JP3783998B2 - 半径測定式定寸制御方法及び半径測定式定寸装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、研削加工や旋削加工において工作物の半径を測定して定寸制御を行う半径測定式定寸加工に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術においては、研削加工や旋削加工における定寸装置の測定ヘッドには、工作物の外周面を直径方向から挟むゲージにより工作物の直径を検出する形式と工作物の外周面に接触し得るVブロックとVブロックの中心から突出方向に付勢されて進退自在に突出したプローブとからなり、工作物の外周面の円周1点における半径を検出する形式(図5参照)とがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
工作物の外周面を直径方向から挟むゲージにより工作物の直径を検出する形式の測定ヘッドは、工作物の直径を直接検出するので、測定値には問題がないが、例えばクランク軸のクランクピン等のように工作物の回転中心に対し遊星運動する加工個所の測定に対しては不適切である。
【0004】
工作物の外周面の円周1点における半径を検出する形式の測定ヘッドは、Vブロックであるので、この種の遊星運動をする加工箇所のオンマシン測定に適している。
しかし、切込み送り中は、回転中の工作物の半径は、図3に示すように工具と接触する加工点に対する円周位相により変化する。従って、Vブロックによる単一点での検出の測定値では正確な測定値にはならない。
【0005】
そこで図5に示すように、切込み送りを断続させ、切込み送りの一時中止中毎に、工作物を適宜数(N回)回転させて工具による加工を続けさせる。そして、その後における測定ヘッドの検出による半径測定値を2倍した値を直径測定値(Dn)として目標値(Df)と比較して定寸制御を行わなければならない。
【0006】
このような切込み送りを断続させ、切込み送りの一時中止中毎に工作物を適宜数回転させた後での測定は、加工時間が長くなり、加工能率が低下する。
この発明は、半径測定式定寸装置を用いながらも、切込み送りを停止させることなく、即ち加工効率を低下させることなく定寸加工を行い得る半径測定式定寸加工を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の半径測定式定寸装置は、工作物の円筒部を円形に加工する定寸加工装置における加工中の回転円筒部の円周単一位相の測定箇所の半径を測定する測定ヘッドと、測定箇所から円周方向にπラジアン(180度)離れた位相の半径値との合算値を算出する演算手段と、前記合算値をもって加工中の回転円筒部の測定直径値として定寸制御する制御手段とを備えている。
【0008】
そして、測定箇所から円周方向にπラジアン(180度)離れた位相の半径値を求める手段としては、測定ヘッドにより測定された実測半径値を記憶するメモリ手段を備え、メモリ手段に記憶されている半回転前の実測半径値を、測定箇所から円周方向にπラジアン(180度)離れた位相の半径値として扱う手段、又は、実測半径値に加工中の回転円筒部の1/2回転当りの工具切込量を加算して算出する手段、一例を挙げれば予めパラメータとして設定された一定加工工程区間についての工具切込量と切込時間と加工中の回転円筒部の1/2回転時間とに基づいて切込時間に対する加工中の回転円筒部の1/2回転時間の占める割合に工具切込量を乗算して加工中の回転円筒部の1/2回転当りの工具切込量を算出し、その工具切込量を実測半径値に加算して算出する手段がある。
【0009】
この発明の半径測定式定寸制御方法は、上記の半径測定式定寸装置を用いて、工作物の円筒部を円形に加工する定寸加工において、加工中の回転円筒部の円周単一位相の測定箇所の半径を測定し、その測定された実測半径値と測定箇所から円周方向にπラジアン(180度)離れた位相の半径値とを合算し、その合算値をもって加工中の回転円筒部の測定直径値として制御するのである。
【0010】
上記の測定箇所から円周方向にπラジアン(180度)離れた位相の半径値を求める方法としては、例えばメモリ手段に加工中の実測半径値を記憶させておき、そのメモリ手段に記憶された半回転前の実測半径値をもって測定箇所から円周方向にπラジアン(180度)離れた位相の半径値として扱うか、又は、実測半径値に加工中の回転円筒部の1/2回転当りの工具切込量を加算して算出するかである。
