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JP3809699B2 - レンチキュラーレンズシート - Google Patents

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JP3809699B2
JP3809699B2 JP10842897A JP10842897A JP3809699B2 JP 3809699 B2 JP3809699 B2 JP 3809699B2 JP 10842897 A JP10842897 A JP 10842897A JP 10842897 A JP10842897 A JP 10842897A JP 3809699 B2 JP3809699 B2 JP 3809699B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、背面投射型スクリーンに使用するレンチキュラーレンズシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、大画面の映像の表示方法として、CRTや液晶パネルから光学像を投射レンズにより背面投写型スクリーンに拡大投写する方法が知られている。図3は、この方法で映像を形成する一般的な背面投写型テレビジョンの概略構成図であり、図4はその光線説明図であり、図5は、図3の背面投写型テレビジョンで使用するスクリーンの斜視図である。
【0003】
同図の背面投写型テレビジョンにおいては、キャビネット6内に設置されたR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)のそれぞれのCRT1からの光学像が投写レンズ2により拡大され、反射鏡7で反射されてフレネルレンズ3とレンチキュラーレンズシート4からなる背面投写型スクリーン5に結像される。ここで、フレネルレンズ3は、入射した光を観察者の位置する方向にほぼ向けさせるという作用を担い、レンチキュラーレンズシート4は、フレネルレンズ3から出た光を水平方向及び垂直方向の所定の角度に適当な分配割合で分散させ、視野角を所定の範囲に広げるという作用を担っている。
【0004】
しかしながら、このような表示装置においては、R、G、BのそれぞれのCRT1の投写光の集中角εに起因して、スクリーン5を観察する位置を水平方向に変えることによりスクリーン上の画像の色も変化する(図4参照)。即ち、通常のCRT1の配置は、グリーンが中央に位置し、レッド及びブルーは左右にずれて位置するので、観察する位置を左右に変えるとレッドあるいはブルーの色が強くなる。このような現象は、カラーシフトと呼ばれている。
【0005】
そこで、カラーシフトを低減させるため、従来よりレンチキュラーレンズシートとして、図6に示したように、光の入射側面にシリンドリカルレンズを複数並列させた入射側レンチキュラーレンズ11を形成し、出射側面にもシリンドリカルレンズを複数並列させた出射側レンチキュラーレンズ12を形成し、さらに出射側面には、入射側レンチキュラーレンズ11の非集光部に光吸収層13を形成した両面レンチキュラーレンズシート10を使用することが知られている。
【0006】
一方、現在、レンチキュラーレンズシートの製造方法としては、生産性が高いこと等の理由で、熱可塑性樹脂の押出成形法がとられている。この方法では、ダイの全幅にわたり円滑な押し出しができるように、ダイの端部では中央部より温度が5〜10℃高めに調整される。これは、マニホールド内の圧力が端部で降下してくるのを粘度の低下によって補うためである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ダイの温度を中央部より端部で高くするために、レンチキュラーレンズシートを構成するシリンドリカルレンズの曲率半径が、レンチキュラーレンズシートの全幅にわたっては等しくならず、中央部に対して端部で数%程度も小さくなり、所期の形状と異なるものとなっているのが実状である。
【0008】
そのため、レンチキュラーレンズシートの中央部において、このシートの出射側面上に入射側レンチキュラーレンズが集光するようシートの厚みを定め、かつシートの出射側面上における入射側レンチキュラーレンズの非集光部に光吸収層を設けると、レンチキュラーレンズシートの端部では、入射側レンチキュラーレンズから入射した光が出射側レンチキュラーレンズから出射することが、光吸収層によって妨げられるという所謂光のけられが生じ、レンチキュラーレンズシートの光透過率が著しく低下し、スクリーンの画像が暗くなるという問題が生じていた。
