JP3785376B2 - 溶接熱影響部靭性及び変形能に優れた鋼管及び鋼管用鋼板の製造法 - Google Patents
溶接熱影響部靭性及び変形能に優れた鋼管及び鋼管用鋼板の製造法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3785376B2 JP3785376B2 JP2002096552A JP2002096552A JP3785376B2 JP 3785376 B2 JP3785376 B2 JP 3785376B2 JP 2002096552 A JP2002096552 A JP 2002096552A JP 2002096552 A JP2002096552 A JP 2002096552A JP 3785376 B2 JP3785376 B2 JP 3785376B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- less
- metal part
- tensile test
- steel
- yield strength
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、米国石油協会(API)企画でX100以上(降伏強度で約690MPa以上、引張強度で約760MPa以上)の高強度と優れた溶接熱影響部(HAZ)靭性及び変形能を有する鋼管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
原油・天然ガスを長距離輸送するパイプラインに使用するラインパイプは、(1)高圧下による輸送効率の向上や、(2)薄肉化による現地での溶接効率向上のため、ますます高張力化する傾向にある。これまでにAPI規格でX80までのラインパイプが実用化されているが、さらに高強度のラインパイプに対するニーズがでてきた。現在、X100以上の高強度ラインパイプはX80級ラインパイプの製造法(NKK技報 No.138(1992)、pp.24〜31及びThe 7th offshore Mechanics Arctic Engineering(1988),volume V,pp.179〜185)を基本に検討されているが、これらのラインパイプは低温靭性、特にHAZ靭性の点で問題を抱えており、これらを克服した画期的な高強度鋼管が望まれている。さらに、永久凍土に敷設するパイプラインにおいて凍土の一部が融解と凍結を繰り返すため、パイプライン自体に歪が加わり、延性亀裂の発生を防止できる変形能の大きい、安全性に優れた鋼管が望まれている。
【0003】
低合金鋼のHAZ靭性は、(1)結晶粒のサイズ、(2)高炭素島状マルテンサイト(M*)、上部ベイナイト(Bu)などの硬化相の分散状態、(3)粒界脆化の有無、(4)元素のミクロ偏析など種々の冶金学的要因に支配される。なかでも、HAZの結晶粒のサイズは低温靭性に大きな影響を与えることが知られており、HAZ組織を微細化する数多くの技術が開発実用化されている。
【0004】
例えば、TiNを微細に分散させ、490MPa級高張力鋼の大入熱溶接時のHAZ靭性を改善する手段が開示されている(「鉄と鋼」(昭和54年6月発行、第65巻第8号1232頁)。しかし、これらの析出物は溶融線近傍においては1400℃以上の高温にさらされるため大部分が粗大化或いは溶解し、HAZ組織が粗大化してHAZ靭性が劣化するという欠点を有する。
【0005】
この問題に対して、鋼中にTi酸化物を微細分散させて、溶接時のHAZにおいて粒内アシキュラーフェライト(以下IGFと呼ぶ)を生成させることにより溶融線近傍のHAZ組織は微細化され、HAZ靭性が改善されることが特開昭63−210235号公報、特開平1−15321号公報などに開示されている。
【0006】
しかしながら、X100以上の高強度になるとTi酸化物からIGFの生成は抑制され、HAZ靭性が劣化するため、X100以上の高強度鋼のHAZ靭性の改善が強く望まれている。
【0007】
一方、変形能に関して、特開平11−279700号公報では、面積分率で10〜50%の下部ベイナイトを含有する対座屈特性に優れた鋼管、特開平11−343542号公報では平均アスペクト比が2〜15である島状マルテンサイトを面積分率で2〜15%含有する耐座屈特性に優れた鋼管が開示されている。
しかしながらいずれも、X100以上の高強度鋼管を対象にしたものではない。また、鋼管の母材について耐局部座屈性を向上させることを目的としたものであり、溶接金属部を含む鋼管或いはパイプラインに関するものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は良好なHAZ靭性及び優れた変形能を有するX100以上の高強度鋼管及びその製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、以下のとおりである。
【0010】
(1) 質量%で、
C:0.03%以下、
Si:0.6%以下、
Mn:0.8〜2.5%、
P:0.015%以下、
S:0.005%以下、]
Nb:0.01〜0.05%、
Ti:0.005〜0.03%、
Al:0.05%以下、
N:0.001〜0.006%
に残部が鉄及び不可避的不純物からなり、かつ
Pb=2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.45(Ni+Cu)+Mo+V
で定義されるPb値が2.5〜4.0の範囲にある母材と、
C:0.035〜0.08%、
Si:0.6%以下、
Mn:1.5〜2.2%、
P:0.015%以下、
S:0.005%以下、
Ni:1.0〜2.5%、
Cr:0.3〜1.5%、
Mo:0.3〜1.5%、
Nb:0.01〜0.1%、
Ti:0.005〜0.03%、
B:0.0003〜0.002%、
Al:0.05%以下、
N:0.001〜0.01%、
O:0.015〜0.045%
を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、かつ
Pw=C+0.11Si+0.03Mn+0.02Ni+0.04Cr+0.07Mo+1.46Nb
で定義されるPw値が0.2〜0.35の範囲にある溶接金属部を有し、
母材部の金属組織が粒径20μm以下のフェライトを5〜50%含有し、
さらに溶接金属部に島状マルテンサイトを 1 〜15%含有し、
母材部円周方向の引張試験における降伏強度が689MPa以上、かつ母材部管軸方向の引張試験における降伏強度が円周方向の引張試験における降伏強度の0.9倍以上であり、
母材部及び溶接金属部の管軸方向の引張試験における一様伸びが3%以上であることを特徴とする溶接熱影響部靱性および変形能に優れた鋼管。
【0011】
(2) 質量%で、
C:0.03%以下、
Si:0.6%以下、
Mn:0.8〜2.5%、
P:0.015%以下、
S:0.005%以下、
Nb:0.01〜0.05%、
Ti:0.005〜0.03%、
Al:0.05%以下、
N:0.001〜0.006%
を含有し、さらに
Ni:0.1〜1.0%、
Cu:0.1〜1.2%、
Cr:0.1〜1.0%、
Mo:0.1〜1.0%、
V:0.01〜0.1%、
Ca:0.001〜0.005%、
Mg:0.0003〜0.002%
の1種または2種以上を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、かつ
Pb=2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.45(Ni+Cu)+Mo+V
で定義されるPb値が2.5〜4.0の範囲にある母材と、
