JP3791782B2 - 射出成形機における逆流防止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱シリンダの内部に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているスクリュの先端部に取り付けられているスクリュヘッドと、該スクリュヘッドの小径部に挿通する形で、前記スクリュの先端部と前記スクリュへッドのヘッド部との間に軸方向に移動可能に設けられている環状の逆止リングとからなり、前記逆止リングの内周面と前記スクリュヘッドの小径部の外周面との間に所定断面積の樹脂通路が形成されている、射出成形機における逆流防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
射出成形機は、文献名を挙げるまでもなく従来周知で、概略的には加熱シリンダと、この加熱シリン内に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているスクリュとからなっている。このような射出成形機は、そのスクリュの形式により逆止リング付きの射出成形機と、逆止リングを備えていない射出成形機とに大別できる。また、逆止リングの方から区別すると、スクリュと共に回転する供回り式と、スクリュの回転とは連動しない非供回り式とに分けられる。
【0003】
従来の供回り式のスクリュヘッドの近傍の要部が、図3の(a)に示されている。すなわち、この射出成形機は、加熱シリンダ50と、この加熱シリンダ50の内部に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているスクリュ51とからなっている。スクリュ51の先端部には、押金52が装着されてスクリュヘッド53がネジによりスクリュ51の先端部に取り付けられている。そして、このスクリュヘッド53の軸部に逆止リング54が装着されている。押金52には、その前方に円錐形の座55が形成され、この座55に対応して逆止リング53の後端部には、逆円錐形の弁座56が形成されている。また、逆止リング54の先端部には、軸方向に所定深さに切り欠かれて溝57が形成されている。そして、この溝57にスクリュヘッド53に固着されているピン58が緩く嵌っている。したがって、スクリュ51が回転駆動されるときは、逆止リング54も回転駆動される。なお、スクリュヘッド53の軸部の外周面と、逆止リング54の内周面との間には所定の間隔があり、溶融樹脂の樹脂通路59が確保されている。
【0004】
非供回り式の射出成形機の例が図3の(b)に示されている。図3の(a)に示されている供回り式の構成要素と同じ要素には同じ参照数字を付けて重複説明はしないが、本射出成形機は、逆止リング54’を装着してから当金53’が付いているスクリュヘッド53’をスクリュ51の先端部にネジにより固定されるようになっている。このスクリュヘッド53’と、逆止リング54’とは、機械的には関係がない。したがって、スクリュ51すなわちスクリュヘッド53が回転駆動されても、逆止リングは回転しないことになる。
【0005】
次に、上記従来例の作用について説明する。可塑化工程では、樹脂材料を加熱シリンダ50に供給すると共にスクリュ51を回転駆動する。そうすると、樹脂材料は従来周知のようにして可塑化され、逆止リング54、54’は可塑化される溶融樹脂の圧力により前方へ押される。この結果、押金52の座55から逆止リング54、54’の弁座56が離間し、樹脂通路が確保される。これにより、溶融樹脂はスクリュヘッド53の先端部のリザーバ50’へ送られる。このとき、供回り式の逆止リング54は、ピン57を介してスクリュ51と共に回転駆動される。リザーバ50’に蓄えられる溶融樹脂の圧力により、スクリュ51が後退し、所定量蓄積して可塑化工程を終わる。
【0006】
また、使用する樹脂材料の種類例えば低粘度樹脂材料、成形条件等によっては可塑化工程後に、スクリュ51を回転させることなく図3において右方すなわち後進させる、いわゆるサックバックを実施する。これにより、リザーバ50’側の樹脂圧力が減圧され、金型を開く型開時、加熱シリンダ50の先端に取り付けられている射出ノズルの後退時等において溶融樹脂が射出ノズルの先端から外部へ流れ出すドルーリングすなわち鼻たれ現象を防止することができる。
【0007】
次いで、射出工程に入る。スクリュ51を図3において左方へ駆動する。そうすると、リザーバ50’の樹脂圧力が上昇し逆止リング54、54’が右方へ押され、逆止リング54、54’の弁座56が押金52の座55に着座する。これにより、リザーバ50’側の溶融樹脂は、スクリュ51側へ漏れることなく、所定量の溶融樹脂が型締された金型へ射出充填されることになる。冷却固化を待って金型を開くと成形品が得られる。
【0008】
