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JP3802390B2 - 超音波モータ、及び超音波モータのステータ - Google Patents

超音波モータ、及び超音波モータのステータ Download PDF

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JP3802390B2
JP3802390B2 JP2001306285A JP2001306285A JP3802390B2 JP 3802390 B2 JP3802390 B2 JP 3802390B2 JP 2001306285 A JP2001306285 A JP 2001306285A JP 2001306285 A JP2001306285 A JP 2001306285A JP 3802390 B2 JP3802390 B2 JP 3802390B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波モータ、及びそのステータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の超音波モータとしては、図9に示すような定在波型(所謂ボルト締めランジュバン型)のものがある。この超音波モータは、ステータ51とロータ52とを備えている。ステータ51は、金属ブロック53,54、圧電素子55,56、電極板57,58、及びボルト59(図中、破線で示す)から構成されている。各部材53〜58は、図9に示すように略円柱状に積層されて、両金属ブロック53,54がその内部で軸方向に挿通するボルト59にて締め付けられることにより連結固定されている。
【0003】
このステータ51の下部外周、即ち下側の金属ブロック54の外周には、縦振動に基づいて捩り振動を発生するスリット54aが形成されている。又、下側の金属ブロック54の外周において、スリット54aの下方には外部(モータケース等)に固定するための環状の固定用凸部54bが形成されている。
【0004】
ロータ52は、略円筒状に形成され、図示しない加圧機構によりステータ51の上面、即ち上側の金属ブロック53の上端面に回転可能に加圧接触されている。
【0005】
このロータ52の外周には、縦振動に基づいて捩り振動を発生するスリット52aが形成されている。
この超音波モータでは、電極板57,58に、高周波電圧(例えば65kHz)が印加されると、圧電素子55,56にて縦振動が発生される。すると、金属ブロック54のスリット54aにて捩り振動が発生される。又、ロータ52では、ステータ51から伝搬される振動に基づいて(共振して)スリット52aにて捩り振動が発生される。すると、ステータ51の縦振動による浮力と、ステータ51及びロータ52の捩り振動による推進力とでロータ52が回転駆動される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記超音波モータでは、外部(モータケース等)に固定するための固定部を環状の固定用凸部54bとしたが、その固定部の形状や配置によっては、捩り振動を効率良く発生させることができなかったり、外部に固定された際に該固定部の振動に基づく騒音が発生してしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、捩り振動を効率良く発生させることができ、且つ騒音の発生を低減することができる超音波モータ、及びそのステータを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明では、圧電素子が複数の金属ブロックに挟まれた状態で締結されてなり、高周波電圧の印加により振動するステータと、前記ステータに摺動可能に加圧接触され、前記ステータの振動に基づいて回転するロータとを備えた超音波モータにおいて、前記金属ブロックに、縦振動に基づいて捩り振動を発生するための振動変換部を形成するとともに、外部に固定するための固定用凸部を周方向に複数形成し、該固定用凸部を該振動変換部の回転軸線方向一端側に配置し、前記固定用凸部の基端部における周方向の中心位置を、前記振動変換部の回転軸線方向一端側における周方向の略中心位置に設定した。