C:0.035〜0.08%、
Si:0.6%以下、
Mn:1.5〜2.2%、
P:0.015%以下、
S:0.005%以下、
Ni:1.0〜2.5%、
Cr:0.3〜1.5%、
Mo:0.3〜1.5%、
Nb:0.01〜0.1%、
Ti:0.005〜0.03%、
B:0.0003〜0.002%、
Al:0.05%以下、
N:0.001〜0.01%、
O:0.015〜0.045%
を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、かつ
Pw=C+0.11Si+0.03Mn+0.02Ni+0.04Cr+0.07Mo+1.46Nb
で定義されるPw値が0.2〜0.35の範囲にある溶接金属部を有し、
母材部の金属組織が粒径20μm以下のフェライトを5〜50%含有し、
さらに溶接金属部に島状マルテンサイトを 1 〜15%含有し、
母材部円周方向の引張試験における降伏強度が689MPa以上、かつ母材部管軸方向の引張試験における降伏強度が円周方向の引張試験における降伏強度の0.9倍以上であり、
母材部及び溶接金属部の管軸方向の引張試験における一様伸びが3%以上であることを特徴とする溶接熱影響部靱性および変形能に優れた鋼管。
【0012】
(3) 質量%で、
C:0.03%以下、
Si:0.6%以下、
Mn:0.8〜2.5%、
P:0.015%以下、
S:0.005%以下、
Nb:0.01〜0.05%、
Ti:0.005〜0.03%、
B:0.0003〜0.002%、
Al:0.05%以下、
N:0.001〜0.006%
に残部が鉄および不可避的不純物からなり、かつ
Qb=2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.45(Ni+Cu)+2Mo
で定義されるQb値が2.0〜3.5の範囲にある母材と、
C:0.035〜0.08%、
Si:0.6%以下、
Mn:1.5〜2.2%、
P:0.015%以下、
S:0.005%以下、
Ni:1.0〜2.5%、
Cr:0.3〜1.5%、
Mo:0.3〜1.5%、
Nb:0.01〜0.1%、
Ti:0.005〜0.03%、
B:0.0003〜0.002%、
Al:0.05%以下、
N:0.001〜0.01%、
O:0.015〜0.045%
を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、かつ
Pw=C+0.11Si+0.03Mn+0.02Ni+0.04Cr+0.07Mo+1.46Nb
で定義されるPw値が0.2〜0.35の範囲にある溶接金属部を有し、
母材部の金属組織が粒径20μm以下のフェライトを5〜50%含有し、
さらに溶接金属部に島状マルテンサイトを 1 〜15%含有し、
母材部円周方向の引張試験における降伏強度が689MPa以上、かつ母材部管軸方向の引張試験における降伏強度が円周方向の引張試験における降伏強度の0.9倍以上であり、
母材部および溶接金属部の管軸方向の引張試験における一様伸びが3%以上であることを特徴とする溶接熱影響部靱性および変形能に優れた鋼管。
【0013】
(4) 質量%で、
C:0.03%以下、
Si:0.6%以下、
Mn:0.8〜2.5%、
P:0.015%以下、
S:0.005%以下、
Nb:0.01〜0.05%、
Ti:0.005〜0.03%、
B:0.0003〜0.002%、
Al:0.05%以下、
N:0.001〜0.006%
を含有し、さらに
Ni:0.1〜1.0%、
Cu:0.1〜1.2%、
Cr:0.1〜1.0%、
Mo:0.1〜1.0%、
V:0.01〜0.1%、
Ca:0.001〜0.005%、
Mg:0.0003〜0.002%
の1種または2種以上を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、かつ
Qb=2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.45(Ni+Cu)+2Mo
で定義されるQb値が2.0〜3.5の範囲にある母材と、
C:0.035〜0.08%、
Si:0.6%以下、
Mn:1.5〜2.2%、
P:0.015%以下、
S:0.005%以下、
Ni:1.0〜2.5%、
Cr:0.3〜1.5%、
Mo:0.3〜1.5%、
Nb:0.01〜0.1%、
Ti:0.005〜0.03%、
B:0.0003〜0.002%、
Al:0.05%以下、
N:0.001〜0.01%、
O:0.015〜0.045%
を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、かつ
Pw=C+0.11Si+0.03Mn+0.02Ni+0.04Cr+0.07Mo+1.46Nb
で定義されるPw値が0.2〜0.35の範囲にある溶接金属部を有し、
母材部の金属組織が粒径20μm以下のフェライトを5〜50%含有し、
さらに溶接金属部に島状マルテンサイトを 1 〜15%含有し、
母材部円周方向の引張試験における降伏強度が689MPa以上、かつ母材部管軸方向の引張試験における降伏強度が円周方向の引張試験における降伏強度の0.9倍以上であり、
母材部および溶接金属部の管軸方向の引張試験における一様伸びが3%以上であることを特徴とする溶接熱影響部靱性および変形能に優れた鋼管。
【0014】
(5) 前記溶接金属が、さらに質量%で、
Cu:0.1〜1.0%、
V:0.01〜0.1%、
Ca:0.001〜0.005%
のうち1種または2種以上を含有していることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の溶接熱影響部靭性および変形能に優れた鋼管。
【0020】
(6) 質量%で、
C:0.03%以下、
Si:0.6%以下、
Mn:0.8〜2.5%、
P:0.015%以下、
S:0.005%以下、
Nb:0.01〜0.05%、
Ti:0.005〜0.03%、
Al:0.05%以下、
N:0.001〜0.006%
に残部が鉄および不可避的不純物からなり、かつ
Pb=2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.45(Ni+Cu)+Mo+V
で定義されるPb値が2.5〜4.0の範囲にある鋳片を950〜1200℃に加熱した後、950℃以下での圧下量を50%以上とし、700〜850℃の温度範囲で圧延を終了した後、550〜700℃の温度範囲から2℃/秒以上の冷却速度で450℃以下の任意の温度まで冷却し、その後空冷することを特徴とする溶接熱影響部靱性および変形能に優れた鋼管用鋼板の製造法。
【0021】
(7) 質量%で、
C:0.03%以下、
Si:0.6%以下、
Mn:0.8〜2.5%、
P:0.015%以下、
S:0.005%以下、
Nb:0.01〜0.05%、
Ti:0.005〜0.03%、
B:0.0003〜0.002%、
Al:0.05%以下、
N:0.001〜0.006%
に残部が鉄および不可避的不純物からなり、かつ
Qb=2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.45(Ni+Cu)+2Moで定義されるQb値が2.0〜3.5の範囲にある鋳片を950〜1200℃に加熱した後、950℃以下での圧下量を50%以上とし、700〜850℃の温度範囲で圧延を終了した後、550〜700℃の温度範囲から2℃/秒以上の冷却速度で450℃以下の任意の温度まで冷却し、その後空冷することを特徴とする溶接熱影響部靱性および変形能に優れた鋼管用鋼板の製造法。
【0022】
(8) 鋳片がさらに質量%で、
