JP3802267B2 - 吸気管 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンへ空気を供給する通路としての吸気管に関し、詳しくは吸気時の騒音が低減された吸気管に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車エンジンの吸気系では、吸気時にエアクリーナホースあるいは吸気ダクトなどの吸気管において騒音が発生するという問題がある。この吸気騒音は、特にエンジンの低速回転時に耳障りである。そこで従来より、図18に示すように、吸気ダクト 100にサイドブランチ 101及び/又はレゾネータ 102を設け、ヘルムホルツの共鳴理論などに基づいて計算される特定周波数の騒音を低減することが行われている。
【0003】
ところがサイドブランチ 101は、長いものでは約30cmの長さにもなり、レゾネータ 102の容積は大きいものでは14リットルもの大きさとなる。そのためこれらの吸音装置のエンジンルーム内に占めるスペースが大きくなり、他の部品の搭載の自由度が低くなるという不具合が生じる。
そこで実開昭64-22866号公報には、吸気ダクト内にオリフィスを配置し、オリフィスの位置で吸気を絞ることで吸気騒音を低減することが開示されている。このように吸気通路を絞ることにより、音響質量が大きくなり、低音域の吸気音を低減することができる。
【0004】
また実開平3-43576号公報には、エアクリーナケースに並列に接続された2本の吸気管と、2本の吸気管からそれぞれ分岐した分岐管と、各分岐管が共に連結された共通のレゾネータを有し、一方の吸気管における分岐管の接続部の上流側に運転状態に応じて選択的に開く開閉弁を備えた吸気音低減装置が開示されている。
【0005】
この実開平3-43576号公報に開示の装置によれば、エンジン回転数に応じて開閉弁を制御して吸気管を1本又は2本に切り替えることにより、エンジン回転数に応じて吸入空気量を制御し、かつ吸気騒音を低減することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記した吸気通路を絞る方法では、エンジンの高速回転時に吸入空気量が不足して出力が低下するという不具合がある。
また実開平3-43576号公報に開示の装置では、開閉弁を駆動するために電子制御回路、電磁開閉弁、あるいはダイヤフラムアクチュエータなどを用いているので、コスト面から好ましいものではない。また電子制御回路や電磁開閉弁などが必要であるため、複雑な装置となり高価となるばかりかメンテナンス工数も多大である。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、吸気通路を絞ることなく、電子制御回路や電磁開閉弁などを用いずに、単純で安価な構成でエンジンの低速回転時の吸気騒音を低減し、かつ高速回転時には十分な空気量を供給できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1に記載の吸気管の特徴は、自動車の外気取り入れ口とエンジンのインテークマニホールドとの間に配置される吸気管において、合成樹脂製成形体からなる第1分割体と、熱可塑性樹脂製のバインダ繊維を含む不織布を熱プレス成形することでバインダ繊維によって所定形状に賦形された不織布製成形体からなる第2分割体とからなり、第1分割体と第2分割体とが一体的に結合されて筒状に形成され、第2分割体から形成された管壁自体が通気性を有することにある。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、吸気管の材質と発生する騒音との関係を鋭意研究した結果、所定の通気性をもつ通気性材料から管壁を形成することにより、定在波が生じにくく、吸気騒音が著しく低減されることを見出した。本発明はこのような発見に基づいてなされたものである。
【0012】
吸気時に生じる騒音は、主として吸気管の内部で発生する音波の定在波に起因し、定在波の周波数は吸気管長、吸気管径及び吸気管の材質などによって決まる。そこで本発明では、不織布よりなる成形体から吸気管の管壁の少なくとも一部を形成している。