【0009】
この光のけられの問題に関しては、片面レンチキュラーレンズシート(即ち、光線の入射側面に入射側レンチキュラーレンズが設けられ、この入射側レンチキュラーレンズに入射した光が出射する部分には平らな出射面が設けられたレンチキュラーレンズシート)について、そのレンチキュラーレンズシートを構成するシリンドリカルレンズの曲率半径が中央部に対して端部で小さくなるのに対応させて、レンチキュラーレンズシートの厚さを中央部に対して端部で薄く成形することが提案されている(実公昭63−44819号公報)。
【0010】
しかしながら、このような手法は片面レンチキュラーレンズシートでは有効であっても、図6に示したように、入射側と出射側の双方の面にレンチキュラーレンズ11,12を設ける両面レンチキュラーレンズシート10においては全光線透過率が低下するため有効な手段とはならない。即ち、図7に示した片面レンチキュラーレンズシート10xのように、光線の入射側面には入射側レンチキュラーレンズ11を有するが、光線の出射側面には出射側レンチキュラーレンズをもたず、平らな出射面が形成されており、また、出射側面には光吸収層13が形成されているレンチキュラーレンズシートにおいては、光線の出射側面を当初の位置の出射側面S0から破線の位置の出射側面S1に変更することによりレンチキュラーレンズシートの厚さをt0からt1に薄くしてもシートの出射側面S0、S1に対する光Lの入射角はθ0=θ1で変わらず、したがって、出射側面S0、S1における光Lの透過率もシートの厚さを薄くすることによって変わることはない。
【0011】
これに対し、図6に示したように光の入射側面と出射側面にそれぞれレンチキュラーレンズ11、12が形成されている両面レンチキュラーレンズシート10においては、図8に示したように、実線で示す当初の出射側面S0から破線で示す位置の出射側面S1に変更することによりシートの厚さをt0からt1に薄くすると、シート厚を薄くする前の出射側面S0に対する光線Lの入射角θ0に対して、シート厚を薄くした後の出射側面S1に対する光線Lの入射角θ1が大きくなり、そのために出射側面S1での反射率が高くなり、場合によっては出射側面S1で全反射し、シートを透過する光の量が著しく低減する。したがって、このレンチキュラーレンズシートでは観察される画像が暗くなるという問題が生じる。
【0012】
本発明は以上のような従来技術の課題を解決しようとするものであり、片面レンチキュラーレンズシートに対して、カラーシフトを低減させることのできる両面レンチキュラーレンズシートにおいて、シートの出射側面に形成した光吸収層による光のけられを防止し、かつシートの全光線透過率も向上させて光の利用効率を向上させることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、両面レンチキュラーレンズシートを押出成形法で製造するにあたり、樹脂の温度、押し出し量等を調整することにより、入射側レンチキュラーレンズシートを構成するシリンドリカルレンズのレンズ深さをシート中央部に対してシート周辺部で特定の割合以上に高くすることができ、これにより光の出射面の光吸収層による光のけられの問題を解消でき、また、全光線透過率も向上させられることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0014】
即ち、本発明は、光線の入射側面にシリンドリカルレンズをシートの幅方向に並列させた形状の入射側レンチキュラーレンズを有し、出射側面にシリンドリカルレンズをシートの幅方向に並列させた形状の出射側レンチキュラーレンズを有し、入射側レンチキュラーレンズの略集光位置に出射側レンチキュラーレンズシートの頂部が形成されている両面レンチキュラーレンズシートにおいて、このレンチキュラーレンズシートを用いて構成される背面投写型スクリーンの有効画面範囲中央部の入射側レンチキュラーレンズのレンズ深さをhi0、該有効画面範囲端部の入射側レンチキュラーレンズのレンズ深さをhi1としたときに、
0.98≦hi1/hi0≦1.10
が満足され
スクリーンの有効画面範囲中央部から、入射側レンチキュラーレンズを構成するシリンドリカルレンズの長手方向と直交する方向に距離xの位置における該入射側レンチキュラーレンズのレンズ深さをh i x としたときに、スクリーンの有効画面範囲内において、h i x /h i 0 がxの増加に伴い単調に減少又は増加することを特徴とするレンチキュラーレンズシートを提供する。