【0011】
そして、上記の加工中の回転円筒部の1/2回転当りの工具切込量を求める方法の一例としては、一定加工工程区間についての工具切込量と切込時間と加工中の回転円筒部の1/2回転時間とが予めパラメータとして設定し、切込時間に対する加工中の回転円筒部の1/2回転時間の占める割合に工具切込量を乗算して算出するのである。
【0012】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態における半径測定式定寸装置を備えたクランク研削盤を図面に従って説明する。
図1において、ベッド1に切り込み送り方向に滑動自在に設けられた砥石台2は送りサーボモータ3で駆動される送りねじ機構4によりX軸線方向に移動されるようになっており、送りサーボモータ3は、後述の数値制御装置20により制御駆動されるようになっている。
【0013】
工作物であるクランク軸Wは、工作主軸台において回転駆動される工作主軸と心押台のセンタとに保持されてX軸線方向に直交した(図1の紙面に垂直な)Z軸線回りに回転駆動され、クランク軸WのクランクピンPは、ジャーナルの軸心周りに公転するようになっている。
【0014】
砥石台2には、Z軸線方向に突出した砥石軸(図示しない)が砥石モータ(図示しない)により回転駆動されるように設けられている。砥石軸の先端には、砥石車5、例えば円盤状基板の外周に厚さ5〜10mm程度、ダイヤモンド、好ましくはCBN砥粒を例えばビトリファイドボンドで結合されている超砥粒層が接着された砥石車が取り付けられている。そして、その外周面の砥石面はクランク軸WのクランクピンPに対向させられる。
【0015】
砥石台2には、定寸装置Aが装着されている。
砥石台2上に立設された支持部材6の頂部にはZ軸線方向の回転自在な支持軸7を介して第1アーム8の基部が取り付けられ、第1アーム8の先端部にはZ軸線方向の回転自在な支持軸9を介して第2アーム10の基部が取り付けられている。
【0016】
第2アーム10は、支持軸9を中心に図1において時計回りには回動自在であるが、反時計回りには、第1アーム8の先端に設けられたストッパ19に接触するまでのみ回動自在である。
第2アーム10及びZ軸線と直交し基部が第2アーム10の先端部に取り付けられた測定棒11の先端部には、クランク軸のクランクピンPに外周面に接触し得るVブロック12とVブロック12の中心から突出方向に付勢されて進退自在に突出したプローブ13とからなる測定ヘッドHが取り付けられている。
【0017】
プローブ13は、Vブロック12のV字面に接触したクランクピンPに先端が接触してその進退を電気信号として後述の数値制御装置20に対し出力するようになっている。
Vブロック12には、クランクピンPに向って移動するVブロック12をクランクピンPに接触するように案内するガイド部材14が下方に伸び出で設けられている。
【0018】
第1アーム8の基部には、基部側の揺動腕部15aと先端側の当接片部15bとが段差をつけて形成された操作部材15が第1アーム8と略垂直になって一体的に取り付けられている。そして、砥石台2上には、水平に油圧シりンダ16が設けられ、後方に向つて突出したピストン棒16aの先端は、操作部材15の当接片部15bに当接可能である。
【0019】
従って、図1において、ピストン棒16aが伸長すると、操作部材15に当接して第1アーム8は、支持軸7を中心に時計回りに回動し、ピストン棒16aが退縮すると、第1アーム8は、第2アーム10や測定ヘッドHの重量により、支持軸7を中心に反時計回りに回動するようになっている。
【0020】
数値制御装置20は、CPU21、ROM22、RAM23をバス24を介して相互に接続されて構成されている。CPU21は、インターフェース25を介して駆動指令をX軸サーボモータ制御回路17に入力するように接続されている。X軸サーボモータ制御回路17は、対応するサーボモータ3を駆動し、サーボモータ3のエンコーダ3aからフィードバック信号が入力されるようにサーボモータ3に接続されている。
【0021】