管壁を不織布成形体から構成することで吸気音が低減される理由の詳細は不明であるが、以下の三つの理由が考えられる。
(1)不織布は弾性体であるので制振作用を有し、管壁の振動による音波の発生が抑制される。
(2)不織布の繊維間の多数の隙間に入り込んだ音波は、隙間の粘性と熱伝導の作用によりそのエネルギーが弱まり、また音圧の変動に伴い繊維自身が共振して音エネルギーが減衰する。
(3)管壁の少なくとも一部がある程度の通気性を有することにより、音波の一部がその管壁を通過することで定在波の発生が抑制される。
【0013】
これらの相乗効果によって吸気騒音が低減されると考えられる。
しかし、不織布成形体の通気性が高すぎると、吸気管内の音波が管壁を透過して外部に漏れるため、騒音が増大するという不具合がある。そこで通気性の程度は、圧力差98Paのときの空気の通気量が1m2 当たり6000m3/h以下とすることが望ましい。なお本発明にいう通気量とは、試験体により区画された2室間の圧力差を98Paに設定した時に、試験体の単位面積あたりを通過する単位時間あたりの空気量をいう。単位面積当たり6000m3/h以下という限定は、もちろん圧力差が98Paの空気の場合の限定であり、吸気の圧力が異なれば通気量の限定数値も異なることはいうまでもない。
【0014】
圧力差98Paのときの空気の1m2 当たりの通気量が6000m3/hを超えると、吸気管の管壁を通過する音波が多くなって透過音が大きくなる。また通気量がゼロであると、 200Hz以下の低周波数域の騒音の抑制作用が小さくなるが、従来の吸気管に比べれば騒音は小さい。通気量がゼロの不織布成形体とするには、不織布成形体の外側表面に膜状の表皮層を形成すればよい。内側表面に表皮層を形成しても通気量をゼロとすることはできるが、上記した(2)の理由による騒音の低減が困難となるので好ましくない。なお不織布成形体における圧力差98Paのときの空気の通気量は、ゼロ以上で4200m3/h未満であることが好ましく、0<通気量<3000m3/hの範囲が特に好ましい。
【0015】
本発明の吸気管は、熱可塑性樹脂製のバインダ繊維を含む不織布を熱プレス成形することでバインダ繊維によって所定形状に賦形された成形体から、管壁全体が形成されている。熱可塑性樹脂繊維製の不織布を用いれば、複雑な形状の吸気管でも熱プレス成形などで容易に賦形して成形することができる。この場合、熱可塑性樹脂繊維は不織布の一部を構成していてもよいし、不織布全体が熱可塑性樹脂繊維から構成されていてもよい。
【0016】
また不織布よりなる成形体は、吸気管の管壁の少なくとも一部に存在すれば吸気騒音の低減にそれなりの効果があるが、不織布以外の非通気性材料から形成された部分が多くなるほど定在波が発生しやすくなるので、吸気管全体を不織布よりなる成形体から形成する。
しかし吸気管全体を不織布よりなる成形体から形成する場合、深絞り部や曲率半径の小さい曲がり部をもつような形状に熱プレス成形しようとすると、壁面に亀裂などの不具合が発生して吸気騒音が漏れる場合がある。このような不具合を防止するには、成形体を複数に分割して形成し、それを接合して所定形状とする方法が考えられるが、工数が増大して生産性が低下するとともにコストも上昇するという不具合がある。
【0017】
そこで、不織布は高融点繊維と高融点繊維より融点の低い低融点繊維とを含み、不織布中の低融点繊維の割合が高融点繊維より多くなるように構成することが望ましい。
このように構成された不織布を用いて熱プレス成形すれば、低融点繊維が優先的に軟化溶融し、高融点繊維が塑性変形又は弾性変形して、最後に軟化した低融点繊維が冷却固化することで所定形状に賦形される。したがって成形時の繊維の動きの自由度が大きいため、深絞り部や曲率半径の小さい曲がり部をもつような形状にも容易に賦形することができる。そして万一壁面に亀裂が生じたとしても、十分に存在する溶融した低融点繊維により亀裂が充填されて溶着接合されるため、上記不具合が防止される。
【0018】