【0015】
ここで、入射側レンチキュラーレンズを構成するシリンドリカルレンズのレンズ深さとは、入射側レンチキュラーレンズを構成する複数のシリンドリカルレンズの隣接するもの同士の境界線であるレンズ谷部から、そのシリンドリカルレンズのレンズ面が最も光源側に突出した部位であるレンズ頂部への高さをいう。したがって、各シリンドリカルレンズが真円断面形状を有する場合であって、各シリンドリカルレンズのピッチが等しい場合には、シリンドリカルレンズの曲率半径が小さい程レンズ深さは大きくなる。
【0016】
また、本発明においては、シリンドリカルレンズのレンズ断面は真円形状に限らず、例えば、レンズ断面が楕円や、次の高次式
【0017】
【数1】
Figure 0003809699
【0018】
(式中、xはレンズ中心からピッチ方向への距離、Cは曲率半径の逆数、Kは円錐定数、D、E、F、Gはそれぞれ4次から10次までの項の係数を表す。)
で表される曲線等の場合も包含する。
【0019】
本発明によれば、入射側レンチキュラーレンズのレンズ深さが、このレンチキュラーレンズシートを用いて構成される背面投写型スクリーンの有効画面範囲の中央部に比して端部で0.98以上となっているので、レンチキュラーレンズシートの端部において入射側レンチキュラーレンズに入射した光が出射側レンチキュラーレンズへ入射するときのその入射角θ1が過度に大きくなることはなく、中央部での入射角θ0と同等になる。したがって光のけられを防止し、カラーシフトを低減させ、かつ全光線透過率も向上させることが可能となる。また、中央部に対する端部のレンズ深さの比の上限は1.10となっているので、水平拡散性の減少によるカットオフ現象を防止することも可能となる。
【0020】
なお、このような効果は、本発明のレンチキュラーレンズシートを、3つのCRTを使用してカラーの光学像を映す背面投写型スクリーンに使用する場合だけに得られるものではない。本発明のレンチキュラーレンズシートを使用した背面投写型スクリーンは、CRTだけでなく、LCDやDMDを光源とした場合でも全光線透過率を向上させることができ、また、水平拡散性を増大させてカットオフ現象を防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は、同一又は同等の構成要素を表している。
【0022】
図1は、本発明の一態様のレンチキュラーレンズシート10Aの幅方向の断面図である。同図に示したように、このレンチキュラーレンズシート10Aは、光線の入射側面に入射側レンチキュラーレンズ11を有し、光線の出射側面にも出射側レンチキュラーレンズ12を有する両面レンチキュラーレンズシートであり、光線の出射側面上の、入射側レンチキュラーレンズ11の非集光部に光吸収層13を設けたものである。
【0023】
入射側レンチキュラーレンズ11及び出射側レンチキュラーレンズ12は、それぞれシリンドリカルレンズをシートの幅方向に並列させた形状を有している。ここで、入射側レンチキュラーレンズ11を構成するシリンドリカルレンズは、その曲率半径につき、シート中央部(即ち、このレンチキュラーレンズシートを用いて構成される背面投写型スクリーンの有効画面範囲中央部)での曲率半径Ri0に対して、シート中央部からシートの幅方向の距離がxであるシート周辺部での曲率半径Rixがxの増加に伴い単調に小さくなり、それに応じてシート周辺部のレンズ深さhixのシート中央部のレンズ深さhi0に対する比が単調に増加している。そして、このレンチキュラーレンズシートを用いて構成される背面投写型スクリーンの有効画面範囲では、その両端部の入射側レンチキュラーレンズのレンズ深さhi1がいずれも中央部のレンズ深さhi0に対して0.98以上1.10以下となっている。
【0024】
このように入射側レンチキュラーレンズシートの端部のレンズ深さをシート中央部のレンズ深さに対して特定の関係に設定することにより、後述するようにカラーシフトを低減し、また全光線透過率を向上させることができる。
【0025】
なお、このレンチキュラーレンズシート10Aにおいては、入射側レンチキュラーレンズ11の頂部と出射側レンチキュラーレンズ12の頂部との距離であるシート厚については、シート中央部のシート厚t0とシート中央部から幅方向の距離がxであるシート周辺部のシート厚txとは略等しく、シートの全幅にわたって均一となっている。
【0026】
このレンチキュラーレンズシート10Aの中央部と周辺部とのそれぞれにおける光線Lの透過状態を図1にあわせて示す。
【0027】
