発明の製氷装置は、冷凍サイクルによって供給される冷媒を利用して氷を生成するようになっている。そして、具体的構成は、図1〜図3に示すようになっている。これら図に示すように、本発明の製氷装置69は、製氷プレートユニット7(図4参照)、離氷ユニット17(図6参照)、離氷ユニット用駆動モーター(RUモーター)31、散水ユニット47、製氷完了検知センサー51(図8参照)、制御部52(図8参照)、および氷貯留BOX(氷貯留部)53を含むように構成されている。
なお、図1は本発明の製氷装置69における製氷プレートユニット7・離氷ユニット17を主体的に図示した斜視図であり、図2(a)は図1の正面図、図2(b)は図1の側面図となっている。図3は、製氷プレートユニット7・離氷ユニット17に加え、散水ユニット47等も図示した側面図になっている。
〈製氷プレートユニットについて〉
製氷プレートユニット7は、図4に示すように、冷媒パイプ2、およびこの冷媒パイプ2に取り付けられた製氷プレート1(第1部材、第1冷気伝導部材、第1冷熱伝導部材)を含むように構成されている。なお、便宜上、製氷プレート1の部分には、網線を施すようにしている。
《冷媒パイプについて》
冷媒パイプ2は、冷凍サイクルにおける冷媒(冷媒ガス・冷媒液)の流れるパイプである。なお、不図示の冷凍サイクルは、少なくとも、高温・高圧で冷媒を圧縮する圧縮機、圧縮された冷媒を凝縮させて液化させる凝縮機、凝縮液化された冷媒を膨張させる膨張バルブ、および、冷媒がそのまま圧縮機に戻って、非常に大きな負荷を与える液圧縮の発生を防止するために、気体だけを圧縮機に送るアキュムレーター等を含むように構成されている。
そして、冷媒パイプ2は、これらの構成部材(少なくとも圧縮機・凝縮機・膨張バルブ・アキュムレーター)をつなげて循環路(サイクル)を形成するようになっている。なお、これら構成部材を冷凍サイクルユニット10(図8参照)と表現する。
《製氷プレートについて》
製氷プレート1は、図5(熱伝導率を示すテーブル)に示すように、熱導電率(冷媒の冷気の伝導率)の高い、例えば銅(Cu)やアルミニウム(Al)から構成されたプレートである。そして、この製氷プレート1上に、氷の膜(氷膜)が積層するようになっている。具体的には、冷媒パイプ2を流れる冷媒の気化によって、冷媒パイプ2近傍の製氷プレート1一面に、氷膜が積層するようになっている。
なお、製氷プレート1は、高い熱伝導率を維持するために、溶接等で蛇行形状となった冷媒パイプ2に接続されるようになっている。特に、複数の製氷プレート1・1同士において、延び方向(製氷プレート1の長手方向)が平行関係になるようにし、かつ、互いに接触しないよう離間させて、蛇行する冷媒パイプ2上に取り付けられるようになっている。
〈離氷ユニットについて〉
離氷ユニット17は、図6(斜視図)・図7(3面図)に示すように、立設リブ(仕切部)11、底板部(第2冷気伝導部材)12、およびボールネジ部(伝達部)13を含むように構成されている。なお、図7では、便宜上、開口部分(開口22)を塗りつぶして図示している。
《立設リブについて》
立設リブ11は、底板部12から立ち上がるようにして設けられている。具体的には、水平面(地面)に対して一面が垂直になるように配設されることになる底板部12から、立ち上がるように設けられた(立設された)リブになっている。特に、立設リブ11は、底板部12の面上において互いに離間するようにし、かつ一方向に並ぶようにして配設されている。
そのため、後述の製氷プレートユニット7と離氷ユニット17との組立が行われた場合、立設リブ11・11同士の間には、これら立設リブ11・11と、底板部12(底板片12a)・製氷プレート1とで溝(流下溝)21が形成されるようになる。なお、この流下溝(製氷部)21は、製氷水を流下させるために、延び方向が、水平面(地面)に対して垂直方向になっている。そして、上記の一方向(立設リブ11の並び方向)は水平方向になっている。
《底板部について》
底板部12は、複数の底板片(第2部材、第2冷気伝導部材、第2冷熱伝導部材)12aから構成されている。そして、この複数の底板片12aが、互いに離間するようにし、かつ立設リブ11の並び方向(水平方向)に対して垂直方向で並べるようにして配設されている。そして特に、立設リブ11の延び方向(立設リブ11の長手方向)と立設リブ11の並び方向とがほぼ90°で交わるように(交差するように)なっている。
そのため、底板片12a・12a同士の間には、立設リブ11で区切られる開口22(図7の塗りつぶし部分参照)が生じるようになるとともに、この開口22が水平方向に連なって成る嵌合溝23も形成されるようになっている。
なお、詳細については後述するが、本発明の製氷装置69では、流下溝21中に氷が生成される。そして、この氷を流下溝21から離氷させる必要がある。そこで、必要以上に(例えば離氷不可能なほどに)、氷と立設リブ11・底板部12とが固着しないようにするため、熱伝導率の低いセラミックスや樹脂、ステンレス等(図5参照)で、立設リブ11・底板部12が構成されていることが好ましい。
《ボールネジ部について》
図1・図2に示すボールネジ部13は、雄ネジ13aと雌ネジ13bとから構成されている。そして、雌ネジ13bは、離氷ユニット17の例えば最外部に該当する立設リブ11に取り付けられるようになっている。そして、雄ネジ13aの回転に応じて、雌ネジ13bが雄ネジ13aの軸方向で往復移動(例えば数mm程度で往復移動)できるようになっている。つまり、ボールネジ部13によって、離氷ユニット17が、製氷プレートユニット7に対して、移動(往復移動)できるようになっている。
〈離氷ユニット用駆動モーター(RUモーター)について〉
RUモーター(駆動部)31は、ボールネジ部13の雄ネジ13aを回転させるものである。具体的には、RUモーター31の回転軸31aと、ボールネジ部13の雄ネジ13aとが噛み合うようになっており、回転軸31aの回転に応じて、雄ネジ13aが回転するようになっている。
〈散水ユニットについて〉
図3に示す散水ユニット(給水ユニット)47は、流下溝21に製氷水を流下させるものであり、製氷水を貯留する製氷水タンク41、製氷水タンク41から流下溝21の入口までをつなぐ循環パイプ42、および、循環パイプ42に設けられ、この循環パイプ42を通じて製氷水を流下溝21の入口へと送り出すポンプ43を含むように構成されている。
なお、製氷水を流下(落下)させるために、流下溝21の延び方向(溝流れ方向)は、水平面(地面)に対して垂直方向になっている。そのため、流下溝21の入口は、その流下溝21の上方部分となる。
