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JP3786205B2 - レーダ波浪観測装置 - Google Patents

レーダ波浪観測装置 Download PDF

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JP3786205B2 JP2003169722A JP2003169722A JP3786205B2 JP 3786205 B2 JP3786205 B2 JP 3786205B2 JP 2003169722 A JP2003169722 A JP 2003169722A JP 2003169722 A JP2003169722 A JP 2003169722A JP 3786205 B2 JP3786205 B2 JP 3786205B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーダのシークラッタ信号を収集し、フーリエ変換処理を施して、波長、波速、波向、波高等の波浪の特性を観測するレーダ波浪観測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、パルスレーダを使用して、海面からのレーダ反射信号を利用して波浪の特性、例えば波長、波速、波向、波高等を測定することが行われている。
【0003】
連続する多数枚(例、32枚)のレーダ画像を3次元フーリエ変換し、その変換結果に波の理論式(分散関係式)を適用することによって、雑音を除去して、本来の波に関する3次元スペクトラムを抽出し、抽出された3次元スペクトラムを用いて、波長、波速、波向、波高等の波浪情報を算出することが非特許文献1に示されている。
【0004】
また、連続する2スキャンのレーダ画像から2次元クロススペクトルを求め、そのスペクトルを波の理論式(波速関係式)によりフィルタリングして、波長、波速、波向、波高等の波浪情報を算出することが特許文献1に示されている。
【0005】
【非特許文献1】
[ESTIMATION OF SEA STATE DIRECTIONAL SPECTRA BY USING MARINE RADAR IMAGING OF SEA SURFACE],Proceedings of ETCE/OMAE 2000 February14-17,2000,NewOrleans,LA
【特許文献1】
特開2003−21680号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の特許文献1や非特許文献1のレーダ波浪測定装置では、その演算によって得られる波高が、その測定海域の状態等によっては、参照とする波高を測定する波高測定装置(例えば、超音波波高計)で測定した波高との差が大きくなる現象が生じることがあった。
【0007】
そこで、本発明は、海面からのレーダ反射信号からレーダ画像を得て、そのレーダ画像を演算処理して波高を含む波浪情報を算出する波浪演算処理器の波高(以下、演算波高)を、その波浪演算処理器から得られる他の波浪情報や、別の波浪観測装置等からの他の波浪情報などを利用して、参照とする超音波波高計等で測定した波高(以下、参照波高)に近づけるように波高補正処理を行って、観測される波高(以下、観測波高;補正波高)の精度を向上したレーダ波浪観測装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係るレーダ波浪観測装置は、海面からのレーダ反射信号からレーダ画像を得て、そのレーダ画像をフーリエ変換し、その変換結果に波の理論式を適用することによって、波に関するスペクトラムを抽出し、抽出されたスペクトラムを用いて、波向情報、波高情報を含む波浪情報を算出する波浪演算処理器と、前記波浪演算処理器から所定方向を基準として順次出力される波向情報に基づいて、この波向情報の変化量を表す波向変化信号を得る波向変化信号導出手段、前記波浪演算処理器から順次出力される波高情報に応じた波高信号を、前記波向変化信号に応じて、その波向変化信号が小さいときに高くなり、その波向変化信号が大きいときに低くなるように演算して出力する補正演算手段、を含んで構成される波高補正処理器と、を有することを特徴とする。
【0009】
請求項2に係るレーダ波浪観測装置は、請求項1に記載されたレーダ波浪観測装置において、
前記波高補正処理器は、さらに、前記補正演算手段からの出力を所定期間だけ平均して補正波高を得る補正波高平均化手段を有し、
前記波向変化信号導出手段は、前記波向変化信号として、前記波向情報の所定期間の平均値と最新の波向情報との差をとって、その差の絶対値を平均化した平均化波向変化信号を得るものであり、
前記補正演算手段は、前記波高信号を、前記平均化波向変化信号に応じて、その平均化波向変化信号が小さいときに高くなり、その平均化波向変化信号が大きいときに低くなるように演算し、その演算された結果を回帰補正手段によって回帰補正して出力する、ことを特徴とする。
【0010】
請求項3に係るレーダ波浪観測装置は、請求項1、2に記載されたレーダ波浪観測装置において、前記補正演算手段は、前記回帰補正手段として、それぞれ回帰係数の異なる複数の回帰補正手段を持ち、
さらに、前記波浪演算処理器から順次出力される波長情報と波速情報とを受けて、波長情報に基づく理論波速と波速情報との比から海面反射検出信号を得る海面反射検出手段、この海面反射検出信号と前記波向変化信号が入力され、海面反射検出信号を所定範囲を定める閾値と比較し、且つ前記波向変化信号を所定閾値と比較し、それらの比較結果に対応した選択指令信号を出力する比較手段、この選択指令信号が入力され、前記複数の回帰補正手段の出力を前記選択指令信号に応じて切り替えて出力する切替手段、を持つ選択手段を有することを特徴とする。
【0011】
請求項4に係るレーダ波浪観測装置は、請求項1乃至3に記載されたレーダ波浪観測装置において、前記補正演算手段は、前記波向変化信号の最大・最小を制限する角度リミッタと、この角度リミッタで制限された前記波向変化信号に所定のべき指数を与えて波向補正係数を導出する、べき乗手段、前記波高信号を前記波向補正係数で除算する除算手段と、この除算手段の除算出力を回帰補正して出力する前記回帰補正手段とを有することを特徴とする。
【0012】
請求項5に係るレーダ波浪観測装置は、海面からのレーダ反射信号からレーダ画像を得て、そのレーダ画像をフーリエ変換し、その変換結果に波の理論式を適用することによって、波に関するスペクトラムを抽出し、抽出されたスペクトラムを用いて、波向情報、波高情報を含む波浪情報を算出する波浪演算処理器と、前記波浪演算処理器から所定方向を基準として順次出力される波向情報に基づいて、この波向情報の変化量を表す波向変化信号を得る波向変化信号導出手段、
波長の大きさを表す波長補正係数を得る波長信号導出手段、
前記波浪演算処理器から順次出力される波高情報に応じた波高信号を、前記波向変化信号に応じて、その波向変化信号が小さいときに高くなり、その波向変化信号が大きいときに低くなるように演算し、さらにこの演算された結果を前記波長補正係数に応じて、その波長補正係数が大きいときに大きくなり、その波長補正係数が小さいときに小さくなるように演算して出力する補正演算手段、を含んで構成される波高補正処理器と、を有することを特徴とする。
【0013】
請求項6に係るレーダ波浪観測装置は、請求項5に記載されたレーダ波浪観測装置において、前記波長信号導出手段は、前記波浪演算処理器から順次出力される波長情報に基づいて前記波長補正係数を得るものであることを特徴とする。
【0014】
請求項7に係るレーダ波浪観測装置は、請求項6に記載されたレーダ波浪観測装置において、前記波高補正処理器は、さらに、前記補正演算手段からの出力を所定期間だけ平均して補正波高を得る補正波高平均化手段を有し、
前記波長信号導出手段は、前記波浪演算処理器から順次出力される波長情報に基づいて前記波長補正係数を得るものであり、
前記波向変化信号導出手段は、前記波向変化信号として、前記波向情報の所定期間の平均値と最新の波向情報との差をとって、その差の絶対値を平均化した平均化波向変化信号を得るものであり、