低融点繊維は高融点繊維より多ければよいが、不織布中の低融点繊維の割合が20〜50%であることが好ましい。20%未満では上記作用が発現されにくく、50%を超えると成形体の耐熱性が不足するようになる。なお低融点繊維は融点が 150〜 170℃の範囲のものが好ましく、高融点繊維は融点が 220〜 260℃の範囲のものが好ましい。
【0019】
不織布には、高融点繊維及び低融点繊維以外の他の繊維を含むこともできる。他の繊維としては特に制限がないが、撥水繊維など特殊な機能をもつ繊維を用いることも好ましいことである。
また、不織布は高融点熱可塑性樹脂製の芯材と芯材表面に被覆され芯材より融点の低い低融点熱可塑性樹脂製の被覆層とよりなる熱可塑性繊維を含み、被覆層の体積が芯材の体積より大きくなるように構成することも望ましい。
【0020】
このように構成することにより、熱プレス成形時には被覆層が優先的に軟化溶融し、芯材が塑性変形又は弾性変形して、最後に軟化した被覆層が冷却固化することで所定形状に賦形される。したがって成形時の繊維の動きの自由度が大きいため、深絞り部や曲率半径の小さい曲がり部をもつような形状にも容易に賦形することができる。そして万一壁面に亀裂が生じたとしても、十分に存在する溶融した被覆層により亀裂が充填されて溶着接合されるため、上記不具合が防止される。
【0021】
被覆層の体積は芯材の体積より大きければよいが、不織布中の熱可塑性繊維の割合が20〜50%であることが好ましい。20%未満では上記作用が発現されにくく、50%を超えると成形体の耐熱性が不足するようになる。なお被覆層は融点が 150〜 170℃の範囲のものが好ましく、芯材は融点が 220〜 260℃の範囲のものが好ましい。
【0022】
上記した二層構造の熱可塑性繊維を一部に含む不織布を用いる場合は、この熱可塑性繊維を少なくとも20〜50体積%含むものを用いることが望ましい。この熱可塑性繊維の含有量が20体積%より少ないと、上記作用がうまく奏されず成形体に亀裂が残る場合がある。
また本発明の吸気管では、経年変化、水分の浸入などにより成形体の厚さや特性が変化し、成形体を透過する透過音及び吸気ダクト先端の吸気口から放射される出口音のバランスが崩れて吸気騒音を抑制する性能が変化する場合がある。
【0023】
そこで、成形体は所定機能が付与された機能層をもつ不織布から形成されていることが望ましい。この機能層としては、撥水層、目詰まり防止層などが例示され、それぞれの機能を有する繊維をその部分に混在させた不織布を用いることで容易に形成することができる。またそれぞれの機能をもつフィルムを不織布に積層して用いてもよい。
【0024】
この機能層の位置は、成形体の厚さ方向で適宜設定できる。例えば撥水層を用いる場合には、成形体の表面層あるいは中間層に設けることが望ましい。これにより水分の浸入が防止され、成形体の特性の変化が防止されるため吸気騒音低減効果を長期間維持することができる。またエアクリーナへの水の浸入も抑制されるので、エアクリーナエレメントの通気性が損なわれることによるエンジン不調も抑制できる。
【0025】
本発明では、第1分割体及び第2分割体とから構成し、一方を樹脂製成形体から構成し、他方を不織布成形体から構成する。樹脂製成形体よりなる第1分割体は剛性が大きいので、エアクリーナへ固定するためのブラケット部や嵌合部を一体的に形成することができ、部品点数の低減により生産性が向上する。また組付性や信頼性も向上する。
【0026】
第1分割体と第2分割体とを一体的に結合するには、別体のクリップなどで結合してもよいが、部品点数が多くなるという不具合がある。そこで第1分割体と第2分割体のみで結合することが望ましく、例えば第1分割体に形成された係合爪などの結合手段によって機械的に結合する方法、あるいは溶着で結合する方法などが挙げられる。第1分割体は樹脂製であるので十分な強度を有し、係合爪などの結合手段を一体的に形成することができる。
【0027】
【実施例】
以下、試験例及び実施例により本発明を具体的に説明する。
(試験例)
図1に示す試験装置を用い、各種材質の管の吸音特性を調査した。材質としては、以下の3種類を用い、それぞれ内径60mm、長さ 400mmの直管に形成したものを試料とした。
【0028】