そこで、流下溝21の入口近傍に位置する循環パイプ42には、ポンプ43によって送り出されてきた製氷水が、流下溝21に流れ落ちる(落下)ようにするために、散水開孔44が設けられるようになっている(図1参照)。なお、この散水開孔44は、複数ある流下溝21毎に均一の水量が流下されるようにするために、各流下溝21に対応するように、設けられていることが好ましい。
また、流下溝21を流れる製氷水は、一部は氷膜となる一方、氷膜に成り得なかった残りの水は、流下溝21をつたって、その流下溝21外部へと流れ出てしまうことになる。そこで、この流れ出る水(未氷結水)を再度、製氷水として利用できるようにするため、製氷水タンク41に回収開口41aを設けるようにしている。具体的には、この回収開口41aと流下溝21の出口(すなわち、流下溝21の下方部分)とを、例えば近接するように配設することで、未氷結水が、回収開口41aを通じて製氷水タンク41に回収されるようにしている。なお、より効率よく未氷結水を回収するために、回収開口41aと流下溝21の出口とをつなぐ導入部(例えば、未氷結水がつたうような部材)を設けても構わない。
〈製氷完了検知センサーについて〉
製氷完了検知センサー51(図1〜図3等では不図示、図8参照)は、例えば温度を検知できるセンサーであって、氷膜の積層点近傍(すなわち製氷プレート1上)の温度を検知するようになっている。このように温度検知できる製氷完了検知センサー51があれば、例えば氷膜の積層によって、氷が使用可能なまでに成長したと判断できる温度(閾温度)を検知できる。
例えば、後述する制御部52(図8参照)にこの閾温度を記憶させるとともに、製氷完了検知センサー51の温度情報(検知温度)を取得できるようにし、その温度情報と閾温度とを比較することで、本発明の製氷装置69は、氷の状態〔使用可能な氷(塊氷)が形成されているか否か〕を把握できるようになっている。
〈制御部について〉
制御部52は、図8に示すように、少なくとも冷凍サイクルユニット10、RUモーター31、ポンプ43、および製氷完了検知センサー51を制御管理するものである。なお、制御部52の機能についての詳細は、後述するものとする。
〈氷貯留BOXについて〉
氷貯留BOX(氷貯留部)53は、流下溝21から離氷(落下)してきた氷を貯留させるものである。そのために、氷の落下先において配設されていることが好ましく、図3に示すように、製氷プレートユニット7・離氷ユニット17よりも下方に配設されるようになっている。
また、図3に示すように、氷貯留BOX53へ効率よく氷が導かれるようにするために、製氷水タンク41の一部に傾斜面41bを設け、落下してくる氷が、その傾斜面41bを転がるようにして、氷貯留BOX53へと導かれるようにしても構わない。
なお、この氷貯留BOX53は、例えば冷媒を利用することで氷点以下の状態で管理されるようになっており、離氷してきた氷を氷点以下で保存できるようになっている。
〔製氷プレートユニット・離氷ユニットによる製氷装置の組立について〕
製氷プレートユニット7と離氷ユニット17とによる製氷装置の組立について、図9・図10を用いて説明する。なお、便宜上、製氷プレートユニット7は点線にて図示している。
本発明の製氷装置69では、熱伝導率の高い材料から成る製氷プレート1を含む製氷プレートユニット7と、熱伝導率の低い材料から成る立設リブ11・底板部12を含む離氷ユニット17とが組み合わさることで構成されるようになっている。
具体的には、図9(組立工程を示す斜視図)・図10(組立工程を示す平面図)に示すように、離氷ユニット17に形成される嵌合溝23(図7参照)と、製氷プレートユニット7の製氷プレート1とを嵌め合わすようになっている。この嵌め合わせかたは、特に限定されるものではないが、図9・図10に示すように、嵌合溝23の延び方向に沿って、スライドさせるようにして嵌め合わせる方法が挙げられる。
なお、隙間なく嵌合溝23と製氷プレート1とが嵌り合うようにするために、嵌合溝23のサイズ・溝の深さと、製氷プレート1のサイズ・プレート厚とがほぼ合致するようになっていることが好ましい。このようにしておけば、流下溝21における底(すなわち、製氷プレート1と底板部12とから成る底)が面一状態(平滑面)となり、流下する水に対して抵抗を与えないようにできるためである。
このように嵌合溝23と製氷プレート1とを嵌め合わせると、図1に示すように、流下溝21は、製氷プレート1および底板片12aが交互に配設されるようになる。より具体的には、製氷プレート1および底板片12aは、流下溝21上に付着した水の流れ落ちる方向において、交互に配設されるようになっている。
〔製氷装置の製氷工程・離氷工程について〕
ここで、本発明の製氷装置69による製氷工程・離氷工程について、図11のフローチャートおよび図8のブロック図等を用いて説明する。なお、以降の説明では、フローチャートでの動作ステップをSと表示して説明する。また、S1〜S6までの工程を製氷工程、S7・S8の工程を離氷工程と表現する。
まず、制御部52が、冷凍サイクルユニット10を駆動させることで、冷媒パイプ2中に冷媒を流すようにする(S1)。この冷媒は、制御部52によって、−15℃〜−25℃程度(冷媒温度)になるように管理されており、製氷プレート1を気化熱で冷やすようになっている。その結果、この製氷プレート1上は、冷媒温度と同程度までに、急冷されるようになっている。
次に、制御部52は、散水ユニット47におけるポンプ43を駆動させることで、循環パイプ42中に、製氷水タンク41の製氷水を循環させるようにする(S2)。すると、循環パイプ42を流れる製氷水が、散水開孔44から製氷プレート1・立設リブ11・底板部12から成る流下溝21へと流れるようになる(S3)。
このように製氷水が、流下溝21をつたって流下していくとき、熱伝導率(冷媒の伝導率)の高い製氷プレート1上のみが冷媒温度と同程度になる一方、熱伝導率の低い立設リブ11・底板部12は、冷媒温度よりも高い温度で維持されるようになっている。
そのため、製氷プレート1上に、薄い氷膜が形成されるようになる(S4)。そして、冷媒によって、継続的に製氷プレート1が冷やされていくと、徐々に(連続的に)、氷膜が積層していく(S5)。そして、冷媒によって、ある一定の温度(閾温度)まで、製氷プレート1が冷やされるまでになると、積層(成長)していた氷膜が使用可能な大きさの氷(塊氷)となる(S6)。
このように、製氷水が流下(流下循環)されることで氷を形成する製氷工程では、水に溶存する空気等のガス成分(不純物)が拡散するようになっている。そのため、純水のみが製氷プレート1上で氷膜となる。