Ni:0.1〜1.0%、
Cu:0.1〜1.2%、
Cr:0.1〜1.0%、
Mo:0.1〜1.0%、
V:0.01〜0.1%、
Ca:0.0005〜0.005%、
Mg:0.0003〜0.002%
の1種または2種以上を含有することを特徴とする上記(6)または(7)項に記載の溶接熱影響部靱性および変形能に優れた鋼管用鋼板の製造法。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の高強度鋼管について詳細に説明する。
【0024】
本発明者らの研究によれば、HAZ靭性は(1)鋼の化学成分、(2)組織(結晶粒の大きさと硬化相の分散状態)に大きく依存し、HAZ靭性を改善するためには、鋼成分の適正化と結晶粒の微細化、特にM*などの硬化相の低減が不可欠であると考えられる。鋼板を内外面溶接して製造する鋼管(例えばUOE鋼管など)は、溶接コスト低減の観点から内面1層、外面1層の溶接が適用される。この場合、内面溶接の溶融線近傍の1400℃以上に加熱され、その後の外面溶接によりAc1点直上に再加熱された領域(粗粒+Ac1部)で、最も靭性が低下すると考えられる。これは、Ac1直上に再加熱された時にオーステナイト(ν)へ変態した領域に炭素(C)が濃縮し、その後の冷却過程でCを多量に含有した高炭素島状マルテンサイト(M*)などの硬化相が多量に生成するためである。M*は多量のCを含有しているので硬く、かつ脆性破壊の発生点になりやすい。
【0025】
鋼を高強度化させるためには、必然的に合金元素の添加量を増加させる必要があるが、粗粒+Ac1部においてM*の生成量が増加し、HAZ靭性は大きく劣化する。そこで、本発明者らは粗粒+Ac1部での靭性の劣化を防止するために、M*の生成を抑制する方法について鋭意検討した結果、(1)鋼管母材のC量を低減することによりAc1直上に再加熱された領域に濃縮するC量を低減することを見出した。さらに、極低C化した場合でも目標とする強度を満足させるために、合金元素の適正な添加量について検討した結果、B無添加鋼の場合にはPb値、B添加鋼の場合にはQb値で定義される値を所定の範囲に限定することにより、強度を確保することができることを見出した。しかしながら、極低C鋼の母材を溶接する場合、溶接金属中のC量が低くなると、δ凝固による高温割れが発生する。また、過度にC量を含有した場合、溶接金属の低温靭性が劣化する。そこで、溶接金属の高温割れを防止し、かつ良好な低温靭性を目標とする強度を満足させる適正なC量、さらには合金元素添加量を見出した。
【0026】
永久凍土に敷設されるパイプラインにおいては、凍土の融解、凍結により3%程度の歪がパイプラインに負荷されるといわれている。この場合、母材部及び溶接金属部の管軸方向の引張試験における一様伸びが3%以上であれば、延性亀裂の発生が防止できることを見出した。また、母材の一様伸びを増加させるためには20μm以下のフェライトを5〜50%含有すること、溶接金属の一様伸びを増加させるためには島状マルテンサイトを1〜15%、好ましくは2〜15%含有させることが必要であることを見出した。さらに、母材円周方向の引張試験における降伏強度が689MPa以上(X100以上)の場合、母材管軸方向の引張試験における降伏強度は円周方向の引張試験における降伏強度の0.9倍であれば、実用上問題ないことを見出した。また、鋼管用鋼板の製造法として、650〜800℃の温度範囲で圧延を終了し、700〜850℃の温度範囲から2℃/秒以上の冷却速度で450℃以下の任意の温度まで冷却し、その後空冷することにより、高強度と高一様伸びを両立する鋼板が得られることを見出し、本発明に至った。
【0027】
すなわち、本発明の特徴は、鋼管母材として、極低C−Nb−Ti系成分を適用するに際し、目標とする強度を確保するために、合金元素添加量をPb値またはQb値で定義される適正な範囲に限定すること、及び溶接金属として、高温割れ防止の観点からC量を限定すると共に、目標とする強度を満足させるために、合金元素添加量をPwで定義される適正な範囲に限定すること、さらに優れた変形能を確保するために母材部及び溶接金属部の管軸方向の引張試験の一様伸びを3%以上にすること、大きな一様伸びを得るために母材部の金属組織が粒径20μm以下のフェライトを5〜50%含有すること、溶接金属部に島上マルテンサイトを1〜15%、好ましくは2〜15%含有させること、さらに母材部円周方向の引張試験における降伏強度が689MPa以上、かつ母材部管軸方向の引張試験における降伏強度が円周方向の引張試験における降伏強度の0.9倍以上であることにある。
【0028】
まず、鋼管母材の成分限定理由について説明する。
【0029】
Ac1直上に再加熱された領域へのCの濃縮量を低減させるためには、母材のC量は0.003%以下にしなければならない。これは、C量が0.003%を超えると、Ac1直上に加熱された際、オーステナイト(ν)中へのC濃縮量が増加して、その後の冷却過程で高炭素島状マルテンサイト(M*)が生成して脆性破壊の発生点となるためである。
【0030】
HAZ靭性の改善のためには母材のC量を0.003%以下にしなければならないが、目標とするX100以上の強度を満足させるためには、合金元素の添加量の適正化が必要である。すなわち、B無添加鋼の場合には、Pb=2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.45(Ni+Cu)+Mo+Vの式で定義されるPb値を2.5〜4.0の範囲にしなければならない。Pb値が2.5未満では目標とするX100以上の強度が確保できない。また、Pb値が4.0を超えるとM*の生成が顕著となり、HAZ靭性が劣化する。このためPb値の範囲を2.5〜4.0に限定した。一方、B添加鋼の場合には、Qb=2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.45(Ni+Cu)+2Moの式で定義されるQb値を2.0〜3.5の範囲にしなければならない。Qb値が2.0未満では目標とする強度が確保できない。また、Qb値が3.5を超えるとM*の生成が顕著となり、HAZ靭性が劣化する。このためQb値の範囲を2.0〜3.5に限定した。
【0031】
しかし、たとえC量を極力低減し、合金元素の添加量を適正な範囲に限定しても、母材の基本成分が適当でないと優れたHAZ靭性は得られない。以下にその他の基本成分の限定理由について説明する。
【0032】
Siは脱酸や強度向上のため添加する元素であるが、多く添加すると現地溶接性、HAZ靭性を劣化させるので、上限を0.6%とした。鋼の脱酸はTiのみでも十分であり、Siは必ずしも添加する必要はない。
【0033】
Mnは強度、低温靭性を確保する上で不可欠な元素であり、その下限は0.8%である。しかし、Mnが多すぎると鋼の焼入性が増加して現地溶接性、HAZ靭性を劣化させるだけでなく、連続鋳造鋼片の中心偏析を助長し、低温靭性も劣化させるので上限を2.5%とした。
【0034】
Nbは制御圧延時にνの再結晶を抑制して結晶粒を微細化するだけでなく、析出硬化や焼入性の増大にも寄与し、鋼を強靭化する作用を有し、本発明において必須の元素である。この効果を得るためには最低0.01%のNbが必要である。しかしながら、Nb量が多すぎるとHAZ靭性が劣化するので、その上限の値を0.05%に限定した。
【0035】
Tiは微細なTiNを形成し、スラブ再加熱時及びHAZのν粒の粗大化を抑制して、ミクロ組織を微細化して、母材及びHAZの低温靭性を改善し、本発明において必須の元素である。この効果を発揮させるためには、0.005%以上の添加が必要である。また、多すぎるとTiNの粗大化やTiCによる析出硬化が生じ、低温靭性を劣化させるので、その上限の値を0.03%に限定した。
