JP3784310B2 - 転写装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルスチルカメラ(DSC)、ビデオカメラまたはパソコン(パーソナルコンピュータ)等によりデジタル記録された画像を液晶表示デバイスで構成される透過型の画像表示装置に表示し、表示された画像を用いて、光により発色するインスタント写真フィルム等の感光性記録媒体に転写(画像形成)する転写装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、デジタル記録された画像を記録媒体に転写もしくは印写、または記録する方法として、点状印字ヘッドを有するインクジェット方式、レーザ記録方式または感熱記録方式等の種々の方式が知られている。
上記インクジェット方式等の印字方式は、印字に時間がかかり、インクが詰まり易く、精密な印字を行うと印字した紙がインクにより湿ってしまうなどの問題点がある。また、レーザ記録方式はレンズなどの高価な光学部品が必要であるため、機器のコストが嵩むという問題点がある。また、レーザ記録方式または感熱記録方式は消費電力が大きく、携帯には不向きであるという問題点がある。
このように、上記記録方式による転写装置においては、一般的なことであるが、特に、インクジェット方式では精密な印字にすればするほど、駆動機構および制御機構が複雑になり、装置も大型かつ高価なものになる。さらに、印刷にも時間がかかってしまうという問題点があった。
【0003】
これに対して、特開平10−309829号公報(以下、従来技術1という)および特開平11−242298号公報(以下、従来技術2という)等には、液晶表示装置を用いて表示画像をインスタントフィルム等の感光性記録媒体に形成することにより、装置構造を簡略化し、コストを低減した転写装置が開示されている。
まず、従来技術1に開示された電子プリンタは液晶ディスプレイの表示画面を光感応性媒体にコピーして写真品質のハードコピーを生成することができる。
【0004】
図18(a)は従来技術2の印写装置を示す側面図、(b)は図18(a)のD部拡大図である。一方、従来技術2に開示された印写装置は、レンズなどの高価な光学部品を用いたり、適当な長さの焦点距離を確保することを不要として、従来の転写装置に比べ、より一層の小型軽量化、低消費電力化および低コスト化を可能にするというものである。図18(a)に示すように、透過型の液晶ディスプレイ(以下、LCDという)300の表示面に感光フィルム400を密着させ、LCD300の感光フィルム400のある側とは反対側に設けた光源(バックライト100)を点灯する。すなわち、蛍光灯101を点灯してバックライト100を点灯することにより、このLCD300に表示される画像を感光フィルム400に印写するものである。図18(b)に示すように、LCD300においては、表示面側の偏光板301、ガラス基板302、液晶層303、ガラス基板304およびバックライト100側の偏光板305までの合計厚さが2.8mmである。
【0005】
図19は従来技術2の他の実施形態の印写装置を示す斜視図である。従来技術2の他の実施形態においては、図19に示すように、バックライト100とLCD300との間に格子200を設けることにより、バックライト100からの光の拡散を抑制するようにしている。すなわち、バックライト100からの光を平行光に近づけている。さらに、格子200とLCD300との間に矩形状の中空の筒からなるスペーサ201を設けることにより、格子200の枠組の形の像(枠組による影)が感光フィルム400に写り込むのを防止して、光学部品を設けたり、適当な長さの焦点距離を確保したりすることなしに、感光フィルム400上に形成される画像の鮮明度を実用上問題のない程度まで向上させたものが開示されている。
【0006】
また、従来技術2には、図18(b)に示すように、LCD300の合計厚さが2.8mmであり、ドットサイズが0.5mmで表示されたLCD300の画面を感光フィルム400に印写する印写装置の例が示されている。LCD300から発した光の拡散を防ぐために、厚さが10mmで、貫通孔の大きさが5mm角である格子200を配し、この格子200とLCD300との間に長さが20mmのスペーサ201を配置し、さらにLCD300と感光フィルム400とを密着させて、画像のボケ(不鮮明化)を防止して、印写することが示されている。
【0007】
この場合には、元々のドットサイズが0.5mmで表示された画像が、感光フィルム400表面において最大で0.67mmに拡大転写されるが、これは片側について見れば、約0.09mm拡大されたことにはなるものの、充分実用に耐える画像であるとしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術1に開示された転写装置は、液晶ディスプレイの表示画面を光感応性媒体にコピーするために、液晶ディスプレイの表示画面と光感応性媒体との間に、ロッドレンズアレイなどの光学部品を用いるものであり、光学部材が高価であるという問題点がある。また、液晶ディスプレイと光感応性媒体との間に所定の間隔(総共役長)が必要である。従来技術1においては、例えば、総共役長が15.1mm必要である。
【0009】
また、従来技術2に開示された印写装置は、LCD300と感光フィルム400とを密着させて印写することにより、画像のボケ(不鮮明化)を防止して、実用に耐える画像を得ているが、LCD300の表示画像の感光フィルム400への密着露光には、以下のような問題点がある。
【0010】
まず、第1に、図18(a)に示すように、LCD300の最外表面には、フィルム状の偏光板301が配置されており、露光時に感光フィルム400をこの偏光板301に密着させると、その後の処理を行うために感光フィルム400を移動させる場合に、感光フィルム400と偏光板301とが擦れて、フィルム状の偏光板301に傷がつき、偏光板301に生じた傷が感光フィルム400に転写される。また、この傷で光が散乱されて画質を悪化させるという問題点がある。
【0011】
これに対し、露光時には両者を密着させておき、感光フィルム400の移動時には感光フィルム400と偏光板301とをわずかに離間させることも考えられる。しかし、このためには感光フィルム400の移動機構の他に、感光フィルム400の密着・離間を行うための新たな機構が必要になり、コストダウンおよび小型化に逆行するという問題点がある。
【0012】
また、一般に、感光フィルム、例えば、最も利用しやすいインスタントフィルムは、印写装置に装填されるまで遮光ケースに収納されており、この遮光ケースにはフィルムの画像サイズより幾分大きな開口枠が設けられている。このため、感光フィルムと偏光板とを密着させるためには、以下のような手順が必要になる。
【0013】
露光前に、まず、遮光ケースから感光フィルムを1枚単独で取り出して、これをLCD表面の偏光板面に密着させる。この状態で露光を行い、露光終了後、感光フィルムを偏光板面から離間させ、処理のための移動(この際、インスタントフィルムの場合は、フィルムシート内にセットされている処理液チューブを押し破る)させる。
【0014】
このような手順を、感光フィルム1枚毎に繰り返すことが必要であり、特に、密着している感光フィルムを偏光板面から離間させることは、自動化(または機械化)にはなじまないという問題点もある。
【0015】
ところで、近年、LCDの精細画面化が進んできており、より画素数が多い、すなわち、より一層ドットサイズが小さいLCDが製品化されつつある。例えば、低温ポリシリコン型TFTのLCDでは、UXGA(10.4インチ、1200×1600画素)およびXGA(6.3および4インチ、1024×768画素)などが市販されている。
【0016】
このような精細画面を持つLCDを、従来技術2に開示された印写装置に適用しようとしても、UXGAでは、RGB各画素のドットサイズは、その短辺側で約0.04mmであり、従来技術2に開示の印写装置のようなドットサイズの拡大が生じる状況では、このような微小なドットサイズのLCD画像を、個々のRGB各画素のドットを明確に識別可能な状態で、感光フィルムに鮮明度よく転写することが不可能になってきているという問題点もある。
【0017】
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、簡単な構成で、真に小型軽量化、低消費電力化および低コスト化を実現でき、携帯型にもすることができる転写装置を提供することにある。
【0018】
また、本発明の他の目的は、通常の画素密度の液晶ディスプレイから高い画素密度の高精細画面を持つ液晶ディスプレイまでの使用を可能として、実用に耐える鮮明度の写真画像からより鮮明度の高い高精細な写真画像までの中の所望の鮮明度の写真画像を得ることができる転写装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願発明者等が、所望の鮮明度の写真画像を得ることができ、より実用性が高く液晶層をその両側から基板で挟持する構造の高い画素密度の高精細画面を持つ液晶ディスプレイ等の透過型の画像表示装置を用いることができる転写装置について、鋭意研究を重ねた結果、簡単な構成で実用性を挙げるために必要な透過型の画像表示装置と感光性記録媒体とを非接触にし、両者の離間によって不可避的生じていた画像のボケ(不鮮明度)を防止するためには、両者の間に空気よりも屈折率が高い、すなわち、屈折率が1よりも大きい透明部材を設けることが必要であることを知見し、本発明に到ったものである。
【0020】