また、流下する製氷水が途中で氷膜になっている上(流れ落ちる水の中途の形状で固化されるようになっている上)、純水の氷膜上に、新たな氷膜が積層されるようになっている。そのため、氷膜が積層し続けて塊氷になるころには、半円の断面形状を有する透明度の高い氷が完成されるようになっている。
ところで、流下溝21の底は、製氷プレート1と底板片12aとが交互に並ぶように配設されている。そのため、製氷プレート1と底板片12aとには繋ぎ目が生じるようになっている。そして、この繋ぎ目付近は、冷媒による冷気の影響を受けやすくなっている。そのため、繋ぎ目を覆うようにして氷膜が形成されるようになる。したがって、繋ぎ目に隙間が生じたとしても、上記のように覆うように形成された氷膜がシールのような役割を果たすようになっている(つまり、繋ぎ目近傍に水漏れを防止するようなシール部材は不要となっている)。
なお、塊氷が形成されたか否かについての判断は、上記したように、製氷完了検知センサー51の検知温度と閾温度との比較によって判断される。具体的には、検知温度が閾温度(例えば−20℃〜−25℃)に到達した場合、制御部52は、塊氷が形成されているものと判断する一方、閾温度よりも高い場合、まだ継続して氷膜を積層させていく必要があるものと判断するようになっている。
また、S4〜S6において、氷膜と成り得なかった製氷水は、流下溝21をつたって製氷水タンク41へと回収され、再度、循環パイプ42から流下溝21へと導かれるようになっている(S4・S5・S6→S3)。
そして次に、S6にて、塊氷が形成されたものと、制御部52が判断できれば、制御部52は、RUモーター31を正回転駆動させる(S7)。具体的には、RUモーター31は、離氷ユニット17を不動の製氷プレートユニット7から離間する方向(X方向;スライド方向)へと、数mm程度移動(スライド移動)させる。
このように、離氷ユニット17が移動すると、製氷プレート1上に固着している塊氷を挟み込むように位置する立設リブ11・11がX方向(水平方向)に移動することになる。つまり、立設リブ11・11は、製氷プレート1上に固着した塊氷を強引に、X方向(正方向)へずらそうとする。そのため、塊氷に対して、せん断力が働くようになり、塊氷と製氷プレート1との固着が解除され、塊氷は製氷プレート1から離れるようになる。
すると、重力による自然落下によって、塊氷は、氷貯留BOX53へ向かって転がり落ちるようになる(S8)。なお、S7にて、塊氷が製氷プレート1から離氷した後、RUモーター31を逆回転駆動させることで、立設リブ11をY方向(スライド方向;)へと移動させて、元の位置に戻すようにしておけば、新たな製氷水を氷へと固化させることができる(製氷装置69が製氷可能状態にスタンバイされる)。
〔製氷装置の有する種々の特徴について〕
以上のように、本発明の製氷装置69は、冷媒によって冷却される流下溝21上に〔具体的には製氷プレート1・底板部12から成る平滑面の領域(製氷部)に〕、水を付着させることで、氷を生成するようになっている。そして、この流下溝21(製氷部ともいえる)は、冷媒による冷気の伝導率の高い製氷プレート1と、製氷プレート1よりも冷気の伝導率の低い離氷ユニット17の底板部12・立設リブ11とから構成されている。
そして、製氷プレート1は、冷媒によって氷点以下の温度を維持する冷気の伝導率(熱伝導率)を有している一方、底板部12・立設リブ11は、冷媒によっても氷点を超える温度を維持する冷気の伝導率を有している。なお、製氷プレート1には、冷媒の冷媒パイプ2が、連結されるようになっている。
このように、流下溝21において、水を氷へと固化させることのできる製氷プレート1と、固化させる温度(すなわち氷点;0℃)にまで温度の下がることのない底板部12・立設リブ11とが混在するようになると、流下溝21に氷の生成される部分と、氷の生成され得ない部分とが生じるようになる。つまり、氷が流下溝21全域に渡って生成されることがなくなり、流下溝21において、分離した塊氷が複数できることになる。
特に、底板部12・立設リブ11は、熱伝導率の低い材料から構成されているため、冷媒の冷気によって氷点以下にならない一方、製氷プレート1は、熱伝導率の高い材料から構成されているため、冷気によって急激に冷やされるようになっている。そのため、本発明の製氷装置69は、分離した塊氷を複数生成しながらも、冷凍能力を十分に有効利用できる(冷媒の冷気を十分に利用できる;例えば製氷効率が向上や、製氷時間の短縮化につながる)。
つまり、本発明の製氷装置69では、従来のように分離した塊氷を生成させるために冷凍能力を犠牲にして、熱伝導率の低い材料(例えばステンレス等)で、製氷プレート1の全てを構成する必要がなくなる。
また、本発明の製氷装置69では、流下溝21は、製氷プレート1および底板片12aが交互に配設して構成されている。具体的には、流下溝21に付着した水の流れ落ちる方向において、製氷プレート1および底板片12aが交互に配設されている(つまり、水の流れ落ちる方向と、製氷プレート1および底板片12aの並び方向とが同じ方向となっている。)
そのため、流下溝21の入口から出口に至るまでの水(製氷水)の流れ落ちる過程で、最初に製氷プレート1に付着した水が氷膜となる。一方、氷膜となり得なかった水は、そのまま、流下溝21に沿って流れていき、底板片12aを経て、次の製氷プレート1に到達する。そして、到達した水は、その製氷プレート1上で氷膜になる。この流れ落ちる過程が繰り返されることで、本発明の製氷装置69は、流下溝21に沿って、流れ落ちる水を効率よく、製氷プレート1上に導けるようになっているとともに、塊氷を流下溝21に沿って、複数並べるようにして形成できる。
なお、流下溝21は、製氷プレート1および底板部12(底板片12a)から成る平滑面から立ち上げるようになった立設リブ11によって区切られるようになっている。つまり、製氷プレート1および底板部12から成る領域(製氷部)は、立設リブ11によって区分けされるようになっている(仕切られるようになっている)。
そして特に、この立設リブ11の延び方向(立設リブ11の長手方向)は、水の流れ落ちる方向(製氷プレート1と底板片12aの並び方向)と同方向となっている。そのため、立設リブ11は、製氷プレート1および底板部12から成る領域(製氷部)において生成される氷膜(氷)を垂直方向に区分けするようになっている(すなわち、区分けされた氷が水平方向に並ぶような関係になっている)。
その上、立設リブ11は、底板部12と一体的に形成されるようになっており、この底板部12が、製氷プレート1に対してずれる方向に沿って、立設リブ11は、スライド移動可能になっている。