上記のように従来の逆止リング54、54’を備えた射出成形機によっても成形品を得ることは出来るし、共回り式の逆止リング54によると、加熱シリンダ50の内周壁に付着する滞留溶融樹脂が掻き取られる効果があり、また逆止リング54のリザーバ50’側への移動がピン58で規制されるようになって、構造が簡単になるという利点もある。一方、非供回り式の逆止リング54’によると、逆止リング54’の外周面の耐摩耗性に優れ、また加熱シリンダ50の内周面と逆止リング54’の外周面との隙間から溶融樹脂が逆流する量を減らす効果が得られる。
【0009】
しかしながら、上記した従来の逆流防止装置は、溶融樹脂の一部が望ましくない方向へ逆流あるいは漏れる欠点がある。すなわち、第1番目の欠点は、可塑化完了から射出開始までの間は、スクリュ51側の圧力が高いので、逆止リング54、54’を左方向へ押す力が作用し、その弁座56が押金52の座55から離間し、スクリュ51側からリバーザ50’側へ逆流する欠点がある。この状態が図4の(a)に示されている。第2番目に、図4の(b)に示されているように、射出中は、リザーバ50’側の圧力は高くなるので、逆止リング54、54’の弁座56は、押金52の座55に着座し逆流は起こらないが、射出を開始してから、逆止リングの弁座56が押金52の座55に着座するまでの間に溶融樹脂が逆流する。第3番目の欠点は、図4の(c)に示されているように、加熱シリンダ50の内周面と逆止リング54、54’の外周面との間の隙間から漏れることである。第4番目に、図4の(d)に示されているように、サックバック工程後に、スクリュ51側からリザーバ50’側へ逆流する。なぜならば、加熱シリンダ50の内周面と逆止リング54、54’の内周面との間には摩擦抵抗があるので、スクリュ51を後退させるとき、逆止リング54、54’はスクリュ51の後退動作に完全に追従することなく残る。しかも、スクリュ51が後退するので、リザーバ50’側の圧力は強制的に減圧され、スクリュ51側の高圧の溶融樹脂は容易にリザーバ50’の方へ逆流する。
【0010】
上記の第3番の逆流は、図3の(b)に示されているような非供回り式の逆止リング54’の適用、加熱シリンダ50の内周面と逆止リング54、54’の外周面との間の隙間の最適化、工作精度の向上等により、ある程度抑えることはできる。しかしながら、第1、2および4番目の逆流は、上記した従来の逆流防止装置の構造では回避できないものである。
【0011】
このような逆流が生じると、射出工程で充填される溶融樹脂材料の充填量が不安定になり、成形品の重量変動、ショートショット、バリ等の成形品の品質低下を招く主要因となる。そこで、特公昭59−47979号公報、特開昭62−19423号公報、特開平4−86232号、特開平4−119812号、特開平4−351518号、特許第3017081号明細書、特開平11−34128号、特許第2966779号明細書等により多数の逆流防止装置が提案されている。
【0012】
上記の公報に開示されている逆流防止装置は、逆止リングを積極的にスクリュの先端部に設けられているシールリングに着座させるもので、このような逆流防止装置の中で、本発明の先行技術としては特開平4−351518号公報と特許第3017081号明細書を挙げることができる。前者の特開平4−351518号に示されている逆流防止装置は、スクリュの先端部に設けられているシールリング、このシールリングの前方に軸方向に移動自在に設けられている逆止リング、この逆止リングをスクリュの先端部に止めているスクリュヘッド等からなっている。そして、スクリュヘッドの逆止リングに向いた位置には係止溝が形成され、逆止リングには前記係止溝の内部に臨んでいるテーパ面を有する爪が形成されている。したがって、スクリュを正回転方向に回転駆動して、従来周知のように可塑化し、可塑化終了後スクリュを逆方向に回転駆動すると、スクリュヘッドの係止溝の端部が逆止リングの爪に形成されているテーパ面に当接し、逆止リングをスクリュのシールリングの方へ押す。これにより、逆止リングの後端部がシールリングに着座し、リザーバあるいは計量室の溶融樹脂が、射出工程時にスクリュの方へ逆流することが防止される。
【0013】
一方、特許第3017081号明細書に記載されている逆流防止装置も、上記逆流防止装置と同様にスクリュの先端部に設けられているシールリング、このシールリングの前方に軸方向に移動自在に設けられている環状の逆止リング、この環状の逆止リングをスクリュの先端部に止めているスクリュヘッド等からなっている。そして、スクリュヘッドの小径部の円周面には軸方向に延びる複数個の溝が形成されている。また、環状の逆止リングの前方には、前記溝に対応した弧状突片が形成されている。したがって、スクリュを正方向に回転駆動すると、スクリュヘッドの本体部が孤状突片に当たる。この正方向に回転して当たった位置は、リザーバ側とスクリュ側とが連通する位置であるので、スクリュの回転駆動を続行することにより、従来周知のようにして樹脂材料を可塑化することが出来る。また、可塑化終了後スクリュを逆方向に所定量回転駆動すると、スクリュヘッドの本体部は今度も孤状突片に当たる。この当たった位置は、今度はリザーバ側とスクリュ側とが閉鎖される位置である。これにより、スクリュを後方へ駆動するサックバックあるいはスクリュを軸方向に駆動して射出することも出来る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