【0036】
Alは脱酸のために添加する元素であるが、多く添加するとアルミナ系非金属介在物が増加して、鋼の清浄度を劣化させるので、上限を0.05%とした。
【0037】
NはTiNを形成し、スラブ再加熱時及びHAZのν粒の粗大化を抑制して母材、HAZの低温靭性を向上させる。このために必要な最小量は0.001%である。しかし、N量が多すぎるとスラブ表面疵や固溶NによるHAZ靭性の劣化の原因となるので、その上限の値は0.006%に抑える必要がある。
【0038】
本発明において、不可避的不純物であるP、S量を0.015%以下、0.005%以下とする。この主たる理由は母材及びHAZの低温靭性をより一層向上させるためである。P量の低減は連続鋳造スラブの中心偏析を低減させて、粒界破壊を防止し低温靭性を向上させる。また、S量の低減は制御圧延で延伸化したMnSを低減して延性、靭性を向上させる効果がある。
【0039】
つぎにNi、Cu、Cr、Mo、V、Ca、Mgの一種又は二種以上を添加する理由について説明する。基本成分はさらにこれらの元素を添加する主たる目的は本発明鋼の特徴を損なうことなく、強度・低温靭性などの特性の向上をはかるためである。したがってその添加量は自ら制限されるべき性質のものである。
【0040】
Niは溶接性、HAZ靭性に悪影響を及ぼすことなく母材の強度、低温靭性を向上させるが、0.1%以下では効果が薄く、1.0%以上の添加は溶接性に好ましくないためにその上限の値を1.0%とした。
【0041】
CuはNiとほぼ同様の効果を有すると共に耐食性、耐水素誘起割れ性などにも効果があり、0.1%以上の添加が必要である。しかし、過剰に添加すると析出硬化により母材、HAZ靭性劣化や熱間圧延時にCu−クラックが発生するために、その上限の値を1.2%とした。
【0042】
Crは母材、溶接部の強度を増加させる効果があり、0.1%以上の添加が必要である。しかし、多すぎると現地溶接性やHAZ靭性を著しく劣化させる。このためCr量の上限は1.0%とした。
【0043】
Moは母材及び溶接部の強度を上昇させる元素であるが、1.0%を超えるとCrと同様に母材、HAZ靭性及び溶接性を劣化させる。また、0.1%以下の添加ではその効果が薄い。
【0044】
Vは、ほぼNbと同様の効果を有するが、その効果はNbに比較して格段に弱い。その効果を発揮させるためには0.01%以上の添加が必要である。また、上限は現地溶接性、HAZ靭性の点から0.1%まで許容できる。
【0045】
Caは硫化物(MnS)の携帯を制御し、低温靭性を向上(シャルピー試験における吸収エネルギーの増加など)させるほか、耐サワー性の向上にも著しい効果を発揮する。0.001%以下ではその効果が薄く、また0.005%を超えて添加するとCaO−CaSが大量に生成してクラスター、大型介在物となり、鋼の清浄度を害するだけでなく、現地溶接性にも悪影響を及ぼす。このためCa添加量を0.001〜0.005%に制限した。
【0046】
MgはAlとMgの微細な酸化物を形成し、この酸化物を生成核として微細なTiNが生成する。このTiNは1400℃以上の高温においても化学的に安定であるので、ν粒の粗大化抑制効果を発揮し、HAZ靭性を向上させる。0.003%以下ではその効果が薄い。また、Mgの添加量が多すぎるとHAZ靭性を劣化させるので、その上限を0.002%に限定した。
【0047】
Bは極微量で鋼の焼入性を飛躍的に高め、良好な強度と靭性が得られる。この効果を発揮させるためには0.0003%以上の添加が必要である。また、多すぎるとHAZ靭性を劣化させるので、その上限の値を0.002%に限定した。
【0048】
つぎに溶接金属の成分限定理由について説明する。
【0049】
溶接金属の高温割れを防止するためには、C量は0.035%以上必要である。0.035%未満では溶接後、凝固する過程でδ凝固が起こり、高温割れが発生するためである。しかしながら、C量が0.08%を超えると、溶接金属の低温靭性が劣化するために、その上限の値を0.08%とした。
【0050】
Siは脱酸や強度向上のため添加する元素であるが、多く添加すると低温靭性や現地溶接性を劣化させるので、上限を0.6%とした。
【0051】
Mnは強度、低温靭性を確保する上で不可欠な元素であり、その下限は1.5%である。しかし、Mnが多すぎると鋼の焼入性が増加して低温靭性や現地溶接性を劣化させるので、上限を2.2%とした。
【0052】
Niを添加する目的は、低温靭性や現地溶接性を劣化させることなく、強度を上昇させるためである。しかし、添加量が多すぎると経済性だけでなく、低温靭性などを劣化させるので、その上限を2.5%、下限を1.0%とした。
【0053】
Crは強度を増加させるが、多すぎると低温靭性や現地溶接性を著しく劣化させる。このため、Cr量の上限を1.5%、下限を0.3%とした。
【0054】
Moを添加する理由は、鋼の焼入性を向上させるためである。この効果を得るためには、Moは最低0.3%必要であるが、好ましくは0.5%である。しかし、過剰なMo添加は低温靭性、現地溶接性を劣化させるので、その上限を1.5%とした。
【0055】
Nbは鋼を強靭化する作用を有し、0.01%以上必要である。しかし、Nbを0.1%以上添加すると現地溶接性や低温靭性に悪影響をもたらすので、その上限を0.1%とした。
【0056】
Ti添加は微細なTiNを形成し、低温靭性を改善する。このようなTiNの効果を発現させるためには、最低0.005%のTi添加が必要である。しかし、Ti量が多すぎるとTiNの粗大化やTiCによる析出硬化が生じ、低温靭性が劣化するので、その上限は0.03%に限定しなければならない。
【0057】
Bは極微量で鋼の焼入性を飛躍的に高める元素である。このような効果を得るためには、Bは最低でも0.0003%必要である。一方、過剰に添加すると、低温靭性を劣化させるだけでなく、かえってBの焼入性向上効果を消失せしめることもあるので、その上限を0.002%とした。
【0058】
Alは、通常脱酸元素として効果を有する。しかし、Al量が0.05%を超えるとAl系非金属介在物が増加して鋼の清浄度を害するので、上限を0.05%とした。
【0059】
NはTiNを形成して低温靭性を向上させる。このために必要な最小量は0.001%である。しかし、多すぎると低温靭性を劣化させるので、その上限は0.01%に抑える必要がある。
【0060】
Oは溶接金属中において酸化物を形成し、粒内変態フェライトの核として作用し、組織の微細化に効果がある。しかし、多すぎると溶接金属の低温靭性が劣化すると共に、スラグ巻きこみなどの溶接欠陥を起こす。このため、O量の下限を0.015%、上限を0.045%とした。
【0061】
さらに本発明では、不純物元素であるP、S量をそれぞれ0.015%以下、0.005%以下とする。この主たる理由は低温靭性をより一層向上させるためである。P量の低減は粒界破壊を防止し、低温靭性を向上させる。また、S量の低減はMnSを低減して、延靭性を向上させる効果がある。
【0062】
つぎにCu、V、Caの一種又は二種以上を添加する理由について説明する。
【0063】
基本となる成分にさらに、必要に応じてこれらの元素を添加する主たる目的は本発明鋼の優れた特徴を損なうことなく、溶接金属の強度・低温靭性などの特性の向上をはかるためである。したがって、その添加量は自ら制限されるべき性質のものである。
【0064】
CuはNiと同様に低温靭性や現地溶接性を劣化させることなく、強度を上昇させる。しかし、過剰に添加すると低温靭性が劣化するので、その上限を1.0%とした。Cuの下限0.1%は添加による材質上の効果が顕著になる最小値である。