バス24には、インターフェース26を介してCRT31及びテンキー32等を備えた入出力装置30が接続されている。ROM22には、システム制御プログラム等が記憶され、RAM23には、加工制御プログラム等が記憶されている。更に、数値制御装置20の他に、バス24には、砥石台2に設けられた定寸装置Aの測定ヘッドHがA−D変換器を含むインターフェース18を介して接続されている。
そして、CPU21においては、定寸装置Aの測定ヘッドHから入力される半径寸法計測信号に基づいて後述するような研削中のクランクピンPの直径を正確に求める演算手段が備えられている。
【0022】
この発明の実施の形態における半径測定式定寸装置を備えたクランク研削盤によるクランク軸のクランクピンの定寸研削を説明する。
先ず、工作主軸台のセンタと心押台のセンタとには工作物であるクランク軸Wの両端が保持され、定寸研削加工部分は、クランクピンPである。
【0023】
数値制御装置20においては、予め入出力装置30から予め所定の定寸研削加工のプログラムが入力されており、それに従って下記の工程が行われる。
砥石台1の砥石車5は、砥石台1のモータにより回転駆動され、工作主軸台のセンタと心押台とを搭載したテーブルがZ軸線方向に移動させられ、研削されるクランクピンPが砥石台1の砥石車5に対向する位置に位置決めされる。
【0024】
そして、工作主軸が回転駆動されることにより、クランク軸Wはジャーナル軸線回りに回転させられ、クランクピンPはジャーナル軸線回りに公転する。
送りサーボモータ3は、数値制御装置20からの指令に基づいてX軸サーボモータ制御回路17により送りサーボモータ3が駆動され、その結果、砥石台2は、送りねじ機構4を介して前進・後退するのである。
【0025】
この場合、数値制御装置20からの指令に基づいて工作主軸サーボモータの駆動に同期させた指令が送りサーボモータ3の駆動に加わり、砥石台1の前記送りに公転するクランクピンPの動きに応じた前進・後退が加わる。このように主軸回転と砥石台進退との同期状態で、先ず、待機位置から砥石台2が早送りされ、対向するクランクピンPに近接する。
【0026】
それから粗研削送りとなり、砥石車5がクランクピンPに接触した後、砥石車5によりクランクピンPが粗研削される。
更に後述するように、定寸装置の作動に従って、送りサーボモータ3による砥石台2の切込み送りは、数値制御装置20からの指令に基づいて精研削送りに切換えられ、砥石車5によりクランクピンPが精研削される。
【0027】
その後、定寸装置の作動に従って、送りサーボモータ3による砥石台2の切込み送りは、数値制御装置20からの指令に基づいて微研削送りに切換えられ、砥石車5によりクランクピンPが微研削される。クランクピンPが所定の仕上げ寸法になると、定寸装置の作動に従って、送りサーボモータ3による砥石台2の切込み送りは、数値制御装置20からの指令に基づいて暫時停止され、スパークアウトが行われる。その後、数値制御装置20からの指令に基づいて送りサーボモータ3により、砥石台2は待機位置に早戻りされ、工作主軸の回転駆動及びこれに同期する砥石台2の進退運動が停止され、研削加工が終了する。
【0028】
上記の研削において、定寸装置の作動を説明すると、粗研削が幾分進んで研削面が現われる時に、数値制御装置20からの指令に基づいて油圧シりンダ16が作動し、ピストン棒16aが突出状態の待機位置から退縮する。
【0029】
すると、定寸装置Aの測定ヘッドH等の重量により待機位置にある定寸装置Aの操作部材15、第1アーム8及び第2アーム10は、図1で支持軸7を中心に反時計回りに所定位置にまで回動する。
その間、ガイド部材14は、上方よりクランクピンPに接触しながらクランクピンPに近接し、ガイド部材14と一体的にクランクピンPに近接するVブロック12及びプローブ13をクランクピンPに接触するまで案内する。
【0030】
そして、第1アーム8の最終回動位置に達する前にVブロック12及びプローブ13をクランクピンPに接触するので、第2アーム10の回動は阻止され、第1アーム8の最終回動によりストッパ19から適宜の間隔だけ離れる。その結果、Vブロック12及びプローブ13はその重量圧によりクランクピンPの外周面に上方から接触する。
その際、Vブロック12より先にクランクピンPに接触するプローブ13はVブロック12内に押込まれ、後退する。
【0031】