このように、上記従来の逆流防止装置によっても、樹脂材料を可塑化することも、また射出・保圧工程時に溶融樹脂の逆流を一応防止することもできるが、従来の逆流防止装置には色々な改良すべき点あるいは問題点が認められる。例えば、前者の逆流防止装置は、スクリュを逆回転させて爪に形成されているテーパ面により逆止リングを後退させて、シールリングに着座させても、逆回転を停止すると、スクリュ側に存在する高圧の樹脂圧力が逆止リングに前方へ押す力が加わっているので、逆止リングはテーパ面に沿って前方へ移動し、シールリングから離間する可能性がある。離間すると、逆流防止効果はなくなる。また、可塑化終了後にサックバックを実施した場合、加熱シリンダの内周壁と逆止リングの外周壁との間には摩擦抵抗があるので、スクリュを後退させても逆止リングはスクリュに追従することが出来ずに、逆止リングはその位置に留まり、シールリングから離間する可能性がある。このように、従来の逆流防止装置は、閉鎖動作に不確実な面を有している。
【0015】
一方、後者の特許第3017081号明細書に記載されている逆流防止装置は、可塑化時には溝を通った溶融樹脂が一方の孤状突片と他方の孤状突片との間に形成されている樹脂流路を通ってリザーバの方へ押し出されるようになっているので、樹脂流路の断面積が小さく、樹脂流路を通過するときの流動抵抗が増大し温度が上昇する恐れがある。その結果、使用する樹脂の種類によっては、樹脂焼け現象、サージング現象等を起こす可能性がある。また、このような現象が生じるので、樹脂流路の断面積を広くすることのできない小型の射出成形機の逆流防止装置としては適用し難い。さらには、樹脂流路の位置関係が、円周上の微妙な角度でずれ、樹脂流路の断面積が変動する危険性もある。例えば、可塑化工程においてスクリュ側から流動する溶融樹脂の圧力により、逆止リングと孤状突片が直ちに密着し、そしてスクリュヘッドに押しつけられ、逆止リング、孤状突片およびスクリュヘッドが一体化して供回りする可能性もある。このような状態は、樹脂通路の不完全な開放状態であり、樹脂流路の断面積は小さくなっている。したがって、前述したように樹脂焼け、サージング等が突然に発生し、成形品の品質の低下を招く。また、射出工程を実施する前にスクリュを逆回転するときも同様な角度のずれが発生する可能性があり、その結果樹脂流路は不完全は閉鎖状態となる。そうすると、溶融樹脂の逆流が生じ、今度はショートショット、ヒケのような成形不良を招く。また、構成部材数が比較的多く、構造が複雑でコスト高になり、さらには小型化あるいは耐久性を向上した設計をするときに制約を受けやすいという問題もある。
【0016】
本発明は、上記したような問題点を解決した逆流防止装置を提供することを目的とし、具体的には可塑化工程時にも、またサックバックあるいは射出工程時にも溶融樹脂の逆流がより完全に防止され、しかも構造は簡単で、溶融樹脂の樹脂通路は比較的大きく採れ、設計上の制約を受け難い逆流防止装置を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、逆止リングには後方あるいは前方のいずれの方向に駆動されても、スクリュあるいはスクリュヘッドと逆止リングとの構成要素に形成されているシート座に着座する弁座が設けられる。また、スクリュを回転駆動するとき、逆止リングを強制的に軸方向に駆動して、弁座がシート座から離間するように、あるいは着座するように構成される。さらには、着座状態を維持するようにも構成される。