この図1のレンチキュラーレンズシート10Aによれば、レンチキュラーレンズシートを構成する入射側レンチキュラーレンズ11のシリンドリカルレンズのレンズ深さにつき、シート中央部に対してシート周辺部が0.98以上に形成されている。したがって、従来の両面レンチキュラーレンズシートのように、入射側レンチキュラーレンズの曲率半径が、シート中央部に対してシート周辺部で数%程度も小さくなり、それに応じてレンズ深さがシート中央部に比してシート周辺部で数%程度大きくなっているものに比して光吸収層13による光のけられを防止でき、カラーシフトを低減させ、また、全光線透過率を向上させることが可能となる。また、このレンチキュラーレンズシート10Aによれば、入射側レンチキュラーレンズ11のシリンドリカルレンズのレンズ深さが、シート中央部に対してシート周辺部で1.10以下に形成されているので、カットオフ現象を防止することができる。
【0028】
さらにこのレンチキュラーレンズシート10Aによれば、レンチキュラーレンズシートの厚みが中央部と周辺部とで略等しいので、中央部のシート厚みに比して周辺部のシート厚みが数%程度薄く形成されている従来の両面レンチキュラーレンズシートに比して、よりいっそうカラーシフトを低減させ、全光線透過率を向上させることが可能となる。
【0029】
図1のレンチキュラーレンズシート10Aの製造方法としては、例えば、成形品の逆型形状を有する平板状の金型を2枚用意し、この間に加熱した樹脂を挟み込み、加圧、冷却する所謂プレス法や、成形品の逆型形状を有する1組の賦形ロール間にダイから溶融した樹脂を流し、押圧、冷却する押出成形法等を用いることができる。
【0030】
中でも、押出成形法は、レンズ深さやシート厚等をシートの幅方向に徐々に変化させることができるので、本発明のレンチキュラーレンズシートの製造方法として有用である。押出成形法でレンズ深さを制御する場合のより具体的方法としては、例えば、押出に用いるダイの温度を中央部と周辺部とで均一にするか、又は中央部を周辺部に比して5〜10℃高くすることが好ましい。なおこのようにダイの温度を制御すると、ダイ周辺部から比較的温度の低い樹脂が押し出されるので、シート周縁部に使用できない部分が生じる場合があるが、この場合にはその部分を切除すればよい。
【0031】
また、プレス法や押出成形法を従来例にしたがって行うと、得られるレンチキュラーレンズシートは、周辺部の厚さが中央部に比して数%程度薄くなるので、周辺部と中央部とのシート厚さを同等とするためには、成形時に中央部に対して周辺部の厚さが増加するように厚さ制御を行うことが好ましい。より具体的には、例えば、押出成形法で成形する場合、賦形ロールと樹脂との間にある樹脂だまり(所謂バンク)をレンチキュラーレンズシート中央部に対して周辺部で増やす。また、さらに、押出成形法で成形する場合、1組の賦形ロールのうちの少なくとも1本をクラウニングロールとしてもよい。この場合、ロールのクラウニング量は、中央部と周辺部とのバンクにもよるが、これらのクラウニング量を変えない場合、1m当たり20μm以上とすることが好ましい。
【0032】
本発明は、上述のレンチキュラーレンズシート10Aの他、入射側レンチキュラーレンズのシート中央部でのレンズ深さhi0とスクリーンの有効画面範囲端部でのレンズ深さhi1
0.98≦hi1/hi0≦1.10
を満たしている限り、種々の態様をとることができる。
【0033】
たとえば、本発明において、入射側レンチキュラーレンズを構成するシリンドリカルレンズのレンズ断面の形状は真円形状に限らず、例えば、楕円、次の高次式
【0034】
【数2】
Figure 0003809699
【0035】
(式中、xはレンズ中心からピッチ方向への距離、Cは曲率半径の逆数、Kは円錐定数、D、E、F、Gはそれぞれ4次から10次までの項の係数を表す。)
で表される曲線等とすることができる。
【0036】
また、入射側レンチキュラーレンズのレンズ深さhxの変化の態様としては、上述の例のように、xの増加に伴い単調に変化する場合に限らず、ステップ状に変化する場合も包含する。
【0037】