試料A:アクリル樹脂
試料B:PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維製不織布(目付量 700g/m2、厚さ 1.5mm、通気量3500m3/h・m2)
試料C:試料BのPET繊維製不織布を2枚重ねたもの(通気量1750m3/h・m2)
この試験装置では、試料1の一端が遮音壁3を貫通するアクリル樹脂製のパイプ2(内径66mm)の一端に接続され、試料1は全体が防音室内に配置されている。そしてパイプ2の他端にはスピーカ4が配置され、試料1の他端開口から10mm離れた位置、及び試料1の管壁から 100mm離れた位置にはそれぞれマイク5が配置されている。
【0029】
そしてスピーカ4からホワイトノイズを発し、マイク5により試料1の開口から出る出口音と試料1の管壁を透過した透過音の周波数特性(周波数−音圧)をそれぞれ測定して、結果を図2及び図3に示す。
図2及び図3より、不織布から形成された試料B,Cでは、アクリル樹脂より形成された試料Aに比べて定在波の音圧が低く、定在波の発生が抑制されていることがわかる。また試料Cでは、試料Bに比べて出口音の定在波の音圧が大きいものの、透過音では定在波の音圧が試料Bより低くなっていることもわかる。このようになる理由は、試料Cは試料Bより1m2 当たりの通気量が少ないために音波の透過が一層抑制されるからである。したがって、1m2 当たりの通気量を調整することで、出口音と透過音のバランスを調整することができることがわかる。
【0030】
(参考例1)
図4に本参考例の吸気ダクト6の斜視図を、図5にそのA−A断面図を示す。この吸気ダクト6は、曲率半径の小さな部位で分割された二つの分割体が接合されて一体化されている。そして分割体はそれぞれ半割形状の上部材60及び下部材61が溶着されて構成されている。以下、この吸気ダクト6の製法を説明して、構成の詳細な説明に代える。
【0031】
先ずPET繊維から形成され、厚さ約35mmの不織布を用意した。この不織布には、低融点PET繊維よりなるバインダ繊維が30体積%含まれ、目付量は 700g/m2である。次に、この不織布をプレス成形型に配置し、バインダ繊維の融点に加熱しながら3mmの厚さとなるように熱プレス成形して、上部材60及び下部材61を形成した。
【0032】
次に上部材60及び下部材61を管状となるように合わせ、両者を超音波溶着により一体的に接合して本実施例の吸気ダクト6(管長: 700mm、内径:66mm)を得た。この吸気ダクト6の管壁の1m2 当たりの厚さ方向の空気透過率は、圧力差98Paのときに3900m3/hである。
(参考例2)
上記参考例1の吸気ダクト6の外周表面全体にポリエチレン製のキッチンラップを厚さ10μmとなるように巻き、実施例2の吸気ダクトとした。この吸気ダクトの管壁の1m2 当たりの空気透過率は、圧力差98Paのときにゼロである。
【0033】
(比較例1)
図8に示す従来の吸気ダクト 100を比較例1とした。この吸気ダクト 100は高密度ポリエチレンからブロー成形により管長: 700mm、内径:66mmに形成され、管壁の厚さ方向の空気透過率は、圧力差98Paのときにゼロである。
(試験・評価)
上記したそれぞれの吸気ダクトについて、試験例と同様の試験装置に配置し、同様にして吸気騒音の周波数特性を測定した。吸気騒音は、吸気ダクトの入口から発する出口音と、管壁から発する透過音の2種類を測定し、出口音の結果を図6に、透過音の結果を図7に示す。
【0034】
図6より、参考例1〜2の吸気ダクトは比較例1の従来の吸気ダクトに比べて出口音が格段に低減されていることがわかり、これは所定の通気性をもつ不織布成形体を用いて吸気ダクトを構成した効果であることが明らかである。
また図7より、参考例1及び参考例2の吸気ダクトは比較例1に比べると透過音が大きくなっていることもわかる。
【0035】
そして吸気騒音は出口音と透過音の両方から構成されるのであるから、図6及び図7を合わせて評価すると、出口音のきわめて大きな比較例1が吸気騒音について最も劣っていることがわかる。