【0065】
Vは、ほぼNbと同様の効果を有するが、その効果はNbに比較して弱い。Vは歪誘起析出し、強度を上昇させる。下限は0.01%、その上限は現地溶接性、低温靭性の観点から0.1%まで許容できる。
【0066】
Caは硫化物(MnS)の形態を制御し、低温靭性を向上(シャルピー試験における吸収エネルギーの増加など)させる。しかし、Ca量が0.001%以下では実用上効果がなく、また0.005%を超えて添加するとCaO−CaSが大量に発生して、溶接欠陥を発生させる。このためCa添加量を0.001〜0.005%に限定した。
【0067】
さらに、溶接金属においてもX100以上の強度を満足させるためには、合金元素添加量の適正化が必要である。すなわちPw=C+0.11Si+0.03Mn+0.02Ni+0.04Cr+0.07Mo+1.46Nbで定義されるPw値を0.2〜0.35の範囲に制限しなければならない。Pw値が0.2未満ではX100以上の溶接部強度が確保できない。また、Pw値が0.35を超えるとM*の生成が顕著となり、靭性が劣化すると共に、低温割れが発生する。このためPw値の範囲を0.2〜0.35に限定した。
【0068】
つぎに高い変形能を得るための限定理由について以下に述べる。
【0069】
まず、永久凍土に敷設されるパイプラインにおいては、凍土の融解、凍結により3%程度の歪がパイプラインに負荷される場合、母材部及び溶接金属部の管軸方向の引張試験における一様伸びが3%以上であれば、3%の歪を負荷しても延性亀裂の枝分かれが起こらず、延性亀裂の発生が防止できるため、母材部及び溶接金属部の一様伸びを3%以上に限定した。
【0070】
母材の一様伸びを増加させるためには20μm以下のフェライトを5〜50%含有することが必要である。20μmを超えると母材の靭性が著しく低下するためである。フェライト分率が5%未満の場合、一様伸びの向上効果が得られないためである。また、50%を超えると十分な強度が得られないため、フェライト分率の含有量を5〜50%に限定した。
【0071】
溶接金属の一様伸びを増加させるためには島状マルテンサイトを1〜15%、好ましくは2〜15%含有させることが必要である。島状マルテンサイトを含有することにより引張試験におけるS−S曲線がラウンド型となり、一様伸びが向上する。島状マルテンサイトが1%未満では一様伸びの向上効果が得られず、15%を超えると溶接金属部の低温靭性が劣化するので、その範囲を1〜15%に限定した。
【0072】
母材円周方向の引張試験における降伏強度が689MPa以上(X100以上)の場合、母材管軸方向の引張試験における降伏強度は円周方向の引張試験における降伏強度の0.9倍以上必要である。母材部にフェライトを導入して一様伸びを向上させる場合、降伏強度の低下が認められる。円周方向の強度は内圧により決定されるが、管軸方向の降伏強度は円周方向の降伏強度の0.9倍以上であれば、実用上問題ない。このため、母材管軸方向の引張試験における降伏強度は円周方向の引張試験における降伏強度の0.9倍以上に限定した。
【0073】
鋼管に使用する鋼板の製造法として、鋳片を950〜1200℃に加熱した後、950℃以下での圧下率を50%以上とし、700〜850℃の温度範囲で圧延を終了した後、550〜700℃の温度範囲から2℃/秒以上の冷却速度で450℃以下の任意の温度まで冷却する必要がある。
【0074】
まず、再加熱温度を950〜1200℃の範囲に限定する。再加熱温度はNb析出物を固溶させ、圧延中の組織を微細化し、優れた低温靭性を得るために950℃以上としなければならない。しかし、再加熱温度が1200℃を超えると、ν粒が著しく粗大化し、圧延によっても完全に微細化できないため、優れた低温靭性が得られない。このため再加熱温度の上限を1200℃とした。
【0075】
さらに950℃以下の累積圧下率を50%以上、圧延終了温度を700〜850℃としなければならない。これは、再結晶域圧延で微細化したν粒を低温圧延によって延伸化し、結晶粒の徹底的な微細化をはかって低温靭性を改善するためである。累積圧下率が50%未満ではν組織の延伸化が不十分で、微細な結晶粒が得られない。また、圧延終了温度が850℃以上では、例えば累積圧下率が50%以上でも微細な結晶粒は達成できない。また、圧延温度が低すぎると過度のν/α2相域圧延となり、低温靭性が劣化するので、圧延終了温度の下限を700℃とした。
【0076】
圧延後、鋼板を加速冷却することが必須である。加速冷却は、低温靭性を損なわずに強度の増加及びミクロ組織の制御に基づく一様伸びの向上を可能にする。加速冷却の条件としては、圧延後550〜700℃の温度範囲から冷却速度2℃/秒以上で450℃以下の任意の温度まで冷却し、その後空冷しなければならない。冷却を開始する温度が700℃を超えると、一様伸びが低下する。また、冷却を開始する温度が550℃以下の場合、十分な強度が得られない。したがって、冷却を開始する温度範囲を550〜700℃に限定した。また、冷却速度が小さすぎたり、冷却停止温度が高すぎると加速冷却の効果が十分に得られず、十分な強度を得ることができない。
【0077】
本発明は厚板ミルに適用することが最も好ましいが、ホットコイルにも適用できる(この場合、圧延冷却後の鋼板は巻き取られ、冷却される)。また、この方法で製造した鋼板は低温靭性に優れているので、寒冷地におけるパイプラインのほか圧力容器などにも適用できる。
【0078】
【実施例】
本発明の実施例について述べる。転炉−連続鋳造法で種々の鋼成分の鋼片から製造された鋼板を用いて、鋼管を製造し、諸性質を調査した。鋼管溶接部の特性は内外面の1層のSAW(サブマージドアーク溶接)を実施した後、鋼板1/2t部より採取したシャルピー試験片を用いて評価した。ノッチ位置は溶接金属中央及びHAZ(内面溶接と外面溶接の溶接金属が交わる点から1mm)とした。また、引張試験は直径12.7mm、ゲージレングス50.8mmの丸棒引張試験片を使用した。試験の条件、結果を表1〜7に示す。表1〜4は、鋼管母材と溶接金属の化学成分を示し、表5、6に鋼板製造条件、組織及び鋼管母材の機械的性質を示し、そして、表7に鋼管溶接部の機械的性質を示した。表から明らかなように、本発明の鋼管は優れた強度(YS、TS)、一様伸び(uEl)、低温靭性、溶接部靭性を有する。これに対して比較鋼は化学成分が適切でなく、いずれかの特性が劣る。
【0079】
鋼13は母材のC量が多すぎるため、HAZ靭性が劣る。鋼14は母材のAl量が多すぎるため、HAZ靭性が劣る。鋼15は母材のPb値が低すぎるため、目標の強度を満足しない。鋼16は母材のPb値が高すぎるため、HAZ靭性が劣る。鋼17は母材のQb値が低すぎるため、目標の強度を満足しない。鋼18は母材のQb値が高すぎるため、HAZ靭性が劣る。鋼19は溶接金属のC量が少ないため、溶接金属の高温割れが発生する。鋼20は溶接金属のC量が多すぎるため、溶接金属の低温靭性が劣る。鋼21は溶接金属のPw値が低すぎるため、溶接部の強度が低い。鋼22は溶接金属のPw値が高すぎるため、溶接金属の靭性が劣る。鋼23は20μm以下のフェライト分率が5%未満であるために十分な一様伸びが得られない。鋼24は20μm以下のフェライト分率が50%を超えるために十分な強度が得られない。鋼25は溶接金属の島状マルテンサイト分率が1%未満であるために十分な一様伸びが得られない。鋼26は溶接金属の島状マルテンサイト分率が15%を超えるために溶接金属の靭性が劣化する。鋼27は母材部管軸方向の引張試験における降伏強度が円周方向の引張試験における降伏強度の0.9倍以下であるためにパイプライン敷設時に座屈が発生した。鋼28はスラブ再加熱温度が950℃以下であるために十分な強度と低温靭性が得られない。鋼29はスラブ再加熱温度が1200℃を超えるために優れた低温靭性が得られない。鋼30は950℃以下の圧下量が50%未満であるために良好な低温靭性が得られない。鋼31は圧延終了温度が850℃を超えるために良好な低温靭性が得られない。鋼32は圧延終了温度が700℃未満であるために良好な低温靭性が得られない。鋼33は冷却開始温度が700℃を超えるために良好な一様伸びが得られない。鋼34は冷却開始温度が550℃未満であるために十分な強度が得られない。鋼35は冷却停止温度が450℃を超えるために十分な強度が得られない。鋼36は冷却速度が小さいために十分な強度が得られない。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】