前記補正演算手段は、前記波高信号を、前記平均化波向変化信号に応じて、その平均化波向変化信号が小さいときに高くなり、その平均化波向変化信号が大きいときに低くなるように演算し、さらにこの演算された結果を前記波長補正係数に応じて、その波長補正係数が大きいときに大きくなり、その波長補正係数が小さいときに小さくなるように演算し、その演算された結果を回帰補正手段によって回帰補正して出力する、ことを特徴とする。
【0015】
請求項8に係るレーダ波浪観測装置は、請求項7に記載されたレーダ波浪観測装置において、前記補正演算手段は、前記回帰補正手段としての第1回帰補正手段と、この第1回帰補正手段の回帰係数とは異なる回帰係数を持ち、前記波高信号を前記平均化波向変化信号に応じて演算した演算結果を回帰補正する第2回帰補正手段を持ち、
さらに、前記波浪演算処理器から順次出力される波長情報と波速情報とを受けて、波長情報に基づく理論波速と波速情報との比から海面反射検出信号を得る海面反射検出手段、この海面反射検出信号と前記波向変化信号が入力され、海面反射検出信号を所定範囲を定める閾値と比較し、且つ前記波向変化信号を所定閾値と比較し、それらの比較結果が所定範囲内で且つ所定閾値以下であるときに前記第1回帰補正手段を選択し、それ以外の場合に前記第2回帰補正手段を選択するための選択指令信号を出力する比較手段、この選択指令信号が入力され、前記第1及び第2回帰補正手段の出力を前記選択指令信号に応じて切り替えて出力する切替手段、を持つ選択手段を有することを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載されたレーダ波浪観測装置は、請求項7、8に記載されたレーダ波浪観測装置において、前記波長信号導出手段は、前記波浪演算処理器から順次出力される波長情報から得た波長補正係数の少なくとも上限値を制限する波長リミッタとを有しており、
前記補正演算手段は、前記波向変化信号の最大・最小を制限する角度リミッタと、この角度リミッタで制限された前記波向変化信号に所定のべき指数を与えて波向補正係数を導出する、べき乗手段と、前記波高信号を前記波向補正係数で除算する除算手段と、この除算手段の除算出力に前記波長信号導出手段からの制限された前記波長補正係数を乗算する乗算手段と、この乗算手段の乗算出力を回帰補正して出力する前記第1回帰補正手段と、前記除算手段の除算出力を回帰補正して出力する前記第2回帰補正手段とを有することを特徴とする。
【0017】
請求項10に係るレーダ波浪観測装置は、請求項5に記載されたレーダ波浪観測装置において、前記波長信号導出手段は、外部から入力される周期情報に基づいて前記波長補正係数を得るものであることを特徴とする。
【0018】
請求項11に係るレーダ波浪観測装置は、請求項10に記載されたレーダ波浪観測装置において、前記波高補正処理器は、さらに、前記補正演算手段からの出力を所定期間だけ平均して補正波高を得る補正波高平均化手段を有し、
前記波長信号導出手段は、前記周期情報を所定の変換式にしたがって変換して前記波長補正係数を得るものであり、
前記波向変化信号導出手段は、前記波向変化信号として、前記波向情報の所定期間の平均値と最新の波向情報との差をとって、その差の絶対値を平均化した平均化波向変化信号を得るものであり、
前記補正演算手段は、前記波高信号を、前記平均化波向変化信号に応じて、その平均化波向変化信号が小さいときに高くなり、その平均化波向変化信号が大きいときに低くなるように演算し、さらにこの演算された結果を前記波長補正係数に応じて、その波長補正係数が大きいときに大きくなり、その波長補正係数が小さいときに小さくなるように演算し、その演算された結果を回帰補正手段によって回帰補正して出力する、ことを特徴とする。
【0019】
請求項12に係るレーダ波浪観測装置は、請求項11に記載されたレーダ波浪観測装置において、前記波長信号導出手段は、前記周期情報を所定の変換式にしたがって前記波長補正係数に変換する周期/波長変換手段と、この周期/波長変換手段からの前記波長補正係数の少なくとも上限値を制限して出力する波長リミッタとを有しており、
前記補正演算手段は、前記波向変化信号の最大・最小を制限する角度リミッタと、この角度リミッタで制限された前記波向変化信号に所定のべき指数を与えて波向補正係数を導出する、べき乗手段と、前記波高信号を前記波向補正係数で除算する除算手段と、この除算手段の除算出力に前記波長信号導出手段からの制限された前記波長補正係数を乗算する乗算手段と、この乗算手段の乗算出力を回帰補正して出力する前記回帰補正手段と、を有することを特徴とする。
【0020】
請求項13に係るレーダ波浪観測装置は、請求項5に記載されたレーダ波浪観測装置において、前記波長信号導出手段は、前記波浪演算処理器から順次出力される波長情報に基づいて得られる波長補正係数と、外部から入力される周期情報に基づいて得られる波長補正係数のいずれかを選択して出力するものであることを特徴とする。
【0021】
請求項14に係るレーダ波浪観測装置は、請求項13に記載されたレーダ波浪観測装置において、前記波高補正処理器は、さらに、前記補正演算手段からの出力を所定期間だけ平均して補正波高を得る補正波高平均化手段を有し、
前記波長信号導出手段は、前記波浪演算処理器から順次出力される波長情報から得た波長補正係数と、前記周期情報を所定の変換式にしたがって変換して得た波長補正係数とのいずれかを選択して出力するものであり、
前記波向変化信号導出手段は、前記波向変化信号として、前記波向情報の所定期間の平均値と最新の波向情報との差をとって、その差の絶対値を平均化した平均化波向変化信号を得るものであり、
前記補正演算手段は、前記波高信号を、前記平均化波向変化信号に応じて、その平均化波向変化信号が小さいときに高くなり、その平均化波向変化信号が大きいときに低くなるように演算し、さらにこの演算された結果を前記波長補正係数に応じて、その波長補正係数が大きいときに大きくなり、その波長補正係数が小さいときに小さくなるように演算し、その演算された結果を回帰補正手段によって回帰補正して出力する、ことを特徴とする。
【0022】
請求項15に係るレーダ波浪観測装置は、請求項14に記載されたレーダ波浪観測装置において、前記補正演算手段は、前記回帰補正手段としての第1回帰補正手段と、この第1回帰補正手段の回帰係数とは異なる回帰係数を持ち、前記波高信号を前記平均化波向変化信号に応じて演算した演算結果を回帰補正する第2回帰補正手段を持ち、
さらに、前記波浪演算処理器から順次出力される波長情報と波速情報とを受けて、波長情報に基づく理論波速と波速情報との比から海面反射検出信号を得る海面反射検出手段、この海面反射検出信号と前記波向変化信号が入力され、海面反射検出信号を所定範囲を定める閾値と比較し、且つ前記波向変化信号を所定閾値と比較し、それらの比較結果が所定範囲内で且つ所定閾値以下であるときに前記第1回帰補正手段を選択し、それ以外の場合に前記第2回帰補正手段を選択するための選択指令信号を出力する比較手段、この選択指令信号が入力され、前記第1及び第2回帰補正手段の出力を前記選択指令信号に応じて切り替えて出力する切替手段を持つとともに、前記波長信号導出手段が前記周期情報を所定の変換式にしたがって変換して得た波長補正係数を選択している場合には前記第1補正回帰手段を選択するようにされている選択手段を有することを特徴とする。
【0023】
請求項16に係るレーダ波浪観測装置は、請求項14、15に記載されたレーダ波浪観測装置において、前記波長信号導出手段は、前記周期情報を所定の変換式にしたがって波長補正係数に変換する周期/波長変換手段と、前記波長情報から得た波長補正係数と前記周期/波長変換手段からの波長補正係数が入力され、切替信号に応じてそれらの波長補正係数の一方を選択して出力する切替手段と、この切替手段からの前記波長補正係数の少なくとも上限値を制限して出力する波長リミッタとを有しており、
前記補正演算手段は、前記波向変化信号の最大・最小を制限する角度リミッタと、この角度リミッタで制限された前記波向変化信号に所定のべき指数を与えて波向補正係数を導出する、べき乗手段と、前記波高信号を前記波向補正係数で除算する除算手段と、この除算手段の除算出力に前記波長信号導出手段からの制限された前記波長補正係数を乗算する乗算手段と、この乗算手段の乗算出力を回帰補正して出力する前記第1回帰補正手段と、前記除算手段の除算出力を回帰補正して出力する前記第2回帰補正手段とを有することを特徴とする。