すなわち、請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、加熱シリンダの内部に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているスクリュの先端部に取り付けられているスクリュヘッドと、該スクリュヘッドの小径部に挿通する形で、前記スクリュの先端部と前記スクリュヘッドのヘッド部との間に軸方向に移動可能に設けられている環状の逆止リングとからなり、前記逆止リングの内周面と前記スクリュヘッドの小径部の外周面との間に所定断面積の樹脂通路が形成されている逆流防止装置であって、前記逆止リングには、前記スクリュの先端部のシート座に着座する後方弁座と、前記逆止リングが軸方向に所定量移動すると前記小径部の外周面側に形成されたシート座に着座する、前記逆止リングの内周面側の前方弁座とが両方向に形成され、前記逆止リングの前方側には、複数個の異なる傾斜の滑り追従部からなるカム溝が形成されていると共に、前記スクリュヘッドには、前記カム溝と共働するカム爪が設けられ、前記スクリュを正方向に回転駆動すると、前記カム爪が前記カム溝の所定の滑り追従部に当接して前記逆止リングを軸方向に駆動し、前記逆止リングの両弁座が前記両シート座から離間して開放状態になり、逆方向に回転駆動すると、他の滑り追従部に当接して前記逆止リングを軸方向に駆動し、前記逆止リングの後方弁座が前記スクリュの先端部のシート座に着座して閉鎖状態となり、前記カム爪と前記カム溝との係合状態が解かれると、溶融樹脂の圧力により、前記逆止リングのいずれか一方の弁座が前記スクリュの先端部のシート座あるいは前記スクリュヘッド部のシート座に着座して閉鎖状態になるように構成される。請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の逆流防止装置において、カム溝とカム爪が、加熱シリンダのリザーバ側方面に構成され、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の逆流防止装置において、カム溝には、逆止リングの弁座がシート座に着座した閉鎖状態を維持するロック部が設けられ、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの項に記載の逆流防止装置において、逆止リングの前方弁座と、前記ヘッド部のシート座との間には、前記前方弁座が前記シート座に着座するときも、樹脂通路が確保されているように構成される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1の(a)は、樹脂通路が開放された状態を、そしてその(b)は閉鎖された状態をそれぞれ示す断面図であるが、図の表示を明瞭にするために、図1の(a)には主として逆止リング関係の構成要素の参照数字を入れ、スクリュおよび加熱シリンダ関係の参照数字は図1の(b)の方に記入して説明する。本発明の実施の形態に係わる逆流防止装置は、スクリュ1の先端部に取り付けられている環状の押金2、この押金2の前方すなわち図1の(a)あるいは(b)において左方に、軸方向に移動自在に設けられている逆止リング10、スクリュ1の先端部にネジ止めされているスクリュヘッド40等から構成されている。
【0019】
軸方向に所定長の加熱シリンダ3は、図1には示されていないが従来周知のように、その外周部には個々に発熱温度が制御される複数個のヒータが設けられ、その先端部すなわち図1において左端部には射出ノズルが取り付けられ、その後方が計量室すなわちリザーバ4となっている。また、後方寄りには樹脂材料供給口が明けられ、その後端部にスクリュ駆動装置が設けられている。このように構成されている加熱シリンダ3の内部に、従来周知の形態をしたスクリュ1が設けられている。このスクリュ1は、可塑化時には加熱シリンダ3内で駆動装置により正方向に回転駆動され、射出時には軸方向に駆動されるようになっている。上記のように駆動されるスクリュ1の先端面は、平らな垂直面となり、この面から軸方向に所定深さに嵌合孔5が明けられ、この嵌合孔5の底部からは、小径のメネジ6がさらに所定深さに形成されている。このメネジ6にスクリュヘッド40のオネジ44が螺合される。
【0020】
環状の押金2は、リング状のシート部7と、このシート部7よりも小径の、筒状の挿入部とからなっている。シート部7の外径は、加熱シリンダ3の内径よりも小さく、その外周面と加熱シリンダ3の内周面路との間には、所定断面積の溶融樹脂の樹脂通路が確保されている。シート部7の前方部分すなわち逆止リング10側には、シート座2aが形成されている。このシート座2aに、詳しくは後述するように、射出時等に逆止リング10の後方弁座10aが着座するようになっている。
【0021】
逆止リング10は、軸方向に所定長さの筒状あるいは環状を呈し、その外周面は加熱シリンダ3の内周面に接し、そして軸方向に移動可能になっている。また、その内径は後述するスクリュヘッド40の小径部43の外径よりも十分に大きい。これにより、逆止リング10の内周面とスクリュヘッド40の小径部43の外周面との間に、所定断面積の第2の樹脂通路J2か構成される。このように構成されている逆止リング10の後端部には、押金2のシート座2aに着座する後方弁座10aが形成されている。後方弁座10aと押金2のシート座2aとの間に、可塑化時に第1の樹脂通路J1が構成される。
【0022】