すなわち、本発明は、光源と、液晶層をその両側から基板で挟持する構造の透過型の画像表示装置と、感光性記録媒体とを、前記画像表示装置の画像表示面と前記感光性記録媒体の記録面とを対向させて前記光源の光の進行方向に沿って直列に配置し、前記透過型の画像表示装置から通過した表示画像を前記感光性記録媒体の前記記録面に転写する転写装置であって、前記透過型の画像表示装置の前記画像表示面と前記感光性記録媒体の前記記録面とが離間して配置され、前記透過型の画像表示装置と前記感光性記録媒体との隙間の前記画像表示面に整合する位置に屈折率が1よりも大きく、前記画像表示面に対応する領域における厚さが一定の透明平板が設けられ、さらに、前記光源と前記画像表示装置との間に複数の貫通孔が形成された多孔板が設けられていることを特徴とする転写装置を提供するものである。
【0021】
このような本発明の転写装置においては、前記画像表示装置は、RGBの各ドットを用いて画像を表示し、前記画像表示装置の前記画像表示面に表示した前記表示画像のRGBの各ドットを前記感光性記録媒体の前記記録面に転写することが好ましい。また、前記透明平板は、前記感光性記録媒体の前記記録面に対向する面に凹部が形成されており、前記透明平板と感光性記録媒体とは画像領域の外縁で接触するものであることが好ましい。さらに、前記光源と前記透過型の画像表示装置との間に、前記光源からの光を略平行光とし、前記画像表示装置の前記画像表示面に垂直に入射させる略平行光生成素子が設けられていることが好ましい。また、さらに、前記光源からの光を線状略平行光とし、前記画像表示装置の前記画像表示面に垂直に入射させるとともに、前記線状略平行光によって前記画像表示装置の前記画像表示面を相対的に走査させる線状光化手段が設けられているものも同様に好ましい。
【0022】
さらに、前記透明平板は、例えば厚さが一定の板状部材である。前記透明平板の厚さは、前記画面表示装置の前記画像表示面と前記感光性記録媒体の前記記録面との距離相当の厚さであるか、または前記画像表示面と前記記録面との距離相当の厚さよりもわずかに薄くてもよい。この場合、「わずかに」とは、0.01mm〜前記画像表示面と前記記録面との距離相当の半分位までのことをいう。
なお、画面表示装置と感光性記録媒体とは必要以上に離間させる必要がない。画面表示装置と感光性記録媒体とを離せば、その分転写装置の厚さが厚くなる。また、画面表示装置と感光性記録媒体とを接近させた場合には、画像のボケも少なくなるので、透明平板が不要となる。このため、透明平板の厚さは0.1mm〜5mmとすることが好ましく、さらに好ましくは0.5mm〜3mmである。
【0023】
さらにまた、本発明においては、少なくとも感光性記録媒体側の基板と偏光板との合計厚さは、1.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.8mm以下であり、さらにより好ましくは0.6mm以下である。
また、前記透過型の画像表示装置と前記感光性記録媒体との離間間隔は、0.01mm〜3mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1mm〜3mmである。
また、前記表示画像のサイズは、前記感光性記録媒体に転写される画像のサイズと実質的に同一であることが好ましい。
また、前記画像表示装置の各画素の大きさは0.2mm以下であることが好ましい。
【0024】
また、上述の各転写装置においては、多孔板において、多孔板の厚さを前記貫通孔の直径または相当直径の3倍以上とすることが好ましい。より好ましくは5倍以上、特に好ましくは7倍以上とするのが良い。
なお、前記貫通孔は、平行な貫通孔であり、前記貫通孔の平面形状は、円形または多角形であることが好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る転写装置について、添付の図面に示される好適実施形態を基に詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係る転写装置を示す模式的側断面図であり、図2は本発明の第1の実施形態に係る転写装置の要部を示す模式的断面図である。なお、図2において、フィルムケース51は省略している。
【0026】
図1および図2に示すように、本実施形態の転写装置は、光源となるバックライトユニット1と、略平行光生成用の多孔板2と、デジタル記録された画像を表示する液晶表示素子(以下、LCD素子という)3と、感光性記録媒体である感光フィルム4を収納するフィルムケース51と、LCD素子3と感光フィルム4との間に配置される透明部材10と、これらのバックライトユニット1、多孔板2、LCD素子3およびフィルムケース51を内包する本体ケース6とから構成される。なお、LCD素子3は本発明における画像表示装置に対応するものである。フィルムケース51は感光フィルム4の長手方向の一方の側面に取出口53が設けられている。また、フィルムケース51のLCD素子3と対向する面に開口部54が形成されている。なお、図1に示す感光フィルム4の斜線部は感光フィルム4の画像領域4aを示し、LCD素子3における斜線部はLCD素子3の画像領域3aを示す。
【0027】
ここで、多孔板2と、LCD素子3と、透明部材10と、感光フィルム4とは、バックライトユニット1からの光の進行方向に沿って直列に配置されており、LCD素子3の画像領域3a(画像表示面)と感光フィルム4の画像領域4a(記録面)とが対向されている。LCD素子3とフィルムケース51とは密着している。LCD素子3の画像表示面と感光フィルム4の記録面との間に透明部材10が開口部54に整合して設けられている。透明部材10は略直方体状(板状)を呈しており、LCD素子3の画像領域3aよりも大きく、また、フィルムケース51の開口部54よりも大きい。この透明部材10は屈折率が空気よりも高い。すなわち、透明部材10の屈折率が1よりも大きい。透明部材10は感光フィルム4に接触していてもよいし、また若干離れていてもよい。透明部材10が感光フィルム4に接触している場合、透明部材10が、例えばガラスまたは硬いプラスチックからなるものであれば、透明部材10と感光フィルム4とが擦れても透明部材10の表面にキズがつかない。
【0028】
透明部材10は、例えばガラスまたは透明樹脂からなるものである。ガラスとしては、石英ガラス、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラスおよびフッ化物ガラスなどが挙げられる。また、透明樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートポリマ、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、ナイロン6、ポリベンジルメタクリレート、スチレン・アクリロニトリル共重合体、ポリフェニルメタクリレート、ポリジアリルフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルナフタレンおよびポリビニルカルバゾールなどが挙げられる。また、透明部材10を透過する際の色収差を小さくするために、アッベ数が大きい材料が好ましい。本実施形態においては、アッベ数は30以上であることが好ましく、さらに好ましくは50以上である。さらに、複屈折率が小さい材料であることもより好ましい。なお、本発明において、透明とは、無色透明、有色透明または半透明などを含み、光源11が照射する光の色に応じた有色透明板を選択してもよい。好ましくは無色透明板を使うのがよい。
【0029】
なお、バックライトユニット1から射出された光を透過光とするLCD素子3の表示画像の光量で感光フィルム4を短時間で露光できれば、多孔板2を配置しなくても良い。
【0030】
光源となるバックライトユニット1は、LCD素子3の背後からその全面に均一な光を照射するためのもので、LCD素子3の表示画面と略同一の光射出面(発光面)を持つ面状光源であって、冷陰極線管等の棒状ランプ11と、棒状ランプ11から射出された光を所定方向に導入する導光板(図示せず)、導光板に導入された光を略直交する方向に反射させる反射シート(図示せず)および反射シートで反射された光を均一化する拡散シート(図示せず)およびプリズムシート等を有するバックライトアセンブリとからなる。
【0031】
本実施形態に用いられるバックライトユニット1は、特に限定されるものではなく,棒状ランプ11が発光する光を、導光板、反射シート、拡散シートおよびプリズムシートなどからなるバックライトアセンブリを用いて均一に拡散させるようにした面状光源であればよく、従来公知のLCD用バックライトユニットを用いることができる。図示例では、発光面(光射出面)の大きさは、LCD素子3の画像領域3aまたは感光フィルム4の画像領域4aの大きさと同一の大きさに構成することができるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、LCD素子3の画像領域3aまたは感光フィルム4の画像領域4aの大きさより若干大きくても良い。
また、本実施形態に用いられるバックライトユニット1は、所要の光強度の光を射出できる面状光源であれば、LEDアレイ光源、有機ELパネルまたは無機ELパネル等を用いる光源なども利用可能である。
【0032】