【0024】
請求項17に係るレーダ波浪観測装置は、請求項1乃至16に記載されたレーダ波浪観測装置において、前記波向変化信号導出手段は、前記波向情報を順次受けて、所定期間の前記波向情報の平均値を出力する第1波向平均処理手段と、この第1波向平均処理手段の平均値出力と最新の前記波向情報との差を採る減算手段と、この減算手段の出力を絶対値に変換する絶対値変換手段と、この絶対値変換手段の出力を受け、0度から180度未満のものはそのまま通過させ、180度以上から360度未満のものは360度から差し引いて出力させる波向180度処理手段と、この波向180度処理手段の出力を所定期間だけ平均して、前記平均化波向変化信号を出力する波向平均処理手段とを有することを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るレーダ波浪観測装置の全体構成を示す図である。図2は、本発明に用いる波浪演算処理器のブロック図である。図3は、本発明の第1の実施の形態に係る波高補正処理器のブロック構成図である。図4は、波向平均処理方法を説明する図であり、図5は、波向180度処理を説明する図である。
【0026】
本発明のレーダ波浪観測装置は、図1のように、船舶用のパルスレーダ10で得た海面反射信号に基づいて波向情報Wd、波高情報Wh、波長情報Wl、波速情報Wvcの波浪情報を演算により得る波浪演算処理器20と、演算により得た波高情報Whを波向情報Wd、波長情報Wl、波速情報Wvcを用いて補正して補正波高Whcを得る波高補正処理器30とから、構成されている。このパルスレーダ10は、陸上や船舶に搭載され、波浪を観測すべき海域を照射する。40は、補正波高Whcやその他の情報を表示したり記憶したりする出力装置である。なお、この波浪演算処理器20と波高補正処理器30の各手段、各回路は、個別の回路構成で説明するが、コンピュータを使用してソフトウエア処理により同様に実現することができる。
【0027】
図2の波浪演算処理器20において、レーダ信号集録手段21は、レーダ10で取得したレーダデータを連続する2スキャン分記録する。このレーダデータは、受信した海面反射信号を増幅・検波して、必要な距離分解能に合致した周期でサンプリングし、A/D変換されている。以下、波向情報Wd、波高情報Wh、波長情報Wl、波速情報Wvcを、単に波向Wd、波高Wh、波長Wl、波速Wvcと称することもある。
【0028】
レーダ干渉検出手段22では、レーダ信号集録手段21に記録されたレーダデータが、他のレーダやレーダビーコンなどの他の電波源による電波干渉を受けていないかどうかを検出する。干渉をうけている場合には、そのスキャンのレーダデータを廃棄し、干渉を受けていない連続する2スキャンのレーダデータが、2次元演算手段23に供給されるようにする。
【0029】
このレーダ干渉検出手段22における電波干渉の有無は、種々の検出方法があるが、1つの方法としてデータのレベルが通常レベルを超えている場合に干渉と見なすことができる。例えば、極座標の距離方向のデータを加算し、通常の信号レベルを超えている場合に、干渉とする。通常の信号レベルとは、例えば8ビットのA/D変換器を使用している場合には、0〜255の値をとるが、64近辺の値とする。
【0030】
2次元演算手段23では、電波干渉を受けていない連続する2スキャンのレーダデータを受けて、まず、近距離ほど受信レベルが大きいので距離方向の強度補正を行い、レーダデータを極座標から直交座標に座標変換する。なお、海面の監視範囲を決めるために、レーダデータを例えば正方形状(辺の長さD)に切り出す。この切り出しは、座標変換時でもよく、またそれ以前に行ってもよい。
【0031】
座標変換されたレーダデータを、スキャン毎に2次元フーリエ変換(以後、2次元FFT、とする)し、2次元のフーリエ変換値F(k,l)を得る。
【0032】
【式1】
Figure 0003786205
Figure 0003786205
ここで、f(n,m)はレーダデータ、F(k,l)は空間スペクトルである。また、n,mは座標値、k,lは波数を表す。
【0033】
次に、連続するスキャンのレーダデータに対する2次元FFT値間のクロススペクトルP(k,l)を求める。
【0034】
【式2】
Figure 0003786205
Figure 0003786205
【0035】
次に、この2次元クロススペクトルP(k,l)の各ポイント毎の振幅スペクトルSa及び位相スペクトルSφを算出する。各ポイントのクロススペクトルP(k,l)は、複素数で表現されるから、その実数部をRe、虚数部をImとすると、式(3)、式(4)で表される。
【0036】
【式3】
Figure 0003786205
Figure 0003786205
【0037】
【式4】
Figure 0003786205
Figure 0003786205
となる。なお、atanは、アークタンジェントを表す。
【0038】
このようにして、連続する2スキャンのレーダデータに対する2次元FFT値間のクロススペクトルP(k,l)及びその振幅スペクトルSa及び位相スペクトルSφを求める。
【0039】
平均化手段24では、2次元演算手段23から供給される2次元クロススペクトルP(k,l)の各ポイント毎の振幅スペクトルSa及び位相スペクトルSφを所定回数N(例えば32回)だけ加算し除算して、振幅スペクトルSa及び位相スペクトルSφの平均値を求める。この平均化の処理は、連続する2スキャンのデータを入力しながら処理が行われるので、電波干渉がない場合にはN+1スキャンのデータを平均することになる。この平均化により、振幅スペクトルSa及び位相スペクトルSφの2次元クロススペクトルP(k,l)毎の値のばらつきが吸収されるから、以後の演算・解析が安定して行われることになる。
【0040】
波浪スペクトル推算手段25では、まず、平均化された2次元クロススペクトルP(k,l)から振幅スペクトルSaのピーク値を求める。このピーク点の位相スペクトルSφに対応する位相をφとすると、計算波速Wvcは、式(5)により求められる。
【0041】
【式5】
Figure 0003786205
Figure 0003786205
但し、Dは辺の長さ、k、lは二次元クロススペクトル上の波数、Tはレーダのスキャン時間である。
【0042】
一方、波の性質から、波の理論式である波速関係式により決定される理論波速Wvt は、式(6)により、求められる。
【0043】
【式6】
Figure 0003786205
Figure 0003786205
但し、Wlは、波長である。
【0044】
なお、この理論波速を決める波速関係式は、次のようにして求められる。一般に波の分散関係式は、式(7)で表される。
【0045】
【式7】
Figure 0003786205
Figure 0003786205
ここで、dは水深、kは波数ベクトル、Uは表面の流れである。水深が深くなるとtanh()の項はなくなり、U=0の場合は、分散関係式は、式(8)になる。
【0046】
【式8】
Figure 0003786205
Figure 0003786205
この分散関係式ωに、波速の一般式Wvt =ω/kを適用し、ωを消去すると、k=2π/Wl だから、式(6)が求められる。
【0047】
このように、一方では、計算波速Wvcが、ピーク点の振幅スペクトルに対応する位相スペクトルSφ、その二次元クロススペクトル上の波数により計算され、他方では、理論波速Wvt が波長、言い換えれば二次元クロススペクトル上の波数により計算される。
【0048】
したがって、ピーク点の振幅スペクトル及びそれに対応する位相スペクトルSφが本来の波によるものであるか、或いは雑音によるものであるかは、計算波速Wvcが理論波速Wvt に整合するか否かによって、決定することができる。この整合の程度は、計算波速Wvcが理論波速Wvt に対して例えば±10%以内の差であれば、整合していると判定する。このときの計算波速Wvcが、求める波速となる。なお、フィルタリングの結果、計算波速Wvcが理論波速Wvt に整合しなかった場合には、そのときの振幅スペクトル及び位相スペクトルは、本来の波のものではないので利用されない。
【0049】