逆止リング10の内周面側には、スクリュヘッド40の小径部43の外周面側に形成されたシート座42bに着座する前方弁座10bが形成されている。前方弁座10bは、本実施の形態では、軸方向の中間部よりも後方寄りに形成されている。このように、本実施の形態によると、後方弁座10aと前方10bが逆止リング10の後方部と前方部の両部に形成されているので、逆止リング10が後方あるいは前方へ駆動されても、溶融樹脂の逆流が防止されることになる。
【0023】
上記のように構成されている逆止リング10の前方側には、複数個の異なる傾斜の滑り追従部からなるカム溝11が形成されている。このカム溝11は、後述するカム爪と共働するもので、図1の(a)に示されているように、スクリュ1の回転方向に関連して、第1〜3の滑り追従部12〜14と、第4の滑り追従部14の上端部から逆止リング10を横切る方向すなわち図1の(a)において上方へ直線上に延びている第1の直線部15と、第2の滑り追従部13下端部から逆止リング10の前方向すなわち図1の(a)において左方へ直線上に延びている第2の直線部16とから、前方が開放された切欠として形成されている。第2の滑り追従部13は、スクリュヘッド40が可塑化方向に回転駆動されるとき、カム爪に接して逆止リング10を開放位置へ駆動するもので、より確実な位置保持のため、その一部に若干の直線部Lが設けられている。この直線部Lにカム爪が当たることで、逆止リング10の軸方向の妄りな移動が阻止される。また、第3の滑り追従部14は、スクリュ1が可塑化方向と逆の方向に回転駆動されるとき、カム爪に接して逆止リング10を閉鎖位置へ駆動するもので、第1の滑り追従部12と逆方向に傾斜し、直線部Lの上方に位置している。さらには、第1の直線部15は、所定量だけ上方へ延びた後、逆止リング10の前方側に向かいロック作用を奏する直線部17を構成している。一方、第2の直線部16は、第2の滑り追従部13から逆止リング10の前方側へ延びてカム溝11を構成している。
【0024】
スクリュヘッド40は、円錐形のヘッド部41と、このヘッド部41から後方へ延びている小径部43と、この小径部43から更に後方へ延びている軸部とからなり、そして軸部にスクリュ1のメネジ6に螺合するオネジ44が形成されている。小径部43の外径は、逆止リング10の内径よりも小さく、これらの間には所定断面の樹脂通路が確保されている。小径部43の略中間部には、半径外方へ出たリング状のシート座42bが形成されている。このシート座42bと、逆止リング10の内周面側に形成されている前方弁座10bとの間に、可塑化時に第3の樹脂通路J3が確保される。スクリュヘッド40の小径部43の外径は、逆止リング10の内径よりも十分に小さい。したがって、小径部43の外周面と逆止リング10の内周面との間には、前述したように、十分に大きな第2の樹脂通路J2が確保されている。また、小径部43は、逆止リング10よりも所定量だけ軸方向に長い。したがって、逆止リング10は、押金2とスクリュヘッド40との間を軸方向に移動可能である。
【0025】
上記のように構成されているスクリュヘッド40の小径部43に、第1の実施の形態ではピンの形状をしたカム爪18、18が設けられている。このカム爪18は、逆止リング10のカム溝11と共働するためにカム溝11内に臨んでいるが、その頂部は逆止リング10の外表面から突き出てはいない。したがって、カム溝18の頂部が加熱シリンダ3の内周面に接触するようなことはない。なお、カム溝11とカム爪18の位置関係は、後述する作用・効果を達するような関係になっている。
【0026】
本実施の形態に係わる逆流防止装置は、例えば、図2に示すような手順で組み立てることができる。すなわち、カム爪18が装着されたスクリュヘッド40のオネジ44側から逆止リング10、押金2の順に装着していき、カム爪18を逆止リング10のカム溝11内に臨むようにして装着した後、スクリュヘッド40のオネジ44をスクリュ1のメネジ6にねじ込む。この手順により、図1の(a)あるいは(b)で示されているように組み立てられる。また、メンテナンス工程などで、逆流防止装置を分解する場合は、この手順の逆を行えば容易に分解することも可能である。なお、図2において、カム溝11は点線でも示されているが、本実施の形態によるとカム溝11は2カ所に形成されるので、点線は半対称形となる裏側のカム溝を表している。
【0027】