具体的には、立設リブ11(ただしこの立設リブ11と一体構造となっていることから底板部12も含む;すなわち離氷ユニット17)をスライド移動させるための動力源となるRUモーター31が設けられるとともに、このRUモーター31の動力を受けるボールネジ部13が立設リブ11に備えられるようになっている。そして、立設リブ11は、RUモーター31の動力の伝達を受けて、底板部12とともに、製氷プレート1からずれるようにスライド移動するようになっている。
このように立設リブ11がスライド移動するということは、流下溝21(具体的には製氷プレート1上)において生成された氷(塊氷)が、スライド移動する立設リブ11と強く接触することになる。そのため、製氷プレート1上に固着した塊氷に対して、せん断力が働くようになり、塊氷と製氷プレート1との固着が解除され、塊氷は製氷プレート1から離れるようになる。
つまり、本発明の製氷装置69では、製氷プレート1から氷を離氷させるために、あえて、氷表面を融解させるような必要がなくなる。そのため、氷点以下で管理された氷貯留BOX53にて、氷が貯留されている場合、融解している氷表面の水に起因して、塊氷同士が再凍結する事態を防止できる。その上、塊氷の融解によるサイズの縮小化も防止できる。また、水が存在しないことから(すなわち氷のままであることから)、氷貯留BOX53内において、雑菌等の繁殖を防止することもできる。
また、従来であれば、氷表面の融解に伴う水を氷貯留BOXから排出させるための排水口を設ける必要があったが、本発明の製氷装置69における氷貯留BOX53では、そのような排水口を設ける必要がなくなる。
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2について説明する。なお、実施の形態1で用いた部材と同様の機能を有する部材については、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
実施の形態1の製氷装置69は、流下溝21における製氷プレート1上に氷を生成させる一方、流下溝21における少なくとも立設リブ11をスライド移動させることで、製氷プレート1上の固着した氷を強引に離氷させるようにしている。
確かにこのような製氷装置69であれば、氷表面を融解させることなく、製氷プレート1から離氷させることが可能である。しかし、製氷プレート1と氷との固着強度が高ければ高いほど、立設リブ11をスライド移動させて、氷に与えるせん断力を大きくしなければならない場合もある。そのため、立設リブ11のスライド移動距離を長くしたり、RUモーター31の駆動力を大きくしたりする必要が生じてしまうこともある。
そこで、本実施の形態では、製氷プレート1から氷をより容易に離氷させるための処理(剥落処理)について説明していく。
剥落処理の一例としては、流下溝21の製氷プレート1上(水の付着面上)に、例えば非粘着性の材料から成るコーティング(被覆)を施すことが挙げられる。このような材料としては、例えばフッ素樹脂がある。
フッ素樹脂は、フッ素(F)を含むオレフィンの単量体の重合や共重合によって得られる樹脂であり、炭素(C)と強力に結合(C−F)した樹脂である。そのため、緻密に覆ったフッ素原子が炭素鎖を保護するようになっている。また、分子内の原子の配列が緊密かつ対照的であることにより電荷の分極が極めて小さく、さらに、分子間凝集力が極めて小さく表面エネルギーが極めて小さくなっている等に起因し、少なくとも以下の特長を有している。
・優れた非粘着性、非濡れ性
・優れた潤滑性(低摩擦係数)
・優れた耐寒性
・優れた撥水性
・優れた耐磨耗性
そこで、このフッ素樹脂を製氷プレート1上に、コーティングしておくと、非粘着性・潤滑性という性質から、氷が強力に製氷プレート1上に固着する事態を防止できる。そのため、立設リブ11のわずかなスライド移動のみによって〔わずかなせん断力(トルク)によって〕、製氷プレート1から氷を離氷(剥落)させることができる。つまり、製氷プレート1上にフッ素樹脂のコーティングが施されている場合のほうが、コーティングのない場合に比べて、わずかな力(トルク;およそ15分の1程度のトルク)で、離氷させることができる。その結果、駆動系の省力化、あるいはコンパクト化を図ることができる。
なお、フッ素樹脂は、優れた耐寒性を有することから、製氷装置69のような低温状況下において使用する場合に、極めて有効である。その上、撥水性も高いことから、流下溝21中を流れ落ちる水に対して、製氷プレート1上のフッ素樹脂が障害となり得ることはない。また、耐摩耗性も有しているので、フッ素樹脂のコーティング上で、何度も氷が生成されて剥落することが繰り返されたとしても、コーティング自体が劣化するという事態は起こりえない。
ただし、フッ素樹脂の熱伝導率は極めて低い〔およそ、0.1〜0.5W/(m・K)程度〕。そのため、フッ素樹脂のコーティングの厚みは、およそ数μm程度の薄膜状にしておくことが好ましい。このように、コーティングを薄膜状にしておけば、製氷プレート1上における氷生成面の熱伝導率が劣化するような事態を回避できるためである。
なお、フッ素樹脂のコーティングは、熱溶融による粉体塗装や、接着剤等による貼り合わせ等によって行われるようになっている。また、フッ素樹脂としては、例えば、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン・六フッ化エチレン共重合体、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、三フッ化塩化エチレン、エチレン・四フッ化エチレン共重合体等が挙げられる。
[実施の形態3]
本発明の実施の形態3について説明する。なお、実施の形態1・2で用いた部材と同様の機能を有する部材については、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
図12〜図16を用いて、実施の形態1・2に対応する別の製氷装置69について説明していく。図12は、本発明の製氷装置69における製氷プレートユニット7・離氷ユニット17を主体的に図示した斜視図であり、図13(a)は図12の正面図、図13(b)は図12の側面図になっている。また、図14は製氷プレートユニット7を図示した斜視図であり、図15は離氷ユニット17の斜視図である。また、図16は離氷ユニット17の3面図である。
なお、図13(b)は、便宜上、ガイド片8b(後述)を省略している。また、図16では、便宜上、RUモーター(駆動部)31を省略している。
〔製氷装置の構成について〕