この結果、計算により求められた2次元クロススペクトルの振幅スペクトルP(k,l)の振幅スペクトルSa及び位相スペクトルSφは、波浪スペクトル推算手段25でフィルタリングされ、本来の波の振幅スペクトルSa及び位相スペクトルSφが出力され、シーステート解析手段26に供給される。
【0050】
シーステート解析手段26では、波浪スペクトル推算手段25でフィルタリングされた本来の波の位相スペクトルSφについて、そのピーク値周辺±Lの座標内で重心を求め、その位相スペクトルの重心から、波長Wl及び波向Wdをそれぞれ、式(9)、式(10)により求める。
【0051】
【式9】
Figure 0003786205
Figure 0003786205
【0052】
【式10】
Figure 0003786205
Figure 0003786205
【0053】
さらに対応する位相スペクトルSφに基づいて波速Wvcを波毎に、例えば振幅スペクトルSaの大きい波について算出する。
【0054】
また、波浪スペクトル推算手段25でフィルタリングされる前の振幅スペクトルSaの総和Wを算出し、シーステート解析手段26で2次元クロススペクトルの振幅スペクトルSaのピーク点及びその周囲所定範囲の振幅スペクトルの和Sを算出し、予め求めておいた回帰係数A,Bに基づく回帰式により、波高値Whを、Wh=A+B×{S/(W−S)}により求める。波が複数である場合には、それぞれ各ピーク点のポイント及びその周囲所定範囲の振幅スペクトルの和S1,S2・・・を算出し、各波高値を、計算式Wh1=A+B×{S1/(W−S1ーS2・・・)}、計算式Wh2=A+B×{S2/(W−S1ーS2・・・)}・・・、により求める。この波浪演算処理器20として、特許文献1に開示されたレーダ波浪測定装置を用いることができる。
【0055】
次に、図1の波高補正処理器30において、波浪演算処理器20で求められた波向情報Wd、波高情報Wh(以後、演算波高情報Wh)、波長情報Wl、波速情報Wvcが入力され、演算波高情報Whの補正処理を行って、補正された波高Whc(以後、補正波高Whc)を出力する。
【0056】
この図1の波高補正処理器30における、演算波高情報Whの補正処理は、超音波波高計等による参照波高と演算波高情報Whとの差が大きくなる現象と、その他の波浪情報(波向情報Wd、波長情報Wl、波速情報Wvc)との関連を発見したことに基づいて行われている。
【0057】
超音波波高計は、海底から海面に向かって超音波パルスを発信し、パルスが海面で反射して戻ってくるまでの経過時間を距離に換算して、海面の高さを測定して、参照波高を得る。参照波高を得るための波高計としては、超音波波高計に限らず、他の波高計、例えば、容量式/抵抗式波高計、レーザ式/電波式波高計等、を用いることができる。
【0058】
演算波高情報Whの補正処理は、具体的には、波浪情報(波向情報Wd、演算波高情報Wh、波長情報Wl、波速情報Wvc)の取得と並行して、参照波高の測定を長期間にわたって行い、参照波高と演算波高Wh等とを比較した。その比較によれば、参照波高と演算波高Whとがほぼ一致する場合もあるが、全体としてみれば参照波高が高いときに演算波高Whが参照波高に相応して高くならず、参照波高が低いときに演算波高Whが参照波高に相応して低くならない傾向があることや、波向情報Wdの変化が参照波高の変化と対応しており、波向情報Wdの変化が少ないときに参照波高が高く、波向情報Wdの変化が大きいときに参照波高が低くなり、波向情報Wdの変化が参照波高に対して大きい相関を持っていること等が、発見された。
【0059】
また、波長情報Wlが参照波高に対応しており、波長情報Wlが大きいときに参照波高が高く、波長情報Wlが小さいときに参照波高が低くなりやすく、波長情報Wlも参照波高に対して大きい相関を持っていることも、発見された。
【0060】
本発明のレーダ波浪観測装置は、このような波浪情報(波向情報Wd、演算波高情報Wh、波長情報Wl、波速情報Wvc)と参照波高との関連や、さらに、波長情報Wlや波速情報Wvcに基づく海面反射の状態を利用して、演算波高を、参照波高に近づけるように波高補正処理を行って、観測波高の精度を向上したものである。
【0061】
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る波高補正処理器30の構成を示すブロック図である。
【0062】
図3において、波高補正処理器30には、波浪演算処理器20から波向情報Wd、演算波高Wh、波長情報Wl、波速情報Wvcが、所定時間毎(例えば、2分間隔)に入力される。
【0063】
波向変化信号導出手段31は、波向情報Wdを順次受けて、この波向情報Wdの所定期間の平均値と最新の波向情報との差をとって、その差の絶対値を平均化した平均化波向変化信号ΔWdavを得る。
【0064】
この波向変化信号導出手段31を、図3とともに、図4、図5を参照して説明する。第1平均処理回路301は、2分間隔で入力される波向情報Wdの15個のデータを移動平均して出力する。その時々の最新の平均出力ができるように、移動平均に使うデータは過去14個のデータとそのときのデータ1個である。
【0065】
この第1平均処理回路301での平均化処理は、0度から360度に亘る角度データをベクトル合成で行う。波向情報Wdの角度θdを、Y軸を基準角度0度として、X軸成分とY軸成分に分け、X軸側をsin(θd)、Y軸側をcos(θd)とする。連続的に得られる平均処理に使用する15個の波向情報の角度θdから得る、各X軸成分を加算して加算値ΣXを得、各Y軸成分を加算して加算値ΣYを得る。この加算値ΣX、ΣYから合成角度θg(=atan(ΣY/ΣX))を得る。この合成角度θgは、図示されていないが、加算値ΣX、ΣYの正負によって、種々の象限に存在することになる。なお、atanは、アークタンジェントを表す。また、加算値ΣXが0になったときは演算エラーを防止するために、正の0に近い値、例えば0.000001に置き換える。
【0066】
波向情報の平均した角度θdavを得るために、合成角度θgを得た加算値ΣXの極性が正であれば、角度θdav=90度−θgとし、その加算値ΣXの極性が負であれば、角度θdav=270度−θgとする。この処理を、新しい波向情報Wdの入力毎に行うことで、移動平均処理とする。
【0067】
この第1平均処理回路301での移動平均処理を、図4を参照して具体例で説明する。この移動平均処理は15個の波向情報Wdについて行われるが、説明を簡単にするために、ここでは2個の波向情報Wd1、Wd2の場合を例にする。2個の波向情報Wd1、Wd2の角度θd1、θd2を、30度及び310度とする。
【0068】
角度θd1のX軸成分x1=sin(30)=0.5、Y軸成分y1=cos(30)=0.866025であり、角度θd2のX軸成分x2=sin(310)=−0.766044、Y軸成分y2=cos(310)=0.642788である。加算値ΣX、ΣYを用いて、合成角度θgを求めると、θg=atan(ΣY/ΣX)=atan(1.508813/−0.266044)=−80度、となる。このときの加算値ΣXの極性は負であるから、平均した波向情報Wdavの角度θdavは、350度(=270度−(−80度))となる。
【0069】
減算回路302で、そのときの波向情報Wdの角度θdから平均角度θdavを減算して、波向変化値を得る。その波向変化値は、角度で示されるが、減算回路302での減算処理によって正負の両極性になっているので、次の波向180度処理のために絶対値変換回路303で絶対値の角度に変換する。
【0070】
波向180度処理回路304では、2分間隔で得られる波向変化値をその角度値に関係なく、連続的に数値処理できるように、波向変化値を180度内に納めるための角度変換処理を行う。この角度変換処理は、図5に示すように、波向180度処理回路304に入力される波向変化値が、0度以上から180度未満の範囲はそのまま出力し、180度以上から360度未満の範囲では(360度−波向変化値)に変換して、第2平均処理回路305に出力する。この波向180度処理によって、波向変化値が0度から360度側へ、あるいは360度側から0度側へ変化する場合にも、第2平均処理回路305での平均処理を容易に行うことができる。
【0071】