次に、上記実施の形態の作用について説明する。樹脂材料を可塑化するときは、スクリュ1を図1の(a)において矢印Aで示されている正方向に回転駆動する。そうすると、スクリュヘッド40も同方向に駆動され、その小径部43に設けられているカム爪18も同方向に駆動される。スクリュ1が回転駆動されても、逆止リング10は摩擦抵抗等により停止しているので、カム爪18の方が相対的に回転する形になり、第1の滑り追従部12の下方にある第2の直線部16に当接するようになる。その結果、逆止リング10の方が、カム爪18が直線部Lおよび第2の滑り追従部13に至るように軸方向に駆動される。この直線部Lおよび第2の滑り追従部13に至って安定した状態か図1の(a)に示されている。この状態は、図1の(a)に示されているように、逆止リング10が軸方向の略中心部に位置し、押金2のシート座2aと逆止リング10の後方弁座10aとの間には第1の樹脂通路J1が、またスクリュヘッド40の小径部43に設けられたシート座42bと逆止リング10の内周面側に設けられた前方弁座10bとの間には第3の樹脂通路J3が構成される。以下、スクリュ1が矢印Aで示されている可塑化方向に回転駆動されると、逆止リング10もカム爪18により同方向に供回り的に駆動される。これにより、加熱シリンダ3の内周面の溶融樹脂の掻き取られ、樹脂の滞留を阻止する効果も得られる。
【0028】
図示されないホッパから加熱シリンダ3内に供給される樹脂材料は、加熱シリンダ3の外周部に設けられているヒータから加えられる熱、スクリュ1を回転駆動するときの麿擦作用、勢断作用などにより生じる熱等により溶融され、そして第1〜3の樹脂通路J1〜J3を通ってスクリュヘッド40の前方のリザーバ4に圧送・蓄積される。蓄積される溶融樹脂の圧力により、スクリュ1は後退する。あるいは蓄積される溶融樹脂量に比例して後退させる。所定量後退したら、スクリュ1の回転駆動を停止する。これにより、所定量の溶融樹脂が蓄積される。スクリュ1は、従来周知のように軸方向の移動あるいは位置が固定される。
【0029】
可塑化工程が終了したら、射出工程を実施する前に、スクリュ1を図1の(b)において矢印Bで示されている逆方向に所定量だけ回転駆動する。そうすると、逆止リング10と加熱シリンダ3との間には摩擦抵抗があるので、逆止リング10は停止状態であり、スクリュヘッド40との間に相対的な移動が生じ、カム爪18は、今度は第3の滑り追従部14に当接する。そうして、その反作用により逆止リング10を図1の(b)において右方へ移動させる。これにより、逆止リング10の後方弁座10aが押金2のシート座2aに着座する。さらに駆動すると、カム爪18はロック部17に入る。これにより、着座状態がロックされる。このロック状態は、スクリュ1を正方向へ回転駆動しない限り解けない。必要に応じて、スクリュ1を後方へ強制的に駆動するサックバックを実施する。このとき、スクリュ1は回転駆動され、逆止リング10はロックされ着座状態が維持されているので、スクリュ1の後退速度が例え大きくても、逆止リング10はスクリュ1の移動に迫従し、溶融樹脂の逆流は起こらない。
【0030】
なお、可塑化工程を終わると、スクリュ1の回転が停止し、カム溝11とカム爪18との間の係合状態が緩むので、またカム爪18が第3の滑り追従部14に当接するまでは、短時間ではあるが逆止リング10は軸方向に自由であるので、さらには逆止リング10には両方向に弁座10a、10bが形成されているので、何らかの原因によりリザーバ4側とスクリュ1側との間に溶融樹脂の圧力に差があると、逆止リング10は圧力の低い方へ駆動される。その結果、逆止リング10の後方弁座10aあるいは前方弁座10bのいずれかが押金2のシート座2aあるいは小径部43のシート座42bに着座する。これにより、溶融樹脂の低圧側への逆流あるいは移動が阻止される。また、例えば摩耗などにより加熱シリンダ3の内周面と逆止リング10の外周面との間の摩擦抵抗が減少し、スクリュ1を逆回転させても逆止リング10が所定のロック動作を完了しない場合でも、本実施の形態によると、逆止リング10の両方向にシール部10a、10bが形成されているので、溶融樹脂の圧力差により、逆止リング10は押金2のシート座2aあるいは小径部43のシート座42bのいずれかに着座する。これにより、可塑化完了から射出開始までの間の逆流あるいはサックバック後の逆流が阻止される。
【0031】
次に、射出工程に入る。スクリュ1を軸方向に駆動する。そうすると、リザーバ4に蓄積されている溶融樹脂は、型締めされている金型のキャビテイに射出される。保圧し、冷却固化を待って金型を開くと成形品が得られる。次の可塑化のために、スクリュ1を正方向に回転駆動すると、前述した理由によりカム爪18の方が相対的に回転し、ロック部17から抜け、ロック状態が解除されると共に、カム爪18が第2の直線部16に当接する。以下前述したように、樹脂通路J1、J3が構成され、可塑化できる。同様にして、サックバック、射出等を行う。
【0032】
上記実施の形態によると、次に示すような色々な効果が得られる。例えばカム溝11は、樹脂の流動方向に対して下流側すなわちリザーバ4側に形成されているため、樹脂の流れを留めることが無く、滞留に起因する色替え不良や分解・焼けなどの成形上の不良現象を回避することができる。また、逆流防止装置を完全に分解することが可能なため、従来周知のメンテナンス工程時における劣化および分解により付着した樹脂の清掃・除去が迅速、簡単かつ容易に行うことが可能となる。従って、メンテナンス工程後、再度組み立てて使用する場合も、樹脂の色替え不良や分解・焼けなどの成形品品質上の欠陥を招くことはない。また、カム溝11の加工部位が逆止リング10の前方の開口部端にあるため、機械加工ような比較的容易な加工法を用いることが可能となり、装置製作面での制約を受けることもない。
【0033】
なお、図1に示されている実施の形態では、カム溝11は1個示されているが、対称位置に複数個例えば2〜3個設けることもできる。また、カム溝11およびカム爪18の形状・構造が図示の実施の形態に限定されないことは明らかである。例えば、カム溝11とカム爪18との凹凸関係を逆対称とすることもできる。また、カム溝の形状を変更することにより、スクリュ1を逆方向に回転駆動するとき、逆止リング10の前方弁座10bが小径部43の外周面側に形成されたシート座42bに着座するように実施することもできる。
【0034】
上記実施の形態では、逆止リング10の前方弁座10bが小径部43側に形成されたシート座42bに着座するときは、密着閉鎖されるようになっているが、完全には着座しないように、多少の隙間をもたせるように実施することもできる。例えば、前方弁座10bとシート座42bのいずれかの一方に、溶融樹脂通路用の切欠を設けることもできる。このように実施すると、スクリュ1を可塑化方向に回転駆動するときの、前方弁座10bをシート座42bから離間する方向に作用する力よりも、スクリュ1側の溶融樹脂の圧力が高く、その結果前方弁座10bがシート座42bに押し付けられていても、スクリュ1側からリザーバ4側への溶融樹脂の流れが、前記隙間によりある程度確保される。樹脂の流れが確保されると、スクリュ1側の溶融樹脂の圧力とリザーバ4側のそれとがバランスするようになり、スクリュ1を可塑化方向に駆動し続けると、逆止リング10の前方弁座10bが小径部43のシート座42bから離間するようになる。これにより、完全な樹脂通路が確保される。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載の発明によると、逆止リングには、スクリュの先端部のシート座に着座する後方弁座と、前記逆止リングが軸方向に所定量移動すると前記小径部の外周面側に形成されたシート座に着座する、前記逆止リングの内周面側の前方弁座とが両方向に形成され、前記逆止リングの前方側には、複数個の異なる傾斜の滑り追従部からなるカム溝が形成されていると共に、前記スクリュヘッドには、前記カム溝と共働するカム爪が設けられ、前記スクリュを正方向に回転駆動すると、前記カム爪が前記カム溝の所定の滑り追従部に当接して前記逆止リングを軸方向に駆動し、前記逆止リングの両弁座が前記両シート座から離間して開放状態になり、逆方向に回転駆動すると、他の滑り追従部に当接して前記逆止リングを軸方向に駆動し、前記逆止リングの後方弁座が前記スクリュの先端部のシート座に着座して閉鎖状態となり、前記カム爪と前記カム溝との係合状態が解かれると、溶融樹脂の圧力により、前記逆止リングのいずれか一方の弁座が前記スクリュの先端部のシート座あるいは前記スクリュヘッド部のシート座に着座して閉鎖状態になるので、可塑化工程終了後、射出工程開始までの間にも、またサックバックあるいは射出工程時にも溶融樹脂の逆流がより完全に防止される。さらには、逆止リングの両側に弁座が形成されているので、スクリュを逆方向に回転駆動して逆止リングの弁座をシート座に着座させる前に何らかの原因により逆止リングの前方の室すなわちリザーバ側とスクリュ側との間に溶融樹脂の圧力に差が生じても、あるいはスクリュを逆回転させても逆止リングが所定のロック動作を完了せず、また、所定の樹脂通路が閉鎖しない場合でも、逆止リングの両側にシール部が形成されているので、溶融樹脂の圧力差により、逆止リングは圧力の低い方へ駆動され、逆止リングのいずれかの弁座かシート座に着座する。これにより、溶融樹脂の低圧側への逆流が阻止される。
請求項2に記載の発明は、カム溝は、加熱シリンダのリザーバ側すなわち樹脂の流動方向に対して下流側に形成されているので、上記のような効果に加えて、樹脂の流れを留めることが無く、滞留に起因する色替え不良や分解・焼けなどの成形上の不良現象を回避することができる効果がさらに得られる。また、周知のように加熱シリンダの前方に着脱自在に設けられている射出ノズルは容易に取り外すことができ、逆流防止装置を完全に分解することが可能なため、従来周知のメンテナンス工程時における劣化および分解により付着した樹脂の清掃・除去が迅速、簡単かつ容易に行うことが可能となる。従って、メンテナンス工程後、再度組み立てて使用する場合、樹脂の色替え不良や分解・焼けなどの成形品品質上の欠陥を招くことはない。また、カム溝の加工部位が開口側すなわち逆止リングの前方側端部にあるため、機械加工ような比較的容易な加工法を用いることが可能となり、装置製作面での制約を受けることもない。