【0009】
請求項2に記載の発明では、圧電素子が複数の金属ブロックに挟まれた状態で締結されてなり、高周波電圧の印加により振動するステータと、前記ステータに摺動可能に加圧接触され、前記ステータの振動に基づいて回転するロータとを備えた超音波モータにおいて、前記金属ブロックに、縦振動に基づいて捩り振動を発生するための振動変換部を形成するとともに、外部に固定するための固定用凸部を周方向に複数形成し、該固定用凸部を該振動変換部の回転軸線方向一端側に配置し、前記固定用凸部を、前記振動変換部の数と同数形成した。
【0010】
求項に記載の発明では、請求項1又は2に記載の超音波モータにおいて、前記固定用凸部の回転軸線方向の位置を、前記捩り振動の略節位置に設定した。
【0011】
請求項に記載の発明では、請求項1乃至のいずれか1項に記載の超音波モータにおいて、前記振動変換部を、前記ロータが加圧接触されない側の前記金属ブロックの回転軸線方向圧電素子側に形成し、前記固定用凸部を、前記ロータが加圧接触されない側の前記金属ブロックの回転軸線方向中央部に配置した。
【0012】
請求項に記載の発明では、圧電素子が複数の金属ブロックに挟まれた状態で締結されてなり、高周波電圧の印加により振動する超音波モータのステータにおいて、前記金属ブロックに、縦振動に基づいて捩り振動を発生するための振動変換部を形成するとともに、外部に固定するための固定用凸部を周方向に複数形成し、該固定用凸部を該振動変換部の回転軸線方向一端側に配置し、前記固定用凸部の基端部における周方向の中心位置を、前記振動変換部の回転軸線方向一端側における周方向の略中心位置に設定した。
請求項6に記載の発明では、圧電素子が複数の金属ブロックに挟まれた状態で締結されてなり、高周波電圧の印加により振動する超音波モータのステータにおいて、前記金属ブロックに、縦振動に基づいて捩り振動を発生するための振動変換部を形成するとともに、外部に固定するための固定用凸部を周方向に複数形成し、該固定用凸部を該振動変換部の回転軸線方向一端側に配置し、前記固定用凸部を、前記振動変換部の数と同数形成した。
【0013】
(作用)
請求項1及び2に記載の発明によれば、金属ブロックには、縦振動に基づいて捩り振動を発生するための振動変換部が形成されるとともに、外部に固定するための固定用凸部が周方向に複数形成され、該固定用凸部は該振動変換部の回転軸線方向一端側に配置される。このように、固定用凸部を振動変換部の回転軸線方向一端側に形成することで、振動変換部の回転軸線方向のひずみを抑え、捩り振動を効率良く発生させることができる。又、周方向に複数設けられる各固定用凸部が回転軸線方向にばらつくように振動してしまうことが低減され、該振動に基づく騒音を低減することができる。しかも、外部に固定するための固定用凸部が周方向に複数形成されるため、例えば、各固定用凸部の固有共振周波数を、高周波電圧の駆動周波数帯域より容易に高く設定することができ、該固定用凸部の固有共振周波数を、容易に高周波電圧の駆動周波数帯域と重ならないようにすることができる。
また、請求項1に記載の発明によれば、固定用凸部の基端部における周方向の中心位置が、前記振動変換部の回転軸線方向一端側における周方向の略中心位置に設定される。このように、固定用凸部の基端部における周方向の中心位置を振動変換部の回転軸線方向一端側における周方向の略中心位置に設定することで、振動変換部の回転軸線方向のひずみを更に抑え、捩り振動を更に効率良く発生させることができる。又、周方向に複数設けられる各固定用凸部が回転軸線方向にばらつくように振動してしまうことが更に低減され、該振動に基づく騒音を更に低減することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、前記固定用凸部は、前記振動変換部の数と同数形成される。このようにすると、振動変換部の回転軸線方向のひずみを更に抑え、捩り振動を更に効率良く発生させることができる