そして、砥石車5の切込み送りが進み、研削されるクランクピンPの径が減少するにつれ、プローブ13はVブロック12内に後退する。即ち、クランクピンPの外周面に接触して変位するプローブ13の位置信号は、研削加工中、インターフェース18を介して数値制御装置20に入力される。
【0032】
クランクピンPの外周面に接する所定角度開きのVブロック12の2つの支承面とクランクピンPプローブ13の先端位置との関係で、クランクピンPのような円柱体(断面円)の半径が計測されることは、幾何学的にも従来周知である。
【0033】
図3に示すように、クランクピンPの回転と砥石車5の切込送りとが同期して連続して行われているので、クランクピンPの半径は、砥石車5の外周面に接触した直後、即ち研削直後の外周面部分が最小となり、クランクピンPの回転方向に向って漸増し、砥石車5の外周面に接触する直前、即ち研削直前の外周面部分が最大となる。
【0034】
そして、測定ヘッドHは、研削加工中のクランクピンPの上方に位置し、その計測位置(研削位置より約1/4回転後の位相位置)に至った周面部分の半径を常時測定している。即ち、計測時より約1/4回転前の時点における切込送り位置の砥石車5で研削された周面の半径が計測されていることになる。
なお、プローブ13の計測位置は、図3では、便宜上、研削位置より1/4回転進んだ位置として発信されているが、より正確には、1/4回転位置よりも更にπ/6(30度)程進んだ位置である。
【0035】
従って、測定ヘッドHにより計測された(半径)計測値は、クランクピンPの実際の直径値Dの1/2より小さく、測定ヘッドHの計測値がクランクピンPの直径値の1/2として扱われて、定寸研削が行われると、実際のクランクピンPは大きく仕上る。
【0036】
そこで、測定ヘッドHにより計測された(半径)計測値に基づいて計測されたとするクランクピンPの直径測定値Dは、下記の式により補正演算して求められる。(図3参照)
D:クランクピンPの直径測定値 (μm)
T:クランクピンPの1/2回転の所要時間 (ms)
t:砥石車5の各研削工程の切込み時間 (ms)
a:砥石車5の切込み時間tにおける切込み量 (μm)
R:測定ヘッドHによる計測値 (μm)
【0037】
既述のようにインターフェース18を介して数値制御装置20に入力された研削加工中における測定ヘッドHのプローブ13の位置信号、即ち計測値(R)信号及び数値制御装置20に入力記憶されている研削条件に応じた諸設定値に基づいて、数値制御装置20においては上式による演算が行われる。
【0038】
研削条件に応じた諸設定値
【0039】
その演算結果をクランクピンPの直径測定値Dとして研削プログラムに従った数値制御装置20による制御により図4に示すような計測プロセスでCPU21により計測処理が行われる。
【0040】
1.計測サイクルが開始される。
2.数値制御装置20に記憶されている粗研削工程(F=1)指令がセットされる。
3.測定ヘッドの計測信号が数値制御装置20に入力され計測信号読取り(R1)が行われる。
【0041】
4.研削が粗研削(F=1)であるか否が判断される。
5.CPU21は、実行中の研削が粗研削(F=1)であると判断すると、RAM23に記憶されている粗研削用諸設定値(a1,t1,T1,Df+S1)をセットする。
【0042】
6・D1=R1×2+(T1/t1)×a1の演算が行われ、D1が算出される。
7.D1とDf+S1とが比較され、粗研削で減少するD1がDf+S1に達するまで、前記3〜7が繰り返し続行される。
【0043】
8.粗研削で減少するD1がDf+S1に達すると、CPU21は、F=2とセットすると共に、精研削指令を出力し、送りサーボモータ3を精研削送り速度で駆動し、砥石台2の送りを精研削送りとして、前記3に戻る。
9.前記3で測定ヘッドの計測信号読取り(R2)が行われ、前記4で研削が粗研削(F=1)でないと判断されると、研削が精研削(F=2)であるか否が判断される
【0044】
10.CPU21は、実行中の研削が精研削(F=2)であると判断すると、RAM23に記憶されている精研削用諸設定値(a2,t2,T2,Df+S2)をセットする。
11(6).D2=R2×2+(T2/t2)×a2の演算が行われ、D2が算出される。
【0045】
12(7).D2とDf+S2とが比較され、精研削で減少するD2がDf+S2に達するまで、前記3,4,10,6及び7が繰り返し続行される。