【表4】
【0084】
【表5】
【0085】
【表6】
【0086】
【表7】
【0087】
【発明の効果】
本発明によるHAZ靭性に優れ、高い変形能を有する高強度鋼管(API規格X100以上)をパイプラインに採用することにより、パイプラインの安全性が著しく向上すると共に、輸送効率が飛躍的に改善された。
Claims (8)
- 質量%で、
C:0.03%以下、
Si:0.6%以下、
Mn:0.8〜2.5%、
P:0.015%以下、
S:0.005%以下、
Nb:0.01〜0.05%、
Ti:0.005〜0.03%、
Al:0.05%以下、
N:0.001〜0.006%
に残部が鉄及び不可避的不純物からなり、かつ
Pb=2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.45(Ni+Cu)+Mo+V
で定義されるPb値が2.5〜4.0の範囲にある母材と、
C:0.035〜0.08%、
Si:0.6%以下、
Mn:1.5〜2.2%、
P:0.015%以下、
S:0.005%以下、
Ni:1.0〜2.5%、
Cr:0.3〜1.5%、
Mo:0.3〜1.5%、
Nb:0.01〜0.1%、
Ti:0.005〜0.03%、
B:0.0003〜0.002%、
Al:0.05%以下、
N:0.001〜0.01%、
O:0.015〜0.045%
を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、かつ
Pw=C+0.11Si+0.03Mn+0.02Ni+0.04Cr+0.07Mo+1.46Nb
で定義されるPw値が0.2〜0.35の範囲にある溶接金属部を有し、
母材部の金属組織が粒径20μm以下のフェライトを5〜50%含有し、
さらに溶接金属部に島状マルテンサイトを 1 〜15%含有し、
母材部円周方向の引張試験における降伏強度が689MPa以上、かつ母材部管軸方向の引張試験における降伏強度が円周方向の引張試験における降伏強度の0.9倍以上であり、
母材部及び溶接金属部の管軸方向の引張試験における一様伸びが3%以上であることを特徴とする溶接熱影響部靱性および変形能に優れた鋼管。 - 質量%で、
C:0.03%以下、
Si:0.6%以下、
Mn:0.8〜2.5%、
P:0.015%以下、
S:0.005%以下、
Nb:0.01〜0.05%、
Ti:0.005〜0.03%、
Al:0.05%以下、
N:0.001〜0.006%
を含有し、さらに
Ni:0.1〜1.0%、
Cu:0.1〜1.2%、
Cr:0.1〜1.0%、
Mo:0.1〜1.0%、
V:0.01〜0.1%、
Ca:0.001〜0.005%、
Mg:0.0003〜0.002%
の1種または2種以上を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、かつ
Pb=2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.45(Ni+Cu)+Mo+V
で定義されるPb値が2.5〜4.0の範囲にある母材と、
C:0.035〜0.08%、
Si:0.6%以下、
Mn:1.5〜2.2%、
P:0.015%以下、
S:0.005%以下、
Ni:1.0〜2.5%、
Cr:0.3〜1.5%、
Mo:0.3〜1.5%、
Nb:0.01〜0.1%、
Ti:0.005〜0.03%、
B:0.0003〜0.002%、
Al:0.05%以下、
N:0.001〜0.01%、
O:0.015〜0.045%
を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、かつ
Pw=C+0.11Si+0.03Mn+0.02Ni+0.04Cr+0.07Mo+1.46Nb
で定義されるPw値が0.2〜0.35の範囲にある溶接金属部を有し、
母材部の金属組織が粒径20μm以下のフェライトを5〜50%含有し、
さらに溶接金属部に島状マルテンサイトを 1 〜15%含有し、
母材部円周方向の引張試験における降伏強度が689MPa以上、かつ母材部管軸方向の引張試験における降伏強度が円周方向の引張試験における降伏強度の0.9倍以上であり、
母材部及び溶接金属部の管軸方向の引張試験における一様伸びが3%以上であることを特徴とする溶接熱影響部靱性および変形能に優れた鋼管。 - 質量%で、
C:0.03%以下、
Si:0.6%以下、
Mn:0.8〜2.5%、
P:0.015%以下、
S:0.005%以下、
Nb:0.01〜0.05%、
Ti:0.005〜0.03%、
B:0.0003〜0.002%、
Al:0.05%以下、
N:0.001〜0.006%
に残部が鉄および不可避的不純物からなり、かつ
Qb=2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.45(Ni+Cu)+2Mo
で定義されるQb値が2.0〜3.5の範囲にある母材と、
C:0.035〜0.08%、
Si:0.6%以下、
Mn:1.5〜2.2%、
P:0.015%以下、
S:0.005%以下、
Ni:1.0〜2.5%、
Cr:0.3〜1.5%、
Mo:0.3〜1.5%、
Nb:0.01〜0.1%、
Ti:0.005〜0.03%、
B:0.0003〜0.002%、
Al:0.05%以下、
N:0.001〜0.01%、
O:0.015〜0.045%
を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、かつ
Pw=C+0.11Si+0.03Mn+0.02Ni+0.04Cr+0.07Mo+1.46Nb
で定義されるPw値が0.2〜0.35の範囲にある溶接金属部を有し、
母材部の金属組織が粒径20μm以下のフェライトを5〜50%含有し、
さらに溶接金属部に島状マルテンサイトを 1 〜15%含有し、
母材部円周方向の引張試験における降伏強度が689MPa以上、かつ母材部管軸方向の引張試験における降伏強度が円周方向の引張試験における降伏強度の0.9倍以上であり、
母材部および溶接金属部の管軸方向の引張試験における一様伸びが3%以上であることを特徴とする溶接熱影響部靱性および変形能に優れた鋼管。 - 質量%で、
C:0.03%以下、
Si:0.6%以下、
Mn:0.8〜2.5%、
P:0.015%以下、
S:0.005%以下、
Nb:0.01〜0.05%、
Ti:0.005〜0.03%、
B:0.0003〜0.002%、
Al:0.05%以下、
N:0.001〜0.006%
を含有し、さらに
Ni:0.1〜1.0%、
Cu:0.1〜1.2%、
Cr:0.1〜1.0%、
Mo:0.1〜1.0%、
V:0.01〜0.1%、
Ca:0.001〜0.005%、
Mg:0.0003〜0.002%