図3(a)は本実施形態の転写装置に使用される多孔板を示す正面図、(b)は本実施形態の転写装置に使用される多孔板の第1の変形例を示す正面図、(c)は本実施形態の転写装置に使用される多孔板の第2の変形例を示す正面図である。図3(a)に示すように、本実施形態に用いられる多孔板2は、必要に応じて、バックライトユニット1とLCD素子3との間に配置されて、バックライトユニット1からの光を略平行光(平行光を含む)にし、LCD素子3に入射する光をなるべく平行にするための略平行光生成素子であって、所定厚さの矩形板に所定のサイズの貫通孔21を所定ピッチで多数設けたものである。本実施形態においては、正三角形の頂点の位置が中心となるようにして貫通孔21が複数形成されている。各貫通孔21は縁部間の距離が0.1mmである。
【0033】
なお、本実施形態において用いられる略平行光生成素子としては、同様の機能を有するものであれば、特に限定されるものではなく、多孔板2に限定されるものではない。この他、格子とすることもでき、例えば、図3(b)に示す4角形格子21a、図3(c)に示す6角形格子21b等を用いることができる。しかし、製作が容易な点も考慮して多孔板とすることが好ましい。
【0034】
また、本実施形態においては、多孔板2とLCD素子3との間隔は、好ましくは、0.05mm〜10mmとし、より好ましくは0.1mm〜5mmとすることが良い。これは、多孔板2に代表される略平行光生成素子の貫通孔21のパターンが拡散光による「影」の形で現われるのを防止するためのものである。なお、ここで設定している上記間隔は、上述の「影」を防止するとともに、転写画像の鮮明度が低下しない条件である。
【0035】
ここで、多孔板2の材質としては、特に限定されるものではないが、例えば所定の厚さを有するアルミニウム板等の金属板、樹脂板またはカーボン材料板等を用いることができる。なお、多孔板2の厚さも、特に限定されるものではなく、要求される転写画像の鮮明度に応じて、または、LCD素子3の表示画面または感光フィルム4の感光面の大きさに合わせて、適宜選択すれば良い。また、多孔板2の製作方法としては、多孔シートを積層する方法または樹脂によるモールド(成形)方法などが実用的であるが、加工が可能であれば、特に限定されるものではなく、機械的に孔加工する方法等を含め、どのような加工法を用いても良い。
【0036】
また、多孔板2に設ける複数の貫通孔21の配列形状および配列ピッチは、貫通孔21が均一に配置されるものであれば、どのようなものでも良い。例えば、貫通孔21の配列形状は、碁盤目状または千鳥状(最密状)であって良く、好ましくは千鳥状が良い。また、貫通孔21の配列ピッチは、なるべく細かい方が良く、貫通孔21と貫通孔21との間(貫通孔21の縁部間の距離)は、0.05〜0.5mmが好ましく、より好ましくは0.05〜0.3mmが良い。
【0037】
また、多孔板2に設ける貫通孔21の形状は、特に限定されるものではなく、例えば円筒形、楕円筒形または多角筒形などにすることができる。すなわち、貫通孔21の平面形状は、特に限定されるものではなく、例えば円形、楕円形または多角形等にすることができるが、製作を容易にするために、円形または多角形とすることが好ましい。また、貫通孔21は、多孔板2の厚さ方向には、平行な貫通孔であることが好ましいが、略平行であると見なせるものであれば良い。
また、貫通孔21のサイズも、特に限定されるものではないが、多孔板2の貫通孔21の直径(円の場合)または相当直径(楕円または多角形等の場合)は、5mm以下とすることが好ましく、この多孔板2の厚さが貫通孔2の直径または相当直径の3倍以上であることが好ましい。なお、上述の相当直径とは、「4×面積/総辺長(または全周長)」で表わされる長さのことである。多孔板2の貫通孔21の直径または相当直径を5mm以下とし、この多孔板2の厚さが貫通孔21の直径または相当直径の3倍以上とするのは、これらの条件が、多孔板2によって平行光を得るために有効な条件であるからである。特に、多孔板2の厚さが貫通孔21の直径または相当直径に対して5倍以上、さらに好ましくは7倍以上とするのがよい。
【0038】
また、貫通孔21の内面を含めて、多孔板2の全表面に対して反射防止膜を設けることが好ましい。反射防止膜としては、その反射率が所定値以下であれば、特に限定されるものではないが、例えば、黒色メッキ膜、黒色化処理膜または黒色塗装被膜などを挙げることができる。本発明においては、反射率は、2%以下であることが好ましい。これは、反射率が2%以下であれば、バックライトユニット1から入射した、平行光以外の散乱光を効率良く吸収でき、バックライトユニット1から略平行光(平行光を含む)のみを効率良く射出させて、LCD素子3に入射させることができるからである。なお、反射率は、例えば、(株)島津製作所製MPC3100型分光反射率測定機を用い、波長550nmで測定することができる。
【0039】
LCD素子3は、デジタル記録された画像を表示するための透過型の画像表示装置であって、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラまたはパーソナルコンピュータなどのデジタル画像データ供給部に接続され、供給されるデジタル画像データに応じて表示画像を透過像として表示するものである。なお、LCD素子3に接続されているデジタルカメラ等のデジタル画像データ供給部では、予め用意されている画像の内から、任意の画像を選択して供給できるように構成されている。なお、LCD素子3に供給されるデジタル画像データとしては、上述の場合の他、スキャナ等によって透過原稿または反射原稿から読み取られたものであっても良い。また、LCD素子3は、透過像として画像を表示できれば、どのようなものでも良く、デジタル画像データではなくても、通常のビデオカメラで撮影された画像のアナログ画像データに基いて画像を表示するものであっても良い。
【0040】
なお、このLCD素子3と、多孔板2との間には、所定の間隙を設けているが、この間隙は、上述したように、好ましくは0.05mm〜10mmであり、より好ましくは0.1mm〜5mmである。しかし、任意の寸法に調整可能に構成されていることが好ましい。
【0041】
図4は本実施形態の転写装置に使用される透過型の液晶表示素子の構造を示す断面図である。LCD素子3は、図4に示すように、感光フィルム4の側から多孔板2側(バックライトユニット1側)に向かって、フィルム状偏光板(以下、偏光フィルムともいう)31と、ガラス基板32と、電極33と、液晶層34と、電極35と、ガラス基板36と、フィルム状偏光板37とを積層し、液晶層34をその両側からガラス基板32、36および偏光板31、37で挟持する構造を有するものである。周知のように、この他、ブラックマトリックス(図示せず)、RGBカラーフィルタ(図示せず)および配向膜(図示せず)等を有しているのはいうまでもない。ここで、例えば、TFT型LCDの場合、電極33は、共通電極であり、電極33とガラス基板32との間にブラックマトリックスおよびRGBカラーフィルタが配置されている。電極35は、表示電極およびゲート電極等である。なお、ガラス基板32および36の代りに樹脂基板等を用いてもよい。
【0042】
また、LCD素子3の構造は、後述する感光フィルム4の側の偏光フィルム31およびガラス基板32の合計厚さを除いて、画像表示が可能であれば、従来公知の液晶表示モードを持ち、従来公知の駆動方式のLCD素子を用いることができる。例えば液晶表示モードとしては、TNモード、STNモード、CSHモード、FLCおよびOCBモードなどの偏光板を用いる液晶表示モードを挙げることができる。駆動方式としては、TFT型およびダイオード型などのアクティブマトリックス駆動方式の他、XYのストライプ電極からなるダイレクトマトリックス駆動方式等を挙げることもできる。
【0043】
また、LCD素子3のサイズは、特に限定されるものではなく、どのようなサイズでも良く、感光フィルムのサイズに合わせて適宜選択すれば良い。また、LCD素子3のRGB各画素のドットサイズも、特に限定されるものではないが、より鮮明な高画質の写真画像を得るためには、各画素の少なくとも短辺側の大きさは、0.2mm以下であることが好ましい。これは、各画素の少なくとも短辺側の大きさが0.2mm以下では、より鮮明な転写画像を得ることができるからである。
【0044】
なお、LCD素子3の画素数または画素密度も、特に限定されるものではないが、高精細・高鮮明度の高画質画像を転写して得るためには、近年市販されているRGB各画素のドットサイズが小さい高精細画面を持つLCDを用いることが好ましい。このようなLCDとしては、例えば、UXGA(10.4インチ、1200×1600画素)またはXGA(6.3および4インチ、1024×768画素)などのTFT型LCDを挙げることができる。
【0045】
本実施形態に用いられるLCD素子3においては、少なくとも、感光フィルム4側の基板32と偏光フィルム31とを合わせた合計厚さtは、できるだけ薄いことが良く、1.0mm以下が好ましい。さらに好ましくは0.8mm以下、さらにより好ましくは0.6mm以下とすることが良い。
【0046】
なお、より一層好ましくは、バックライトユニット1(多孔板2)側の基板36と偏光フィルム37とを合わせた合計厚さは、薄い方が良く、1.0mm以下が好ましい。さらに好ましくは0.8mm以下であり、さらにより好ましくは0.6mm以下とすることが良い。また、合計厚さの下限値も、特に限定されるものではないが、例えばガラス基板32では、それ自体の厚さを薄くするのは0.5mm程度が限界と考えられることから、0.5mm以上としても良い。なお、この合計厚さは、これらに限定されることはなく、上記条件を実現するための構成として、ガラス基板の代りに、樹脂基板の使用を考慮することも有効であり、これにより0.5mm程度の合計厚さの下限値をさらに小さくすることができる。
【0047】
以下、本実施形態において、感光フィルム4側の基板32と偏光フィルム31とを合わせた合計厚さtを1.0mm以下とする理由について説明する。
この合計厚さの条件は、バックライトユニット1からLCD素子3までの区間での光の拡散を抑えることに相当する。LCD素子3と感光フィルム4とを、厳密には、LCD素子3の表示面と感光フィルム4の感光面とを非接触状態にしても、より鮮明な転写画像を得られるという結果に通じるものである。
すなわち、本発明に係る転写装置においては、透明部材10を設けているものの、LCD素子3の表示面と感光フィルム4の感光面とを、所定の間隔だけ離間させて、非接触状態にしている。この非接触状態にするという条件は、簡単な構成で、実用性を挙げ、実際に取り扱い易い転写装置とするためには必要な条件である。しかし、LCD素子3の表示面と感光フィルム4の感光面との間での光の拡散を助長し、鮮明な転写画像を得るという点からはむしろマイナス要因である。このため、本発明においては、上記非接触状態によるマイナス分(光の拡散の増大分)を、屈折率が1より大きい(空気よりも屈折率が高い)透明部材10を設けることにより、光の拡散の増大分を抑制している。さらに、上述の合計厚さの条件、および多孔板2の厚さの貫通孔21の直径または相当直径との比を3倍以上とすることによるプラス分(光の拡散の抑制分)でカバーする。
【0048】
ところで、上述したように、図18(a)および(b)に示す従来技術2に開示された従来の印写装置においては、厚さが約2.8mmのLCD300が用いられている。図18(b)に示すように、LCD300は、2枚の偏光板301、305、2枚の基板302、304およびこれらに挟まれる液晶層303から構成されている。従来技術2には開示されていないが、一般に、液晶層そのものの厚さは0.005mm程度(カラーTFT液晶ディスプレイ:p207、共立出版発行参照)とされているため、片側の基板301(305)と偏光板302(304)とを合わせた厚さは、1.3mm〜1.4mm程度と考えられる。
ここで、光の拡散度合いは距離に比例するため、上述の厚さ1.3mm〜1.4mmが1/2になれば、拡散度合いも1/2になり、従来技術の項で述べた「片側について、約0.09mm拡大される」という値もその1/2、つまり0.04mm〜0.05mm程度に減少すると推察される。しかしながら、この程度の拡散度合いでは、従来技術の項で述べたように、最新のUXGAまたはXGAなどのような微細なドットサイズを有するLCDにおいて、隣接するドットの重なり合いが生じる。
【0049】
すなわち、拡散度合いを0.04mm〜0.05mm程度に減少させただけでは、ドットの重なり合いが生じ、これに起因する色の滲みが発生して、不鮮明な画像しか得ることができない。しかし、本願発明者らは特願2001−316670に記載したように、LCD素子3の片側の少なくとも感光フィルム4側の基板32と偏光フィルム31とを合わせた厚みを1.0mm以下とすることにより、UXGAまたはXGAなどのような微細なドットサイズを有するLCD素子においても、ドットの重なり合いに起因する色の滲みが解消して、鮮明な転写画像が得られることを知見している。さらに、上述したように、感光フィルム4とLCD素子3との間に屈折率が1よりも大きい透明部材10を設けることにより、透明部材10中を光が通過している間は、屈折率に応じて拡散角度が小さくなる。この拡散角度の減少分だけ画像の広がりをさらに一層防止できることを見出した。また、LCD素子3の表面で散乱された散乱光のうち、透明部材10の臨界角未満の光は感光フィルム4に入射されない。このため、露光焼付に必要な方向の光の成分だけを感光フィルム4に入射させることができる。これらのことから、LCD素子3と感光フィルム4との間隔が等しく透明部材10がないものに比べて、UXGAまたはXGAなどのような微細なドットサイズを有するLCD素子3においても、ドットの重なり合いに起因する色の滲みがさらに一層解消されて鮮明な転写画像が得られる。
【0050】
本実施形態においては、感光フィルム4の感光面が、所定の間隙を隔てて、LCD素子3の表示画面に配置されるように構成されている。複数枚の感光フィルム4が、フィルムケース51に収納されている。本実施形態においては、フィルムケース51は、本体ケース6内に取り付けられ、1セット(パック)の複数枚の感光フィルム4を装填するものであっても、取り付け取り外し自在なフィルムケース51に複数枚の感光フィルム4を収納しているフィルムパック5をそのまま本体ケース6に装填するものであっても良い。しかし、フィルムケース51ごとフィルムパック5、すなわち、複数枚の感光フィルム4を収納しているフィルムケース51自体を装填できるように構成しておくことが好ましい。
【0051】
感光フィルム4は、本発明の感光性記録媒体として用いられるものである。本発明の感光性記録媒体としては、LCD素子3の透過表示画像の露光焼付により、可視ポジ画像を形成できるものであればどのようなものでも良く、特に限定されるものではないが、例えば、いわゆるインスタント写真フィルムが好ましい。このような感光性記録媒体として用いられる感光フィルム4としては、モノシートタイプのインスタント写真用フィルム「インスタックスミニ」または「インスタックス」(共に富士写真フイルム(株)製)を挙げることができる。
このようなインスタント写真フィルムは、フィルムケースに所定数のフィルムをしたいわゆるフィルムパックとして市販されている。
従って、本発明においては、感光フィルム4の感光面とLCD素子3の表示画面との間隙が、後述する条件を満足するように配置できれば、図1に示すように、フィルムパック5をそのまま本体ケース6に装填することもできる。
【0052】
また、本実施例においては、フィルムパック5を使用する場合には、例えば感光フィルム4の画像領域4aよりもフィルムケース51の開口部54の開口領域を大きくする。もちろん、LCD素子3の外形で規定される領域はLCD素子3の画像領域3aよりも大きい。本実施例においては、LCD素子の画像領域3aは感光フィルム4の画像領域4aと同じであることが好ましい。この場合、各部のサイズの大小関係は、感光フィルム4の画像領域4a≦透明部材10の大きさ≦フィルムパック5の開口部54の開口領域である。通常、LCD素子3の外形で規定される領域がフィルムパック5の開口部54の開口領域よりも大きい。しかし、フィルムパック5の開口部54の開口領域がLCD素子3の外形で規定される領域よりも大きいことが非常に好ましい。
【0053】
図5は本実施形態の転写装置に使用されるフィルムパック5の一例の構造を示す斜視図である。図5に示すような構造を有するフィルムパック5には、そのフィルムケース51の一端部にフィルムシート4を、フィルムパック5(のフィルムケース51)から取り出すためのクロー部材(爪)が進入可能な切り欠き52が設けられている。露光の終了したフィルムシート4は、上記クロー部材によりフィルムパック5のフィルムケース51の取出口53から取り出され、搬送機構(図示せず)により、処理工程に送られる。
なお、本実施形態における処理工程とは、上記フィルムシート4の一端に予め設けられている処理液(現像液)チューブ(図示せず)を押し破って、現像液をフィルムシート4内全面に均一に行きわたらせることであり、フィルムシート4のフィルムパック5からの取り出し・搬送と実質的に同時に行われるものである。処理工程を経たフィルムシート4は、本体ケース6の取出口62(図1参照)から装置外部に送り出される。
【0054】
周知のように、この種のインスタント写真用フィルムは、上述の処理工程を経た後、数十秒ほどで完全な画像を形成し、観賞に供することが可能になる。従って、本発明の転写装置では、上述の処理工程を施すまでが、必要とされる機能となる。1枚のフィルムシートが送り出された後には、次のフィルムシートが現われ、次の露光(転写)が可能な準備状態が実現される。
なお、上述した、このフィルムパックの取り扱い方法については、先に本出願人の出願に係る特開平4−194832号公報に開示されたインスタント写真用フィルムを用いるインスタントカメラを参照することができる。
【0055】
ところで、本発明の転写装置においては、前述したように、実際に取り扱い易い装置とするために必要な条件から、LCD素子3と感光フィルム4とを非接触状態で、厳密には、LCD素子3の表示面と感光フィルム4の感光面とを非接触状態で、所定の間隔だけ離間させるようにしている。本発明では、鮮明な転写画像を得るという点において、これによって生じる光拡散の増大というマイナス要因を、上述したLCD素子3と感光フィルム4との間に屈折率が1よりも大きい透明部材10を設けることにより、光拡散の抑制というプラス要因でカバーするというものである。上述の光拡散の抑制というプラス要因としては、さらに、多孔板2の貫通孔21の直径または相当直径に対する比を3倍以上とすることで光拡散を抑制することが挙げられる。加えて、LCD素子3の感光フィルム4側の基板32と偏光フィルム31とを合わせた合計厚さtを規制することによって光拡散を抑制することも挙げられる。これにより、LCD素子3と感光フィルム4とを所定の間隔だけ離間させても、より一層鮮明な転写画像を得ることができる。
【0056】
また本実施形態においては、前記透明部材の厚さは、LCD素子3の画像表示面と感光フィルム4の記録面との間の距離と同じである。しかし、これに限定されるものではなく、前記透明部材の厚さは、LCD素子3の画像表示面と感光フィルム4の記録面との間の距離よりも0.01mm薄いものからLCD素子3の画像表示面と感光フィルム4の記録面との間の距離の半分位までの厚さであればよい。なお、LCD素子3と感光フィルム4とは必要以上に離間させる必要がない。LCD素子3と感光フィルム4とを離せば、その分、転写装置の厚さが厚くなる。また、LCD素子3と感光フィルム4とを接近させた場合には、画像のボケも少なくなるので、透明部材10が不要となる。このため、透明部材10の厚さは0.1mm〜5mmとすることが好ましく、さらに好ましくは0.5mm〜3mmである。
【0057】
本発明に係る転写装置においては、LCD素子3(の画像表示面)と感光フィルム4(の感光面)との間の離間間隔は、0.01mm〜3mmであることが好ましく、より好ましくは0.1mm〜3mmであることが良い。これは、上述したように、鮮明な転写画像を得るという点からはむしろマイナス要因ではあるが、実際に取り扱い易い装置とするためには必要な条件であり、これによるマイナス分は、上述したLCD素子3と感光フィルム4との間に、透明部材10として、例えばガラス板を設けることにより生じる光拡散の抑制というプラス要因でカバーできるからである。さらに、多孔板2およびLCD素子3の厚さを規定することにより、より一層その効果が高められる。
【0058】
図6は第1の実施形態に係る転写装置の第1の変形例を示す模式的断面図、図7は第1の実施形態に係る転写装置の第2の変形例を示す模式的断面図、図8は第2の変形例の転写装置に使用される透明部材を示す斜視図である。
本実施例においては、透明部材10の形状は直方体状(板状)にする以外にも、図6に示すように、フィルムケース51と同じ大きさの基部10aの上面に開口部54に整合する突出部10bが形成された断面視凸形状の透明部材10cとすることができる。透明部材10cはその突出部10bが開口部54にはめ込まれ、基部10aの縁部がフィルムケース51に接触する。透明部材10cの下面にLCD素子3が配置されている。この場合、フィルムケース51とLCD素子3とは離間している。
【0059】
また、本実施形態においては、図7および図8に示すように、感光フィルム4と対向する直方体の上面10eに凹部10fが形成された透明部材10dであってもよい。この場合、フィルムケース51とLCD素子3とは接触している。このように、感光フィルム4に対向する上面10eに凹部10fを形成することにより、透明部材10dの表面に感光フィルム4を載置した場合であっても、透明部材10と感光フィルム4とは画像領域4aの外縁で接触するだけなので、感光フィルム4の画像領域4aにキズがつきにくくなるのでより一層好ましい。
【0060】
本実施形態の転写装置においては、LCD素子3に表示された画像のサイズは、感光フィルム4に転写される画像のサイズと実質的に同一とすることが好ましい。これは、本実施形態においては、レンズ系を用いた拡大または縮小を行うことなく、直接転写方式とすることで、装置の小型化および軽量化などを実現することができるからである。
【0061】
本体ケース6は、上述の本実施形態の各構成要素、すなわちバックライトユニット1、多孔板2、LCD素子3、透明部材10、フィルムパック5(またはフィルムケース51)をおよび露光済みフィルムの送り出し兼処理液展開ローラ対61等を内部に収納するケースである。本体ケース6においては、露光済みフィルムの送り出し兼処理液展開ローラ対61は、装填されたフィルムパック5(またはフィルムケース51)の露光済フィルムの取出口53に臨む位置に取り付けられている。また、本体ケース6には、このローラ対61を臨む位置に、露光済みフィルム4の本体ケース6からの取出口62が開口されている。また、本体ケース6には、露光済みフィルムパック5の裏側の開口から挿入されて、フィルムシート4をフィルムケース51の前縁に、すなわち、LCD素子3側に押し付けるためのバックアップ用押圧ピン63が設けられている。
【0062】
なお、図示はしていないが、本実施形態の転写装置はローラ対61を駆動するための駆動源(モータ)、またはこれを駆動したりバックライトユニット1の棒状光源11を点灯するための電源、これらを制御するための電装品、LCD素子3に画像を表示させるためにデジタル画像データ供給部からデジタル画像データを受信しLCD表示用画像データに変換するデータ処理装置、および制御装置などを有しているのはもちろんである。本実施形態に係る転写装置は、基本的に以上のように構成される。
【0063】
本実施形態においては、LCD素子3にデジタル画像データ供給部から供給された画像を表示する。次いで棒状ランプ11を点灯して多孔板2を経て略平行光をLCD素子3の表示面に垂直に入射させる。そして、LCD素子3に表示された画像が感光フィルム4に露光焼付けされる。これにより、感光フィルム4に転写画像が形成される。
【0064】
図9は本発明の実施形態に係る転写装置の効果を説明する模式図、図10は本発明の実施形態に係る転写装置において透明部材が設けられていないものを示す模式図である。図9および図10に示すLCD素子3は、表面に偏光フィルム31、37が貼り付けされたガラス基板32、36により液晶層(図示せず)を挟持してなるものである。このLCD素子3には赤画素3R、緑画素3Gおよび青画素3Bを1組として複数組設けられている。なお、図9および図10においては、赤画素3R、緑画素3Gおよび青画素3Bは1組しか図示していない。
図9に示すように、LCD素子3と感光フィルム4とを3mmの隙間をあけて配置し、この隙間と略同じ厚さを有し、屈折率nが1.5のガラス板を設けた場合について説明する。LCD素子3の表面の拡散角度(=高屈折率物体への入射角度)をθとし、高屈折率物質中の拡散角度をγとするとき、屈折率nは下記式(1)により表され、感光フィルム4表面における拡散角度γによる広がり量をδとするとき、広がり量δは下記式(2)により表される。
【0065】
sinγ=sinθ/n (1)
【0066】
δ=d×tanγ (2)
上記式(2)において、dはLCD素子3の表面と感光フィルム表面との間隔である。
【0067】
図9に示すLCD素子3の裏面に垂直な方向に対して、例えば、5°広がる拡散光をLCD素子3の青画素3Bに入射させたとき、LCD素子3表面から出射する出射光はLCD素子3の表面から感光フィルム4に向かう光が透明部材10により屈折されて、式(1)によりLCD素子3の表面からの光の拡散角度は3.3°である。このとき、式(2)により、感光フィルム4の表面における拡散角度による広がり量δ=δeは0.17mmである。すなわち、青画素3Bの大きさが合計で0.34mm拡散されて転写されたことになる。この場合、LCD素子3内の屈折、ならびに透明部材10と感光フィルム4およびLCD素子3との隙間による屈折は無視するものとする。図9に示す例において、孔径が0.5mm、板厚が5.75mmの多孔板2、および屈折率nが1.5である透明部材10を使用して、拡散角度が5°である拡散光をLCD素子3に照射して得られる画像は実用に耐えられるものであった。
【0068】
一方、図10に示すように、LCD素子3と感光フィルム4とが3mmの隙間を設けて配置され、透明部材10が設けられていない場合について説明する。上述の如く拡散角度が5°の略平行光がLCD素子3の裏面に入射された場合、式(1)よりLCD素子3表面から出射する出射光の拡散角度は変わらない。このとき、式(2)により、感光フィルム4表面における拡散角度による広がり量δ=δcは0.26mmとなる。すなわち、青画素3Bの大きさが合計で0.52mm拡散されて転写されたことになる。
このように、屈折率が1よりも大きい透明部材10を設けることにより、LCD素子3に入射される光の拡散角度が多少大きくても鮮明な画像を得ることができる。なお、LCD素子3に入射される光のうち、LCD素子3のガラス基板3bの臨界角未満の入射光はLCD素子3の表面から出射することができない。このことは、透明部材10においても生じる。このため、本発明においては、透明部材10が設けられていない場合に比べて、略平行光をLCD素子3に入射させた場合、略平行光の拡散角度の影響を抑制し、かつLCD素子3による散乱光の影響を低減させて略平行光を感光フィルム4に入射させることができる。また、本発明においては、透明部材10を設けていない場合において、LCD素子3と感光フィルム4との距離を近づけたのと同様の効果を奏する。図9に示す例においては、透明部材10が設けられていない場合における間隔に換算すると、約2mmである。なお、透明部材10はLCD素子3の解像度に応じて、その厚さを適宜調整すればよい。
【0069】
これらのことから、本実施形態においては、透明部材10がない場合と同等の画質を得るためには、略平行光の拡散角度が、透明部材10のない場合と比べて若干大きいものでもよい。これにより、多孔板2の貫通孔21の孔径を大きくするか、または多孔板2の板厚を薄くすることができる。
さらに、図9に示す例において、図10に示す例と同等の画質を有する画像を得るためには、孔径を0.75mmとすることができる。これにより、多孔板2を成形する際に用いる金型のピンの剛性を向上させることができる。従って、多孔板2の成形時にピンの折れなどが大幅に減少する。さらに、孔の数が減るのでピンの数も減り、金型を安価に製作することができる。
【0070】
また、図1に示す転写装置を使用し、例えば、以下のようにして本実施形態の効果を確認することができる。先ず、LCD素子3と感光フィルム4との間隔dを変えて、すなわち、透明部材10の厚さを変えて感光フィルム4にLCD素子3に表示されたデジタル記録された画像を記録して記録画像を得る。また、図1に示す転写装置から透明部材10を除いたものを使用し、LCD素子3と感光フィルム4との間隔dを変えて感光フィルム4にLCD素子3に表示されたデジタル記録された画像を記録して記録画像を得る。
【0071】
なお、透明部材10として、鉛ガラス板(屈折率n=1.48)および高屈折率ガラス板(屈折率n=1.80)を使用する。多孔板2には、直径が0.5mmの円形の貫通孔21を最密状態にピッチが0.7mm(ここでは、隔壁の厚みで表示している。図3(a)参照)で設けたものを使用し、黒色化処理を行う。なお、多孔板2の厚さは6mmとし、多孔板2の上面からLCD素子3までの距離Dは4mmとする。また、上記各転写テストにおいては、得られる転写画像の濃度がほぼ同一になるように光源の点灯時間を調整して行う。
【0072】
所定の厚さの透明部材10を使用して得られた画像と同程度の鮮明さの画像が、透明部材10がない場合における感光フィルム4とLCD素子3との距離が何mmで得られるのかを評価した場合、下記表1に示すような結果が得られる。透明部材10は、その厚さが感光フィルム4とLCD素子3との距離に略等しいものを使用する。
【0073】
【表1】
【0074】
上記表1からわかるように、透明部材10を設けた場合の画像の鮮明さは、透明部材10がない場合に比べ感光フィルム4とLCD素子3との距離が1/2〜1/3に縮まったときに得られる画像と同程度である。また、感光フィルム4とLCD素子3との距離dを3mmとし、透明部材10として厚さが2.8mm、1.5mmのガラス板(屈折率n=1.48)を挿入し、上述と同様にして転写テストを行った場合(ガラス板上面と感光フィルム4との間隔はそれぞれ0.2mm、1.5mmである。)、ガラス板の厚さが2.8mmの場合の画像の鮮明さは、感光フィルム4とLCD素子3とが単に、1〜2mm離間している場合の画質と同程度である。また、ガラス板の厚さが1.5mmの場合の画像の鮮明さは、感光フィルム4とLCD素子3とが単に、2mm離間している場合の画質と同程度である。
【0075】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図11は本発明の第2の実施形態に係る転写装置を示す模式的断面図、図12は本発明の第2の実施形態に係る転写装置の要部を示す模式的断面図である。本実施形態においては、図1乃至図10に示す第1の実施形態と同一構成物には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0076】
本実施形態は、第1の実施形態と比較して、多孔板20が画像表示領域全面に設けられておらず、貫通孔22が1列形成された多孔板20であり、多孔板20を貫通孔22の配列方向と直交する方向Aに移動させる移動手段が設けられている点が異なり、それ以外の構成は第1の実施形態と同様である。多孔板20は、移動手段8によって、バックライトユニット1の射出面の上側をLCD素子3の一辺に沿って移動させることができる。この多孔板20の移動方向前後には、多孔板20の貫通孔22以外からの光を遮光するための遮光マスク(フィルム)7aおよび7bが配置されている。また、図11および図12においては、多孔板20とバックライトユニット1とは接触しているが、本実施形態では、必ずしも接触している必要はない。
【0077】
図13(a)は本発明の第2の実施形態の転写装置に使用される多孔板を示す斜視図、(b)は本発明の第2の実施形態の転写装置に使用される多孔板の変形例を示す模式的断面図である。本実施形態に用いられる多孔板20は、バックライトユニット1とLCD素子3との間に配置されてバックライトユニット1からの光を実質的に線状の平行光にし、LCD素子3に入射する光をなるべく平行にし、LCD素子3に垂直に入射させるための線状光化手段である。図13(a)に示すように、所定厚さの矩形板に所定のサイズの貫通孔22を1列所定ピッチで多数設けたものである。なお、貫通孔22は複数列設けてもよい。
【0078】
なお、本発明において、線状光化手段とは、光源からの光を線状の実質的な平行光として透過型画像表示装置に直角に入射させる機能を有するものであり、この線状光化手段の移動方向(透過型LCD画面の走査方向)に直交する方向(長手方向)に所定長さを有する線状光を射出するものである。
ここで、この線状光化手段としては、上述の機能を有するものであれば、どのようなものでも良いが、製作が容易な点も考慮して、図13(a)に示すように長手方向に沿って少なくとも1列に配列された多数の貫通孔22を有し、所定厚さを持ち幅が狭く細長い(狭幅細長の)、いわゆる「柱状の多孔板」とすることが好ましい。
【0079】
また、本実施形態においては、多孔板20とLCD素子3との間隔を、好ましくは、0.05mm〜10mmとし、より好ましくは0.1mm〜5mmとすることが良い。これは、柱状の多孔板20に代表される線状光化手段の貫通孔22のパターンが拡散光による「影」の形で現われるのを防止するためのものである。なお、本実施形態において設定している上記間隔は、上述の「影」は防止できるが、転写画像の鮮明度は低下させない条件である。
【0080】
また、多孔板20の材質としては、第1の実施形態と同じものを使用することができる。さらに、多孔板20に設ける貫通孔22の形状も、第1の実施形態と同じものにすることができる。
【0081】
図14(a)乃至(d)は第2の実施形態の転写装置に使用される多孔板の貫通孔の配置を示す正面図であって、(a)は貫通孔が3列形成されているものであり、(b)は貫通孔が1列形成されているものであり、(c)は貫通孔が4列形成されているものであり、(d)は貫通孔が2列形成されているものである。また、複数の貫通孔22を2列以上に配列するときの貫通孔の列の数および配列形状は、特に限定されるものではない。例えば、配列形状は、碁盤目状、千鳥状(最密状)であることが好ましく、より好ましくは千鳥状が良い。また、配列数は、例えば、1列乃至数列であってもよいが、複数列のうち、特に千鳥状に配列する場合には、偶数列が良い。この理由は、図14(a)に示すように、3列、すなわち奇数列配列の貫通孔22を持つ多孔板20の場合、A行およびC行では第1および3列の2個の貫通孔22からの光がLCD素子3を照明するので明るい。しかし、B行およびD行では第2列の1個の貫通孔22からの光しかLCD素子3を照明しないので暗い。このため、B行およびD行では暗いスジができる。
【0082】
また、多孔板20に設ける複数の貫通孔22の配列ピッチp(図13(a)参照)は、貫通孔22が均一に配置され、LCD素子3の表示画像を鮮明に感光フィルム4に転写できれば、どのようなピッチでも良く、貫通孔22のサイズなどに応じて適宜設定すれば良い。例えば、配列ピッチpは、なるべく細かい方が良い。
【0083】
なお、本実施形態においては、貫通孔22と貫通孔22との間隔dは、特に限定されるものではないが、配列ピッチpおよび貫通孔22のサイズより重要である。その理由は、この貫通孔22間の間隔dを大きくすると、上述の貫通孔22のパターンが拡散光による「影」を消すために、多孔板20とLCD素子3との間の距離を離す必要が出てくるからである。従って、この貫通孔22間の間隔dは、例えば、長手方向(配列方向)における間隔yに換算して、1mm以下とすることが好ましく、より好ましくは0.5mm以下で、さらに好ましくは、0.2mm以下であることが良い。なお、貫通孔22間の間隔dの下限値は、特に限定されるものではない。しかし、製作上の容易性を考慮すると、間隔dの下限値は、0.05mm程度以上であることが好ましい。
【0084】
なお、長手方向における間隔に換算した貫通孔22間の間隔dとは、図14(b)に示すように多孔板20における貫通孔22の配列が1列である場合、または図14(c)に示すように複数列(図示例では4列)でも最密状である場合には、最も近接する貫通孔22間の間隔dのことであり、図14(d)に示すように複数列(図示例では2列)でも千鳥状である場合には、長手方向に直交する方向から投影した時に最も近接する貫通孔22間の長手方向の間隔yのことである。なお、図14(d)に示すような千鳥状である場合の長手方向と直交する方向の間隔xは、上記間隔yよりも自由度が大きく、例えば、2mm以下が好ましく、より好ましくは1mm以下、さらに好ましくは0.5mm以下であることが良い。このように、本実施形態の転写装置に用いられる多孔板20においては、上記間隔xおよびyを同じ位にする必要がなく、例えば、y=0.2mmであっても、x=0.5mmまたは1mmとしても良いので、製作上の制限が緩和され、製作が容易となるという重要な特徴を有する。
【0085】
この多孔板20の厚さt1 (図13(a)参照)は、貫通孔22の直径または相当直径の3倍以上であることが好ましい、より好ましくは5倍以上、さらにより好ましくは7倍以上であることが好ましい。なお、上述の相当直径とは、「4×面積/総辺長(または全周長)」で表わされる長さのことである。多孔板20の貫通孔22の直径または相当直径を5mm以下とし、この多孔板20の厚さt1 が貫通孔22の直径または相当直径の3倍以上とするのは、これらの条件が、多孔板20によって平行光を得るために有効な条件だからである。
【0086】
また、多孔板20の全表面のうち、少なくとも貫通孔22の内面を低反射率面で構成することが好ましく、より好ましくは、多孔板20の全表面を低反射率面で構成することが良い。ここで、低反射率面とは、例えば、黒色化された面または粗面化された面等のように、入射する光の反射率を低下させている面のことをいう。黒色化面を形成する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、多孔板20を構成する素材自体が黒色のものを用いる方法、または表面の黒色化処理する方法が挙げられる。なお、黒色素材としては、例えば、カーボンブラック粉末を1%以上(好ましくは3%以上)含有する材料またはカーボン粉末を固めた材料などが挙げられる。黒色化処理の例としては、例えば、塗装または化学的処理(メッキ、酸化または電解など) が挙げられる。一方、粗面化処理に関しても、特に限定されるものではないが、例えば、穴を加工する際に同時に粗面化する方法、サンドブラストなどの機械的処理方法またはエッチングなどの化学的処理による方法等の後加工により粗面化する方法などを任意に用いることが可能である。この場合、粗面化の程度としては、例えば、中心線平均粗さで1μm〜20μm程度が有効な範囲である。
【0087】
なお、本実施形態においては、多孔板20の少なくとも貫通孔22の内面の反射率は、より好ましくは、多孔板20の全表面を構成する低反射率面の反射率は、2%以下が好ましく、より好ましくは1%以下が良い。これは、反射率が2%以下であれば、バックライトユニット1から入射した、平行光以外の散乱光を効率良く吸収でき、バックライトユニット1から略平行光(平行光を含む)のみを効率良く射出させて、LCD素子3に入射させることができるからである。なお、反射率は、例えば、(株)島津製作所製MPC3100型分光反射率測定機を用い、波長550nmで測定することができる。
【0088】
上述したように、多孔板20は、光源であるバックライトユニット1と、LCD素子3との間に位置し、図11および図12中の左右方向(バックライトユニット1の長手方向)に沿って、その移動方向前後に配置される遮光マスク7aおよび7bと共に移動可能に構成されている。この多孔板20の移動は、面状光源であるバックライトユニット1からの光を、多孔板20の貫通孔22以外からの光を遮光すると共に、線状に区切って線状光として順次LCD素子3に送るために行われるものである。
【0089】
なお、この多孔板20を移動させるための移動手段8は、図中バックライトユニット1の右端側に配置されるモータ8aと、モータ8aに取り付けれるプーリ8cと、図中バックライトユニット1の左端側に配置されるプーリ8cと、これらのプーリ8c、8cに張架される、多孔板20の長手方向の端部が取り付けられる無端ベルト8bとを有する。なお、この移動手段8としては、無端ベルト8bおよびこれを張架するプーリ8c、8cからなるセットを、多孔板20の長手方向の両端側にそれぞれ取り付け、両無端ベルト8b(一端側のみ図示)を同期させて連続駆動することが好ましい。
【0090】
また、移動手段8による多孔板20の移動速度は、光源であるバックライトユニット1の明るさ、多孔板20の貫通孔22の大きさ(直径または相当直径)またはピッチなどにより異なるが、毎秒数mm〜数百mm程度にすることが好ましい。
なお、本実施形態に用いられる移動手段8は、上述のように多孔板20の長手方向の端部を無端ベルト8bに取り付け、この無端ベルト8bを駆動するという方式のみに限定されるものではなく、トラベリングナットに多孔板20を固定し、トラベリングナットと螺合するドライブスクリュを駆動する方式、またはワイヤの一端に多孔板20を固定し、ワイヤを巻き取る方式など、従来公知の移動方法であれば、どのような方法を用いても良い。
【0091】
本実施形態において用いられる線状光化手段としては、上述した柱状の多孔板20に限定されず、図13(b)に示すような多孔板20aを用いることもできる。図13(b)に示す多孔板20aは、1列に配置された貫通孔22の上に連続する凹み22aを設けて、この凹み22aにロッドレンズ23をセットしたものである。この多孔板20aにおいては、ロッドレンズ23の役目により、多孔板20aの貫通孔22から出射する光を、より平行光化することができる。
【0092】
さらに、本発明においては、多孔板の代りに、帯状のスリット光を得ることができるスリットを持つスリット板を用いることもできる。しかし、スリットは、その長手方向の光の散乱を多孔板ほど低減できないので、スリット板よりも図13(a)に示す多孔板20および図13(b)に示す多孔板20aの方が好ましい。しかし、光源からの光の拡散成分が少ない場合、または鮮明度に対する要求が高くない場合には、スリット板を用いても良い。
【0093】
なお、このLCD素子3と、多孔板20との間には、所定の間隙を設けているが、この間隙は、上述したように、好ましくは、0.05mm〜10mm、より好ましくは0.1mm〜5mmであるが、任意の寸法に調整可能に構成されていることが好ましい。
【0094】
本実施形態の転写装置においても、上述したように、実際に取り扱い易い装置とするために必要な条件から、LCD素子3と感光フィルム4とを非接触状態で、厳密には、LCD素子3の表示面と感光フィルム4の感光面とを非接触状態で、所定の間隔だけ離間させる。本実施形態では、鮮明な転写画像を得るという点おいて、これによって生じる光拡散の増大というマイナス要因をLCD素子3の表示面と感光フィルム4の感光面との間に所定の厚さの透明なガラスまたはフィルムなどからなる透明部材10を設けることにより、光拡散の抑制というプラス要因でカバーすることができる。上述の光拡散の抑制というプラス要因としては、さらに多孔板20の貫通孔22の直径または相当直径に対する比を3倍以上とすることで光拡散を抑制することが挙げられる。加えて、LCD素子3の感光フィルム4側の基板32と偏光フィルム31とを合わせた合計厚さtを規制することによって光拡散を抑制することも挙げられる。これにより、LCD素子3と感光フィルム4とを所定の間隔だけ離間させても、より一層鮮明な転写画像を得ることができる。
【0095】
図11に示す転写装置を使用し、例えば、以下のようにして本実施形態の効果を確認することができる。まず、LCD素子3と感光フィルム4との間隔dを変えて、すなわち、透明部材10の厚さを変えて感光フィルム4にLCD素子3に表示されたデジタル記録された画像を記録して記録画像を得る。また、図11に示す転写装置から透明部材10を除いたものを使用し、LCD素子3と感光フィルム4との間隔dを変えて感光フィルム4にLCD素子3に表示されたデジタル記録された画像を記録して記録画像を得る。なお、透明部材10は上述の第1の実施形態と同様のものを使用する。また、多孔板20として、直径0.5mmの円形の貫通孔22をピッチ(p)を0.7mmで直線状に設けたものを使用し、黒色化処理を行う。なお、多孔板20の厚さを6mmとし、多孔板20の上面からLCD素子3までの距離Dを4mmとする。また、移動手段8による多孔板20の移動速度は150mm/秒とする。なお、上記各転写テストにおいては、得られる転写画像の濃度がほぼ同一になるように光源の点灯時間を調整して行う。
【0096】
所定の厚さの透明部材10を使用して得られた画像と同程度の鮮明さの画像が、透明部材10がない場合における感光フィルム4とLCD素子3との距離が何mmで得られるのかを評価した場合、下記表2に示すような結果が得られる。透明部材10は、その厚さが感光フィルム4とLCD素子3との距離に略等しいものを使用する。
【0097】
【表2】
【0098】
上記表2からわかるように、透明部材10を設けた場合の画像の鮮明さは、透明部材10がない場合に比べ感光フィルム4とLCD素子3との距離が1/2〜1/3に縮まったときに得られる画像と同程度である。また、感光フィルム4とLCD素子3との距離dを3mmとし、透明部材10として厚さが2.8mm、1.5mmのガラス板(屈折率n=1.48)を挿入し、上述と同様にして転写テストを行った場合(ガラス板上面と感光フィルム4との間隔はそれぞれ0.2mm、1.5mmである。)、ガラス板の厚さが2.8mmの場合の画像の鮮明さは、感光フィルム4とLCD素子3とが単に、1〜2mm離間している場合の画質と同程度である。また、ガラス板の厚さが1.5mmの場合の画像の鮮明さは、感光フィルム4とLCD素子3とが単に、2mm離間している場合の画質と同程度である。
【0099】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図15は本発明の第3の実施形態に係る転写装置を示す模式的断面図、図16(a)は本実施形態の転写装置の動作を示す模式図、(b)は本実施形態の転写装置の動作の変形例を示す模式図である。なお、本実施形態においては、図11乃至図14に示す第2の実施形態と同一構成物には、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
本実施形態は、第2の実施形態と比較して、光源および移動手段が異なり、それ以外の構成は第2の実施形態と同様である。すなわち、第2の実施形態に係る転写装置は、面状光源であるバックライトユニット1を用い、線状光化手段である多孔板20を用いて線状略平行光を生成するものであった。しかし、本実施形態は、図15に示すように、線状光源11aである棒状ランプとして、例えば、直管冷陰極管を用いる。
【0100】
図15、図16(a)および(b)に示す本実施形態の転写装置は、線状光源11aと多孔板20とが結合され、線状略平行光生成ユニット1aとして一体化されており、遮光マスク7aおよび7bが備えられていない点が、第2の実施形態の転写装置と異なり、それ以外は同じ構成である。
【0101】
図15に示す転写装置において、線状略平行光生成ユニット1aは、棒状ランプ(例えば、直管冷陰極管)からなる線状光源11aと、線状光化手段としての柱状の多孔板20とを結合して一体化されたユニットとしたもので、線状光源11aからの光を線状の実質的な平行光として透過型のLCD素子3に直角に入射させる機能を有するものであり、この線状略平行光生成ユニット1aと透過型LCD素子3との相対的な移動方向(透過型LCD素子3の表示画面の走査方向)に直交する方向(長手方向)に幅を有する線状光を射出するものである。
【0102】
図16(a)に示すように、本実施形態においては、固定されている透過型のLCD素子3に対して、線状略平行光生成ユニット1a側が移動するものである。また、本実施形態の変形例として、図16(b)に示すように、固定されている線状略平行光生成ユニット1aに対して、感光フィルム4と一体化されたLCD素子3側が移動するものとしてもよい。このように、本変形例は感光フィルム4の2枚分のスペースが必要である。このため、図16(a)に示す実施形態のほうが、装置構成をコンパクトにできるので、線状略平行光生成ユニット1a側が移動する方が好ましい。
【0103】
線状略平行光生成ユニット1aに用いられる線状光源11aは、冷陰極線管等の棒状ランプと、拡散フィルムまたはリフレクタ等の反射板などを有し、棒状ランプからの光を拡散フィルムまたは反射板などを用いて均一に拡散させるようにしたものであるが、本実施形態はこれに限定されず、帯状の光が得られれば、どのようなものでも良く、例えば、棒状の光源、細長い有機ELパネルまたは無機ELパネル等を組み合せて所定長の光源等とスリット板とを用いて帯状のスリット光とするものであっても良い。また、LED等を列状に配置して列状の点状光を得るものであっても良い。後者の場合には、LEDと多孔板20の貫通孔22との位置を合わせることが好ましい。
【0104】
なお、本実施形態において、線状略平行光生成ユニット1aに用いられる線状光化手段は、図13(a)および(b)に示す多孔板20および20aを用いることができるのはもちろん、図11に示す第2の実施形態の転写装置に適用できるものは、全て適用可能である。
【0105】
また、本実施形態においては、図15に示すように、線状光源1と多孔板20とを一体化した線状略平行光生成ユニット1a自体を移動手段8の無端ベルト8bに取り付けるものであり、線状光化手段(多孔板20)を移動手段8の無端ベルト8bに取り付ける図11に示す第2の実施形態の場合とは異なるが、移動手段8の機能および作用ならびに移動手段8による線状光化手段(多孔板)の機能および作用は同様であるのはいうまでもない。図15に示す本実施形態の転写装置では、図11に示す第2の実施形態の転写装置と同様に、移動手段8による線状略平行光生成ユニット1aの移動により、線状略平行光生成ユニット1aからの線状の光を順次LCD素子3に照射して、LCD素子3上に表示されている画像を走査露光により透明部材10を介して照明する。これにより、略平行光の拡散角度が多少大きくても感光フィルム4にLCD素子3に表示されている画像と略同じ大きさで画像を転写することができる。
なお、図15に示す本実施形態の転写装置では、図11に示す第2の実施形態に係る転写装置に比べ、光源のサイズを小さくできるので、装置構成をさらに小型化できる。
【0106】
図17は第3の実施形態に係る転写装置の他の変形例を示す模式図である。なお、図17においては、線状略平行光生成ユニット1a、感光フィルム4、透明部材10およびLCD素子3のみ示し、他の構成については図示していない。本変形例においては、線状略平行光生成ユニット1aが移動する方向Aと貫通孔22の軸方向とが平行になるように、線状略平行光生成ユニット1aが配置されている。多孔板20の出射側の端面にミラー24が、多孔板20からの出射光をLCD素子3に入射させるように、方向Aに対して45°の角度で配置されている。本変形例の構成とすれば、第3の実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、第3の実施形態のものよりもさらに小型化することができる。
【0107】
上述のいずれの実施形態においても、透明部材10を設けることにより、LCD素子3と感光フィルム4との距離を離しても画質が優れた画像を得ることができる。このため、フィルムケースの形状の制約が緩和される。また、略平行光生成素子として多孔板を使用したが、これに限定されるものではなく、例えばセルフォックレンズなどを使用しても良い。また、第2および第3の実施形態においても、透明部材10に第1の実施形態の第1および第2の変形例に示す透明部材10c、10dを適用できる。また、第2および第3の実施形態においても、感光フィルム4の画像領域(図示せず)およびLCD素子3の画像領域(図示せず)については、第1の実施形態と同様にすることができることはいうまでもない。
【0108】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、例えばLCD素子である画像表示装置の画像表示面と、例えば感光フィルムである感光性記録媒体の記録面との間に屈折率が1よりも大きく、厚さが一定の透明平板を設け、さらに、光源と画像表示装置との間に複数の貫通孔が形成された多孔板を設けるので、簡単な構成で、真に小型軽量化、低消費電力化および低コスト化を可能にする転写装置を実現することが可能である。
なお、上記基本構成に、前述のような付加的な条件を加味することにより、さらに効果を高めることができるものである。
【0109】
また、本発明によれば、通常の画素密度の液晶ディスプレイから高い画素密度の高精細画面を持つ液晶ディスプレイまでの使用を可能として、実用に耐える鮮明度の写真画像からより鮮明度の高い高精細な転写画像までの中の所望の鮮明度の転写画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る転写装置を示す模式的側断面図である。
【図2】 本発明の第1の実施形態に係る転写装置の要部を示す模式的断面図である。
【図3】 (a)は本実施形態の転写装置に使用される多孔板を示す正面図、(b)は本実施形態の転写装置に使用される多孔板の第1の変形例を示す正面図、(c)は本実施形態の転写装置に使用される多孔板の第2の変形例を示す正面図である。
【図4】 本実施形態の転写装置に使用される透過型の液晶表示素子の構造を示す断面図である。
【図5】 本実施形態の転写装置に使用されるフィルムパック5の一例の構造を示す斜視図である。
【図6】 第1の実施形態に係る転写装置の第1の変形例を示す模式的断面図である。
【図7】 第1の実施形態に係る転写装置の第2の変形例を示す模式的断面図である。
【図8】 第2の変形例の転写装置に使用される透明部材を示す斜視図である。
【図9】 本発明の実施形態に係る転写装置の効果を説明する模式図である。
【図10】 本発明の実施形態に係る転写装置において透明部材が設けられていないものを示す模式図である。
【図11】 本発明の第2の実施形態に係る転写装置を示す模式的断面図である。
【図12】 本発明の第2の実施形態に係る転写装置の要部を示す模式断面図である。
【図13】 (a)は本発明の第2の実施形態の転写装置に使用される多孔板を示す斜視図、(b)は本発明の第2の実施形態の転写装置に使用される多孔板の変形例を示す模式的断面図である。
【図14】 (a)乃至(d)は第2の実施形態の転写装置に使用される多孔板の貫通孔の配置を示す正面図である。
【図15】 本発明の第3の実施形態に係る転写装置を示す模式的断面図である。
【図16】 (a)は本実施形態の転写装置の動作を示す模式図、(b)は本実施形態の転写装置の動作の変形例を示す模式図である。
【図17】 第3の実施形態の他の変形例を示す模式図である。
【図18】 (a)は従来技術2の印写装置を示す側面図、(b)は図18(a)のD部拡大図である。
【図19】 従来技術2の他の実施形態の印写装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 バックライトユニット
2、20 多孔板
21、22 貫通孔
3 LCD素子
31、37 偏光板
32、36 基板
33、35 電極
34 液晶層
4 感光フィルム(インスタント写真用フィルム)
5 フィルムパック
51 フィルムケース
52 切り欠き
53 露光済みフィルムの取出口
54 開口部
6 本体ケース
61 露光済みフィルムの送り出し兼処理液展開ローラ対
62 取出口
10 透明部材
24 ミラー
Claims (3)
- 光源と、液晶層をその両側から基板で挟持する構造の透過型の画像表示装置と、感光性記録媒体とを、前記画像表示装置の画像表示面と前記感光性記録媒体の記録面とを対向させて前記光源の光の進行方向に沿って直列に配置し、前記透過型の画像表示装置から通過した表示画像を前記感光性記録媒体の前記記録面に転写する転写装置であって、
前記透過型の画像表示装置の前記画像表示面と前記感光性記録媒体の前記記録面とが離間して配置され、前記透過型の画像表示装置と前記感光性記録媒体との隙間の前記画像表示面に整合する位置に屈折率が1よりも大きく、前記画像表示面に対応する領域における厚さが一定の透明平板が設けられ、さらに、前記光源と前記画像表示装置との間に複数の貫通孔が形成された多孔板が設けられていることを特徴とする転写装置。 - 前記画像表示装置は、RGBの各ドットを用いて画像を表示し、
前記画像表示装置の前記画像表示面に表示した前記表示画像のRGBの各ドットを前記感光性記録媒体の前記記録面に転写する請求項1に記載の転写装置。 - 前記透明平板は、前記感光性記録媒体の前記記録面に対向する面に凹部が形成されており、前記透明平板と感光性記録媒体とは画像領域の外縁で接触する請求項1または2に記載の転写装置。
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