13.精研削で減少するD2がDf+S2に達すると、CPU21は、F=3とセットすると共に、微研削指令を出力し、送りサーボモータ3を微研削送り速度で駆動し、砥石台2の送りを微研削送りとして、前記3に戻る。
【0046】
14(9).前記3で測定ヘッドの計測信号読取り(R3)が行われ、前記4で研削が粗研削(F=1)ないと判断されると、研削が精研削(F=2)であるか否が判断される
15.CPU21は、実行中の研削が精研削(F=2)でないと判断すると、RAM23に記憶されている微研削用諸設定値(a3,t3,T3,Df)をセットする。
【0047】
16(6).D3=R3×2+(T3/t3)×a3の演算が行われ、D3が算出される。
17(7).D3とDfとが比較され、微研削で減少するD3がDfに達するまで、前記3,4,15,6及び7が繰り返し続行される。
【0048】
18.微研削で減少するD3がDfに達すると、CPU21は、スパークアウト後、砥石車後退を実行する。これにより、送りサーボモータ3は、指令に基づいて停止され、スパークアウトが開始されると共に、油圧シリンダ16が作動し、ピストン棒16aが退縮状態の計測位置(図1の実線表示)から伸長する。すると、計測位置にある定寸装置Aの操作部材15、第1アーム8及び第2アーム10は、図1で支持軸7を中心に時計回りに所定位置にまで回動し、定寸装置Aの測定ヘッドHは、待機位置に復帰する。
【0049】
そして、数値制御装置20からの指令信号に基づいて、所定のスパークアウト時間経過後、駆動回路17からの出力により送りサーボモータ3が駆動され、砥石台2はボールねじ機構4を介して急速戻り速度で待機位置にまで後退して停止すると共に、主軸サーボモータが停止される。
19.かくして、研削加工は終了する。
【0050】
上記の実施の形態では、測定箇所から円周方向にπラジアン(180度)離れた位相の半径値,即ち図3における(Rn+Δdn)を算出するようにしているが、このような算出によらなくてもよい。
具体的には、工作物Wの回転中に各測定位相(例えば、π/180ラジアン又はπ/360ラジアン)毎に実測半径寸法をRAM23の所定の記憶領域に更新記憶するようにし、同時にこの各実測半径寸法を抽出した角度位相に対してπラジアン分位相が異なる角度位相の実測半径寸法をRAM23から読み出して、この読み出した半回転前に検出した実測半径寸法を使用するようにしてもよい。
【0051】
上記の実施の形態の定寸装置は、クランクピン研削盤に適用したものであるが、この発明は、クランクピン研削盤に限らず、同一の工作物上で軸線方向に存在する複数の加工箇所を研削加工することが必要な研削盤、例えば一般的な多段円筒研削盤又はクランク軸のジャーナル研削盤等にも適用できる。
【0052】
又、上記の実施の形態では、研削盤を制御する数値制御装置20のCPU21に図4に示す計測サイクルルーチンを実行させているが、CPU21を備えたコンピュタとは別のコンピュータにこのルーチンを実行させてもよい。
【0053】
【発明の効果】
この発明の半径測定式定寸装置においては、工作物の外周面の円周1点における半径を検出する形式の測定ヘッドを用いた半径測定式定寸装置における切込み送り中に回転中の工作物の半径が工具と接触する加工点に対する円周位相により変化することによる直径測定値の不正確さを解消するのに、切込み送りを断続させ、切込み送りの一時中止中毎に、工作物を適宜数回転させて工具による加工を続けさせるというようなことを必要としないで、連続的に定寸加工を行い得る。従って、加工時間が長くならず、加工能率も低下しない。
【0054】
更に、この発明の半径測定式定寸装置においては、工作物の外周面を直径方向から挟むゲージにより工作物の直径を検出する形式の測定ヘッドを用いた直径測定式定寸装置とは異なり、例えばクランク軸のクランクピン等のような測定個所が遊星運動をする加工での使用に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態におけるクランク研削盤の半径測定式定寸装置の側面図である。
【図2】この発明の実施の形態における半径測定式定寸装置を備えたクランク研削盤の数値制御装置のブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態における半径測定式定寸装置の直径測定値演算の説明図である。