〈製氷プレートユニットについて〉
製氷プレートユニット7は、図14に示すように、冷媒パイプ2、製氷プレート1、補助プレート8a、およびガイド片8bを含むように構成されている。なお、この図14の製氷プレートユニット7は、補助プレート8a・ガイド片8bを設けた以外は、実施の形態1(図4参照)と同様な構成になっている。また、製氷プレート1には、上記の剥落処理が施されていることが好ましい。
補助プレート8aは、一定間隔で離間して配設されている製氷プレート1の間隙に、嵌るようにして設けられたプレートである。そして、製氷プレート1と補助プレート8aとから成る結合体(プレート状の結合体;基材部)の面は、面一状態になっている。なお、この補助プレート8aは、底板部12と同様の材料、例えばセラミック樹脂やステンレス等の比較的熱伝導率の低い材料から構成されていることが好ましい。
ガイド片8bは、離氷ユニット17のスライド方向を規制するものであり、基材部を挟持するように立設している。具体的には、基材部の面における両端の各々から1つずつガイド片8bが立設することで、このガイド片8b・8bは、基材部を挟持するようになっている。また、ガイド片8bの延び方向(ガイド片8bの立ち上がり方向に対して垂直方向)と基材部を構成する製氷プレート1・補助プレート8aの長手方向とは、直交するようになっている。
そのため、製氷プレート1・補助プレート8aの長手方向に沿って、かつ、両ガイド片8b・8bの長手方向(延び方向)に対して垂直方向な断面(縦断面)をみると、このガイド片8b・基材部の結合体(製氷プレートユニット7)は、凹状になっている。そこで、この凹状部分に、離氷ユニット17が嵌められることで製氷装置69が完成するようになっている。なお、ガイド片8bは、底板部12同様に、セラミック樹脂やステンレス等の比較的熱伝導率の低い材料から構成されていることが好ましい。
〈離氷ユニットについて〉
離氷ユニット17は、図15(斜視図)・図16(3面図)に示すように、立設リブ(仕切部)11、底板部12、およびボールネジ部13を含むように構成されている。なお、図16では、便宜上、開口部分(開口22)を塗りつぶして図示している。
立設リブ11は、一定間隔で離間しながら、一方向に並べるようにして配設されている。そして、この間(立設リブ11・11の間)には、底板片12aが、立設リブ11の並び方向に対して垂直方向で、かつ一定間隔で離間しながら、並ぶように配設されている。なお、底板片12aは、製氷プレートユニット7と離氷ユニット17とを組立た場合(詳細は後述)、製氷プレートユニット7の補助プレート8aと重なり合うようになっている(つまり、底板片12a・12a同士の間隙(開口22)から、製氷プレート1が表出するようになっている)。
ボールネジ部13は、流下溝21の延び方向に(水平面に対して鉛直方向に)、離氷ユニット17を移動させるようになっている。そのため、ボールネジ部13の雄ネジ13a・雌ネジ13bの軸方向が、流下溝21の延び方向と同方向になっている。なお、ボールネジ部13の設置位置は特に限定されるものではないが、例えば、流下溝21の延び方向における始点側または終点側(流下溝21の延び方向と直交する離氷ユニット17の端部)に設けることができる。
〔製氷プレートユニット・離氷ユニットによる製氷装置の組立について〕
本発明の製氷装置69は、製氷プレートユニット7と、離氷ユニット17とを組み合わせることで構成される。具体的には、図12・図13に示すように、ガイド片8bにて挟持されている基材部の面上に、底板片12aの面を対向させるようにして離氷ユニット17が嵌るようになっている。そのため、両ガイド片8b・8b同士の間隔と、最外端の両立設リブ11・11同士の間隔(具体的にはガイド片8b・8bの内側面同士の間隔と、最外の両立設リブ11・11の外側面同士の間隔)とが、ほぼ合致するようなっていることが好ましい。
このように離氷ユニット17が、基材部の面上に取り付けられた場合、立設リブ11・11同士の間には、これら立設リブ11・11と、底板部12(底板片12a)・製氷プレート1とで溝(流下溝)21が形成されるようになる。
なお、流下溝21における底は、段差を有した状態になる。しかし、少なくとも、底板部12の間隙(底板片12a同士の間;開口22)から表出している製氷プレート1の面上は、平滑面になっている。また、段差があるといっても、極めて低い段であるため(底板片12aの厚みが極めて薄いため)、流下溝21を流れる水に対する抵抗が生じるまでには至らない。
なお、底板片12aと製氷プレート1との境目近傍に位置する底板片12aの端部が、傾斜等(流れれてくる製氷水をせき止めないような傾斜等)を持つようになっていてもよい。例えば、製氷プレート1の表出面と、底板片12aの端部の面(底板片12aの側面)との角度が鈍角にしておけばよい。このようにしておけば、流下溝21を流れる水に対する抵抗が生じるまでには至らないためである。
〔製氷装置の製氷工程・離氷工程について〕
ここで、図12・図13に示す本発明の製氷装置69による製氷工程・離氷工程について図11(フローチャート)、および図17・図18を参照しながら説明する。ただし、このフローチャートのS1〜S6(製氷工程)は、上記の説明と同様のため、S7・S8(離氷工程)を重点的に説明していく。また、図17・図18では、便宜上、ガイド片8bを省略している。
図17(側面図)に示すように、製氷工程の完了後、基材部における製氷プレート1上には、氷が生成される。そして、製氷工程でのS6にて、塊氷が形成されたものと、制御部52が判断できれば、制御部52は、RUモーター31を正回転駆動させる(S7)。具体的には、離氷ユニット17を不動の製氷プレートユニット7から離間する方向(V方向;スライド方向)へと、数mm程度移動(スライド移動)させる。
このように、離氷ユニット17が移動すると、塊氷同士の間に位置する底板片12aが、スライドすることになる。つまり、底板片12aは、製氷プレート1上に固着した塊氷を強引に、V方向(正方向)へずらそうとする。そのため、塊氷に対して、せん断力が働くようになり、塊氷と製氷プレート1との固着が解除される。その結果、塊氷は製氷プレート1から離れるようになる。
すると、図18に示すように、重力による自然落下によって、塊氷は、氷貯留BOX53へ向かって転がり落ちるようになる(S8)。なお、S7にて、塊氷が製氷プレート1から離氷した後、RUモーター31を逆回転駆動させることで、立設リブ11をW方向(スライド方向;)へと移動させて、元の位置に戻すようにしておけば、新たな製氷水を氷へと固化させることができる(製氷装置69が製氷可能状態にスタンバイされる)。