第2平均処理回路305は、波向180度処理回路304から入力される波向変化値を移動平均する。この移動平均は、過去の29個の波向変化値と最新の1個の波向変化値を平均するものであり、ばらつきを抑えその時々の最新の平均値を、平均化波向変化信号ΔWdavとして出力する。
【0072】
補正演算手段32は、演算波高情報Whを、平均化波向変化信号ΔWdavに応じて、その平均化波向変化信号ΔWdavが小さいときに高くなり、その平均化波向変化信号ΔWdavが大きいときに低くなるように演算し、その演算された結果を回帰補正手段によって回帰補正して出力する。補正演算手段32は、角度リミッタ306、べき乗回路307、除算回路308、第1回帰補正回路309、第2回帰補正回路310を有している。
【0073】
角度リミッタ306は、入力される平均化波向変化信号ΔWdavを、その後の処理のために、大きくなりすぎたりあるいは小さくなりすぎることがないように一定範囲内に制限する。この角度リミッタの制限値は、例えば上限値が50°、下限値を3°とする。
【0074】
べき乗回路307は、角度リミッタを通過した平均化波向変化信号ΔWdavを所定のべき指数βでべき乗し、波向補正係数Acを出力する。長期間にわたっての観測結果によると、波向変化と超音波波高計等による参照波高とは、波向変化を所定のべき指数βでべき乗した場合に相関がよくなり、相関係数が高くなることが確認された。べき乗回路307によるべき乗処理は、波向変化と参照波高との相関係数が高くなることに基づいている。このべき指数は、0.4〜1未満でよく、1つの実施例としては0.5〜0.7が特に好適であった。
【0075】
除算回路308では、演算波高情報Whを、べき乗回路307からの波向補正係数Acで除算する。本発明において、この除算は、長期間にわたって行った観測結果により、全体としてみれば参照波高が高いときに演算波高情報Whが参照波高に相応して高くならず、参照波高が低いときに演算波高情報Whが参照波高に相応して低くならない傾向があることと、波向情報Wdの変化が参照波高の変化と対応しており、波向情報Wdの変化が少ないときに参照波高が高く、波向情報Wdの変化が大きいときに参照波高が低くなり、波向情報Wdの変化が参照波高に対して大きい相関を持っていることの発見に基づいて、行われている。
【0076】
この除算回路308での除算結果(=Wh/Ac)を、更に参照波高に合わせるように、回帰補正手段によって、回帰処理を行う。この実施の形態では、回帰補正手段として、一次回帰処理(y=ax+b)を行う第1回帰補正回路309と第2回帰補正回路310を設けている。この第1、第2回帰補正回路309、310の回帰係数a,bは異なる係数a1,b1,a2,b2に設定されている。それらの回帰係数は、海面反射状態や、波向変化状況別に応じて観測に基づいて決定されている。この例では、2つの回帰補正回路を設けているが、その他の数の回帰補正回路を設けてもよい。
【0077】
選択手段33は、第1、第2回帰補正回路309,310の出力を、海面反射状態や、波向変化状況に応じて切り替えて出力するものである。この選択手段は、切替回路311と、海面反射検出回路313と、比較器314を有している。
【0078】
海面反射検出回路313は、波浪演算処理器20から出力される波長情報Wlと波速情報Wvcとを受けて、波長情報Wlに基づく理論波速Wvt(式6を参照)と波速情報Wvcとの比から海面反射検出信号Siを得る。この海面反射信号Siは、海面反射が強いときには小さくなって数値1に近い値を示し、海面反射が弱くなるほど大きな数値(例えば、25)を示すようになる。なお、この海面反射検出信号Siの形成手法については、特許第2,597,027号に記載されている。
【0079】
比較器314は、海面反射検出信号Siと平均化波向変化信号ΔWdavが入力される。そして、海面反射検出信号Siを所定範囲を定める2つの所定閾値(例えば、0.9〜1.2)と比較し、且つ絶対値にされている平均化波向変化信号ΔWdavを所定閾値(例えば、0.07、但し前段階で1/100に処理している)と比較する。海面反射検出信号Siが所定範囲内(2つの閾値の間)にあり、且つ平均化波向変化信号ΔWdavが所定閾値以下であるときに、第1回帰補正回路309の出力を選択するように、切替回路311に選択信号を印加する。それ以外のときは、第2回帰補正回路310の出力を選択する。
【0080】
即ち、波向変化が少なく、かつ海面反射が強いときに第1回帰補正回路309の出力が補正波高として用いられる。波向変化が大きいときや、海面反射が弱いときに第2回帰補正回路310の出力が補正波高として用いられる。第1、第2回帰補正回路309、310の回帰係数は、実測データに基づいてそのような波浪状態に合致するような係数に設定されている。
【0081】
そして、補正波高平均化手段である第3平均処理回路312は、第1、第2回帰補正回路309、310で回帰補正され、切替回路311で選択された出力を所定期間だけ平均して補正波高Whcを得る。この第3平均処理回路312は、2分間隔で入力される回帰補正された15個のデータを移動平均する。得られた補正波高Whcを、出力装置40へ出力する。
【0082】
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る波高補正処理器30Aの構成を示すブロック図である。この第2の実施の形態においては、図3の第1の実施の形態におけるように波向情報Wdの変化に応じて演算波高Whを補正することに加えて、波長Wlに応じて補正する手段を付加することにより、さらに補正波高の精度を向上するものである。このことは、長い期間での実測データに基づいて、波長Wlが参照波高に対応しており、波長Wlが大きいときに参照波高が高く、波長Wlが小さいときに参照波高が低くなり、波長Wlも参照波高に対して大きい相関を持っていることが確認されたことに基づいている。
【0083】
図6において、波高補正処理器30Aには、図3と同様に、波浪演算処理器20から波向情報Wd、演算波高Wh、波長情報Wl、波速情報Wvcが、所定時間毎(例えば、2分間隔)に入力される。
【0084】
図6の波高補正処理器30Aにおいては、除算回路308での除算出力を、乗算回路315による乗算処理を行ってから、第1回帰補正回路309に供給している点と、乗算回路315に乗算係数として供給する波長補正係数Lcを発生するための波長信号導出手段34とを備えている。その他の構成は、図3の波高補正処理器30と同様であるので、対応する構成要素には同じ符号を付して再度の説明を省略する。
【0085】
図6において、波長信号導出手段34は、波浪演算処理器20からの波長情報Wlが入力され、これを波長リミッタ318で最大及び最小を規定値に制限して補正の効き方を調停した波長補正係数Lcを導出し、この波長補正係数Lcを乗算回路315に供給する。
【0086】
この波長リミッタ318は、最大のみを規定するものでもよく、その最大の既定値は波がうねり波になったときの誤差を避けるようにするために例えば120m(係数として1.2)とする。最小の既定値は必ずしも設ける必要はないが、演算上の安全などのために、設定してもよい(例えば1m、係数として0.01)。
【0087】
なお、波長補正係数Lcは実際には、波長情報Wlに所定の係数を乗じているが、この係数は第1回帰補正回路309での回帰係数に吸収できるので、ここでは煩雑さを避けるために省略している。
【0088】
波長補正係数Lcで補正された乗算回路315の出力は、第1回帰補正回路309で回帰補正される。この第1回帰補正回路309での回帰式とその回帰係数は、当然に波長補正された値に適合したものとなっている。この回帰式は、やはり一次回帰式(y=a+bx)を用いることができる。また、除算回路308の出力は直接に第2回帰補正回路310に供給される。
【0089】
波長情報Wlの精度が良好であるときには、波向き補正係数Ac及び波長補正係数Lcによる補正を行った第1回帰補正回路309の出力を採用し、波長情報Wlの精度が得られない状況のときには、波向き補正係数Acのみによる補正を行った第2回帰補正回路309の出力を採用する。
【0090】
その選択は、比較器314の出力に応じて、切替回路311の切替により行われる。したがって、良好な海面反射が得られ波長の精度が良いかどうかの判断は、図3におけると同様に海面反射検出回路313からの海面反射検出信号Siと平均化波向き変化信号Wdavにしたがって行われる。