レンチキュラーレンズシートのシート厚に関し、図1のレンチキュラーレンズシート10Aにおいては、その中央部のシート厚と周辺部のシート厚とが略等しいが、本発明においてはレンチキュラーレンズシートの厚み分布はこれに限らない。好ましくは、カラーシフトを低減させ、全光線透過率をあげる点から、シート中央部のシート厚に対するシート周辺部のシート厚の比が0.98〜1.10倍程度の範囲となるようにする。なお、シート中央部のシート厚に対するシート周辺部のシート厚の比を大きくすると、レンチキュラーレンズシートの周辺部において入射側レンチキュラーレンズに入射した光が出射側レンチキュラーレンズへ入射するときのその入射角θ1が小さくなるので、全光線透過率をいっそう高めることができ、反対に、シート中央部のシート厚に対するシート周辺部のシート厚の比を小さくすると水平拡散角を広くすることができる。したがって、シート中央部のシート厚に対するシート周辺部のシート厚の比は当該レンチキュラーレンズシートへの要求特性に応じて適宜定めることができる。
【0038】
本発明のレンチキュラーレンズシートは、従来のレンチキュラーレンズシートと同様に、図5に示したように、フレネルレンズと組み合わせて背面投写型スクリーンに使用することができる。この場合、フレネルレンズとしては、従来より背面投写型スクリーンに使用されているものを使用することができる。
【0039】
また、本発明のレンチキュラーレンズシートを用いた背面投写型スクリーンは、CRTだけでなく、LCDやDMDを光源とした場合でも全光線透過率をあげることができるので、好ましく使用することができる。
【0040】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0041】
実施例1
(1)レンチキュラーレンズシートの作製
両面レンチキュラーレンズシートであって、出射側面には入射側レンチキュラーレンズによる非集光部に光吸収層を有するものを、クラウニングロールを使用する押出成形法により製造した。この場合、レンチキュラーレンズシートを構成する樹脂としては、ポリメチルメタクリレートを使用した。また、押出条件としては、ダイ温度をダイ周辺部に対してダイ中央部で5℃上げ、バンクをロール中央部に対して周辺部で10%程度増加させた。
【0042】
これにより、シートの全高=1500mm、全幅=1000mm、入射側レンチキュラーレンズ11のピッチ(p)=0.78mm、入射側レンチキュラーレンズのシート中央部が近似曲率半径Ri0=0.320mm、レンズ深さhi0=0.300mmの楕円、入射側レンチキュラーレンズのシート端部が近似曲率半径Ri1=0.320mm、レンズ深さhi1=0.300の楕円、出射側レンチキュラーレンズシート12のピッチ(p)=0.36mm、出射側レンチキュラーレンズシートのシート中央部が近似曲率半径Ro0=0.220mmの楕円、出射側レンチキュラーレンズシートのシート端部が近似曲率半径Ro1=0.220mmの楕円、レンチキュラーレンズシートの中央部のシート厚t0=0.930mm、端部のシート厚t1=0.930mmのレンチキュラーレンズシートを成形した。
【0043】
次に、成型したレンチキュラーレンズシートに対して、光吸収層13を常法により印刷し(ストライプの幅0.32mm)、実施例のレンチキュラーレンズシートを得た。
【0044】
(2)評価
(2-1)カラーシフト
フレネルレンズとして、焦点距離f=900mmのレンズを用意し、上述のレンチキュラーレンズシートと組み合わせて背面投写型スクリーンを形成した(幅約1250mm、高さ約950mm)。このスクリーンを市販の背面投写型プロジェクタテレビ(T0SHIBA AMERICA CONSUMER PRODUCTS.,INC.製、モデル名TP61E90)に取り付けた。そして、このテレビセットに全白信号を入力し、図2に示すように、テレビセット20のスクリーン5の中心から水平方向に向かって左側600mmの位置(A)を、3m離れたスクリーン正面の位置(B)及び水平方向反時計回りに60°移動した位置(C)で観察することにより、カラーシフトを次のように評価した。
【0045】
まず、青色、緑色の光源をカバーで覆い、赤色光をスクリーンに射出した場合のスクリーンからの出射輝度をB位置で測定した(R0[nit])。次に、赤色、緑色の光源をカバーで覆い、青色光のスクリーンからの出射輝度を同様に測定した(B0[nit])。
【0046】
測定位置をC位置に移し、B位置での測定と同様に、赤色光の出射輝度R60[nit]と青色光の出射輝度B60[nit]を測定した。
【0047】
そして、次式にしたがってスクリーン5の中心から左側600mmの位置(A)での色変化の大きさを表すカラーシフトCS(600mm,60 ° )を求めた。
【0048】
【数3】
CS(600mm,60 ° )=20log((R60/R0)/(B60/B0))[dB]
この結果を表1に示す。
【0049】
(2-2)全光線透過率
