JP3789804B2 - ターボ過給機付エンジンの点火制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はターボ過給機付エンジンの点火制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
ターボ過給機をエンジンに付設することでエンジン出力を大幅に向上させる技術は良く知られている。しかし、エンジン加速時には、エンジンより遅れてターボ過給機が増速するというターボラグが不可避的に発生し、過給圧の供給タイミングが遅れるという欠点を有する。
【0003】
この対策として、例えば特開平5−321804号公報「ターボ過給機付エンジンの制御装置」が知られている。この技術は、ターボ過給機をより早く作動させるために、エンジン加速時には濃い混合気を排気管(エキゾーストマニホールド)に供給し、そこで燃焼させることで従来より高い排気圧を得、この高い排気圧で排気タービンの回転数を高め、高い過給圧を得るというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記技術によれば、エンジン加速時に必要な過給圧を吸気系へ供給することができ、エンジンの応答性をより高めることができる。
しかし、排気管燃焼が前提となるため、排気管温度が高まり、排気管の傷みが激しくなる。また、エミッションが悪化する虞れもある。
【0005】
そこで、本発明の目的は排気管の寿命を延ばすことができ、エミッションを良好に保ちつつエンジンの加速時の応答性を高めることのできる技術を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、点火時期を調整する点火時期制御部、及びターボ過給機を備えたエンジンにおいて、点火時期制御部は、スロットルバルブを急開しないこと及びノッキングを発生させないことを条件として、上限若しくはその近傍に設定する通常点火時期であった点火時期を、閉じているスロットルバルブを急速に開いたことを条件として、通常点火時期よりも更に進角させた補正点火時期に切換える制御を実施することを特徴とする。
【0007】
ターボ過給機付エンジンでは、スロットルバルブを急開した直後にノッキングタフネスが向上する。そこで、スロットルバルブを急開したときには点火時期を通常点火時期より進角させる。これにより、燃焼開始が早まり、エンジンの出力向上と排気ガスの発生を促し、排気タービンの立上りを早めることができ、ドライバビリティ(操縦性能)の向上を図ることができる。従来は排気管での燃焼が前提となっていたが、請求項1では通常の燃焼室内燃焼で済ませることができるため、排気管温度が異常に上がる虞れはなく、排気管の寿命を延ばすことができ、エミッションを良好に保つことができる。
【0008】
また、通常点火時期においても、上限若しくは近傍に設定する、すなわち極力進角させることにより、燃焼開始を早め、排気ガスの発生を促し、排気タービンの立上りを早めることができ、過給圧の増加を促すことができる。
【0009】
請求項2では、点火時期制御部は、補正点火時期に切換えた時点でエンジンの回転量の積算を開始し、この積算回転量が一定値に達した時点から通常点火時期に戻す制御を実施することを特徴とする。
【0010】
一定時間が経過すれば排気タービン回転が十分に立上り、高い過給圧が得られる。そこで、積算回転量が一定値に達した時点から補正点火時期を通常点火時期に戻す。過度な進角はノッキングを誘発する。この点、請求項3ではノッキングを回避しつつ良好なエンジン運転を継続させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、前後、左右は運転者から見たを方向をいう。また、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係るターボ過給機付エンジンを搭載したジェット推進艇の平面図であり、ジェット推進艇10は艇体11の上面に前から後に操舵ハンドル12、運転者シート13、同乗者シート14を備え、これらのシート13,14の左右にステップ15L,15R(Lは運転者から見て左、Rは同右を示す。)を備える。艇体11内部の装備品は符号のみを示し、その内容は図2で説明する。