【0091】
このように、波高補正処理器30Aでは、補正演算手段32において、波浪演算処理器20から順次出力される演算波高情報Whを、平均波向変化信号ΔWdavに応じて、その平均波向変化信号ΔWdavが小さいときに高くなり、その平均波向変化信号ΔWdavが大きいときに低くなるように演算する。さらにこの演算された結果を波長補正係数Lcに応じて、その波長補正係数Lcが大きいときに大きくなり、その波長補正係数Lcが小さいときに小さくなるように演算して出力する。
【0092】
したがって、演算波高情報Whにそれぞれ相関を有する波向き補正係数Ac及び波長補正係数Lcで順次補正されるから、波高補正処理器30Aから出力される補正波高Whcの精度はさらに向上される。
【0093】
図7は、本発明の第3の実施の形態に係る波高補正処理器30Bの構成を示すブロック図である。この第3の実施の形態においては、図6の第2の実施の形態におけると同様に、波向情報Wdの変化に応じて演算波高Whを補正することに加えて、波長情報Wlに応じて補正する手段を付加することにより、さらに補正波高の精度を向上するものである。
【0094】
この図7の第3の形態においては、波長補正係数Lcを得るための波長に関する情報を、波浪演算処理器20からの波長情報Wlに代えて、別の観測装置などからの周期情報Wtに基づいて得るようにしている。
【0095】
周期情報Wtは波長との間に特定の変換式に従う関係があるから、周期情報Wtが海面反射の状態などに影響されずに継続して精度よく安定に得られれば、波向き補正係数Ac及び波長補正係数Lcでの順次補正を常に行えるから、波高補正処理器30Bから精度の向上した補正波高Whcが継続して得られる。
【0096】
図7において、波高補正処理器30Bには、図3や図6とは異なり、波浪演算処理器20から波向情報Wd、演算波高情報Whが、所定時間毎(例えば、2分間隔)に入力されるとともに、図8のように、別に設けられた波浪周期入力装置50からの周期情報Wtが入力される。なお、図8では、波長情報Wl、波速情報Wvcも波高補正処理器30Bに入力されるように表現されているが、これは次の実施の形態の説明にも兼用させるためのものである。
【0097】
図7の波高補正処理器30Bにおいては、除算回路308での除算出力を、乗算回路315による乗算処理を行ってから、第1回帰補正回路309に供給しており、また、乗算回路315に乗算係数として供給する波長補正係数Lcを発生するための波長信号導出手段34を備えている。
【0098】
図7において、波長信号導出手段34は、周期情報Wtが入力され、周期/波長変換回路316で入力された周期情報Wtを波長情報Wlに変換する。この周期情報Wtから波長情報Wlへの変換は、変換式「Wl=1.56Wt」にしたがって行う。この変換式は、波に関する変換式として知られており、淵秀隆、松本次男、斉藤晃著「海の波」、地人書館、P3、に記載されている。変換された波長情報Wlは波長リミッタ318で最大及び最小を規定値に制限して補正の効き方を調停した波長補正係数Lcを導出し、この波長補正係数Lcを乗算回路315に供給する。
【0099】
周期情報Wtを得る波浪周期入力装置50は、精度よく周期情報Wtが得られる観測装置であればよい。例えば、レーダ10との組み合わせ(セット)で考えるならば、レーダ10の近傍に設置されたペンシルビームを照射し反射波を受信するレーダを用いる。ペンシルビームによる反射波の時間的変化を用いて、波の周期情報を得ることができる。また、海面にブイを浮かべ、そのブイに搭載した速度計や加速度計のデータを用いて、波の周期情報を得ることができる。
【0100】
また、波浪周期入力装置50は、目視観測によって得た周期情報Wtを出力するようにしてもよい。目視による波浪周期観測は、見分けやすい水面の泡や浮遊物などを目標とし、その目標物が始めの波の山から次の波の山に来るまでの時間を測ることによって得られる。周期は通常一定の値を持っていることはほとんどないのではっきりした大きめの波をいくつか(普通は10〜20波)選んで観測し、その平均値を採る。
【0101】
図7の波高補正処理器30Bでは、周期情報Wtが外部から継続して得られるから、図6の選択手段33は不要であり、また第2回帰補正回路310も削除できる。その他の構成は、図3や図6の波高補正処理器30、30Aと同様であるので、対応する構成要素には同じ符号を付して再度の説明を省略する。
【0102】
したがって、図7の波高補正処理器30Bでは、乗算回路315は、除算回路308からの信号、即ち演算波高情報Whを波向き補正係数Acで除算し波向き補正された信号を、波長補正係数Lcでさらに補正する。したがって、演算波高情報Whにそれぞれ相関を有する波向き補正係数Ac及び波長補正係数Lcで、常時順次補正するから、波高補正処理器30Aから精度が向上された補正波高Whcが常に継続して得られる。
【0103】
図9は、本発明の第4の実施の形態に係る波高補正処理器30Cの構成を示すブロック図である。この第4の実施の形態においては、図6の第2の実施の形態における波高補正処理器30Aに、外部から周期情報Wtが得られる場合にも対応できるように、構成したものである。即ち、図6の波長信号導出手段34に図8の第3の実施の形態における周期/波長変換回路316と切替回路317を設けたものである。
【0104】
その切替回路317は、外部から周期情報Wtが得られる場合には周期/波長変換回路316で変換された波長情報を通過させ、周期情報Wtが得られない場合には波長情報Wlを通過させる。どちらを通過させるかの切替は、切替信号CSによって行える。変換された波長情報を通過させるとき切替回路311は第1回帰補正回路309の出力を選択する。このように選択されるように、切替信号CSによって図のように比較器314を制御したり、切替回路311を直接切り替えるようにする。
【0105】
切替回路317、切替回路311の切替以外の構成は、図6及び図7の波高補正処理器30A、30Bにおける構成と同様である。
【0106】
したがって、図9の波高補正処理器30Cでは、波向き補正係数Acで除算され波向き補正された信号を、波浪演算処理器20からの波長情報Wlに基づく波長補正係数Lcでさらに補正して、補正波高Whcの精度はさらに向上される。そして、外部から波長周期情報Wtが得られる場合には、波長補正係数Lcで常時補正するから、精度が向上された補正波高Whcが常に継続して得られる。
【0107】
また、波浪演算処理器20として、図10の波浪演算処理器を用いることができる。この図10の波浪演算処理器は、レーダ10で海面反射信号を取得し、レーダ信号集録手段61に連続する多数スキャン(例えば、32スキャン)のレーダ信号を記録する。次に、3次元FFT手段62で32スキャン分のレーダ信号を極座標から直角座標に変換し、3次元FFT処理を行い、3次元スペクトラムI(k、ω)を得る。次に、波浪スペクトル推算手段63において、計算された3次元スペクトラムI(k、ω)を、波の理論式である分散関係式ω=gkに当てはめることによりフィルタリングし、雑音を除去して、本来の波に関する3次元スペクトラムF(k、ω)だけを抽出する。そして、シーステート解析手段64で、抽出された3次元スペクトラムF(k、ω)を用いて、波向情報Wd、波高情報Wh、波長情報Wl、波速情報Wvcの波浪情報を算出する。この波浪演算処理器20として、非特許文献1に開示されたレーダ波浪測定装置を用いることができる。
【0108】
【発明の効果】
本発明のレーダ波浪観測装置によれば、レーダの海面反射信号から波浪演算処理して得た演算波高を、他の波浪演算処理結果(波向、波長、波速)を利用して補正し、超音波波高計等で測定した参照波高に精度良く合わせることができる。これにより、防波堤、護岸、海岸堤防等の構造物設計や船舶の安全並びに効率的運用等に寄与するとともに、海上管制などの有効な運用が可能になる。
【0109】
また、波向変化値が、波高値に対する相関が大きいことに基づいて、演算波高を、平均化波向変化信号が小さいときに高くなり、その平均化波向変化信号が大きいときに低くなるように演算し、その演算された結果を回帰補正手段によって回帰補正して出力するから、精度の良い観測波高値を得ることが出来る。
【0110】