また図6より、参考例1の吸気ダクトは、通気量の全くない参考例2に比べて低周波域での音圧レベルが低い。したがって出口音に関しては、通気量はゼロより大きい方が好ましいことがわかる。
【0036】
(参考例3)
融点 220〜 260℃の高融点PET繊維を70体積%と、融点 160℃の低融点PET繊維を30体積%含んでなる不織布(目付量1400g/m2、厚さ3mm)を用意した。この不織布をプレス成形型に配置し、低融点PET繊維の融点に加熱しながら3mmの厚さとなるように熱プレス成形して、非分割構造であること以外は図4と同一形状の吸気ダクトの半割形状の上部材と下部材をそれぞれ参考例1と同様に形成した。
【0037】
そして上部材及び下部材を管状となるように合わせ、超音波溶着により両側のフランジ部を一体的に接合して、本参考例の吸気ダクト(管長: 700mm、内径:66mm)を得た。この吸気ダクトの管壁の1m2 当たりの厚さ方向の空気透過率は、圧力差98Paのときに1000m3/hである。
得られた吸気ダクトは、曲率半径が小さい部分があるにも関わらず、形状精度に優れ、亀裂の発生なども認められなかった。また吸気騒音(出口音、透過音)は、参考例1と参考例2の中間特性が得られた。
【0038】
(参考例4)
図8に示すように、融点 220〜 260℃の高融点PETよりなる直径約7μmの芯材10と、融点 160℃の低融点PETよりなり芯材10の周囲に被覆された厚さ約12μmの被覆層11とからなり、全体が10デニールのPET繊維から形成された不織布を用い、参考例3と同様にして吸気ダクトを製造した。この吸気ダクトの管壁の1m2 当たりの厚さ方向の空気透過率は、圧力差98Paのときに 900m3/hである。また被覆層11の体積は芯材10の体積に対して約18倍倍多くなっている。
【0039】
得られた吸気ダクトは、曲率半径が小さい部分があるにも関わらず、形状精度に優れ、亀裂の発生なども認められなかった。吸気騒音は、実施例3とほとんど同じ特性を示した。
(参考例5)
図9に示すように、参考例4と同一の芯材10と、融点 160℃の低融点PETよりなり芯材10の周囲に被覆された厚さ約4μmの被覆層11とからなり、全体が2デニールのPET繊維から形成された不織布を用い、参考例3と同様にして吸気ダクトを製造した。この吸気ダクトの管壁の1m2 当たりの厚さ方向の空気透過率は、圧力差98Paのときに3000m3/hである。また被覆層11の体積は芯材10の体積に対して約3倍となっている。
【0040】
この参考例5の吸気ダクトでは、熱プレス成形の際に曲率半径が小さい部分の管壁に亀裂が生じたため、吸気騒音の漏れがあった。
(参考例6)
図10に本参考例の吸気ダクトの要部斜視図を示す。この吸気ダクトは、半割形状の上部材12及び下部材13のフランジ部14,15が縫製によって接合されていること以外は参考例3と同様である。なお、縫製の代わりにホッチキスにて接合してもよい。
【0041】
このように縫製又はホッチキスにて接合すれば、溶着のような大がかりの装置が不要となり、他品種少量生産に最適である。
(参考例7)
図11に本参考例の吸気ダクトの断面図を示す。この吸気ダクトは、半割形状の上部材12及び下部材13の表面にそれぞれ撥水層16が形成されていること以外は参考例3と同様である。
【0042】
この吸気ダクトは、PET繊維17の表面にシリコン樹脂層18を被覆してなる撥水繊維20を表層に配置した不織布21を用いて、参考例3と同様に製造された。
この吸気ダクトによれば、表面に撥水層16が形成されているため、管壁への水分の浸入が抑制される。したがって水分の浸入による厚さの変化が抑制され、成形体を透過する透過音及び吸気ダクト先端の吸気口から放出される出口音のバランスを安定して維持することができる。またエアークリーナ装置への水の浸入も抑制される。
【0043】
なお撥水層16の位置は、吸気ダクトの外周表面が最も望ましいが、それに限られるものではなく、外周表面、内周表面及び中間層のどの位置でもよいし複数の位置に設けることもできる。さらに、撥水繊維20が均一に分散された不織布を用い、全体を撥水層としてもよい。