〔製氷装置の有する種々の特徴について〕
図12に示すように、製氷プレートユニット7と離氷ユニット17とを組立てることで完成した製氷装置69では、流下溝21は、底板片12a・12aの間隙(開口22;図16参照)から表出した製氷プレート1と、補助プレート8a上に積重した底板部片12aとを交互に配設して構成されていることになる。
つまり、このような流下溝21は、一定間隔で離間させた底板片12aを、少なくとも一部に製氷プレート1を含んで成る基材上に重ね、かつ、製氷プレート1を底板片12aの間隙から表出させる構成になっているといえる。そして、かかる場合、この表出した製氷プレート1と底板片12aとが、交互に配設することになる。
そのため、上記の実施の形態と同様に、氷が流下溝21全域に渡って生成されることがなくなり、流下溝21において、分離した塊氷が複数できることになる。その結果、実施形態3の製氷装置69は、上記した本発明の製氷装置69(実施の形態1・2で説明した製氷装置69)と同様の作用効果を発揮する。
[実施の形態4]
本発明の実施の形態4について説明する。なお、実施の形態1〜3で用いた部材と同様の機能を有する部材については、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
本発明の製氷装置69は、さらなる別の構成も想定できる。例えば図19のような製氷装置69である。
〔製氷装置の構成について〕
〈製氷プレートユニットについて〉
製氷プレートユニット7は、図19に示すように、コイル状に蛇行した冷媒パイプ2、および、この冷媒パイプ2に取り付けられた筒状(例えば円筒状)の製氷プレート1(筒型製氷プレート1b)を含むように構成されている。なお、筒型製氷プレート1bには、上記の剥落処理が施されていることが好ましい。また、この筒型製氷プレート1bに代えて、実施の形態3のように、製氷プレート1・補助プレート8aから構成された筒状の基材部であってもよい。
〈離氷ユニットについて〉
離氷ユニット17は、筒状体12b、立設リブ(仕切部)11、およびボールネジ部(図19では不図示)を含むように構成されている。
筒状体12bは、筒型製氷プレート1bを嵌め込める程度の内周を有した筒(例えば円筒)を有しており、かつ、筒の面に表出開孔12bcを点在させている。なお、筒状体12bは、底板部12同様、セラミック樹脂やステンレス等の比較的熱伝導率の低い材料から構成されていることが好ましい。
立設リブ11は、一定間隔で離間しながら、筒状体12bの表面から放射方向で立ち上がるように配設されている。そして、立設リブ11の延び方向(放射方向に対して垂直方向;立設リブ11の長手方向)は、鉛直方向になっている。なお、この間(立設リブ11・11同士の間)に、表出開孔12bcが一定間隔で離間しながら、立設リブ11の延び方向と同方向で、並ぶようになっている。
なお、製氷プレートユニット7と離氷ユニット17とを組立た場合、すなわち筒状体12bに筒型製氷プレート1bを嵌め込んだ場合、筒型製氷プレート1bと筒状体12bとは重なり合う。そのため、筒状体12bの表出開孔12bcから筒型製氷プレート1bの表面が表出するようになっている。
ボールネジ部の構成は、特に限定するものではないが、筒型製氷プレート1bの周囲を覆う筒状体12bを回転させるようになっている。
〔製氷プレートユニット・離氷ユニットによる製氷装置の組立について〕
本発明の製氷装置69は、製氷プレートユニット7と、離氷ユニット17とを組み合わせることで構成される。具体的には、筒型製氷プレート1bが筒状体12bに嵌まるようになっている。そのため、筒型製氷プレート1bの外径と、筒状体12bの内径とが、ほぼ合致するようなっていることが好ましい。
そして、筒型製氷プレート1bが筒状体12bに嵌まると、筒型製氷プレート1bと筒状体12bとは重なり合う。そのため、立設リブ11・11同士の間は、これら立設リブ11・11と、筒状体12b・筒型製氷プレート1bとで溝(流下溝)21が形成されるようになる。
なお、流下溝21における底は、段差を有した状態になる。しかし、少なくとも、表出開孔12bcから表出している筒型製氷プレート1bの面は、平滑面になっている。また、段差があるといっても、極めて低い段であるため(筒状体12bの厚みが極めて薄いため)、流下溝21を流れる水に対する抵抗が生じるまでには至らない。また、表出開孔12bcの内周端は、傾斜等(流れてくる製氷水をせき止めないような傾斜等;例えば筒型製氷プレート1bの面と表出開孔12bcの内周端の面との角度が鈍角)を持つようになっていてもよい。このようにしておけば、流下溝21を流れる水に対する抵抗が生じるまでには至らないためである。
〔製氷装置の製氷工程・離氷工程について〕
ここで、図19に示す本発明の製氷装置69による製氷工程・離氷工程について図11(フローチャート)を参照しながら説明する。ただし、このフローチャートのS1〜S6(製氷工程)は、上記の説明と同様のため、S7・S8(離氷工程)を重点的に説明していく。
製氷工程の完了後、筒状体12bから表出した筒型製氷プレート1bには、氷が生成される。そして、製氷工程でのS6にて、塊氷が形成されたものと、制御部52が判断できれば、制御部52は、RUモーター31を正回転駆動させる(S7)。具体的には、筒状体12bを回転移動(スライド移動)させることで、筒状体12bと筒型製氷プレート1bとが互いにずれるようにする。
このように、離氷ユニット17(筒状体12b)が回転移動(例えば正回転移動)すると、筒型製氷プレート1b上に固着している塊氷の周囲に位置する筒状体12bがスライドすることになる。つまり、筒状体12bは、製氷プレート1上に固着した塊氷を強引にずらそうとする。そのため、塊氷に対して、せん断力が働くようになり、塊氷と筒型製氷プレート1bとの固着が解除され、塊氷は筒型製氷プレート1bから離れるようになる。また、さらなる筒状体12bの回転が継続すると、立設リブ11が塊氷に接触するようになって、確実に塊氷を製氷プレート1から離氷させる。
すると、重力による自然落下によって、塊氷は、氷貯留BOX53へ向かって転がり落ちるようになる(S8)。なお、S7にて、塊氷が筒型製氷プレート1bから離氷した後、RUモーター31を逆回転駆動させることで、立設リブ11を元の方向(スライド方向)へと移動させて(すなわち、筒状体12を逆回転させて元の位置に戻すようにして)おけば、新たな製氷水を氷へと固化させることができる(製氷装置69が製氷可能状態にスタンバイされる)。
〔製氷装置の有する種々の特徴について〕