また、補正演算手段は、回帰係数の異なる複数の回帰補正手段を持ち、海面反射検出信号及び波向変化信号の大きさに応じて、適切な回帰補正手段を選択するから、海面の状況により適した波高補正を行うことが出来る。
【0111】
演算波高を、波向変化信号が小さいときに高くなり、その波向変化信号が大きいときに低くなるように演算し、さらにこの演算された結果を波長補正係数に応じて、その波長補正係数が大きいときに大きくなり、その波長補正係数が小さいときに小さくなるように演算して出力する。これにより、演算波高にそれぞれ相関を有する波向き補正係数及び波長補正係数で順次補正されるから、波高補正処理器から出力される補正波高の精度はさらに向上される。
【0112】
また、波高の補正を他の周辺機器を必要とせず、レーダ波浪観測装置を安価に構成でき、その設置も容易になる。また、周期情報を他の装置や目視観測によって得られる場合には、より精度の向上した補正波高を海面の状態によらす、継続して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーダ波浪観測装置の全体構成を示す図。
【図2】本発明に用いる波浪演算処理器のブロック図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る波高補正処理器のブロック図。
【図4】波向平均処理方法を説明ずる図。
【図5】波向180度処理を説明する図。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る波高補正処理器のブロック図。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る波高補正処理器のブロック図。
【図8】本発明のレーダ波浪観測装置の他の全体構成を示す図。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係る波高補正処理器のブロック図。
【図10】本発明に用いる、他の波浪演算処理器のブロック図。
【符号の説明】
10 レーダ
20 波浪演算処理器
21 レーダ信号集録手段
22 レーダ干渉検出手段
23 2次元演算手段
24 平均化手段
25 波浪スペクトル推算手段
26 シーステート解析手段
30 波高補正処理器
31 波向変化信号導出手段
301 第1平均処理回路
302 減算回路
303 絶対値変換回路
304 波向180度処理回路
305 第2平均処理回路
32 補正演算手段
306 角度リミッタ
307 べき乗回路
308 除算回路
309 第1回帰補正回路
310 第2回帰補正回路
315 乗算回路
33 選択手段
311 切替回路
312 第3平均処理回路
313 海面反射検出回路
314 比較器
34 波長信号導出手段
316 周期/波長変換回路
317 切替回路
318 波長リミッタ
40 出力装置
50 波浪周期入力装置
61 レーダ信号集録手段
62 3次元FFT手段
63 波浪スペクトル推算手段
64 シーステート解析手段
Wd 波向情報
Wh 波高情報
Wl 波長情報
Wvc 波速情報
Whc 補正波高
Wt 周期情報
ΔWdav 平均化波向変化信号
Ac 波向補正係数
Si 海面反射検出信号
Ac 波向補正係数
Lc 波長補正係数

Claims (17)

  1. 海面からのレーダ反射信号からレーダ画像を得て、そのレーダ画像をフーリエ変換し、その変換結果に波の理論式を適用することによって、波に関するスペクトラムを抽出し、抽出されたスペクトラムを用いて、波向情報、波高情報を含む波浪情報を算出する波浪演算処理器と、
    前記波浪演算処理器から所定方向を基準として順次出力される波向情報に基づいて、この波向情報の変化量を表す波向変化信号を得る波向変化信号導出手段、前記波浪演算処理器から順次出力される波高情報に応じた波高信号を、前記波向変化信号に応じて、その波向変化信号が小さいときに高くなり、その波向変化信号が大きいときに低くなるように演算して出力する補正演算手段、を含んで構成される波高補正処理器と、を有することを特徴とするレーダ波浪観測装置。
  2. 前記波高補正処理器は、さらに、前記補正演算手段からの出力を所定期間だけ平均して補正波高を得る補正波高平均化手段を有し、
    前記波向変化信号導出手段は、前記波向変化信号として、前記波向情報の所定期間の平均値と最新の波向情報との差をとって、その差の絶対値を平均化した平均化波向変化信号を得るものであり、
    前記補正演算手段は、前記波高信号を、前記平均化波向変化信号に応じて、その平均化波向変化信号が小さいときに高くなり、その平均化波向変化信号が大きいときに低くなるように演算し、その演算された結果を回帰補正手段によって回帰補正して出力する、ことを特徴とする、請求項1に記載されたレーダ波浪観測装置。
  3. 前記補正演算手段は、前記回帰補正手段として、それぞれ回帰係数の異なる複数の回帰補正手段を持ち、
    さらに、前記波浪演算処理器から順次出力される波長情報と波速情報とを受けて、波長情報に基づく理論波速と波速情報との比から海面反射検出信号を得る海面反射検出手段、この海面反射検出信号と前記波向変化信号が入力され、海面反射検出信号を所定範囲を定める閾値と比較し、且つ前記波向変化信号を所定閾値と比較し、それらの比較結果に対応した選択指令信号を出力する比較手段、この選択指令信号が入力され、前記複数の回帰補正手段の出力を前記選択指令信号に応じて切り替えて出力する切替手段、を持つ選択手段を有することを特徴とする、請求項1、2に記載されたレーダ波浪観測装置。
  4. 前記補正演算手段は、前記波向変化信号の最大・最小を制限する角度リミッタと、この角度リミッタで制限された前記波向変化信号に所定のべき指数を与えて波向補正係数を導出する、べき乗手段、前記波高信号を前記波向補正係数で除算する除算手段と、この除算手段の除算出力を回帰補正して出力する前記回帰補正手段とを有することを特徴とする、請求項1乃至3に記載されたレーダ波浪観測装置。
  5. 海面からのレーダ反射信号からレーダ画像を得て、そのレーダ画像をフーリエ変換し、その変換結果に波の理論式を適用することによって、波に関するスペクトラムを抽出し、抽出されたスペクトラムを用いて、波向情報、波高情報を含む波浪情報を算出する波浪演算処理器と、
    前記波浪演算処理器から所定方向を基準として順次出力される波向情報に基づいて、この波向情報の変化量を表す波向変化信号を得る波向変化信号導出手段、
    波長の大きさを表す波長補正係数を得る波長信号導出手段、
    前記波浪演算処理器から順次出力される波高情報に応じた波高信号を、前記波向変化信号に応じて、その波向変化信号が小さいときに高くなり、その波向変化信号が大きいときに低くなるように演算し、さらにこの演算された結果を前記波長補正係数に応じて、その波長補正係数が大きいときに大きくなり、その波長補正係数が小さいときに小さくなるように演算して出力する補正演算手段、を含んで構成される波高補正処理器と、を有することを特徴とする、レーダ波浪観測装置。
  6. 前記波長信号導出手段は、前記波浪演算処理器から順次出力される波長情報に基づいて前記波長補正係数を得るものであることを特徴とする、請求項5に記載されたレーダ波浪観測装置。
  7. 前記波高補正処理器は、さらに、前記補正演算手段からの出力を所定期間だけ平均して補正波高を得る補正波高平均化手段を有し、
    前記波長信号導出手段は、前記波浪演算処理器から順次出力される波長情報に基づいて前記波長補正係数を得るものであり、
    前記波向変化信号導出手段は、前記波向変化信号として、前記波向情報の所定期間の平均値と最新の波向情報との差をとって、その差の絶対値を平均化した平均化波向変化信号を得るものであり、
    前記補正演算手段は、前記波高信号を、前記平均化波向変化信号に応じて、その平均化波向変化信号が小さいときに高くなり、その平均化波向変化信号が大きいときに低くなるように演算し、さらにこの演算された結果を前記波長補正係数に応じて、その波長補正係数が大きいときに大きくなり、その波長補正係数が小さいときに小さくなるように演算し、その演算された結果を回帰補正手段によって回帰補正して出力する、ことを特徴とする、請求項6に記載されたレーダ波浪観測装置。