なお、本参考例では撥水繊維20を含む不織布を用いることで撥水層16を形成したが、シリコン樹脂フィルム、フッ素樹脂フィルムなどを不織布に積層することで撥水層を形成することもできる。この場合も撥水層の位置は、外周表面、内周表面及び中間層のどの位置でもよいし複数の位置に設けることもできる。
【0044】
(実施例1)
図12に本実施例の吸気ダクトの断面図を示す。この吸気ダクトは、第1分割体30と第2分割体40とから構成されている。
第1分割体30はポリプロピレンから射出成形によって形成され、左右両側にフランジ部31が形成されている。このフランジ部31には、複数の係合突起32が互いに間隔を隔てて一体的に列設されている。またフランジ部31の一部には、ブラケット33が一体的に形成されている。
【0045】
第2分割体40は実施例1と同様にPET繊維製の不織布から熱プレス成形により形成され、左右両側にフランジ部41が形成されている。またフランジ部41には、複数の貫通孔42が互いに間隔を隔てて列設されている。この貫通孔42は、第2分割体40の成形後に行われたフランジ部41周囲の不要部の打ち抜き工程において同時に穿設されたものである。
【0046】
そして本実施例の吸気ダクトは、係合突起32が貫通孔42と係合することで第1分割体30と第2分割体40とが一体的に結合されている。したがってこの吸気ダクトでは、第1分割体30の剛性が大きいので、ブラケット33を介して相手部材に結合することができ、取付ブラケットなどの別部品が不要となる。また係合突起32の剛性が大きいので、十分な結合強度が確保できる。また第2分割体40は不織布製で僅かな通気性を有し、本実施例の吸気ダクトの吸気騒音(出口音、透過音)は、参考例1と参考例2の中間特性が得られた。
【0047】
なお本実施例では第1分割体30と第2分割体40の結合に、係合突起32と貫通孔42による機械的な結合手段を用いたが、図13に示すように第1分割体30のフランジ部31から突出する突起34を貫通孔42に挿入後、先端を溶融させて係合させる熱加締めを用いてもよい。
また図14に示すように、第2分割体40を型内に配置し、射出成形により貫通孔42を貫通して第2分割体40と一体的に結合した係合部35を形成する。その後第1分割体30を重ねて係合部35と振動溶着することで、係合部35を介して第1分割体30と第2分割体40を一体化することもできる。
【0048】
また、図示はしないが、両フランジ部31,41に一体としたときに互いに連通する貫通孔を形成すれば、貫通孔にクリップなどを挿通することで一体化することも可能である。
さらに、図16に示すような結合構造とすることも好ましい。この結合構造では、図15に示すように第1分割体30のフランジ部31から突出し半割形状で可撓性を有するピンボス36を複数個間隔を隔てて形成し、またフランジ部31の先端部には突条37と係合孔38が形成されている。またピンボス36と係合孔38の間にはヒンジ部39が形成されている。そしてピンボス36を貫通孔42に挿通した後、ヒンジ部39でフランジ部31先端を外方へ 180度折り曲げ、ピンボス36に係合孔38を係合させる。これにより第2分割体40のフランジ部41は第1分割体30のフランジ部31で挟持され、第1分割体30と第2分割体40とが一体化されている。
【0049】
この結合構造によれば、突条37がフランジ部41をフランジ部31に押圧する作用が奏されるので密着性が向上し、さらにフランジ部31が第2分割体40のフランジ部41の端面を全周で覆うことが可能となるので、第1分割体30と第2分割体40との境界からの水の浸入を確実に防止することができる。
本実施例のように、ダクトの一部を不織布製成形体で構成する場合には、その不織布製成形体のダクト全体に占める領域としては、ダクト長の1/4以上で、ダクト周長の1/4以上となるようにすることが望ましい。またその領域としては、複数の箇所に設けてもよく、その場合には、ダクトは第1分割体と複数の第2分割体で構成され、該複数の第2分割体の占める各領域のダクト長手方向と周方向のそれぞれの合計が前記条件を満たすようにすればよい。
【0050】
(参考例8)