図19に示すように、表出開孔12bcを有する筒状体12bを、筒型製氷プレート1bに重ね、かつ、筒型製氷プレート1bを表出開孔12bcから表出させるようになった流下溝21を備えた製氷装置69では、流下溝21は、表出開孔12bcから表出した筒型製氷プレート1bと、筒状体12bとを交互に配設して構成されていることになる。
そのため、上記の実施の形態と同様に、氷が流下溝21全域に渡って生成されることがなくなり、流下溝21において、分離した塊氷が複数できることになる。その結果、実施形態4の製氷装置69は、上記した本発明の製氷装置69(実施の形態1〜3で説明した製氷装置69)と同様の作用効果を発揮する。また特に、図19に示す製氷装置69の場合、氷は曲面を有する筒型製氷プレート1b上に生成されることから、曲面を備えた氷が生成されることになる、このような曲面を有する氷は、単純な四角状の氷に比べて、美しい形状を有しているといえる。
[その他の実施の形態]
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
例えば、実施の形態3では、製氷プレートユニット7は、製氷プレート1・補助プレート8aを混在させた基材部を含むようになっている。しかし、これに限定されるものではなく、本発明の製氷装置69は、1枚状の製氷プレート1上に離氷ユニット17を載置させるような構成であってもよい。かかる場合、製氷プレートユニット7の構成が簡単になる。
また、図20のように、曲面を有する製氷プレート1上に、曲面を有する立設リブ11・底板部12(底板片12a)から成る離氷ユニット17を取り付けたような製氷装置69でもよい。かかる場合、天地方向の寸法を縮小することができ、製氷装置69がコンパクトになる。
また、図21に示すような離氷ユニット17を複数備えるようにした製氷装置69でもよい。この離氷ユニット17は、2枚の立設リブ11を、一定間隔で離間しながら、一方向に並べるようにして配設し、この間(立設リブ11・11の間)に、底板片12aを、一定間隔で離間しながら、並ぶように配設させている。そして、このような離氷ユニット17を複数備えた製氷装置69は、ボールネジ部13とRUモーター31とを最適に組み合わせることで、各離氷ユニット17毎に、スライド移動できる。かかる場合、離氷ユニット17をスライドさせる力がより小さくなるといえる。
また、製氷水を効率よく流すために、流下溝21の延び方向は、鉛直方向になっていることが好ましいが、これに限定されるものではない。離氷ユニット17・製氷プレートユニット7を傾けることで、流下溝21の延び方向を傾斜させるようにしてもよい。
また、離氷ユニット17のスライド方向は、製氷プレートユニット7に対してずれるような方向であれば(スライドできる方向であれば)、特に限定されるものではない。例えば、鉛直方向であってもよいし、円周方向であってもよい。あるいはらせん状の軌跡を描く方向等に移動させてもよい。ただし、いずれの移動方向においても、流下溝21における製氷水の流れが問題ないようにする点と、および製氷装置の大型化を防止する点については留意する必要がある。
また、本発明の製氷装置69は、例えば、ボールネジ部13・RUモーター31(スライド機構)を用いて、立設リブ11(離氷ユニット17)を製氷プレート1からずらすように(スライド移動)させているが、これに限定されることはない。
例を挙げるなら、ウォームギア・ホイールを用いたスライド機構や、ラックレールとピニオンギアを用いたスライド機構、電磁ソレノイド式アクチュエーターを用いたスライド機構であっても構わない。
また、嵌合溝23と製氷プレート1とが、より強固につながるようにするために、両者の隙間(すなわち、嵌合溝23を構成する底板片12aと製氷プレート1との隙間)に接着剤等を介在させるようにしておいても構わない。
また、本発明の製氷装置69では、製氷完了検知センサー51の検知温度によって、塊氷が生成されたか否かについて判断するようになっているが、これに限定されることはない。例えば、一定時間経過したときに、塊氷が生成がされたものと判断して、離氷動作を行うようにしていてもよい。要は、塊氷が生成されたか否かが判断できれば、その判断手段は何であっても構わない。
また、本発明の製氷装置69では、氷貯留BOX53の内部が、氷点以下に管理されるようになっているが、その氷点以下の温度状態を作り出す方法は種々考えられる。例えば、製氷プレート1につながる冷媒パイプ2を延長させて、氷貯留BOX53に連結するようにしてもよいし、別途の例えば冷凍室内に配設するようにしておいてもよい。
なお、本発明の製氷装置69は、種々の電化製品に利用されるようになっている。例えば、家庭用の冷凍冷蔵庫や、業務用の大型製氷機、カップ式の飲料水販売機等に利用されるようになっている。
また、上記の説明では、冷凍サイクルユニット10を用いた製氷装置69を例に挙げて説明してきたが、これに限定されるものではない。例えばスターリングエンジンを利用した製氷装置であってもよい。また、製氷部の冷却方式も種々想定できる。製氷部は、例えば、冷媒によって低温化された冷気によって冷却されてもよいし、冷却流体(冷媒)との直接または間接の接触による冷却(熱交換)であってもよい。また、冷媒を利用せずに冷気のみで冷却する製氷部であってもよい。要は、氷の生成できる温度までに冷却可能な冷却方式であればよい。そのため、熱交換の場合は、製氷プレート・底板部は、冷熱の伝わる部材(冷熱伝導部材)と表現してもよい。
また、製氷プレートおよび底板部を同一の熱伝導率を有する材料(例えば、銅やアルミニウム)で構成してもよい。但し、かかる構成の場合、上記してきた本発明の効果を発揮させるために、底板部の過剰な低温化(例えば氷点以下)を防止する必要がある。そこで、かかる構成の場合、断熱塗料等が底板部に塗布されているとよい(断熱処理が施されていればよい)。このような断熱塗料があれば、同一の熱伝導率を有する材料から成る製氷プレートおよび底板部であっても、上記同様、異なる熱伝導率を有する製氷プレートおよび底板部になるためである。すなわち、断熱処理の有無によって、製氷プレートおよび底板部が、異なった熱伝導率を有するようになっていてもよい。
また、本発明の製氷装置は、下記のように表現することもできる。
本発明は、冷凍サイクルまたは,氷点以下に冷却できる冷却手段によって板状体(製氷プレート1)を冷却し、低温の板状体に水を流下循環させて製氷する製氷装置であって、製氷を行う製氷部(少なくとも製氷プレート1および底板部12を含む領域)を高熱伝導性部材と低熱伝導性部材との組み合わせで構成し、製氷部内において、氷点以下の低温部(低温領域)と氷点を超える高温部(高温領域)を複数形成するようにしたことを特徴としている。