上述のカラーシフトの測定と同様に、レンチキュラーレンズシートを背面投写型プロジェクターテレビに取り付け、このテレビセットのスクリーンの中心から水平方向に向かって左側600mmの位置について、ASTM D−1003にしたがい、全光線透過率Ttを測定した。
【0050】
この結果を表1に示す。
【0051】
実施例2〜5、比較例1〜3
実施例と略同様にして、表1及び表2に示す形状のレンチキュラーレンズシートを作製し、そのカラーシフトと全光線透過率とを測定した。これらの結果を表1及び表2に示す。
【0052】
【表1】
Figure 0003809699
【0053】
【表2】
Figure 0003809699
【0054】
表1及び表2から入射側レンチキュラーレンズのレンズ深さについて、シート中央部のレンズ深さhi0に対するシート端部のレンズ深さhi1の比(hi1/hi0)が0.98〜1.10である実施例のレンチキュラーレンズシートによれば、カラーシフトを低減させ、全光線透過率を向上させられることがわかる。
【0055】
これに対して、レンズ深さの比(hi1/hi0)が0.98より小さい比較例1では、カラーシフトが大きく、全光線透過率も劣っていることがわかる。
【0056】
レンズ深さの比(hi1/hi0)が1.10を超える比較例2では、カラーシフトや全光線透過率は実施例と同程度であるが、水平方向で拡散光が急激に低下するカットオフがあり、好ましくないことがわかる。
【0057】
さらに、レンズ深さの比(hi1/hi0)が1.10を超え、シート端部のシート厚が薄くなっている比較例3では、カラーシフトが極めて大きく、全光線透過率も極めて低いことがわかる。
【0058】
【発明の効果】
本発明のレンチキュラーレンズシートによれば、カラーシフトを低減させることができ、また、シートの全光線透過率を向上させて光の利用効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレンチキュラーレンズシートの断面図及びその光線追跡図である。
【図2】カラーシフトの測定方法の説明図である。
【図3】一般的な背面投写型テレビジョンの概略構成図である。
【図4】一般的な背面投写型テレビジョンにおける光線説明図である。
【図5】一般的な背面投写型テレビジョンで使用されるスクリーンの斜視図である。
【図6】従来の両面レンチキュラーレンズシートの断面図である。
【図7】従来の片面レンチキュラーレンズシートの断面図及びその光線追跡図である。
【図8】両面レンチキュラーレンズシートのシート厚さを変化させた場合の断面図及びその光線追跡図である。
【符号の説明】
1 CRT
2 投写レンズ
3 フレネルレンズ
4 レンチキュラーレンズシート
5 背面投写型スクリーン
10x 片面レンチキュラーレンズシート
10、10A 両面レンチキュラーレンズシート
1 入射側レンチキュラーレンズ
2 出射側レンチキュラーレンズ
3 光吸収層
20 テレビセット

Claims (4)

  1. 光線の入射側面にシリンドリカルレンズをシートの幅方向に並列させた形状の入射側レンチキュラーレンズを有し、出射側面にシリンドリカルレンズをシートの幅方向に並列させた形状の出射側レンチキュラーレンズを有し、入射側レンチキュラーレンズの略集光位置に出射側レンチキュラーレンズシートの頂部が形成されている両面レンチキュラーレンズシートにおいて、このレンチキュラーレンズシートを用いて構成される背面投写型スクリーンの有効画面範囲中央部の入射側レンチキュラーレンズのレンズ深さをhi0、該有効画面範囲端部の入射側レンチキュラーレンズのレンズ深さをhi1としたときに、
    0.98≦hi1/hi0≦1.10
    が満足され
    スクリーンの有効画面範囲中央部から、入射側レンチキュラーレンズを構成するシリンドリカルレンズの長手方向と直交する方向に距離xの位置における該入射側レンチキュラーレンズのレンズ深さをh i x としたときに、スクリーンの有効画面範囲内において、h i x /h i 0 がxの増加に伴い単調に減少又は増加することを特徴とするレンチキュラーレンズシート。
  2. シート中央部のシート厚に対するシート周辺部のシート厚の比が0.98〜1.10である請求項1記載のレンチキュラーレンズシート。
  3. 押出成形により成形された請求項1又は2記載のレンチキュラーレンズシート。
  4. 押出成形に使用する賦形ロールのクラウニング量を1m当たり20μm以上とした請求項3記載のレンチキュラーレンズシート。
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