の1種または2種以上を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、かつ
Qb=2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.45(Ni+Cu)+2Mo
で定義されるQb値が2.0〜3.5の範囲にある母材と、
C:0.035〜0.08%、
Si:0.6%以下、
Mn:1.5〜2.2%、
P:0.015%以下、
S:0.005%以下、
Ni:1.0〜2.5%、
Cr:0.3〜1.5%、
Mo:0.3〜1.5%、
Nb:0.01〜0.1%、
Ti:0.005〜0.03%、
B:0.0003〜0.002%、
Al:0.05%以下、
N:0.001〜0.01%、
O:0.015〜0.045%
を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、かつ
Pw=C+0.11Si+0.03Mn+0.02Ni+0.04Cr+0.07Mo+1.46Nb
で定義されるPw値が0.2〜0.35の範囲にある溶接金属部を有し、
母材部の金属組織が粒径20μm以下のフェライトを5〜50%含有し、
さらに溶接金属部に島状マルテンサイトを 1 〜15%含有し、
母材部円周方向の引張試験における降伏強度が689MPa以上、かつ母材部管軸方向の引張試験における降伏強度が円周方向の引張試験における降伏強度の0.9倍以上であり、
母材部および溶接金属部の管軸方向の引張試験における一様伸びが3%以上であることを特徴とする溶接熱影響部靱性および変形能に優れた鋼管。 - 前記溶接金属が、さらに質量%で、
Cu:0.1〜1.0%、
V:0.01〜0.1%、
Ca:0.001〜0.005%
のうち1種または2種以上を含有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の溶接熱影響部靭性および変形能に優れた鋼管。 - 質量%で、
C:0.03%以下、
Si:0.6%以下、
Mn:0.8〜2.5%、
P:0.015%以下、
S:0.005%以下、
Nb:0.01〜0.05%、
Ti:0.005〜0.03%、
Al:0.05%以下、
N:0.001〜0.006%
に残部が鉄および不可避的不純物からなり、かつ
Pb=2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.45(Ni+Cu)+Mo+V
で定義されるPb値が2.5〜4.0の範囲にある鋳片を950〜1200℃に加熱した後、950℃以下での圧下量を50%以上とし、700〜850℃の温度範囲で圧延を終了した後、550〜700℃の温度範囲から2℃/秒以上の冷却速度で450℃以下の任意の温度まで冷却し、その後空冷することを特徴とする溶接熱影響部靱性および変形能に優れた鋼管用鋼板の製造法。 - 質量%で、
C:0.03%以下、
Si:0.6%以下、
Mn:0.8〜2.5%、
P:0.015%以下、
S:0.005%以下、
Nb:0.01〜0.05%、
Ti:0.005〜0.03%、
B:0.0003〜0.002%、
Al:0.05%以下、
N:0.001〜0.006%
に残部が鉄および不可避的不純物からなり、かつ
Qb=2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.45(Ni+Cu)+2Moで定義されるQb値が2.0〜3.5の範囲にある鋳片を950〜1200℃に加熱した後、950℃以下での圧下量を50%以上とし、700〜850℃の温度範囲で圧延を終了した後、550〜700℃の温度範囲から2℃/秒以上の冷却速度で450℃以下の任意の温度まで冷却し、その後空冷することを特徴とする溶接熱影響部靱性および変形能に優れた鋼管用鋼板の製造法。 - 鋳片がさらに質量%で、
Ni:0.1〜1.0%、
Cu:0.1〜1.2%、
Cr:0.1〜1.0%、
Mo:0.1〜1.0%、
V:0.01〜0.1%、
Ca:0.0005〜0.005%、
Mg:0.0003〜0.002%
の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の溶接熱影響部靱性および変形能に優れた鋼管用鋼板の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002096552A JP3785376B2 (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 溶接熱影響部靭性及び変形能に優れた鋼管及び鋼管用鋼板の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002096552A JP3785376B2 (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 溶接熱影響部靭性及び変形能に優れた鋼管及び鋼管用鋼板の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003293078A JP2003293078A (ja) | 2003-10-15 |
JP3785376B2 true JP3785376B2 (ja) | 2006-06-14 |
Family
ID=29239550
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002096552A Expired - Fee Related JP3785376B2 (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 溶接熱影響部靭性及び変形能に優れた鋼管及び鋼管用鋼板の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3785376B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20060114364A (ko) * | 2003-12-19 | 2006-11-06 | 신닛뽄세이테쯔 카부시키카이샤 | 초고강도 라인파이프용 강판 및 우수한 저온 인성을 갖는초고강도 라인파이프, 및 그 제조 방법 |
CN1977059A (zh) * | 2004-05-11 | 2007-06-06 | 住友金属工业株式会社 | 超高强度uoe钢管及其制造方法 |
KR100917914B1 (ko) | 2005-04-04 | 2009-09-16 | 신닛뽄세이테쯔 카부시키카이샤 | 연성 파괴 특성이 우수한 고강도 강판 및 고강도 용접 강관및 그들의 제조 방법 |
JP4964480B2 (ja) * | 2006-03-13 | 2012-06-27 | 新日本製鐵株式会社 | 溶接部の靱性に優れた高強度鋼管及びその製造方法 |
US8110292B2 (en) | 2008-04-07 | 2012-02-07 | Nippon Steel Corporation | High strength steel plate, steel pipe with excellent low temperature toughness, and method of production of same |
JP4853575B2 (ja) | 2009-02-06 | 2012-01-11 | Jfeスチール株式会社 | 耐座屈性能及び溶接熱影響部靭性に優れた低温用高強度鋼管およびその製造方法 |