また、本発明の製氷装置では、製氷部が、高熱伝導性部材を分割して多段に構成され、分割してできる間隙に、同じく分割して多段多列に構成した低熱伝導性部材を挿入して構成されるようになっていることを特徴としている。
また、本発明の製氷装置では、製氷部において、高熱伝導性部材と低熱伝導性部材とが組み合わされた状態で製氷面となる一面が平滑な板状に形成され、この板状に形成された面に、垂直に多列の低熱伝導性部材から成る仕切部(立設リブ11)が形成されるようになっていることを特徴としている。
製氷部の多段多列に構成した低熱伝導性部材には、製氷後、左右(水平方向)に数mm程度、機械的に可動する手段が設けられていることを特徴としている。
製氷部の多段に分割された高熱伝導性部材の製氷面となる面には、非粘着性の表面処理または塗装が施されていることを特徴としている。
また、本発明の製氷装置では、冷凍サイクルまたは、氷点以下に冷却できる冷却手段によって冷却される製氷部で、水を流動させて氷を生成する製氷装置であって、平滑面を有する製氷部と、この平滑面を覆うように重ねて配置され、摺動可能な仕切部の組み合わせで構成されることを特徴としている。なお、本発明の製氷装置では、仕切部を摺動させる手段が備えられている。
また、本発明の製氷装置では、摺動可能な仕切部が、製氷部の平滑面に沿うような面からなり、単一または複数の開孔を持つ板状体によって構成されることを特徴としている。
また、本発明の製氷装置では、上記板状体から立設するように設置される単一または複数の仕切板を備えていることを特徴としている。
本発明は、滴下させる製氷水を製氷プレート上にて、氷として固化させる製氷装置(いわゆるプレート式の製氷装置)に有用である。
本発明の製氷装置における製氷プレートユニット・離氷ユニット等を主体的に図示した概略斜視図である。 (a)は図1の正面図、(b)は図1の側面図である。 製氷装置に含まれる製氷プレートユニット・離氷ユニットに加え、散水ユニット等も図示した側面図である。 本発明の製氷装置において用いられる製氷プレートユニットの概略斜視図である。 製氷プレートユニットの製氷プレート、あるいは離氷ユニットの底板部・立設リブを構成する材料の熱伝導率を示したテーブルである。 本発明の製氷装置において用いられる離氷ユニットの概略斜視図である。 離氷ユニットの正面図、側面図、底面図からなる3面図である。 制御部に関するブロック図である。 製氷プレートユニットと離氷ユニットとを組み立てるときの工程(組立工程)を示す斜視図である。 製氷プレートユニットと離氷ユニットとを組み立てるときの工程(組立工程)を示す平面図である。 製氷工程・離氷工程を示すフローチャートである。 図1の他の一例を示す本発明の製氷装置の概略斜視図である。 (a)は図12の正面図、(b)は図12の側面図である。 図4の他の一例を示す製氷プレートユニットの概略斜視図である。 図6の他の一例を示す離氷ユニットの概略斜視図である。 図7の他の一例を示す離氷ユニットの正面図、側面図、底面図からなる3面図である。 製氷工程の完了後の本発明の製氷装置の概略側面図である。 離氷工程を行っている本発明の製氷装置の概略側面図である。 図1・図12の他の一例を示す本発明の製氷装置の概略斜視図である。 図1・図12・図19の他の一例を示す本発明の製氷装置の概略側面図である。 図6・図15の他の一例を示す離氷ユニットの概略斜視図である。 従来の製氷装置を示す概略図である。 図22の他の一例を示す従来の製氷装置の斜視図である。 (a)は図22の正面図であり、(b)は図22の側面図である。
符号の説明
1 製氷プレート(第1部材、第1冷気伝導部材、第1冷熱部材)
1b 筒型製氷プレート(第1部材、第1冷気伝導部材、第1冷熱部材)
2 冷媒パイプ
7 製氷プレートユニット
8a 補助プレート
8b ガイド片
11 立設リブ(仕切部)
12 底板部(第2部材、第2冷気伝導部材、第2冷熱部材)
12a 底板片(第2部材、第2冷気伝導部材、第2冷熱部材)
12b 筒状体(第2部材、第2冷気伝導部材、第2冷熱部材)
12bc 表出開孔(開孔)
13 ボールネジ部(伝達部)
17 離氷ユニット
21 流下溝(製氷部)
31 RUモーター(駆動部)
41 氷貯留BOX(氷貯留部)
42 循環パイプ
43 ポンプ
44 散水孔
X スライド方向
Y スライド方向
V スライド方向
W スライド方向

Claims (7)

  1. 冷却される製氷部上に、散水による水をつたわせることで氷膜を積層させ、氷を生成する製氷装置にあって、
    上記製氷部は、第1部材と第2部材とを含むとともに、上記第2部材の面に仕切部を立設しており、
    上記の仕切部および第2部材が、上記製氷部を構成する面に沿ってスライド移動することで離氷を行っていることを特徴とする製氷装置。
  2. 上記製氷部に含まれる第1部材および第2部材のうち、水の付着する少なくとも一方の部材の面は、平滑面になっていることを特徴とする請求項1に記載の製氷装置。
  3. 上記の第1部材および第2部材は互いに異なる熱伝導率を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の製氷装置。
  4. 冷却される製氷部上に、散水による水をつたわせることで氷膜を積層させ、氷を生成する製氷装置にあって、
    上記製氷部は、
    互いに異なる熱伝導率を有する第1部材および第2部材を含むとともに、
    少なくとも一部に上記第1部材を含んで成る基材部に、上記第2部材を一定間隔で離間させつつ重ねることで、上記第2部材の間隙から上記第1部材を表出させ、この表出した上記第1部材と上記第2部材とを、交互に配設させていることを特徴とする製氷装置。
  5. 上記製氷部で生成された氷を貯留する氷貯留部が設けられるとともに、この氷貯留部の
    内部が、氷点以下を維持するようになっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の製氷装置。
  6. 水の付着する上記第1部材上には、生成された氷を剥落させやすくする剥落処理が施されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の製氷装置。
  7. 上記剥落処理として、上記第1部材上にフッ素樹脂が被覆されていることを特徴とする請求項6に記載の製氷装置。
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