【0017】
請求項に記載の発明によれば、固定用凸部の回転軸線方向の位置は、前記捩り振動の略節位置に設定される。よって、固定用凸部が外部に固定されても、ステータの捩り振動が阻害され難くなる。
【0018】
請求項に記載の発明によれば、前記振動変換部は、前記ロータが加圧接触されない側の前記金属ブロックの回転軸線方向圧電素子側に形成され、前記固定用凸部は、前記ロータが加圧接触されない側の前記金属ブロックの回転軸線方向中央部に配置される。このようにすると、上記各請求項に記載された構成を容易に設計することができる。
【0019】
請求項5及び6に記載の発明によれば、金属ブロックには、縦振動に基づいて捩り振動を発生するための振動変換部が形成されるとともに、外部に固定するための固定用凸部が周方向に複数形成され、該固定用凸部は該振動変換部の回転軸線方向一端側に配置される。このように、固定用凸部を振動変換部の回転軸線方向一端側に形成することで、振動変換部の回転軸線方向のひずみを抑え、捩り振動を効率良く発生させることができる。又、周方向に複数設けられる各固定用凸部が回転軸線方向にばらつくように振動してしまうことが低減され、該振動に基づく騒音を低減することができる。しかも、外部に固定するための固定用凸部が周方向に複数形成されるため、例えば、各固定用凸部の固有共振周波数を、高周波電圧の駆動周波数帯域より容易に高く設定することができ、該固定用凸部の固有共振周波数を、容易に高周波電圧の駆動周波数帯域と重ならないようにすることができる。
また、請求項5に記載の発明によれば、固定用凸部の基端部における周方向の中心位置が、前記振動変換部の回転軸線方向一端側における周方向の略中心位置に設定される。このように、固定用凸部の基端部における周方向の中心位置を振動変換部の回転軸線方向一端側における周方向の略中心位置に設定することで、振動変換部の回転軸線方向のひずみを更に抑え、捩り振動を更に効率良く発生させることができる。又、周方向に複数設けられる各固定用凸部が回転軸線方向にばらつくように振動してしまうことが更に低減され、該振動に基づく騒音を更に低減することができる。
また、請求項6に記載の発明によれば、前記固定用凸部は、前記振動変換部の数と同数形成される。このようにすると、振動変換部の回転軸線方向のひずみを更に抑え、捩り振動を更に効率良く発生させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図1〜図7に従って説明する。図1及図2に示すように、超音波モータは、ステータ1とロータ2とを備えている。ステータ1は、上側金属ブロック3、下側金属ブロック4、第1及び第2圧電素子5,6、第1及び第2電極板7,8、ボルト9、及び絶縁カラー10(図2参照)を備えている。
【0021】
上側及び下側金属ブロック3,4は、導電性金属よりなり、本実施形態ではアルミ合金にて形成されている。上側金属ブロック3は、略円筒状に形成されている。上側金属ブロック3の上部には、その内径が大きくされることで、上端面に発生する振動を増幅するためのホーン部3aが形成されている。又、上側金属ブロック3のホーン部3aを除く内周面には、雌ネジ3bが形成されている。尚、上側金属ブロック3の上端面には薄肉の摩擦材3cが貼付されている。
【0022】
下側金属ブロック4は、内外径が上側金属ブロック3と同じ略円筒状に形成されている。下側金属ブロック4の上部(回転軸線方向上側)外周には、励起される縦振動に基づいて捩り振動を発生する振動変換部としてのスリット(凹部)4aが形成されている。このスリット4aは、周方向に複数(本実施の形態では9個であって、図1中、7個のみ図示する)形成されている。又、スリット4aは、それぞれ回転軸線方向に対して傾斜している。
【0023】
又、下側金属ブロック4の中央部(回転軸線方向中央部)外周には、外部(図示しないモータケース等)に固定するための固定用凸部4bが周方向に複数形成されている。この固定用凸部4bは、スリット4aの下端側(回転軸線方向一端側)に(連続して)形成されている。又、固定用凸部4bの基端部における周方向の幅は、スリット4aの下端部における周方向の幅より大きく形成されている。又、固定用凸部4bの基端部における周方向の中心位置は、スリット4aの下端側における周方向の略中心位置に設定されている。又、固定用凸部4bは、スリット4a毎に、即ちスリット4aの数と同数(本実施の形態では9個)形成されている。