【図4】この発明の実施の形態における半径測定式定寸制御のために数値制御装置のCPUが実行するフローチャートである。
【図5】従来の技術における半径測定式定寸装置の定寸制御の説明図である。
【符号の説明】
1 ベッド
2 砥石台
3 送りサーボモータ
4 送りねじ機構
5 砥石車
A 定寸装置
6 支持部材
7,9 支持軸
8 第1アーム
10 第2アーム
11 測定棒
H 測定ヘッド
12 Vブロック
13 プローブ
14 ガイド部材
15 操作部材
15a 揺動腕部
15b 当接片部
16 油圧シりンダ
16a ピストン棒
20 数値制御装置
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 バス
25,26,18 インターフェース
17 X軸サーボモータ制御回路
30 入出力装置
31 CRT
32 テンキー
W クランク軸
P クランクピン
Claims (6)
- 工作物の円筒部を円形に加工する定寸加工において、加工中の回転円筒部の円周単一位相の測定箇所で回転中の回転円筒部の半径寸法を測定し、その実測測定値を回転中の回転円筒部の単位回転位相毎に制御装置のメモリ手段に記憶させ、所定時点の実測測定値とメモリ手段に記憶されている該実測測定値箇所から円周方向にπラジアン(180度)離れた位相の回転円筒部の実測測定値とを合算し、その合算値をもって加工中の回転円筒部の測定直径値として制御する定寸制御方法。
- 工作物の円筒部を円形に加工する定寸加工において、加工中の回転円筒部の円周単一位相の測定箇所で回転中の回転円筒部の半径寸法を測定し、その実測測定値と加工中の回転円筒部の1/2回転当りの工具切込量とを合算し、その合算値をもって加工中の回転円筒部の測定直径値として制御する定寸制御方法。
- 加工中の回転円筒部の1/2回転当りの工具切込量は、一定加工工程区間についての工具切込量と切込時間と加工中の回転円筒部の1/2回転時間とが予めパラメータとして設定し、切込時間に対する加工中の回転円筒部の1/2回転時間の占める割合に工具切込量を乗算して算出する請求項2に記載の定寸制御方法。
- 工作物の円筒部を円形に加工する定寸加工装置における加工中の回転円筒部の円周単一位相の測定箇所で回転中の回転円筒部の半径寸法を測定する測定ヘッドと、その実測測定値を単位回転位相毎に記憶するメモリ手段と、測定ヘッドで測定される実測測定値とメモリ手段に記憶されている該実測測定値箇所から円周方向にπラジアン(180度)離れた位相の回転円筒部の実測測定値との合算値を算出する演算手段と、前記合算値をもって加工中の回転円筒部の測定直径値として定寸制御する制御手段とを備えた半径式定寸装置。
- 工作物の円筒部を円形に加工する定寸加工装置における加工中の回転円筒部の円周単一位相の測定箇所で回転中の回転円筒部の半径寸法を測定する測定ヘッドと、測定ヘッドで測定される実測測定値と制御装置にセットされている加工中の回転円筒部の1/2回転当りの工具切込量との合算値を算出する演算手段と、前記合算値をもって加工中の回転円筒部の測定直径値として定寸制御する制御手段とを備えた半径式定寸装置。
- 制御装置にセットされている加工中の回転円筒部の1/2回転当りの工具切込量は、一定加工工程区間についての工具切込量と切込時間と加工中の回転円筒部の1/2回転時間とが予めパラメータとして設定され、切込時間に対する加工中の回転円筒部の1/2回転時間の占める割合に工具切込量が乗算されて算出された請求項5に記載の半径式定寸装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000061520A JP3783998B2 (ja) | 2000-03-07 | 2000-03-07 | 半径測定式定寸制御方法及び半径測定式定寸装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000061520A JP3783998B2 (ja) | 2000-03-07 | 2000-03-07 | 半径測定式定寸制御方法及び半径測定式定寸装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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