請求項3に記載の発明によると、カム溝には逆止リングの弁座がシート座に着座した閉鎖状態を維持するロック部が設けられているので、ロック位置にすることにより確実に閉鎖状態が維持されるという効果がさらに得られる。したがって、サックバックするときのスクリュの後退速度が大きくても、逆止リングは追従し閉鎖状態が維持され、サックバック後にスクリュ側からリザーバの方へ溶融樹脂が逆流するようなこともない。請求項4に記載の発明によると、逆止リングの前方弁座と、ヘッド部のシート座との間には、前方弁座がシート座に着座するときも、樹脂通路が確保されている。これにより、上記のような逆流阻止効果が得られると共に、スクリュを可塑化方向に回転駆動するときの、前方弁座をシート座から離間する方向に作用する力よりも、スクリュ側の溶融樹脂の圧力が高く、その結果前方弁座がシート座に押し付けられていても、ある程度の溶融樹脂の、リザーバ側への流れが確保される。樹脂の流れが確保されるので、スクリュ側の溶融樹脂の圧力とリザーバ側のそれとがバランスするようになり、逆止リングの前方弁座がシート座から離間するようになる。これにより、完全な樹脂通路が確保されるという効果がさらに得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の要部を一部断面にして示す図で、その(a)は逆止リングが開放状態にある断面図、その(b)は閉鎖状態にある断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の構成要素を分解して、組み立て順序を示す分解図である。
【図3】従来例を一部断面にして示す図で、その(a)は供回り式の、そしてその(b)は非供回り式の逆流防止装置の例をそれぞれ示す断面図である。
【図4】従来の供回り式の逆流防止装置の作用を模式的に示す図で、その(a)〜(d)は、それぞれ異なる状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 スクリュ 2 押金
2a シート座 3 加熱シリンダ
4 リザーバ 10 逆止リング
10a 後方弁座 10b 前方弁座
11 カム溝 18 カム爪
40 スクリュヘッド 42b シート座
Claims (4)
- 加熱シリンダの内部に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているスクリュの先端部に取り付けられているスクリュヘッドと、該スクリュヘッドの小径部に挿通する形で、前記スクリュの先端部と前記スクリュヘッドのヘッド部との間に軸方向に移動可能に設けられている環状の逆止リングとからなり、前記逆止リングの内周面と前記スクリュヘッドの小径部の外周面との間に所定断面積の樹脂通路が形成されている逆流防止装置であって、
前記逆止リングには、前記スクリュの先端部のシート座に着座する後方弁座と、前記逆止リングが軸方向に所定量移動すると前記小径部の外周面側に形成されたシート座に着座する、前記逆止リングの内周面側の前方弁座とが両方向に形成され、
前記逆止リングの前方側には、複数個の異なる傾斜の滑り追従部からなるカム溝が形成されていると共に、前記スクリュヘッドには、前記カム溝と共働するカム爪が設けられ、
前記スクリュを正方向に回転駆動すると、前記カム爪が前記カム溝の所定の滑り追従部に当接して前記逆止リングを軸方向に駆動し、前記逆止リングの両弁座が前記両シート座から離間して開放状態になり、
逆方向に回転駆動すると、他の滑り追従部に当接して前記逆止リングを軸方向に駆動し、前記逆止リングの後方弁座が前記スクリュの先端部のシート座に着座して閉鎖状態となり、
前記カム爪と前記カム溝との係合状態が解かれると、溶融樹脂の圧力により、前記逆止リングのいずれか一方の弁座が前記スクリュの先端部のシート座あるいは前記スクリュヘッド部のシート座に着座して閉鎖状態になることを特徴とする、射出成形機における逆流防止装置。 - 請求項1に記載の逆流防止装置において、カム溝とカム爪が、加熱シリンダのリザーバ側方面に構成されている射出成形機における逆流防止装置。
- 請求項1または2に記載の逆流防止装置において、カム溝には、逆止リングの弁座がシート座に着座した閉鎖状態を維持するロック部が設けられている射出成形機における逆流防止装置。
- 請求項1〜3のいずれかの項に記載の逆流防止装置において、逆止リングの前方弁座と、前記ヘッド部のシート座との間には、前記前方弁座が前記シート座に着座するときも、樹脂通路が確保されている射出成形機における逆流防止装置。
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