  8. 前記補正演算手段は、前記回帰補正手段としての第1回帰補正手段と、この第1回帰補正手段の回帰係数とは異なる回帰係数を持ち、前記波高信号を前記平均化波向変化信号に応じて演算した演算結果を回帰補正する第2回帰補正手段を持ち、
    さらに、前記波浪演算処理器から順次出力される波長情報と波速情報とを受けて、波長情報に基づく理論波速と波速情報との比から海面反射検出信号を得る海面反射検出手段、この海面反射検出信号と前記波向変化信号が入力され、海面反射検出信号を所定範囲を定める閾値と比較し、且つ前記波向変化信号を所定閾値と比較し、それらの比較結果が所定範囲内で且つ所定閾値以下であるときに前記第1回帰補正手段を選択し、それ以外の場合に前記第2回帰補正手段を選択するための選択指令信号を出力する比較手段、この選択指令信号が入力され、前記第1及び第2回帰補正手段の出力を前記選択指令信号に応じて切り替えて出力する切替手段、を持つ選択手段を有することを特徴とする、請求項7に記載されたレーダ波浪観測装置。
  9. 前記波長信号導出手段は、前記波浪演算処理器から順次出力される波長情報から得た波長補正係数の少なくとも上限値を制限する波長リミッタを有しており、
    前記補正演算手段は、前記波向変化信号の最大・最小を制限する角度リミッタと、この角度リミッタで制限された前記波向変化信号に所定のべき指数を与えて波向補正係数を導出する、べき乗手段と、前記波高信号を前記波向補正係数で除算する除算手段と、この除算手段の除算出力に前記波長信号導出手段からの制限された前記波長補正係数を乗算する乗算手段と、この乗算手段の乗算出力を回帰補正して出力する前記第1回帰補正手段と、前記除算手段の除算出力を回帰補正して出力する前記第2回帰補正手段とを有することを特徴とする、請求項7、8に記載されたレーダ波浪観測装置。
  10. 前記波長信号導出手段は、外部から入力される周期情報に基づいて前記波長補正係数を得るものであることを特徴とする、請求項5に記載されたレーダ波浪観測装置。
  11. 前記波高補正処理器は、さらに、前記補正演算手段からの出力を所定期間だけ平均して補正波高を得る補正波高平均化手段を有し、
    前記波長信号導出手段は、前記周期情報を所定の変換式にしたがって変換して前記波長補正係数を得るものであり、
    前記波向変化信号導出手段は、前記波向変化信号として、前記波向情報の所定期間の平均値と最新の波向情報との差をとって、その差の絶対値を平均化した平均化波向変化信号を得るものであり、
    前記補正演算手段は、前記波高信号を、前記平均化波向変化信号に応じて、その平均化波向変化信号が小さいときに高くなり、その平均化波向変化信号が大きいときに低くなるように演算し、さらにこの演算された結果を前記波長補正係数に応じて、その波長補正係数が大きいときに大きくなり、その波長補正係数が小さいときに小さくなるように演算し、その演算された結果を回帰補正手段によって回帰補正して出力する、ことを特徴とする、請求項10に記載されたレーダ波浪観測装置。
  12. 前記波長信号導出手段は、前記周期情報を所定の変換式にしたがって前記波長補正係数に変換する周期/波長変換手段と、この周期/波長変換手段からの前記波長補正係数の少なくとも上限値を制限して出力する波長リミッタとを有しており、
    前記補正演算手段は、前記波向変化信号の最大・最小を制限する角度リミッタと、この角度リミッタで制限された前記波向変化信号に所定のべき指数を与えて波向補正係数を導出する、べき乗手段と、前記波高信号を前記波向補正係数で除算する除算手段と、この除算手段の除算出力に前記波長信号導出手段からの制限された前記波長補正係数を乗算する乗算手段と、この乗算手段の乗算出力を回帰補正して出力する前記回帰補正手段と、を有することを特徴とする、請求項11に記載されたレーダ波浪観測装置。
  13. 前記波長信号導出手段は、前記波浪演算処理器から順次出力される波長情報に基づいて得られる波長補正係数と、外部から入力される周期情報に基づいて得られる波長補正係数のいずれかを選択して出力するものであることを特徴とする、請求項5に記載されたレーダ波浪観測装置。
  14. 前記波高補正処理器は、さらに、前記補正演算手段からの出力を所定期間だけ平均して補正波高を得る補正波高平均化手段を有し、
    前記波長信号導出手段は、前記波浪演算処理器から順次出力される波長情報から得た波長補正係数と、前記周期情報を所定の変換式にしたがって変換して得た波長補正係数とのいずれかを選択して出力するものであり、
    前記波向変化信号導出手段は、前記波向変化信号として、前記波向情報の所定期間の平均値と最新の波向情報との差をとって、その差の絶対値を平均化した平均化波向変化信号を得るものであり、
    前記補正演算手段は、前記波高信号を、前記平均化波向変化信号に応じて、その平均化波向変化信号が小さいときに高くなり、その平均化波向変化信号が大きいときに低くなるように演算し、さらにこの演算された結果を前記波長補正係数に応じて、その波長補正係数が大きいときに大きくなり、その波長補正係数が小さいときに小さくなるように演算し、その演算された結果を回帰補正手段によって回帰補正して出力する、ことを特徴とする、請求項13に記載されたレーダ波浪観測装置。
  15. 前記補正演算手段は、前記回帰補正手段としての第1回帰補正手段と、この第1回帰補正手段の回帰係数とは異なる回帰係数を持ち、前記波高信号を前記平均化波向変化信号に応じて演算した演算結果を回帰補正する第2回帰補正手段を持ち、
    さらに、前記波浪演算処理器から順次出力される波長情報と波速情報とを受けて、波長情報に基づく理論波速と波速情報との比から海面反射検出信号を得る海面反射検出手段、この海面反射検出信号と前記波向変化信号が入力され、海面反射検出信号を所定範囲を定める閾値と比較し、且つ前記波向変化信号を所定閾値と比較し、それらの比較結果が所定範囲内で且つ所定閾値以下であるときに前記第1回帰補正手段を選択し、それ以外の場合に前記第2回帰補正手段を選択するための選択指令信号を出力する比較手段、この選択指令信号が入力され、前記第1及び第2回帰補正手段の出力を前記選択指令信号に応じて切り替えて出力する切替手段を持つとともに、前記波長信号導出手段が前記周期情報を所定の変換式にしたがって変換して得た波長補正係数を選択している場合には前記第1補正回帰手段を選択するようにされている選択手段を有することを特徴とする、請求項14に記載されたレーダ波浪観測装置。
  16. 前記波長信号導出手段は、前記周期情報を所定の変換式にしたがって波長補正係数に変換する周期/波長変換手段と、前記波長情報から得た波長補正係数と前記周期/波長変換手段からの波長補正係数が入力され、切替信号に応じてそれらの波長補正係数の一方を選択して出力する切替手段と、この切替手段からの前記波長補正係数の少なくとも上限値を制限して出力する波長リミッタとを有しており、
    前記補正演算手段は、前記波向変化信号の最大・最小を制限する角度リミッタと、この角度リミッタで制限された前記波向変化信号に所定のべき指数を与えて波向補正係数を導出する、べき乗手段と、前記波高信号を前記波向補正係数で除算する除算手段と、この除算手段の除算出力に前記波長信号導出手段からの制限された前記波長補正係数を乗算する乗算手段と、この乗算手段の乗算出力を回帰補正して出力する前記第1回帰補正手段と、前記除算手段の除算出力を回帰補正して出力する前記第2回帰補正手段とを有することを特徴とする、請求項14、15に記載されたレーダ波浪観測装置。
  17. 前記波向変化信号導出手段は、前記波向情報を順次受けて、所定期間の前記波向情報の平均値を出力する第1波向平均処理手段と、この第1波向平均処理手段の平均値出力と最新の前記波向情報との差を採る減算手段と、この減算手段の出力を絶対値に変換する絶対値変換手段と、この絶対値変換手段の出力を受け、0度から180度未満のものはそのまま通過させ、180度以上から360度未満のものは360度から差し引いて出力させる波向180度処理手段と、この波向180度処理手段の出力を所定期間だけ平均して、前記平均化波向変化信号を出力する波向平均処理手段とを有することを特徴とする、請求項1乃至16に記載されたレーダ波浪観測装置。
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