本発明の吸気管は気柱共鳴を効果的に抑制するものであるが、エンジン回転数など気柱共鳴以外の要因によって生じる80Hz〜 100Hzの低周波域の騒音を抑制しにくい。このような騒音を抑制するには、吸気管の空気入口側の開口径を小さくし、空気出口側開口へ向かって径が徐々に大きくなるような形状とするのが有効である。しかし、空気入口側の開口径を極端に小さくする必要がある場合があり、そのような場合には大量の空気量が必要となる高回転域にてエンジンの出力が低下するという不具合がある。
【0051】
そこで本参考例では、図17に示すように、空気入口側開口の径が小さく、空気入口側開口から空気出口側開口へ向かって径が徐々に拡大する吸気ダクト7を実施例1と同様にして形成し、その出口側開口70をエアクリーナ8の第1空気入口80に結合している。
一方、エアクリーナ8には、第1空気入口80より径が大きい第2空気入口81が形成されている。また第2空気入口81には、図示しない駆動手段によって駆動されるバルブ82が揺動可能に設けられている。
【0052】
このような吸気装置によれば、エンジンの低回転時にはバルブ82が閉じられ、吸気は吸気ダクト7からエアクリーナ8内へ吸入される。そして中・高周波域の吸気騒音は、不織布製の吸気ダクト7の特性によって低減される。また低周波域の吸気騒音は、吸気ダクト7の形状(空気入口側開口が縮径されている)によって低減される。
【0053】
そしてエンジン回転数が上昇して所定値となると、図示しない駆動手段によりバルブ82が駆動され第2空気入口81が開かれる。したがってエアクリーナ8には第1空気入口80と第2空気入口81の両方から吸気が流入するので、高回転時の必要な空気量を確保することができる。
【0054】
【発明の効果】
すなわち本発明の吸気管によれば、単純で安価な構成でエンジンの低速回転時の吸気騒音を低減することができる。また絞りなどを用いていないので、高速回転時には十分な空気量を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例において周波数特性を測定するのに用いた装置の構成説明図である。
【図2】試験例における出口音の周波数と音圧との関係を示すグラフである。
【図3】試験例における透過音の周波数と音圧との関係を示すグラフである。
【図4】一参考例の吸気ダクトの斜視図である。
【図5】一参考例の吸気ダクトの断面図である。
【図6】参考例1,2と比較例1の吸気ダクトで発生する吸気音の周波数と音圧との関係を示すグラフである。
【図7】参考例1,2と比較例1の吸気ダクトで発生する透過音の周波数と音圧との関係を示すグラフである。
【図8】参考例4の吸気ダクトに用いたPET繊維の断面図である。
【図9】参考例5の吸気ダクトに用いたPET繊維の断面図である。
【図10】参考例6の吸気ダクトの一部断面で示す要部斜視図である。
【図11】参考例7の吸気ダクトの断面図とその要部拡大図である。
【図12】実施例1の吸気ダクトの断面図である。
【図13】実施例1の吸気ダクトの他の態様を示す要部断面図である。
【図14】実施例1の吸気ダクトの他の態様を示す要部断面図である。
【図15】実施例1の吸気ダクトの他の態様を示し、第一分割体と第2分割体の結合前の状態の要部断面図である。
【図16】実施例1の吸気ダクトの他の態様を示す要部断面図である。
【図17】参考例8の吸気ダクトをエアクリーナとともに示す断面図である。
【図18】従来の吸気ダクトの斜視図である。
【符号の説明】
1:試料 2:パイプ 3:遮音壁
4:スピーカ 5:マイク
Claims (1)
- 自動車の外気取り入れ口とエンジンのインテークマニホールドとの間に配置される吸気管において、
合成樹脂製成形体からなる第1分割体と、熱可塑性樹脂製のバインダ繊維を含む不織布を熱プレス成形することで該バインダ繊維によって所定形状に賦形された不織布製成形体からなる第2分割体とからなり、該第1分割体と該第2分割体とが一体的に結合されて筒状に形成され、該第2分割体から形成された管壁自体が通気性を有することを特徴とする吸気管。
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