【0024】
又、下側金属ブロック4の内周面(図2中、破線で示す)には、雌ネジ4cが形成されている。
第1及び第2圧電素子5,6は円板状に形成され、その中心部に貫通孔がそれぞれ形成されている。この第1及び第2圧電素子5,6の内径は、上側及び下側金属ブロック3,4の内径より大きく設定されている。
【0025】
第1及び第2電極板7,8は円板状に形成され、その中心部には貫通孔がそれぞれ形成されている。この第1及び第2電極板7,8の内径は、第1及び第2圧電素子5,6の内径と同じに設定されている。
【0026】
ボルト9は、その外周に雄ネジ9aが形成された略円柱形状のものであって、前記雌ネジ3b,4cに螺合可能とされている。
絶縁カラー10は、絶縁性樹脂にて円筒状に形成されている。この絶縁カラー10は、その外径が前記第1及び第2圧電素子5,6、第1及び第2電極板7,8の内径と同じに設定され、その内径がボルト9の雄ネジ9aの外径と同じ(ボルト9を内嵌可能)に設定されている。
【0027】
そして、第1及び第2圧電素子5,6と第1及び第2電極板7,8とを挟んだ上側及び下側金属ブロック3,4は、その内部を軸線方向に挿通するボルト9により締結される。詳述すると、下側金属ブロック4、第2電極板8、第2圧電素子6、第1電極板7、第1圧電素子5、上側金属ブロック3は、この順で積層され、その内部に挿通されるボルト9(雄ネジ9a)が上側及び下側金属ブロック3,4の雌ネジ3b,4cに螺合されることで締結されている。尚、このとき、第1及び第2圧電素子5,6は、分極方向がそれぞれ互いに上下逆になるように積層される。又、このとき、第1及び第2圧電素子5,6、第1及び第2電極板7,8の内周面と、ボルト9の雄ネジ9aの外周面との間には、絶縁カラー10が介在される。従って、第1及び第2圧電素子5,6、第1及び第2電極板7,8の内周面と、ボルト9の外周面とは電気的に絶縁状態とされる。又、このとき、第2電極板8は、下側金属ブロック4及びボルト9を介して上側金属ブロック3と電気的に接続状態となる。
【0028】
ロータ2は、前記上側及び下側金属ブロック3,4と外径が同じの略円筒状に形成され、図示しない加圧機構によりステータ1の上面、即ち上側金属ブロック3(摩擦材3c)の上端面に摺動回転可能に加圧接触されている。このロータ2の外周には、励起される縦振動に基づいて捩り振動を発生するスリット(凹部)2aが周方向に複数形成されている。このスリット2aは、それぞれ回転軸線方向に対して傾斜している。
【0029】
このように構成された超音波モータでは、第1及び第2電極板7,8間に、図4(周波数−応答速度特性図)に示すように、第1の共振周波数(約64kHz)の高周波電圧が印加されると、第1及び第2圧電素子5,6にて縦振動Vz1が発生される。すると、該縦振動Vz1に基づいてステータ1のスリット4aにて捩じり振動Vθ1が発生される。このとき、ステータ1の上面、即ち上側金属ブロック3(摩擦材3c)の上端面の振動は、捩り振動Vθ1と縦振動Vz1とが合成された複合振動となっている。すると、ステータ1の縦振動Vz1成分による浮力と捩り振動Vθ1成分による推進力にてロータ2が一方向に回転する(ステータ主体モード)。尚、図4には、このときステータ1に発生する径方向振動Vr1も記載している。
【0030】
又、第1及び第2電極板7,8間に、図4に示すように、第2の共振周波数(約67kHz)の高周波電圧が印加されると、第1及び第2圧電素子5,6にて縦振動Vz1が発生される。すると、該縦振動Vz1に基づいてステータ1のスリット4aにて捩じり振動Vθ1が発生される。このとき、ステータ1の上面、即ち上側金属ブロック3(摩擦材3c)の上端面の振動は、前記ステータ主体モードの捩り振動Vθ1の反対方向に捩れる捩り振動Vθ1と縦振動Vz1とが合成された複合振動となっている。ここで、ロータ2の共振周波数は、前記第2の共振周波数(約67kHz)と重なるように設定されている。そして、ロータ2では、前記縦振動Vz1(複合振動)に基づいて(共振して)スリット2aにて捩り振動が発生される。このとき、スリット2aにて発生される捩り振動は、自身を他方向(ステータ主体モードの逆方向)に回転させるように働く振動である。よって、ステータ1の縦振動Vz1成分による浮力と捩り振動Vθ1成分による推進力とロータ2自身の捩り振動成分にてロータ2が他方向に回転する(ロータ主体モード)。
【0031】
ここで、図3は、有限要素法(FEM:Finite Element Method)を利用して特定した振動時におけるステータ1の形状を示す説明図である。又、図6は、有限要素法(FEM:Finite Element Method)を利用して特定した振動時における他のステータ21(図5参照)の形状を示す説明図である。他のステータ21は、図5に示すように、スリット21aが等角度間隔に9個形成され、固定用凸部21bが等角度間隔に8個形成されたものであって、固定用凸部21bが必ずしもスリット21aの下端側に配置されていない、即ち固定用凸部21bがスリット21aの下端側から周方向にずれた位置に配置されたものである。又、図7は、他のステータ21における(縦振動Vz2、捩り振動Vθ2、径方向振動Vr2の)周波数−応答速度特性図を示す。
【0032】
そして、図3及び図6に示すように、本実施の形態のステータ1は、固定用凸部4bがスリット4aの下端側に形成されることで、他のステータ21に比べて、スリット4aの回転軸線方向のひずみが抑えられている。よって、本実施の形態のステータ1は、他のステータ21に比べて(ステータ21の捩り振動Vθ2に比べて)、捩り振動Vθ1が効率良く発生される。尚、本実施の形態のステータ1の捩り振動Vθ1は、図4に示すように、ステータ主体モード(第1の共振周波数、約64kHz)で応答速度が約22[m/s]、ロータ主体モード(第2の共振周波数、約67kHz)で応答速度が約24[m/s]となっている。又、他のステータ21の捩り振動Vθ2は、図7に示すように、ステータ主体モード(第1の共振周波数、約64kHz)で応答速度が約18[m/s]、ロータ主体モード(第2の共振周波数、約67kHz)で応答速度が約22[m/s]となっている。
【0033】
又、図3及び図6に示すように、本実施の形態のステータ1は、他のステータ21に比べて、周方向に複数設けられ外部に固定される各固定用凸部4bが回転軸線方向にばらつくように変位してしまうことが抑えられている。よって、外部に固定された各固定用凸部4bが回転軸線方向にばらつくように振動してしまうことが低減され、該振動に基づく騒音が低減される。
【0034】
又、本実施の形態のステータ1において、前記各固定用凸部4bは、その固有共振周波数が高周波電圧の駆動周波数帯域(約64kHz〜約67kHz)より高く(例えば、最低次の固有共振周波数が72kHzに)設定されている。よって、ステータ1の駆動時に固定用凸部4bが振動(共振)することが防止され、ステータ1の振動を阻害し難くなり、捩り振動Vθ1が更に効率良く発生される。
【0035】
さらに、本実施の形態のステータ1において、前記固定用凸部4bは、その回転軸線方向の位置が、捩り振動Vθ1の略節位置F(図1参照)に設定されている。言い換えると、固定用凸部4bは、その回転軸線方向の位置が、捩り振動Vθ1の山及び谷の位置とならないように設定されている。よって、固定用凸部4bが外部に固定されても、ステータ1の捩り振動Vθ1を阻害し難くなり、捩り振動Vθ1が更に効率良く発生される。
【0036】
次に、上記実施の形態の特徴的な効果を以下に記載する。
(1)ステータ1は、固定用凸部4bがスリット4aの下端側に形成されることで、スリット4aの回転軸線方向のひずみが抑えられている(図3参照)。よって、ステータ1は、捩り振動Vθ1を効率良く発生させることができる。その結果、超音波モータのモータ効率を向上させることができる。又、ステータ1は、周方向に複数設けられ外部に固定される各固定用凸部4bが回転軸線方向にばらつくように変位してしまうことが抑えられている。よって、外部に固定された各固定用凸部4bが回転軸線方向にばらつくように振動してしまうことが低減され、該振動に基づく騒音を低減することができる。
【0037】
(2)各固定用凸部4bは、その固有共振周波数が高周波電圧の駆動周波数帯域(約64kHz〜約67kHz)より高く(例えば、最低次の固有共振周波数が72kHzに)設定されている。よって、ステータ1の駆動時に固定用凸部4bが振動(共振)することが防止され、ステータ1の振動を阻害し難くなり、捩り振動Vθ1を更に効率良く発生することができるとともに、騒音を更に低減することができる。その結果、超音波モータのモータ効率を更に向上させることができる。又、外部に固定するための固定用凸部4bを環状とせずに周方向に複数形成したため、各固定用凸部4bの固有共振周波数を高周波電圧の駆動周波数帯域より容易に高く設定することができ、該固定用凸部4bの固有共振周波数を容易に高周波電圧の駆動周波数帯域と重ならないようにすることができる。
【0038】
(3)固定用凸部4bの基端部における周方向の中心位置は、スリット4aの下端側における周方向の略中心位置に設定されている。このように、固定用凸部4bの基端部における周方向の中心位置をスリット4aの下端側における周方向の略中心位置に設定することで、スリット4aの回転軸線方向のひずみを更に抑えることができ、捩り振動Vθ1を更に効率良く発生させることができる。その結果、超音波モータのモータ効率を更に向上させることができる。又、各固定用凸部4bが回転軸線方向にばらつくように振動してしまうことが更に低減され、該振動に基づく騒音を更に低減することができる。
【0039】
(4)固定用凸部4bは、スリット4a毎に、即ちスリット4aの数と同数(本実施の形態では9個)形成されている。このようにすると、全てのスリット4aの回転軸線方向のひずみを抑えることができ、捩り振動Vθ1を更に効率良く発生させることができる。その結果、超音波モータのモータ効率を更に向上させることができる。
【0040】
(5)固定用凸部4bは、その回転軸線方向の位置が、捩り振動Vθ1の略節位置F(図1参照)に設定されている。よって、固定用凸部4bが外部に固定されても、ステータ1の捩り振動Vθ1を阻害し難くなり、捩り振動Vθ1を更に効率良く発生することができる。その結果、超音波モータのモータ効率を更に向上させることができる。
【0041】
(6)スリット4aを下側金属ブロック4の上部に形成し、固定用凸部4bを下側金属ブロック4の中央部に形成した。このようにすると、固定用凸部4bをスリット4aの回転軸線方向一端側に形成したり、固定用凸部4bの回転軸線方向の位置を捩り振動Vθ1の略節位置F(図1参照)にするといった構成を容易に設計することができる。
【0042】
上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施の形態では、固定用凸部4bは、スリット4a毎に、即ちスリット4aの数と同数(9個)形成されているとしたが、周方向に複数形成されるとともにスリット4aの下端側(回転軸線方向一端側)に形成されていれば、他の数に変更してもよい。
【0043】
例えば、図8に示す下側金属ブロック31に変更してもよい。下側金属ブロック31の上部(回転軸線方向上側)外周には、励起される縦振動に基づいて捩り振動を発生する振動変換部としてのスリット(凹部)31aが周方向に等角度間隔で8個形成されている。又、スリット31aは、それぞれ回転軸線方向に対して傾斜している。又、下側金属ブロック31の中央部(回転軸線方向中央部)外周には、外部(図示しないモータケース等)に固定するための固定用凸部31bが周方向に等角度間隔で4個(図8中、3個のみ図示する)形成されている。この固定用凸部31bは、上記実施の形態の固定用凸部4bと同様にスリット31aの下端側(回転軸線方向一端側)に(連続して)形成されている。又、固定用凸部31bの基端部における周方向の幅は、スリット31aの下端部における周方向の幅より大きく形成されている。又、固定用凸部31bの基端部における周方向の中心位置は、スリット31aの下端側における周方向の略中心位置に設定されている。即ち、この固定用凸部31bは、スリット31aの1つおきに配置されている。このようにしても、上記実施の形態の効果(1)〜(3)、(5)、(6)と同様の効果を得ることができる。
【0044】
・上記実施の形態では、固定用凸部4bの基端部における周方向の中心位置は、スリット4aの下端側における周方向の略中心位置に設定されているとしたが、固定用凸部4bの基端部がスリット4aの下端側に形成されていれば、固定用凸部4bの基端部における周方向の中心位置がスリット4aの下端側における周方向の略中心位置からズレていてもよい。このようにしても、上記実施の形態の効果(1)、(2)、(4)〜(6)と同様の効果を得ることができる。
【0045】
・上記実施の形態では、固定用凸部4bの回転軸線方向の位置が、捩り振動Vθ1の略節位置F(図1参照)に設定されているとしたが、捩り振動Vθ1の略節位置Fになくてもよい。このようにしても、上記実施の形態の効果(1)〜(4)と同様の効果を得ることができる。
【0046】
・上記実施の形態では、金属ブロックを2つ(上側及び下側金属ブロック3,4)備えた超音波モータ(ステータ1)としたが、3つ以上の金属ブロックを備えたものに変更してもよい。このようにしても、上記実施の形態の効果と同様の効果を得ることができる。
【0047】
・上記実施の形態では、ステータ1を締結する部材をボルト9としたが、他の部材(例えば、かしめにより締結するもの)に変更してもよい。このようにしても、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0048】
・上記実施の形態では、ロータ2が両方向に回転可能な超音波モータに具体化したが、一方向回転専用の超音波モータに具体化してもよい。尚、この場合、ロータ2のスリット2aの形状等を適宜変更する必要がある。このようにしても、上記実施の形態の効果と同様の効果がある。
【0049】
・上記実施の形態のステータ1は、2つの圧電素子(第1及び第2圧電素子5,6)を備えたものとしたが、圧電素子の個数を適宜変更してもよい。例えば、圧電素子を1つや、3つ備えたものとしてもよい。このようにしても、上記実施の形態の効果と同様の効果を得ることができる。
【0050】
・上記実施の形態のステータ1は、2つの電極板(第1及び第2電極板7,8)を備えたものとしたが、電極板の個数を適宜変更してもよい。例えば、電極板を備えていないもの(金属ブロック自体が電極板の役目を果たすもの)や、3つ備えたものとしてもよい。このようにしても、上記実施の形態の効果と同様の効果を得ることができる。
【0051】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜に記載の発明によれば、捩り振動を効率良く発生させることができ、且つ騒音の発生を低減することができる超音波モータを提供することができる。
【0052】
又、請求項5及び6に記載の発明によれば、捩り振動を効率良く発生させることができ、且つ騒音の発生を低減することができる超音波モータのステータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態における超音波モータの斜視図。
【図2】本実施の形態における超音波モータの要部断面図。
【図3】FEM解析にて特定した本実施の形態のステータの模式図。
【図4】本実施の形態におけるステータの周波数−応答速度特性図。
【図5】本実施の形態の比較対象となる超音波モータの斜視図。
【図6】FEM解析にて特定した本実施の形態の比較対象のステータの模式図。
【図7】本実施の形態の比較対象のステータの周波数−応答速度特性図。
【図8】別例における超音波モータの斜視図。
【図9】従来技術における超音波モータの斜視図。
【符号の説明】
1…ステータ、2…ロータ、3…上側金属ブロック(金属ブロック)、4,31…下側金属ブロック(金属ブロック)、5,6…第1及び第2圧電素子(圧電素子)、4a,31a…スリット(振動変換部)、4b,31b…固定用凸部。

Claims (6)

  1. 圧電素子(5,6)が複数の金属ブロック(3,4,31)に挟まれた状態で締結されてなり、高周波電圧の印加により振動するステータ(1)と、
    前記ステータ(1)に摺動可能に加圧接触され、前記ステータ(1)の振動に基づいて回転するロータ(2)と
    を備えた超音波モータにおいて、
    前記金属ブロック(4,31)に、縦振動(Vz1)に基づいて捩り振動(Vθ1)を発生するための振動変換部(4a,31a)を形成するとともに、外部に固定するための固定用凸部(4b,31b)を周方向に複数形成し、該固定用凸部(4b,31b)を該振動変換部(4a,31a)の回転軸線方向一端側に配置し
    前記固定用凸部(4b,31b)の基端部における周方向の中心位置を、前記振動変換部(4a,31a)の回転軸線方向一端側における周方向の略中心位置に設定したことを特徴とする超音波モータ。
  2. 圧電素子(5,6)が複数の金属ブロック(3,4,31)に挟まれた状態で締結されてなり、高周波電圧の印加により振動するステータ(1)と、
    前記ステータ(1)に摺動可能に加圧接触され、前記ステータ(1)の振動に基づいて回転するロータ(2)と
    を備えた超音波モータにおいて、
    前記金属ブロック(4,31)に、縦振動(Vz1)に基づいて捩り振動(Vθ1)を発生するための振動変換部(4a,31a)を形成するとともに、外部に固定するための固定用凸部(4b,31b)を周方向に複数形成し、該固定用凸部(4b,31b)を該振動変換部(4a,31a)の回転軸線方向一端側に配置し、
    前記固定用凸部(4b)を、前記振動変換部(4a)の数と同数形成したことを特徴とする超音波モータ。
  3. 請求項1又は2に記載の超音波モータにおいて、
    前記固定用凸部(4b,31b)の回転軸線方向の位置を、前記捩り振動(Vθ1)の略節位置(F)に設定したことを特徴とする超音波モータ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の超音波モータにおいて、
    前記振動変換部(4a,31a)を、前記ロータ(2)が加圧接触されない側の前記金属ブロック(4,31)の回転軸線方向圧電素子(5,6)側に形成し、
    前記固定用凸部(4b,31b)を、前記ロータ(2)が加圧接触されない側の前記金属ブロック(4,31)の回転軸線方向中央部に配置したことを特徴とする超音波モータ。
  5. 圧電素子(5,6)が複数の金属ブロック(3,4,31)に挟まれた状態で締結されてなり、高周波電圧の印加により振動する超音波モータのステータにおいて、
    前記金属ブロック(4,31)に、縦振動(Vz1)に基づいて捩り振動(Vθ1)を発生するための振動変換部(4a,31a)を形成するとともに、外部に固定するための固定用凸部(4b,31b)を周方向に複数形成し、該固定用凸部(4b,31b)を該振動変換部(4a,31a)の回転軸線方向一端側に配置し、
    前記固定用凸部(4b,31b)の基端部における周方向の中心位置を、前記振動変換部(4a,31a)の回転軸線方向一端側における周方向の略中心位置に設定したことを特徴とする超音波モータのステータ
  6. 圧電素子(5,6)が複数の金属ブロック(3,4,31)に挟まれた状態で締結されてなり、高周波電圧の印加により振動する超音波モータのステータにおいて、
    前記金属ブロック(4,31)に、縦振動(Vz1)に基づいて捩り振動(Vθ1)を発生するための振動変換部(4a,31a)を形成するとともに、外部に固定するための固定用凸部(4b,31b)を周方向に複数形成し、該固定用凸部(4b,31b)を該振動変換部(4a,31a)の回転軸線方向一端側に配置し、
    前記固定用凸部(4b)を、前記振動変換部(4a)の数と同数形成したことを特徴とする超音波モータのステータ
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