【0012】
なお、16はアクセルグリップであり、自動二輪車と同様にアクセルグリップ16を捻ることでエンジン回転数を制御することができる。
また、17はランヤードであり、一端をメインスイッチに繋ぎ、他端のリング18を運転者の腕若しくは身体に結ぶことにより、運転者が正規の位置から大きく離れたときに、ランヤード17にテンションが掛り、メインスイッチが抜けて、エンジンが止まるようにするための部品である。
【0013】
19は給油口であり、キャップを外すことにより、艇体11内に配置した燃料タンクに給油することができる。
21はステアリングノズルであり、操舵ハンドル12に連動してピン22を中心にして左右にスイングする。この結果、ジェット水の噴射方向が変り、艇体11をターン(操舵)させることができる。
【0014】
図2は本発明に係るターボ過給機付エンジンを搭載したジェット推進艇の側面図であり、艇体11はハル23にデッキ24を被せてなる中空構造体である。ジェット推進艇10は、艇体11内に燃料タンク25、エンジン26、推進軸27、エギゾーストマニホールド28、ターボ過給機30、ウオータマフラー41、逆U字状の連結パイプ42などを収納し、推進軸27の先に設けたインペラ43で発生したジェット水を噴射することで前進する小型船であるからジェット推進艇と呼ぶ。
【0015】
エンジン26からの排ガスはエギゾーストマニホールド28、ターボ過給機30、ウオータマフラー41、逆U字状の連結パイプ42の順で流れ、ターボ過給機30で保有エネルギーの一部を吸気加圧の形態で回収し、水を溜めたウオータマフラー41で消音及び低温化を図り、逆U字状の連結パイプ42を介して排気ガスを水中へ若しくはジェット水へ排出する。
【0016】
図3は本発明に係るエンジン、点火栓及びターボ過給機の作動説明図であり、先ず、ターボ過給機30は、過給機ケース31に排気タービン32、吸気コンプレッサ33及びこれらを連結する連結軸34を収納し、エギゾーストマニホールド28を介してタービン入口35に高温の排気ガスを取入れ、この排気ガスで排気タービン32を回し、用済の排気ガスをタービン出口36から排出する。
【0017】
一方、エアクリーナ45を介してコンプレッサ入口37に導入したエアは吸気コンプレッサ33で加圧し、この加圧に伴なって温度上昇した分をインタークーラ46で冷却した後に、インテークマニホールド47を通じてエンジンのシリンダ48へ送給する。シリンダ48では適量の燃料とエアとを混ぜた混合気に点火栓49で着火してピストン51を押し下げる。
【0018】
アクセルグリップ16は基本的にスロットルワイヤ52で図示せぬスロットルバルブの開度を制御するが、同時にスロットルバルブの開度を直接若しくは間接的にスロットル量センサ53で検出する。
更に、本発明ではスロットル量センサ53の検出信号を点火時期制御部54に取り込み、この点火時期制御部54で点火栓49の点火時期調整を実施するようにした。
【0019】
また、本発明では、ターボ過給機30に過給圧コントロール機構60を付属した。過給圧コントロール機構60は、相対的に排気ガス圧が高くなり過ぎる又は過給対象エア量が少なくなり過ぎるなどして負荷バランスが崩れ、排気タービン32並びに吸気コンプレッサ33が異常に高速回転することを防止する機構であり、例えば排気タービン32にバイパス通路61を付設し、このバイパス通路61をウエイストゲート62で締切り可能にし、このウエイストゲート62をゲートアクチュエータ63で駆動させ、このゲートアクチュエータ63の作動圧をゲート制御ソレノイド64及び過給圧制御部65で実施する構成を採用する。
【0020】
ウエイストゲート62が閉であれば、排気ガスの全量が排気タービン32に至り、排気タービン32の回転は増加する。回転が増加すれば過給圧は上昇する。
ウエイストゲート62が開であれば、排気ガスの一部がバイパス通路61に逃れ、残部が排気タービン32に至るため排気タービン32の回転は減少する。回転が減少すれば過給圧は低下する。
従って、ウエイストゲート62の開閉制御で過給圧を制御することができる。
【0021】
詳しくは、過給圧制御部65は、エンジン回転数Sn1、スロットル量(スロットル開度)Sn2、吸気温度Sn3、エンジン油温Sn4、過給圧Sn5などを取り込み、これらから目標過給圧Cpを算出する。
【0022】
目標過給圧Cp<過給圧Sn5であれば、過給圧制御部65は圧力差(Sn5−Cp)に応じて、ゲート制御ソレノイド64を開く、若しくは開度を増加する又はパルス制御であれば開タイミングを増加する。ゲートアクチュエータ63に矢印▲まる1▼のごとく作用していた加圧エアの一部が、矢印▲まる2▼のごとく逃れ、導圧管66の圧力が低下する。この結果、矢印▲まる1▼の押圧力が低下し、ウエイストゲート62が開き、排気ガスの一部がバイパス通路61へ逃げるため、排気タービン32の回転数が低下し、過給圧が下がる。
【0023】
目標過給圧Cp>過給圧Sn5であれば、逆の作用によりウエイストゲート62を閉じて、過給圧を上げる。
【0024】
しかし、上記構成であっても、スロットルバルブを急開すると次の問題が起こる。
図においてアクセルグリップ16を閉から全開へ急開すると、エンジン26は良好に応答してクランク回転数を増加する。
一方、排気タービン32、連結軸34及び吸気コンプレッサ33は当然マス(質量)を有し、このマスを加速するには、ある程度の加速時間が必要となり、排気ガスが増加しても直に立上がることはない。これがターボラグという課題である。
【0025】
マスが一定であれば、排気ガスのエネルギー(熱及び量)を増すほど加速時間が短縮できることは周知であり、本発明者らは排気ガスのエネルギーの増加策を研究するなかで、次の点に着目した。
すなわち、スロットル急開時に一時的に過給圧が低下する現象に着目した。この現象はスロットル急開に対応してピストンの速度が増加するものの、吸気コンプレッサ33はターボラグによりエア供給が遅れる。ピストンの吸引作用が勝るため、過給圧が低下するからである。
【0026】
エンジンにおいて、吸気温度の上昇並びに過給圧の上昇がノッキング発生に繋がり、逆に過給圧の低下はノッキングタフネスが向上する。
ノッキングタフネスが向上すれば、点火時期を進角させることが可能となる。点火時期をある程度早めてもノッキングが起こらないからである。
点火時期を進角させれば、燃焼開始が早まり、エンジンの出力向上と排気ガスの発生を促すことができる。この結果、普通(通常)制御よりも一瞬早くエンジンの回転を上昇させることができ、排気タービンの立上げを早めることができる。
【0027】
次に本発明に係る制御フローを説明するが、この制御フローで用いるマップ(グラフ、演算式などの総称)を先に説明する。
図4(a)〜(c)は通常点火時期の説明図であり、(a)はスロットル開度、(b)はエンジン回転数、(c)は点火時期を示し、何れも横軸は時間軸である。
【0028】
(a)において、閉じ状態のスロットルを点P1で通常の速度で開けたとする。このときのスロットル変化量をΔθとし、変化時間をtとすれば、速度θvは、θv=(Δθ/t)で求めることができる。グラフに示した急開しきい値より右にあれば、通常の速度とみなす。
【0029】
(b)において、スロットルバルブが開いたことにより、エンジン回転数は増加する。
(c)において、通常はエンジン回転数に対応した点火時期を設定してあるので、エンジン回転数の増加に応じて点火時期が変化する。すなわち、(c)に示すグラフが通常点火時期となる。
【0030】
図5(a)〜(c)は本発明で採用した補正点火時期の説明図であり、(a)はスロットル開度、(b)はエンジン回転数、(c)は点火時期を示し、何れも横軸は時間軸である。
【0031】
(a)において、閉じ状態のスロットルを点P1から急速に開けたとする。このとき、グラフに示した急開しきい値より左であれば、急開とみなす。
(b)において、スロットルバルブが開いたことにより、エンジン回転数は増加するが、スロットルを急開したために点P2の直後に曲線は急に立上がる。
【0032】
(c)において、スロットル速度が急開しきい値を超えたとの情報を受けた点P3にて、点火時期を通常点火時期から補正点火時期に切換える。この補正点火時期は通常点火時期にDegl又はDeghだけ進角させたものである。進角量Degl,Deghについては後に説明する。
【0033】
この様な補正点火時期による点火制御をΣNeだけ続け以降、進角量を除々に減じて通常点火時期に戻る。この結果、(b)の曲線が得られるといえる。
【0034】
図6(a),(b)は本発明で採用したエンジン油温と進角量との関係グラフである。
(a)は低速時(例えばエンジン回転数が3000rpm未満のとき)の進角量Deglを求めるグラフであり、エンジン油温Toilに対応した進角を求める。
(b)は高速時(例えばエンジン回転数が3000rpm以上のとき)の進角量Deghを求めるグラフであり、エンジン油温Toilに対応した進角を求める。
【0035】
上記グラフでエンジン油温Toilが40℃を超えるときは進角量をゼロ(0)にしたのは、エンジン油温が上がると吸気温度も上がるため、ノッキングが発生しやすくなるからである。
また、低速時はエンジン温度が低く、ノッキングタフネスが見込めるので、進角を大きく取り、高速時は逆であるから進角を小さくした。
これにより、より細かい補正点火時期の設定が行える。
【0036】
図7は本発明の点火時期の制御フロー図であり、ST××はステップ番号を示す。
ST01:通常点火時期による点火制御を実施しているとする(図4(c)参照)。
ST02:スロットル開閉の方向を調べる。閉方向であればスタートへ戻す。スロットルが閉から開に変化していれば、ST03に進む。
ST03:そのときのスロットル変化量Δθ及び変化時間tを読込む(図4(a)参照)。
【0037】
ST04:θv=Δθ/tの計算によりスロットル速度θvを演算する(図4(a)参照)。
ST05:求めたθvが急開しきい値以上であるか否かを調べる(図4(a),図5(a)参照)。NOであればスタートへ戻し、YESであればスロットルが急開されたと判断してST06に進む。
ST06:エンジン油温Toil及びエンジン回転数Neを読込む。
ST07:エンジン油温Toilが40℃以下であるか否かを調べ、NOであればスタートへ戻し、YESであればST08へ進む。
【0038】
ST08:エンジン回転数が低速、高速の何れであるかを調べる。低速ならST09へ進み、高速ならST10へ進む。
ST09:図6(a)のグラフ若しくは算式により、進角量Deglを決定する。
ST10:図6(b)のグラフ若しくは算式により、進角量Deghを決定する。
ST11:通常点火時期にDegl又はDeglを進角させることで、補正点火時期を決定する。
【0039】
ST12:補正点火時期により点火制御を開始する。
ST13:同開始と同時にエンジン回転量を積算する。この積算値はΣNeとする(図5(c)参照)。
ST14:エンジン回転量(積算値)ΣNeが、所定回転量Nb以上になるまで、進角点火制御を行い、ΣNeが、所定回転量Nb以上になった時点でST15へ進む。
ST15:点火時期を補正点火時期から通常点火時期へ徐々に戻す(図5(c)参照)。
【0040】
以上のフローを実行することにより、単にターボラグを解消するのに留らず、本発明は点火時期の適正化を図ることができる。
【0041】
次に、図3で説明した過給圧制御部65の好適実施例を説明する。
図8(a)〜(d)は過給圧制御の新旧対比説明図であり、(a),(b)は比較例、(c),(d)は実施例を示す。なお、横軸は全て高度を示す。
(a)は縦軸が圧力であり、エンジン特性から定めた目標過給圧を太い実線で示した。一方、破線で示した大気圧は高度が増すほど低くなる。
【0042】
(b)は縦軸が排気タービン回転数であり、回転機械であるから機械的理由により許容回転数の制約を受ける。太い実線で示した実回転数は、高度に比例して右上りに増加する。この理由は、次の通りである。
吸気エア圧は大気圧に依存するため、高度が増すと吸気エア圧が下がる。そこで、制御部は吸気コンプレッサの回転を増ことにより、(a)に示す目標過給圧を発生させようとする。このために、高度が増すほど、実回転数が増加し、ついには許容回転数を超える虞れが出てくる。
【0043】
この対策を説明する。
(c)において、目標過給圧をある高度からは小さくする。
この結果、(d)に示す通りに、実回転数を許容回転数に収めることができる。
【0044】
(c),(d)に基づく高度補正を実施すれば、平地ではエンジン出力の向上が達成でき、高地ではターボ過給機の過回転を防止することができるため、高度に関係なく適切なエンジン出力を発生させることができる。
【0045】
尚、請求項1の「閉じているスロットルバルブを急速に開いた」とは、スロットルバルブのフル開度の30%以上の開度変化、すなわち30〜100%開度変化に適用する。制御が複雑になる割りに効果が少ないから30%未満の開度変化には適用しない。
【0046】
また、本発明に係る点火制御装置は、ターボ過給機付エンジンであれば、船舶エンジン、陸上エンジン(二輪車用エンジン、四輪用エンジン、産業機械用エンジンを問わない。)、航空機エンジンの何れに適用してもよい。
【0047】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
ターボ過給機付エンジンでは、スロットルバルブを急開した直後にノッキングタフネスが向上する。そこで、スロットルバルブを急開したときには点火時期を通常点火時期より進角させる。これにより、燃焼開始が早まり、エンジンの出力向上と排気ガスの発生を促すことができる。すなわち、エンジンの回転数を上昇させることができ、排気タービンの立上りを早めることができ、ドライバビリティ(操縦性能)の向上を図ることができる。従来は排気管での燃焼が前提となっていたが、請求項1では通常の燃焼室内燃焼で済ませることができるため、排気管温度が異常に上がる虞れはなく、排気管の寿命を延ばすことができ、エミッションを良好に保つことができる。
【0048】
また、通常点火時期は、スロットルバルブを急開しないこと及びノッキングを発生させないことを条件として、上限若しくはその近傍に設定することを特徴とする。
【0049】
通常点火時期においても、上限若しくは近傍に設定する、すなわち極力進角させることにより、燃焼開始を早め、排気ガスの発生を促し、排気タービンの立上りを早めることができ、過給圧の増加を促すことができる。
【0050】
請求項2では、点火時期制御部は、補正点火時期に切換えた時点でエンジンの回転量の積算を開始し、この積算回転量が一定値に達した時点から通常点火時期に戻す制御を実施することを特徴とする。
【0051】
一定時間が経過すれば排気タービン回転が十分に立上り、高い過給圧が得られる。そこで、積算回転量が一定値に達した時点から補正点火時期を通常点火時期に戻す。過度な進角はノッキングを誘発する。この点、請求項3ではノッキングを回避しつつ良好なエンジン運転を継続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るターボ過給機付エンジンを搭載したジェット推進艇の平面図
【図2】 本発明に係るターボ過給機付エンジンを搭載したジェット推進艇の側面図
【図3】 本発明に係るエンジン、点火栓及びターボ過給機の作動説明図
【図4】 通常点火時期の説明図
【図5】 本発明で採用した補正点火時期の説明図
【図6】 本発明で採用したエンジン油温と進角量との関係グラフ
【図7】 本発明の点火時期の制御フロー図
【図8】 過給圧制御の新旧対比説明図
【符号の説明】
26…エンジン、30…ターボ過給機、32…排気タービン、33…吸気コンプレッサ、34…連結軸、54…点火時期制御部、60…過給圧コントロール機構、65…過給圧制御部。
Claims (2)
- 点火時期を調整する点火時期制御部、及びターボ過給機を備えたエンジンにおいて、前記点火時期制御部は、スロットルバルブを急開しないこと及びノッキングを発生させないことを条件として、上限若しくはその近傍に設定する通常点火時期であった点火時期を、閉じているスロットルバルブを急速に開いたことを条件として、前記通常点火時期よりも更に進角させた補正点火時期に切換える制御を実施することを特徴とするターボ過給機付エンジンの点火制御装置。
- 前記点火時期制御部は、前記補正点火時期に切換えた時点でエンジンの回転量の積算を開始し、この積算回転量が一定値に達した時点から前記通常点火時期に戻す制御を実施することを特徴とする請求項1記載のターボ過給機付エンジンの点火制御装置。
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