KR101603461B1 (ko) | 2011-12-28 | 2016-03-14 | 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 | 변형 성능과 저온 인성이 우수한 고강도 강관, 고강도 강판 및 상기 강판의 제조 방법 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3499084B2 (ja) * | 1996-06-28 | 2004-02-23 | 新日本製鐵株式会社 | 脆性き裂伝播停止特性に優れた建築用低降伏比高張力鋼材及びその製造方法 |
JP3470632B2 (ja) * | 1998-03-30 | 2003-11-25 | Jfeスチール株式会社 | 耐座屈特性に優れたラインパイプ用鋼管及びその製造方法 |
JP3854412B2 (ja) * | 1998-10-02 | 2006-12-06 | 新日本製鐵株式会社 | 溶接熱影響部靱性に優れた耐サワー鋼板およびその製造法 |
JP3764593B2 (ja) * | 1998-10-02 | 2006-04-12 | 新日本製鐵株式会社 | 溶接熱影響部靱性の優れた高強度鋼管 |
JP4071906B2 (ja) * | 1999-11-24 | 2008-04-02 | 新日本製鐵株式会社 | 低温靱性の優れた高張力ラインパイプ用鋼管の製造方法 |
JP3775279B2 (ja) * | 2000-12-15 | 2006-05-17 | Jfeスチール株式会社 | 塑性変形後の脆性き裂伝播停止特性ならびに疲労き裂伝播特性に優れた構造用鋼材およびその製造方法 |
-
2002
- 2002-03-29 JP JP2002096552A patent/JP3785376B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003293078A (ja) | 2003-10-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3898814B2 (ja) | 低温靱性に優れた高強度鋼用の連続鋳造鋳片およびその製造法、および低温靱性に優れた高強度鋼 | |
JP4585483B2 (ja) | 溶接部靭性と変形能に優れた高強度鋼管および高強度鋼板の製造方法 | |
JP3812108B2 (ja) | 中心部特性に優れる高張力鋼およびその製造方法 | |
JP4116817B2 (ja) | 低温靭性と変形能に優れた高強度鋼管および鋼管用鋼板の製造法 | |
JP3785376B2 (ja) | 溶接熱影響部靭性及び変形能に優れた鋼管及び鋼管用鋼板の製造法 | |
JP4116857B2 (ja) | 溶接部靭性および変形能に優れた高強度鋼管 | |
JP4477707B2 (ja) | 低温靱性に優れた超高強度鋼管およびその製造方法 | |
JP2003306749A (ja) | 変形能に優れた高強度鋼管及び鋼管用鋼板の製造法 | |
JP6237681B2 (ja) | 溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高張力鋼板 | |
JP3466450B2 (ja) | 高強度高靭性ベンド管およびその製造法 | |
JP3526722B2 (ja) | 低温靭性に優れた超高強度鋼管 | |
JP3745722B2 (ja) | 変形能及び溶接部靭性に優れた高強度鋼管及び高強度鋼板の製造法 | |
JP4964480B2 (ja) | 溶接部の靱性に優れた高強度鋼管及びその製造方法 | |
JPH09296253A (ja) | 低温靱性の優れた極厚高強度鋼管 | |
JP4102103B2 (ja) | 高強度ベンド管の製造法 | |
JP3526723B2 (ja) | 耐低温割れ性に優れた超高強度鋼管 | |
JP2001207242A (ja) | 円周方向溶接部の低温靱性に優れた厚肉耐サワー鋼管およびパイプライン | |
JP3764593B2 (ja) | 溶接熱影響部靱性の優れた高強度鋼管 | |
JP4523908B2 (ja) | 低温靱性に優れた引張強さ900MPa級以上の高強度ラインパイプ用鋼板およびそれを用いたラインパイプならびにそれらの製造方法 | |
JP4369555B2 (ja) | 溶接部靱性に優れた高強度鋼管およびパイプライン | |
JP3850913B2 (ja) | 優れた溶接金属部靱性を有する高強度ベンド管の製造法 | |
JPH08311548A (ja) | 溶接部靭性の優れた超高強度鋼管用鋼板の製造方法 | |
JP3836919B2 (ja) | 低温靭性の優れた極厚高強度ベンド管の製造法 | |
JP3854412B2 (ja) | 溶接熱影響部靱性に優れた耐サワー鋼板およびその製造法 | |
JP4259374B2 (ja) | 低温靭性および溶接熱影響部靭性に優れた高強度鋼板およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040902 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051107 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051206 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060203 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060314 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060317 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 3785376 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090324 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100324 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110324 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120324 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130324 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130324 Year of fee payment: 7 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130324 Year of fee payment: 7 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130324 Year of fee payment: 7 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130324 Year of fee payment: 7 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140324 Year of fee payment: 8 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |